JPH08188922A - 複合繊維及びこれを用いた繊維シート - Google Patents

複合繊維及びこれを用いた繊維シート

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JPH08188922A
JPH08188922A JP33870494A JP33870494A JPH08188922A JP H08188922 A JPH08188922 A JP H08188922A JP 33870494 A JP33870494 A JP 33870494A JP 33870494 A JP33870494 A JP 33870494A JP H08188922 A JPH08188922 A JP H08188922A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維から除去した重合体成分を処理しやすい
複合繊維、及びこれを用いた繊維シートを提供するこ
と。 【構成】 本発明の複合繊維は易加水分解性の生分解性
の重合体成分と、この生分解性の重合体成分の除去剤に
難除去性の重合体成分とからなるため、生分解性の重合
体成分を除去しても、特別な処理を必要としない。ま
た、本発明の繊維シートはこの複合繊維を含むものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複合繊維及びこれを用い
た繊維シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、海島繊維といわれる複合繊維
が知られている。この海島繊維は繊維断面において、一
重合体成分が他の重合体成分(結果的に海状)中に島状
に分散したものであり、海状の重合体成分を抽出し、除
去することにより、島状の重合体成分からなる細い繊維
としたり、島状の重合体成分を抽出し、除去することに
より、海状の重合体成分のみからなる、多孔繊維を得る
ことができるので、前者の場合には人工皮革用途、後者
の場合には濾過用途や保液材用途を中心として、様々な
用途に利用されてきた。
【0003】しかしながら、この海島繊維を構成する海
状の重合体成分及び島状の重合体成分が、いずれもポリ
アミド、ポリエステル、ポリエチレンなどのポリオレフ
ィン或いは、ポリスチレンなどの自然界では分解しにく
い合成重合体であるため、抽出した溶剤を回収し、処理
する必要があった。しかしながら、この抽出した溶剤を
回収し、処理するためには多大な労力を必要とした。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためになされたものであり、繊維から除去し
た重合体成分を処理しやすい複合繊維、及びこれを用い
た繊維シートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の複合繊維は生分
解性の重合体成分と、この生分解性の重合体成分の除去
剤に難除去性の重合体成分とからなり、本発明の繊維シ
ートはこの複合繊維を含むものである。
【0006】
【作用】本発明の複合繊維は生分解性の重合体成分(以
下、「生分解性成分」という)と、この生分解成分の除
去剤に難除去性の重合体成分(以下、「難除去性成分」
という)とからなるため、除去剤によって生分解性成分
を除去でき、この生分解性成分を放置又は廃棄しても環
境を破壊することなく処理できるので、処理しやすいも
のである。
【0007】この複合繊維は生分解性成分と難除去性成
分とを含んでいれば良いが、これら重合体成分の配置状
態を設計することによって、様々な特性を付与すること
ができる。このことについて、複合繊維の模式的な断面
形状を示す図1〜図3をもとにして説明する。なお、図
1〜3は略円形断面の場合について例示したが、略円形
である必要はない。
【0008】図1(a)は生分解性成分1中に、島状の
難除去性成分2を同心状に1つ有する場合で、この生分
解性成分1を除去すれば、より細い1本以上の難除去性
成分2からなる繊維を得ることができる。図1(a)と
は逆に、難除去性成分中に、島状の生分解性成分を同心
状に1つ有する場合には、生分解性成分を除去すれば、
難除去性成分からなる中空の繊維を得ることができ、こ
の生分解性成分が繊維表面に露出している場合には、表
面に通じる孔を有する繊維を得ることができる。この生
分解性成分1又は難除去性成分2は同心状にある必要は
