JPH08127674A - 帯電防止性ゴム組成物 - Google Patents

帯電防止性ゴム組成物

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JPH08127674A
JPH08127674A JP22834395A JP22834395A JPH08127674A JP H08127674 A JPH08127674 A JP H08127674A JP 22834395 A JP22834395 A JP 22834395A JP 22834395 A JP22834395 A JP 22834395A JP H08127674 A JPH08127674 A JP H08127674A
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grown carbon
rubber composition
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリカ配合による特性を低下させることなく
導電性の向上を図ること。 【解決手段】 帯電防止性ゴム組成物は、ゴムとシリカ
と、その平均直径が0.01〜3μmである気相成長炭
素繊維とを含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は帯電防止性ゴム組
成物に関し、更に詳しくは、良好な帯電防止性能を有
し、摩擦が加わると静電気が発生するような技術分野例
えばベルト、タイヤなどに好適に利用することのできる
帯電防止性ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴム製品に対する要求性能は、ま
すます多様化し、高性能化の方向に向かっている。この
ような要求に応えるために、種々のゴム改質の方法が提
案されている。
【0003】特殊な機能を有するゴム組成物の開発は、
もちろん、新規な高性能エラストマーの合成によってな
されるが、一方では、既存のゴムに特殊な効果を有する
充填剤を配合することにより、新規な性能を付与する方
法も検討され、そのいくつかは既に実用化されている。
【0004】ゴムに使用される各種の充填剤の内、もっ
とも重要なのがカーボンブラックである。カーボンブラ
ックは補強性がもっとも大きい。それゆえに、カーボン
ブラックは、強度、耐摩耗性、耐疲労性を必要とするタ
イヤ、ベルトなどには欠かすことのできない充填剤であ
る。タイヤやベルトなどには、カーボンブラックが、配
合されるゴムに対する40〜50重量%もの割合で配合
されている。さらには、このカーボンブラックはそれ自
体半導性であり、絶縁性のゴムに電気伝導性を付与する
ことができるという効果も有する。
【0005】次に重要なのがシリカである。
【0006】シリカには、ホワイトカーボンと通称され
る含水ケイ酸と無水ケイ酸とがある。前者は付着水分お
よび結合水が多いのであるが、後者はこれらが少なく、
しかもFe23 やAl23 などの不純物も少なく、
高純度である。シリカは主に合成ゴム、特に無水ケイ酸
はシリコーンゴムの補強材として使用されている。
【0007】しかしながら、ゴム補強効果が優れている
と言われるカーボンブラックであっても、これは必ずし
も全ての性能で満足の行く効果を与えるとは言えない。
例えば、合成ゴムの一種であるハロブチルゴムとカーボ
ンブラックとの混合物を加硫したときには、動的歪み、
特に曲げ/引張歪みに対する該混合物の抵抗性が不十分
である。
【0008】もっとも、カーボンブラックの代わりにシ
リカを配合すると、曲げ/引張型の歪みに対する良好な
抵抗性(例えばカーボンブラックを配合した場合よりも
2〜3倍も良好になる。)および一層少ない発熱(例え
ばカーボンブラックを配合した場合よりも約15〜20
℃も低い。)の両効果を得ることができると言われてい
る(特開平4−117741号公報参照)。
【0009】また、充填剤としてシリカを配合したゴム
はカーボンブラックを配合してなるゴムに比べて、耐油
性、耐酸性に優れている。したがって、金属類の酸洗い
用ベルトコンベアのライニング用ゴムとしては、シリカ
を配合したゴムが使用されるし、油に濡れる場所でもシ
リカを含有するゴムが使用されている。また、シリカを
配合してなるゴムは変形のヒステリシスが少ないので、
繰り返し変形における抵抗が小さくてエネルギーロスが
少ないという特徴がある。したがって、自動車などのタ
イヤとして使用した場合に、カーボンブラック充填ゴム
に比べて転がり抵抗が少なくて、そのために著しく燃費
が低下し、環境を汚すことが少ないと言われている。
【0010】しかし、シリカは、それ自体導電性を有し
ていないので、ゴムに配合してもカーボンブラックのよ
うに帯電防止性を付与することは不可能であり、また帯
