JPH08127080A - 中空マグネットロールの製造装置及びそれを用いた中空マグネットロールの製造方法 - Google Patents

中空マグネットロールの製造装置及びそれを用いた中空マグネットロールの製造方法

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JPH08127080A
JPH08127080A JP6269295A JP26929594A JPH08127080A JP H08127080 A JPH08127080 A JP H08127080A JP 6269295 A JP6269295 A JP 6269295A JP 26929594 A JP26929594 A JP 26929594A JP H08127080 A JPH08127080 A JP H08127080A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 直線性や真円度に優れるとともに磁気特性に
も優れ、加えて製造コストの低減もはかれる硬質合成樹
脂製中空マグネットロールの製造装置とそれを用いた中
空マグネットロールの製造方法を提案せんとするもので
ある。 【構成】 成形ダイから押し出された磁場配向成形され
た半硬化成形物を湿式真空サイジング装置に通し、半硬
化成形物とサイジングダイ内面との間に介在する冷媒の
潤滑性によって半硬化成形物とサイジングダイとの接触
抵抗を軽減させるとともに半硬化成形物に直接接触する
冷媒によって半硬化成形物を急冷することにより、磁場
配向成形直後の磁性粉の配向状態を維持したまま冷却固
化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば複写機やファク
シミリ、プリンタ等の電子写真方式の現像装置における
現像ロールやクリーニングロール、搬送ロール等に用い
られる中空マグネットロールの製造装置とそれを用いた
製造方法に関し、更に詳しくはシャフトがなくても反り
や径変動がなく、且つ磁力特性にも優れた中空マグネッ
トロールが得られる製造装置とそれを用いた製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば複写機やファクシミリ、プリンタ
等の電子写真方式の現像装置においては現像ロールやク
リーニングロール、更には搬送ロール等のマグネットロ
ールが用いられている。またこれら以外にもマグネット
ロールの利用対象は広がりつつある。これら用途に使用
されるマグネットロールとしては、焼結磁石が最も古典
的なものとして知られているが、近年にいたって、成形
容易性や形状任意性の観点から合成樹脂バインダーに磁
性粉を配合した磁性粉配合樹脂を成形して作製したもの
が主流になりつつある。磁性粉配合樹脂製のマグネット
ロールには図7に示すように、軟質PVCやゴム等の軟
質合成樹脂をバインダーとする磁性粉配合樹脂の押出成
形品である中空磁石体mに金属シャフトsを挿通して構
成したシャフト挿通組立タイプと、図8に示すようにナ
イロン等の硬質合成樹脂をバインダーとする磁性粉配合
樹脂によって両端軸部t,tを含む全体を射出成形した
シャフトレス一体成形タイプとがある。シャフト挿通組
立タイプは押出成形を採用していることから生産性に優
れるものの高価な金属シャフトを使用する点並びに組立
コストが必要となることから製造コストが嵩む問題があ
り、他方、シャフトレス一体成形タイプは金属シャフト
が不要であるものの射出成形であることから生産性が低
いという欠点がある。また軸方向の磁力のばらつきが押
出成形に比べて大きいという問題もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、シャフト
挿通組立タイプもシャフトレス一体成形タイプも固有の
問題を抱えている。本発明者は、このような従来のマグ
ネットロールが内包する問題を解消でき、生産性に優れ
ると同時に製造コストも低く抑えることができるマグネ
ットロールの構成について鋭意検討したところ、次の着
想を得た。即ち、硬質合成樹脂を用いた磁性粉配合樹脂
の押出成形によって中空磁石体を作製することができれ
ば、金属シャフトがなくても硬質合成樹脂自身の剛性に
よって直線性を維持できる中空磁石体が得られ、この中
空磁石体の両端部を簡単な軸体で支持するようにすれ
ば、生産性に優れ且つ低価格でもあるマグネットロール
の提供が可能となる。
【0004】しかしながら、この着想を実現するには乗
り越えるべき多くの技術的課題があることもわかった。
硬質合成樹脂をバインダーとした磁性粉配合樹脂を連続
押出しして中空磁石体を作製する技術は、いまだ試みら
れたことはなく、実施に際しては、例えば、反りやう
ねりを防止して直線性をいかにして実現するかという課
題、マグネットロールの真円度をいかにして高めるか
という課題が浮上してくる。またこれら硬質合成樹脂を
バインダーとして用いた中空磁石体作製時の固有の問題
と関連して、マグネットロールにとっての普遍的課題で
ある、高磁力をいかにして実現するかという課題につ
いても検討する必要がある。以下、これら課題について
詳述する。
【0005】<直線性について> 一般的にマグネットロールにとって直線性は極めて重要
である。マグネットロールに反りやうねりがあると、ス
リーブ外装タイプではこの外装スリーブと接触したり、
スリーブ表面の表面磁束密度が軸方向において不均一と
なったりする問題があるし、またスリーブレスの場合に
もマグネットロールと対接部材間の間隙が軸方向におい
て不均一となったり、対接部材との接触箇所や非接触箇
所が不均一に発生する問題がある。軟質合成樹脂を用い
た中空磁石体の場合は中空磁石体の直線性は金属シャフ
トの挿入によって矯正されるため、中空磁石体それ自身
