JPH0812436A - 炭化ケイ素質焼結体の製造方法 - Google Patents
炭化ケイ素質焼結体の製造方法Info
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- JPH0812436A JPH0812436A JP6149489A JP14948994A JPH0812436A JP H0812436 A JPH0812436 A JP H0812436A JP 6149489 A JP6149489 A JP 6149489A JP 14948994 A JP14948994 A JP 14948994A JP H0812436 A JPH0812436 A JP H0812436A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】炭化ケイ素と炭素からなる成形体に、金属ケイ
素、有機溶媒および有機バインダーからなり、前記金属
ケイ素100重量部に対して前記溶媒が20〜100重
量部、有機バインダーが0.5〜15重量部の割合で配
合されたペーストを塗布し、前記成形体中の炭素をすべ
てケイ化するのに必要なケイ素量よりも過剰なケイ素を
含浸させた後、1400〜1700℃の熱処理により前
記成形体中の気孔中に炭化ケイ素とケイ素を充填し緻密
化な炭化ケイ素質焼結体を得る。 【効果】大型品、複雑形状品でも短時間でSi含浸およ
び反応焼結およびさせることができ、焼結体にクラック
等の発生することなく優れた炭化ケイ素質焼結体を得る
ことができる。
素、有機溶媒および有機バインダーからなり、前記金属
ケイ素100重量部に対して前記溶媒が20〜100重
量部、有機バインダーが0.5〜15重量部の割合で配
合されたペーストを塗布し、前記成形体中の炭素をすべ
てケイ化するのに必要なケイ素量よりも過剰なケイ素を
含浸させた後、1400〜1700℃の熱処理により前
記成形体中の気孔中に炭化ケイ素とケイ素を充填し緻密
化な炭化ケイ素質焼結体を得る。 【効果】大型品、複雑形状品でも短時間でSi含浸およ
び反応焼結およびさせることができ、焼結体にクラック
等の発生することなく優れた炭化ケイ素質焼結体を得る
ことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭化ケイ素質焼結体の
製造方法に関し、詳細にはケイ素および炭素以外の成分
を含まない高純度の大型形状の焼結体を製造するに適し
た製造方法に関する。
製造方法に関し、詳細にはケイ素および炭素以外の成分
を含まない高純度の大型形状の焼結体を製造するに適し
た製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】炭化ケイ素質焼結体は、機械強度、高温強
度、硬度等に優れたセラミック材料として注目され、金
属に代わる各種の機械用部品への応用が進められてい
る。
度、硬度等に優れたセラミック材料として注目され、金
属に代わる各種の機械用部品への応用が進められてい
る。
【0003】その炭化ケイ素質焼結体としては、炭素と
ケイ素のみから構成される高純度炭化ケイ素質焼結体が
半導体製造用の治具としての応用が検討されている。
ケイ素のみから構成される高純度炭化ケイ素質焼結体が
半導体製造用の治具としての応用が検討されている。
【0004】従来、このような高純度の炭化ケイ素質焼
結体は、反応焼結法により製造されるものであり、炭素
粉末とバインダーより成る成形体、又は炭素粉末と炭化
ケイ素粉末とバインダーより成る成形体を100℃以上
の温度でバインダーを除去又は炭化させた後、金属ケイ
素の融点以上の温度で金属ケイ素の溶融体に接触させて
成形体の下部より溶融した金属ケイ素を吸い上げるか、
又は金属ケイ素の蒸気に曝して成形体中に蒸気により含
浸させ、成形体中の炭素と反応させて炭化ケイ素を生成
せしめる同時に焼成されている。
結体は、反応焼結法により製造されるものであり、炭素
粉末とバインダーより成る成形体、又は炭素粉末と炭化
ケイ素粉末とバインダーより成る成形体を100℃以上
