JPH08125280A - 半導体レーザ装置,及びその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ装置,及びその製造方法

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JPH08125280A
JPH08125280A JP26404194A JP26404194A JPH08125280A JP H08125280 A JPH08125280 A JP H08125280A JP 26404194 A JP26404194 A JP 26404194A JP 26404194 A JP26404194 A JP 26404194A JP H08125280 A JPH08125280 A JP H08125280A
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JP
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ion
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region
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Application number
JP26404194A
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English (en)
Inventor
Shigemi Kageyama
茂己 影山
Takushi Itagaki
卓士 板垣
Muneharu Miyashita
宗治 宮下
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザ共振器端面における光学損傷を確実に
防ぐことにより、高出力で、長寿命な半導体レーザ装置
を提供すること,及びこの半導体レーザ装置の製造方法
を提供することを目的とする。 【構成】 レーザ共振器端面12近傍の、活性層5の発
振領域を含む領域にAlイオン注入領域10を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は半導体レーザ装置,及
びその製造方法に関し、特に高出力動作と、長期間の安
定動作を実現する半導体レーザ装置,及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体レーザ装置,特に赤外線
や,可視光を出射する半導体レーザ装置においては、主
としてレーザ光の出射端面及び反射端面(以下レーザ共
振器端面と称す)で起こる光学損傷(Catastrophic Opt
ical Damage:COD)が、半導体レーザを高出力化及び
長寿命化する上での問題であった。この光学損傷は、レ
ーザ共振器端面近傍の活性層が光を吸収して発熱するこ
とにより、そのバンドギャップが小さくなって、より光
を吸収するようになり、さらに発熱するということが繰
り返されることで生じ、半導体レーザ装置を破壊するも
のである。そこで、従来の半導体レーザ装置において
は、例えば特開平3−276787号公報に記載されて
いる半導体レーザ装置のように、レーザ共振器端面にい
わゆる窓構造を導入することにより上記問題点の回避を
図っていた。
【0003】図6は特開平3−276787号公報に記
載されている半導体レーザ装置の構造を示す共振器長方
向の断面図であり、図において、71はn−GaAs基
板,61はn−(Al0.4 Ga0.6 )0.5 In0.5 Pク
ラッド層,501はGa0.5In0.5 P活性層,41は
p−(Al0.4 Ga0.6 )0.5 In0.5 Pクラッド層,
2はp−GaAsキャップ層,1はp側電極,8はn側
電極,102はレーザ出射端面及び反射端面,101は
端面102近傍の活性層501部分の鉄(Fe)濃度が
1.5×1018cm-3である鉄拡散領域である。
【0004】次に製造方法について説明する。まず、n
−GaAs基板71上に、MOVPE法(有機金属熱分
解気相成長法)により、n−(Al0.4 Ga0.6 )0.5
In0.5 Pクラッド層61,アンドープのGa0.5 In
0.5 P活性層501,p−(Al0.4 Ga0.6 )0.5 I
n0.5 Pクラッド層41,p−GaAsコンタクト層2
1を順次形成する。このとき、活性層501の成長条件
は、温度650℃,気相中V族原料対III 族原料比(V
/III比)を400として不純物ドーピングなしで行われ
る。その後、端面112の近傍にのみ、高抵抗化のため
の不純物である鉄をフエロセン蒸気を原料として拡散さ
せて拡散領域102を形成した後、へき開によりレーザ
出射端面及び反射端面102を形成し、p側電極1をp
−GaAsコンタクト層1上に形成し、さらに,n側電
極8をn−GaAs基板71の裏面側に形成して、図6
に示すような半導体レーザ装置が得られる。
【0005】この従来の半導体レーザ装置は、Ga0.5
In0.5 P層が、特定の条件,例えば温度650℃,V
/III比を400とした条件による成長においては、結晶
成長中に自然超格子が形成され、バンドギャップがGa
0.5 In0.5 P層が混晶である場合に対して小さくなる
よう形成される性質を利用し、この自然超格子が形成さ
れた活性層501の端面102近傍に、不純物として鉄
(Fe)をドープすることにより無秩序化して均一な組
成の混晶とし、バンドギャップが活性層501の他の部
分よりも大きくなるようにして、この鉄を拡散させた領
域を光の吸収が起こらない窓構造としたものである。な
お、不純物として鉄が用いられているのは、上記窓構造
部に流れるレーザ発光に寄与しない電流を防いで、半導
体レーザ装置の発振閾値の上昇や効率低下等を防ぐため