に直線性が要求されることはなかったが、硬質合成樹脂
を用いた中空磁石体では、シャフトレスとなすこと自体
が目的であるから、それ自身の剛性によって反りやうね
りのない直線性を実現する必要がある。
【0006】<真円度について> 成形ダイに着磁装置を組み込み、溶融状態の磁性粉配合
樹脂に磁界を作用させて磁性粉の磁化容易軸の向きを揃
えたうえ着磁しつつ成形を行う、いわゆる磁場配向成形
法が従来より行われているが、この成形法では成形ダイ
から外部空間に押し出された直後の半硬化状態の中空磁
石体がその磁化状態に対応して各部が相互に反発したり
引き合う結果、本来真円であるべき断面形状が変形する
問題がある。シャフト挿通組立タイプでは金属シャフト
の挿通によって中空磁石体の歪みをある程度矯正するこ
とが可能であるがシャフトレスが目的である硬質合成樹
脂製のマグネットロールでは、成形段階で真円度を高め
ておく必要がある。
【0007】このように硬質合成樹脂製中空マグネット
ロールにおいては成形物の直線性と真円度が重要であ
り、このため本発明者は押出成形物の寸法調整手段とし
てサイジング装置の利用を検討した。サイジング装置は
押出し成形直後の樹脂成形物を最終寸法に付形する装置
としては周知であるが、マグネットロールの付形手段と
して通常は使用されない。かって軟質合成樹脂製のマグ
ネットロールの製造工程において一部適用が試みられた
ことはあるものの、サイジング装置を通過させると磁気
特性が著しく低下する弊害が生じることが確認されて以
来、マグネットロールの製造工程にサイジング装置を使
用することは不適切であるとの認識が研究者の間で定着
している。
【0008】本発明はかかる現況に鑑みてなされたもの
であり、従来よりマグネットロールの製造工程への適用
が困難であると認識されていたサイジング装置について
再検討することにより、中空マグネットロール作製に適
するサイジング装置を見出し、更にこのサイジング装置
と周囲装置との関係を規定することにより、直線性や真
円度に優れるとともに磁気特性にも優れ、加えて製造コ
ストの低廉化もはかれる中空マグネットロールの製造装
置とそれを用いた製造方法を提案せんとするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】先ず本発明者は従来周知
のパイプ成形に常用される装置群を中空マグネットロー
ルの製造装置として利用した場合の問題点について検討
した。磁性粉を含まない樹脂原料を素材とする通常のパ
イプ成形システムは図9に示される。このシステムは押
出機a、成形ダイb、サイジングダイcを装着したサイ
ジング装置d及び引取装置eを連設して構成される。サ
イジング装置dとしては図10に示すようにサイジング
ダイcの外側に冷却水gを循環させる冷却室hとサイジ
ングダイc内を減圧する真空吸引手段iを備え、且つサ
イジングダイcの後方に冷却水槽jを備えた構成であっ
て、冷却水gによりサイジングダイcを冷やしながらサ
イジングダイ内を真空吸引して付形する乾式真空サイジ
ング装置が一般的に用いられている。尚、図中矢印は冷
却水(W)の循環方向とエアー(V)の吸引方向を示
す。
【0010】ところがこのシステムを中空マグネットロ
ールの製造装置としてそのまま応用すると、磁気特性の
低いマグネットロールしか得られず、またその原因がサ
イジング装置にあることも前述したとおりである。本発
明者は、鋭意研究の結果、磁場配向成形によって成形ダ
イ内で整列状態となっていた磁性粉が、サイジング装置
を通過した後では乱れた状態となっていることを見出し
た。例えば、代表的な磁性粉fであるフェライト粉末は
図11に示すように六方晶形の結晶構造に起因した六角
板形状であり、結晶面に対して垂直な方向に磁化容易軸
(C軸)を有している。磁石の表面磁力を高めるために
はこの磁化容易軸を磁化方向に揃えれば良い。中空マグ
ネットロールでは図12で示す軸方向断面模式図のよう
に磁性粉fの平坦面がマグネットロールの軸方向に沿う
ことにより磁化容易軸がマグネットロールの軸方向と直
交していることが理想的であり、成形ダイ内で磁場配向
成形された直後のマグネットロールの磁性粉の配向状態
は、多少の乱れはあるもののほぼこの状態に合致してい
ると判断できる。しかしながら、本発明者が調べたとこ
ろによると、サイジング装置通過後のマグネットロール
では、磁性粉の配向状態は大きく乱れており、特に表面
付近での乱れが特に著しいことが観測された。この磁性
粉配向の乱れが表面磁力の低下につながっていることは
明らかである。本発明者はこの磁性粉配向の乱れの原因
には、次のような各要素が影響していると推論した。
【0011】先ず、マグネットロール表面部分における
配向乱れの最大原因は、サイジングダイ内面と半硬化成
形物との接触抵抗によるものと推測される。特にサイジ
ングダイc内面に接触する半硬化成形物の表面部は急冷
されることから高粘度であって、その接触抵抗はかなり
大きく、この結果、図13に示すようにマグネットロー
ルの表面付近では磁性粉fの配向が大きく乱れることと
なる。マグネットロールの表面付近の磁性粉fの配向乱
れが表面磁束密度に与える影響はマグネットロールの径
方向深部の磁性粉fの配向乱れが表面磁束密度に与える
影響に比べて格段に大きいことを考えれば、表面付近に
おける磁性粉fの配向度は極めて重要である。
【0012】次に原因として考えられるのは、成形ダイ
吐出口の口径とサイジングダイ口径との口径比並びに成
形ダイからの吐出速度と引き取り速度との速度比であ
る。磁性粉を含まない樹脂原料を素材とする通常のパイ
プ成形システムでは、引取装置eによる引き取り速度V
2と成形ダイbから押し出される半硬化成形物の吐出速
度V1との比である引き落とし比(V2/V1)は1.