の温度でバインダーを除去又は炭化させた後、金属ケイ
素の融点以上の温度で金属ケイ素の溶融体に接触させて
成形体の下部より溶融した金属ケイ素を吸い上げるか、
又は金属ケイ素の蒸気に曝して成形体中に蒸気により含
浸させ、成形体中の炭素と反応させて炭化ケイ素を生成
せしめる同時に焼成されている。
【0005】この方法では1900℃〜2300℃で焼
結させるホットプレス法や無加圧焼結法と比較して低温
で焼結させることができる。また、ホットプレス法や無
加圧焼結法が焼結時に15〜20%の寸法収縮を伴うの
に対して、反応焼結法では焼結時の寸法変化が1〜2%
以下である。このため反応焼結法は複合形状の大型焼結
体を得る方法として注目されている。
結させるホットプレス法や無加圧焼結法と比較して低温
で焼結させることができる。また、ホットプレス法や無
加圧焼結法が焼結時に15〜20%の寸法収縮を伴うの
に対して、反応焼結法では焼結時の寸法変化が1〜2%
以下である。このため反応焼結法は複合形状の大型焼結
体を得る方法として注目されている。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上記
成形体の下部から溶融金属ケイ素を含浸させる方法では
試料の形状が大きくなると完全に含浸および反応させる
のに時間がかかる。含浸処理後に含浸されずに残った溶
融ケイ素が冷却の際に固化するためSiとSiCとの熱
膨張率の差に起因する熱応力によって試料に割れが発生
するなどの問題があった。
成形体の下部から溶融金属ケイ素を含浸させる方法では
試料の形状が大きくなると完全に含浸および反応させる
のに時間がかかる。含浸処理後に含浸されずに残った溶
融ケイ素が冷却の際に固化するためSiとSiCとの熱
膨張率の差に起因する熱応力によって試料に割れが発生
するなどの問題があった。
【0007】又、蒸気によりケイ素を含浸させる方法
は、大型形状品への含浸においてケイ素蒸気量を増加さ
せるためには高い温度が必要となり、溶融金属ケイ素と
比較して単位時間当たりのケイ素を含浸させる量が少な
いため含浸に時間がかかる等の問題があった。
は、大型形状品への含浸においてケイ素蒸気量を増加さ
せるためには高い温度が必要となり、溶融金属ケイ素と
比較して単位時間当たりのケイ素を含浸させる量が少な
いため含浸に時間がかかる等の問題があった。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、大型
品、複雑形状品でも短時間でSi含浸と反応焼結が可能
な方法について検討したところ、炭化ケイ素および炭素
からなる成形体に対して金属ケイ素を含浸させる方法と
して、これまでの溶融金属ケイ素やケイ素の蒸気に代わ
り、金属ケイ素に溶媒と有機バインダーを混合して調製
したペーストをSiC成形体の表面に均一に塗り込むこ
とで上記欠点を解決するのに至った。
品、複雑形状品でも短時間でSi含浸と反応焼結が可能
な方法について検討したところ、炭化ケイ素および炭素
からなる成形体に対して金属ケイ素を含浸させる方法と
して、これまでの溶融金属ケイ素やケイ素の蒸気に代わ
り、金属ケイ素に溶媒と有機バインダーを混合して調製
したペーストをSiC成形体の表面に均一に塗り込むこ
とで上記欠点を解決するのに至った。
【0009】即ち、本発明の炭化ケイ素質焼結体の製造
方法は、炭化ケイ素と炭素からなる成形体に、金属ケイ
素、有機溶媒および有機バインダーからなり、前記金属
ケイ素100重量部に対して前記溶媒が20〜100重
量部、有機バインダーが0.5〜15重量部の割合で配
合されたペーストを塗布し、前記成形体中の炭素をすべ
てケイ化するのに必要なケイ素量よりも過剰なケイ素を
含浸させた後、1400〜1700℃の熱処理により前
記成形体中の気孔中に炭化ケイ素とケイ素を充填し緻密
化することを特徴とするものである。
方法は、炭化ケイ素と炭素からなる成形体に、金属ケイ
素、有機溶媒および有機バインダーからなり、前記金属
ケイ素100重量部に対して前記溶媒が20〜100重