電し易いという欠点を有する。したがって、常に摩擦が
生じる条件下では、帯電により発生した静電気によりス
パークが発生する危険がある。
【0011】シリカを含有するゴム組成物に104 〜1
8 Ω・cmの体積固有抵抗値を与えて静電気帯電を防
止するには、導電性を有する充填剤の混入が必要にな
る。その場合には、ゴムの性質を損なわないこと、摩擦
条件下でゴムから分離あるいは脱落しないこと、少量の
添加で導電効果を発揮することなどの諸条件が満たされ
ることが必要である。
【0012】樹脂やゴムに配合して導電性を付与する充
填剤として、金属系充填剤、非金属系充填剤およびカー
ボン系充填剤が知られている。
【0013】銅、銀などの金属系充填剤は、それ自体の
導電性は極めて優れているものの、硬度が高くてゴムの
柔軟性を損なう上にゴムとの親和性も悪く、そのために
ゴムの性能を低下させる。さらには、摩擦条件下では分
離や脱離が起こる危険がある。したがって、金属系充填
剤は摩擦や摩耗の起こらないEMI用樹脂などの高導電
性用途に主に用いられている。
【0014】一方、酸化亜鉛、酸化チタンなどの非金属
系充填剤は、それ自体の導電性は半導体グレードであっ
て非常に低い。したがって、ゴムに導電性を付与するた
めには大量の非金属系充填剤をゴムに配合しなければな
らず、ゴム組成物のその他の性能をかえって低下させる
結果となっている。
【0015】ゴムとの親和性の高いカーボン系充填剤が
好適であると考えられるのであるが、通常のカーボンブ
ラックは、それ自体の導電性が高くないので、20〜3
0重量%もの高い充填量が必要になる。そうすると、カ
ーボンブラックの充填量が過剰になってゴム組成物の物
性をかえって低下させる。また、シリカの充填量の一部
をカーボンブラックの充填量で置き換えると、シリカに
よりもたらされるはずの優れた物性が発現しなくなる。
【0016】ゴムに導電性充填剤を配合する場合につい
て、一般に以下のことが知られている[相馬勲、日本ゴ
ム協会誌 63 655(1990)]。
【0017】樹脂またはゴムに導電性充填剤を配合する
ことにより導電機能を発現させる場合には、複合則は当
てはまらない。通常、ある充填量を越えるとバルクの比
抵抗(体積固有抵抗)は急に低下し始めるが、比抵抗と
充填剤の充填量との関係曲線は、導電性充填剤の形状、
大きさ、表面処理の状態、加工法、マトリックスの種類
によって複雑に変化する。すなわち、マトリックスの中
で充填剤による導電パスをいかに生成させるかが重要な
鍵になるのである。
【0018】それには、繊維状の導電性充填剤が有効で
あり、その長さはできるだけ長い方が有利である。これ
は、カーボンブラックの中でもストラクチャーの発達し
た構造のものの方がゴム組成物あるいは樹脂組成物に高
導電性を付与することができることからも裏付けられ
る。また、上記の報告には、粒子状充填剤と繊維状充填
剤との電気伝導度に及ぼす影響が示されている。その報
告によると、ゴム組成物に同一体積固有抵抗値を与える
充填剤の体積充填率は、粒子状充填剤>繊維状充填剤
(ただし、繊維状充填剤の長さが100μmのとき)>
繊維状充填剤(ただし、繊維状充填剤の長さが200μ
mのとき)の順序になっている。
【0019】しかし、短繊維の繊維状充填剤とゴムとの
複合化を行う場合に、繊維状充填剤の長さが長すぎると
繊維状充填剤同士の絡み合いが生じて繊維状充填剤がゴ
ム中に均一に分散せず、ゴム組成物の性能向上を達成す
ることができない。
【0020】また、PAN系またはピッチ系の炭素繊維
(例えば直径7μm、長さ6mm)は、ガラス繊維と同
様に、ゴムとの混練中に高い剪断力を受けることによっ
て破砕され、長さが平均150μmおよびアスペクト比
が約20にまで低下する[野口徹ら、日本ゴム協会誌
57 171(1984)]。
【0021】したがって、炭素繊維自体の導電性はカー
ボンブラックのそれよりも高いものの、実際のゴム組成
物中の導電パス形成には必ずしも有効に働いていないの
である。
【0022】剪断力により切断され易い脆性繊維であっ
ても、その直径を小さくすると、切断されにくくなるこ
とが知られている。例えば、ガラス繊維をニトリルゴム
(NBR)やSBR(スチレンブタジエンゴム)に配合
すると、ガラス繊維の直径が小さくなるに従い、ガラス
繊維が柔軟になり、加工中の破損が減少する傾向にある
[芦田道夫、日本ゴム協会誌 63 694(199
0)]。同じ脆性物質でもある炭素繊維も、当然、同様
の傾向を有する。
【0023】しかし、PANまたはピッチを原料とする
炭素繊維の場合、実際に市場から入手することのできる
のは、直径が5μm以上、実際には7〜10μmの炭素
繊維であり、これ以下の直径を有する炭素繊維を工業的
に製造することは、その製造方法から見て困難である。
【0024】したがって、上記の炭素繊維はエラストマ