3〜1.5程度に調整され、また図14に示すようにサ
イジングダイcの口径R2の成形ダイbの口径R1に対
する比である口径比(R2/R1)は0.5程度に調整
されている。これは加熱された成形ダイbと冷却された
サイジングダイcとの間に存在する20mm〜30mm
程度のエアーギャップLにおいて半硬化成形物が自重に
より垂れることを防止し、且つ成形ダイから出た直後の
成形物の膨出変形を補正するためである。このように磁
性粉を含まない低粘度な樹脂材料では口径比(R2/R
1)は0.5程度に、また引き落とし比(V2/V1)
は1.3〜1.5程度に調整され、ダイ間の移行部分と
してのエアーギャップLにおいて半硬化成形物の外形は
大きく変形させられている。ところがダイ間移行部分で
の半硬化成形物の形状変化が大きいと、半硬化成形物全
体の移行に伴う各部の同速移動とは別に半硬化成形物内
部で径方向並びに軸方向に向かう樹脂の流動現象、即ち
相対流動が発生する。樹脂の流動現象は成形対象が例え
ば単なるパイプのようにその素材中に磁性粉を含まない
場合は何ら問題とはならないが、成形対象がマグネット
ロールのように磁性粉を含むものである場合、樹脂の流
動は磁性粉の流動につながり、この磁性粉の流動が磁場
配向成形直後の磁性粉の整列状態を乱す原因となり、表
面磁力の低下につながる。
【0013】また、ダイ間移行部分における樹脂の流動
現象は完成した中空マグネットロール内部に偏った内部
応力を残留させることにもなり、真円度の低下や反りの
原因ともなる。
【0014】このような考察を踏まえて、本発明者は上
記課題を解決しうる手段について鋭意検討したところ、
サイジング装置を用いつつも磁力低下の最大原因である
半硬化成形物とサイジングダイ内面との接触抵抗を低減
できる方法が見出せれば、真円度に優れ、反りや径変動
がなく直線性にも優れ、加えて磁気特性にも優れた中空
マグネットロールを得ることができるとの確信を抱くに
いたった。そして、ダイ間移行部分における磁性粉配合
樹脂の流動も抑制できれば更に高磁気特性を有する中空
マグネットロールが得られることも確信した。
【0015】このような着想に基づき完成された本発明
にかかる中空マグネットロールの製造装置は、混練した
磁性粉配合樹脂を押し出す押出機と、前記押出機の押出
口に取り付けられた成形ダイであって、その構成が同心
上に配置された外径ダイと内径ダイとからなり、外径ダ
イと内径ダイとの間に成形空間が形成された成形ダイ
と、前記外径ダイの外側に配置され、成形空間内に磁場
を形成する着磁装置と、前記成形ダイに隣接配置された
サイジング装置であって、得ようとする中空マグネット
ロールの外径寸法にほぼ合致した内径を有するサイジン
グダイを有するとともにサイジングダイを取付けた冷却
槽内を減圧する真空吸引手段を備え、且つサイジングダ
イ内を通過する半硬化樹脂成形物とサイジングダイ内面
間に冷媒を通液させる冷媒通液手段をサイジングダイ入
口部に備えた湿式真空サイジング装置と、前記湿式真空
サイジング装置を挟んで前記成形ダイの反対側に設置さ
れ、成形ダイから連続押出しされる成形物を定速で引き
取る引取装置と、を備えたことを特徴としている。
【0016】成形ダイ吐出口の口径R1とサイジングダ
イ口径R2との口径比R2/R1は0.7〜1.1の範
囲であることが好ましい。
【0017】また、押出機が成形ダイを通じて押し出す
成形物の吐出速度V1と引取装置が成形物を引き取る引
き取り速度V2との比である引き落し比V2/V1は
1.00〜1.15の範囲であることが好ましい。
【0018】更に、成形ダイとサイジングダイ間のエア
ーギャップは1mm〜20mmの範囲であることが望ま
れる。より好ましくは1〜8mmの範囲に設定したほう
が表面磁束密度の高いマグネットロールが得られる。
【0019】このような製造装置を用いて作製される中
空マグネットロールの材料となる磁性粉配合樹脂のバイ
ンダーとしてはポリアミド、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレンのう
ちから選択される硬質合成樹脂が採用でき、磁性粉の配
合比率は55体積%(85重量%)〜70体積%(92
重量%)の範囲に設定することが望まれる。尚、重量%
で表記した磁性粉配合比率は樹脂及び磁性粉の比重の違
いにより体積%で表現した内容と多少ずれる場合があ
る。この場合は体積%で表現された配合比を優先するも
のとする。
【0020】
【作用】このような構成の製造装置を用いて中空マグネ
ットロールを作製するには、次のようにする。先ず、ポ
リアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレ
ンサルファイド、ポリプロピレン等の耐熱性を有し、且
つ磁性粉の高充填が可能な硬質合成樹脂に磁性粉を配合
した磁性粉配合樹脂を混練したうえ成形ダイの成形空間
を通じて円筒状に押し出し、この押し出した半硬化成形
物を湿式真空サイジング装置の反対側に設置された引取
装置によって引き取りながら湿式真空サイジング装置に
侵入させる。湿式真空サイジング装置に侵入した中空の
半硬化成形物はサイジングダイ内面に真空吸引されなが
ら冷却付形されるが、このときサイジングダイ内面と半
硬化成形物との間には水等の潤滑性を有する冷媒が存在
しているので、半硬化成形物表面とサイジングダイとの
接触抵抗は極めて小さく、半硬化成形物の表面付近の磁
性粉は、磁場配向成形されたときの配向状態を乱される
ことはない。しかも冷媒は半硬化成形物に直接接触して
半硬化成形物を急冷するので、半硬化成形物は早期に完
全硬化し、磁場配向成形直後の配向状態を維持した中空
マグネットロールが得られる。
【0021】また、成形ダイとサイジングダイの口径比
R2/R1を0.7〜1.1の範囲に設定したり、ある
いは押出機の吐出速度V1と引取装置の引き取り速度V
2との比である引き落し比V2/V1を1.00〜1.
15の範囲に設定したときには、ダイ間移行部分におけ
る半硬化成形物内部の樹脂の相対流動が抑制され、半硬
化成形物を構成する各部をほぼ同速度で移行させること
ができるため、径方向断面全体にわたって磁場配向成形
直後の配向状態を維持できる。
【0022】更に、成形ダイとサイジングダイ間のエア
ーギャップを1mm〜20mmの範囲となせば、成形ダ
イの加熱作用とサイジング装置における冷却作用との相
互干渉を抑制しながら、ダイ間移行部分での半硬化成形
物の垂れや磁力に基づく変形も許容範囲内に抑制でき
る。
【0023】また、磁性粉配合樹脂のバインダーとして
ポリアミド樹脂を用い、磁性粉の配合比率を55体積%
(85重量%)〜70体積%(92重量%)の範囲に設
定することによって、優れた耐熱性を有し、成形性にも
問題がなく、且つ高磁気特性も発揮できる中空マグネッ
トロールが得られる。
【0024】
【実施例】次に本発明の詳細を図示した実施例に基づき
説明する。図1は本発明の中空マグネットロールの製造
装置の全体システムの概略説明図である。本システムは
押出機1、着磁装置2を備えた成形ダイ3、湿式真空サ
イジング装置4及び引取装置5とから主として構成され
る。尚、図示しないが引取装置5の後方に、引取装置5
によって連続的に引き取られた樹脂成形物を所定寸法に
切断する切断装置を配置してもよい。
【0025】図2は成形ダイ3から湿式真空サイジング
装置4にいたる部分を示す断面説明図である。成形ダイ
3は外径ダイ3aと内径ダイ3bとからなり、外径ダイ
3aと内径ダイ3bとの間には磁性粉配合樹脂を円筒状
に押し出すための成形空間が形成されており、また外径
ダイ3aの外側には、樹脂磁石への着磁パターンに対応
して着磁装置2が配置されている。着磁装置2は電磁石
や永久磁石が選択される。
【0026】湿式真空サイジング装置4は冷却水が満た
された冷却水槽6内の始端側(図中右側)に筒状のサイ
ジングダイ7を配置した構成である。本実施例では冷媒
として水を用いているが、水以外の冷媒を用いることも
できる。また、筒状のサイジングダイの代わりに所望の
形状の孔が開設されたサイジングプレートを1枚若しく
は複数枚並べたサイジングダイを用いてもよい。冷却水
槽6には複数の給水口6a、6a、……と排水口6b、
6b、……が設けられるとともに冷却水槽6内を真空吸
引する吸引口6c、6cが設けられ、冷却水槽6内の冷
却水の温度上昇を防止して冷却効果を維持し、且つサイ
ジングダイ7内を減圧しうるように構成されている。
尚、図2のように冷却水を貯水する代わりにシャワーに
より冷却する方式も採用できる。
【0027】サイジングダイ7は図3及び図4の要部拡
大説明図に示す如く、真空吸引用の孔部7a、7a、…
…を多設した筒状金属管であり、その内径は得ようとす
る中空マグネットロールの外径寸法にほぼ一致させてい
る。本実施例では、サイジングダイ7の入口のノズル7
b(図中右端)から冷却水を導入するとともにこの導入
した冷却水をサイジングダイ7内面における全長にわた
って供給し、前記孔部7a、7a、……を通じてサイジ
ングダイ外部に排水するようにしている。また過剰の冷
却水はサイジングダイ7の始端7c(図中右側)から排
出される。このようにサイジングダイ7と半硬化成形物
Mとの間に冷却水を介在させたことにより、半硬化成形
物Mのサイジングダイ7内面に対する接触抵抗は著しく
