JPH0873644A - ミクロ多孔質体及びその製造方法 - Google Patents

ミクロ多孔質体及びその製造方法

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JPH0873644A
JPH0873644A JP23232194A JP23232194A JPH0873644A JP H0873644 A JPH0873644 A JP H0873644A JP 23232194 A JP23232194 A JP 23232194A JP 23232194 A JP23232194 A JP 23232194A JP H0873644 A JPH0873644 A JP H0873644A
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ethylene
copolymer
oil
low molecular
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Shinichi Toyosawa
真一 豊澤
Shigehiko Mashita
成彦 眞下
Yasushi Imai
康 今井
Takahiro Matsuse
貴裕 松瀬
Yuichiro Wakana
裕一郎 若菜
Yoshihide Fukahori
美英 深堀
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エチレンとプロピレンとを主成分とするエチ
レン含有量が60重量%以上の共重合体と低分子材料と
を混合した後、該低分子材料を除去することによって得
られ、骨格の平均径が8μm以下、セルの平均径が80
μm以下の三次元連続網状骨格から構成されることを特
徴とするミクロ多孔質体。 【効果】 本発明のミクロ多孔質体は、これを構成する
三次元連続網状骨格構造体が非常にミクロで均一な気孔
を有すると共に、弾性に富み、耐薬品性、耐熱性等に優
れているため、広い用途展開が可能となるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミクロの三次元連続骨
格構造を有し、高機能性多孔質体や機能性分離膜等とし
て幅広い分野に有効に利用しうるミクロ多孔質体及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】周知の
通り、一般的な多孔質材料は、ポリウレタンフォームや
プラスチックフォーム、更にスポンジに代表されるよう
に、反応時の気泡生成や発泡剤の投入、窒素ガスや炭酸
ガスの注入及び機械的撹拌によって材料を発泡させるこ
とによって製造されている。
【0003】しかしながら、このような方法は、製法的
には簡単であるが、発泡によって得られるセル(気泡)
がかなり大きく、ミクロなセルを得ることは困難であ
る。
【0004】一方、機能性の分離膜としては、ゴアテッ
クスのように延伸によって得られるもの、エッチングに
よって穿孔するなどの物理的方法により得られるものが
あり、また、予め可溶性物質を混合した後この可溶性物
質を溶出させて得られるもの、更に一般の不織布などが
挙げられる。
【0005】しかしながら、このような方法で得られる
ものは、かなりミクロな多孔質構造であるが、均一性が
悪くしかも空孔率が低いという問題がある。
【0006】これに対して、近年、特開平5−2392
56号公報等に示されているように、三次元連続網状骨
格構造を有する高分子有機材料と低分子材料との高分子
ブレンド材料が知られており、この高分子ブレンド材料
から低分子材料を有機溶剤などで除去すると、三次元連
続網状骨格が残ることが報告されている。
【0007】しかしながら、この公報で例に挙げられた
三次元連続網状骨格は、ポリエチレンとエチレン−スチ
レンランダム共重合体との2ブロック共重合体で形成さ
れたものであるが、更に、弾性力が十分であると共に、
耐熱性や耐薬品性も十分であり、しかも物性的に優れ、
このため上記三次元連続網状骨格がミクロでかつ均一な
気孔を有するミクロ多孔質体が望まれ、これによってよ
り広い用途展開が求められている。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、広い用途展開を可能とすべく、気孔がミクロでかつ
均一な三次元連続網状骨格を有し、しかも低弾性であ
り、耐薬品性、耐熱性などに優れたミクロ多孔質体及び
該ミクロ多孔質体の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、まず、
エチレンとプロピレンとを主成分とするエチレン含有量
が60重量%以上の共重合体と低分子材料とを該共重合
体が30重量%以下の割合となるように混合して該共重