である。このような窓構造を端面102近傍に備えた従
来の半導体レーザ装置においては、活性層501で発生
した光がこの窓構造において吸収されず、共振器端面に
おける光学損傷(COD)を抑えることが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
半導体レーザ装置においては、自然超格子が形成された
活性層501を、半導体層を高抵抗にする不純物をドー
プすることにより無秩序化し、活性層501のレーザ共
振器端面近傍のバンドギャップを活性層501の他の領
域のバンドギャップよりも大きくして、いわゆる窓構造
を形成するようにしているが、自然超格子が形成された
活性層501を無秩序化するために不純物をドープして
いるので、端面近傍部に不純物による新たな準位が形成
され、これにより光が吸収されて非発光再結合が起こ
り、CODが誘発され、高出力で、長寿命な半導体レー
ザ装置が得られないという問題があった。
【0007】また、不純物として、鉄やクロムのような
半導体を高抵抗にする不純物、すなわち深い準位を作る
不純物をドープしているが、通常レーザ共振器端面とな
る(110)へき開端面において形成される表面準位の
影響でバンドギャップが移動することによりバルク中で
は深かった不純物準位も、端面では比較的浅くなること
があり、このような場合には、端面近傍の活性層の準位
が浅くなった部分が非発光再結合の中心となってCOD
を誘発するといった問題があった。
【0008】この発明は上記のような問題点を解決する
ために行なわれたものであり、レーザ共振器端面におけ
る光学損傷を確実に防ぐことにより、高出力で、長寿命
な半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
【0009】また、レーザ共振器端面における光学損傷
を確実に防ぐことにより、高出力で、長寿命な半導体レ
ーザ装置を製造することができる半導体レーザ装置の製
造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る半導体レ
ーザ装置は、化合物半導体材料からなり、多重量子井戸
構造または超格子構造を有する活性層と、この活性層の
発振領域のレーザ共振器端面近傍に、該活性層を構成す
る元素と同じ族に属する元素をイオン種としてイオン注
入して、多重量子井戸構造または超格子構造を無秩序化
してなるイオン注入領域とを備えたものである。
【0011】また、上記半導体レーザ装置において、上
記イオン種を、上記活性層のバンドギャップを大きくす
る元素としたものである。
【0012】また、上記半導体レーザ装置において、上
記イオン種は、上記活性層を構成する各元素が属する族
と同一の各族に属する元素が、互いに等量となるよう含
まれているものである。
【0013】また、上記半導体レーザ装置において、上
記活性層がIII-V族化合物半導体材料からなり、上記イ
オン種はIII 族元素またはV族元素の少なくとも一方を
含むものである。
【0014】また、上記半導体レーザ装置において、上
記活性層がII−VI族化合物半導体材料からなり、上記イ
オン種はII族元素またはVI族元素の少なくとも一方を含
むものである。
【0015】また、上記半導体レーザ装置において、上
記活性層がAlGaAsからなり、上記イオン種をAl
としたものである。
【0016】また、上記半導体レーザ装置において、上
記活性層がAlGaAsからなり、上記イオン種をSb
(アンチモン)としたものである。
【0017】また、この発明に係る半導体レーザ装置の
製造方法は、多重量子井戸構造または超格子構造を有す
る化合物半導体材料からなる活性層を有するダブルヘテ
ロ構造を備えた半導体層であって、上記活性層の発振領
域のレーザ共振器端面となる領域近傍に、該活性層を構
成する元素と同じ族に属する元素をイオン種としてイオ
ン注入して、上記活性層の発振領域のレーザ共振器端面
を形成する領域近傍を無秩序化し、上記イオン注入した
領域をアニールしてなる半導体層を形成する工程と、こ
の半導体層を所定位置においてへき開してレーザ共振器
端面を形成する工程とを含むものである。
【0018】また、上記半導体レーザ装置の製造方法に
おいて、上記半導体層を形成する工程は、第1導電型半
導体基板上に第1導電型クラッド層と,多重量子井戸構
造を有する化合物半導体材料からなる活性層と、第1の
第2導電型クラッド層と、第2の第2導電型クラッド層
と、第2導電型キャップ層を形成し、半導体レーザ装置
の共振器端面となる領域近傍の、上記活性層の発振領域
上の領域の上記第2導電型キャップ層と,第2の第2導
電型クラッド層とを、上記第2導電型キャップ層上に形
成した第1の絶縁膜パターンをマスクとしてエッチング
除去して凹部を形成した後、上記絶縁膜パターンをマス
クとして、上記活性層に、該活性層を構成する元素と同
じ族に属する元素をイオン種としてイオン注入し、上記
イオン注入した領域をアニールした後、上記凹部を埋め
込むように第2導電型埋め込み層を形成し、上記第1の
絶縁膜パターンを除去した後、該第2導電型埋め込み層
と,上記第2導電型キャップ層と,第2の第2導電型ク
ラッド層とを、上記第2導電型キャップ層表面に形成さ
れた第2の絶縁膜パターンをマスクとしてエッチングす
ることにより、リッジ形状に成形し、このリッジ形状に
成形された上記第2導電型埋め込み層と,第2導電型キ
ャップ層と,第2の第2導電型クラッド層とを埋め込む
ように第1導電型ブロック層を形成し、上記第2の絶縁
膜パターンを除去した後、上記第1導電型ブロック層
と,第2導電型キャップ層と,第2導電型埋め込み層と
の表面に第2導電型コンタクト層を形成する工程を含
み、上記レーザ共振器端面を形成する工程は、上記半導
体層を上記活性層のイオン注入した領域を含む位置でへ
き開して行なわれるものである。
【0019】また、この発明に係る半導体レーザ装置の