小さくなり、半硬化成形物Mの表面付近における磁性粉
の配向乱れはなくなる。また冷却水が半硬化成形物に直
接接触するため冷却効果が高く、半硬化成形物は配向乱
れのない磁性粉の整列状態のまま早期に完全硬化する。
【0028】図5は、成形ダイ3からサイジングダイ7
への移行部を示す要部拡大説明図である。成形ダイ3の
吐出口の口径R1とサイジングダイ7の口径R2との口
径比R2/R1は0.7〜1.1の範囲に設定されてお
り、成形ダイ3からサイジングダイ7へのダイ間移行部
分における半硬化成形物Mの外径変化を極力少なくし
て、ダイ間移行部分における半硬化成形物M内部での樹
脂の相対流動を抑制している。R2/R1が0.7未満
であったり1.1を超えると、半硬化成形物内部での樹
脂流動が著しくなり、磁場配向成形によって整列された
磁性粉の配向乱れが顕著になることが本発明者の実験に
よって確認されている。
【0029】また、成形ダイ3とサイジングダイ7間に
形成されるエアーギャップLは1mm〜20mmの範囲
に設定されている。1mm未満であると断熱効果に乏し
く、サイジングダイ7の冷却作用が成形ダイ3にも及ん
で成形ダイ3の温度が下がるうえに、サイジングダイ7
始端から排出されている冷却水の飛沫が成形ダイ3にか
かるおそれもあって好ましくない。他方20mmを超え
ると、引き取り速度をよほど速くしないとダイ間移行部
分において半硬化成形物Mが自重により垂れたり磁力に
基づいて変形する現象が生じる。磁性粉配合樹脂は樹脂
単独時に比較して延性に劣るため引き取り速度の高速化
には限度があり、これらを考慮するとエアーギャップL
は20mm以下に設定する必要がある。より好ましいエ
アーギャップLは2mm〜10mmの範囲である。
【0030】また、図6に示すように押出機による成形
物の吐出速度V1と引取装置5による成形物の引き取り
速度V2との比である引き落し比V2/V1は1.00
〜1.15の範囲に設定し、押出機から押し出された成
形物をほぼ同速度を維持しながら引き取ることにより、
半硬化成形物M内における樹脂の流動を抑え、磁場配向
成形直後の磁性粉の整列状態をより完全に維持しながら
冷却硬化させている。尚、前述したように口径比R2/
R1が0.7〜1.1の範囲であれば引き落し比V2/
V1が1.00〜1.15の範囲外であっても、磁性粉
の配向乱れは使用上許容できる範囲に収めることはでき
るが、より高磁力を得る観点からは口径比は上記範囲で
あることが好ましい。半硬化成形物はサイジングダイ7
によって外径規制されているため引き落し比V2/V1
の変化は、得られる中空マグネットロールの肉厚変化と
して反映される。
【0031】このような全体装置を用いて、中空マグネ
ットロールを作製する具体的手順は次のとおりである。
先ず、耐熱性を有し、且つ磁性粉の高充填が可能な硬質
合成樹脂に磁性粉を充填した磁性粉配合樹脂を混練した
うえ成形ダイの成形空間を通じて円筒状に押し出す。硬
質合成樹脂としてはポリアミド、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン
等が使用可能であり、ポリアミドとしては6ナイロン、
66ナイロン、12ナイロン、11ナイロン、非晶質ナ
イロン、共重合ナイロンやこれら各樹脂と他の樹脂との
アロイが使用できるが、6ナイロンが磁性粉の高充填が
可能なこと、成形性が良好なこと、比較的安価であるこ
とから最も好ましい。磁性粉としてはストロンチウムフ
ェライトやバリウムフェライトの他、希土類系磁性粉も
利用可能である。ポリアミド樹脂(6ナイロン)への磁
性粉の配合比率は55体積%(85重量%)未満である
とマグネットロールとしての要求される磁気特性を得ら
れず、また70体積%(92重量%)を越えると成形が
困難となることから、55体積%(85重量%)〜70
体積%(92重量%)に設定することが好ましい。尚、
磁性粉に対する硬質合成樹脂の濡れを良くし、磁性粉の
高充填を可能とするために、シランカップリング剤、チ
タネートカップリング剤等の表面処理剤を使用すること
が好ましい。その添加量は磁性粉100重量部に対して
0.2〜2重量部程度が適している。
【0032】成形ダイ3から押し出された半硬化成形物
は引取装置5によって引き取られながら湿式真空サイジ
ング装置4に侵入する。湿式真空サイジング装置4に侵
入した半硬化成形物はサイジングダイ内面に真空吸引さ
れながら冷却付形されるが、サイジングダイ内面と半硬
化成形物との間には冷却水が存在しているので、半硬化
成形物表面とサイジングダイとの接触抵抗は極めて少な
く、表面磁束密度に最大の影響を及ぼす半硬化成形物の
