JPH081247U - スライドベーン型回転圧縮機におけるチャタリング防止構造 - Google Patents

スライドベーン型回転圧縮機におけるチャタリング防止構造

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JPH081247U
JPH081247U JP1372595U JP1372595U JPH081247U JP H081247 U JPH081247 U JP H081247U JP 1372595 U JP1372595 U JP 1372595U JP 1372595 U JP1372595 U JP 1372595U JP H081247 U JPH081247 U JP H081247U
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pressure
chamber
discharge
guiding hole
compression
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JP1372595U
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真広 川口
靖 渡辺
剛 仲谷
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Toyota Industries Corp
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Toyota Industries Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小容量運転時におけるチャタリングの発生を防
止する。 【解決手段】ロータ5の後端面が摺接するリヤサイドプ
レート3Rの前側面には、ベーン溝基部の背圧室の回転軌
跡に沿うように圧力溝29が刻設され、リヤサイドプレ
ート3Rの後側には潤滑油の分離室17が設けられてい
る。又、リヤサイドプレート3Rには圧力溝29と分離室
17とを連通する補助導圧孔31が穿設され、同補助導
圧孔31にはばね34のばね圧により補助導圧孔31を
開く方向に付勢されたボール弁33が係留されている。
そのため、分離室17内の吐出圧力と背圧室内の背圧と
の差圧が前記ばね34のばね圧を上回る状態時には補助
導圧孔31は閉じられており、前記差圧がばね圧を下回
る状態時には補助導圧孔31が開かれ、同補助導圧孔3
1を介して吐出圧力が直接的に背圧室へ送り込まれる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、圧縮容量の可変機構を具備するスライドベーン型回転圧縮機におい て、小容量運転時におけるチャタリングの発生を防止するための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にスライドベーン型の圧縮機においては、シリンダーブロックに形成する 中空部内に圧縮空間を存してロータが回転自在に設けられると共に、同ロータに はベーン溝が刻設され、同ベーン溝にはベーンが上記圧縮空間に向けて出没自在 に嵌挿されている。そして、吐出室と連通させて形成される分離室において吐出 ガスから分離されてその底部に形成する溜り部に貯溜される潤滑油をベーン溝の 底部に形成された背圧室に送り込む事により、即ち、分離室内の吐出圧力をベー ンに対して背圧として付与する事により、同ベーンを圧縮室に向けて押し出すと 共に、その先端部をシリンダーの内壁面に摺接させ乍ら圧縮室内をロータの回転 を介して吸入側より吐出側に向けて移動させる事により圧縮作用が得られる様に なっている。