製造方法は、多重量子井戸構造または超格子構造を有す
る化合物半導体材料からなる活性層を有するダブルヘテ
ロ構造を備えた半導体層を形成する工程と、該半導体層
を所定位置においてへき開してレーザ共振器端面を形成
する工程と、該レーザ共振器端面に上記活性層を構成す
る元素と同じ族に属する元素をイオン種としてイオン注
入して、上記活性層の発振領域のレーザ共振器端面を形
成する領域近傍の多重量子井戸構造を無秩序化する工程
と、上記イオン注入した領域をアニールする工程とを備
えたものである。
【0020】
【作用】この発明においては、活性層の発振領域のレー
ザ共振器端面近傍に、該活性層を構成する元素と同じ族
に属する元素をイオン種としてイオン注入して、活性層
の多重量子井戸構造または超格子構造を無秩序化してな
るイオン注入領域を備えるようにしたから、レーザ共振
器端面近傍の活性層を不純物レベルを形成することなく
無秩序化でき、レーザ共振器端面近傍における光学損傷
(COD)の起こる可能性を減らすことができる。
【0021】また、上記イオン種を、上記活性層のバン
ドギャップを大きくする元素としたから、レーザ共振器
端面近傍のバンドギャップエネルギーを更に大きくする
ことができ、レーザ共振器端面近傍における光学損傷
(COD)の起こる可能性を減らすことができる。
【0022】また、上記イオン種は、上記活性層を構成
する各元素が属する族と同一の各族に属する元素が、互
いに等量となるよう含まれるようにしたから、活性層を
構成するそれぞれの元素が属する族の原子数を等しい状
態に保つことができ、余剰の元素による不純物レベルの
形成を抑えることができる。
【0023】また、上記活性層がIII-V族化合物半導体
材料からなり、上記イオン種はIII族元素またはV族元
素の少なくとも一方を含むようにしたから、レーザ共振
器端面近傍の活性層を不純物レベルを形成することなく
無秩序化でき、レーザ共振器端面近傍における光学損傷
(COD)の起こる可能性を減らすことができる。
【0024】また、上記活性層がII−VI族化合物半導体
材料からなり、上記イオン種はII族元素またはVI族元素
の少なくとも一方を含むようにしたから、レーザ共振器
端面近傍の活性層を不純物レベルを形成することなく無
秩序化でき、レーザ共振器端面近傍における光学損傷
(COD)の起こる可能性を減らすことができる。
【0025】また、上記活性層がAlGaAsからな
り、上記イオン種をAlとしたから、レーザ共振器端面
近傍の活性層を不純物レベルを形成することなく無秩序
化できるとともに、レーザ共振器端面近傍のバンドギャ
ップエネルギーを更に大きくすることができ、レーザ共
振器端面近傍における光学損傷(COD)の起こる可能
性をさらに減らすことができる。
【0026】また、上記活性層がAlGaAsからな
り、上記イオン種をSb(アンチモン)としたから、レ
ーザ共振器端面近傍の活性層を不純物レベルを形成する
ことなく無秩序化できるとともに、さらに活性層に圧縮
歪みを与えることができ、レーザ共振器端面近傍におけ
る光学損傷(COD)の起こる可能性をさらに減らすこ
とができる。
【0027】また、この発明においては、多重量子井戸
構造または超格子構造を有する化合物半導体材料からな
る活性層を有するダブルヘテロ構造を備えた半導体層を
形成する工程において、上記活性層の発振領域のレーザ
共振器端面となる領域近傍に、該活性層を構成する元素
と同じ族に属する元素をイオン種としてイオン注入し
て、上記活性層の発振領域のレーザ共振器端面を形成す
る領域近傍を無秩序化する工程と、上記イオン注入した
領域をアニールする工程とを含むようにしたから、レー
ザ共振器端面近傍の活性層を不純物レベルを形成するこ
となく無秩序化できるとともに、アニールにより、イオ
ン注入によって発生した格子欠陥を回復させることがで
き、レーザ共振器端面近傍における光学損傷(COD)
の起こる可能性を減らすことができる半導体レーザ装置
を提供することができる。
【0028】また、上記半導体層を形成する工程を、第
1導電型半導体基板上に第1導電型クラッド層と,多重
量子井戸構造を有する化合物半導体材料からなる活性層
と、第1の第2導電型クラッド層と、第2の第2導電型
クラッド層と、第2導電型キャップ層を形成し、半導体
レーザ装置の共振器端面となる領域近傍の、上記活性層
の発振領域上の領域の上記第2導電型キャップ層と,第
2の第2導電型クラッド層とを、上記第2導電型キャッ
プ層上に形成した第1の絶縁膜パターンをマスクとして
エッチング除去して凹部を形成した後、上記絶縁膜パタ
ーンをマスクとして、上記活性層に、該活性層を構成す
る元素と同じ族に属する元素をイオン種としてイオン注
入し、上記イオン注入した領域をアニールする工程を含
むものとしたから、レーザ共振器端面近傍の活性層を不
純物レベルを形成することなく無秩序化できるととも
に、アニールにより、イオン注入によって発生した格子
欠陥を回復させることができ、レーザ共振器端面近傍に
おける光学損傷(COD)の起こる可能性を減らすこと
ができる半導体レーザ装置を提供することができる。
【0029】また、この発明においては、多重量子井戸
構造または超格子構造を有する化合物半導体材料からな
る活性層を有するダブルヘテロ構造を備えた半導体層を
所定位置においてへき開してレーザ共振器端面を形成し
た後、該レーザ共振器端面に上記活性層を構成する元素
と同じ族に属する元素をイオン種としてイオン注入し
て、上記活性層の発振領域のレーザ共振器端面を形成す
る領域近傍の多重量子井戸構造を無秩序化する工程と、
上記イオン注入した領域をアニールする工程とを備えた
から、レーザ共振器端面近傍における光学損傷(CO
D)の起こる可能性を減らすことができる半導体レーザ
装置を容易に提供することができる。
【0030】
【実施例】
実施例1.図1は本発明の第1の実施例による半導体レ