ーなどの充填剤として適当ではないのである。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、シリカ充
填剤を含有することにより得られるゴム組成物の優れた
特性を低下させることなく、帯電防止機能を有し、耐ス
パーク性の向上したゴム組成物を提供することを目的に
する。この発明はさらに、特定の形状を有する炭素系充
填剤を使用して帯電防止機能を有し、耐スパーク性の向
上したゴム組成物を提供することを目的にする。
【0026】
【前記課題を解決するための手段】この発明者は、前記
目的を達成するためには、ゴムに、シリカと特定の直径
を有する気相成長炭素繊維を配合すると、得られるゴム
組成物はシリカに基づくその耐油性、耐酸性が損なわれ
ず、しかも気相成長炭素繊維の配合により帯電防止機能
の向上したゴム組成物の得られることを見出してこの発
明に到達した。
【0027】前記課題を解決するための請求項1に記載
の発明は、天然ゴムおよび/または合成ゴムと、シリカ
質充填剤と、その平均直径が0.01〜3μmである気
相成長炭素繊維とを含有することを特徴とする帯電防止
性ゴム組成物であり、請求項2に記載の発明は、前記気
相成長炭素繊維は、その平均直径が0.05〜0.5μ
mである前記請求項1に記載の帯電防止性ゴム組成物で
あり、請求項3に記載の発明は、前記気相成長炭素繊維
は、黒鉛化気相成長炭素繊維である前記請求項1または
2に記載の帯電防止性ゴム組成物である。
【0028】
【発明の実施の形態】
−ゴム− この発明のゴム組成物におけるゴムとしては、天然ゴム
および合成ゴムを挙げることができる。この発明のゴム
組成物においては、ゴムとして、天然ゴムを単独で使用
することもできるし、合成ゴムを単独で使用することも
できるし、さらには天然ゴムと合成ゴムとを併用するこ
ともできる。
【0029】この発明における天然ゴムには、例えばエ
ポキシ化天然ゴムのような改質ゴムも含む。
【0030】合成ゴムとして、例えばイソプレンゴム、
ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン
−プロピレンゴム、ブチルゴム、ハロブチルゴム(例え
ば塩素化ブチルゴムおよび臭素化ブチルゴムなどを挙げ
ることができる。)、シリコーンゴムおよびウレタンゴ
ム等を挙げることができる。
【0031】複数種のゴムの併用例として、例えばハロ
ブチルゴムとエポキシ化天然ゴムとの複合系、エチレン
−プロピレンゴムとシリコーンゴムとの複合系を挙げる
ことができる。なお、上記の例示はあくまで例示であっ
て、この発明は上記例示に拘束されないことは言うまで
もない。
【0032】上記例示のゴムの中でも、天然ゴムおよび
スチレンブタジエンゴムなどの合成ゴムが好ましい。
【0033】−シリカ質充填剤− この発明におけるシリカ質充填剤としては、含水ケイ酸
および無水ケイ酸を挙げることができる。シリカと称さ
れるものもこの発明におけるシリカ質充填剤に含めるこ
とができる。この含水ケイ酸は、例えば「Tokusi
l」(登録商標、徳山ソーダ株式会社製)、「Nips
il」(登録商標、日本シリカ株式会社製)、「Zeo
sil」(登録商標、ローヌプーラン社製)などの商品
名で容易に入手することができる。無水ケイ酸は、例え
ば「Aerosil」(登録商標、日本アエロシル株式
会社製)、「Cab−0−Sil」(キャボット社製)
などの商品名で容易に入手することができる。
【0034】一般に、シリカ質充填剤は屈折率が1.4
5程度であり、ゴムに配合することにより透明性の大き
なゴム組成物を得ることができ、しかも同じ白色充填剤
である炭酸カルシウムよりも補強性に優れているので、
合成ゴム用透明充填剤として活用されている。もっと
も、シリカ質充填剤は粒子表面に存在するシラノール基
のために親水性を有し、ゴムに対する「濡れ性」が低
く、それ故にゴムとの密着性、分離性が悪い。このよう
なシリカ質充填剤の性質によって、シリカ質充填剤をゴ
ムに配合してなるゴム組成物においては、相分離や隙間
が発生し、ゴム組成物の強度、耐久性が低下することが
ある。したがって、予めリシカ質充填剤の表面を疎水性
に転換するか、あるいは混練中に改質剤を添加するかの
いずれかの方法がしばしば採用されている。
【0035】シリカ質充填剤の表面の水酸基を低減し、
シリカ質充填剤同士の凝集力を低下させてゴム中での分
散を促進させるために特開昭61−255945号公報
に記載の方法を採用するのも良い。
【0036】この発明においては、使用されるシリカ質
充填剤には前記したような従来から公知の手法を採用し
ても良い。
【0037】この発明におけるシリカ質充填剤の配合量
としては、この発明の目的を阻害しない限り特に制限は
ないが、好ましくは、前記ゴム100重量部に対して4
0重量部〜100重量部であり、特に好ましくは、60
重量部〜80重量部である。ゴム100重量部に対して