【0003】 そしてこの様なスライドベーン型の回転圧縮機において、室内における冷房負 荷の変化に伴い圧縮容量を自動的に制御する事が出来る様に設けられる圧縮機と して、例えば下記の様な容量可変型ベーン圧縮機が提案されている。 (1) 圧縮室の任意の中間位置に同圧縮室と吸入室とを連通させるバイパス通 路を設け、同バイパス通路を室内の冷房負荷の変化に伴い開閉させる事により、 即ち、室内の冷房負荷が小さくなった場合にはバイパス通路を開いて圧縮途中に ある圧縮ガスの一部を吸入室に逃す事によって小容量運転を行なう様にした圧縮 機。(特開昭58−222994号) (2) 圧縮室に連通する吸入通路にスプールを開閉自在に設け、同スプールを 室内の冷房負荷の変化に伴い開閉させる事により、即ち、室内の冷房負荷が小さ くなった場合にはスプールを閉じ方向に作用させて吸入通路の有効面積を絞る事 によって小容量運転を行なう様にした圧縮機。(特開昭59−99089号) (3) 圧縮室と吸入室とを連通させるバイパス溝を設け、このバイパス溝のロ ータ回転方向において吐出口に近い側の溝の位置を変更する事により、即ち、室 内の冷房負荷が小さくなった場合にはこの位置変更を介して圧縮開始時期を遅ら せる事によって小容量運転を行なう様にした圧縮機。(特願昭59−17120 9号)
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上記のような圧縮容量可変機構を具備するスライドベーン型の圧縮機 にあっては、室内の冷房負荷が減少して小容量運転が行われた場合に、分離室内 の吐出圧力が低下する事に起因してベーンに対して付与される背圧が低下してし まい、ベーンの先端部をシリンダーの内壁面に対して完全に圧接する状態にて圧 縮空間内を移動させる作用が得られなくなってしまうという不具合を生ずる。即 ち、ベーンが圧縮空間に対して完全に飛び出すことなく不完全な状態で圧縮空間 内を移動する事となり、此により圧縮性能が低下し動力損失の増大を招来する事 に加えて、チャタリングが発生し、騒音の増大と耐久性の低下を招来するという 問題点があった。
【0005】 本考案は上記の様な問題点を解決するためにその改善を試みたものであって、 圧縮機が小容量運転に切り換えられてベーンに付与される背圧(ベーン背圧)が 設定圧力を下回った状態において、ベーン溝基部の背圧室に対して十分な背圧を 送り込める様にする点にその解決すべき課題を有する。即ち、本考案は背圧室と 分離室若しくは吐出室との間を絞りを有しない補助導圧孔により連通するととも に、同補助導圧孔にはバルブを設け、ベーン背圧が設定圧力を下回った状態にお いて、吐出室若しくは分離室内の吐出圧力Pdと背圧室内の圧力Pvとの間に生ずる 差圧の変化を介して上記バルブを開放動作させ、吐出室若しくは分離室内の吐出 圧力を直接的に背圧室に送り込む事によって、小容量運転時にはベーンに対して 吐出圧力を減圧することなく直接的に作用させる様にした事を特徴とするもので あって、その具体的な手段と作用は次の通りである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、請求項1の考案は、圧縮室における圧縮容量を制御可能とする可変機構 を具備したスライドベーン型回転圧縮機において、ベーン溝の基部に形成される 背圧室と分離室の底部に形成される潤滑油の溜まり部との間を絞りを介在させた 導圧孔により連通する一方、前記背圧室と分離室若しくは吐出室との間を絞りを 有しない補助導圧孔により連通し、同補助導圧孔には前記背圧室内の圧力と分離 室若しくは吐出室内の吐出圧力との差圧に基づき開閉動作するバルブを設け、同 バルブを前記差圧が設定圧力を下回る状態時において開くように設けた。
【0007】 又、請求項2の考案は、前記バルブをボール弁により構成し、同ボール弁を前 記設定圧力に相当するばね圧により補助導圧孔を開く方向へ付勢する構成とした 。
【0008】 従って、本考案によれば、以下に示す作用を奏する (1)定常運転時 分離室若しくは吐出室内の吐出圧力Pdと背圧室内の圧力Pvは軸受け部4Rの絞り 機能に基づく減圧(0<α<1)作用によってPv=αPdの関係にあり、分離室若 しくは吐出室内の吐出圧力Pdと背圧室内の圧力Pv間の差圧は設定圧力(ばね圧) を上回る状態、即ち、補助導圧孔を閉じる状態にある。そのため、背圧室には絞 りを介して吐出圧力より減圧された圧力が導圧孔より送り込まれ、これにより、 ベーンは過剰な押付けが回避されつつ確実に圧縮空間へ飛び出した状態で圧縮空 間内を移動する。 (2)小容量運転時 圧縮容量の減少に伴い吐出圧力が低下するため、導圧孔より供給される背圧室 の圧力は更に低下する。すると、分離室若しくは吐出室内の吐出圧力Pdと背圧室 内の圧力Pv間の差圧が設定圧力(ばね圧)を下回る状態、即ち、補助導圧孔を開 き背圧室と分離室若しくは吐出室との間を連通する状態が得られ、分離室若しく は吐出室内の吐出圧力が背圧室に対して直接的に送り込まれる。これによりベー ンには吐出圧力が減圧されず直接的に作用するため、小容量運転時においてもベ ーンには十分な背圧が付与されつつ確実に圧縮空間へ飛び出した状態で圧縮空間 内を移動する。