表面付近の磁性粉の配向乱れを防ぎ、磁場配向成形直後
の磁性粉の配向状態がほぼ維持される。しかも半硬化成
形物は冷却水に直接接触していることから半硬化成形物
は表面から急冷され、磁場配向成形によって整列された
磁性粉の配向状態がほぼ維持されたまま完全硬化する。
また成形ダイ吐出口の口径R1とサイジングダイ口径R
2との口径差が小さく設定され、且つ引取装置5による
引き取り速度V2は成形ダイ3からの吐出速度V1にほ
ぼ合致するように制御されているので、ダイ間移行部分
及びサイジングダイ内を通過する半硬化成形物内部での
径方向及び軸方向における樹脂の相対流動は抑制され、
磁場配向成形直後の磁性粉の配向状態が維持される。
【0033】次に、本発明の効果を確かめるために行っ
た実施例及び比較例について述べる。ポリアミド樹脂
(6ナイロン)9.5重量%、シランカップリング剤
0.5重量%、平均粒子径約1μmのストロンチウムフ
ェライト90重量%(65体積%)をヘンシェルミキサ
ーでブレンドして作製した磁性粉配合樹脂を二軸押出機
で混練しペレットを得た。これを単軸押出機(φ65m
m)を使用して着磁装置を備えた成形ダイ(4極であっ
て、各極の極間角度は90°配置)を通じて押出すとと
もに、口径φ13.7mmのサイジングダイを介して引
取装置によって引き取り、外径φ13.6mm、内径φ
6mm、長さ300mmの磁場配向押出成形品を得た。
成形ダイの温度は250℃とし、湿式真空サイジング装
置の真空度は−300mmHgとした。上記条件を基本
として、他の条件を変化させて<試験1>〜<試験5>
を実施し、得られた磁場配向押出成形品の表面磁束密度
の測定、直線性の評価、真円度の評価を行った。表面磁
束密度は、マグネットロール表面から1.2mmの地点
で測定し、その値をガウス(G)表記した。また直線性
はマグネットロールの両端をチャックし、マグネットロ
ールを回転させながらマグネットロールの両端と中央部
の変位の差をレーザー変位計で測定して反り量を算出し
た。そして最大反り0.15mm以下のものを良品
(○)と評価し、0.15mmを超えるものを不良品
(×)と評価した。更に真円度はマグネットロールの中
央部の外径をレーザー寸法測定器で測定し、最大外径と
最小外径の差を真円度とした。そして0.3mm以下の
ものを良品(○)と評価し、0.3mmを超えるものを
不良品(×)と評価した。以下、各試験とその結果につ
いて述べる。
【0034】<試験1>湿式真空サイジング装置を用い
た場合と乾式真空サイジング装置を用いた場合を比較し
た。湿式真空サイジング装置としては図2で示した構造
のものを用い、乾式真空サイジング装置としては図10
で示した構造のものを用いた。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】 表1より明らかなように、湿式真空サイジング装置を用
いた場合と乾式真空サイジング装置を用いた場合とで
は、直線性や真円度に関しては大差はないものの、表面
磁束密度において顕著な差が出ることが確認された。
【0036】<試験2>湿式真空サイジング装置を用い
た製造方法において口径比R2/R1の変化が磁場配向
押出成形品に与える影響を測定した。結果を表2に示
す。
【0037】
【表2】 試験の結果、口径比R2/R1を0.7〜1.1の範囲
に設定した実施例では、この範囲を超えた比較例に比べ
て表面磁束密度が高く、且つ直線性及び真円度も優れた
中空マグネットロールが得られることがわかった。
【0038】<試験3>湿式真空サイジング装置を用い
た製造方法において引き落し比V2/V1の変化が磁場
配向押出成形品に与える影響を測定した。結果を表3に
示す。
【0039】
【表3】 試験の結果、引き落し比V2/V1を1.00〜1.1
5の範囲に設定した実施例では、この範囲を超えた比較
例に比べて表面磁束密度が高く、且つ直線性及び真円度
も優れた中空マグネットロールが得られることが確認さ
れた。
【0040】<試験4>湿式真空サイジング装置を用い
た製造方法においてエアーギャップLの変化が磁場配向
押出成形品に与える影響を測定した。結果を表4に示
す。
【0041】
【表4】 試験の結果、エアーギャップLが1mm〜20mmの範
囲に設定した実施例では、直線性及び真円度に優れた中
空マグネットロールが得られることが確認された。また
1mm未満に設定した比較例では湿式真空サイジング装
置の冷却作用が成形ダイにも及び、成形ダイの温度が低
下して成形に支障がでることが確認された。
【0042】<試験5>最後に、磁性粉であるストロン
チウムフェライトのポリアミド樹脂(6ナイロン)への