合体で形成された三次元連続網状骨格間に該低分子材料
が保持された高分子網状構造体を得、次いでこの高分子
網状構造体から低分子材料を除去することにより、エチ
レンとプロピレンとを主成分とするエチレン含有量が6
0重量%以上の共重合体で構成された三次元連続網状骨
格構造体が得られること、この三次元連続網状骨格構造
体が非常にミクロで均一な気孔を有すると共に、弾性に
富み、耐薬品性、耐熱性に優れていること、この性質か
ら広い用途展開が可能となることを見い出し、本発明を
なすに至ったものである。
【0010】従って、本発明は、(1)エチレンとプロ
ピレンとを主成分とするエチレン含有量が60重量%以
上の共重合体と低分子材料とを混合した後、該低分子材
料を除去することによって得られ、骨格の平均径が8μ
m以下、セルの平均径が80μm以下の三次元連続網状
骨格から構成されることを特徴とするミクロ多孔質体、
及び(2)エチレンとプロピレンとを主成分とするエチ
レン含有量が60重量%以上の共重合体と低分子材料と
を該共重合体の含有量が30重量%以下の割合となるよ
うに混合して、該共重合体で形成された三次元連続網状
骨格間に該低分子材料が保持された高分子網状構造体を
得、次いでこの高分子網状構造体から低分子材料を除去
することを特徴とする上記(1)記載のミクロ多孔質体
の製造方法を提供する。
【0011】以下、本発明について更に詳しく説明する
と、本発明のミクロ多孔質体は、内部連通空間を有する
三次元連続網状骨格構造であり、この三次元連続網状骨
格構造がエチレン−プロピレン系共重合体により形成さ
れたものである。
【0012】かかる共重合体は、エチレンとプロピレン
とを主成分とするエチレン・プロピレン系ゴム(EP
R)であり、エチレン含有量が60重量%以上である必
要がある。エチレン含有量が60重量%未満では高分子
網状構造体の物性に劣る。好ましくは65重量%以上、
更に好ましくは70重量%以上であるが、その上限は9
5重量%、特に90重量%であることが好ましい。ま
た、三次元連続網状骨格は、結晶構造、凝集構造等の硬
質ブロック部分と、アモルファス構造などの軟質ブロッ
ク部分とを一緒に持ち合わせていることが好ましく、こ
のためEPRの結晶化度は3%以上、好ましくは5%以
上、最も好ましくは8%以上であることが好ましいが、
その上限は60%、特に50%であることが好ましい。
更に、エチレンのブロック性を表すポリエチレン部の融
点(Tm)は、示差走査熱量測定法(DSC)で25℃
以上、好ましくは30℃以上、更に好ましくは35℃以
上とすることが望ましい。なお、共重合体の数平均分子
量は、20000以上、好ましくは30000以上、更
に好ましくは40000以上とすることがよい。
【0013】上記共重合体は、必要によりエチレンとプ
ロピレン以外の共重合成分を含んでいても良い。この共
重合成分としては、例えば1,5−ヘキサジエン、1,
4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデン
・ノルボルネン等が挙げられ、エチレン、プロピレンに
これら第三成分を配合して、EPDMとしてもよい。こ
の場合、第三成分の含有量は共重合体全体の1〜15重
量%、好ましくは2〜15重量%とすることが望まし
い。
【0014】更に、本発明にかかる三次元連続網状骨格
は、上記EPR、EPDMを例えば水酸基などの親水基
や、ニトロ基等の親油基をつけて変性し、その特性を変
えることも用途によっては有効である。
【0015】このような共重合体から構成される三次元
連続網状骨格は、図1に示すようなミクロ構造を有す
る。なお、図1において、1は上記共重合体からなる三
次元連続網状骨格、2は内部連通空間であり、この内部
連通空間2内に後述する低分子材料が保持される。ここ
で、図1において、骨格1の平均径dは8μm以下、好
ましくは0.5〜5μmの範囲、またセルの平均径Dは
80μm以下、好ましくは1〜50μmの範囲であるも
のが望ましい。更に、空孔率は40%以上、好ましくは
50〜95%の範囲であることが望ましい。
【0016】本発明のミクロ多孔質体は、上述した所定
量のエチレン−プロピレン系共重合体と低分子材料を、
該共重合体が三次元連続網状骨格構造を形成しうる混合
条件にて混合することにより得ることができる。
【0017】具体的には、高剪断型混合機などの高速撹
拌機を用い、撹拌速度を300rpm以上、好ましくは
500rpm以上、更に好ましくは1000rpm以上
として混合することが推奨される。高速に撹拌しない場
合、例えばロールやローター型ミキサー、シリンダー型
ミキサーを用い、低速度で混合した場合では、目的とす
るエチレン−プロピレン系共重合体の均一な三次元連続
網状骨格構造を得ることは困難である。また、混合温度
は100〜250℃、好ましくは150〜200℃の範
