JPH1030584A - スライドベーン型回転圧縮機における小容量運転制御機構及び同圧縮機における小容量運転制御方法 - Google Patents
スライドベーン型回転圧縮機における小容量運転制御機構及び同圧縮機における小容量運転制御方法Info
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- JPH1030584A JPH1030584A JP10008197A JP10008197A JPH1030584A JP H1030584 A JPH1030584 A JP H1030584A JP 10008197 A JP10008197 A JP 10008197A JP 10008197 A JP10008197 A JP 10008197A JP H1030584 A JPH1030584 A JP H1030584A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】小容量運転時におけるチャタリングの発生を防
止するとともに、圧縮容量可変領域を拡大できる小容量
運転制御機構及び制御方法を提供する。 【解決手段】フロントサイドプレート3Fには、圧縮室6
と吸入室9間を連通する如くバイパス孔11が貫設さ
れ、同バイパス孔11と直交する方向に制御弁機構12
が設けられている(圧縮容量制御機構)。一方、リヤサ
イドプレート3Rには、背圧室に連なる圧力溝29と分離
室17間を連通する補助導圧孔31が穿設され、同補助
導圧孔31にはばね34のばね圧により補助導圧孔31
を開く方向に付勢されたボール弁33が係留されている
(背圧制御機構)。従って、圧縮容量制御機構により小
容量運転とされた状態において、分離室17内の吐出圧
力と背圧室内の圧力との差圧が前記ばね圧を下回ると、
補助導圧孔31が開かれて分離室17内の吐出圧力が直
接的に背圧室へ送り込まれ、背圧不足が解消される。
止するとともに、圧縮容量可変領域を拡大できる小容量
運転制御機構及び制御方法を提供する。 【解決手段】フロントサイドプレート3Fには、圧縮室6
と吸入室9間を連通する如くバイパス孔11が貫設さ
れ、同バイパス孔11と直交する方向に制御弁機構12
が設けられている(圧縮容量制御機構)。一方、リヤサ
イドプレート3Rには、背圧室に連なる圧力溝29と分離
室17間を連通する補助導圧孔31が穿設され、同補助
導圧孔31にはばね34のばね圧により補助導圧孔31
を開く方向に付勢されたボール弁33が係留されている
(背圧制御機構)。従って、圧縮容量制御機構により小
容量運転とされた状態において、分離室17内の吐出圧
力と背圧室内の圧力との差圧が前記ばね圧を下回ると、
補助導圧孔31が開かれて分離室17内の吐出圧力が直
接的に背圧室へ送り込まれ、背圧不足が解消される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スライドベーン型
回転圧縮機における小容量運転制御機構、及び同圧縮機
における小容量運転制御方法に関するものである。
回転圧縮機における小容量運転制御機構、及び同圧縮機
における小容量運転制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にスライドベーン型の圧縮機におい
ては、シリンダーブロックに形成する中空部内に圧縮空
間を存してロータが回転自在に設けられると共に、同ロ
ータにはベーン溝が刻設され、同ベーン溝にはベーンが
上記圧縮空間に向けて出没自在に嵌挿されている。そし
て、吐出室と連通させて形成される分離室において吐出
ガスから分離されてその底部に形成する溜り部に貯溜さ
れる潤滑油をベーン溝の底部に形成された背圧室に送り
込む事により、即ち、分離室内の吐出圧力をベーンに対
して背圧として付与する事により、同ベーンを圧縮室に
向けて押し出すと共に、その先端部をシリンダーの内壁
面に摺接させ乍ら圧縮室内をロータの回転を介して吸入
側より吐出側に向けて移動させる事により圧縮作用が得
られる様になっている。
ては、シリンダーブロックに形成する中空部内に圧縮空
間を存してロータが回転自在に設けられると共に、同ロ
ータにはベーン溝が刻設され、同ベーン溝にはベーンが
上記圧縮空間に向けて出没自在に嵌挿されている。そし
て、吐出室と連通させて形成される分離室において吐出
ガスから分離されてその底部に形成する溜り部に貯溜さ
れる潤滑油をベーン溝の底部に形成された背圧室に送り
込む事により、即ち、分離室内の吐出圧力をベーンに対
して背圧として付与する事により、同ベーンを圧縮室に
向けて押し出すと共に、その先端部をシリンダーの内壁
面に摺接させ乍ら圧縮室内をロータの回転を介して吸入
側より吐出側に向けて移動させる事により圧縮作用が得
られる様になっている。
【0003】そしてこの様なスライドベーン型の回転圧
縮機において、室内における冷房負荷の変化に伴い圧縮
容量を自動的に制御する事が出来る様に設けられる圧縮
機として、例えば下記の様な容量可変型ベーン圧縮機が
提案されている。 (1) 圧縮室の任意の中間位置に同圧縮室と吸入室と
を連通させるバイパス通路を設け、同バイパス通路を室
内の冷房負荷の変化に伴い開閉させる事により、即ち、
室内の冷房負荷が小さくなった場合にはバイパス通路を
開いて圧縮途中にある圧縮ガスの一部を吸入室に逃す事
によって小容量運転を行なう様にした圧縮機。(特開昭
58−222994号) (2) 圧縮室に連通する吸入通路にスプールを開閉自
在に設け、同スプールを室内の冷房負荷の変化に伴い開
閉させる事により、即ち、室内の冷房負荷が小さくなっ
た場合にはスプールを閉じ方向に作用させて吸入通路の
有効面積を絞る事によって小容量運転を行なう様にした