シリカを10重量部程度充填したものにもこの発明を適
用することは問題はないが、その場合には、ゴム物性の
点からシリカに加えてカーボンブラックもかなり充填さ
れているのが通常であり、この発明で解決するべき問題
自体が余り大きくなく、気相成長炭素繊維を充填する必
要は余りない。
【0038】−気相成長炭素繊維− 一般に気相成長炭素繊維は、基板法および流動気相法
(浮遊触媒法あるいは日機装法とも称される。)のいず
れかにより製造される。
【0039】基板法は、気相成長炭素繊維の成長核にな
る金属微粒子を、反応管内に配置されたセラミック基板
上にシードし、水素還元を行った後に、炭化水素の熱分
解反応を行うことにより、基板上に炭素繊維を成長させ
ることを内容とする。この方法で得られる気相成長炭素
繊維は、その直径が数〜数十μm、長さが数〜数十cm
である[小沼義治、小山恒夫、応用物理 32 857
(1963)]。この基板法により製造される気相成長
炭素繊維は、通常その直径が大きすぎるので、好ましく
ないことがある。
【0040】この発明の目的をより良く達成することの
できる気相成長炭素繊維としては、日機装法により製造
された気相成長炭素繊維を挙げることができる。
【0041】日機装法はこれまでに多々報告されていて
(特公昭62−49363号、USP4,572,81
3等)、これら公知の方法により製造される気相成長炭
素繊維を制限なく使用することができる。
【0042】日機装法として、基板を使用せず、炭素源
ガスと触媒源ガスとキャリヤーガスとの3成分を混合ガ
スとして800〜1,300℃の範囲内の温度に加熱さ
れた反応管内に送り込むと、微細な炭素繊維が生成し、
反応管の他端から気相成長炭素繊維を取り出すという手
法を挙げることができる。
【0043】日機装法における前記炭素源としては、触
媒源を構成する化合物中の炭素成分および触媒源とは別
の有機化合物を挙げることができる。触媒源を構成する
炭素成分の含有量が気相成長炭素繊維を生成するのに十
分な量であるときには、触媒源は反応中に触媒となる遷
移金属を供給する機能のほかに気相成長炭素繊維となる
炭素の供給源すなわち炭素源としての機能を有する。し
たがって、この発明においては、炭素源および触媒源と
して同一の化合物が使用されることもあるし、また炭素
源と触媒源とが別々の化合物であることもある。
【0044】触媒源としては有機遷移金属化合物を挙げ
ることができる。この有機遷移金属化合物は、反応管内
で分解することにより触媒としての遷移金属を発生させ
ることのできる有機金属化合物である限り特に制限がな
い。有機遷移金属化合物を構成する好適な遷移金属は、
周期律表第VIII族に属する金属を挙げることができる、
特に好適な遷移金属は、鉄、ニッケルおよびコバルトよ
りなる群から選択される少なくとも一種であり、更に好
適な遷移金属は鉄である。これらの外に有機遷移金属化
合物を構成し得る遷移金属の具体例としては、特公昭6
2−49363号公報の第5欄第14行から第22行ま
でに記載されたスカンジウム、チタン、バナジウム、ク
ロム、マンガン等の金属を挙げることができる。
【0045】炭素源である有機化合物は反応管内で気相
成長炭素繊維を形成するための炭素源となり得る化合物
である限り特に制限がない。この発明の方法に使用され
る炭素源としての有機化合物としては、特公昭62−4
9363号公報の第4欄第14行から第37行までに記
載の化合物を挙げることができる。好適な有機化合物と
しては、ベンゼン、トルエン、スチレン等の芳香族炭化
水素化合物、メタン、エタン、プロパン等の脂肪族炭化
水素化合物を挙げることができる。またこれらはその一
種を単独で使用することもできるし、その二種以上を組
みあわせて使用することもできる。
【0046】この発明における気相成長炭素繊維は、そ
の製造方法において助触媒が好適に使用される。助触媒
源としては、前記触媒源から発生する触媒金属と相互作
用して気相成長炭素繊維の生成を促進することのできる
ものであれば良く、たとえばベンゾチオフェン、チオフ
ェン、硫化水素等の含硫黄複素環式化合物が好適であ
る。
【0047】前記キャリアガスとしては、気相成長炭素
繊維の生成反応に影響を与えない限り特に制限がなく、
ヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガス、窒素ガスおよ
び水素ガスなどを挙げることができる。好ましいのは水
素ガスである。
【0048】この発明において使用される気相成長炭素
繊維は、その平均直径が0.01〜3μmであり、好ま
しくは0.05〜0.5μmである。
【0049】この発明における気相成長炭素繊維の平均
直径が前記範囲内にあると、ゴムと混練するときに気相
成長炭素繊維が破砕されず、この発明の目的をよく達成
することができる。気相成長炭素繊維の平均直径が0.
