JPH0528397Y2 - - Google Patents

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JPH0528397Y2
JPH0528397Y2 JP5915987U JP5915987U JPH0528397Y2 JP H0528397 Y2 JPH0528397 Y2 JP H0528397Y2 JP 5915987 U JP5915987 U JP 5915987U JP 5915987 U JP5915987 U JP 5915987U JP H0528397 Y2 JPH0528397 Y2 JP H0528397Y2
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chamber
pressure
valve
oil
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は車両用空調装置等に使用されるベー
ン型圧縮機に関し、さらに詳しくは起動時のベー
ンのチヤタリング防止及び圧縮機の停止直後にお
ける油分離室から吸入室側へのオイルの逆流を防
止することができるベーン型圧縮機に関するもの
である。
(従来の技術及び考案が解決しようとする課題) 一般に、ベーン型圧縮機において、ロータのベ
ーン溝に収容されたベーンの背圧付与は、油分離
室底部に貯溜された吐出圧力相当のオイルを中間
圧油供給通路からロータに形成したベーン溝と連
通する背圧通路に導入することにより行つてい
る。このオイルは中間圧力に減圧されており、か
つ、オイル自体の粘性により圧縮機の起動直後は
前記背圧通路に速やかにオイルが供給されないの
で、ロータの内周面に対するベーン先端部の圧接
が不完全で、ベーンがシリンダの内周面上で躍動
する所謂チヤタリングを起こす。
上記の問題を解決するため、ベーン型圧縮機の
起動直後のベーン背圧を粘性のない冷媒ガスを利
用して迅速に行い、ベーン背圧を高める背圧付与
機構を具備するベーン型圧縮機が提案された。
(実公昭54−33604号参照)このベーン型圧縮機は
第10図及び第11図に示すようにリヤサイドプ
レート3に対し吸入行程中の圧縮室16から圧縮
行程中期の圧縮室16に至るまで、ベーン溝14
底部の背圧通路15と連通する背圧溝28,28
を設け、同背圧溝28と油分離室7をリヤサイド
プレート3に設けた常時開放の中間圧油供給路4
4により連通して、吐出圧と吸入圧の中間圧のオ
イルを前記背圧溝28に供給するようになつてい
る。
また、リヤサイドプレート3の上部に油分離室
7の上部と背圧溝28とを連通する高圧ガス供給
通路45を形成し、その途中に弁室45aを設
け、弁室45aにはコイル状をなす圧縮バネ46
により常には開放方向に付勢される球状バルブ4
7を収容している。そして、ベーン型圧縮機の起
動直後は、油分離室7の上部から冷媒ガスが高圧
ガス供給通路45及び背圧28を経て背圧通路1
5に供給され、ベーン13を突出方向に付勢し、
ベーン背圧を適正化して、チヤタリングを防止し
圧縮効率の低下を防止するようになつている。
ところが、上記ベーン圧縮機は運転状態から停
止されると、油分離室7の圧力は高圧で、吸入室
4内の圧力は低圧のため、油分離室7の底部から
常時開放状態の中間圧油供給通路44を介して背
圧溝28へオイルが移動し、背圧通路15からベ
ーン13とロータ11との摺接間隙を経て吸入室
4と連通する圧縮室16へオイルがロータ11を
徐々に回転させながら移動し、圧縮室16内にオ
イルが残留する。このため、起動時に液圧縮を生
じるという問題がある。
上記液圧縮を解消するため、フロントハウジン