ーザ装置の構造を示す斜視図であり、図において、7は
n−GaAs基板,5は所望の波長でレーザ発振するよ
うにバンドギャップ,層厚,及び層数等を設定したAl
GaAs多重量子井戸活性層で、本実施例1においては
特に波長が780nmのものを用いている。6は活性層
5に電荷を閉じ込め、さらに活性層5で発生した光を閉
じ込めるように、基板7と活性層5の間に設けられたn
−AlGaAsクラッド層,4は活性層5に電荷を閉じ
込め、さらに活性層5で発生した光を閉じ込めるよう活
性層5上に設けられたp−AlGaAs第1クラッド
層,9は活性層5での発振によって得られるレーザ光の
モードを単一化させるために活性層5の所定幅の領域に
キャリアを集中させて注入させることができるようにp
−AlGaAsクラッド層4上に設けられたリッジ部
で、上記活性層5の該リッジ部9の下部近傍領域がレー
ザ発振に寄与する発振領域となっている。3はホールを
リッジ部9に集中させるとともに、その他の部分でホー
ルの移動を抑えるために上記リッジ部9を埋め込むよう
に設けられたn−AlGaAsブロック層,2はリッジ
部9及びブロック層3上に設けられたp−GaAsコン
タクト層,1はp−GaAsコンタクト層2にホールを
注入するために、p−GaAsコンタクト層2上に設け
られたp側電極,8はn−GaAs基板7に電子を注入
するために、該n−GaAs基板7の裏面側に設けられ
たn側電極,12はレーザ光の出射端面及び反射端面
(以下レーザ共振器端面と称す),10はレーザ共振器
端面12近傍の活性層5の発振領域に設けられた、活性
層5のレーザ共振器端面12近傍のバンドギャップを活
性層5のその他の領域に比べて大きくして、光学損傷を
抑えるためのAl(アルミ)イオン注入領域である。
【0031】また、図2は、図1に示した半導体レーザ
装置の活性層5の近傍領域Aの構造を示す拡大図であ
り、図において、図1と同一符号は同一または相当する
部分を示しており、51は発振したレーザ光を導波する
300オングストローム厚のAl0.3 Ga0.7 Asガイ
ド層,52はレーザ光を発振する100オングストロー
ム厚のAl0.1 Ga0.9 Asウエル層,53はウエル層
を分離する80オングストローム厚のAl0.3 Ga0.7
Asバリア層であり、本実施例1の半導体レーザ装置の
活性層5は2層のガイド層51の間に3層のウエル層5
2と2層のバリア層53が交互に挟み込まれて構成され
ている。
【0032】また、図3は図1に示した半導体レーザ装
置のI−I線による断面図であり、図において、図1と
同一符号は同一又は相当する部分を示しており、9aは
p−AlGaAs第2クラッド層,9bはp−GaAs
キャップ層,9cはp−AlGaAs埋め込み層であ
り、このp−AlGaAs第2クラッド層9a,p−G
aAsキャップ層9b,及びp−AlGaAs埋め込み
層9cがリッジ部9を構成している。
【0033】また、図4は本発明の第1の実施例による
半導体装置の製造方法を説明するための斜視図であり、
図において、図1及び図3と同一符号は同一または相当
する部分を示しており、15はSiN,SiON等から
なる第1の絶縁膜,16はSiN,SiON等からなる
ストライプ形状の第2の絶縁膜である。
【0034】次に製造方法について図4を用いて説明す
る。まず、図4(a) に示すように、n−GaAs基板7
上にp−AlGaAsクラッド層6,AlGaAs多重
量子井戸活性層5,p−AlGaAs第1クラッド層
6,p−AlGaAs第2クラッド層9a,p−GaA
sキャップ層9bを順次、MOCVD(有機金属気相成
長法)やMBE(分子線エピタキシ法)を用いてエピタ
キシャル成長させる。
【0035】続いて、p−GaAsキャップ層9b上に
第1の絶縁膜15を形成し、ドライエッチングによりこ
れをパターニングして、レーザ共振器端面となる領域近
傍の、活性層5の発振領域となる領域の上部に開口部を
形成する。さらに、該第1の絶縁膜15をマスクとして
p−GaAsキャップ層9bをアンモニアと過酸化水素
をエッチャントとして選択的にエッチングし、その後、
p−AlGaAs第2クラッド層9aをp−AlGaA
s第1クラッド層6の界面まで、酒石酸と過酸化水素を
エッチャントとしてエッチングして凹部17を形成する
(図4(b))。この凹部17は後工程において行うイオン
注入を容易に行えるようにするために設けられたもので
ある。この時、p−AlGaAs第1クラッド層6の界
面でエッチングを止めるために、あらかじめ、p−Al
GaAs第2クラッド層9aとp−AlGaAs第1ク
ラッド層6との界面にエッチングストッパ層(図示せ
ず)を設けておくようにしても良い。
【0036】次に、図4(c) に示すように、上記第1の
絶縁膜15をマスクとして、活性層5近傍にAlイオン
を1×1019〜1×1020cm-3程度イオン注入してA
lイオン注入領域を形成し、その後、アニールを行う。
このアニールを行うことにより、イオン注入により結晶
中の原子がはじき出されて生じる活性層5中の結晶欠陥
を回復させることができる。なお、このアニールは上記
凹部17の表面からAsが抜けるのを防ぐため、As圧
下で行うようにする。
【0037】続いて、AlGaAs埋め込み層9cを上
記凹部17を埋め込むように選択成長させ(図4(d)),
第1の絶縁膜15を除去した後、p−GaAsキャップ
層9b上,及びp−AlGaAs埋め込み層9c上に、
共振器長方向に伸びるストライプ状の第2の絶縁膜16
を設け、これをマスクとしてp−GaAsキャップ層9
b,AlGaAs埋め込み層9c,及びp−AlGaA
s第2クラッド層9aを選択的にp−AlGaAs第1
クラッド層6との界面までエッチングしてリッジ部9を
形成する(図4(e))。
【0038】その後、図4(f) に示すように該リッジ部
9を埋め込むようにn−AlGaAsブロック層3を選
択再成長させた後、第2の絶縁膜16を除去し、リッジ