量部、有機バインダーが0.5〜15重量部の割合で配
合されたペーストを塗布し、前記成形体中の炭素をすべ
てケイ化するのに必要なケイ素量よりも過剰なケイ素を
含浸させた後、1400〜1700℃の熱処理により前
記成形体中の気孔中に炭化ケイ素とケイ素を充填し緻密
化することを特徴とするものである。
【0010】以下、本発明を詳述する。本発明による炭
化ケイ素質焼結体の製造方法によれば、まず、炭化ケイ
素と炭素の成形体を作製する。この成形体は、例えば、
炭化ケイ素粉末と炭素粉末を所定の割合で混合する。炭
化ケイ素と炭素の重量比は炭化ケイ素が50〜98重量
%、炭素が2〜50重量%の割合からなることが望まし
い。これは、炭素量が2重量%より少ないと、試料内部
まで完全にSiを含浸させることが難しく、50重量%
より多いと未反応カーボンが残留するためである。
化ケイ素質焼結体の製造方法によれば、まず、炭化ケイ
素と炭素の成形体を作製する。この成形体は、例えば、
炭化ケイ素粉末と炭素粉末を所定の割合で混合する。炭
化ケイ素と炭素の重量比は炭化ケイ素が50〜98重量
%、炭素が2〜50重量%の割合からなることが望まし
い。これは、炭素量が2重量%より少ないと、試料内部
まで完全にSiを含浸させることが難しく、50重量%
より多いと未反応カーボンが残留するためである。
【0011】また、他の方法として炭化ケイ素に対して
上記炭素比率になるように、熱分解により炭素を生成す
るような有機樹脂を配合して成形した後に、500〜2
000℃の温度で熱分解させることにより成形体中に炭
素を生成させることもできる他、炭化ケイ素成形体また
はこれを仮焼した仮焼体を有機バインダーを溶解した溶
液中に浸漬して有機バインダー成分を含浸させて上記温
度で有機バインダーを熱分解させることによっても作製
することができる。この成形体は多孔質であり、開気孔
率で20〜50%程度であることが、この後の金属ケイ
素を含浸させる上で望ましい。
上記炭素比率になるように、熱分解により炭素を生成す
るような有機樹脂を配合して成形した後に、500〜2
000℃の温度で熱分解させることにより成形体中に炭
素を生成させることもできる他、炭化ケイ素成形体また
はこれを仮焼した仮焼体を有機バインダーを溶解した溶
液中に浸漬して有機バインダー成分を含浸させて上記温
度で有機バインダーを熱分解させることによっても作製
することができる。この成形体は多孔質であり、開気孔
率で20〜50%程度であることが、この後の金属ケイ
素を含浸させる上で望ましい。
【0012】次に、この成形体または熱処理後の成形体
に対して金属ケイ素(以下、Siという。)を含浸させ
る。本発明によれば、このSiの含浸をSiを含有する
ペースト(以下、Siペーストをいう場合がある。)を
用いて行う。用いるペーストの成分としては、Si以外
に適量の溶媒と有機バインダーを含むものである。溶媒
は、Si100重量部に対して20〜100重量部、望
ましくは25〜100重量部、更に望ましくは30〜5
0重量部の量で配合される。この溶媒量が20重量部よ
り少ないと粘度が高すぎてペースト状にならず、成形体
に対して均一に塗布することが難しくなる。また、溶媒
量が100重量部より多くなると、塗布したペーストを
乾燥させる時にクラックが生じ、成形体表面から塗布し
たSiが剥離するためである。
に対して金属ケイ素(以下、Siという。)を含浸させ
る。本発明によれば、このSiの含浸をSiを含有する
ペースト(以下、Siペーストをいう場合がある。)を
用いて行う。用いるペーストの成分としては、Si以外
に適量の溶媒と有機バインダーを含むものである。溶媒
は、Si100重量部に対して20〜100重量部、望
ましくは25〜100重量部、更に望ましくは30〜5
0重量部の量で配合される。この溶媒量が20重量部よ
り少ないと粘度が高すぎてペースト状にならず、成形体
に対して均一に塗布することが難しくなる。また、溶媒
量が100重量部より多くなると、塗布したペーストを
乾燥させる時にクラックが生じ、成形体表面から塗布し
たSiが剥離するためである。
