JP2012035632A - インクジェット記録装置用樹脂製フィルター - Google Patents

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富夫 横山
Yasuyoshi Ochiai
育佳 落合
Hiroyuki Nishimura
浩之 西村
Shinsuke Yamada
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Abstract

【課題】製造コストが低い;インクジェット記録装置の製造コストを低減できる;インクジェット記録装置のリサイクル性を良好にできる;インクジェット記録装置内部におけるインクの流路抵抗をインクジェット記録に適した値にしつつ、インクに混入される異物を確実に捕獲できる;の全てを満たすインクジェット記録装置用樹脂製フィルターを提供する。
【解決手段】30,000〜80,000の数平均分子量を有するポリエチレンと50,000〜100,000の数平均分子量を有するポリプロピレンとからなる群から選択された樹脂の溶融物に塩が添加・混練された成形用溶融物を使用して成形体を作製し、次いで前記成形体を水で洗浄することによって前記成形体より塩が除去されて得られたことを特徴とするインクジェット記録装置用樹脂製フィルター。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用インクに混入される異物を捕集するためにインクジェット記録装置の内部に設けられるインクジェット記録装置用樹脂製フィルターに関する。
インクジェット記録は、微細なノズルからインクを小滴として吐出し、文字や図形を被記録体表面に記録する方法である。インクジェット記録方式としては電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換し、ノズルヘッド部分に貯えたインクを断続的に吐出して被記録体表面に文字や記号を記録する方法、ノズルヘッド部分に貯えたインクを吐出部分に極近い一部を急速に加熱して泡を発生させ、その泡による体積膨張で断続的に吐出して、被記録体表面に文字や記号を記録する方法などが実用化されている。
ここで、ノズルヘッドから吐出されるインクは、一般には、インクジェット記録装置(プリンター)に搭載されたインクカートリッジから供給されるものである。インクは、インクカートリッジ筺体内に収納されたインク保持体に含浸、貯蔵されており、プリンターの使用により、インクが吐出される。このとき、インク保持体から物理的に脱落、剥離する粒状物は、インクにとって異物であり、不具合の原因になる。不具合には、1)所望量のインクが吐出されない、2)印字が乱れる等がある。そのため、インクジェット記録用インクに混入される異物を捕集するために、インク流路内にフィルターとして金属メッシュが設けられたインクカートリッジが知られている。
しかしながら、金属メッシュは、原料コストが高く、また、金属メッシュをインク流路内へ確実に取り付けるためには、金属メッシュの縁部とインク流路の内壁とを熱融着させる必要があるため、インクカートリッジの製造コストを高くしてしまうという問題があった。
さらに、通常、インクカートリッジを構成する部材の大部分は、ポリプロピレン等の樹脂によって形成されているが、このような樹脂製品をリサイクルする場合においては、金属メッシュのフィルターを、インクカートリッジから取り除かなければならず、リサイクル性が良好でないという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、
1)製造コストが低い、
2)インクジェット記録装置(インクカートリッジを含む)のインク流路内への設置が容易であり、インクジェット記録装置の製造コストを低減できる、
3)インクジェット記録装置(インクカートリッジを含む)のリサイクル性を良好にできる、
4)インクジェット記録装置内部におけるインクの流路抵抗をインクジェット記録に適した値にしつつ、インクジェット記録用インクに混入される異物を確実に捕獲できる、
の前記1)〜4)の全てを満たすインクジェット記録装置用樹脂製フィルターを提供することである。