圧縮機。(特開昭59−99089号) (3) 圧縮室と吸入室とを連通させるバイパス溝を設
け、このバイパス溝のロータ回転方向において吐出口に
近い側の溝の位置を変更する事により、即ち、室内の冷
房負荷が小さくなった場合にはこの位置変更を介して圧
縮開始時期を遅らせる事によって小容量運転を行なう様
にした圧縮機。(特願昭59−171209号)
縮機において、室内における冷房負荷の変化に伴い圧縮
容量を自動的に制御する事が出来る様に設けられる圧縮
機として、例えば下記の様な容量可変型ベーン圧縮機が
提案されている。 (1) 圧縮室の任意の中間位置に同圧縮室と吸入室と
を連通させるバイパス通路を設け、同バイパス通路を室
内の冷房負荷の変化に伴い開閉させる事により、即ち、
室内の冷房負荷が小さくなった場合にはバイパス通路を
開いて圧縮途中にある圧縮ガスの一部を吸入室に逃す事
によって小容量運転を行なう様にした圧縮機。(特開昭
58−222994号) (2) 圧縮室に連通する吸入通路にスプールを開閉自
在に設け、同スプールを室内の冷房負荷の変化に伴い開
閉させる事により、即ち、室内の冷房負荷が小さくなっ
た場合にはスプールを閉じ方向に作用させて吸入通路の
有効面積を絞る事によって小容量運転を行なう様にした
圧縮機。(特開昭59−99089号) (3) 圧縮室と吸入室とを連通させるバイパス溝を設
け、このバイパス溝のロータ回転方向において吐出口に
近い側の溝の位置を変更する事により、即ち、室内の冷
房負荷が小さくなった場合にはこの位置変更を介して圧
縮開始時期を遅らせる事によって小容量運転を行なう様
にした圧縮機。(特願昭59−171209号)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
圧縮容量可変機構を具備するスライドベーン型の圧縮機
にあっては、室内の冷房負荷が減少して小容量運転が行
われた場合に、分離室内の吐出圧力が低下する事に起因
してベーンに対して付与される背圧が低下してしまい、
ベーンの先端部をシリンダーの内壁面に対して完全に圧
接する状態にて圧縮空間内を移動させる作用が得られな
くなってしまうという不具合を生ずる。即ち、ベーンが
圧縮空間に対して完全に飛び出すことなく不完全な状態
で圧縮空間内を移動する事となり、此により圧縮性能が
低下し動力損失の増大を招来する事に加えて、チャタリ
ングが発生し、騒音の増大と耐久性の低下を招来すると
いう問題点があった。
圧縮容量可変機構を具備するスライドベーン型の圧縮機
にあっては、室内の冷房負荷が減少して小容量運転が行
われた場合に、分離室内の吐出圧力が低下する事に起因
してベーンに対して付与される背圧が低下してしまい、
ベーンの先端部をシリンダーの内壁面に対して完全に圧
接する状態にて圧縮空間内を移動させる作用が得られな
くなってしまうという不具合を生ずる。即ち、ベーンが
圧縮空間に対して完全に飛び出すことなく不完全な状態
で圧縮空間内を移動する事となり、此により圧縮性能が
低下し動力損失の増大を招来する事に加えて、チャタリ
ングが発生し、騒音の増大と耐久性の低下を招来すると
いう問題点があった。
【0005】本発明は上記の様な問題点を解決するため
にその改善を試みたものであって、圧縮機が小容量運転
に切り換えられてベーンに付与される背圧(ベーン背
圧)が設定圧力を下回った状態において、ベーン溝基部
の背圧室に対して十分な背圧を送り込める様にする点に
その解決すべき課題を有する。即ち、本発明は圧縮容量
制御機構により小容量運転状態とした場合においても背
圧制御機構によりベーンに対して十分な背圧を付与でき
るようにしたことを特徴とするものであって、その具体
的な手段と作用は次の通りである。
にその改善を試みたものであって、圧縮機が小容量運転
に切り換えられてベーンに付与される背圧(ベーン背
圧)が設定圧力を下回った状態において、ベーン溝基部
の背圧室に対して十分な背圧を送り込める様にする点に
その解決すべき課題を有する。即ち、本発明は圧縮容量
制御機構により小容量運転状態とした場合においても背
圧制御機構によりベーンに対して十分な背圧を付与でき
るようにしたことを特徴とするものであって、その具体
的な手段と作用は次の通りである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、スライドベーン型
回転圧縮機における小容量運転制御機構に関する請求項
1の発明は、中空筒状をなすシリンダブロックの中空部
内にロータを回転自在に設けるとともに、前記シリンダ
ブロックの両端開口部をサイドプレートにより遮蔽し、
前記シリンダブロックの中空部内壁面と前記両サイドプ
レートの各内側面及び前記ロータの外周面との間に形成
される圧縮空間内へ向けてロータのベーン溝に出没可能
に設けたベーンをベーン溝基部の背圧室へ付与される背
圧に基づき押し出すとともに、前記ロータの回転に伴い
前記ベーンの先端をシリンダブロックの中空部内壁面に
摺接させながら吸入側から吐出側へ移動させることによ
り、同ベーンによって前記圧縮空間内に閉じ込み形成さ
れる圧縮室の圧縮作用を得るようにしたスライドベーン
型回転圧縮機において、前記圧縮室における圧縮容量を
可変とする圧縮容量制御機構と、前記圧縮室から吐出さ
れる吐出圧力に相当する圧力を前記背圧室へ送り込む背
圧制御機構とを設け、前記圧縮容量制御機構を、冷房負
荷の減少に伴って圧縮室の圧縮容量を小さくする構成と
する一方、前記背圧制御機構を、圧縮容量制御機構によ
り小容量運転とされた状態において前記背圧室内の圧力
と前記吐出圧力との差圧が設定圧力を下回ったとき動作
する構成とした。
回転圧縮機における小容量運転制御機構に関する請求項
1の発明は、中空筒状をなすシリンダブロックの中空部
内にロータを回転自在に設けるとともに、前記シリンダ
