JPH08124592A - 燃料電池 - Google Patents

燃料電池

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JPH08124592A
JPH08124592A JP6282750A JP28275094A JPH08124592A JP H08124592 A JPH08124592 A JP H08124592A JP 6282750 A JP6282750 A JP 6282750A JP 28275094 A JP28275094 A JP 28275094A JP H08124592 A JPH08124592 A JP H08124592A
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JP
Japan
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fuel gas
fuel
flow path
fuel cell
bridge
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JP6282750A
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Takeshi Takahashi
剛 高橋
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料を各単電池に均等に配流すると共に燃料
電池を小型化する。 【構成】 単電池を構成する集電極20の燃料ガス流路
24,26には流路を2分するブリッジ25等が形成さ
れており、燃料ガス流路34,36には流路を3分する
ブリッジ35A等が形成されている。燃料電池は、電解
質膜と2つガス拡散電極からなる発電層と、集電極20
とを、発電層を挟んで対峙する集電極20の燃料ガス流
路24と燃料ガス流路34が整合するよう積層してな
る。この積層により、燃料電池には、ブリッジ25等を
有する積層方向の燃料ガスの流路が形成される。この流
路に燃料ガスを流せば、ブリッジ25等により燃料ガス
の流れが乱され、各集電極20の通路29,39へ燃料
ガスが均等に配流される。ブリッジ25等により燃料ガ
ス流路24等付近の強度が向上するから、燃料ガス流路
24等と縁との間の肉厚tを薄くして燃料電池を小型に
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料電池に関し、詳し
くは単電池を積層してなる積層体を備えた燃料電池に関
する。
【0002】
【従来の技術】単電池を積層した積層体を備える燃料電
池では、燃料電池全体の運転効率を高くすると共に小型
化することが望まれている。燃料電池の運転効率を高く
するには、積層体を構成する単電池での電気化学反応が
効率良くかつ均等に行なわれる必要がある。このため、
積層体を構成する単電池に燃料を均等に配流する必要が
ある。
【0003】こうした燃料を単電池に均等に配流する燃
料電池としては、従来、積層体の積層方向に沿った側面
に取り付けられたマニホールドに整流板を設けたものが
提案されている(例えば、特開昭63−207056号
公報や実開昭64−9360号公報等)。これらの燃料
電池では、マニホールド内を積層体の積層方向に沿って
流れる燃料の積層方向の圧力分布を整流板により変化さ
せることで、燃料の流向から見て上流側に位置する単電
池への燃料の供給と下流側に位置する単電池への燃料の
供給とを均等なものとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の燃料電池では、マニホールド内に整流板を備えるた
め、小型化が困難であるという問題があった。また、各
単電池に燃料を均等に配流するためには、複数の整流板
を設ける必要があり構造が複雑になるという問題があっ
た。
【0005】また、こうしたマニホールド内に整流板を
設ける手法を、積層体に積層方向に貫通する燃料の供給
流路を形成したいわゆる内部マニホールドタイプの燃料
電池に適用すると、整流板の設置が困難になるという問
題があった。
【0006】本発明の燃料電池は、こうした問題を解決
し、燃料を各単電池に均等に配流すると共に燃料電池を
小型化することを目的とし、次の構成を採った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の燃料電池は、単