【0013】用いられる溶媒としては、イソプロピルア
ルコール(IPA)、エタノール、メタノール、アセト
ンなどが挙げられるが、これらの中でもIPAがSiの
分散性の点で最もよい。
ルコール(IPA)、エタノール、メタノール、アセト
ンなどが挙げられるが、これらの中でもIPAがSiの
分散性の点で最もよい。
【0014】また、有機バインダーはSi100重量部
に対して0.5〜15重量部、望ましくは2〜10重量
部、更に望ましくは3〜7重量部の量で配合する。これ
は、バインダー量が0.5重量部より少ないとペースト
を塗布後乾燥させた後、Siが成形体表面から剥離し、
15重量部より多いとフェノール樹脂やアクリル系バイ
ンダーのように炭素が残留するものはこの炭素とSiが
反応して成形体中に含浸するSiが足りなくなり、反応
焼結が完全に進行しない。また、パラフィンワックスの
ように残留物の残らないものでも脱バイ工程のとき、塗
布したペーストが乾燥後に成形体より剥離するなどの支
障が生じる。
に対して0.5〜15重量部、望ましくは2〜10重量
部、更に望ましくは3〜7重量部の量で配合する。これ
は、バインダー量が0.5重量部より少ないとペースト
を塗布後乾燥させた後、Siが成形体表面から剥離し、
15重量部より多いとフェノール樹脂やアクリル系バイ
ンダーのように炭素が残留するものはこの炭素とSiが
反応して成形体中に含浸するSiが足りなくなり、反応
焼結が完全に進行しない。また、パラフィンワックスの
ように残留物の残らないものでも脱バイ工程のとき、塗
布したペーストが乾燥後に成形体より剥離するなどの支
障が生じる。
【0015】用いられる有機バインダーとしては、パラ
フィンワックス、アルリル系樹脂、フェノール樹脂、エ
ポキシ系樹脂などが挙げられ、これらの中でもフェノー
ル樹脂が乾燥後のハンドリング性の点で望ましい。
フィンワックス、アルリル系樹脂、フェノール樹脂、エ
ポキシ系樹脂などが挙げられ、これらの中でもフェノー
ル樹脂が乾燥後のハンドリング性の点で望ましい。
【0016】その他、Siペースト中には分散剤などを
必要に応じ少量配合することも可能である。
必要に応じ少量配合することも可能である。
【0017】そして、このSiペーストを前記炭化ケイ
素と炭素からなる成形体の表面に塗布する。塗布の方法
としては、ハケ塗りやペースト中に成形体を浸漬させて
塗布する方法などが挙げられるが、本発明はこれに限定
されるものでなく、ペーストを成形体の表面に被覆して
Siを担持させることができるものであれば、周知のあ
らゆる方法が採用できる。
素と炭素からなる成形体の表面に塗布する。塗布の方法
としては、ハケ塗りやペースト中に成形体を浸漬させて
塗布する方法などが挙げられるが、本発明はこれに限定
されるものでなく、ペーストを成形体の表面に被覆して
Siを担持させることができるものであれば、周知のあ
らゆる方法が採用できる。
【0018】なお、成形体の表面にSiペーストを塗布
すると自然に内部に含浸される場合もあるが、この時、
必ずしも内部までペースト自体を成形体の内部まで含浸
させる必要はない。この時に用いるペースト量は、成形
体中に含まれる炭素をすべてケイ化するに必要な量のS
i量に対して20〜200%程度多くのSiを含有する
ペーストを被覆する。これは、反応焼結により生成され
る余剰のSi分を焼結体の気孔中に充填させるためのも
のである。
すると自然に内部に含浸される場合もあるが、この時、
必ずしも内部までペースト自体を成形体の内部まで含浸
させる必要はない。この時に用いるペースト量は、成形
体中に含まれる炭素をすべてケイ化するに必要な量のS
i量に対して20〜200%程度多くのSiを含有する
ペーストを被覆する。これは、反応焼結により生成され
る余剰のSi分を焼結体の気孔中に充填させるためのも
のである。
【0019】このようにしてSiペーストを被覆した成
形体を真空又は非酸化性の雰囲気中でSiの融点以上の
温度、具体的には1400〜1700℃、特に1450
〜1600℃の温度で0.1〜4時間熱処理することに
よりペーストからの溶媒および有機バインダー成分の除