部9上,およびn−AlGaAsブロック層3上にp−
GaAsコンタクト層2を形成し、さらに該p−GaA
sコンタクト層2上にp側電極1を,またn−GaAs
基板7の裏面にn側電極8を形成した後、へき開により
レーザ共振器端面12を形成して、図1に示すような半
導体レーザ装置を得る。
【0039】次に動作について説明する。p側電極1が
正,n側電極8が負となるように電流を印加すると、ホ
ールがp−GaAsコンタクト層2,リッジ部9,p−
AlGaAsクラッド層4を経て活性層5に,また、電
子がn−GaAs基板7,n−AlGaAsクラッド層
6を経て活性層5に注入され、該活性層5の発振領域、
即ち活性層5のリッジ部9の下部近傍領域においてホー
ルと電子の発光再結合が起こり、発光した光により共振
器端面12間で、波長780nm,エネルギーに換算す
ると1.59eVのレーザ光が発振し、レーザ共振器端
面12からレーザ光が出射される。
【0040】本実施例1の半導体レーザ装置において
は、図1に示すように、レーザ共振器端面12近傍の活
性層5のリッジ部9下部近傍にAlイオンがイオン注入
されることにより、Alイオン注入領域10内の活性層
5が無秩序化され、その組成が平均化されてAl0.243
Ga0.657 As程度になり、バンドギャップは1.72
7eVとなり、活性層5で発光される光を吸収しない値
となる。さらにAlイオンを1×1019〜1×1020
-3程度イオン注入しているので、Gaに対してバンド
ギャップが大きくなるAl組成が増加することによりバ
ンドギャップはさらに0.012eV程度拡大してい
る。この結果、活性層5の発振領域で発振したレーザ光
は、該活性層5のAlイオンが注入されたバンドギャッ
プの広いレーザ共振器端面12近傍で吸収されなくな
る。従って、レーザ共振器端面12近傍において光吸収
によるキャリアの励起は起こらず、励起されたキャリア
の非発光再結合による発熱も起こりにくくなり、光学損
傷(COD)の起こる可能性を減らすことができる。さ
らに、本実施例1においてはイオン注入されたAlは無
秩序化により混晶した活性層5のIII 族サイトにはいる
ため、イオン注入したAlによって無秩序化された活性
層5中に不純物レベルが形成されることはない。したが
って、上述した特開平3−276787号公報で示した
半導体レーザ装置のように、活性層を無秩序化する際に
化合物半導体材料のバンドギャップエネルギー中に不純
物レベルを作るCr(クロム),Fe,Zn(亜鉛),
Si(シリコン)等のイオン種を使用していないため、
無秩序化された活性層5中に不純物レベルが形成される
ことはなく、不純物レベルに起因した非発光再結合によ
る発熱をより起こりにくくすることができ、光学損傷
(COD)の起こる可能性を確実に減らすことができ
る。
【0041】このように本実施例によれば、レーザ共振
器端面12近傍の多重量子井戸活性層5の発振領域を含
む領域にAlをイオン注入したイオン注入領域10を形
成することにより、多重量子井戸活性層5中に不純物レ
ベルを形成することなく、レーザ共振器端面12近傍の
多重量子井戸活性層5の発振領域を無秩序化するととも
に、Al組成を増加させてバンドギャップを増加させる
ことができるから、レーザ共振器端面12近傍における
光学損傷(COD)の起こる可能性を確実に減らすこと
ができ、高出力動作が可能で、長時間安定に動作させる
ことができる半導体レーザ装置を提供することができ
る。
【0042】実施例2.図5は本発明の第2の実施例に
よる半導体レーザ装置の構造を示す斜視図であり、図に
おいて、図1と同一符号は同一または相当する部分を示
しており、13はAlイオン注入領域である。また、図
7は図5に示した半導体レーザ装置のII−II線による断
面図であり、図において、図5と同一符号は同一又は相
当する部分を示している。
【0043】上記実施例1においては、図4に示したよ
うに、p−AlGaAs第1クラッド層の表面から活性
層5の発振領域のレーザ共振器端面12近傍となる領域
にAlイオン注入を行い、アニールしてAlイオン注入
領域10を形成した後、へき開を行うことにより、端面
近傍におけるCODを抑えることができる半導体レーザ
装置を得るようにしたが、本実施例2においては、n−
GaAs基板7上にp−AlGaAsクラッド層6,A
lGaAs多重量子井戸活性層5,p−AlGaAs第
1クラッド層6,p−AlGaAs第2クラッド層9
a,p−GaAsキャップ層9bを順次エピタキシャル
成長させ、該p−GaAsキャップ層9bの表面にスト
ライプ形状の絶縁膜(図示せず)を形成し、これをマス
クとして、エッチングによりp−AlGaAs第2クラ
ッド層9a,及びp−GaAsキャップ層9bからなる
リッジ部9を形成し、該リッジ部9を埋め込むようにn
−AlGaAsブロック層3を形成した後、上記ストラ
イプ状の絶縁膜を除去し、p−GaAsコンタクト層
2,p側電極1,およびn側電極8を形成し、へき開を
行ってレーザ共振器端面12を形成した後、この共振器
端面12に全面的にAlイオンをイオン注入し、アニー
ルを行うことにより、図5に示すような共振器端面12
にイオン注入領域13を設けるようにしたものである。
【0044】このような半導体レーザ装置においても、
活性層5の発光領域の共振器端面12近傍を含むように
イオン注入領域13を形成することができるとともに、
Alイオン注入のために凹部17を形成する必要がない
から、上記実施例1と同様の効果を奏するとともに、製
造工程を簡略化して、高出力動作が可能で、長時間安定
に動作させることができる半導体レーザ装置を容易に提
供することができる。
【0045】なお、上記実施例1及び2においては、端
面12近傍の活性層5に注入するイオン種としてAlを
用いた場合について説明したが、本発明はその他のSb
(アンチモン)等のIII 族元素,またはP(リン)等の