【0009】 尚、背圧不足に起因するチャタリングの発生を防止する方法としては本考案と 同様吐出圧力を直接的に背圧室に供給する方法が、即ち、図7に表わす様に吐出 室aと分離室b間を繋ぐ吐出通路cに介在させて調整弁dを設ける一方、吐出通 路cと各ベーン溝の底部に形成する背圧室e間を連通させて補助連通路fを設け ると共に、同補助連通路fに介在させて逆止弁gを設け、上記調整弁dは逆止弁 gよりも高い設定圧力にて開放する様に設ける事により、起動時において調整弁 dによって吐出通路cを遮断状態とし、同吐出通路c内の吐出圧力を上昇させる と共に、同吐出圧力の上昇を介して逆止弁gを開き、吐出通路c内の吐出圧力を 背圧室eに送り込む方法が提案されているが、同提案は起動時においてのみチャ タリング防止作用が得られるに過ぎない点において本考案との間に相違を認める 事が出来る。
【0010】
【考案の実施の形態】
以下に本考案を具体化した一実施形態を例示の図面に従って説明する。 図1〜図5において、1は圧縮機の外殼を形成するハウジングを示す。同ハウ ジング1はフロントハウジング1Fとリヤハウジング1Rにより形成され、フロント ハウジング1Fにはシリンダーブロック2が、又、同じシリンダーブロック2を間 に挟んでその前後両側にはフロントサイドプレート3Fとリヤサイドプレート3Rが 内嵌される。シリンダーブロック2は前後両端部に開口部を存して中空円筒状に 形成され、同中空部の内壁面はシリンダーブロック2の外周面と同心円の円筒状 に形成される。そして、同シリンダーブロック2の前後両開口部は上記両サイド プレート3F,3R によって遮蔽されると共に、両サイドプレート3F,3R 間には上記 シリンダーブロック2の中空部を貫通させて駆動軸4が横架される。
【0011】 同駆動軸4はシリンダーブロック2の中空部に対してその中心線を偏寄させて 設けられ、同駆動軸4にはロータ5が一体に固着させて軸架される。同ロータ5 は中空部の内壁面に対してその外周面の一部が摺接可能な如く設けられ、同ロー タ5の外周面と中空部の内壁面間には圧縮室6が形成される。又、ロータ5には ベーン溝7…が刻設され、各ベーン溝7にはベーン8…が圧縮室6に対して出没 自在に嵌挿される。
【0012】 フロントハウジング1Fとフロントサイドプレート3F間には吸入室9が設けられ 、同吸入室9にはフロントハウジング1F側に吸入管路(図示省略)に接続する吸 入口9′が設けられる。
【0013】 又、フロントサイドプレート3Fには圧縮室6の一端、即ち、ロータ5の回転方 向に沿う始端部と相対応して吸入孔10が開口される。そして又、同フロントサ イドプレート3Fには圧縮室5の吸入行程の任意の位置と相対応してバイパス孔1 1が貫設される。同バイパス孔11は圧縮室5と吸入室9間を連通する如く設け られ、フロントサイドプレート3F内には制御弁機構12が上記バイパス孔11と 直交する方向に延在させて設けられる。
【0014】 同制御弁機構12にはバイパス孔11と相対応して同バイパス孔11開閉用の スプール19がバイパス孔11に対して直交する方向に延在させて摺動自在に設 けられ、同スプール19の両端部には高圧室20と低圧室21が形成される。低 圧室21内にはばね22が介装され、スプール19は同ばね22を介して常時は 高圧室20方向に付勢されてバイパス孔11を開放する状態にある様に設けられ る。そして高圧室20からは第1導圧孔23が延設され、その先端部は圧縮室6 の圧縮行程中の任意の位置に開口する如く設けられる。
