JPH0881577A - ミクロ多孔質体及びその製造方法 - Google Patents

ミクロ多孔質体及びその製造方法

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JPH0881577A
JPH0881577A JP24337194A JP24337194A JPH0881577A JP H0881577 A JPH0881577 A JP H0881577A JP 24337194 A JP24337194 A JP 24337194A JP 24337194 A JP24337194 A JP 24337194A JP H0881577 A JPH0881577 A JP H0881577A
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low molecular
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crystalline thermoplastic
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JP24337194A
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Shigehiko Mashita
成彦 眞下
Yuichiro Wakana
裕一郎 若菜
Shinichi Toyosawa
真一 豊澤
Yoshihide Fukahori
美英 深堀
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 オレフィン系熱可塑性プラスチック等の結晶
性熱可塑性プラスチックと低分子材料とを混合した後、
該低分子材料を除去することによって得られ、骨格の平
均径が10μm以下、セルの平均径が100μm以下の
三次元連続網状骨格から構成されることを特徴とするミ
クロ多孔質体。 【効果】 本発明のミクロ多孔質体は、これを構成する
三次元連続網状骨格が非常にミクロで均一な気孔を有す
ると共に、耐熱性に優れ、高弾性率を有するため、広い
用途展開が可能となるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミクロの三次元連続網
状骨格構造を有し、高機能性多孔質体、機能性分離膜、
軽量断熱材等として幅広い分野に有効に利用しうるミク
ロ多孔質体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】周知の
通り、一般的な多孔質材料は、ポリウレタンフォームや
プラスチックフォーム、更にスポンジに代表されるよう
に、反応時の気泡生成や発泡剤の投入、窒素ガスや炭酸
ガスの注入及び機械的撹拌によって材料を発泡させるこ
とによって製造されている。
【0003】しかしながら、このような方法は、製法的
には簡単であるが、発泡によって得られるセル(気泡)
がかなり大きく、ミクロなセルを得ることは困難であ
る。
【0004】一方、機能性の分離膜としては、ゴアテッ
クスのように延伸によって得られるもの、エッチングに
よって穿孔するなどの物理的方法により得られるものが
あり、また、予め可溶性物質を混合した後この可溶性物
質を溶出させて得られるもの、更に一般の不織布などが
挙げられる。
【0005】しかしながら、このような方法で得られる
ものは、かなりミクロな多孔質構造であるが、均一性が
悪くしかも空孔率が低いという問題がある。
【0006】これに対して、近年、特開平5―2392
56号公報等に示されているように、三次元連続網状骨
格構造を有する高分子有機材料と低分子材料との高分子
ブレンド材料が知られており、この高分子ブレンド材料
から低分子材料を有機溶剤などで除去すると、三次元連
続網状骨格が残ることが報告されている。
【0007】しかしながら、この公報で例に挙げられた
三次元連続網状骨格は、ポリエチレンとエチレン―スチ
レンランダム共重合体との2ブロック共重合体で形成さ
れたものであるが、より広い用途展開のために、より耐
熱性に優れると共に、弾性率が高いものが要求されてい
る。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、広い用途展開を可能とすべく、耐熱性に優れると共
に、弾性率が高く、ミクロで均一な三次元連続網状骨格
を有するミクロ多孔質体及び該ミクロ多孔質体の製造方
法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、まず、
結晶性熱可塑性プラスチック、好ましくは結晶性のポリ
エチレンやポリプロピレン等のオレフィン系熱可塑性プ
ラスチックと低分子材料とを該結晶性熱可塑性プラスチ
ックが5〜30重量%の含有量となるように混合するこ
とにより、該結晶性熱可塑性プラスチックで構成された
三次元連続網状骨格構造(ミクロセルの連続気泡)に低
分子材料が封入された高分子網状構造体を得、次いでこ