V族元素のイオン種を注入する場合,あるいはこれらの
イオン種と上記Alを組み合わせて注入する場合につい
ても適用できるものである。即ち、III 族元素(あるい
はV族元素)を注入する場合、イオン注入によって活性
層を無秩序化することによって活性層5の端面12近傍
のバンドギャップエネルギーを大きくすることができる
とともに、注入したイオンが活性層5のIII 族サイト
(あるいはV族サイト)に入り、上述した従来の半導体
レーザ装置のように、活性層を無秩序化するために拡散
された不純物が新たな準位を形成して非発光再結合を起
こすことがないため、CODが起こりにくい半導体レー
ザを得ることができる。
【0046】ただし、活性層5のバンドギャップエネル
ギーが大きくなるようなイオン種を注入する場合は、活
性層5の端面12近傍のバンドギャップエネルギーをさ
らに大きくすることができ、上記実施例1と同様の効果
を奏するが、活性層5のバンドギャップエネルギーが小
さくなるようなイオン種を注入する場合は、端面12近
傍のバンドギャップエネルギーが小さくなるため、活性
層5の端面12近傍においてレーザ光を吸収することが
ないようにイオン注入量を調節する必要がある。
【0047】ここで、上記実施例1および2において、
イオン注入するイオン種を特にSbとした場合について
説明する。端面12近傍の活性層5にIII 族元素である
Sbをイオン種に用いてイオン注入する場合、上記実施
例において用いたAlよりも活性層5のバンドギャップ
が大きくなるため、上記実施例1及び2に示した半導体
レーザ装置よりも光学損傷を抑えることができる半導体
レーザ装置が得られる効果があるが、これに加えて、S
bはAlと格子定数が少し異なるため、アンチモンを注
入すると活性層5に圧縮歪が加わり、バンドギャップエ
ネルギーを更に大きくすることができ、この結果、端面
12近傍の活性層5においてさらに光を吸収しにくくな
り、より確実にCODを抑えることができる半導体レー
ザが得られる。
【0048】なお、上記実施例1および2においては、
注入するイオン種としてIII 族元素であるAlを用いる
ようにしたが、Al等のIII 族元素のみをイオン注入し
た場合、活性層5内にIII 族元素のみしか供給されない
ため、活性層5内のIII 族元素とV族元素のストイキオ
メトリ,即ち原子数が等しい状態がくずれ、これにより
発生した余剰のIII 族元素やV族元素によって活性層5
中に準位が形成され、この準位によって光学損傷が起こ
りやすくなってしまう場合がある。このような場合に
は、Al等のIII 族元素をイオン注入する際に、同時に
Asイオン等のV族元素を加えることにより、ストイキ
オメトリがくずれないようにすることで、活性層5中の
準位を減らすことができ、より光学損傷を起こしにくい
半導体レーザ装置を提供することができる。この時、II
I 族元素とV族元素の注入比が1となるようにV族元素
を加えることが最も好ましい。また、イオン注入のイオ
ン種としてIII 族元素以外のV族元素,あるいはIII 族
元素とV族元素とを混合したものを用いる場合において
も、III 族元素とV族元素の注入比が1に近くなるよう
にIII 族あるいはV族元素を加えることで、より光学損
傷を起こしにくい半導体レーザ装置を提供することがで
きる。
【0049】なお、上記実施例1および2においては、
主としてAl,Ga,Asを構成元素とする短波長多重
量子井戸レーザに適用した場合について説明したが、本
発明は、例えば主としてInと,Gaと,Asと,Pと
を構成元素とする長波長多重量子井戸レーザや、主とし
てAlと,Gaと,Inと,Pとを構成元素とする多重
量子井戸レーザ等のその他の波長系の半導体レーザ装置
にも適用できるものであり、このような場合においても
上記実施例1および2と同様の効果を奏する。
【0050】また、上記実施例1および2においては、
AlGaAsからなる多重量子井戸活性層を有する半導
体レーザ装置について説明したが、本発明は、例えばA
lや,Gaや,Inや,P等のIII 族元素とV族元素と
を構成元素とするIII-V族化合物半導体材料や、II-VI
族化合物半導体材料等の、化合物半導体材料からなる多
重量子井戸活性層を有する半導体装置についても適用で
きるものであり、この時、イオン注入するイオン種を活
性層の構成元素と同族の元素の中から選択し、これを共
振器端面近傍の活性層の発振領域を含むようにイオン注
入することにより、上記実施例1および2と同様の効果
を奏する。
【0051】また、上記実施例1および2においては活
性層が多重量子井戸構造である半導体装置について説明
したが、本発明は活性層が、例えば自然超格子等の超格
子構造を有する半導体レーザ装置においても適用できる
ものであり、このような場合においても上記実施例1お
よび2と同様の効果を奏する。
【0052】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、活性層
の発振領域のレーザ共振器端面近傍に、該活性層を構成
する元素と同じ族に属する元素をイオン種としてイオン
注入して、活性層の多重量子井戸構造また超格子構造を
無秩序化してなるイオン注入領域を備えるようにしたか
ら、レーザ共振器端面近傍における光学損傷(COD)
の起こる可能性を減らすことができ、高出力で、長寿命
な半導体レーザ装置を提供することができる効果があ
る。
【0053】また、上記イオン種を、上記活性層のバン
ドギャップを大きくする元素としたから、レーザ共振器
端面近傍のバンドギャップエネルギーを更に大きくする
ことができ、高出力で、長寿命な半導体レーザ装置を提
供することができる効果がある。
【0054】また、上記イオン種は、上記活性層を構成
する各元素が属する族と同一の各族に属する元素が、互
いに等量となるよう含まれるようにしたから、活性層を
構成するそれぞれの元素が属する族の原子数を等しい状