01μm未満であると、ゴムとの混練の際に、気相成長
炭素繊維がゴム中に良好に分散せずに、凝集してしまう
傾向を生じる。また、気相成長炭素繊維の平均直径が3
μmを越えると、ゴムとの混練に際し、気相成長炭素繊
維が破砕されてしまう傾向を生じることがある。
【0050】一方、この発明に使用される気相成長炭素
繊維の長さは、通常5〜150μmであり、特に10〜
100μmであるのが好ましい。
【0051】気相成長炭素繊維の長さが前記範囲内にあ
ると、導電パスが良好に形成されると共にゴム中での分
散不良を起こすこともない。
【0052】この発明においては、気相成長炭素繊維は
導電性を有するのであるが、気相成長炭素繊維の黒鉛化
度をさらに高めてなる黒鉛化気相成長炭素繊維が好まし
い。黒鉛化気相成長炭素繊維もこの発明においては気相
成長炭素繊維に含められる。とは言え、加熱処理により
更に黒鉛化された気相成長炭素繊維を、この明細書にお
いて、特に黒鉛化気相成長炭素繊維と称し、黒鉛化され
ていない気相成長炭素繊維を特に非黒鉛化気相成長炭素
繊維と称して区別することがある。
【0053】この黒鉛化気相成長炭素繊維は、黒鉛化度
の高い程、換言すると非黒鉛化気相成長炭素繊維を加熱
処理するときの温度の高い程、その電気伝導性および熱
伝導性が向上して、この発明の目的をより一層達成する
ことができる。
【0054】非黒鉛化気相成長炭素繊維および黒鉛化気
相成長炭素繊維は、ゴムとの相互作用を高めるために、
その表面に水酸基などの官能基の導入を図るのが好まし
い。官能基の導入には、通常、炭素繊維の技術分野で汎
用的に実施されている酸処理法、カーボンブラック表面
に水酸基を導入するのに使用される低温プラズマ処理法
(例えば特開昭64−9248号公報に記載された方
法)などを採用するのが良い。また、非黒鉛化気相成長
炭素繊維または黒鉛化気相成長炭素繊維を、たとえば特
開昭63−256661号公報に記載された界面活性剤
で予め処理しておくことも好ましい。
【0055】ところで、黒鉛化気相成長炭素繊維は、前
記非気相成長炭素繊維を2,000℃以上、好ましくは
2,000℃〜3,000℃の範囲に加熱処理すること
により製造されることができる。
【0056】加熱処理の雰囲気としては不活性ガス雰囲
気が通常採用される。加熱処理時間は通常5分以上であ
る。
【0057】前記黒鉛化気相成長炭素繊維は、混合操作
性の点よりすると、その平均アスペクト比が2〜200
であり、好ましくは10〜150、さらに好ましくは3
0〜110である。黒鉛化気相成長炭素繊維の平均アス
ペクト比が2〜200であるとこの発明の目的を一層良
く達成することができる。
【0058】なお、黒鉛化気相成長炭素繊維の平均アス
ペクト比は、黒鉛化気相成長炭素繊維を走査型電子顕微
鏡写真に撮り、走査型電子顕微鏡写真を観察し、走査型
電子顕微鏡写真に写された黒鉛化気相成長炭素繊維から
1,000のサンプルを無作為に選択し、選択した黒鉛
化気相成長炭素繊維を円柱体と仮定して、選択した黒鉛
化気相成長炭素繊維の長さおよび直径を測定し、その長
さと直径とから各黒鉛化気相成長炭素繊維のアスペクト
比とし、1,000のサンプルについてのアスペクト比
を平均することにより、求められる。
【0059】好適に採用される黒鉛化気相成長炭素繊維
は、高度に発達した黒鉛構造を有し、縮合環状の炭素網
面の発達度合いの点から、炭素網面間距離(doo2 )は
通常大きくとも0.338nm以下、好ましくは、大き
くとも0.337nm、更に好ましくは、大きくとも
0.3355〜0.3365nmである。
【0060】この炭素網面間距離は、「炭素技術I」科
学技術社出版、1970年発行の第55頁に記載のX線
回折から求める学振法により測定可能である。
【0061】また、好適に使用される黒鉛化気相成長炭
素繊維は、その縮合環状の炭素網面が重なった厚さすな
わち炭素結晶子の厚さ(Lc )が直径の小さくとも4
%、さらには小さくとも8%が好ましい。すなわち、黒
鉛化気相成長炭素繊維の直径がたとえば1μmのときに
は小さくともLc は小さくとも40nm、好ましくは小
さくとも60nm、さらには小さくとも80nmである
のが好ましい。
【0062】この炭素結晶子の厚さは、「炭素技術I」
科学技術社出版、1970年発行の第55頁に記載のX
線回折から求める学振法により測定可能である。
【0063】この発明における気相成長炭素繊維は、通
常そのモース硬度が2程度であり、その硬度が非常に低
いのでこの発明の帯電防止性ゴム組成物は相手材を傷付
けず、しかも熱伝導率が高いのでゴム組成物は摩擦熱の
放散が容易になり、また気相成長炭素繊維の繊維径が小
さいのでゴム組成物表面からの気相成長炭素繊維のはみ
出しがないという、優れた効果を奏する。
【0064】別の見方をすると、この発明の帯電防止性
ゴム組成物においては、気相成長炭素繊維につき、流動
気相法により製造され、かつ平均直径が0.01〜3μ
mである気相成長炭素繊維と限定することができる。こ
のように限定された気相成長炭素繊維を含有するこの発
明の帯電防止性ゴム組成物は、導電性の向上以外に、摺