ブロックの両端開口部をサイドプレートにより遮蔽し、
前記シリンダブロックの中空部内壁面と前記両サイドプ
レートの各内側面及び前記ロータの外周面との間に形成
される圧縮空間内へ向けてロータのベーン溝に出没可能
に設けたベーンをベーン溝基部の背圧室へ付与される背
圧に基づき押し出すとともに、前記ロータの回転に伴い
前記ベーンの先端をシリンダブロックの中空部内壁面に
摺接させながら吸入側から吐出側へ移動させることによ
り、同ベーンによって前記圧縮空間内に閉じ込み形成さ
れる圧縮室の圧縮作用を得るようにしたスライドベーン
型回転圧縮機において、前記圧縮室における圧縮容量を
可変とする圧縮容量制御機構と、前記圧縮室から吐出さ
れる吐出圧力に相当する圧力を前記背圧室へ送り込む背
圧制御機構とを設け、前記圧縮容量制御機構を、冷房負
荷の減少に伴って圧縮室の圧縮容量を小さくする構成と
する一方、前記背圧制御機構を、圧縮容量制御機構によ
り小容量運転とされた状態において前記背圧室内の圧力
と前記吐出圧力との差圧が設定圧力を下回ったとき動作
する構成とした。
【0007】又、スライドベーン型回転圧縮機における
小容量運転制御方法に関する請求項2の発明は、請求項
1の発明と前提構成を同じくするスライドベーン型回転
圧縮機において、冷房負荷が減少したときには前記圧縮
室における圧縮容量を小容量にした状態で前記ロータを
回転させるとともに、小容量運転に伴って前記背圧室内
の圧力と前記吐出圧力との差圧が設定圧力を下回ったと
きには前記背圧室へ前記吐出圧力に相当する圧力を付与
しながら前記ロータを回転させるようにした。
小容量運転制御方法に関する請求項2の発明は、請求項
1の発明と前提構成を同じくするスライドベーン型回転
圧縮機において、冷房負荷が減少したときには前記圧縮
室における圧縮容量を小容量にした状態で前記ロータを
回転させるとともに、小容量運転に伴って前記背圧室内
の圧力と前記吐出圧力との差圧が設定圧力を下回ったと
きには前記背圧室へ前記吐出圧力に相当する圧力を付与
しながら前記ロータを回転させるようにした。
【0008】そのため、本発明においては、冷房負荷が
減少すると、圧縮容量制御機構により圧縮室における圧
縮容量が小さくされ、圧縮機は小容量運転状態となる。
そして、この小容量運転状態時において、背圧室内の圧
力と圧縮室から吐出される吐出圧力との差圧が設定圧力
を下回る状態になると、背圧制御機構が動作する。する
と、ベーン溝基部の背圧室へは圧縮室からの吐出圧力に
相当する圧力がベーン背圧として送り込まれる。
減少すると、圧縮容量制御機構により圧縮室における圧
縮容量が小さくされ、圧縮機は小容量運転状態となる。
そして、この小容量運転状態時において、背圧室内の圧
力と圧縮室から吐出される吐出圧力との差圧が設定圧力
を下回る状態になると、背圧制御機構が動作する。する
と、ベーン溝基部の背圧室へは圧縮室からの吐出圧力に
相当する圧力がベーン背圧として送り込まれる。
【0009】尚、背圧不足に起因するチャタリングの発
生を防止する方法としては本発明と同様吐出圧力に相当
する圧力を背圧室に供給する方法が、即ち、図7に表わ
す様に吐出室aと分離室b間を繋ぐ吐出通路cに介在さ
せて調整弁dを設ける一方、吐出通路cと各ベーン溝の
底部に形成する背圧室e間を連通させて補助連通路fを
設けると共に、同補助連通路fに介在させて逆止弁gを
設け、上記調整弁dは逆止弁gよりも高い設定圧力にて
開放する様に設ける事により、起動時において調整弁d
によって吐出通路cを遮断状態とし、同吐出通路c内の
吐出圧力を上昇させると共に、同吐出圧力の上昇を介し
て逆止弁gを開き、吐出通路c内の吐出圧力を背圧室e
に送り込む方法が提案されているが、同提案は起動時に
おいてのみチャタリング防止作用が得られるに過ぎない
点において本発明との間に相違を認める事が出来る。
生を防止する方法としては本発明と同様吐出圧力に相当
する圧力を背圧室に供給する方法が、即ち、図7に表わ
す様に吐出室aと分離室b間を繋ぐ吐出通路cに介在さ
せて調整弁dを設ける一方、吐出通路cと各ベーン溝の
底部に形成する背圧室e間を連通させて補助連通路fを
設けると共に、同補助連通路fに介在させて逆止弁gを
設け、上記調整弁dは逆止弁gよりも高い設定圧力にて
開放する様に設ける事により、起動時において調整弁d
によって吐出通路cを遮断状態とし、同吐出通路c内の
吐出圧力を上昇させると共に、同吐出圧力の上昇を介し
て逆止弁gを開き、吐出通路c内の吐出圧力を背圧室e
に送り込む方法が提案されているが、同提案は起動時に
おいてのみチャタリング防止作用が得られるに過ぎない
点において本発明との間に相違を認める事が出来る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を具体化した一実施
形態を例示の図面に従って説明する。図1〜図5におい
て、1は圧縮機の外殼を形成するハウジングを示す。同
ハウジング1はフロントハウジング1Fとリヤハウジング
1Rにより形成され、フロントハウジング1Fにはシリンダ
ーブロック2が、又、同じシリンダーブロック2を間に
挟んでその前後両側にはフロントサイドプレート3Fとリ
ヤサイドプレート3Rが内嵌される。シリンダーブロック
2は前後両端部に開口部を存して中空円筒状に形成さ
れ、同中空部の内壁面はシリンダーブロック2の外周面
と同心円の円筒状に形成される。そして、同シリンダー
ブロック2の前後両開口部は上記両サイドプレート3F,3
R によって遮蔽されると共に、両サイドプレート3F,3R
間には上記シリンダーブロック2の中空部を貫通させて
駆動軸4が横架される。
形態を例示の図面に従って説明する。図1〜図5におい
て、1は圧縮機の外殼を形成するハウジングを示す。同
ハウジング1はフロントハウジング1Fとリヤハウジング