グ5の上部に開口した吸入口5aにはチエツクバ
ルブ48を設けて、圧縮機の停止直後における吸
入室4内の冷媒ガスが吸入口5aから外部回路へ
逆流するのを阻止するようになつている。
ところが、前記チエツクバルブ48は大きな設
置スペースを要し、フロントハウジング5の大型
化の要因になるばかりでなく、圧縮行程において
吸入冷媒ガスの抵抗が大きくなり、動力損失が大
きいという問題があつた。
(課題を解決するための手段) この考案は前記問題点を解決するため、リヤサ
イドプレート3のロータ側摺接面に刻設され、圧
縮行程の初期から中期に至る間、前記ベーン溝1
4の底部に形成された背圧通路15に連通する背
圧溝28と、前記リヤサイドプレート3に形成さ
れ、かつ前記油分離室7のオイルを中間圧に減圧
して前記背圧溝28に供給するための中間圧油供
給通路29と、前記油分離室7から前記背圧溝2
8へ該油分離室の冷媒ガスを供給するための高圧
ガス供給通路30とを具備するベーン型圧縮機に
おいて、 前記中間圧油供給通路29の途中には第1バル
ブ室33を設けて、第1バルブ35を往復動可能
にかつ前記中間圧油供給通路29を開閉可能に収
容し、前記第1バルブ33を第1バルブ35によ
り前記吸入室4と連通する低圧室Rsと、前記背
圧溝28に連通する中間圧室Riとに区画形成し、
第1バルブ35を低圧室Rsに配設した第1バネ
38により中間圧油供給通路29を閉鎖するよう
に付勢するとともに、前記高圧ガス供給通路30
の途中には第2バルブ室34を設けて、第2バル
ブ36を往復動可能に、かつ前記高圧ガス供給通
路30を開閉可能に収容し、前記第2バルブ室3
4を第2バルブ36により冷媒ガス雰囲気の油分
離室7と連通する高圧室Rdと、前記背圧溝28
に連通する中間圧室Riとに区画形成し、第2バ
ルブ36を中間圧室Riに配設した第2バネ39
により高圧ガス供給通路30を開放するように付
勢するという手段をとつている。
(作用) ベーン型圧縮機の停止状態では油分離室7の圧
力、背圧通路15内の圧力、吸入室14圧力及び
吐出室20圧力等がバランスしているので、第1
バルブ35が閉鎖され、第2バルブ36が開放さ
れている。この状態で圧縮機が起動されると、吐
出口19から油分離室7へ供給された高圧の圧縮
冷媒ガスが高圧ガス供給通路30から背圧通路1
5に迅速に供給されるので、起動直後におけるベ
ーン13の背圧が確保され、かつ冷媒ガス中に含
まれるミスト状のオイルによりロータ11とベー
ン13との摺動面が潤滑され、適正な圧縮動作が
行われる。また、中間圧室Ri内の中間圧力Piが
上昇して同中間圧力と低圧室Rsの圧力Psとの第
1差圧ΔP1が大きくなるので、中間圧油供給通路
29が開放され、油分離室7底部から中間圧油が
背圧溝28を介して背圧通路15へ供給される。
圧縮機の起動後短時間で、油分離室7内の圧力
が上昇して第2バルブ36に作用する高圧室Rd
と中間圧室Riとの第2差圧ΔP2が第2設定値PC2
以上になると、第2バルブ36が閉鎖され、以後
第1バルブ35により開放された中間圧油供給通
路29から背圧通路15ヘ供給される中間圧のオ
イルによつて、常時ベーン13先端圧よりも高い
ベーン背圧が付与される。従つて、ベーン13が
ロータ11の内周面から離間することはなく、運
転状態におけるベーンのチヤタリングが防止さ
れ、圧縮効率が低下することもない。
さらに、圧縮機が停止された直後においては、
第1バルブ35の前後端面に作用する第1差圧
ΔP1が第1設定値Pc1よりも小さくなる時期が、
第2バルブ36の前後端面に作用する第2差圧
ΔP2が第2設定値PC2よりも小さくなる時期より
も早いので、第2バルブ36が開放される以前に