態に保つことができ、高出力で、長寿命な半導体レーザ
装置を提供することができる効果がある。
【0055】また、上記活性層がIII-V族化合物半導体
材料からなり、上記イオン種はIII族元素またはV族元
素の少なくとも一方を含むようにしたから、高出力で、
長寿命な半導体レーザ装置を提供することができる効果
がある。
【0056】また、上記活性層がII−VI族化合物半導体
材料からなり、上記イオン種はII族元素またはVI族元素
の少なくとも一方を含むようにしたから、高出力で、長
寿命な半導体レーザ装置を提供することができる効果が
ある。
【0057】また、上記活性層がAlGaAsからな
り、上記イオン種をAlとしたから、レーザ共振器端面
近傍のバンドギャップエネルギーを更に大きくすること
ができ、高出力で、長寿命な半導体レーザ装置を提供す
ることができる効果がある。
【0058】また、上記活性層がAlGaAsからな
り、上記イオン種をSb(アンチモン)としたから、活
性層に圧縮歪みを与えることができ、より高出力で、長
寿命な半導体レーザ装置を提供することができる効果が
ある。
【0059】また、この発明においては、多重量子井戸
構造または超格子構造を有する化合物半導体材料からな
る活性層を有するダブルヘテロ構造を備えた半導体層を
形成する工程において、上記活性層の発振領域のレーザ
共振器端面となる領域近傍に、該活性層を構成する元素
と同じ族に属する元素をイオン種としてイオン注入し
て、上記活性層の発振領域のレーザ共振器端面を形成す
る領域近傍を無秩序化する工程と、上記イオン注入した
領域をアニールする工程とを含むようにしたから、レー
ザ共振器端面近傍の活性層を不純物レベルを形成するこ
となく無秩序化できるとともに、アニールにより、イオ
ン注入によって発生した格子欠陥を回復させることがで
き、高出力で、長寿命な半導体レーザ装置を提供するこ
とができる効果がある。
【0060】また、上記半導体層を形成する工程を、第
1導電型半導体基板上に第1導電型クラッド層と,多重
量子井戸構造を有する化合物半導体材料からなる活性層
と、第1の第2導電型クラッド層と、第2の第2導電型
クラッド層と、第2導電型キャップ層を形成し、半導体
レーザ装置の共振器端面となる領域近傍の、上記活性層
の発振領域上の領域の上記第2導電型キャップ層と,第
2の第2導電型クラッド層とを、上記第2導電型キャッ
プ層上に形成した第1の絶縁膜パターンをマスクとして
エッチング除去して凹部を形成した後、上記絶縁膜パタ
ーンをマスクとして、上記活性層に、該活性層を構成す
る元素と同じ族に属する元素をイオン種としてイオン注
入し、上記イオン注入した領域をアニールする工程を含
むようにしたから、高出力で、長寿命な半導体レーザ装
置を提供することができる効果がある。
【0061】また、この発明においては、多重量子井戸
構造または超格子構造を有する化合物半導体材料からな
る活性層を有するダブルヘテロ構造を備えた半導体層を
所定位置においてへき開してレーザ共振器端面を形成し
た後、該レーザ共振器端面に上記活性層を構成する元素
と同じ族に属する元素をイオン種としてイオン注入し
て、上記活性層の発振領域のレーザ共振器端面を形成す
る領域近傍の多重量子井戸構造を無秩序化する工程と、
上記イオン注入した領域をアニールする工程とを備えた
から、高出力で、長寿命な半導体レーザ装置を容易に提
供することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施例による半導体レーザ
装置の構造を示す斜視図である。
【図2】 この発明の第1の実施例による半導体レーザ
装置の活性層近傍の構造を示す拡大図である。
【図3】 この発明の第1の実施例による半導体レーザ
装置の構造を示す共振器長方向の断面図である。
【図4】 この発明の第1の実施例による半導体レーザ
装置の製造方法を示す工程図である。
【図5】 この発明の第2の実施例による半導体レーザ
装置の構造を示す斜視図である。
【図6】 従来の半導体レーザ装置の構造を示す共振器
長方向の断面図である。
【図7】 この発明の第2の実施例による半導体レーザ
装置の構造を示す共振器長方向の断面図である。
【符号の説明】
1 p側電極、2 p−GaAsコンタクト層、3 n
−AlGaAsブロック層、4 p−AlGaAsクラ
ッド層、5 AlGaAs多重量子井戸活性層、6 n
−AlGaAs第1クラッド層、7 n−GaAs基
板、8 n側電極、9 リッジ部、9a p−AlGa
As第2クラッド層、9b p−GaAsキャップ層、
9c p−AlGaAs埋め込み層、10 Alイオン
注入領域、12 レーザ共振器端面、13 Alイオン
注入領域、15 第1の絶縁膜、16 第2の絶縁膜、
17 凹部、41 p−(Al0.4 Ga0.6 )0.5 In
0.5Pクラッド層、50 図2において拡大図を示す部
分、51 Al0.3 Ga0.7Asガイド層、52 Al
0.1 Ga0.9 Asウエル層、53 Al0.3 Ga0.7A
sバリア層、61 n−(Al0.4 Ga0.6 )0.5 In
0.5 Pクラッド層、71 n−GaAs基板、101
鉄拡散領域、102 レーザ出射端面及び反射端面、5
01 Ga0.5 In0.5 P活性層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮下 宗治 兵庫県伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電機 株式会社光・マイクロ波デバイス開発研究 所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化合物半導体材料からなり、多重量子井
    戸構造または超格子構造を有する活性層と、 該活性層の発振領域のレーザ共振器端面近傍に、該活性
