JPH08127668A - ミクロ多孔質体及びその製造方法 - Google Patents

ミクロ多孔質体及びその製造方法

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JPH08127668A
JPH08127668A JP24247795A JP24247795A JPH08127668A JP H08127668 A JPH08127668 A JP H08127668A JP 24247795 A JP24247795 A JP 24247795A JP 24247795 A JP24247795 A JP 24247795A JP H08127668 A JPH08127668 A JP H08127668A
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copolymer
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JP24247795A
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Yoshihide Fukahori
美英 深堀
Takahiro Matsuse
貴裕 松瀬
Shigehiko Mashita
成彦 眞下
Shinichi Toyosawa
真一 豊澤
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 片末端又は両末端に結晶性エチレンブロック
を有する熱可塑性ブロック共重合体と低分子材料とを混
合した後、該低分子材料を除去することによって得ら
れ、骨格の平均径が10μm以下、セルの平均径が80
μm以下の三次元連続網状骨格から構成されることを特
徴とするミクロ多孔質体。 【効果】 本発明のミクロ多孔質体は、これを構成する
三次元連続網状骨格構造体が非常にミクロで均一な気孔
を有すると共に、機械的強度等に優れているため、広い
用途展開が可能となるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミクロの三次元連続骨
格構造を有し、高機能性多孔質体や機能性分離膜等とし
て幅広い分野に有効に利用しうるミクロ多孔質体及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】周知の
通り、一般的な多孔質材料は、ポリウレタンフォームや
プラスチックフォーム、更にスポンジに代表されるよう
に、反応時の気泡生成や発泡剤の投入、窒素ガスや炭酸
ガスの注入及び機械的撹拌によって材料を発泡させるこ
とによって製造されている。
【0003】しかしながら、このような方法は、製法的
には簡単であるが、発泡によって得られるセル(気泡)
がかなり大きく、ミクロなセルを得ることは困難であ
る。
【0004】一方、機能性の分離膜としては、ゴアテッ
クスのように延伸によって得られるもの、エッチングに
よって穿孔するなどの物理的方法により得られるものが
あり、また、予め可溶性物質を混合した後この可溶性物
質を溶出させて得られるもの、更に一般の不織布などが
挙げられる。
【0005】しかしながら、このような方法で得られる
ものは、かなりミクロな多孔質構造であるが、均一性が
悪くしかも空孔率が低いという問題がある。
【0006】これに対して、近年、特開平5―2392
56号公報等に示されているように、三次元連続網状骨
格構造を有する高分子有機材料と低分子材料との高分子
ブレンド材料が知られており、この高分子ブレンド材料
から低分子材料を有機溶剤などで除去すると、三次元連
続網状骨格が残ることが報告されている。
【0007】しかしながら、この公報で例に挙げられた
三次元連続網状骨格は、ポリエチレンとエチレン―スチ
レンランダム共重合体との2ブロック共重合体で形成さ
れたものであるが、更に、骨格構造の強度に優れ、この
ため上記三次元連続網状骨格がミクロでかつ均一な気孔
を有する良質なミクロ多孔質体が望まれ、これによって
より広い用途展開が求められている。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、広い用途展開を可能とすべく、気孔がミクロかつ均