動特性、潤滑特性の向上、熱伝導性の向上、放熱特性の
向上、表面平滑性の向上などの優れた技術的効果を奏す
る。
【0065】1〜平均直径が0.01〜3μmである気
相成長炭素繊維の配合量は、通常、前記ゴム100重量
部に対して1〜200重量部であり、好ましくは10〜
150重量部である。
【0066】−その他の成分− この発明のゴム組成物においては、この発明の目的を阻
害しない限りにおいて、種々の任意成分を含有させるこ
とができる。
【0067】任意成分として、例えば加硫剤、加硫促進
剤、プロセスオイル、老化防止剤、シランカップリング
剤、充填剤などを挙げることができる。
【0068】また、前記気相成長炭素繊維と共に従来か
ら公知のカーボンブラックあるいはPAN系炭素繊維、
ピッチ系炭素繊維をこの発明の目的を阻害しない範囲で
配合することもできる。
【0069】−ゴム組成物の製造− この発明の帯電防止性ゴム組成物は、前述した各成分を
混練することにより製造することができる。
【0070】
【実施例】
(実施例1、比較例1)以下の配合成分および配合割合
にて、以下の調製法に従ってゴム組成物を調製した。
【0071】<ゴム組成物> (1) 天然ゴム・・・・・・・・・100重量部 (天然ゴムラテックス[Socfin社製、商品名So
clex CC]) (2) シリカ・・・・・・・・・・ 50重量部 (ローヌプーラン社製、商品名Zeosil) (3) 気相成長炭素繊維・・・・・所定の体積充填率にな
るように計量 (日機装(株)製、商品名グラスカー(登録商標)GW
V、平均直径0.6μm、Lc 51nm、比較例1では
配合せず。) (4) カーボンブラック・・・・・所定の体積充填率にな
るように計量 (三菱化成工業(株)製、商品名GPF、実施例1では
配合せず。) (5) スピンドル油・・・・・・・ 10重量部 (6) シランカップリンブ剤・・・ 1重量部 (信越化学工業(株)製、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン) (7) 酸化亜鉛・・・・・・・・・ 4重量部 (東邦亜鉛(株)製、亜鉛華一号) (8) ステアリン酸・・・・・・・ 3重量部 (花王(株)製、商品名ルナックS−30) (9) 硫黄・・・・・・・・・・・ 3重量部 (関東化学(株)製、商品名試薬1号) (10)加硫促進剤・・・・・・・・ 1重量部 (大内新興化学(株)製、商品名ノクセラ−DM) (11)加硫促進剤・・・・・・・・ 1重量部 (大内新興化学(株)製、商品名ノクラック630F) <調製法>硫黄、気相成長炭素繊維およびカーボンブラ
ックを除く各成分を定法に従って混練し、次いで気相成
長炭素繊維を添加し(実施例1の場合)、あるいはカー
ボンブラックを添加し(比較例1の場合)、十分に混練
した後に、最後に硫黄を添加して均一に混合を行った。
この混練物を、アルミニウム製金型(150mmw×2
00mmL ×2mmd スペーサ)に収容し、ホットプレ
スを用いて125℃、33kg/cm2 で2時間かけて
加硫した。表1に、気相成長炭素繊維及びカーボンブラ
ックの体積充填率と比抵抗との関係を示した。また、表
1中には、気相成長炭素繊維およびカーボンブラックの
天然ゴム100重量部に対する配合割合が示される。
【0072】
【表1】
【0073】表1に示された結果から、平均直径が0.
6μmであり、アスペクト比が90である気相成長炭素
を配合してなるゴム組成物(実施例1)はカーボンブラ
ックを配合してなるゴム組成物(比較例1)に比べて、
パーコレーション閾値が小さく、そのために低い充填率
で優れた導電性が得られることが分かる。これは、気相
成長炭素繊維は混練中において繊維の切断が少ないこと
によるものと考えられる。
【0074】(実施例2、比較例2〜5)導電性充填剤
の配合によるシリカ含有ゴムの物性の変化を調べるため
に、以下に示す配合成分に所定の体積充填率になるよう
に各種の導電性充填剤を配合し(実施例2、比較例2〜
4)、または導電性充填剤を配合せずに(比較例5)、
160℃、43kg/cm2 、20分の加硫条件で金型
成形を行い測定試料を得た。
【0075】<配合成分および配合割合> (1) スチレン−ブタジエンゴム・・ 100重量部 (日本ゼオン(株)製、商品名Nipol#1502) (2) シリカ・・・・・・・・・・・・ 80重量部 (日本シリカ(株)製、商品名Nipsol VN3) (3) アロマティックオイル・・・・37.5重量部 (出光興産(株)製、商品名Aromatic oil
AH−16) (6) 塩化亜鉛・・・・・・・・・・ 2.5重量部 (7) ステアリン酸・・・・・・・・・・ 1重量部 (日本油脂(株)製、商品名ステアリン酸 桐) (9) 酸化防止剤・・・・・・・・・ 2重量部 (10)パラフィンワックス・・・・・ 1.5重量部 (谷口石油(株)製、商品名パラフィンワックス) (11)硫黄・・・・・・・・・・・・・・ 1重量部 (細井化学(株)製、粒状硫黄、商品名 微粉硫黄) (12)サルフェンアミド・・・・・・ 1.7重量部 (川合化学(株)製、商品名Acc CZ−R) (13)ジフェニルグアニジン・・・・・・ 2重量部 (川合化学(株)製、商品名Acc D−R) <導電性充填剤および体積充填率>実施例2、比較例2