第1バルブ35が閉鎖されて、油分離室7から背
圧溝28への中間圧力Piのオイルの移動が遮断さ
れる。従つて、フロントハウジング5に冷媒ガス
のチエツクバルブを設ける必要はなく、フロント
ハウジングの小型化を図ることができる。
又、圧縮機の停止直後は油分離室7の圧力も高
いので、高圧室Rdの圧力Pdが高く、第2バルブ
36もしばらくは閉鎖状態に保持され、油分離室
7から背圧通路15への高圧の冷媒ガスの逆流が
防止される。しかし、圧縮機の停止後は閉鎖状態
の第2バルブ36及び吐出弁22の細隙を経て冷
媒ガスが低圧の圧縮室16側へ徐々に流れるた
め、油分離室7、高圧室Rd、中間圧室Ri等の圧
力がバランスするので、圧縮機の停止後所定時間
が経過すると、第2バルブ36が開放され、次の
再起動に備えられる。
(実施例) 以下、この考案を具体化した一実施例を第1図
〜第9図について説明する。
第4,5図に示すように、楕円筒状中空部を有
するシリンダ1の両端面にはフロントサイドプレ
ート2及びリヤサイドプレート3が接合され、こ
れらによつてロータ収容用の楕円筒状空間が形成
されている。フロントサイドプレート2の前面に
は吸入室4を有するフロントハウジング5が設け
られている。フロントハウジング5の後面にはシ
リンダ1及びリヤサイドプレート3を包蔵するよ
うにリヤハウジング6が接合され、その後部には
リヤサイドプレート3と協動して油分離室7が形
成されている。
前記フロントサイドプレート2及びリヤサイド
プレート3の中心部に貫設した軸孔2a,3aに
は、回転軸8がラジアルニードルベアリング9及
びラジアルプレーンベアリング10により支持さ
れており、同回転軸8に嵌合固定されたロータ1
1がシリンダ1の楕円筒状中空部内に収容され、
三ケ月状をなす一対の作動室12が形成されてい
る。(第5図参照) 前記ロータ11の円周上には全幅にわたつて複
数個(この実施例では5個の場合を示す)のベー
ン13を摺動可能に嵌合するベーン溝14が所要
深さをもつて形成され、同ベーン溝14の内端部
にはベーン13の内端面に中間圧力のオイル及
び/又は吐出圧相当の冷媒ガスによる背圧を付与
してベーン13をシリンダ1の内周面1aに圧接
するための背圧通路15が形成されている。
前記一対の作動室12は前記ベーン13により
それぞれ複数の圧縮室16に区画形成され、同圧
縮室16はフロントサイドプレート2とシリンダ
1とに貫設された吸入通路17及び吸入口18に
よつて前記吸入室4と連通されている。又、圧縮
室16はシリンダ1に形成した吐出口19を介し
て、シリンダ1とリヤハウジング6との間に形成
した吐出室20と連通され、さらに、同吐出室2
0はリヤサイドプレート3に形成した連通孔21
を介して前記油分離室7と連通されている。
図中22は吐出弁、23はリテーナ、25は前
記リヤサイドプレート3の背面に嵌合したプレー
ンベアリング10のカバーである。
前記リヤサイドプレート3には前記プレーンベ
アリング10を囲繞するように環状通路3bが形
成され、同通路3bと油分離室7の底部はリヤサ
イドプレート3及びカバー25に形成した油通路
26により連通されている。又、フロントサイド
プレート2とリヤサイドプレート3のロータ11
側摺接面には、第3図及び第2図に示すようにロ
ータ11の軸線方向から見て円弧状をなす背圧溝
27,28がそれぞれ二箇所に刻設され、それら
は圧縮行程初期から中期の前記背圧通路15と連
通するように設けられている。フロント側の背圧
溝27は第3図に示すように互いに独立してお
り、リヤ側の背圧溝28は第2図に示すようにリ
ヤサイドプレート3の軸孔3aの内周縁に切り欠
き形成した細溝3cにより互いに連通され、同背
圧溝28及び細溝3cは軸孔3aにより前記プレ