【0015】 又、低圧室21は第2導圧孔24を介して吸入室9若しくは圧縮室6の吸入行 程と連通する如く設けられる。 一方、圧縮室6の他端、即ち、ロータ5の回転方向に沿う終端部と相対応する 位置にはシリンダーブロック2の一部を切り欠いてリヤハウジング1Rの内壁面と の間に吐出室13が形成され、同吐出室13と圧縮室6の終端部間は吐出孔14 によって連通される。15は同吐出孔14を覆う吐出弁、16は同吐出弁15の 開き角度を規制するリテーナを示す。
【0016】 又、リヤハウジング1Rにはリヤサイドプレート3Bとの間に潤滑油の分離室17 が形成される。同分離室17はリヤサイドプレート3Rに開口する通孔18を介し て上記吐出室12と連通する如く設けられる。そして同通孔18の開口部にはフ ィルタ(図示省略)が取り付けられると共に、分離室17の底部にはフィルタに よって分離される潤滑油の溜り部25が設けられる。
【0017】 又、リヤサイドプレート3Rの後背面側には駆動軸4の軸受け部4Rと相対応させ てベアリングカバー26が嵌着され、同ベアリングカバー26とリヤサイドプレ ート3R間に上記軸受け部4Rと連通させてベアリング室27が形成されると共に、 同リヤサイドプレート3Rの下端寄り部分には前記溜り部25より立ち上がらせて 導圧孔28が穿設され、その先端部はベアリング室27と連通する如く設けられ る。一方、同リヤサイドプレート3Rの内側面、即ち、ロータ5の後端面との摺接 面には圧力溝29が刻設されると共に、同圧力溝29と上記軸受け部4R間に連通 させて導圧溝30が刻設される。更に、具体的には、同圧力溝29はロータ5側 に設けられるベーン溝7の基部、即ち、同部に設けられる背圧室7′の回転軌跡 に沿って円弧状に刻設されると共に、同圧力溝29は導圧溝30及び軸受け部4R を介してベアリング室27と連通する如く設けられる。
【0018】 そして又、同リヤサイドプレート3Rには上記圧力溝29と分離室17間を連通 させて補助導圧孔31が穿設されると共に、同補助導圧孔31に介在させてバル ブ35が開閉自在に設けられる。即ち、分離室17側の開口部と対向させて弁座 32が形成され、同弁座32にはボール弁33が係留される一方、圧力溝29側 にはばね34が介装され、上記ボール弁33は常時は同ばね34によって分離室 17側の開口部に向けて付勢された状態(開放状態)にある様に設けられる。
【0019】 そして又、同分離室17にはリヤハウジング1R側に吐出管路(図示省略)に接 続する吐出口13′が開口される。 次にその作用について説明する。
【0020】 圧縮機が停止した状態においては、圧縮機内の各部、即ち、吸入室9、圧縮室 6、吐出室13、分離室17は夫々略同圧状態にある。又、制御弁機構12にお いてスプール19はばね22を介して高圧室20方向に向けて付勢された状態、 即ち、バイパス孔11は開かれた状態にある。又、補助導圧孔31はばね34の 付勢圧によって開かれた状態にある。
【0021】 そして上記の様にバイパス孔11と補助導圧孔31が夫々開かれた状態におい て、電磁クラッチ(図示省略)の接続操作を介してエンジンの駆動力を駆動軸4 に伝達する事により、ロータ5が回転する状態が得られると共に、同ロータ5の 回転を介して各ベーン溝7内に嵌挿される各ベーン8がその遠心力の作用により 押し出されてその先端部におけるシール作用が不完全乍ら発揮されて回転する状 態が得られる。そして上記各ベーン8の回転を介してエバポレータ(図示省略) より吸入管路を経て吸入室9内に送り込まれた冷媒ガスは吸入孔10を経て圧縮 室6内に吸引される。圧縮室6内に吸引された冷媒ガスはベーン8の回転作用を 介して圧縮室6内をその始端部より終端部方向に向けて送られる間に次第に圧縮 されると共に、同圧縮室6内をその終端位置迄送られた冷媒ガスは吐出孔14、 吐出室13、通孔18、分離室17を経て吐出孔17′より吐出管路内をコンデ ンサ(図示省略)方向に向けて送り出される。
【0022】 一方、上記の様に圧縮室6内をロータ5の回転方向に沿って終端部方向に向け て送られる冷媒ガスの一部はその圧縮途中においてバイパス孔11を経て吸入室 9側に向けて流出する。この様に冷媒ガスの一部が圧縮途中において吸入室内9 側に流出する事により、圧縮室の始動時におけるその立ち上がりをスムースに行 なう事が出来ると共に、その起動トルクを軽減させる事が出来、又、圧縮機内及 びエボポレータと圧縮機間を繋ぐ吸入管路中に冷媒ガスが液化された状態にて残 溜していた場合における液圧縮作用を緩和する事が出来る。