1Rにより形成され、フロントハウジング1Fにはシリンダ
ーブロック2が、又、同じシリンダーブロック2を間に
挟んでその前後両側にはフロントサイドプレート3Fとリ
ヤサイドプレート3Rが内嵌される。シリンダーブロック
2は前後両端部に開口部を存して中空円筒状に形成さ
れ、同中空部の内壁面はシリンダーブロック2の外周面
と同心円の円筒状に形成される。そして、同シリンダー
ブロック2の前後両開口部は上記両サイドプレート3F,3
R によって遮蔽されると共に、両サイドプレート3F,3R
間には上記シリンダーブロック2の中空部を貫通させて
駆動軸4が横架される。
【0011】同駆動軸4はシリンダーブロック2の中空
部に対してその中心線を偏寄させて設けられ、同駆動軸
4にはロータ5が一体に固着させて軸架される。同ロー
タ5は中空部の内壁面に対してその外周面の一部が摺接
可能な如く設けられ、同ロータ5の外周面と中空部の内
壁面間には圧縮室6が形成される。又、ロータ5にはベ
ーン溝7…が刻設され、各ベーン溝7にはベーン8…が
圧縮室6に対して出没自在に嵌挿される。
部に対してその中心線を偏寄させて設けられ、同駆動軸
4にはロータ5が一体に固着させて軸架される。同ロー
タ5は中空部の内壁面に対してその外周面の一部が摺接
可能な如く設けられ、同ロータ5の外周面と中空部の内
壁面間には圧縮室6が形成される。又、ロータ5にはベ
ーン溝7…が刻設され、各ベーン溝7にはベーン8…が
圧縮室6に対して出没自在に嵌挿される。
【0012】フロントハウジング1Fとフロントサイドプ
レート3F間には吸入室9が設けられ、同吸入室9にはフ
ロントハウジング1F側に吸入管路(図示省略)に接続す
る吸入口9′が設けられる。
レート3F間には吸入室9が設けられ、同吸入室9にはフ
ロントハウジング1F側に吸入管路(図示省略)に接続す
る吸入口9′が設けられる。
【0013】又、フロントサイドプレート3Fには圧縮室
6の一端、即ち、ロータ5の回転方向に沿う始端部と相
対応して吸入孔10が開口される。そして又、同フロン
トサイドプレート3Fには圧縮室6の吸入行程の任意の位
置と相対応してバイパス孔11が貫設される。同バイパ
ス孔11は圧縮室6と吸入室9間を連通する如く設けら
れ、フロントサイドプレート3F内には制御弁機構12が
上記バイパス孔11と直交する方向に延在させて設けら
れる。
6の一端、即ち、ロータ5の回転方向に沿う始端部と相
対応して吸入孔10が開口される。そして又、同フロン
トサイドプレート3Fには圧縮室6の吸入行程の任意の位
置と相対応してバイパス孔11が貫設される。同バイパ
ス孔11は圧縮室6と吸入室9間を連通する如く設けら
れ、フロントサイドプレート3F内には制御弁機構12が
上記バイパス孔11と直交する方向に延在させて設けら
れる。
【0014】同制御弁機構12にはバイパス孔11と相
対応して同バイパス孔11開閉用のスプール19がバイ
パス孔11に対して直交する方向に延在させて摺動自在
に設けられ、同スプール19の両端部には高圧室20と
低圧室21が形成される。低圧室21内にはばね22が
介装され、スプール19は同ばね22を介して常時は高
圧室20方向に付勢されてバイパス孔11を開放する状
態にある様に設けられる。そして高圧室20からは第1
導圧孔23が延設され、その先端部は圧縮室6の圧縮行
程中の任意の位置に開口する如く設けられる。
対応して同バイパス孔11開閉用のスプール19がバイ
パス孔11に対して直交する方向に延在させて摺動自在
に設けられ、同スプール19の両端部には高圧室20と
低圧室21が形成される。低圧室21内にはばね22が
介装され、スプール19は同ばね22を介して常時は高
圧室20方向に付勢されてバイパス孔11を開放する状
態にある様に設けられる。そして高圧室20からは第1
導圧孔23が延設され、その先端部は圧縮室6の圧縮行
程中の任意の位置に開口する如く設けられる。
【0015】又、低圧室21は第2導圧孔24を介して
吸入室9若しくは圧縮室6の吸入行程と連通する如く設
けられる。一方、圧縮室6の他端、即ち、ロータ5の回
転方向に沿う終端部と相対応する位置にはシリンダーブ
ロック2の一部を切り欠いてリヤハウジング1Rの内壁面
との間に吐出室13が形成され、同吐出室13と圧縮室
6の終端部間は吐出孔14によって連通される。15は
同吐出孔14を覆う吐出弁、16は同吐出弁15の開き
角度を規制するリテーナを示す。
吸入室9若しくは圧縮室6の吸入行程と連通する如く設
けられる。一方、圧縮室6の他端、即ち、ロータ5の回
転方向に沿う終端部と相対応する位置にはシリンダーブ
ロック2の一部を切り欠いてリヤハウジング1Rの内壁面
との間に吐出室13が形成され、同吐出室13と圧縮室
6の終端部間は吐出孔14によって連通される。15は
同吐出孔14を覆う吐出弁、16は同吐出弁15の開き
角度を規制するリテーナを示す。
【0016】又、リヤハウジング1Rにはリヤサイドプレ
ート3Bとの間に潤滑油の分離室17が形成される。同分
離室17はリヤサイドプレート3Rに開口する通孔18を
介して上記吐出室12と連通する如く設けられる。そし
て同通孔18の開口部にはフィルタ(図示省略)が取り
付けられると共に、分離室17の底部にはフィルタによ
って分離される潤滑油の溜り部25が設けられる。
ート3Bとの間に潤滑油の分離室17が形成される。同分
離室17はリヤサイドプレート3Rに開口する通孔18を
介して上記吐出室12と連通する如く設けられる。そし
て同通孔18の開口部にはフィルタ(図示省略)が取り
付けられると共に、分離室17の底部にはフィルタによ
って分離される潤滑油の溜り部25が設けられる。
【0017】又、リヤサイドプレート3Rの後背面側には
駆動軸4の軸受け部4Rと相対応させてベアリングカバー