ーンベアリング10の細隙と連通されている。そ
して、この実施例では前記油通路26、環状通路
3b、プレーンベアリング10の細隙及び軸孔3
a等により、油分離室7から吐出圧のオイルを前
記背圧溝28へ中間圧に減圧して供給するための
中間圧油供給通路29を構成している。この中間
圧油供給通路29は前記油通路26の途中に配設
された後述するスプール型の第1バルブ35によ
り開閉されるようにしている。そして、第1バル
ブ35の開放時には前記中間圧油供給通路29に
より油分離室7から中間圧に減圧されたオイルが
背圧通路15へ供給され、ベーン13が突出(シ
リンダ1の内周面1aに圧接する)方向に付勢さ
れるようにしている。
前記カバー25とリヤサイドプレート3には前
記油分離室7の上部ガス雰囲気空間と前記背圧溝
28とを環状通路3b及びベアリング10の細隙
を経ないで直接連通する高圧ガス供給通路30が
形成されている。前記カバー25内に形成された
高圧ガス供給通路30の途中には後述するスプー
ル型の第2バルブ36が配設され、必要に応じて
同供給通路30を閉鎖し得るようにしている。そ
して、第2バルブ36の開放時には油分離室7か
ら高圧ガス供給通路30を経て背圧溝28へ吐出
圧相当の冷媒ガスがそのまま供給され、ベーン背
圧を高めるようにしている。
次に、第1図、第2図及び第4図に基づいて、
第1バルブ35及び第2バルブ36を説明する。
前記カバー25の下部には第1バルブ室33及
び第2バルブ室34が直列に形成され、第1バル
ブ室33には第1バルブ35が、第2バルブ室3
4には第2バルブ36がそれぞれ往復動可能に収
容されている。又、前記第1バルブ室33は第1
バルブ35により低圧室Rsと中間圧室Riとに区
画形成され、低圧室Rsはカバー25及びリヤサ
イドプレート3に形成した連通路37により吸入
通路17と連通され、同低圧室Rsには第1バル
ブ35を閉鎖位置へ付勢するための第1バネ38
が収容されている。さらに、前記第2バルブ室3
4は第2バルブ36により前記中間圧室Riと高
圧室Rdとに区画形成され、中間圧室Ri内には第
2バルブ36を開放方向へ付勢するための第2バ
ネ39が収容されている。そして、高圧室Rdは
油分離室7の上部と連通する高圧ガス供給通路3
0と連通され、前記中間圧室Riは高圧ガス供給
通路30により背圧溝28と連通されている。な
お、前記第2バルブ室34の端部にはキヤツプ4
0及びサークリツプ41が取着されている。
前記第1バルブ35の外周には中間圧油供給通
路29を開放する環状溝35aが形成され、第2
バルブ36には高圧ガス供給通路30を開放する
通路36aが貫設されている。そして、前記第1
バルブ35の前端(第6図右端)に作用する中間
圧室Riの中間圧力Piと、第1バルブ35の後端
(第6図左端)に作用する第1バネ38の押圧力
に低圧室Rsの圧力を加えた圧力、つまり低圧力
Psとの第1差圧ΔP1(以下単に第1バルブ35の
前後端面に作用する第1差圧という)が第1設定
値PC1よりも大きくなると、第1バルブ35が開
放位置に移動されるようにしている。又、前記第
2バルブ36の前端(第6図右端)に作用する高
圧室Rdの高圧力Pdと、第2バルブ36の後端
(第6図左端)に作用する第2バネ39の押圧力
に中間圧室Riの圧力を加えた圧力、つまり、中
間圧力Piとの第2差圧ΔP2(以下単に第2バルブ
36の前後端面に作用する第2差圧という)が第
2設定値PC2よりも大きくなると、第2バルブ3
6が閉鎖位置に移動されるようにしている。
一方、第2,4図に示すように前記リヤサイド
プレート3には一端を前記環状通路3bに開口
し、他端を前記一対の背圧溝27,28の間、つ