一で強度に優れる三次元連続網状骨格を有するミクロ多
孔質体及び該ミクロ多孔質体の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、まず、
片末端又は両末端に結晶性エチレンブロックを有する熱
可塑性ブロック共重合体、好ましくはこの熱可塑性ブロ
ック共重合体として、非晶質エチレン―ブチレン共重合
体等の非晶質ポリマー部の片末端又は両末端に結晶性エ
チレンブロックを有し、結晶性エチレンブロックの含有
率が5〜70重量%で融点が40℃以上であるものを用
い、この熱可塑性ブロック共重合体と低分子材料とを該
熱可塑性ブロック共重合体が5〜30重量%の含有量と
なるように混合して該共重合体で形成された三次元連続
網状骨格間に該低分子材料が保持された高分子網状構造
体を得、次いでこの高分子網状構造体から低分子材料を
除去することにより、片末端又は両末端に結晶性エチレ
ンブロックを有する熱可塑性ブロック共重合体で構成さ
れた三次元連続網状骨格構造体が得られること、この三
次元連続網状骨格構造体が非常にミクロで均一な気孔を
有すると共に、強度に優れていること、この性質から広
い用途展開が可能となることを見い出し、本発明をなす
に至ったものである。
【0010】従って、本発明は、片末端又は両末端に結
晶性エチレンブロックを有する熱可塑性ブロック共重合
体と低分子材料とを混合した後、該低分子材料を除去す
ることによって得られ、骨格の平均径が10μm以下、
セルの平均径が80μm以下の三次元連続網状骨格から
構成されることを特徴とするミクロ多孔質体、及び片末
端又は両末端に結晶性エチレンブロックを有する熱可塑
性ブロック共重合体と低分子材料とを該共重合体の含有
量が5〜30重量%の割合となるように混合して、該共
重合体で形成された三次元連続網状骨格間に該低分子材
料が保持された高分子網状構造体を得、次いでこの高分
子網状構造体から低分子材料を除去することを特徴とす
る上記記載のミクロ多孔質体の製造方法を提供する。
【0011】以下、本発明について更に詳しく説明する
と、本発明のミクロ多孔質体は、内部連通空間を有する
三次元連続網状骨格構造であり、この三次元連続網状骨
格構造が熱可塑性ブロック共重合体により形成されたも
のである。
【0012】かかる熱可塑性ブロック共重合体は、片末
端又は両末端に結晶性エチレンブロックを有する必要が
ある。結晶性エチレンブロックが末端にないと、本発明
にかかる三次元網状骨格構造を形成せず、形状保持でき
ないものとなり、本発明の目的を達成できない。また、
この結晶性エチレンブロック以外の部分は非結晶ポリマ
ーであることが望ましく、この非晶質部分の重合体とし
ては、非晶質エチレン―ブチレン共重合体又は非晶質エ
チレン−ブチレンと非晶質スチレンとのブロック共重合
体が好ましい。なお、熱可塑性ブロック共重合体の重合
度は、数平均分子量が5000〜700000、好まし
くは80000〜500000の範囲のものが望まし
い。
【0013】また、熱可塑性ブロック共重合体中におけ
る結晶性エチレンブロックの含有量は、5〜70重量%
の範囲が好ましく、更に好ましくは7〜65重量%、最
も好ましくは10〜60重量%の範囲である。更に、エ
チレンのブロック性を表す結晶性エチレンブロック部の
融点(Tm)は、示差走査熱量測定法(DSC)で40
℃以上、好ましくは60℃以上、更に好ましくは70℃
以上とすることが望ましい。
【0014】このような特性を有する熱可塑性ブロック
共重合体の具体的な市販品として、日本合成ゴム株式会
社のダイナロンE6100P、E4600P等を挙げる
ことができる。
【0015】更に、本発明にかかる熱可塑性ブロック共
重合体は、例えば水酸基などの親水基や、ニトロ基等の
親油基をつけて変性し、その特性を変えることも用途に
よっては有効である。
【0016】なお、本発明においては、上記熱可塑性ブ
ロック共重合体以外の重合体を上記熱可塑性ブロック共
重合体と混合して用いてもよく、このような重合体とし
ては、例えば、ポリブタジエンとブタジエン―スチレン
ランダム共重合体とのブロック共重合体を水添して得ら
れるポリエチレンとエチレン―スチレンランダム共重合
体、ポリブタジエンとポリスチレンとのブロック共重合
体、或いはポリブタジエンとポリスチレンとのブロック
共重合体を水添して得られるポリエチレンとポリスチレ