囲が望ましく、混合時間は1〜120分、好ましくは2
〜90分程度がよい。
【0018】なお、上述した混合を行った後、硫黄や有
機過酸化物等の加硫剤を混合するか、あるいは電子線照
射するなどの方法で架橋を行うことができる。
【0019】ここで、エチレン−プロピレン系共重合体
と混合する低分子材料としては、固体でも液体でもよ
く、用途に応じて種々のものが使用可能である。低分子
材料が有機材料であれば、その数平均分子量は2000
0未満であり、好ましくは10000以下、更に500
0以下であるものがよい。低分子材料としては特に制限
はないが、次のものを例示することができる。 軟化剤:鉱物油系、植物油系、合成系などの各種ゴム
用、或いは樹脂用軟化剤。鉱物油系としては、アロマテ
ィック系、ナフテン系、パラフィン系等のプロセス油な
どが挙げられる。植物油としては、ひまし油、綿実油、
あまに油、菜種油、大豆油、パーム油、やし油、落花生
油、木ろう、パインオイル、オリーブ油など。 可塑剤:フタル酸エステル、フタル酸混基エステル、
脂肪族二塩基酸エステル、グリコールエステル、脂肪酸
エステル、リン酸エステル、ステアリン酸エステル等の
各種エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、その他プラ
スチック用可塑剤、又はフタレート系、アジペート系、
セバケート系、フォスフェート系、ポリエーテル系、ポ
リエステル系などのNBR用可塑剤。 粘着付与剤:クマロン樹脂、クマロン−インデン樹
脂、フェノールテルピン樹脂、石油系炭化水素、ロジン
誘導体等の各種粘着付与剤(タッキファイヤー)。 オリゴマー:クラウンエーテル、含フッ素オリゴマ
ー、ポリブテン、キシレン樹脂、塩化ゴム、ポリエチレ
ンワックス、石油樹脂、ロジンエステルゴム、ポリアル
キレングリコールジアクリレート、液状ゴム(ポリブタ
ジエン、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アク
リロニトリルゴム、ポリクロロプレン等)、シリコーン
系オリゴマー、ポリ−α−オレフィン等の各種オリゴマ
ー。 滑剤:パラフィン、ワックス等の炭化水素系滑剤、高
級脂肪酸、オキシ脂肪酸等の脂肪酸系滑剤、脂肪酸アミ
ド、アルキレンビス脂肪酸アミド等の脂肪酸アミド系滑
剤、脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価アルコ
ールエステル、脂肪アルコール、多価アルコール、ポリ
グリコール、ポリグリセロール等のアルコール系滑剤、
金属石鹸、混合系滑剤等の各種滑剤。
【0020】その他、ラテックス、エマルジョン、液
晶、歴青組成物、粘土、天然のデンプン、糖、更に無機
系のシリコンオイル、フォスファゼン等も使用すること
ができる。更に、牛油、豚油、馬油等の動物油、鳥油、
魚油、蜂蜜、果汁、チョコレート、ヨーグルトなどの乳
製品、炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系、アルコール
系、フェノール系、エーテル系、アセタール系、ケトン
系脂肪酸系、エステル系、窒素化合物系、硫黄化合物系
等の有機溶剤、あるいは種々の薬効成分、土壌改良剤、
肥料類、石油類、水、水溶液なども用いることができ
る。
【0021】本発明の高分子網状構造体は、上述したよ
うにエチレン−プロピレン系共重合体で構成された三次
元連続網状骨格間(内部連通空間内)に低分子材料が保
持されているものであるが、この場合、できる限り少量
の共重合体によって三次元連続網状骨格を形成すること
が望ましい。
【0022】ここで、三次元連続網状骨格を構成する共
重合体の量をA、これ以外の低分子材料の量をBとした
とき、共重合体の重量分率[{A/(A+B)×10
0}]が、30%以下、好ましくは7〜25%であるこ
とが望ましい。
【0023】このようにして得られる高分子網状構造体
は、網目の詰まったエチレン−プロピレン系共重合体の
三次元連続網状骨格間(内部連通空間内)に上述した低
分子材料が保持された構造を有するもので、上述したよ
うにこの高分子網状構造体から多量成分の低分子材料を
除去することにより、本発明のミクロ多孔質体であるエ
チレン−プロピレン系共重合体の三次元連続網状骨格を
得ることができる。
【0024】この低分子材料の除去方法としては特に制
限はないが、例えば適当な溶媒を用いて低分子材料を溶
解抽出させた後、残留する溶媒を揮発乾燥する方法が適
当である。
【0025】ここで、使用できる溶媒としては、エチレ
ン−プロピレン系共重合体が不溶又は難溶性で、低分子
材料その他の成分が易溶性のものであればいずれのもの
も使用可能であり、例えばキシレン、トルエン、ベンゼ
ン等の芳香族炭化水素類、ヘキセン、ペンテン等の不飽