26が嵌着され、同ベアリングカバー26とリヤサイド
プレート3R間に上記軸受け部4Rと連通させてベアリング
室27が形成されると共に、同リヤサイドプレート3Rの
下端寄り部分には前記溜り部25より立ち上がらせて導
圧孔28が穿設され、その先端部はベアリング室27と
連通する如く設けられる。一方、同リヤサイドプレート
3Rの内側面、即ち、ロータ5の後端面との摺接面には圧
力溝29が刻設されると共に、同圧力溝29と上記軸受
け部4R間に連通させて導圧溝30が刻設される。更に、
具体的には、同圧力溝29はロータ5側に設けられるベ
ーン溝7の基部、即ち、同部に設けられる背圧室7′の
回転軌跡に沿って円弧状に刻設されると共に、同圧力溝
29は導圧溝30及び軸受け部4Rを介してベアリング室
27と連通する如く設けられる。
駆動軸4の軸受け部4Rと相対応させてベアリングカバー
26が嵌着され、同ベアリングカバー26とリヤサイド
プレート3R間に上記軸受け部4Rと連通させてベアリング
室27が形成されると共に、同リヤサイドプレート3Rの
下端寄り部分には前記溜り部25より立ち上がらせて導
圧孔28が穿設され、その先端部はベアリング室27と
連通する如く設けられる。一方、同リヤサイドプレート
3Rの内側面、即ち、ロータ5の後端面との摺接面には圧
力溝29が刻設されると共に、同圧力溝29と上記軸受
け部4R間に連通させて導圧溝30が刻設される。更に、
具体的には、同圧力溝29はロータ5側に設けられるベ
ーン溝7の基部、即ち、同部に設けられる背圧室7′の
回転軌跡に沿って円弧状に刻設されると共に、同圧力溝
29は導圧溝30及び軸受け部4Rを介してベアリング室
27と連通する如く設けられる。
【0018】そして又、同リヤサイドプレート3Rには上
記圧力溝29と分離室17間を連通させて補助導圧孔3
1が穿設されると共に、同補助導圧孔31に介在させて
バルブ35が開閉自在に設けられる。即ち、分離室17
側の開口部と対向させて弁座32が形成され、同弁座3
2にはボール弁33が係留される一方、圧力溝29側に
はばね34が介装され、上記ボール弁33は常時は同ば
ね34によって分離室17側の開口部に向けて付勢され
た状態(開放状態)にある様に設けられる。
記圧力溝29と分離室17間を連通させて補助導圧孔3
1が穿設されると共に、同補助導圧孔31に介在させて
バルブ35が開閉自在に設けられる。即ち、分離室17
側の開口部と対向させて弁座32が形成され、同弁座3
2にはボール弁33が係留される一方、圧力溝29側に
はばね34が介装され、上記ボール弁33は常時は同ば
ね34によって分離室17側の開口部に向けて付勢され
た状態(開放状態)にある様に設けられる。
【0019】そして又、同分離室17にはリヤハウジン
グ1R側に吐出管路(図示省略)に接続する吐出口13′
が開口される。尚、本実施の形態では、前記バイパス孔
11と制御弁機構12により圧縮容量可変機構が構成さ
れる一方、前記圧力溝29と補助導圧孔31及びバルブ
35により背圧制御機構が構成されている。次にその作
用について説明する。
グ1R側に吐出管路(図示省略)に接続する吐出口13′
が開口される。尚、本実施の形態では、前記バイパス孔
11と制御弁機構12により圧縮容量可変機構が構成さ
れる一方、前記圧力溝29と補助導圧孔31及びバルブ
35により背圧制御機構が構成されている。次にその作
用について説明する。
【0020】圧縮機が停止した状態においては、圧縮機
内の各部、即ち、吸入室9、圧縮室6、吐出室13、分
離室17は夫々略同圧状態にある。又、制御弁機構12
においてスプール19はばね22を介して高圧室20方
向に向けて付勢された状態、即ち、バイパス孔11は開
かれた状態にある。又、補助導圧孔31はばね34の付
勢圧によって開かれた状態にある。
内の各部、即ち、吸入室9、圧縮室6、吐出室13、分
離室17は夫々略同圧状態にある。又、制御弁機構12
においてスプール19はばね22を介して高圧室20方
向に向けて付勢された状態、即ち、バイパス孔11は開
かれた状態にある。又、補助導圧孔31はばね34の付
勢圧によって開かれた状態にある。
【0021】そして上記の様にバイパス孔11と補助導
圧孔31が夫々開かれた状態において、電磁クラッチ
(図示省略)の接続操作を介してエンジンの駆動力を駆
動軸4に伝達する事により、ロータ5が回転する状態が
得られると共に、同ロータ5の回転を介して各ベーン溝
7内に嵌挿される各ベーン8がその遠心力の作用により
押し出されてその先端部におけるシール作用が不完全乍
ら発揮されて回転する状態が得られる。そして上記各ベ
ーン8の回転を介してエバポレータ(図示省略)より吸
入管路を経て吸入室9内に送り込まれた冷媒ガスは吸入
孔10を経て圧縮室6内に吸引される。圧縮室6内に吸
引された冷媒ガスはベーン8の回転作用を介して圧縮室
6内をその始端部より終端部方向に向けて送られる間に
次第に圧縮されると共に、同圧縮室6内をその終端位置
迄送られた冷媒ガスは吐出孔14、吐出室13、通孔1
8、分離室17を経て吐出孔17′より吐出管路内をコ
ンデンサ(図示省略)方向に向けて送り出される。
圧孔31が夫々開かれた状態において、電磁クラッチ
(図示省略)の接続操作を介してエンジンの駆動力を駆
動軸4に伝達する事により、ロータ5が回転する状態が
得られると共に、同ロータ5の回転を介して各ベーン溝
7内に嵌挿される各ベーン8がその遠心力の作用により
押し出されてその先端部におけるシール作用が不完全乍
ら発揮されて回転する状態が得られる。そして上記各ベ
ーン8の回転を介してエバポレータ(図示省略)より吸
入管路を経て吸入室9内に送り込まれた冷媒ガスは吸入
孔10を経て圧縮室6内に吸引される。圧縮室6内に吸
引された冷媒ガスはベーン8の回転作用を介して圧縮室