〜4で使用した導電性充填剤、および導電性充填剤の体
積充填率は以下の通りである。
【0076】−実施例2− 気相成長炭素繊維(日機装(株)製、商品名グラスカー
(登録商標)0.4GWH−OA、平均直径0.4μ
m、Lc 51nm、黒鉛化処理)。体積充填率は4%,
8%および12%である。スチレン−ブタジエンゴム1
00重量部に対する配合割合が表2中に示される。
【0077】−比較例2− ケッチェンブラック(ケッチェンブラック インターナ
ショナル(株)製、商品名ketjenblack E
C、平均直径;30mμm)。体積充填率は8%および
12%である。スチレン−ブタジエンゴム100重量部
に対する配合割合が表2中に示される。
【0078】−比較例3− ヴァルカンXC(キャボット社製、商品名Valcan
XC−72、平均直径;30mμm)。体積充填率は
12%である。スチレン−ブタジエンゴム100重量部
に対する配合割合が表2中に示される。
【0079】−比較例4− PAN系高強度炭素繊維(東レ(株)製、商品名cho
pped CF、平均直径7μm、繊維長3mm)。体
積充填率は9.7%,13.1%および16.8%であ
る。スチレン−ブタジエンゴム100重量部に対する配
合割合が表2中に示される。
【0080】<導電率および硬度>得られた測定試料そ
れぞれについて、導電率および硬度を測定した。その測
定結果を表2に示すと共に、導電率と硬度との関係を図
1に示した。なお、導電性充填剤を配合しない場合(比
較例5)の導電率は低過ぎて正確な値は測定できなかっ
た(logσ;−10以下)。導電率は横河電機(株)
製 7552 DIGITAL MULTIMETER
を用いて測定した。硬度は、JIS K−6301(S
pring method)に準拠し、島津製作所
(株)製ゴム硬度計200にて測定した。
【0081】
【表2】
【0082】図1に示すように、気相成長炭素繊維を配
合した場合と、導電性充填剤を配合しなかった場合(比
較例5、硬度69)とでは、測定試料の硬度においてほ
とんど差がなかった。これに対して、他の導電性充填剤
を配合させた場合には、導電性充填剤を配合しない場合
(比較例5、硬度69)に比べて、得られた測定試料の
硬度は顕著に高いものであった。
【0083】このことから、気相成長炭素繊維は、シリ
カ含有ゴムの硬度を大きく変えることなく、導電性を向
上させることのできることが分かる。一方、他の導電性
充填剤は、シリカ含有ゴムの硬度を高めてしまうので、
同一用途に使用するにはシリカの量を減らす必要がある
ことが分かる。シリカの量を減らすことは、シリカ含有
ゴムの優れた特性を消失させ、あるいは著しく低下させ
ることになる。
【0084】また、図1に示すように、導電性充填剤を
配合した場合の傾向を外挿した場合、同じ硬度を有する
気相成長炭素繊維を含有するゴム組成物の導電性は、気
相成長炭素繊維を含有せず導電性充填剤を含有するゴム
組成物の導電性よりも遥かに大きなことが、容易に理解
される。
【0085】(実施例3、比較例6)以下の配合成分お
よび配合割合にて、以下の調製法に従ってゴム組成物を
調製した。
【0086】 <ゴム組成物> (1) スチレン−ブタジエンゴム(SBR)・・・100重量部 (2) シリカ・・・・・・・・・・・・・・・・・60重量部 (ウルトラジルVN3 /Si-69 =100:1 でシランカップリング処理) (3) 気相成長炭素繊維・・・・・所定の体積充填率になるように計量 (使用された気相成長炭素繊維については、別に説明される。) (4) カーボンブラック・・・・・所定の体積充填率になるように計量 (キャボット社製、商品名VulcanXC-72 、実施例では配合せず。) (5) 酸化亜鉛・・・・・・・・・・・・・・・・・2.5重量部 (東邦亜鉛(株)製、亜鉛華一号) (6) ステアリン酸・・・・・・・・・・・・・・・1重量部 (花王(株)製、商品名ルナックS−30) (7) 酸化防止剤・・・・・・・・・・・・・・・・2重量部 (8) パラフィンワックス・・・・・・・・・・・・1.5重量部 (谷口石油(株)製) (9) 硫黄・・・・・・・・・・・ 3重量部 (関東化学(株)製、商品名試薬1号) (10)サルフェンアミド・・・・・・・・・・・・・1.7重量部 (川口化学(株)製、商品名Acc CZ−R) (11)ジフェニルフアニジン・・・・・・・・・・・2重量部 (川口化学(株)製、商品名Acc D−R) <気相成長炭素繊維およびカーボンブラック>この実施
例および比較例で使用された気相成長炭素繊維およびカ
ーボンブラックは以下のとおりである。
【0087】(1) 0.1GWH−OA−W(表4中、
Bで示される。) 平均直径0.05〜0.1μmの気相成長炭素繊維(非
黒鉛化気相成長炭素繊維)を窒素気流中で2,800℃
に加熱処理して得られた黒鉛化気相成長炭素繊維。