の高分子網状構造体から低分子材料を除去することによ
り、結晶性熱可塑性プラスチックで構成された三次元連
続網状骨格構造体が得られること、この三次元連続網状
骨格構造体が非常にミクロで均一な気孔を有する上、耐
熱性に優れると共に、弾性率が高く、この性質から広い
用途展開が可能となることを見い出し、本発明をなすに
至ったものである。
【0010】従って、本発明は、(1)結晶性熱可塑性
プラスチックと低分子材料とを混合した後、該低分子材
料を除去することによって得られ、骨格の平均径が10
μm以下、セルの平均径が100μm以下の三次元連続
網状骨格から構成されることを特徴とするミクロ多孔質
体、(2)結晶性熱可塑性プラスチックがオレフィン系
熱可塑性プラスチックから選ばれるものである上記
(1)記載のミクロ多孔質体、及び(3)結晶性熱可塑
性プラスチックと低分子材料とを該結晶性熱可塑性プラ
スチックの含有量が5〜30重量%の割合となるように
混合して、該結晶性熱可塑性プラスチックで形成された
三次元連続網状骨格間に該低分子材料が保持された高分
子網状構造体を得、次いでこの高分子網状構造体から低
分子材料を除去することを特徴とする上記(1)又は
(2)記載のミクロ多孔質体の製造方法を提供する。
【0011】以下、本発明について更に詳しく説明する
と、本発明のミクロ多孔質体は、内部連通空間を有する
三次元連続網状骨格構造であり、この三次元連続網状骨
格構造が結晶性熱可塑性プラスチックにより形成された
ものである。
【0012】このようなミクロ多孔質体は、図1に示す
ようなミクロ構造を有する。この図1において、1は上
記結晶性熱可塑性プラスチックからなる三次元連続網状
骨格、2は内部連通空間であり、この内部連通空間2は
後述する低分子材料が除去された空隙である。ここで、
図1において、骨格1の平均径dは10μm以下、セル
の平均径Dは100μm以下であるものが望ましい。更
に、空孔率は50〜98%、好ましくは60〜95%の
範囲であり、非常に空孔率が高いものである。
【0013】かかる三次元連続網状骨格を構成する結晶
性熱可塑性プラスチックとしては、融点が100〜30
0℃、数平均分子量が5000〜700000、好まし
くは80000〜500000の範囲のものが望まし
い。
【0014】結晶性熱可塑性プラスチックとして、具体
的に、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(P
P)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリブ
チレン(PB)、アクリロニトリル樹脂、ポリ塩化ビニ
ル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン(6、6―
6、6―2、12)、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ
カーボネート(PC)、ポリオキシメチレン(PO
M)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、フッ素
樹脂(PTFE等)、ポリエーテルエーテルケトン(P
EEK)等の合成樹脂、あるいはエチルセルロース、酢
酸セルロース、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロー
ス等の繊維素系樹脂等を例示することができ、これらの
1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができ
る。これらの中でも、ポリエチレン、ポリブチレン、ポ
リプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレートが好ましく、最も好ま
しくは、結晶性のポリエチレン、ポリブチレン、ポリプ
ロピレン等のオレフィン系プラスチックである。
【0015】更に、本発明にかかる結晶性熱可塑性プラ
スチックは、例えば水酸基などの親水基や、ニトロ基等
の親油基をつけて変性し、その特性を変えることも用途
によっては有効である。
【0016】なお、本発明においては、上記結晶性熱可
塑性プラスチック以外のプラスチックを上記結晶性熱可
塑性プラスチックと併用してもよく、このような重合体
としては、例えば、ポリブタジエンとブタジエン―スチ
レンランダム共重合体とのブロック共重合体を水添して
得られるポリエチレンとエチレン―スチレンランダム共
重合体、ポリブタジエンとポリスチレンとのブロック共
重合体、或いはポリブタジエンとポリスチレンとのブロ
ック共重合体を水添して得られるポリエチレンとポリス
チレンとのブロック共重合体等を挙げることができ、上
記結晶性熱可塑性プラスチックに対して10〜90重量
%、好ましくは20〜80重量%の範囲で使用すること
ができる。
【0017】本発明のミクロ多孔質体は、上述した結晶
性熱可塑性プラスチックと低分子材料とを、該結晶性熱
可塑性プラスチックが三次元連続網状骨格構造を形成し