【0023】 ロータ5の回転が繰り返される事により、圧縮室9内の圧縮圧力が徐々に高め られる事となるのであるが、この様にして圧縮室6内において高められた圧縮ガ スの一部が第1導圧孔29を経て高圧室20内に送り込まれる事によって同高圧 室20内の圧力が上昇する事となる。そして高圧室20内の圧力(圧縮側圧力) が上昇し、同高圧室20内の圧力(圧縮側圧力)と低圧室21の圧力(吸入側圧 力)との間に生ずる差圧がばね22の設定圧力を上回った状態において、スプー ル19がばね22の付勢圧に抗して低圧室21方向に押圧されて、同スプール1 9によりバイパス孔11を塞ぐ状態が得られる。此により圧縮室6内の冷媒ガス はその一部がバイパス孔11を経て吸入室9側に流出する事なく圧縮室6内に送 り込まれた冷媒ガスはその全てが圧縮されて吐出孔14、吐出室13、通孔18 、分離室17を経て吐出管路内をコンデンサ方向に向けて送り出される。即ち、 吐出室13及び分離室17内の圧力が上昇する。
【0024】 そしてこの様に吐出室13及び分離室17内の圧力が上昇するのに伴い同分離 室17の底部に貯溜する潤滑油が導圧孔28、ベアリング室27、導圧溝30の 各部を経て圧力溝29に供給されると共に、同圧力溝29に供給された潤滑油は 各ベーン溝7の底部に形成する背圧室7′に供給され、ベーン8を圧縮室6に向 けて押し出す作用、即ち、各ベーン8に対して背圧を付与する作用が得られる。 又、分離室17内の吐出圧力Pdと背圧室7′内の圧力Pvは軸受け部4Rの絞り機能 に基づく減圧(0<α<1)作用によってPv=αPdの関係にあり、吐出圧力が高 い状態においては吐出圧力Pdと背圧室7′内の圧力Pvとの間に生ずる差圧がばね 34の設定圧力を上回る状態にある事により、補助導圧孔31においてボール弁 33が同補助導圧孔31を閉塞する状態が得られる。そしてこの様にバイパス孔 11と補助導圧孔31が夫々閉塞される事により、フル稼働(100%運転)状 態が得られる。そして又、背圧室7には吐出圧力により減圧された潤滑油が供給 されるため、過剰な押圧が回避されつつベーン8は確実にシリンダブロック2に 押圧される。従って圧縮性能及び運動損失を防止することが出来る。
【0025】 一方、室内の冷房負荷が減少し、吸入室6内に送り込まれる冷媒ガスの吸入圧 力が低下するのに伴い制御弁機構12において高圧室20内の圧力(圧縮側圧力 )と低圧室21内の圧力(吸入側圧力)間の差圧が小さくなる。そしてその差圧 はばね22の設定圧力を下回った状態において、これ迄上記差圧によって低圧室 21側に押圧されてバイパス孔11を塞ぐ状態にあったスプール19は、ばね2 2を介して高圧室20方向に向けて付勢された状態、即ち、バイパス孔11を開 放する状態が得られる。スプール19がバイパス孔11を開放する事により、圧 縮室6において圧縮途中にある冷媒ガスの一部は同バイパス孔11を経て吸入室 9側に流出する。そしてこの様に圧縮室6内の冷媒ガスの一部吸入室9側に流出 する事によって、圧縮室6内の圧縮圧力は低下する。即ち、室内における冷房負 荷の減少に伴い冷媒ガスの圧縮容量を減らす作用(小容量運転状態)が得られる 。
【0026】 そしてこの様に小容量運転が得られ、吐出圧力が低下するのに伴い、補助導圧 孔31において分離室17内の吐出圧力Pdと背圧室7′内の圧力Pvとの間に生ず る差圧がばね34の設定圧力を下回る状態となる。即ち、ボール弁33が補助導 圧孔31を開いて分離室17内の吐出圧力を直接的に背圧室7′に供給する状態 が得られ、此により各背圧室7′における背圧不足を補う事が出来る。即ち、チ ャタリング防止作用が得られ、此により、第6図のグラフに表す様に圧縮容量可 変領域を拡大する事が出来る。
【0027】 尚、上記実施例においては分離室17と背圧室7′とを連通させて補助導圧孔 31を設ける様にしているが、吐出室13と連通させて補助導圧孔31を設ける 事も可能である。
【0028】
【考案の効果】