和脂肪族炭化水素類、ヘキサン、ペンタン等の飽和脂肪
族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン類、エタノール、ブタノール等のアルコール類、塩化
メチレン、クロロホルム等の塩化脂肪族炭化水素類、シ
クロヘキサノン等の脂環式炭化水素類、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸ブチルなどのエ
ステル類、更に水、アルカリ水溶液、酸水溶液等が挙げ
られ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して1
回乃至複数回の抽出操作で用いることができる。
【0026】これらの溶媒による溶解抽出に際し、具体
的には低分子材料を含む高分子網状構造体を小片又は薄
膜化した後、これを上記溶媒中に浸漬して低分子材料の
抽出を行うことが好適である。
【0027】この場合、低分子材料を有効に回収するた
めに、特に低分子材料が液状である場合、溶媒による溶
解抽出の前段階として、高分子網状構造体をロールやプ
レスなどで圧縮したり、吸引機、真空機、遠心分離機、
超音波装置などで物理的な力を加えて低分子材料の大部
分を取り出し、その後溶媒による溶解抽出を行うことが
推奨される。
【0028】なお、このような抽出操作で得られたミク
ロ多孔質体に後処理を加えて、その特性を変えることも
有効である。例えば、紫外線、電子線、又は加熱によっ
てポリマー成分を架橋させることによって、熱的安定性
を増加させることができる。また、例えば界面活性剤、
カップリング剤、ガスによるエッチング、プラズマ処
理、スパッタ処理等により、ミクロ多孔質体の親水性、
疎水性、電気特性、光学特性、強度などを変えることも
有効である。
【0029】このようにして得られる本発明のミクロ多
孔質体は、網目の開口が極めて小さい三次元連続網状骨
格構造を有するため、例えば透析膜、限外濾過膜、逆浸
透膜、イオン交換膜、気体分離膜、パーベイパレイショ
ン膜、バイオセンサー膜等の高機能分離膜として利用可
能である。また、弾性と多孔質を利用して、例えばパ
フ、筆化粧品、筆ペン、吸水ロール、タバコのフィルタ
ー、汚れ取りクリーナー、膝、肘、胸等のパッド、人
形、感触を楽しむおもちゃ、汗取り用、靴の下敷き、水
は通さず汚れ(気体)を通す素材、クッション材、シー
ト、振動減衰材、植物用保水材、止水材、シーリング
材、パッキン、断熱材、掃除フィルター、ヘルメットの
内装材、半導体掃除用クリーナー、シューズ用クッショ
ンや中敷きなどとして利用可能である。
【0030】また、本発明のミクロ多孔質体に適当な水
溶液や有機液体を含浸させることによって、極めて広い
産業分野で有効に利用できる。例えば有機、無機の電解
液を含浸させて半固体電解質が得られ、ペーパー電池、
エレクトロクロミックデバイス等の製品に利用可能であ
る。メッキ液を含浸させた場合、メッキ材と被メッキ材
との間に挟み込むことにより、ドライメッキが可能とな
る。液晶を含浸させた場合には、調光素子とすることが
でき、液晶ディスプレー、可変透過性ブラインド等の製
品に応用が可能である。また、磁性流体を含浸させた場
合、フレキシブル磁石、クリーンシーリング等、電気粘
性流体を含浸させた場合には、各種の振動防止デバイス
等に応用可能である。更に、反応性有機材料を含浸させ
た場合、互いに反応する有機材料それぞれを別々のミク
ロ多孔質体に含浸させ、これらを密着させて反応させる
ことによって、これらの有機材料の反応物がエチレン−
プロピレン共重合体の三次元連続網状骨格で補強された
ものが得られ、例えば反応性2液型接着剤のドライ接
着、2液反応型塗料などに応用可能である。その他、朱
肉を含浸させて長期使用可能な朱肉部材、あるいはコン
タクトレンズなどにも応用ができる。
【0031】また、ラテックス、エマルジョン、歴青組
成物、粘土、天然のデンプン、糖、更に無機系のシリコ
ーンオイル、フォスファゼン等も使用することもでき
る。その他、牛油、豚油、馬油等の動物油、鳥油、魚
油、蜂蜜、果汁、チョコレート、ヨーグルト等の乳製
品、炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系、アルコール
系、フェノール系、エーテル系、アセタール系、ケトン
系、脂肪酸系、エステル系、窒素含有物系、硫黄化合物
系などの有機溶剤、あるいは種々の薬効成分、土壌改良
剤、肥料類、石油類、水、水溶液なども用いることがで
きる。
【0032】また、薬剤成分を用いることにより、優れ
た薬用被覆剤(湿布剤)とすることができる。この場
合、薬効成分としては、外皮投与可能な薬物であれば特
に制限はない。例えば、局所作用を目的とする薬物であ
れば深部まで薬物を浸透させることができ、一方、全身