前記目的を達成するために、本発明者らは鋭意検討の結果、特定の製造方法により得られた樹脂をフィルターとして使用することにより、驚くべきことに、前記目的が達成されることを見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、以下の通りである。
本発明に係るインクジェット記録装置用樹脂製フィルターは、30,000〜80,000の数平均分子量を有するポリエチレンと50,000〜100,000の数平均分子量を有するポリプロピレンとからなる群から選択された樹脂の溶融物に塩が添加・混練された成形用溶融物を使用して成形体を作製し、次いで前記成形体を水で洗浄することによって前記成形体より塩が除去されて得られたことを特徴とする(請求項1)。
また、前記インクジェット記録装置用樹脂製フィルターにおいて、前記樹脂と前記塩との重量比が4.5:95.5〜9.5:90.5であり、塩の粒径が100μm〜300μmであることを特徴する(請求項2)。
粒子径の特定は、マトリックスとなる樹脂に関係なく決定できる。ただし、ポリエチレンであれ、ポリプロピレンであれ、マトリックスとして選定する樹脂は、塩と混練、成形した後、塩を抽出する工程にふさわしい耐熱性と流動性を備えた溶融時の樹脂粘度であることが好ましい。
以上、本発明によれば、
1)製造コストが低い、
2)インクジェット記録装置(インクカートリッジを含む)のインク流路内への設置が容易であり、インクジェット記録装置の製造コストを低減できる、
3)インクジェット記録装置(インクカートリッジを含む)のリサイクル性を良好にできる、
4)インクジェット記録装置内部におけるインクの流路抵抗をインクジェット記録に適した値にしつつ、インクジェット記録用インクに混入される異物を確実に捕獲できる、
の前記1)〜4)の全てを満たすインクジェット記録装置用樹脂製フィルターを提供できる。
また、一般に、インクにはさまざまな溶剤が混合されているが、特定のポリエチレン樹脂あるいはポリプロピしン樹脂が使用された本発明に係るインクジェット記録装置用樹脂製フィルターを使用することによって、溶剤によりフィルタ自身が溶出することがなく、フィルターの溶出に起因するインク自体の劣化を抑制できる。
(a)は異物の評価をするための装置の全体図であり、(b)は固定治具および留め具の拡大斜視図である。 (a)は圧力損失を測定するための装置の概略図であり、(b)は金属製円盤状治具を軸方向から見た図である。
本発明に係るインクジェット記録装置用樹脂製フィルター(単に“樹脂製フィルター”ともいう)を構成する樹脂としては、ポリエチレンとポリプロピレンとからなる群から選択される。
ここで、ポリエチレンの数平均分子量は、30,000〜80,000である。また、ポリプロピレンの数平均分子量は、50,000〜100,000である。
上記した分子量の下限値を下回ると、樹脂製フィルターを構成するポリエチレンやポリプロピレンが、インクとの接触によって、樹脂製フィルターより脱落し、異物としてインクに含有しやすくなるので、本発明の目的を達成できなくなる。
また、上記した分子量の上限値を上回ると、樹脂の成形性が悪化し、樹脂製フィルターを作製しにくくなるので、本発明の目的を達成できなくなる。
本発明に使用するポリエチレンは、公知のホモポリマーたるポリエチレン重合体が使用できる。高圧法、中圧法、低圧法いずれの製法により製造されるものであってもよく、低密度、中密度、高密度品のいずれでもよいが、塩との混練、押出し時における成形効率を考慮すると、結晶化度が低く、軟化温度の低い低密度ポリエチレンが好ましい。さらに、数平均分子量が10,000以下の低分子量ポリエチレンや直鎖状ポリエチレンや直鎖状ポリエチレンとの混合することも可能である。
さらに、ポリプロピレンは、公知の数平均分子量50,000以上のものが使用できる。特にホモポリマーは、融点が比較的高いにもかかわらず、流動性に優れるので、塩の含量を多くして空孔率の高いフィルタを成形する場合に好ましい。また、ポリプロピレンは、単位構造として、プロピレン単位構造以外の構造を有するコポリマーであっても良く、その形態は、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーのいずれであっても良い。例えば、プロピレンとエチレンとが共重合したエチレン−プロピレン共重合体を好適に例示できる。