なく、前述の生分解性成分が繊維表面に露出している場
合の、ある繊維断面において、偏心しているように、偏
心状態にあっても構わない。この偏心した複合繊維の例
が図1(b)で、生分解性成分1中に、島状の難除去性
成分2を有する場合には、より細い1本以上の繊維を得
ることができ、難除去性成分中に、島状の生分解性成分
を有する場合には、表面に通じる孔を有する繊維を得る
ことができる。
【0009】また、島状の重合体成分は1つである必要
はなく、図1(c)に示すように、2つ以上有していて
も良い。生分解性成分1中に、島状の難除去性成分2を
2つ以上有する場合には、より細い2本以上の繊維を得
ることができるので好適であり、島状の難除去性成分2
を10以上有していると、より細い繊維を得ることがで
きるので、より好適である。逆に、難除去性成分中に、
島状の生分解性成分を2つ以上有する場合には、2つ以
上の孔を有する繊維を得ることができるので好適であ
り、20以上の島状の重合体成分を有すると、微孔を多
く有する多孔繊維となるので、より好ましい。なお、こ
の島状の生分解性成分の一部が繊維表面に露出、及び/
又は島状の重合体成分同士の一部が繋がっていると、よ
り島状の生分解性成分を除去しやすいので、この構造を
有しているのが好ましい。この難除去性成分中に島状の
生分解性成分同士の一部が繋がっている複合繊維の生分
解性成分を除去したものは、ネット状の空孔を有する多
孔繊維となる。なお、この構造は混合紡糸法によって、
容易に形成することができる。また、島状の重合体成分
は同等の大きさである必要はなく、図1(d)に示すよ
うに、大小様々な大きさであっても良いし、これら島状
の重合体成分は均一に分散している必要はなく、図1
(e)に示すように、偏在していても良い。更に、島状
の重合体成分の断面形状は円形である必要もない。
【0010】この生分解性成分1又は難除去性成分2は
島状である必要はなく、図2(a)に示すように、他の
重合体成分を2個の部分に略分割するように、配置して
いても良い。図2(a)のように、生分解性成分1を難
除去性成分2が略2分割している場合には、生分解性成
分1を除去することによって、アルファベットのI形状
の繊維を得ることができ、逆に、難除去性成分を生分解
性成分が略2分割している場合には、2つの半円状繊維
を得ることができる。この繊維断面における分割状態は
図2(b)〜(e)に示すように、2分割以上であれば
良いが、難除去性成分を生分解性成分が分割している場
合には、より細い繊維が得られるように、6分割以上で
あるのが好ましい。また、他の重合体成分を分割する重
合体成分は直線状である必要はなく、図2(e)に示す
ように扇形や、曲線状であっても良く、限定するもので
はない。なお、図2においては、一方の重合体成分で他
方の重合体成分を完全に分割し、繊維表面に露出してい
る場合を例示したが、完全に分割する必要はなく、繊維
表面近くに存在すれば良い。
【0011】図3は生分解性成分1を難除去性成分2が
3分割していると共に、分割された部分に難除去性成分
2が島状に分布した状態であり、このように、島状の重
合体成分と2個以上の部分に分割する重合体成分とが混
在していても良い。この複合繊維の生分解性成分1を除
去すると、アルファベットのY形状を有する繊維とより
繊維径の小さい繊維を得ることができる。逆に、難除去
性成分を生分解性成分が略3分割していると共に、分割
された部分に生分解性成分が島状に分布した複合繊維か
らは、断面が扇形形状の多孔繊維を3つ得ることができ
る。この場合であっても、島状の生分解性成分は繊維表
面に露出及び/又は島状の重合体成分同士の一部が繋が
っているのが好ましい。
【0012】この生分解性成分としては、例えば、デン
プンやデンプンとエチレンとの共重合体などのデンプン
系、キトサン系、セルロース系などの天然高分子系の重
合体成分、脂肪族ポリエステル系、バイオセルロース系
などの発酵生産系の重合体成分、ε−カプロラクトン、
乳酸系、グリコール系、変性ポリビニルアルコール系な
どの化学合成系のものを1種類以上使用できる。これら
の中でも易加水分解性の乳酸系、脂肪族ポリエステル
系、グリコール系、セルロース系、デンプン系の重合体
成分は、除去剤として水系のアルカリ溶液を使用でき、
より処理しやすいので好適である。この易加水分解性の
中でも、脂肪族ポリエステル系、乳酸系の生分解性成分
は加水分解性や加工性に優れているため、最も好適に使