作用が目的の場合は、速やかに薬物を血中へ移行させる
ことができる。薬剤成分の分子量としては、1000以
下、好ましくは700以下、更に好ましくは500以下
であるものがよい。
【0033】更に、芳香成分を用いることにより、優れ
た芳香剤を得ることができる。この場合、芳香成分とし
ては、例えばレモン油、ライム油、スペアミント油、ジ
ャスミン油、オレンジ油、パイン油、はっか油、ユーカ
リ油、ラベンダー油、ムスク油等の天然香料、或いはこ
れらの香料を原料とした合成香料、例えばリモネン、リ
ナモール、オイゲノール、シトラネロール、バニリン、
カルボン、ヨノン、ムスコン、ローズオキサイド、イン
ドール、酢酸ゲラニル、安息香酸エチルなどが挙げられ
る。これらの一種を単独で又は2種以上を併用して用い
ることができる。
【0034】更に、室温で固体のものとして、高分子材
料を挙げることができる。例えば、ポリアニリン、ポリ
ピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー、フタル
シアニン系材料からなる光電変換ポリマー、キチン、キ
トサンやアクリル酸系ポリマー、PVA(ポリビニルア
ルコール)などの吸水性ポリマーも用いることができ
る。また、圧電性を示すチタン酸バリウム、ジルコン酸
亜鉛、光吸収性のある酸化チタンなどのセラミックや導
電性や磁性を示す金属、及び導電性や気体吸着、脱臭性
のあるカーボンなどの粉体も有効である。更に、一般の
熱可塑性、熱硬化性の高分子材料や有機材料を用いるこ
とができ、この場合、これらの熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂の耐衝撃性や強度、伸びなどが改良された複合材を
得ることができる。
【0035】
【発明の効果】本発明のミクロ多孔質体は、これを構成
する三次元連続網状骨格構造体が非常にミクロで均一な
気孔を有すると共に、弾性に富み、耐薬品性、耐熱性等
に優れているため、広い用途展開が可能となるものであ
る。
【0036】また、本発明のミクロ多孔質体の製造方法
によれば、このようなミクロ多孔質体を容易かつ確実に
製造することができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例と比較例を示して本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。
【0038】[実施例、比較例]エチレン−プロピレン
系共重合体として、表1に示したエチレン含有量、結晶
化度、ポリエチレン部の融点(Tm)、数平均分子量の
ものを用いると共に、同表に示す低分子材料を用い、エ
チレン−プロピレン系共重合体と低分子材料とを同表に
示す混合率で高剪断型混合機により同表に示す撹拌条件
において撹拌して、高分子網状構造体を得た。
【0039】得られた高分子網状構造体について、骨格
の平均径とセルの平均径を求めた。次に、表1に示した
溶剤で低分子材料を溶解抽出してミクロ多孔質体を得、
このミクロ多孔質体の骨格の平均径d、セルの平均径D
を測定した。結果を表1に併記する。
【0040】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のミクロ多孔質体の構造を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
1 三次元連続網状構造 2 内部連通空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若菜 裕一郎 東京都小平市小川東町3−5−5−763 (72)発明者 深堀 美英 東京都八王子市散田町2−9−7

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンとプロピレンとを主成分とする
    エチレン含有量が60重量%以上の共重合体と低分子材
    料とを混合した後、該低分子材料を除去することによっ
    て得られ、骨格の平均径が8μm以下、セルの平均径が
    80μm以下の三次元連続網状骨格から構成されること
    を特徴とするミクロ多孔質体。
  2. 【請求項2】 エチレンとプロピレンとを主成分とする
    エチレン含有量が60重量%以上の共重合体と低分子材
    料とを該共重合体の含有量が30重量%以下の割合とな
    るように混合して、該共重合体で形成された三次元連続
    網状骨格間に該低分子材料が保持された高分子網状構造
    体を得、次いでこの高分子網状構造体から低分子材料を
    除去することを特徴とする請求項1記載のミクロ多孔質
    体の製造方法。
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