電池を積層してなる積層体を備えた燃料電池であって、
前記積層体の積層方向の燃料の供給流路を形成する貫通
孔を前記単電池に設けると共に、該供給流路の少なくと
も一部に前記燃料の流れを乱す構造体を設けてなること
を要旨とする。
【0008】ここで、前記燃料電池において、前記構造
体は、前記貫通孔を2以上の孔に分離する柱である構成
とすることもできる。また、前記燃料電池において、前
記積層体は、前記貫通孔の異なる位置に前記構造体を設
けた単電池を積層してなる構成とすることもできる。あ
るいは、前記燃料電池において、前記供給流路の入口付
近に前記構造体を設けた構成とすることもできる。さら
に、前記燃料電池において、前記供給流路の所定の箇所
に前記構造体を設けた構成とすることもできる。
【0009】
【作用】以上のように構成された本発明の燃料電池は、
単電池に設けられた貫通孔が、単電池を積層してなる積
層体の積層方向の燃料の供給流路を形成する。この供給
流路の少なくとも一部に設けられた構造体が、燃料の流
れを乱して各単電池への燃料の配流性を向上させる。
【0010】請求項2記載の燃料電池は、構造体を、貫
通孔を2以上の孔に分離する柱としたことにより、燃料
の流れを乱して各単電池への燃料の配流性を高める共
に、単電池の貫通孔付近の強度を高める。
【0011】請求項3記載の燃料電池は、貫通孔の異な
る位置に構造体を設けた単電池を積層することにより、
燃料の流れを十分に乱して、各単電池への燃料の配流性
を向上させる。
【0012】請求項4記載の燃料電池は、燃料の供給流
路の入口付近に構造体を設けることで、供給流路の入口
付近を構成する単電池への燃料の配流性を向上させる。
【0013】請求項5記載の燃料電池は、燃料の供給流
路の所定の箇所に構造体を設けることにより、供給流路
の所定の箇所付近を構成する単電池への燃料の配流性を
向上させる。ここで、所定の箇所とは、燃料の供給流路
のうち構造体を設けないと単電池への燃料の配流性が低
下する箇所またはその付近をいう。
【0014】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。図1は、本発明の好適な一実施例としての燃料
電池を構成する積層体10の構造を例示する説明図であ
る。図2は図1に示した積層体10の4−4線断面図、
図3は図2に示した積層体10の5−5線断面図であ
る。実施例の燃料電池は、固体高分子型燃料電池であ
り、図1ないし図3に示すように、電解質膜12と、こ
の電解質膜12を挟持してサンドイッチ構造を形成する
2つのガス拡散電極14と、このサンドイッチ構造を挟
持する2つの集電極20と、シール部材40とからなる
積層体10を備える。以下積層体10を構成する各部材
について説明する。
【0015】電解質膜12は、高分子材料、例えば、フ
ッ素系樹脂により形成された厚さ100μmないし20
0μmのイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝
導性を示す。2つのガス拡散電極14は、共に炭素繊維
からなる糸で織成したカーボンクロスにより形成されて
いる。このカーボンクロスの電解質膜12側の表面およ
び隙間には、触媒としての白金または白金と他の金属か
らなる合金等を担持したカーボン粉が練り込まれてい
る。この電解質膜12と2つのガス拡散電極14は、2
つのガス拡散電極14が電解質膜12を挟んでサンドイ
ッチ構造とした状態で、100℃ないし160℃好まし
くは110℃ないし130℃の温度で、1MPa{1
0.2kgf/cm2}ないし20MPa{204kgf/cm2
好ましくは8MPa{82kgf/cm2}ないし15MPa
{153kgf/cm2}の圧力を作用させて接合するホット
プレス法により接合されている。
【0016】図4は集電極20の外観を例示する斜視図
であり、図5は図4に示した集電極20の裏面から見た
斜視図である。図4および図5に示すように、集電極2
0は、カーボンを圧縮して緻密化しガス不透過とした緻
密質カーボンにより形成されている。集電極20のガス
拡散電極14と接触する面(積層面)は、正方形状に形
成されており、この面の四隅には、断面が円形の冷却水
孔22A〜22Dが形成されている。この冷却水孔22
A〜22Dは、積層体を形成した際、積層体を積層方向
に貫通する冷却水の流路を形成する。
【0017】冷却水孔22Aと冷却水孔22Bとの間に
は、2つの細長い孔24A,24Bとこの2つの孔24
A,24Bを分けるブリッジ25とからなる燃料ガス流