用できる。なお、この易加水分解性とは、重合体成分を
紡糸して100デニールとした繊維を、温度80℃の5
M−水酸化ナトリウム水溶液に60分間浸漬して、この
繊維重量の30%以上が溶出するものをいう。
【0013】この生分解性成分の除去剤として、例え
ば、溶剤、酵素、微生物などがあるが、これらの中でも
溶剤は除去速度が速く、取り扱いやすいので、好適に使
用できる。この溶剤の中でも、水系であるとより取り扱
いやすく、処理しやすいので好適であり、より生分解性
成分を抽出しやすいアルカリ溶液が最も好ましい。
【0014】本発明の難除去性成分は生分解性成分の除
去剤に難除去性の重合体成分であり、生分解性成分の除
去剤によって変化する。本発明でいう難除去性とは、除
去する生分解性成分の除去速度の2分の1以下のものを
いう。例えば、好適に使用できる生分解性成分が易加水
分解性である場合には、除去剤としてアルカリ溶液を好
適に使用するが、この場合の難除去性成分として、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど
のポリオレフィン系、ナイロン11、ナイロン12、ナ
イロン6、ナイロン66、変性ナイロンなどのナイロン
系、ポリエステル、変性ポリエステルなどのポリエステ
ル系、エステルエラストマー、オレフィン系エラストマ
ー、ウレタン系エラストマー、或いは前述の生分解性繊
維のうち、上記難除去性成分の条件を満たすものなど、
これら難除去性成分を1種類以上使用できる。
【0015】この生分解性成分と難除去性成分との比率
は複合繊維の設計によって変化するが、一般的に1:9
〜9:1である。例えば、図1(c)のように、生分解
性成分中に難除去性成分が多数分散した場合には、除去
する成分である生分解性成分を少なくし、しかも難除去
生成分の形状安定性を保つために、7:3〜3:7であ
るのが好ましい。
【0016】本発明の複合繊維の繊維径は特に限定する
ものではないが、0.1〜100μmが好適である。な
お、断面形状が円形でない場合には、円形に換算した値
をいう。
【0017】本発明の複合繊維は、通常の複合紡糸法、
混合紡糸法、或いはこれらの方法を組み合わせることに
よって得ることができる。例えば、図1(c)に示すよ
うな、生分解性成分中に多数の島状の難除去性成分が分
散した複合繊維を得るには、難除去性成分の数に相当す
る小孔から難除去性成分を押し出すと共に、小孔から生
分解性成分を押し出し、複合して形成することもできる
し、予め生分解性成分と難除去性成分とを混合した重合
体成分を押し出すことによっても得ることができる。ま
た、図1(d)に示すような、生分解性成分中に大小様
々な島状の難除去性成分が分散した複合繊維を得るに
は、難除去性成分の数に相当する小孔から難除去性成分
を押し出すと共に、小孔から生分解性成分と難除去性成
分とを混合した重合体成分を押し出し、複合して得るこ
とができる。
【0018】以上のような複合繊維、必要であれば他の
繊維を混合して作成した織物、編物、不織布などの繊維
シートは、様々な特性をもったものとなる。これらの中
でも、不織布は製造方法によって、多種多様のものを形
成できるので、より様々な特性を付与することができ、
好適である。なお、他の繊維としてはレーヨン繊維など
の再生繊維、アセテート繊維などの半合成繊維、ナイロ
ン繊維、ビニロン繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニ
ル繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリエチレ
ン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリウレタン繊維などの
合成繊維、綿などの植物繊維、羊毛などの動物繊維など
を使用できる。また、本発明の複合繊維は複合繊維の特
性を発揮させるために、繊維シート中、20重量%以上
含まれているのが好ましく、40重量%以上含まれてい
るのがより好ましく、60重量%以上含まれているのが
最も好ましい。
【0019】この不織布の製造方法について説明すれ
ば、まず、繊維ウエブを形成する。この繊維ウエブは、
カード法、エアレイ法などの乾式法、湿式抄造法、スパ
ンボンド法、メルトブロー法などの直接法によって形成
することができる。なお、湿式抄造法の場合には繊維長
3〜25mm程度の繊維を使用し、乾式法による場合に