上記範囲の平均分子量を有するポリエチレンおよびポリプロピレンは、多孔質体を形成する汎用のポリエチレン樹脂、ポリプロピレン掛脂であれば、広く採用できる。これらは市販品として入手可能であり、住友化学株式会社製、商品名:住友PE1700、三井化学株式会社製、商品名:タフマーA4090等が挙げられる。
本発明に係る樹脂製フィルターの製造においては、先ず、前記した樹脂の溶融物に塩(NaCl)を添加・混練することによって成形用溶融物を作製する。樹脂の溶融および引き続く成形は、公知の溶融成形方法に準じて好適に行われる。
溶融温度は、樹脂の数平均分子量に依存する。数平均分子量が、30,000〜80,000のポリエチレンを使用する場合は、通常、105〜125℃とされ、数平均分子量が、50,000〜100,000のポリプロピレンを使用する場合は、170〜185℃とされる。
また、樹脂の溶融物との塩との混練は、混練と溶融成形とを同時に行なう場合と、別工程として扱う場合がある。
同時に行なう場合は、押出機に、樹脂ペレットと塩を適宜投入することにより行ない、各種押出し機を使用できる。具体的には、単軸式、二軸式に代表される多軸式、ベント式、プランジャー式、ギアポンプ式等が挙げられる。一方、混練と溶融成形とを別工程として行なう場合の混練には、公知の各種混練機が使用できる。具体的には、ミキシングロール、Σ羽根型混練機、バンバリーミキサ、高速二軸連続ミキサ、押出し機型混練機等がある。
次いで、この成形用溶融物を所定形状に成形することによって成形体を作製する。成形体は、溶融した樹脂に塩粒子が分散された成形用溶融物によって得られたものであり、成形後においても塩粒子の分散状態が保持されている。
最後に、前記成形体を水で洗浄し、成形体より塩を除去することによって、塩粒子の存在していた部分が空隙となった本発明の樹脂製フィルターを得ることができる。ここで、水による成形体の洗浄法は特に限定されるものではないが、成形体を水中に浸漬する手法が一般的である。
かかる手法は、成形体の厚みに依存して塩の抽出にかかる時間が調整される。また、成形効率を上げるために、カレンダー工程,手作業によるもみ出し,超音波洗浄機による超音波照射などの積極的に塩を抽出できる手段を、成形工程と共に使用しても良い。
このような樹脂製フィルターによれば、使用する樹脂および塩の原料コストが低いこと、および汎用の溶融成形方法を使用できることによって、前述した金属メッシュのフィルターと比較して、フィルターの製造コストを低減できる。
また、本発明の樹脂製フィルターは、空隙が内部に分散して存在することによって弾力性を有しているので、フィルターを設置すべき空間の体積よりも、若干体積の大きい樹脂製フィルターを該空間に挿入することによって、樹脂製フィルターを確実かつ容易にインクジェット記録装置のインク流路内へ設置でき、インクジェット記録装置の製造コストを低減できる。
また、前記した成形用溶融物において、“樹脂と塩との重量比”および“塩の粒径”をそれぞれ変化させることにより、インクジェット記録装置内部におけるインクの流路抵抗、および、異物の捕集能力を制御でき、これらの条件は、使用されるインクやインクジェット記録装置の種類などに応じて適宜選択される。
具体的に説明すれば、樹脂と塩との重量比に関し、塩の重量比が大きくなるにつれて、樹脂製フィルターの空隙率が上昇するので、インクの流路抵抗は小さくなる。一方、樹脂の重量比が大きくなるにつれて、樹脂製フィルターの空隙率は低下するので、インクの流路抵抗は大きくなる。
また、塩の粒径が小さくなるにつれて、フィルター内に分散する空隙の径が小さくなり、異物の捕集能力は大きくなるが、インクの流路抵抗を大きくする原因となり得る。また、塩の粒径が大きくなるにつれて、フィルター内に分散する空隙の径が大きくなり、異物の捕集能力は小さくなるが、インクの流路抵抗は小さくなる。
ただし、樹脂製フィルターによれば、成形性(形状自由度)が高いという特徴を有することから、例えば、流路抵抗が高い場合において樹脂製フィルターの厚みを薄くしたり面積を広げる、異物の捕集能力をより上げたい場合においてインクの流れる方向の厚みを厚くする、などの設計を高い自由度で行うことができる。
すなわち、従来より知られている金属メッシュにおいて異物の捕集能力をより上げたい場合は、金属メッシュの番手を細かくする方法でしか対応できず、この方法では流路抵抗が確実に大きくなるので、インクジェット記録用のフィルターとして使用できない場合が多かったのに対し、本発明に係る樹脂製フィルターにおいては、上記したように、インクの流れる方向の厚みを厚くすることによって、より立体的な異物捕集が可能となるので、流路抵抗を上げすぎることなく、異物の捕集能力を上げることができる。