6内をその始端部より終端部方向に向けて送られる間に
次第に圧縮されると共に、同圧縮室6内をその終端位置
迄送られた冷媒ガスは吐出孔14、吐出室13、通孔1
8、分離室17を経て吐出孔17′より吐出管路内をコ
ンデンサ(図示省略)方向に向けて送り出される。
【0022】一方、上記の様に圧縮室6内をロータ5の
回転方向に沿って終端部方向に向けて送られる冷媒ガス
の一部はその圧縮途中においてバイパス孔11を経て吸
入室9側に向けて流出する。この様に冷媒ガスの一部が
圧縮途中において吸入室内9側に流出する事により、圧
縮室の始動時におけるその立ち上がりをスムースに行な
う事が出来ると共に、その起動トルクを軽減させる事が
出来、又、圧縮機内及びエバポレータと圧縮機間を繋ぐ
吸入管路中に冷媒ガスが液化された状態にて残溜してい
た場合における液圧縮作用を緩和する事が出来る。
回転方向に沿って終端部方向に向けて送られる冷媒ガス
の一部はその圧縮途中においてバイパス孔11を経て吸
入室9側に向けて流出する。この様に冷媒ガスの一部が
圧縮途中において吸入室内9側に流出する事により、圧
縮室の始動時におけるその立ち上がりをスムースに行な
う事が出来ると共に、その起動トルクを軽減させる事が
出来、又、圧縮機内及びエバポレータと圧縮機間を繋ぐ
吸入管路中に冷媒ガスが液化された状態にて残溜してい
た場合における液圧縮作用を緩和する事が出来る。
【0023】ロータ5の回転が繰り返される事により、
圧縮室6内の圧縮圧力が徐々に高められる事となるので
あるが、この様にして圧縮室6内において高められた圧
縮ガスの一部が第1導圧孔23を経て高圧室20内に送
り込まれる事によって同高圧室20内の圧力が上昇する
事となる。そして高圧室20内の圧力(圧縮側圧力)が
上昇し、同高圧室20内の圧力(圧縮側圧力)と低圧室
21の圧力(吸入側圧力)との間に生ずる差圧がばね2
2の設定圧力を上回った状態において、スプール19が
ばね22の付勢圧に抗して低圧室21方向に押圧され
て、同スプール19によりバイパス孔11を塞ぐ状態が
得られる。此により圧縮室6内の冷媒ガスはその一部が
バイパス孔11を経て吸入室9側に流出する事なく圧縮
室6内に送り込まれた冷媒ガスはその全てが圧縮されて
吐出孔14、吐出室13、通孔18、分離室17を経て
吐出管路内をコンデンサ方向に向けて送り出される。即
ち、吐出室13及び分離室17内の圧力が上昇する。
圧縮室6内の圧縮圧力が徐々に高められる事となるので
あるが、この様にして圧縮室6内において高められた圧
縮ガスの一部が第1導圧孔23を経て高圧室20内に送
り込まれる事によって同高圧室20内の圧力が上昇する
事となる。そして高圧室20内の圧力(圧縮側圧力)が
上昇し、同高圧室20内の圧力(圧縮側圧力)と低圧室
21の圧力(吸入側圧力)との間に生ずる差圧がばね2
2の設定圧力を上回った状態において、スプール19が
ばね22の付勢圧に抗して低圧室21方向に押圧され
て、同スプール19によりバイパス孔11を塞ぐ状態が
得られる。此により圧縮室6内の冷媒ガスはその一部が
バイパス孔11を経て吸入室9側に流出する事なく圧縮
室6内に送り込まれた冷媒ガスはその全てが圧縮されて
吐出孔14、吐出室13、通孔18、分離室17を経て
吐出管路内をコンデンサ方向に向けて送り出される。即
ち、吐出室13及び分離室17内の圧力が上昇する。
【0024】そしてこの様に吐出室13及び分離室17
内の圧力が上昇するのに伴い同分離室17の底部に貯溜
する潤滑油が導圧孔28、ベアリング室27、導圧溝3
0の各部を経て圧力溝29に供給されると共に、同圧力
溝29に供給された潤滑油は各ベーン溝7の底部に形成
する背圧室7′に供給され、ベーン8を圧縮室6に向け
て押し出す作用、即ち、各ベーン8に対して背圧を付与
する作用が得られる。又、分離室17内の吐出圧力Pdと
背圧室7′内の圧力Pvは軸受け部4Rの絞り機能に基づく
減圧(0<α<1)作用によってPv=αPdの関係にあ
り、吐出圧力が高い状態においては吐出圧力Pdと背圧室
7′内の圧力Pvとの間に生ずる差圧がばね34の設定圧
力を上回る状態にある事により、補助導圧孔31におい
てボール弁33が同補助導圧孔31を閉塞する状態が得
られる。そしてこの様にバイパス孔11が閉塞される事
により、フル稼働(100%運転)状態が得られる。そ
して又、背圧室7には吐出圧力よりも減圧された潤滑油
が供給されるため、過剰な押圧が回避されつつベーン8
は確実にシリンダブロック2に押圧される。従って、圧
縮性能及び運動損失を防止することが出来る。
内の圧力が上昇するのに伴い同分離室17の底部に貯溜
する潤滑油が導圧孔28、ベアリング室27、導圧溝3
0の各部を経て圧力溝29に供給されると共に、同圧力
溝29に供給された潤滑油は各ベーン溝7の底部に形成
する背圧室7′に供給され、ベーン8を圧縮室6に向け
て押し出す作用、即ち、各ベーン8に対して背圧を付与
する作用が得られる。又、分離室17内の吐出圧力Pdと
背圧室7′内の圧力Pvは軸受け部4Rの絞り機能に基づく
減圧(0<α<1)作用によってPv=αPdの関係にあ
り、吐出圧力が高い状態においては吐出圧力Pdと背圧室
7′内の圧力Pvとの間に生ずる差圧がばね34の設定圧
力を上回る状態にある事により、補助導圧孔31におい
てボール弁33が同補助導圧孔31を閉塞する状態が得
られる。そしてこの様にバイパス孔11が閉塞される事
により、フル稼働(100%運転)状態が得られる。そ
して又、背圧室7には吐出圧力よりも減圧された潤滑油
が供給されるため、過剰な押圧が回避されつつベーン8
は確実にシリンダブロック2に押圧される。従って、圧
縮性能及び運動損失を防止することが出来る。
【0025】一方、室内の冷房負荷が減少し、吸入室9
内に送り込まれる冷媒ガスの吸入圧力が低下するのに伴