は、繊維長20〜110mm程度の繊維を使用する。な
お、乾式法、湿式法、或いは直接法によって得た繊維ウ
エブを適宜組み合わせても良い。
【0020】なお、カード法により繊維ウエブを形成す
る場合、カード機で開繊された一方向性の繊維配向のま
までも良いが、クロスレイヤーなどによって、繊維ウエ
ブの流れ方向に対して、繊維配向を交差させた繊維ウエ
ブを使用すると、幅方向の強度にも優れた不織布とする
ことができるので好適である。また、この一方向性の繊
維ウエブと繊維配向の交差した繊維ウエブとを積層して
も良い。
【0021】次いで、この繊維ウエブを結合及び/又は
絡合して不織布を得る。前者の結合方法としては、エマ
ルジョン、粉末などのバインダーで結合したり、繊維ウ
エブ中に含まれる熱融着性繊維(複合繊維の難除去性成
分も含む)によって結合する方法があり、後者の絡合方
法としては、ニードルパンチや高圧水流による方法があ
り、これら結合方法と絡合方法を適宜組み合わせること
もできる。なお、スパンボンド法又はメルトブロー法に
よって得た繊維ウエブはそのまま不織布とみなしても良
い。
【0022】このようにして得られる不織布は複合繊維
を含んでいるが、この複合繊維の生分解性成分を除去す
ることにより、難除去性の重合体成分からなる繊維を含
む、様々な特性を有するものとすることができる。な
お、製造上、繊維シートを形成した後に生分解性成分を
除去するのが好ましいが、生分解性成分を除去すること
により、不織布の空隙が大きくなったり、密度が低くな
ったり、強度が低下する場合もあるので、複合繊維の状
態で、又は繊維ウエブの状態で生分解性成分を除去して
も良い。なお、繊維シートを形成し、生分解性成分を除
去した後に、再度、上記と同様の結合や絡合をしても良
い。また、各種用途によって、様々な後加工を施すこと
もできる。
【0023】本発明の繊維シートは、複合繊維及び繊維
シート構造による様々な特性を有しているため、様々な
用途、例えば、芯地、中入綿、貼付剤用基布、マスク、
医療用防護材、電池用セパレータ、空調用又は液体フィ
ルター、合成又は人工皮革用基材、外衣用素材、内装
材、クリーニング材、保液材などに使用することができ
る。
【0024】以下に、本発明の実施例を記載するが、本
発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、
重合体の溶融粘度はフローテスター(島津(株)製、フ
ローテスターCFT−500C)で、直径1.0mm、長
さ10.0mmのノズルを用いて測定した値である。
【0025】
【実施例】
(実施例1)生分解性成分として、220℃、シェアレ
ート1,000S-1における溶融粘度(以下、溶融粘度
は同様の条件のものをいう)が600ポイズの乳酸ポリ
マー57部と、難除去性成分として、溶融粘度800ポ
イズのポリプロピレン43部とを混合し、溶融させた
後、径0.25mmのノズルから0.19g/分の速度で押し
出したままの放流糸を得た。この放流糸の断面形状は円
形で、島状のポリプロピレンが2,000個以上、均一
に分散していた。
【0026】次いで、この放流糸を冷却しながら340
m/分で巻き取り、繊維径25μmの繊維を得た。この
繊維を110℃で2.5倍に延伸し、20個/インチの
巻縮を付与した後、50mmに裁断して、繊維径16μm
の複合繊維を得た。次いで、この複合繊維をカード機に
より開繊し、クロスレイヤーによって繊維ウエブの流れ
方向に対して交差させた繊維ウエブを得た後、この繊維
ウエブを80メッシュのネット上に載置し、径0.13m
mでピッチ0.6mmのノズルから噴出圧力100kg/cm2
高圧水流を噴出させて絡合し、次いで、繊維ウエブを反
転させて、同じ条件で水流を噴出させて、目付100g/
m2の絡合不織布を得た。この絡合不織布を80℃の3M
−水酸化ナトリウム水溶液に30分間浸漬して、乳酸ポ
リマーを除去し、ポリプロピレン繊維からなる、目付4
5g/m2の不織布を得た。この不織布はフィルタ用途に好
適であった。
【0027】この乳酸ポリマーを溶出した、3M−水酸
化ナトリウム水溶液を2N−塩酸水溶液で中和し、更
に、テトラヒドロフランで抽出して、繊維の減量分の約
90%を回収した。次いで、この回収物のIRスペクト
ルを測定すると、乳酸ポリマーと比較して、カルボニル
基の炭素−酸素二重結合伸縮ピークが低周波数側にシフ
トしており、乳酸のIRスペクトルに酷似しているた
め、乳酸ポリマーのエステル結合が切断され、乳酸モノ