路24が形成されている。ブリッジ25の積層面の一方
の表面(図4の表示面)は、後述するリブ28とガス拡
散電極14とにより形成される燃料ガスの通路29の形
成面と一致するよう削られている。この燃料ガス流路2
4に対向する位置、即ち冷却水孔22Cと冷却水孔22
Dとの間には、燃料ガス流路を構成する2つの孔24
A,24Bおよびブリッジ25と同一形状の2つの孔2
6A,26Bおよびブリッジ27からなる燃料ガス流路
26が形成されている。図2の表示面の燃料ガス流路2
4と燃料ガス流路26との間には、この燃料ガス流路2
4,26が形成されていない辺(後述する燃料ガス流路
34,36が形成されている辺)と平行な複数のリブ2
8が形成されている。このリブ28は、ガス拡散電極1
4の表面と燃料ガス流路24と燃料ガス流路26とを結
ぶ燃料ガスの通路29を形成する。
【0018】冷却水孔22Bと冷却水孔22Cとの間に
は、3つの孔34A,34B,34Cとこの3つの孔3
4A,34B,34Cを分けるブリッジ35A,35B
とからなる燃料ガス流路34が形成されている。ブリッ
ジ35A,35Bの積層面の一方の表面(図5の表示
面)は、ブリッジ25と同様に削られている。この燃料
ガス流路34に対向する位置、即ち冷却水孔22Dと冷
却水孔22Aとの間には、燃料ガス流路34を構成する
3つの孔34A,34B,34Cおよびブリッジ35
A,35Bと同一形状の3つの孔36A,36B,36
Cおよびブリッジ37A,37Bからなる燃料ガス流路
36が形成されている。図3の表示面の燃料ガス流路3
4と燃料ガス流路36との間には、燃料ガス流路24,
26が形成されている辺と平行な複数のリブ38が形成
されている。このリブ38は、ガス拡散電極14の表面
とで燃料ガス流路24と燃料ガス流路26とを結ぶ燃料
ガスの通路39を形成する。
【0019】こうした電解質膜12とガス拡散電極14
と集電極20とを、シール部材40と共に積層して積層
体10を形成する。この際、電解質膜12および2つの
ガス拡散電極14を挟んで対峙する2つの集電極20
は、一方の集電極20の燃料ガス流路24に他方の集電
極20の燃料ガス流路34とが整合するように積層す
る。この結果、一方の集電極20の燃料ガス流路24と
他方の燃料ガス流路34とにより積層体10を積層方向
に貫通する燃料ガスの流路52が形成される(図1ない
し図3参照)。この流路52の内側には、図2に示すよ
うに、ブリッジ25およびブリッジ35A,35Bが交
互に形成される。このように積層体10を形成すること
により、積層体10の燃料ガスの流路52に対向する位
置には、図4および図5に示すように、一方の集電極2
0の燃料ガス流路34と他方の燃料ガス流路24とによ
りこの流路52と一対をなす燃料ガスの流路54が形成
される。なお、図4および図5には、図示する集電極2
0を一方の集電極20として流路52等を記載した。ま
た、積層体10には、一方の集電極20の燃料ガス流路
26と他方の集電極20の燃料ガス流路36とにより一
対の燃料ガスの流路56,58が形成される。この一対
の流路56,58も積層体10を積層方向に貫通し、対
向する位置となる。
【0020】こうして構成された積層体10の二対の燃
料ガスの流路のうちの一方の一対の流路(例えば流路5
2,54)を水素を含有する水素含有ガスの給排流路と
し、他の一対の流路(例えば、流路56,58)を酸素
を含有する酸素含有ガスの給排流路として、水素含有ガ
スおよび酸素含有ガスを流せば、電解質膜12および2
つのガス拡散電極14を挟んで対峙する燃料ガスの通路
29と通路39にそれぞれ水素含有ガスと酸素含有ガス
が流れ、各ガス拡散電極14に水素と酸素が供給され
て、次式に示す電気化学反応が行なわれ、化学エネルギ
が直接電気エネルギに変換される。
【0021】カソード反応(酸素極):2H++2e-
(1/2)O2→H2O アノード反応(燃料極):H2→2H++2e-
【0022】次に、積層体10の燃料ガスの流路52に
流れる燃料ガスの様子について説明する。図6は、燃料
ガスの流路52を流れる燃料ガスの様子を例示する説明
図である。図示するように、燃料ガスは、図中矢印で示
すように上方から下方へ流れるが、ブリッジ25やブリ
ッジ35A,35Bにより燃料ガスの流れが乱される。
このため、各単電池の図中表示面から裏面方向に形成さ
れる燃料ガスの通路29(図2参照)には、燃料ガスが
均等に配流される。
【0023】以上説明した実施例の燃料電池によれば、