インク滴を短い時間間隔で立て続けに吐出するインクジェット記録方式においては、フィルターが異物の捕集を確実に行いつつも、インクの流路抵抗が大きくなりすぎない状況が有利であり、前記した相関関係を鑑みて、“樹脂と塩との重量比”および“塩の粒径”が好適に決定される。樹脂製フィルターの形状にもよるが、樹脂と塩との重量比を4.5:95.5〜9.5:90.5とし、塩の粒径を100μm〜300μmとするのが好ましい。
樹脂と塩との重量比が、4.5:95.5より樹脂分が少ない設定となると、マトリックスとしての樹脂成分の強度が低下し、多孔質体が形成されず、塩を抽出した際にフィルタとしての形状が保持されにくくなり、また、異物の捕集を確実に行いにくくなる。また、9.5:90.5より樹脂分が多い設定になると、インクの流路抵抗が大きくなり、フィルタとしての通水性が劣る傾向となる。また、樹脂がフィルタから脱落することに起因する異物の発生も確率的に高くなる。
以上に詳述した本発明に係る樹脂製フィルターの設置位置としては、インクジェット記録装置であれば、特に限定されるものではないが、インクジェットカートリッジのインク収容部から記録ヘッドまでのインク流路内を好適に挙げることができ、特に好ましくはインクジェットカートリッジのインク流路内である。
なお、本明細書において、インクジェットカートリッジは、インクジェット記録装置に包含されるものである。
そして、例えば、本発明のポリプロピレン製フィルターを、ポリプロピレン製インクジェットカートリッジの内部に設置することによって、インクカートリッジのリサイクル時において、樹脂製フィルターを取り除く必要がなくなるので、インクカートリッジのリサイクル性を良好にできる。
(実施例1)
ポリエチレン樹脂(住友化学株式会社製、商品名;住友PE1700、分子量30,000)と塩(富田製薬株式会社製、粒子径150μm、商品名;鳴門焼き塩)を、重量比7.0:93.0で、押出成形機(東洋精機株式会社製、商品名:ラボプラストミル)に投入し、直径7mmの棒状に押出し成形した。押出された棒状成形体を、水道水に24時間浸漬して塩を抽出した。
抽出後の多孔質体を水槽から取り出し、1日放置して常温乾燥した。乾燥した多孔質体を所定の厚みに切り出して、フィルタ形状とすることにより、実施例1の樹脂製フィルターを作製した。
(実施例2〜6,比較例1〜4)
表1及び表2に示すように、樹脂の数平均分子量を変化させた以外は、上記実施例1の樹脂製フィルターと同様の方法で、実施例2〜6、比較例1〜4の樹脂製フィルターを作製した。
ここで、実施例2,3および比較例1,2においては、樹脂としてポリエチレンを使用し、実施例4〜6および比較例3,4においては、樹脂としてポリプロピレンを使用した。また、塩の粒子径を150μmとし、樹脂:塩の比率を7.0:93.0とした。
(実施例7〜12,参考例1〜4)
表3及び表4に示すように、樹脂と塩との重量比を変化させた以外は、上記実施例1の樹脂製フィルターと同様の方法で、実施例7〜12,参考例1〜4の樹脂製フィルターを作製した。
ここで、実施例7〜9および参考例1,2においては、樹脂として数平均分子量が60,000のポリエチレンを使用し、実施例10〜12および参考例3,4においては、樹脂として数平均分子量が80,000のポリプロピレンを使用した。また、塩の粒子径は150μmとした。
(実施例13〜18,参考例5〜8)
表5及び表6に示すように、塩の粒径を変化させた以外は、上記実施例1の樹脂製フィルターと同様の方法で、実施例13〜18,参考例5〜8の樹脂製フィルターを作製した。
ここで、実施例13〜15および参考例5,6においては、樹脂として数平均分子量が60,000のポリエチレンを使用し、実施例16〜18および参考例7,8においては、樹脂として数平均分子量が80,000のポリプロピレンを使用した。
(異物の評価)
図1(a)に示すように垂直にシリンジ1、流入側チューブ2、固定治具4、金属の留め具3a,3b、流出側チューブ5を用意する。装置の下端には、異物を捕集するビーカ6を用意する。シリンジ1は、50mlとし各チューブの長さは10cmとする。固定治具4は、図1(b)に示すように、内径6.8mmφの中空の円筒形の樹脂とし、内部に厚み3mm、直径7.2mmφの試験片を固定治具4内に隙間なく装着し、上下に金属の留め具3a,3bを装着する。