充填量を変化させて、この変化が表面磁束密度及び成形
性に与える影響について測定した。結果を表5に示す。
【0043】
【表5】 試験の結果、ポリアミド樹脂(6ナイロン)には70体
積%(92重量%)のストロンチウムフェライトが充填
できることが確認された。この範囲を超えると成形が困
難となり、他方、55体積%(85重量%)より少ない
と表面磁束密度が著しく低下し、マグネットロールとし
ての使用には適さないことも確認された。
【0044】
【発明の効果】本発明は、成形ダイの後段に湿式真空サ
イジング装置を配置し、成形ダイから押し出された半硬
化成形物を湿式真空サイジング装置によって付形すると
ともに冷却することにした。そして、湿式真空サイジン
グ装置を通過する半硬化成形物とサイジングダイ内面と
の間に介在する冷媒によって半硬化成形物のサイジング
ダイに対する接触摩擦を軽減することによって、前段の
磁場配向成形工程によって整列させられた半硬化成形物
の表面付近における磁性粉の配向状態を乱すことなくサ
イジングダイ内を通過させることを可能にするととも
に、半硬化成形物に直接接触する冷媒によって半硬化成
形物を急冷することにより、半硬化成形物内部の磁性粉
の配向状態を早期に固定することを可能にした。この結
果、反りや径変動がなく、直線性と真円度に優れ、しか
も高磁力を有する硬質合成樹脂製の中空マグネットロー
ルを得ることが可能となり、シャフトレスタイプの安価
な中空マグネットロールの提供が可能となった。
【0045】また、成形ダイとサイジングダイとの口径
比R2/R1を0.7〜1.1の範囲に設定したり、あ
るいは押出機による吐出速度V1と引取装置による引き
取り速度V2との比である引き落し比V2/V1を1.
00〜1.15の範囲に設定したときには、成形ダイと
サイジングダイとのダイ間移行部分において半硬化成形
物全体の移動とは別に発生する半硬化成形物内部での径
方向及び軸方向に向かう樹脂の相対流動が抑制されるの
で、磁場配向成形直後の磁性粉の配向状態がより維持さ
れやすくなり、より高磁力を得やすくなる。また半硬化
成形物内部に残留する応力も少なくできるので直線性や
真円度も一層向上する。
【0046】成形ダイとサイジングダイ間に形成される
エアーギャップを1mm〜20mmの範囲となせば、成
形ダイの加熱作用とサイジング装置における冷却作用と
の相互干渉が抑制されつつ、しかも成形ダイとサイジン
グダイとの間における半硬化成形物の垂れや磁力による
変形も許容範囲内に抑制される。
【0047】また、磁性粉配合樹脂のバインダーとして
ポリアミド樹脂を用い、磁性粉の配合比率を55体積%
(85重量%)〜70体積%(92重量%)の範囲に設
定することによって、優れた耐熱性を有し、成形性にも
問題がなく、且つ高磁気特性も発揮できる中空マグネッ
トロールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造装置の全体構成を示す概略説明
【図2】 本発明の製造装置に用いる湿式真空サイジン
グ装置の一例を示す断面説明図
【図3】 同湿式真空サイジング装置に組み込まれるサ
イジングダイ周辺の構造を示す軸方向断面説明図
【図4】 同サイジングダイ周辺の構造を示す径方向断
面説明図
【図5】 本発明における成形ダイとサイジングダイと
の口径比についての断面説明図
【図6】 本発明における引き落し比の説明図
【図7】 シャフト挿通組立タイプのマグネットロール
の断面説明図
【図8】 シャフトレス一体成形タイプのマグネットロ
ールの断面説明図
【図9】 従来のパイプ成形に用いられている製造装置
の全体構成を示す概略説明図
【図10】 従来のパイプ成形に用いられている製造装
置において使用されている乾式真空サイジング装置の概
要を示す断面説明図
【図11】 磁性粉の結晶構造と磁化容易軸を示す説明
【図12】 磁場配向成形直後の磁性粉配向状態を模式
的に示した断面説明図
【図13】 乾式真空サイジング装置においてサイジン
グダイ内を通過する半硬化成形物の表面付近の磁性粉配
向が乱れる様子を示した断面説明図
【図14】 乾式真空サイジング装置のサイジングダイ
と成形ダイとの口径比についての断面説明図
【符号の説明】