うる混合条件にて混合し、該結晶性熱可塑性プラスチッ
クで形成された三次元連続網状骨格間に該低分子材料が
保持された高分子網状構造体を得た後、低分子材料を除
去することにより得ることができる。
【0018】この場合、できる限り少量の結晶性熱可塑
性プラスチックによって三次元連続網状骨格を形成する
ことが望ましい。
【0019】ここで、三次元連続網状骨格を構成する結
晶性熱可塑性プラスチックの量をA、低分子材料の量を
Bとしたとき、結晶性熱可塑性プラスチックの重量分率
[{A/(A+B)×100}]が、5〜30%、好ま
しくは7〜25%とすることが望ましい。
【0020】また、混合の条件としては、高剪断型混合
機などの高速撹拌機を用い、撹拌速度を300rpm以
上、好ましくは500rpm以上、更に好ましくは10
00rpm以上として混合することが推奨される。高速
に撹拌しない場合、例えばロールやローター型ミキサ
ー、シリンダー型ミキサーを用い、低速度で混合したの
では、目的とする結晶性熱可塑性プラスチックの均一な
三次元連続網状骨格構造を得ることは困難である。ま
た、混合温度は100〜350℃の範囲が望ましく、混
合時間は2〜120分程度がよい。
【0021】ここで、結晶性熱可塑性プラスチックと混
合する低分子材料としては、固体でも液体でもよく、用
途に応じて種々のものが使用可能である。低分子材料が
有機材料であれば、その数平均分子量は20000未満
であり、好ましくは10000以下、更に5000以下
であるものがよい。低分子材料としては特に制限はない
が、次のものを例示することができる。 軟化剤:鉱物油系、植物油系、合成系などの各種ゴム
用、或いは樹脂用軟化剤。鉱物油系としては、アロマテ
ィック系、ナフテン系、パラフィン系等のプロセス油な
ど。植物油としては、ひまし油、綿実油、あまに油、菜
種油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木ろう、
パインオイル、オリーブ油など。 可塑剤:フタル酸エステル、フタル酸混基エステル、
脂肪族二塩基酸エステル、グリコールエステル、脂肪酸
エステル、リン酸エステル、ステアリン酸エステル等の
各種エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、その他プラ
スチック用可塑剤、又はフタレート系、アジペート系、
セバケート系、フォスフェート系、ポリエーテル系、ポ
リエステル系などのNBR用可塑剤。 粘着付与剤:クマロン樹脂、クマロン―インデン樹
脂、フェノールテルピン樹脂、石油系炭化水素、ロジン
誘導体等の各種粘着付与剤(タッキファイヤー)。 オリゴマー:クラウンエーテル、含フッ素オリゴマ
ー、ポリブテン、キシレン樹脂、塩化ゴム、ポリエチレ
ンワックス、石油樹脂、ロジンエステルゴム、ポリアル
キレングリコールジアクリレート、液状ゴム(ポリブタ
ジエン、スチレン―ブタジエンゴム、ブタジエン―アク
リロニトリルゴム、ポリクロロプレン等)、シリコーン
系オリゴマー、ポリ―α―オレフィン等の各種オリゴマ
ー。 滑剤:パラフィン、ワックス等の炭化水素系滑剤、高
級脂肪酸、オキシ脂肪酸等の脂肪酸系滑剤、脂肪酸アミ
ド、アルキレンビス脂肪酸アミド等の脂肪酸アミド系滑
剤、脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価アルコ
ールエステル、脂肪アルコール、多価アルコール、ポリ
グリコール、ポリグリセロール等のアルコール系滑剤、
金属石鹸、混合系滑剤等の各種滑剤。
【0022】その他、ラテックス、エマルジョン、液
晶、歴青組成物、粘土、天然のデンプン、糖、更に無機
系のシリコンオイル、フォスファゼン等も使用すること
ができる。更に、牛油、豚油、馬油等の動物油、鳥油、
魚油、蜂蜜、果汁、チョコレート、ヨーグルトなどの乳
製品、炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系、アルコール
系、フェノール系、エーテル系、アセタール系、ケトン
系脂肪酸系、エステル系、窒素化合物系、硫黄化合物系
等の有機溶剤、あるいは種々の薬効成分、土壌改良剤、
肥料類、石油類、水、水溶液なども用いることができ
る。
【0023】このようにして得られる高分子網状構造体
は、網目の詰まった結晶性熱可塑性プラスチックの三次
元連続網状骨格間(内部連通空間内)に上述した低分子
材料が保持された構造を有するもので、上述したように
この高分子網状構造体から多量成分の低分子材料を除去
することにより、本発明のミクロ多孔質体である結晶性
熱可塑性プラスチックの三次元連続網状骨格を得ること
ができる。
【0024】この低分子材料の除去方法としては特に制
限はないが、例えば適当な溶媒を用いて低分子材料を溶
解抽出させた後、残留する溶媒を揮発乾燥する方法が適
当である。
【0025】ここで、使用できる溶媒としては、結晶性
熱可塑性プラスチックが不溶又は難溶性で、低分子材料
の成分が易溶性のものであればいずれのものも使用可能