以上のように整備した装置を用い、以下の手順で異物を評価した。
1)まず、シリンジ1に15mlの市販のインク液を通水し、固定治具の手前、流入側チューブ2内に、インク液を満たす;
2)さらに、シリンジ1にシリンダーを挿入し、5ml/8秒の速さで押出し、15mlのインク液をフィルタに通水させる。捕集ビーカ6には、異物が混入した通水液が得られる;
3)吸引濾過器(ヤマト科学株式会社、ガラスホルダー式吸引濾過キット;XXKT047−1P)に、濾紙をセットし、濾紙の中央にメンブレンフィルタ(10μmメッシュ、ミリポア社製)を設置する;
4)真空ポンプにより真空引きした状態で、メンブレンフィルタに10mlのガラスシリンジを押し当てる;
5)ガラスシリンジに、先に採集した異物の混入した通水液10mlを流しいれる;
6)真空ポンプを停止し、メンブレンフィルタ上に異物を採取する;
7)メンブレンフィルタをスライドグラスにのせ光学顕微鏡で倍率50倍として異物の存在を確認し、所定の領域内にある異物の数を測定する。
(圧力損失の測定)
図2(a)に示すように、円筒状のガラス容器11、中心に穴の開いた金属製円盤状治具12、土台用ガラス容器13、溶液を受けるための受け器14(ビーカー等)を用意した。円筒状ガラス容器11の容量を50mmとし、下部から容量が分かるよう目盛をふった。なお、金属製治具12の中心孔径は、測定サンプルや目的に応じて適宜変更される。
次いで、以下の手順に従い、圧力損失を測定した。
1)まず、測定サンプルである樹脂製フィルターに対して、メタノール(試薬,1級)を含覆させ、次いで、強制的にフィルターの多孔体内部まで溶液で満たすために減圧下に置き、フィルター内部の空気をメタノールで置換する;
2)フィルターの外径および厚みを測定する。測定精度は100分の1mm単位まで計測する;
3)金属製円盤状治具12を軸方向から見た図2の(b)に示すように、金属製円盤状治具12の中心孔部分に前記1)および2)の下準備を行なったフィルター15(厚み3〜5mm)を装着するとともに、図2の(a)に示すように、これを土台用ガラス容器13に載せ、さらに、金属製円盤状治具12の上に、円筒状のガラス容器11を、ガラス容器11の筒方向が鉛直方向となるように載せる;
ここで、フィルターは、金属製円盤状治具12の円盤面12aとフィルター15の上面とが共に水平となるように装着されている。
また、土台用ガラス容器13の中には、フィルターが装着された金属製円盤状治具12のほぼ真下に、溶液を受けるための受け器14が配置されている。
4)ガラス容器11に50ml程度のメタノール(試薬,1級)を流し込み、ガラス容器11内の溶液の量が40mlから30mlまで減少する時間をストップウォッチにて計測し、圧力損失の評価とする。流れた溶液はビーカー等の受け器14により回収する;
5)計測は3回以上で行ない、これらの平均値をとることにより、圧力損失を測定する。
(成形性の評価)
成形性は、樹脂と塩の混練物を水で、24時間抽出した後のフィルタの外観を目視判定した。問題なく成形できたものを「○」、成形はできるものの、物理的強度の点でやや難があるものを「△」、圧力損失の測定機にかからないほど物理的強度に劣ったものを「×」とした。
以上の結果より、実施例の樹脂製フィルターは、
1)通水液中の異物の数が少ない;
2)圧力損失が6.5(sec/10cm3)以下であり、インクの流路抵抗をインクジェット記録に適した値とすることができる;
を両立する樹脂製フィルターであることを確認した。
一方、比較例1および3の樹脂製フィルターは、樹脂分子量が本発明で規定の下限値より小さく、通水液中の異物の数が多かった。また、比較例2および4の樹脂製フィルターは、樹脂分子量が本発明で規定の上限値より大きく、成形性が不十分であった。
1 シリンジ
2 流入側チューブ
3a,3b 留め具
4 固定治具
5 流出側チューブ
6 ビーカー
11 ガラス容器
12 金属製円盤状治具
12a 円盤面
13 土台用ガラス容器
14 受け器
15 フィルター
本発明に係るインクジェット記録装置用樹脂製フィルターは、