集電極20の燃料ガス流路24,26,34,36にブ
リッジ25,27,35A,35B,37A,37Bを
設けることで、燃料ガスの流路52〜58内の燃料ガス
の流れを乱し、各単電池に形成された燃料ガスの通路2
9,39へ燃料ガスを均等に配流することができる。こ
の結果、各単電池を効率よく運転することができ、運転
効率の高い燃料電池とすることができる。
【0024】また、集電極20の燃料ガス流路24,2
6,34,36にブリッジ25,27,35A,35
B,37A,37Bを設けたので、ブリッジ25等を設
けないものに比して燃料ガス流路24等付近の強度を高
くすることができる。この結果、集電極20の縁と燃料
ガス流路24等との間の肉厚t(図1および図4参照)
を薄くすることができ、燃料電池を小型化することがで
きる。図7に、燃料ガスと外気との差圧Pとこの差圧P
に必要な肉厚tとの関係の一例を示す。図中曲線Aは実
施例の集電極20が示す差圧Pと肉厚tとの関係であ
り、曲線Bは燃料ガス流路にブリッジを設けない集電極
が示す差圧Pと肉厚tとの関係である。図示するよう
に、実施例の集電極20では、燃料ガス流路にブリッジ
を設けない集電極に比して肉厚tを薄くすることができ
る。なお、差圧Pと肉厚tとの関係は、集電極20の材
質,燃料ガス流路の形状,ブリッジの形状および数等に
より定まるものである。
【0025】このように実施例の燃料電池では、燃料ガ
ス流路24等付近の強度が高くなるので、集電極20の
燃料ガス流路24等の側部を開口して燃料ガスの供給口
または排出口を形成することもできる。この一例を図8
に示す。図8は、燃料ガスの供給口34Dおよび排出口
36Dを備えた集電極20Aの外観を例示する斜視図で
ある。集電極20Aは、孔34Aおよび孔36Aに供給
口34Dおよび排出口36Dが形成されていることを除
いて集電極20と同一の構成をしている。したがって、
同一の構成には、同一の符号を付し、その説明は省略す
る。図示するように、集電極20Aの燃料ガス流路34
を構成する孔34Aには燃料ガスの供給口34Dが形成
されており、燃料ガス流路36を構成する孔36Aには
燃料ガスの排出口36Dが形成されている。こうした集
電極20Aを積層体10の一部として積層すれば、積層
体10の積層方向に沿った側面の如何なる位置からでも
積層体10に燃料ガスを供給することができる。このた
め、燃料電池の設計の自由度を高めることができる。
【0026】実施例の集電極20では、燃料ガスの供給
側の流路と排ガスの排出側の流路の区別なくブリッジ2
5等を形成したので、積層体10を1種類の集電極20
で積層することができ、構成部材数を少なくすることが
できる。この結果、積層体10の積層も容易となる。な
お、燃料ガスの供給側の流路のみにブリッジ25等を形
成する構成も好適である。
【0027】実施例の燃料電池では、ブリッジ25等の
断面を図2および図6に示すように矩形としたが、いか
なる断面形状でもかまわない。例えば、図9に示すよう
に円形断面のブリッジ25Bおよびブリッジ35AB,
35BBとしてもよく、図10に示すように略流線形断
面のブリッジ25Cおよびブリッジ35AC,35BC
としてもよい。また、積層体10を構成する単電池の集
電極20のすべてのブリッジ25等を同一断面形状とし
たが、異なる断面形状のブリッジ25等が混在するもの
としてもよい。
【0028】実施例の集電極20では、燃料ガス流路に
は1つまたは2つのブリッジを形成したが、燃料ガス流
路に如何なる数のブリッジを形成してもかまわない。ま
た、実施例では、1種類の集電極20により積層体10
を形成したが、複数種類の集電極、例えば、燃料ガス流
路のブリッジの数が異なる集電極,ブリッジの断面形状
が異なる集電極,燃料ガス流路にブリッジが形成されて
いない集電極等を混在させて積層体を形成してもよい。
この一例を図11および図12に示す。図11は燃料ガ
スの流路のうち燃料ガスが供給される入口付近にのみブ
リッジの形成された集電極を積層してなる積層体10D
の燃料ガスの流路を示した説明図、図12は燃料ガスの
流路のうちの一部にのみブリッジの形成された集電極を
積層してなる積層体10Eの燃料ガスの流路を示した説
明図である。以下に、積層体10Eおよび積層体10D
について説明する。
【0029】積層体10Dは、図11に示すように、燃
料ガスの入口となる積層端に、集電極20に形成された
ブリッジ25と同一形状のブリッジ25Hが燃料ガス流
路に5つ形成された集電極20H,ブリッジの形成され