であり、例えばキシレン、トルエン、ベンゼン等の芳香
族炭化水素類、ヘキセン、ペンテン等の不飽和脂肪族炭
化水素類、ヘキサン、ペンタン等の飽和脂肪族炭化水素
類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、エタ
ノール、ブタノール等のアルコール類、塩化メチレン、
クロロホルム等の塩化脂肪族炭化水素類、シクロヘキサ
ノン等の脂環式炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン等のエーテル類、酢酸ブチルなどのエステル類、
更に水、アルカリ水溶液、酸水溶液等が挙げられ、これ
らの1種を単独で又は2種以上を混合して1回乃至複数
回の抽出操作で用いることができる。
【0026】これらの溶媒による溶解抽出に際し、具体
的には低分子材料を含む高分子網状構造体を小片又は薄
膜化した後、これを上記溶媒中に浸漬して低分子材料の
抽出を行うことが好適である。
【0027】この場合、低分子材料を有効に回収するた
めに、溶媒による溶解抽出の前段階として、高分子網状
構造体をロールやプレスなどで圧縮したり、吸引機、真
空機、遠心分離機、超音波装置などで物理的な力を加え
て低分子材料の大部分を取り出し、その後溶媒による溶
解抽出を行うことが推奨される。
【0028】なお、このような抽出操作で得られたミク
ロ多孔質体に後処理を加えて、その特性を変えることも
有効である。例えば、紫外線、電子線、又は加熱によっ
てポリマー成分を架橋させることによって、熱的安定性
を増加させることができる。また、例えば界面活性剤や
カップリング剤処理、ガスによるエッチング、プラズマ
処理、スパッタ処理等により、ミクロ多孔質体の親水
性、疎水性、電気特性、光学特性、強度などを変えるこ
とも有効である。
【0029】本発明のミクロ多孔質体は、網目の開口が
極めて小さく、耐熱性に優れると共に、高い弾性率を有
する三次元連続網状骨格構造を有するため、例えば透析
膜、限外濾過膜、逆浸透膜、イオン交換膜、気体分離
膜、パーベイパレイション膜、バイオセンサー膜等の高
機能分離膜として利用可能である。また、弾性と多孔質
を利用して、例えばパフ、筆化粧品、筆ペン、吸水ロー
ル、タバコのフィルター、汚れ取りクリーナー、膝、
肘、胸等のパッド、人形、感触を楽しむおもちゃ、汗取
り用、靴の下敷き、水は通さず汚れ(気体)を通す素
材、クッション材、シート、振動減衰材、植物用保水
材、止水材、シーリング材、パッキン、掃除フィルタ
ー、ヘルメットの内装材、半導体掃除用クリーナー、シ
ューズ用クッションや中敷きなどとして利用可能であ
る。
【0030】とりわけ、本発明のミクロ多孔質体は、弾
性に富み、セルが密で耐熱性に優れるため、軽量断熱材
等として好適に使用可能であり、真空引きしてもつぶれ
にくい特性を有するため、例えば軽量魔法瓶のような用
途に有用である。また、その他軽量遮音材、軽量吸音材
等の用途に有用である。
【0031】あるいは、本発明のミクロ多孔質体に適当
な水溶液や有機液体を含浸させることによって、極めて
広い産業分野で有効に利用できる。例えば有機、無機の
電解液を含浸させて半固体電解質が得られ、ペーパー電
池、エレクトロクロミックデバイス等の製品に利用可能
である。メッキ液を含浸させた場合、メッキ材と被メッ
キ材との間に挟み込むことにより、ドライメッキが可能
となる。液晶を含浸させた場合には、調光素子とするこ
とができ、液晶ディスプレー、可変透過性ブラインド等
の製品に応用が可能である。また、磁性流体を含浸させ
た場合、フレキシブル磁石、クリーンシーリング等、電
気粘性流体を含浸させた場合には、各種の振動防止デバ
イス等に応用可能である。更に、反応性有機材料を含浸
させた場合、互いに反応する有機材料それぞれを別々の
ミクロ多孔質体に含浸させ、これらを密着させて反応さ
せることによって、これらの有機材料の反応物が結晶性
熱可塑性プラスチックの三次元連続網状骨格で補強され
たものが得られ、例えば反応性2液型接着剤のドライ接
着、2液反応型塗料などに応用可能である。その他、朱
肉を含浸させて長期使用可能な朱肉部材、あるいはコン
タクトレンズなどにも応用ができる。
【0032】また、ラテックス、エマルジョン、歴青組
成物、粘土、天然のデンプン、糖、更に無機系のシリコ
ーンオイル、フォスファゼン等も使用することもでき
る。その他、牛油、豚油、馬油等の動物油、鳥油、魚
油、蜂蜜、果汁、チョコレート、ヨーグルト等の乳製
品、炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系、アルコール
系、フェノール系、エーテル系、アセタール系、ケトン
系、脂肪酸系、エステル系、窒素含有物系、硫黄化合物
系などの有機溶剤、あるいは種々の薬効成分、土壌改良
剤、肥料類、石油類、水、水溶液なども用いることがで
きる。
【0033】また、薬剤成分を用いることにより、優れ
た薬用被覆剤(湿布剤)とすることができる。この場
合、薬効成分としては、外皮投与可能な薬物であれば特