ンとのブロック共重合体等を挙げることができ、上記熱
可塑性ブロック共重合体に対して10〜90重量%、好
ましくは20〜80重量%の範囲で使用することができ
る。
【0017】このような熱可塑性ブロック共重合体から
構成される三次元連続網状骨格は、図1に示すようなミ
クロ構造を有する。なお、図1において、1は上記熱可
塑性ブロック共重合体からなる三次元連続網状骨格、2
は内部連通空間であり、この内部連通空間2はに後述す
る低分子材料が除去された空隙である。ここで、図1に
おいて、骨格1の平均径dは10μm以下、好ましくは
1〜7μmの範囲、またセルの平均径Dは80μm以
下、好ましくは2〜50μmの範囲であるものが望まし
い。更に、空孔率は50〜99%、好ましくは60〜9
8%の範囲であり、非常に空孔率が高いものである。
【0018】本発明のミクロ多孔質体は、上述した所定
量の結晶性エチレンブロック共重合体と低分子材料を、
該共重合体が三次元連続網状骨格構造を形成しうる混合
条件にて混合し、該共重合体で形成された三次元連続網
状骨格間に該低分子材料が保持された高分子網状構造体
を得た後、低分子材料を除去することにより得ることが
できる。
【0019】この場合、混合の条件としては、高剪断型
混合機などの高速撹拌機を用い、撹拌速度を300rp
m以上、好ましくは500rpm以上、更に好ましくは
1000rpm以上として混合することが推奨される。
高速に撹拌しない場合、例えばロールやローター型ミキ
サー、シリンダー型ミキサーを用い、低速度で混合した
のでは、目的とする熱可塑性ブロック共重合体の均一な
三次元連続網状骨格構造を得ることは困難である。ま
た、混合温度は90〜200℃、好ましくは100〜1
80℃の範囲が望ましく、混合時間は5〜120分、好
ましくは10〜90分程度がよい。
【0020】ここで、熱可塑性ブロック共重合体と混合
する低分子材料としては、固体でも液体でもよく、用途
に応じて種々のものが使用可能である。低分子材料が有
機材料であれば、その数平均分子量は20000未満で
あり、好ましくは10000以下、更に5000以下で
あるものがよい。低分子材料としては特に制限はない
が、次のものを例示することができる。 軟化剤:鉱物油系、植物油系、合成系などの各種ゴム
用、或いは樹脂用軟化剤。鉱物油系としては、アロマテ
ィック系、ナフテン系、パラフィン系等のプロセス油な
ど。植物油としては、ひまし油、綿実油、あまに油、菜
種油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木ろう、
パインオイル、オリーブ油など。 可塑剤:フタル酸エステル、フタル酸混基エステル、
脂肪族二塩基酸エステル、グリコールエステル、脂肪酸
エステル、リン酸エステル、ステアリン酸エステル等の
各種エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、その他プラ
スチック用可塑剤、又はフタレート系、アジペート系、
セバケート系、フォスフェート系、ポリエーテル系、ポ
リエステル系などのNBR用可塑剤。 粘着付与剤:クマロン樹脂、クマロン―インデン樹
脂、フェノールテルピン樹脂、石油系炭化水素、ロジン
誘導体等の各種粘着付与剤(タッキファイヤー)。 オリゴマー:クラウンエーテル、含フッ素オリゴマ
ー、ポリブテン、キシレン樹脂、塩化ゴム、ポリエチレ
ンワックス、石油樹脂、ロジンエステルゴム、ポリアル
キレングリコールジアクリレート、液状ゴム(ポリブタ
ジエン、スチレン―ブタジエンゴム、ブタジエン―アク
リロニトリルゴム、ポリクロロプレン等)、シリコーン
系オリゴマー、ポリ―α―オレフィン等の各種オリゴマ
ー。 滑剤:パラフィン、ワックス等の炭化水素系滑剤、高
級脂肪酸、オキシ脂肪酸等の脂肪酸系滑剤、脂肪酸アミ
ド、アルキレンビス脂肪酸アミド等の脂肪酸アミド系滑
剤、脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価アルコ
ールエステル、脂肪アルコール、多価アルコール、ポリ
グリコール、ポリグリセロール等のアルコール系滑剤、
金属石鹸、混合系滑剤等の各種滑剤。
【0021】その他、ラテックス、エマルジョン、液
晶、歴青組成物、粘土、天然のデンプン、糖、更に無機