マー又は低分子量のオリゴマーに分解していることが判
明した。そのため、この乳酸ポリマーを溶出した、3M
−水酸化ナトリウム水溶液を2N−塩酸水溶液で中和し
た廃液は、塩化ナトリウム、乳酸モノマー及び/又は低
分子量のオリゴマーであるため、この廃液は活性汚泥で
の処理も容易で、特殊な回収装置を使用する必要がない
ことがわかった。
【0028】(実施例2)難除去性成分として溶融粘度
230ポイズのポリプロピレン50部を混合した以外
は、実施例1と全く同様にして、放流糸を得た。この放
流糸の断面形状は円形で、島状の乳酸ポリマーが500
個以上、均一に分散していた。
【0029】次いで、この放流糸を冷却しながら100
m/分で巻き取り、繊維径47μmの繊維を得た。この
繊維を110℃で2.0倍に延伸し、20個/インチの
巻縮を付与した後、50mmに裁断して、繊維径33μm
の複合繊維を得た。次いで、この複合繊維を実施例1と
同様にして絡合し、目付100g/m2の絡合不織布を得
た。この絡合不織布を80℃の5M−水酸化ナトリウム
水溶液に120分間浸漬して乳酸ポリマーを除去し、多
孔性ポリプロピレン繊維からなる、目付90g/m2の不織
布を得た。この不織布は保液剤用途に好適であった。
【0030】
【発明の効果】本発明の複合繊維は生分解性の重合体成
分と、この生分解性の重合体成分の除去剤に難除去性の
重合体成分とからなり、除去剤によって生分解性成分を
除去できるので、この生分解性成分を放置又は廃棄して
も環境を破壊することなく処理でき、処理しやすいもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 本発明の複合繊維の一例の模式的断面
図 (b) 本発明の複合繊維の他例の模式的断面図 (c) 本発明の複合繊維の他例の模式的断面図 (d) 本発明の複合繊維の他例の模式的断面図 (e) 本発明の複合繊維の他例の模式的断面図
【図2】(a) 本発明の複合繊維の他例の模式的断面
図 (b) 本発明の複合繊維の他例の模式的断面図 (c) 本発明の複合繊維の他例の模式的断面図 (d) 本発明の複合繊維の他例の模式的断面図 (e) 本発明の複合繊維の他例の模式的断面図
【図3】本発明の複合繊維の他例の模式的断面図
【符号の説明】
1 生分解性の重合体成分 2 難除去性の重合体成分

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生分解性の重合体成分と、該生分解性の
    重合体成分の除去剤に難除去性の重合体成分とからなる
    ことを特徴とする複合繊維。
  2. 【請求項2】 生分解性の重合体成分が易加水分解性で
    あることを特徴とする請求項1記載の複合繊維。
  3. 【請求項3】 繊維断面において、生分解性の重合体成
    分中に島状の難除去性の重合体成分を有することを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載の複合繊維。
  4. 【請求項4】 繊維断面において、生分解性の重合体成
    分を2個以上の部分に略分割する難除去性の重合体成分
    を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれ
    かに記載の複合繊維。
  5. 【請求項5】 繊維断面において、難除去性の重合体成
    分中に島状の生分解性の重合体成分を有することを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載の複合繊維。
  6. 【請求項6】 繊維断面において、難除去性の重合体成
    分を2個以上の部分に略分割する生分解性の重合体成分
    を有することを特徴とする請求項1、請求項2、又は請
    求項5のいずれかに記載の複合繊維。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の
    複合繊維を含むことを特徴とする繊維シート。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の
    複合繊維の生分解性の重合体成分を除去した、難除去性
    の重合体成分からなる繊維を含むことを特徴とする繊維
    シート。
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