まりベーン13が圧縮行程末期に入つて背圧通路
15が閉じ込まれる区間(以下単に閉じ込み区間
Dという)の中央部において、前記ロータ11に
設けた背圧通路15の回転軌跡と干渉しない位置
に、かつロータ11のリヤ側摺接面に常時開口す
る油通路3dが貫設されている。そして、この実
施例では前記油通路26、環状通路3b及び油通
路3dにより、第1バルブ35の開放時に油分離
室7の底部から吐出圧相当のオイルをリヤサイド
プレート3とロータ11の摺接面間に供給するた
めの高圧油供給通路42を構成している。この高
圧油供給通路42は油分離室7からの吐出圧相当
のオイルをリヤサイドプレート3とロータ11と
の摺接面間に供給して潤滑を行うと共に、一部の
オイルを背圧溝28へ供給し、残りのオイルを圧
縮行程末期に同高圧油供給通路42に接近した背
圧通路15へ供給して、ベーン13の背圧を高め
るようにしている。
なお、第3図及び第4図に示すように、フロン
トサイドプレート2には軸孔2aに近接してシー
ルリング43を係合する環状溝2bが刻設されて
いる。
次に、上記のように構成されたベーン型圧縮機
について、その作用を説明する。
第5図においてロータ11が矢印方向に回転さ
れると、各ベーン13は先端がシリンダ1の内周
面1aに摺接してロータ11と共に回転し、圧縮
室16を形成する一対のベーン13のうち先行す
るベーン13が吸入口18の始端を通過すると、
吸入口18から吸入室4内の冷媒ガスが同圧縮室
16内に流入する。
圧縮室16を形成する一対のベーン13のうち
後続のベーン13が吸入口18を通過し終わる
と、この圧縮室16では圧縮行程が始まり、前記
先行するベーン13が吐出口19を通過した後、
吐出行程となり、圧縮された冷媒ガスは圧縮差に
より吐出弁22を開き、圧縮室16から吐出口1
9を通つて吐出室20へ吐出される。そして、吐
出室20へ吐出された冷媒ガスは連通孔21から
油分離室7へ入り、ここで油分離部材(図示略)
により冷媒ガス中に含まれるオイルが分離されて
油分離室7の底部に貯留され、冷媒ガスは外部回
路に吐出される。
圧縮機の停止後長時間が経過した状態において
は、油分離室7、圧縮室16、低圧室Rs、中間
室Ri及び高圧室Rd等の圧力がバランスしている
ため、第1バルブ35の前後端面に作用する第1
差圧ΔP1が第1設定値PC1以下となり、第6図に
示すように第1バルブ35が閉鎖され、かつ第2
バルブ36の前後端面に作用する第2差圧ΔP2
第2設定値PC2以下となり、第2バルブ36が開
放される。
上記の停止状態でベーン型圧縮機が起動される
と、第2バルブ36が開放されているので、油分
離室7から高圧ガス供給通路30を経て高圧冷媒
ガスが直ちにベーン溝14へ供給される。この結
果、ベーン背圧が高くなり、ベーン13の先端が
シリンダ1の内周面1に適正に圧接され、起動直
後におけるチヤタリングが防止され、圧縮動作及
びロータ11とベーン13との摺動面等の潤滑が
冷媒ガス中に含まれるミスト状のオイルにより適
正に行なわれる。
又、ベーン型圧縮機の起動直後、高圧の冷媒ガ
スは中間圧室Riの中間圧力Piを急激に高めるた
め、前記第1バルブ35の前後端面に作用する第
1差圧ΔP1が第1設定値PC1よりも大きくなつて
第1バルブ35が第7図に示すように開放され、
中間圧油供給通路29が開放される。この結果、
背圧通路15に中間圧のオイルが供給されベーン
背圧が高められると共に、これと並行して高圧油
供給通路42から高圧のオイルがリヤサイドプレ
ート3の前面とロータ11の後端面との摺動面を
潤滑しながらその細隙及び背圧溝28を経て背圧
通路15へ供給される。又、高圧油供給通路42
からのオイルの一部は、閉じ込み区間Dに位置す