ていない集電極20E,ブリッジ25と同一形状のブリ
ッジ25Gが燃料ガス流路に4つ形成された集電極20
G,ブリッジの形成されていない集電極20D,ブリッ
ジ25と同一形状のブリッジ25Fが燃料ガス流路に3
つ形成された集電極20Fが、この順に積層されてお
り、この入口付近以外には、ブリッジの形成されていな
い集電極20Dが形成されている。このように積層され
た積層体10Dの燃料ガスの流路に燃料ガスを流せば、
ブリッジ25H等が形成された燃料ガスの入口付近での
燃料ガスの流れが乱されるから、この入口付近での各単
電池への燃料ガスの配流性を向上させることができる。
積層体10Dでは、燃料ガスの入口における燃料ガスの
流路の断面積を積層体中央部の流路に比して大きくして
いる。これは、ブリッジを形成したことによる断面積の
減少を回避するためであり、圧力損失を小さくするため
である。
【0030】積層体10Eは、図12に示すように、そ
の所定の箇所に、積層体10Dを構成した集電極20
F,集電極20Gおよびブリッジ25と同一形状のブリ
ッジ25Jが燃料ガス流路に5つ形成された集電極20
Jが、集電極20F,集電極20G,集電極20J,集
電極20G,集電極20Fの順に積層されており、所定
の箇所以外は、ブリッジが形成されていない集電極20
Dが積層されている。このように積層した積層体10E
の燃料ガスの流路に燃料ガスを流せば、ブリッジ25F
等が形成された所定の箇所付近での燃料ガスの流れが乱
されるから、この所定の箇所付近での各単電池への燃料
ガスの配流性を向上させることができる。積層体10E
でも、所定の箇所における燃料ガスの流路の断面積をそ
の他の箇所の流路に比して大きくしているが、これは、
積層体10Dと同様に、ブリッジを形成したことによる
断面積の減少の回避と圧力損失の防止のためである。
【0031】ここで、所定の箇所とは、ブリッジが形成
されていない集電極20Dのみで積層体10Eを積層し
た際に燃料ガスの配流性が低くなる箇所またはその前後
付近である。すなわち、配流性が低くなる箇所に集電極
20Dに代えてブリッジの形成された集電極20F等を
積層する場合と、その箇所の上流側または下流側の集電
極20Dに代えて集電極20F等を積層する場合であ
る。このような箇所に集電極20F等を積層することに
より積層体10Eを構成する各単電池への燃料ガスの配
流性を均等にすることができ、運転効率の高い燃料電池
にすることができる。なお、所定の箇所は、1箇所に限
られず複数でもよい。また、所定の箇所は、実験により
定めることができる。
【0032】次に本発明の第2の実施例の燃料電池につ
いて説明する。図13は、第2実施例の燃料電池を構成
する積層体110の構造を例示する説明図である。第2
実施例の燃料電池は、第1実施例の燃料電池と同様に固
体高分子型燃料電池であり、図示するように、電解質膜
12と、この電解質膜12を挟持してサンドイッチ構造
を形成する2つのガス拡散電極14と、このサンドイッ
チ構造を挟持する2つの集電極120と、シール部材4
0とを積層してなる積層体110を備える。電解質膜1
2,2つのガス拡散電極14およびシール部材40につ
いては、第1実施例の電解質膜12,ガス拡散電極14
およびシール部材40と同一なので、同一の符号を付
し、その説明は省略する。
【0033】図14は、集電極120の外観を例示する
斜視図である。図示するように、集電極120は、第1
実施例の集電極20と同様に緻密質カーボンにより形成
されており、その形状は、第1実施例の集電極20の4
つの燃料ガス流路24,26,34,36に相当する4
つの燃料ガス流路124,126,134,136を除
いて第1実施例の集電極20と同一の形状をしている。
すなわち、正方形の板状部材で、四隅には、断面が円形
の冷却水孔122A〜122Dが形成されている。ま
た、集電極120の一方の面には対向する燃料ガス流路
124と燃料ガス流路126とを結ぶ平行で複数のリブ
128が形成されており、他方の面には、リブ128と
直交するよう燃料ガス流路34と燃料ガス流路36とを
結ぶ平行で複数のリブ138が形成されている。このリ
ブ128,138は、ガス拡散電極14の表面とで、燃
料ガスの通路129,139を形成する。
【0034】集電極120に形成された4つの燃料ガス
流路124,126,134,136は、細長い貫通孔
として形成されている。この各燃料ガス流路124,1
26,134,136の長手方向の2つの内壁のうちリ
ブ128,138が形成されていない壁面には、リブ1