系のシリコンオイル、フォスファゼン等も使用すること
ができる。更に、牛油、豚油、馬油等の動物油、鳥油、
魚油、蜂蜜、果汁、チョコレート、ヨーグルトなどの乳
製品、炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系、アルコール
系、フェノール系、エーテル系、アセタール系、ケトン
系脂肪酸系、エステル系、窒素化合物系、硫黄化合物系
等の有機溶剤、あるいは種々の薬効成分、土壌改良剤、
肥料類、石油類、水、水溶液なども用いることができ
る。
【0022】本発明にかかる高分子網状構造体は、上述
したように熱可塑性ブロック共重合体で構成された三次
元連続網状骨格間(内部連通空間内)に低分子材料が保
持されているものであるが、この場合、できる限り少量
の共重合体によって三次元連続網状骨格を形成すること
が望ましい。
【0023】ここで、三次元連続網状骨格を構成する熱
可塑性ブロック共重合体の量をA、低分子材料の量をB
としたとき、熱可塑性ブロック共重合体の重量分率
[{A/(A+B)×100}]が、5〜30%、好ま
しくは7〜25%であることが望ましい。
【0024】このようにして得られる高分子網状構造体
は、網目の詰まった熱可塑性ブロック共重合体の三次元
連続網状骨格間(内部連通空間内)に上述した低分子材
料が保持された構造を有するもので、上述したようにこ
の高分子網状構造体から多量成分の低分子材料を除去す
ることにより、本発明のミクロ多孔質体である熱可塑性
ブロック共重合体の三次元連続網状骨格を得ることがで
きる。
【0025】この低分子材料の除去方法としては特に制
限はないが、例えば適当な溶媒を用いて低分子材料を溶
解抽出させた後、残留する溶媒を揮発乾燥する方法が適
当である。
【0026】ここで、使用できる溶媒としては、熱可塑
性ブロック共重合体が不溶又は難溶性で、低分子材料そ
の他の成分が易溶性のものであればいずれのものも使用
可能であり、例えばキシレン、トルエン、ベンゼン等の
芳香族炭化水素類、ヘキセン、ペンテン等の不飽和脂肪
族炭化水素類、ヘキサン、ペンタン等の飽和脂肪族炭化
水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、
エタノール、ブタノール等のアルコール類、塩化メチレ
ン、クロロホルム等の塩化脂肪族炭化水素類、シクロヘ
キサノン等の脂環式炭化水素類、ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン等のエーテル類、酢酸ブチルなどのエステル
類、更に水、アルカリ水溶液、酸水溶液等が挙げられ、
これらの1種を単独で又は2種以上を混合して1回乃至
複数回の抽出操作で用いることができる。
【0027】これらの溶媒による溶解抽出に際し、具体
的には低分子材料を含む高分子網状構造体を小片又は薄
膜化した後、これを上記溶媒中に浸漬して低分子材料の
抽出を行うことが好適である。
【0028】この場合、低分子材料を有効に回収するた
めに、溶媒による溶解抽出の前段階として、高分子網状
構造体をロールやプレスなどで圧縮したり、吸引機、真
空機、遠心分離機、超音波装置などで物理的な力を加え
て低分子材料の大部分を取り出し、その後溶媒による溶
解抽出を行うことが推奨される。
【0029】なお、このような抽出操作で得られたミク
ロ多孔質体に後処理を加えて、その特性を変えることも
有効である。例えば、紫外線、電子線、又は加熱によっ
てポリマー成分を架橋させることによって、熱的安定性
を増加させることができる。また、例えば界面活性剤、
カップリング剤、ガスによるエッチング、プラズマ処
理、スパッタ処理等により、ミクロ多孔質体の親水性、
疎水性、電気特性、光学特性、強度などを変えることも
有効である。
【0030】このようにして得られる本発明のミクロ多
孔質体は、網目の開口が極めて小さく、機械的強度に優
れる三次元連続網状骨格構造を有するため、例えば透析
膜、限外濾過膜、逆浸透膜、イオン交換膜、気体分離
膜、パーベイパレイション膜、バイオセンサー膜等の高
機能分離膜として利用可能である。また、弾性と多孔質
を利用して、例えばパフ、筆化粧品、筆ペン、吸水ロー
ル、タバコのフィルター、汚れ取りクリーナー、膝、
肘、胸等のパッド、人形、感触を楽しむおもちゃ、汗取