50,000〜80,000の数平均分子量を有するポリエチレンと70,000〜100,000の数平均分子量を有するポリプロピレンとからなる群から選択された樹脂の溶融物に
塩が添加・混練された成形用溶融物を使用して成形体を作製し、
次いで前記成形体を水で洗浄することによって前記成形体より塩が除去されて得られ、
下記異物評価方法で評価される異物が42以下であることを特徴とする(請求項1)。
(異物評価方法)
垂直にシリンジ、流入側チューブ、固定治具、流出側チューブを配し、前記固定治具の上部に、前記シリンジが接続された前記流入側チューブが、金属の留め具を用いて接続され、前記固定治具の下部に、前記流出側チューブが金属の留め具を用いて接続される装置であって、前記固定治具は内径6.8mmΦの中空の円筒形状を成し、該固定治具の内部に厚み3mm、直径7.2mmΦの試験片用フィルターが装着された装置を用い、以下の手順で異物を評価する。
1)前記シリンジに15mlのインク液を通水し、前記固定治具の手前の前記流入側チューブ内に、インク液を満たす;
2)さらに、前記シリンジにシリンダーを挿入し、5ml/8秒の速さで押出し、15mlのインク液を前記フィルタに通水させ、通水液を得る;
3)吸引濾過器に、濾紙をセットし、濾紙の中央にメンブレンフィルタ(10μmメッシュ)を設置する;
4)真空ポンプにより真空引きした状態で、前記メンブレンフィルタに10ml用のガラスシリンジを押し当てる;
5)前記ガラスシリンジに、先に採集した前記通水液10mlを流しいれる;
6)前記真空ポンプを停止し、前記メンブレンフィルタ上に異物を採取する;
7)前記メンブレンフィルタをスライドグラスにのせ光学顕微鏡で倍率50倍として異物の存在を確認し、所定の領域内にある異物の数を測定する。
また、前記インクジェット記録装置用樹脂製フィルターにおいて、前記樹脂と前記塩との重量比が7.0:93.0〜9.5:90.5であることが好ましく(請求項2)、塩の粒径が100μm〜150μmであることが好ましい(請求項3)
粒子径の特定は、マトリックスとなる樹脂に関係なく決定できる。ただし、ポリエチレンであれ、ポリプロピレンであれ、マトリックスとして選定する樹脂は、塩と混練、成形した後、塩を抽出する工程にふさわしい耐熱性と流動性を備えた溶融時の樹脂粘度であることが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例1、4、7、10、15及び18は、それぞれ、参考例1−2、4−2、7−2、10、15及び18と読替えるものとする。
(実施例1)
ポリエチレン樹脂(住友化学株式会社製、商品名;住友PE1700、分子量30,000)と塩(富田製薬株式会社製、粒子径150μm、商品名;鳴門焼き塩)を、重量比7.0:93.0で、押出成形機(東洋精機株式会社製、商品名:ラボプラストミル)に投入し、直径7mmの棒状に押出し成形した。押出された棒状成形体を、水道水に24時間浸漬して塩を抽出した。
抽出後の多孔質体を水槽から取り出し、1日放置して常温乾燥した。乾燥した多孔質体を所定の厚みに切り出して、フィルタ形状とすることにより、実施例1の樹脂製フィルターを作製した。

Claims (2)

  1. 30,000〜80,000の数平均分子量を有するポリエチレンと50,000〜100,000の数平均分子量を有するポリプロピレンとからなる群から選択された樹脂の溶融物に塩が添加・混練された成形用溶融物を使用して成形体を作製し、次いで前記成形体を水で洗浄することによって前記成形体より塩が除去されて得られたことを特徴とするインクジェット記録装置用樹脂製フィルター。
  2. 前記樹脂と前記塩との重量比が4.5:95.5〜9.5:90.5であり、塩の粒径が100μm〜300μmであることを特徴する請求項1に記載のインクジェット記録装置用樹脂製フィルター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0881577A (ja) * 1994-09-12 1996-03-26 Bridgestone Corp ミクロ多孔質体及びその製造方法
JPH10151764A (ja) * 1996-11-22 1998-06-09 Canon Inc インクジェットヘッド、インクジェット装置および情報処理システム

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