28,138が形成されていない面に沿って張り出した
梁125,127,135,137が形成されている。
【0035】この集電極120からなる積層体110に
形成される燃料ガスの流路に燃料ガスを流せば、図13
に示すように、燃料ガスの流れからみて燃料ガス流路1
24等に形成された梁125等の上流側は、燃料ガスに
押されて、開口している部分より正圧(図中+印)にな
る。この結果、燃料ガスは、図中矢印で示すように、燃
料ガスの通路129の入口側に押されるから、通路12
9への燃料ガスの配流性が向上する。
【0036】以上説明した第2実施例の燃料電池によれ
ば、集電極120の燃料ガス流路124等の燃料ガスの
通路129等が形成されない側の壁面に梁125等を形
成することにより、燃料ガスの通路129への燃料ガス
の配流性を向上させることができる。このため、効率の
良い燃料電池とすることができる。
【0037】次に本発明の第3の実施例の燃料電池につ
いて説明する。図15は、第3実施例の燃料電池を構成
する積層体210の構造を例示する説明図である。第3
実施例の燃料電池は、第1実施例および第2実施例の燃
料電池と同様に固体高分子型燃料電池であり、図示する
ように、電解質膜12と、この電解質膜12を挟持して
サンドイッチ構造を形成する2つのガス拡散電極14
と、このサンドイッチ構造を挟持する2つの集電極22
0と、シール部材40とを積層してなる積層体110を
備える。電解質膜12,2つのガス拡散電極14および
シール部材40については、第1実施例の電解質膜1
2,ガス拡散電極14およびシール部材40と同一なの
で、同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0038】図16は、集電極220の外観を例示する
斜視図である。図示するように、集電極220は、第2
実施例の集電極120と同様に緻密質カーボンにより形
成されており、その形状は、4つの燃料ガス流路22
4,226,234,236を除いて第2実施例の集電
極120と同一の形状をしている。集電極220の4つ
の燃料ガス流路224,226,234,236には、
第2実施例の集電極120の燃料ガス流路124等に形
成された梁125等と同一形状の梁225,227,2
35,237が、梁125等が形成された壁面と対向す
る壁面(リブ228が形成されている側の壁面)に形成
されている。
【0039】こうした集電極220からなる積層体21
0に形成される燃料ガスの流路に燃料ガスを流せば、図
15に示すように、燃料ガスの流れからみて燃料ガス流
路124等に形成された梁225等の下流側は、梁22
5等のより燃料ガスが遮られて、開口している部分より
負圧(図中−印)になる。この結果、燃料ガスは、図中
矢印で示すように、燃料ガスの通路229の入口側に引
き込まれるから、通路229への燃料ガスの配流性が向
上する。
【0040】以上説明した第3実施例の燃料電池によれ
ば、集電極220の燃料ガス流路224等の燃料ガスの
通路229等が形成された壁面に梁225等を形成する
ことにより、燃料ガスの通路229への燃料ガスの配流
性を向上させることができる。このため、効率の良い燃
料電池とすることができる。
【0041】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、例えば、燃料ガス流路24等に形成されたブリッジ
25等に代えて突出部を設ける構成、リン酸型燃料電池
に適用する構成など、本発明の要旨を逸脱しない範囲内
において、種々なる態様で実施し得ることは勿論であ
る。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明の燃料電池に
よれば、燃料の供給流路の少なくとも一部に設けられた
構造体が、供給流路における燃料の流れを乱すので、各
単電池への燃料の配流性を向上させることができる。こ
の結果、効率の良い燃料電池とすることができる。
【0043】請求項2記載の燃料電池によれば、構造体
として貫通孔を2以上の孔に分離する柱を形成したの
で、単電池の貫通孔付近の強度を高めることができる。
この結果、欠損などを防止することができ、燃料電池を
小型化することができる。もとより、供給流路における
燃料の流れを乱すので、各単電池への燃料の配流性を向
上させることができる。
【0044】請求項3記載の燃料電池によれば、貫通孔
の異なる位置に構造体を設けた単電池を積層するだけで
燃料の供給流路の燃料の流れを十分に乱して各単電池へ