る背圧通路15に供給され、この結果、背圧通路
15が背圧溝28と対応する位置にあるときも、
又、閉じ込み区間Dにあるときも背圧通路15の
圧力が適正に保持される。
圧縮機の起動後、所定時間が経過して、油分離
室7内の圧力が上昇して高圧室Rdの圧力が上昇
すると、第2バルブ36の前後端面に作用する第
2差圧ΔP2が第2設定値PC2よりも大きくなり、
この結果、第8図に示すように第2バルブ36が
閉鎖されて高圧の冷媒ガスの背圧溝28への供給
が停止され、ベーン背圧の異常上昇を防ぐ。
このように第2バルブ36が閉鎖されても中間
圧室Riは背圧室28と連通されているので、中
間圧力Piはそれほど低下することはなく、従つ
て、第1バルブ35の前後端面に作用する第1差
圧ΔP1は依然として第1設定値PC1よりも大きい
状態に保持され、第1バルブ35は開放状態に保
持される。この結果、ベーン背圧はチヤタリング
防止及び動力軽減の両面からみて適正値に保持さ
れる。なお、前記第2バルブ36の閉鎖時におい
ては背圧溝28の残留冷媒ガスはロータ11とサ
イドプレート3との間隙から抜けるが、その分高
圧油供給通路42からオイルが背圧溝28に供給
されるので、中間圧力Piの低下率が少ない。
最後に、圧縮機が停止された直後においては、
中間圧室Riのガスが高圧ガス供給通路30、背
圧溝28、背圧通路15、ベーン溝14及びロー
タ11とベーン13との細隙を経て、低圧の圧縮
室16へ漏洩するので、第1バルブ35の前後端
面に作用する第1差圧ΔP1が第1設定値PC1より
も小さくなる時期が、第2バルブ36の前後端面
に作用する第2差圧ΔP2が第2設定値PC2よりも
小さくなる時期よりも早くなり、この結果、第9
図に示すように第2バルブ36が開放される以前
に第1バルブ35が閉鎖されて、油分離室7から
背圧溝28への中間圧力のオイルの移動が遮断さ
れる。従つて、フロントハウジング5にチエツク
バルブを設ける必要はなく、フロントハウジング
5の小型化が実現できる。
又、圧縮機の停止直後は油分離室7の圧力も高
いので、高圧室Rdの圧力Pdが高く、第2バルブ
36もしばらくは閉鎖状態に保持され、油分離室
7から背圧通路15への高圧の冷媒ガスの逆流が
防止される。しかし、圧縮機の停止後は閉鎖状態
の第2バルブ36及び吐出弁22の細隙を経て冷
媒ガスが低圧の圧縮室16側へ徐々に流れるた
め、油分離室7、高圧室Rd、中間圧室Ri等の圧
力がバランスするので、圧縮機の停止後所定時間
が経過すると、第6図に示すように第2バルブ3
6が開放され、次の再起動に備えられる。
なお、本考案は次のように具体化することも可
能である。
(1) 第1及び第2のバルブ35,36を図示しな
いが、球状のバルブにすること。
(2) 前記実施例ではリヤサイドプレート3とカバ
ー25に中間圧油供給通路29、高圧ガス供給
通路30、第1バルブ35及び第2バルブ36
等を設けたが、リヤサイドプレート3の背面を
膨出してそこに装着してもよい。
(考案の効果) 以上詳述したように、この考案は圧縮機の起動
時にはベーンのチヤタリングを防止して、圧縮効
率を向上することができると共に、圧縮機の停止
直後に中間圧油供給通路を停止して油分離室から
吸入室側へのオイルの逆流を防止し、起動時にお
ける液圧縮を抑制し、フロントハウジングへのチ
エツクバルブの設置を不要にして圧縮機を小型化
することができ、吸入冷媒ガスの抵抗を軽減し、
動力損失を抑制することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案を具体化したベーン型圧縮機
の要部断面図、第2図はリヤサイドプレートの正