り用、靴の下敷き、水は通さず汚れ(気体)を通す素
材、クッション材、シート、振動減衰材、植物用保水
材、止水材、シーリング材、パッキン、断熱材、掃除フ
ィルター、ヘルメットの内装材、半導体掃除用クリーナ
ー、シューズ用クッションや中敷きなどとして利用可能
である。
【0031】また、本発明のミクロ多孔質体に適当な水
溶液や有機液体を含浸させることによって、極めて広い
産業分野で有効に利用できる。例えば有機、無機の電解
液を含浸させて半固体電解質が得られ、ペーパー電池、
エレクトロクロミックデバイス等の製品に利用可能であ
る。メッキ液を含浸させた場合、メッキ材と被メッキ材
との間に挟み込むことにより、ドライメッキが可能とな
る。液晶を含浸させた場合には、調光素子とすることが
でき、液晶ディスプレー、可変透過性ブラインド等の製
品に応用が可能である。また、磁性流体を含浸させた場
合、フレキシブル磁石、クリーンシーリング等、電気粘
性流体を含浸させた場合には、各種の振動防止デバイス
等に応用可能である。更に、反応性有機材料を含浸させ
た場合、互いに反応する有機材料それぞれを別々のミク
ロ多孔質体に含浸させ、これらを密着させて反応させる
ことによって、これらの有機材料の反応物が熱可塑性ブ
ロック共重合体の三次元連続網状骨格で補強されたもの
が得られ、例えば反応性2液型接着剤のドライ接着、2
液反応型塗料などに応用可能である。その他、朱肉を含
浸させて長期使用可能な朱肉部材、あるいはコンタクト
レンズなどにも応用ができる。
【0032】また、ラテックス、エマルジョン、歴青組
成物、粘土、天然のデンプン、糖、更に無機系のシリコ
ーンオイル、フォスファゼン等も使用することもでき
る。その他、牛油、豚油、馬油等の動物油、鳥油、魚
油、蜂蜜、果汁、チョコレート、ヨーグルト等の乳製
品、炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系、アルコール
系、フェノール系、エーテル系、アセタール系、ケトン
系、脂肪酸系、エステル系、窒素含有物系、硫黄化合物
系などの有機溶剤、あるいは種々の薬効成分、土壌改良
剤、肥料類、石油類、水、水溶液なども用いることがで
きる。
【0033】また、薬剤成分を用いることにより、優れ
た薬用被覆剤(湿布剤)とすることができる。この場
合、薬効成分としては、外皮投与可能な薬物であれば特
に制限はない。例えば、局所作用を目的とする薬物であ
れば深部まで薬物を浸透させることができ、一方、全身
作用が目的の場合は、速やかに薬物を血中へ移行させる
ことができる。薬剤成分の分子量としては、1000以
下、好ましくは700以下、更に好ましくは500以下
であるものがよい。
【0034】更に、芳香成分を用いることにより、優れ
た芳香剤を得ることができる。この場合、芳香成分とし
ては、例えばレモン油、ライム油、スペアミント油、ジ
ャスミン油、オレンジ油、パイン油、はっか油、ユーカ
リ油、ラベンダー油、ムスク油等の天然香料、或いはこ
れらの香料を原料とした合成香料、例えばリモネン、リ
ナモール、オイゲノール、シトラネロール、バニリン、
カルボン、ヨノン、ムスコン、ローズオキサイド、イン
ドール、酢酸ゲラニル、安息香酸エチルなどが挙げられ
る。これらの一種を単独で又は2種以上を併用して用い
ることができる。
【0035】更に、室温で固体のものとして、高分子材
料を挙げることができる。例えば、ポリアニリン、ポリ
ピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー、フタル
シアニン系材料からなる光電変換ポリマー、キチン、キ
トサンやアクリル酸系ポリマー、PVA(ポリビニルア
ルコール)などの吸水性ポリマーも用いることができ
る。また、圧電性を示すチタン酸バリウム、ジルコン酸
亜鉛、光吸収性のある酸化チタンなどのセラミックや導
電性や磁性を示す金属、及び導電性や気体吸着、脱臭性
のあるカーボンなどの粉体も有効である。更に、一般の
熱可塑性、熱硬化性の高分子材料や有機材料を用いるこ
とができ、この場合、これらの熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂の耐衝撃性や強度、伸びなどが改良された複合材を
得ることができる。
【0036】
【発明の効果】本発明のミクロ多孔質体は、これを構成