の燃料の配流性を向上させることができるので、効率の
良い燃料電池を容易に組み付けることができる。
【0045】請求項4記載の燃料電池によれば、燃料の
供給流路の入口付近に構造体を設けることにより、燃料
の供給流路の入口付近を構成する単電池への燃料の配流
性を向上させることができる。
【0046】請求項5記載の燃料電池は、燃料の供給流
路の所定の箇所に構造体を設けることにより、供給流路
の所定の箇所付近を構成する単電池への燃料の配流性を
向上させることができる。この結果、効率の良い燃料電
池とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例としての燃料電池を構
成する積層体10の構造を例示する説明図である。
【図2】図1に示した積層体10の4−4線断面図であ
る。
【図3】図2に示した積層体10の5−5線断面図であ
る。
【図4】集電極20の外観を例示する斜視図である。
【図5】図4に示した集電極20の裏面から見た斜視図
である。
【図6】燃料ガスの流路52を流れる燃料ガスの様子を
例示する説明図である。
【図7】燃料ガスと外気との差圧Pと集電極20の燃料
ガス流路34側の肉厚tとの関係を例示するグラフであ
る。
【図8】燃料ガスの供給口34Dおよび排出口36Dを
備えた集電極20Aの外観を例示する斜視図である。
【図9】ブリッジを円形断面のとした集電極20Bによ
る燃料ガスの流路52を流れる燃料ガスの様子を例示す
る説明図である。
【図10】ブリッジを略流線形断面のとした集電極20
Cによる燃料ガスの流路52を流れる燃料ガスの様子を
例示する説明図である。
【図11】燃料ガスが供給される入口付近にのみブリッ
ジの形成された集電極を積層してなる積層体10Dの燃
料ガスの流路を示した説明図である。
【図12】燃料ガスの流路のうちの一部にのみブリッジ
の形成された集電極を積層してなる積層体10Eの燃料
ガスの流路を示した説明図である。
【図13】第2実施例の燃料電池を構成する積層体11
0の構造を例示する説明図である。
【図14】第2実施例の積層体110に用いられる集電
極120の外観を例示する斜視図である。
【図15】第3実施例の燃料電池を構成する積層体11
0の構造を例示する説明図である。
【図16】第3実施例の積層体210に用いられる集電
極220の外観を例示する斜視図である。
【符号の説明】
10…積層体 10D,10E…積層体 12…電解質膜 14…ガス拡散電極 20…集電極 20A〜20J…集電極 22A〜22D…冷却水孔 24,26,34,36…燃料ガス流路 24A,24B…孔 25,27,35A,35B,37A,37B…ブリッ
ジ 25B〜25J…ブリッジ 26A,26B…孔 28…リブ 29,39…通路 34A,34B,34C…孔 34D…供給口 35AB,35BB…ブリッジ 35AC,35BC…ブリッジ 36A,36B,36C…孔 36D…排出口 38…リブ 39…通路 40…シール部材 52〜58…流路 110…積層体 120…集電極 122A〜122D…冷却水孔 124,126,134,136…燃料ガス流路 125,127,135,137…梁 128,138…リブ 129,139…通路 138…リブ 210…積層体 220…集電極 224,226,234,236…燃料ガス流路 225,227,235,237…梁 228…リブ 229…通路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単電池を積層してなる積層体を備えた燃
    料電池であって、 前記積層体の積層方向の燃料の供給流路を形成する貫通
    孔を前記単電池に設けると共に、該供給流路の少なくと
    も一部に前記燃料の流れを乱す構造体を設けてなる燃料
    電池。
  2. 【請求項2】 前記構造体は、前記貫通孔を2以上の孔
    に分離する柱である請求項1記載の燃料電池。
  3. 【請求項3】 前記積層体は、前記貫通孔の異なる位置
    に前記構造体を設けた単電池を積層してなる請求項1ま
    たは2記載の燃料電池。
  4. 【請求項4】 前記供給流路の入口付近に前記構造体を
    設けた請求項1ないし3いずれか記載の燃料電池。
  5. 【請求項5】 前記供給流路の所定の箇所に前記構造体
    を設けた請求項1ないし3いずれか記載の燃料電池。
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