い制御弁機構12において高圧室20内の圧力(圧縮側
圧力)と低圧室21内の圧力(吸入側圧力)間の差圧が
小さくなる。そしてその差圧はばね22の設定圧力を下
回った状態において、これ迄上記差圧によって低圧室2
1側に押圧されてバイパス孔11を塞ぐ状態にあったス
プール19は、ばね22を介して高圧室20方向に向け
て付勢された状態、即ち、バイパス孔11を開放する状
態が得られる。スプール19がバイパス孔11を開放す
る事により、圧縮室6において圧縮途中にある冷媒ガス
の一部は同バイパス孔11を経て吸入室9側に流出す
る。そしてこの様に圧縮室6内の冷媒ガスの一部が吸入
室9側に流出する事によって、圧縮室6内の圧縮圧力は
低下する。即ち、室内における冷房負荷の減少に伴い冷
媒ガスの圧縮容量を減らす作用(小容量運転状態)が得
られる。
内に送り込まれる冷媒ガスの吸入圧力が低下するのに伴
い制御弁機構12において高圧室20内の圧力(圧縮側
圧力)と低圧室21内の圧力(吸入側圧力)間の差圧が
小さくなる。そしてその差圧はばね22の設定圧力を下
回った状態において、これ迄上記差圧によって低圧室2
1側に押圧されてバイパス孔11を塞ぐ状態にあったス
プール19は、ばね22を介して高圧室20方向に向け
て付勢された状態、即ち、バイパス孔11を開放する状
態が得られる。スプール19がバイパス孔11を開放す
る事により、圧縮室6において圧縮途中にある冷媒ガス
の一部は同バイパス孔11を経て吸入室9側に流出す
る。そしてこの様に圧縮室6内の冷媒ガスの一部が吸入
室9側に流出する事によって、圧縮室6内の圧縮圧力は
低下する。即ち、室内における冷房負荷の減少に伴い冷
媒ガスの圧縮容量を減らす作用(小容量運転状態)が得
られる。
【0026】そしてこの様に小容量運転が得られ、吐出
圧力が低下するのに伴い、補助導圧孔31において分離
室17内の吐出圧力Pdと背圧室7′内の圧力Pvとの間に
生ずる差圧がばね34の設定圧力を下回る状態となる。
即ち、ボール弁33が補助導圧孔31を開いて分離室1
7内の吐出圧力を直接的に背圧室7′に供給する状態が
得られ、此により各背圧室7′における背圧不足を補う
事が出来る。即ち、チャタリング防止作用が得られ、此
により、第6図のグラフに表す様に圧縮容量可変領域を
拡大する事が出来る。
圧力が低下するのに伴い、補助導圧孔31において分離
室17内の吐出圧力Pdと背圧室7′内の圧力Pvとの間に
生ずる差圧がばね34の設定圧力を下回る状態となる。
即ち、ボール弁33が補助導圧孔31を開いて分離室1
7内の吐出圧力を直接的に背圧室7′に供給する状態が
得られ、此により各背圧室7′における背圧不足を補う
事が出来る。即ち、チャタリング防止作用が得られ、此
により、第6図のグラフに表す様に圧縮容量可変領域を
拡大する事が出来る。
【0027】尚、上記実施例においては分離室17と背
圧室7′とを連通させて補助導圧孔31を設ける様にし
ているが、吐出室13と連通させて補助導圧孔31を設
ける事も可能である。
圧室7′とを連通させて補助導圧孔31を設ける様にし
ているが、吐出室13と連通させて補助導圧孔31を設
ける事も可能である。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、冷房負荷の減少時には
圧縮室の圧縮容量を小さくして小容量運転状態とするこ
とにより圧縮機の運転効率を適正に維持できるばかりで
なく、かかる小容量運転時において背圧室内の圧力と吐
出圧力との差圧が設定圧力を下回る状態となったときに
は吐出圧力に相当する圧力をベーン背圧として送り込む
ようにしたので、小容量運転時における背圧不足を効果
的に防止でき、小容量運転状態での圧縮性能の低下防止
を図れる事に加えてチャタリングの発生を防止する事が
でき、此により騒音の発生と耐久性の低下を防止できる
と共に、圧縮容量可変領域を拡大する事が出来るに至っ
た。
圧縮室の圧縮容量を小さくして小容量運転状態とするこ
とにより圧縮機の運転効率を適正に維持できるばかりで
なく、かかる小容量運転時において背圧室内の圧力と吐
出圧力との差圧が設定圧力を下回る状態となったときに
は吐出圧力に相当する圧力をベーン背圧として送り込む
ようにしたので、小容量運転時における背圧不足を効果
的に防止でき、小容量運転状態での圧縮性能の低下防止
を図れる事に加えてチャタリングの発生を防止する事が
でき、此により騒音の発生と耐久性の低下を防止できる
と共に、圧縮容量可変領域を拡大する事が出来るに至っ
た。
【図1】スライドベーン型回転圧縮機の全体を表わす断
面図(図2におけるB−B線断面図)。
面図(図2におけるB−B線断面図)。
【図2】図1におけるA−A線断面図。
【図3】リヤサイドプレートに設けられる補助導圧孔部
分の拡大断面図。
分の拡大断面図。
【図4】制御弁機能部分の拡大断面図。
【図5】同じく、制御弁機能部分の拡大断面図。
【図6】チャタリング防止領域が拡大された事を表わす
グラフ。
グラフ。
【図7】従来構造のスライドベーン型回転圧縮機の全体
を表わす断面図。
を表わす断面図。
1…ハウジング、1F…フロントハウジング、1R…リ
ヤハウジング、2…シリンダーブロック、3F…フロン
トサイドプレート、3R…リヤサイドプレート、4…駆
動軸、4F,4R…軸受け部、5…ロータ、6…圧縮
室、7…ベーン溝、7′…背圧室、8…ベーン、9…吸
入室、9′…吸入口、10…吸入孔、11…パイパス
孔、12…制御弁機構、13…吐出室、13′…吐出
口、14…吐出孔、15…吐出弁、16…リテーナ、1
7…分離室、18…通孔、19…スプール、20…高圧
室、21…低圧室、22…ばね、23…第1導圧孔、2
4…第2導圧孔、25…溜り部、26…ベアリングカバ
ー、27…ベアリング室、28…導圧孔、29…圧力