1 押出機 2 着磁装置 3 成形ダイ 3a 外径ダイ 3b 内径ダイ 4 湿式真空サイジング装置 5 引取装置 6 冷却水槽 6a 給水口 6b 排水口 6c 吸引口 7 サイジングダイ 7a 孔部 7b ノズル 7c 始端 M 半硬化成形物 m 中空磁石体 s シャフト t 軸部 f 磁性粉 a 押出機 b 成形ダイ c サイジングダイ d サイジング装置 e 引取装置 g 冷却水 h 冷却室 i 真空吸引手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 41/02 G // B29K 77:00 B29L 31:32 (72)発明者 大野 勝也 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東 レ株式会社名古屋事業場内 (72)発明者 上杉 忠敏 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東 レ株式会社名古屋事業場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 混練した磁性粉配合樹脂を押し出す押出
    機と、 前記押出機の押出口に取り付けられた成形ダイであっ
    て、その構成が同心上に配置された外径ダイと内径ダイ
    とからなり、外径ダイと内径ダイとの間に成形空間が形
    成された成形ダイと、 前記外径ダイの外側に配置され、成形空間内に磁場を形
    成する着磁装置と、 前記成形ダイに隣接配置されたサイジング装置であっ
    て、得ようとする中空マグネットロールの外径寸法にほ
    ぼ合致した内径を有するサイジングダイを有するととも
    にサイジングダイを取付けた冷却槽内を減圧する真空吸
    引手段を備え、且つサイジングダイ内を通過する半硬化
    樹脂成形物とサイジングダイ内面間に冷媒を通液させる
    冷媒通液手段をサイジングダイ入口部に備えた湿式真空
    サイジング装置と、 前記湿式真空サイジング装置を挟んで前記成形ダイの反
    対側に設置され、成形ダイから連続押出しされる成形物
    を定速で引き取る引取装置と、 を備えた中空マグネットロールの製造装置。
  2. 【請求項2】 成形ダイ吐出口の口径R1とサイジング
    ダイ口径R2との口径比R2/R1が0.7〜1.1の
    範囲である請求項1記載の中空マグネットロールの製造
    装置。
  3. 【請求項3】 押出機が成形ダイを通じて押し出す成形
    物の吐出速度V1と引取装置が成形物を引き取る引き取
    り速度V2との比である引き落し比V2/V1が1.0
    0〜1.15の範囲である請求項1又は2のいずれかに
    記載の中空マグネットロールの製造装置。
  4. 【請求項4】 成形ダイとサイジングダイ間に形成され
    るエアーギャップが1mm〜20mmの範囲である請求
    項1〜3のいずれかに記載の中空マグネットロールの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の製造装置を用いた中空マ
    グネットロールの製造方法であって、ポリアミド、ポリ
    ブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイ
    ド、ポリプロピレンのうちから選択される硬質合成樹脂
    に磁性粉を充填した磁性粉配合樹脂を、成形ダイの成形
    空間を通じて円筒状に押し出し、この押し出された半硬
    化成形物を湿式真空サイジング装置のサイジングダイを
    経由させて引取装置によって引き取るとともに、湿式真
    空サイジング装置内では、半硬化成形物とサイジングダ
    イ内面との間に介在する冷媒の潤滑性により半硬化成形
    物表面とサイジングダイとの接触抵抗を軽減させなが
    ら、半硬化成形物の冷却硬化と付形を行うことを特徴と
    する中空マグネットロールの製造方法。
  6. 【請求項6】 成形ダイから押し出された半硬化成形物
    がサイジングダイに侵入するまでのダイ間移行部分にお
    いて生ずる半硬化成形物内部での樹脂の相対流動を最小
    限に抑制することを特徴とする請求項5記載の中空マグ
    ネットロールの製造方法。
  7. 【請求項7】 磁性粉配合樹脂のバインダーとしてポリ
    アミド樹脂を用い、磁性粉の配合比率を55体積%〜7
    0体積%とした請求項5又は6記載の中空マグネットロ
    ールの製造方法。
  8. 【請求項8】 サイジング装置における冷却作用と成形
    ダイの加熱作用との相互干渉を抑制しながら、成形ダイ
    からサイジングダイへの移行部分で発生する自重による
    半硬化成形物の垂れを抑制することを特徴とする請求項
    5〜7のいずれかに記載の中空マグネットロールの製造
    方法。
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