に制限はない。例えば、局所作用を目的とする薬物であ
れば深部まで薬物を浸透させることができ、一方、全身
作用が目的の場合は、速やかに薬物を血中へ移行させる
ことができる。薬剤成分の分子量としては、1000以
下、好ましくは700以下、更に好ましくは500以下
であるものがよい。
【0034】更に、芳香成分を用いることにより、優れ
た芳香剤を得ることができる。この場合、芳香成分とし
ては、例えばレモン油、ライム油、スペアミント油、ジ
ャスミン油、オレンジ油、パイン油、はっか油、ユーカ
リ油、ラベンダー油、ムスク油等の天然香料、或いはこ
れらの香料を原料とした合成香料、例えばリモネン、リ
ナモール、オイゲノール、シトラネロール、バニリン、
カルボン、ヨノン、ムスコン、ローズオキサイド、イン
ドール、酢酸ゲラニル、安息香酸エチルなどが挙げられ
る。これらの一種を単独で又は2種以上を併用して用い
ることができる。
【0035】更に、室温で固体のものとして、高分子材
料を挙げることができる。例えば、ポリアニリン、ポリ
ピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー、フタル
シアニン系材料からなる光電変換ポリマー、キチン、キ
トサンやアクリル酸系ポリマー、PVA(ポリビニルア
ルコール)などの吸水性ポリマーも用いることができ
る。また、圧電性を示すチタン酸バリウム、ジルコン酸
亜鉛、光吸収性のある酸化チタンなどのセラミックや導
電性や磁性を示す金属、及び導電性や気体吸着、脱臭性
のあるカーボンなどの粉体も有効である。更に、一般の
熱可塑性、熱硬化性の高分子材料や有機材料を用いるこ
とができ、この場合、これらの熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂の耐衝撃性や強度、伸びなどが改良された複合材を
得ることができる。
【0036】
【発明の効果】本発明のミクロ多孔質体は、これを構成
する三次元連続網状骨格が非常にミクロで均一な気孔を
有すると共に、耐熱性に優れ、高弾性率を有するため、
広い用途展開が可能となるものである。
【0037】また、本発明のミクロ多孔質体の製造方法
によれば、このようなミクロ多孔質体を容易かつ確実に
製造することができる。
【0038】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記実施例に制限されるものではな
い。
【0039】[実施例]結晶性熱可塑性プラスチックと
して、ポリプロピレン(融点169℃)、ポリエチレン
(融点125℃)、低分子材料としてジヘプチルフタレ
ート(DHP)、ジイソデシル・アジペート(DID
A)を用い、これらを表1に示す混合率、撹拌条件で高
剪断型混合機により撹拌して高分子網状構造体を得た。
【0040】得られた高分子網状構造体について、骨格
の平均径dとセルの平均径Dを求めた。結果を表1に併
記する。
【0041】次に、表1に示した溶剤で低分子材料を溶
解抽出してミクロ多孔質体を得、このミクロ多孔質体の
骨格の平均径d、セルの平均径Dを測定した。結果を表
1に併記する。
【0042】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる三次元連続網状骨格の構造を示
す概略図である。
【符号の説明】
1 三次元連続網状構造 2 内部連通空間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性熱可塑性プラスチックと低分子材
    料とを混合した後、該低分子材料を除去することによっ
    て得られ、骨格の平均径が10μm以下、セルの平均径
    が100μm以下の三次元連続網状骨格から構成される
    ことを特徴とするミクロ多孔質体。
  2. 【請求項2】 結晶性熱可塑性プラスチックがオレフィ
    ン系熱可塑性プラスチックから選ばれるものである請求
    項1記載のミクロ多孔質体。
  3. 【請求項3】 結晶性熱可塑性プラスチックと低分子材
    料とを該結晶性熱可塑性プラスチックの含有量が5〜3
    0重量%の割合となるように混合して、該結晶性熱可塑
    性プラスチックで形成された三次元連続網状骨格間に該
    低分子材料が保持された高分子網状構造体を得、次いで
    この高分子網状構造体から低分子材料を除去することを
    特徴とする請求項1又は2記載のミクロ多孔質体の製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003053118A (ja) * 2001-08-09 2003-02-25 Seiko Epson Corp インクジェット記録装置用樹脂製フィルター
JP2012035632A (ja) * 2011-10-24 2012-02-23 Seiko Epson Corp インクジェット記録装置用樹脂製フィルター

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