溝、30…導圧溝、31…補助導圧孔、32…弁座、3
3…ボール弁、34…ばね、35…バルブ。
ヤハウジング、2…シリンダーブロック、3F…フロン
トサイドプレート、3R…リヤサイドプレート、4…駆
動軸、4F,4R…軸受け部、5…ロータ、6…圧縮
室、7…ベーン溝、7′…背圧室、8…ベーン、9…吸
入室、9′…吸入口、10…吸入孔、11…パイパス
孔、12…制御弁機構、13…吐出室、13′…吐出
口、14…吐出孔、15…吐出弁、16…リテーナ、1
7…分離室、18…通孔、19…スプール、20…高圧
室、21…低圧室、22…ばね、23…第1導圧孔、2
4…第2導圧孔、25…溜り部、26…ベアリングカバ
ー、27…ベアリング室、28…導圧孔、29…圧力
溝、30…導圧溝、31…補助導圧孔、32…弁座、3
3…ボール弁、34…ばね、35…バルブ。
Claims (2)
- 【請求項1】 中空筒状をなすシリンダブロックの中空
部内にロータを回転自在に設けるとともに、前記シリン
ダブロックの両端開口部をサイドプレートにより遮蔽
し、前記シリンダブロックの中空部内壁面と前記両サイ
ドプレートの各内側面及び前記ロータの外周面との間に
形成される圧縮空間内へ向けてロータのベーン溝に出没
可能に設けたベーンをベーン溝基部の背圧室へ付与され
る背圧に基づき押し出すとともに、前記ロータの回転に
伴い前記ベーンの先端をシリンダブロックの中空部内壁
面に摺接させながら吸入側から吐出側へ移動させること
により、同ベーンによって前記圧縮空間内に閉じ込み形
成される圧縮室の圧縮作用を得るようにしたスライドベ
ーン型回転圧縮機において、 前記圧縮室における圧縮容量を可変とする圧縮容量制御
機構と、前記圧縮室から吐出される吐出圧力に相当する
圧力を前記背圧室へ送り込む背圧制御機構とを設け、前
記圧縮容量制御機構を、冷房負荷の減少に伴って圧縮室
の圧縮容量を小さくする構成とする一方、前記背圧制御
機構を、圧縮容量制御機構により小容量運転とされた状
態において前記背圧室内の圧力と前記吐出圧力との差圧
が設定圧力を下回ったとき動作する構成としたスライド
ベーン型回転圧縮機における小容量運転制御機構。 - 【請求項2】 中空筒状をなすシリンダブロックの中空
部内にロータを回転自在に設けるとともに、前記シリン
ダブロックの両端開口部をサイドプレートにより遮蔽
し、前記シリンダブロックの中空部内壁面と前記両サイ
ドプレートの各内側面及び前記ロータの外周面との間に
形成された圧縮空間内へ向けてロータのベーン溝に出没
可能に設けたベーンをベーン溝基部の背圧室へ付与され
る背圧に基づき押し出すとともに、前記ロータの回転に
伴い前記ベーンの先端をシリンダブロックの中空部内壁
面に摺接させながら吸入側から吐出側へ移動させること
により、同ベーンによって前記圧縮空間内に閉じ込み形
成された圧縮室の圧縮作用を得るようにしたスライドベ
ーン型回転圧縮機において、 冷房負荷が減少したときには前記圧縮室における圧縮容
量を小容量にした状態で前記ロータを回転させるととも
に、小容量運転に伴って前記背圧室内の圧力と前記吐出
圧力との差圧が設定圧力を下回ったときには前記背圧室
へ前記吐出圧力に相当する圧力をベーン背圧として付与
しながら前記ロータを回転させるようにしたスライドベ
ーン型回転圧縮機における小容量運転制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10008197A JPH1030584A (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | スライドベーン型回転圧縮機における小容量運転制御機構及び同圧縮機における小容量運転制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10008197A JPH1030584A (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | スライドベーン型回転圧縮機における小容量運転制御機構及び同圧縮機における小容量運転制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1030584A true JPH1030584A (ja) | 1998-02-03 |
Family
ID=14264501
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10008197A Pending JPH1030584A (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | スライドベーン型回転圧縮機における小容量運転制御機構及び同圧縮機における小容量運転制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1030584A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100620042B1 (ko) * | 2005-06-30 | 2006-09-06 | 엘지전자 주식회사 | 용량 가변형 로터리 압축기 및 이를 적용한 에어콘 |
-
1997
- 1997-04-17 JP JP10008197A patent/JPH1030584A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100620042B1 (ko) * | 2005-06-30 | 2006-09-06 | 엘지전자 주식회사 | 용량 가변형 로터리 압축기 및 이를 적용한 에어콘 |
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