    層を構成する元素と同じ族に属する元素をイオン種とし
    てイオン注入して、該活性層の多重量子井戸構造または
    超格子構造を無秩序化してなるイオン注入領域とを備え
    たことを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体レーザ装置にお
    いて、 上記イオン種は、上記活性層のバンドギャップを大きく
    する元素であることを特徴とする半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の半導体レーザ装置にお
    いて、 上記イオン種は、上記活性層を構成する各元素が属する
    族と同一の各族に属する元素が、互いに等量となるよう
    含まれていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の半導体レーザ装置にお
    いて、 上記活性層はIII-V族化合物半導体材料からなり、 上記イオン種はIII 族元素またはV族元素の少なくとも
    一方を含むことを特徴とする半導体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の半導体レーザ装置にお
    いて、 上記活性層はII−VI族化合物半導体材料からなり、 上記イオン種はII族元素またはVI族元素の少なくとも一
    方を含むことを特徴とする半導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の半導体レーザ装置にお
    いて、 上記活性層はAlGaAsからなり、 上記イオン種はAlであることを特徴とする半導体レー
    ザ装置。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の半導体レーザ装置にお
    いて、 上記活性層はAlGaAsからなり、 上記イオン種はSb(アンチモン)であることを特徴と
    する半導体レーザ装置。
  8. 【請求項8】 多重量子井戸構造または超格子構造を有
    する化合物半導体材料からなる活性層を有するダブルヘ
    テロ構造を備えた半導体層であって、 上記活性層の発振領域のレーザ共振器端面となる領域近
    傍に、該活性層を構成する元素と同じ族に属する元素を
    イオン種としてイオン注入して、上記活性層の発振領域
    のレーザ共振器端面を形成する領域近傍を無秩序化し、 上記イオン注入した領域をアニールしてなる半導体層を
    形成する工程と、 該半導体層を所定位置においてへき開してレーザ共振器
    端面を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体レ
    ーザ装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の半導体レーザ装置の製
    造方法において、 上記半導体層を形成する工程は、第1導電型半導体基板
    上に第1導電型クラッド層と,多重量子井戸構造を有す
    る化合物半導体材料からなる活性層と、第1の第2導電
    型クラッド層と、第2の第2導電型クラッド層と、第2
    導電型キャップ層を形成する工程と、 半導体レーザ装置の共振器端面となる領域近傍の、上記
    活性層の発振領域上の領域の上記第2導電型キャップ層
    と,第2の第2導電型クラッド層とを、上記第2導電型
    キャップ層上に形成した第1の絶縁膜パターンをマスク
    としてエッチング除去して凹部を形成する工程と、 上記絶縁膜パターンをマスクとして、上記活性層に、該
    活性層を構成する元素と同じ族に属する元素をイオン種
    としてイオン注入する工程と、 上記イオン注入した領域をアニールする工程と、 上記凹部を埋め込むように第2導電型埋め込み層を形成
    する工程と、 上記第1の絶縁膜パターンを除去した後、該第2導電型
    埋め込み層と,上記第2導電型キャップ層と,第2の第
    2導電型クラッド層とを、上記第2導電型キャップ層表
    面に形成された第2の絶縁膜パターンをマスクとしてエ
    ッチングすることにより、リッジ形状に成形する工程
    と、 該リッジ形状に成形された上記第2導電型埋め込み層
    と,第2導電型キャップ層と,第2の第2導電型クラッ
    ド層とを埋め込むように第1導電型ブロック層を形成す
    る工程と、 上記第2の絶縁膜パターンを除去した後、上記第1導電
    型ブロック層と,第2導電型キャップ層と,第2導電型
    埋め込み層との表面に第2導電型コンタクト層を形成す
    る工程とを含むものであり、 上記レーザ共振器端面を形成する工程は、上記半導体層
    を上記活性層のイオン注入した領域を含む位置でへき開
    して行われるものであることを特徴とする半導体レーザ
    装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 多重量子井戸構造または超格子構造を
    有する化合物半導体材料からなる活性層を有するダブル
    ヘテロ構造を備えた半導体層を形成する工程と、 該半導体層を所定位置においてへき開してレーザ共振器
    端面を形成する工程と、 該レーザ共振器端面に上記活性層を構成する元素と同じ
    族に属する元素をイオン種としてイオン注入して、上記
    活性層の発振領域のレーザ共振器端面を形成する領域近
    傍の多重量子井戸構造を無秩序化する工程と、 上記イオン注入した領域をアニールする工程とを備えた
    ことを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
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