する三次元連続網状骨格構造体が非常にミクロで均一な
気孔を有すると共に、機械的強度等に優れているため、
広い用途展開が可能となるものである。
【0037】また、本発明のミクロ多孔質体の製造方法
によれば、このようなミクロ多孔質体を容易かつ確実に
製造することができる。
【0038】
【実施例】以下実施例と比較例を示して本発明を具体的
に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもので
はない。
【0039】[実施例、比較例]熱可塑性ブロック共重
合体として、表1に示した数平均分子量、分子構造、結
晶性エチレンブロック含有量、結晶性エチレンブロック
部の融点(Tm)のものを用いると共に、同表に示す低
分子材料を用い、熱可塑性ブロック共重合体と低分子材
料とを同表に示す混合率で高剪断型混合機により同表に
示す撹拌条件において撹拌して高分子網状構造体を得
た。
【0040】得られた高分子網状構造体について、骨格
の平均径とセルの平均径を求めた。次に、表1に示した
溶剤で低分子材料を溶解抽出してミクロ多孔質体を得、
このミクロ多孔質体の骨格の平均径d、セルの平均径D
を測定した。結果を表1に併記する。
【0041】
【表1】 (注) *分子構造 A:非晶質エチレン−ブチレンと非晶質スチレンとのブ
ロック共重合体の片末端に結晶性エチレンブロックが連
結した熱可塑性ブロック共重合体。 B:非晶質エチレン―ブチレン共重合体の両末端に結晶
性エチレンブロックが連結した熱可塑性ブロック共重合
体。 *低分子材料 (1):ポリイソブチレン (2):パラフィン油 (3):ナフテン油
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のミクロ多孔質体の構造を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
1 三次元連続網状構造 2 内部連通空間

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片末端又は両末端に結晶性エチレンブロ
    ックを有する熱可塑性ブロック共重合体と低分子材料と
    を混合した後、該低分子材料を除去することによって得
    られ、骨格の平均径が10μm以下、セルの平均径が8
    0μm以下の三次元連続網状骨格から構成されることを
    特徴とするミクロ多孔質体。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ブロック共重合体が非晶質ポリ
    マー部の片末端又は両末端に結晶性エチレンブロックが
    連結されたものである請求項1記載のミクロ多孔質体。
  3. 【請求項3】 非晶質ポリマー部が非晶質エチレン―ブ
    チレン共重合体又は非晶質エチレン−ブチレンと非晶質
    スチレンとのブロック共重合体である請求項2記載のミ
    クロ多孔質体。
  4. 【請求項4】 熱可塑性ブロック共重合体における結晶
    性エチレンブロックの含有率が5〜70重量%、かつ該
    結晶性エチレンブロック部の融点が40℃以上である請
    求項1乃至3のいずれか1項記載のミクロ多孔質体。
  5. 【請求項5】 片末端又は両末端に結晶性エチレンブロ
    ックを有する熱可塑性ブロック共重合体と低分子材料と
    を該共重合体の含有量が5〜30重量%の割合となるよ
    うに混合して、該共重合体で形成された三次元連続網状
    骨格間に該低分子材料が保持された高分子網状構造体を
    得、次いでこの高分子網状構造体から低分子材料を除去
    することを特徴とする請求項1記載のミクロ多孔質体の
    製造方法。
JP24247795A 1994-09-07 1995-08-28 ミクロ多孔質体及びその製造方法 Pending JPH08127668A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001002825A (ja) * 1999-06-24 2001-01-09 Asahi Rubber:Kk 多孔体の製造方法

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