面図、第3図はフロントサイドプレートの正面
図、第4図はベーン型圧縮機の中央部縦断面図、
第5図は同じくベーン型圧縮機の横断面図、第6
図〜第9図はそれぞれ第1バルブ及び第2バルブ
の作動状態を示す断面図、第10図は従来のベー
ン型圧縮機の中央縦断面図、第11図は同じく横
断面図である。 シリンダ……1、フロントサイドプレート……
2、リヤサイドプレート……3、ロータ……1
1、作動室……12、ベーン……13、ベーン溝
……14、背圧通路……15、圧縮室……16、
吸入口……18、吐出口……19、吐出室……2
0、連通孔……21、油通路……26、背圧溝…
…27,28、油通路26と環状通路3bとプレ
ーンベアリング10の細隙と軸孔3aとからなる
中間圧油供給通路……29、高圧ガス供給通路…
…30、第1バルブ室……33、第2バルブ室…
…34、第1バルブ……35、第2バルブ……3
6、第1バネ……38、第2バネ……39、低圧
室……Rs、中間圧室……Ri、高圧室……Rd、中
間圧力……Pi、高圧力……Pd、第1設定値……
PC1、第2設定値……PC2

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 吸入口18及び吐出口19を有する筒状のシリ
    ンダ1と、 このシリンダ1の前後両端面に接合固定された
    フロント及びリヤのサイドプレート2,3と、 前記シリンダ1内において作動室12を形成す
    るように回転軸8により回転可能に支持されたロ
    ータ11と、 前記ロータ11に形成された複数の半径方向の
    ベーン溝14内にそれぞれ摺動可能に挿入され、
    かつ前記作動室12を複数の圧縮室16に区画す
    るベーン13と、 前記シリンダ1及び両サイドプレート2,3を
    包蔵し、吸入室4、吐出室20及び該吐出室に連
    通する油分離室7を区画形成するハウジング5,
    6と、 前記リヤサイドプレート3のロータ側摺接面に
    刻設され、圧縮行程の初期から中期に至る間、前
    記ベーン溝14の底部に形成された背圧通路15
    に連通する背圧溝28と、 前記リヤサイドプレート3に形成され、かつ前
    記油分離室7のオイルを中間圧に減圧して前記背
    圧溝28に供給するための中間圧油供給通路29
    と、 前記油分離室7から前記背圧溝28へ該油分離
    室の冷媒ガスを供給するための高圧ガス供給通路
    30と を具備するベーン型圧縮機において、 前記中間圧油供給通路29の途中には第1バル
    ブ室33を設けて、第1バルブ35を往復動可能
    にかつ前記中間圧油供給通路29を開閉可能に収
    容し、前記第1バルブ室33を第1バルブ35に
    より前記吸入室4と連通する低圧室Rsと、前記
    背圧溝28に連通する中間圧室Riとに区画形成
    し、第1バルブ35を低圧室Rsに配設した第1
    バネ38により中間圧油供給通路29を閉鎖する
    ように付勢するとともに、前記高圧ガス供給通路
    30の途中には第2バルブ室34を設けて、第2
    バルブ36を往復動可能に、かつ前記高圧ガス供
    給通路30を開閉可能に収容し、前記第2バルブ
    室34を第2バルブ36により冷媒ガス雰囲気の
    油分離室7と連通する高圧室Rdと、前記背圧溝
    28に連通する中間圧室Riとに区画形成し、第
    2バルブ室36を中間圧室Riに配設した第2バ
    ネ39により高圧ガス供給通路30を開放するよ
    うに付勢したベーン型圧縮機。
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