【0088】(2) 0.1GWH−OA−W(表4中、
Cで示される。) 平均直径0.05〜0.1μmの気相成長炭素繊維(非
黒鉛化気相成長炭素繊維)を、窒素気流中で1,000
℃に加熱処理することなく、直接に2,800℃に加熱
処理して得られた黒鉛化気相成長炭素繊維。Lc は32
nm。
【0089】(3) 0.2GWH−OA−M(表4中、E
で示される。) 平均直径0.05〜0.1μmの気相成長炭素繊維(非
黒鉛化気相成長炭素繊維)を、窒素気流中で2,800
℃に加熱処理して得られた黒鉛化気相成長炭素繊維。繊
維の切断処理を行なっていず、アスペクト比が極めて大
きく、800以上である。Lc は43nm。
【0090】(4) GWH−OA(表4中、Fで示され
る。) 平均直径1μmの気相成長炭素繊維(非黒鉛化気相成長
炭素繊維)を、窒素気流中で2,800℃に加熱処理し
て得られた黒鉛化気相成長炭素繊維。Lc は65nm。
【0091】(5) VulcanXC-72 (表4中、Gで示され
る。) キャボット社製の導電性カーボンブラック。
【0092】<調製法>硫黄、気相成長炭素繊維および
カーボンブラックを除く各成分を定法に従って混練し、
次いで気相成長炭素繊維を添加し(実施例の場合に添加
し、比較例においては添加せず。)、あるいはカーボン
ブラックを添加し(比較例の場合に添加し、実施例にお
いては添加せず。)、十分に混練した後に、最後に硫黄
を添加して均一に混合を行った。この混練物を、アルミ
ニウム製金型(150mmw ×200mmL ×2mmd
スペーサ)に収容し、ホットプレスを用いて125℃、
33kg/cm2 で2時間かけて加硫し、試料を作成し
た。
【0093】表3に気相成長炭素繊維およびカーボンブ
ラックの配合重量部を示した。なお、表3中Vfは体積
含有率を示す。
【0094】
【表3】
【0095】<評価>得られた資料につき、以下の試験
を行なった。
【0096】(1) 導電性 前記実施例2におけるのと同様にして、導電率を測定
し、その導電率をもって評価した。評価結果を表4に示
すと共に、導電率と硬度との関係を図1に示した。
【0097】(2) 引張強度 前記試料につき、JIS K−6301に準拠して測定
した。
【0098】(3) 引き裂き強度 前記試料につき、JIS K−6301に準拠して測定
した。
【0099】(4) 伸度 前記試料につき、JIS K−6301に準拠して測定
した。
【0100】(5) 硬度 前記試料につき、前記実施例2におけるのと同様にし
て、測定し、評価した。
【0101】
【表4】
【0102】表4中「ブランク」と記載した欄および
「G VulcanXC-72 」と記載した欄が比較例5の結果を
表わし、その他は実施例3の結果を表わす。
【0103】表4に示される結果から、気相成長炭素繊
維は、従来の導電性カーボンブラックに比べてその硬度
を上げることなく導電性を改善することができるという
ことが理解される。
【0104】また、図2を参照すると、Gを含有するゴ
ム組成物を下方に外挿することにより、同じ硬度を有す
る本願発明のゴム組成物のほうがGを含有するゴム組成
物の導電性よりも遥かに大きいことが、容易に理解され
る。
【0105】
【発明の効果】この発明の帯電防止性ゴム組成物は、シ
リカを配合することにより得られる優れた特性の低下が
実質的になく、しかも導電性に優れている。したがっ
て、この帯電防止性ゴム組成物は、帯電防止性に極めて
優れている。
【0106】また、従来のシリカ含有ゴムの製造工程に
おいて、単に気相成長炭素繊維を配合する工程を付加す
るだけで、帯電防止性に極めて優れた帯電防止性ゴム組
成物を製造することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、各種導電性充填剤を配合した場合にお
ける導電率と硬度との関係を示した図である。
【図2】図2は、各種導電性充填剤を配合した場合にお
ける導電率と硬度との関係を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C09K 3/16 101 B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ゴムおよび/または合成ゴムと、シ
    リカ質充填剤と、その平均直径が0.01〜3μmであ
    る気相成長炭素繊維とを含有することを特徴とする帯電
    防止性ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 前記気相成長炭素繊維は、その平均直径
    が0.05〜0.5μmである前記請求項1に記載の帯
    電防止性ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 前記気相成長炭素繊維は、黒鉛化気相成
    長炭素繊維である前記請求項1または2に記載の帯電防
    止性ゴム組成物。
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