請求項1記載の考案によれば、圧縮機が小容量運転状態となり吐出圧力が低下 した状態においては補助導圧孔のバルブが開放動作して分離室若しくは吐出室内 の吐出圧力が絞りを有しない補助導圧孔を介して直接的に背圧室に供給されるの で、分離室若しくは吐出室内の吐出圧力を減圧することなく直接的にベーンに作 用させることができ、小容量運転時における背圧不足を効果的に防止する事が出 来るに至った。即ち、特に、小容量運転時において、圧縮性能の低下及び動力損 失を防止する事が出来る事に加えてチャタリングの発生を防止する事が出来、此 により騒音の発生と耐久性の低下を防止する事が出来るに至った。
【0029】 又、請求項2の考案によれば、シンプルな構成でもって容易かつ確実に小容量 運転時における圧縮性能の低下及び動力の損失並びにチャタリングの発生を防止 することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スライドベーン型回転圧縮機の全体を表わす断
面図(図2におけるB−B線断面図)。
【図2】図1におけるA−A線断面図。
【図3】リヤサイドプレートに設けられる補助導圧孔部
分の拡大断面図。
【図4】制御弁機能部分の拡大断面図。
【図5】同じく、制御弁機能部分の拡大断面図。
【図6】チャタリング防止領域が拡大された事を表わす
グラフ。
【図7】従来構造のスライドベーン型回転圧縮機の全体
を表わす断面図。
【符号の説明】
1…ハウジング、1F…フロントハウジング、1R…リ
ヤハウジング、2…シリンダーブロック、3F…フロン
トサイドプレート、3R…リヤサイドプレート、4…駆
動軸、4F,4R…軸受け部、5…ロータ、6…圧縮
室、7…ベーン溝、7′…背圧室、8…ベーン、9…吸
入室、9′…吸入口、10…吸入孔、11…パイパス
孔、12…制御弁機構、13…吐出室、13′…吐出
口、14…吐出孔、15…吐出弁、16…リテーナ、1
7…分離室、18…通孔、19…スプール、20…高圧
室、21…低圧室、22…ばね、23…第1導圧孔、2
4…第2導圧孔、25…溜り部、26…ベアリングカバ
ー、27…ベアリング室、28…導圧孔、29…圧力
溝、30…導圧溝、31…補助導圧孔、32…弁座、3
3…ボール弁、34…ばね、35…バルブ。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮室における圧縮容量を制御可能とす
    る可変機構を具備したスライドベーン型回転圧縮機にお
    いて、ベーン溝の基部に形成される背圧室と分離室の底
    部に形成される潤滑油の溜まり部との間を絞りを介在さ
    せた導圧孔により連通する一方、前記背圧室と分離室若
    しくは吐出室との間を絞りを有しない補助導圧孔により
    連通し、同補助導圧孔には前記背圧室内の圧力と分離室
    若しくは吐出室内の吐出圧力との差圧に基づき開閉動作
    するバルブを設け、同バルブを前記差圧が設定圧力を下
    回る状態時において開くようにしたスライドベーン型回
    転圧縮機におけるチャタリング防止構造。
  2. 【請求項2】 前記バルブはボール弁により構成され、
    同ボール弁は前記設定圧力に相当するばね圧により補助
    導圧孔を開く方向へ付勢されている請求項1に記載のス
    ライドベーン型回転圧縮機におけるチャタリング防止構
    造。
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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0712697U (ja) * 1993-08-06 1995-03-03 大成建設株式会社 固定式管継手

Patent Citations (1)

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JPH0712697U (ja) * 1993-08-06 1995-03-03 大成建設株式会社 固定式管継手

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