去とともに、ペースト中のSiが溶融し成形体中に浸透
し、成形体中の炭素と浸透したSiとの反応焼結が進行
する。反応焼結により生成された炭化ケイ素は成形体の
気孔に析出するが、さらに炭化ケイ素が析出した後の気
孔中にはSiペーストからの余剰のSi分が充填される
ことにより、全体として気孔のない緻密な焼結体を作製
することができる。
形体を真空又は非酸化性の雰囲気中でSiの融点以上の
温度、具体的には1400〜1700℃、特に1450
〜1600℃の温度で0.1〜4時間熱処理することに
よりペーストからの溶媒および有機バインダー成分の除
去とともに、ペースト中のSiが溶融し成形体中に浸透
し、成形体中の炭素と浸透したSiとの反応焼結が進行
する。反応焼結により生成された炭化ケイ素は成形体の
気孔に析出するが、さらに炭化ケイ素が析出した後の気
孔中にはSiペーストからの余剰のSi分が充填される
ことにより、全体として気孔のない緻密な焼結体を作製
することができる。
【0020】
【作用】本発明によれば、Siペーストを用いる結果、
炭化ケイ素と炭素からなる成形体のあらゆる箇所にペー
ストの塗布によりSiを担持させ、その後Siを溶融さ
せて含浸させることができるために、大型形状品や複雑
形状品のいずれに対してもSiの含浸を行うことができ
る。そのため、Siの含浸距離が短く含浸時間が短縮で
きるとともに、ケイ化時間も短縮できる。更にペースト
調製時のSi量を制御することにより、含浸させるSi
量を自由に調節できるため、炭素のケイ化あるいは気孔
中への充填に寄与することなく成形体の表面に残る余剰
Si量を少なくすることができることから、余剰のSi
の付着による成形体の割れを防ぐことができる。
炭化ケイ素と炭素からなる成形体のあらゆる箇所にペー
ストの塗布によりSiを担持させ、その後Siを溶融さ
せて含浸させることができるために、大型形状品や複雑
形状品のいずれに対してもSiの含浸を行うことができ
る。そのため、Siの含浸距離が短く含浸時間が短縮で
きるとともに、ケイ化時間も短縮できる。更にペースト
調製時のSi量を制御することにより、含浸させるSi
量を自由に調節できるため、炭素のケイ化あるいは気孔
中への充填に寄与することなく成形体の表面に残る余剰
Si量を少なくすることができることから、余剰のSi
の付着による成形体の割れを防ぐことができる。
【0021】
【実施例】純度99.9%以上のSi粉と、溶媒、バイ
ンダーを表1に示す割合で調合しSiペーストを調製し
た。一方、平均粒径0.3μm、純度99%以上のα−
SiC粉末と、炭素粉末を重量比で70:30の比率で
混合した後,その混合粉末に有機バインダーとしてフェ
ノール樹脂を添加し金型プレスにより1ton/cm2
の圧力で成形し、6×5×40mmの(SiC+C)成
形体を作製した。
ンダーを表1に示す割合で調合しSiペーストを調製し
た。一方、平均粒径0.3μm、純度99%以上のα−
SiC粉末と、炭素粉末を重量比で70:30の比率で
混合した後,その混合粉末に有機バインダーとしてフェ
ノール樹脂を添加し金型プレスにより1ton/cm2
の圧力で成形し、6×5×40mmの(SiC+C)成
形体を作製した。
【0022】そして、この成形体の表面に先に調製した
ペーストを成形体中に含まれる炭素をすべてSiC化さ
せるのに必要なSi量の150%相当量のSiを含むペ
ーストを塗布した後に100℃で3時間乾燥した。その
後、これを真空中で1500℃の温度で1時間処理し
た。処理後の成形体を切断し断面を観察した結果、成形
体中の炭素はすべてケイ化されており、気孔には金属ケ
イ素が充填されていた。
ペーストを成形体中に含まれる炭素をすべてSiC化さ
せるのに必要なSi量の150%相当量のSiを含むペ
ーストを塗布した後に100℃で3時間乾燥した。その
後、これを真空中で1500℃の温度で1時間処理し
た。処理後の成形体を切断し断面を観察した結果、成形
体中の炭素はすべてケイ化されており、気孔には金属ケ
イ素が充填されていた。
【0023】なお、ケイ化後に焼結体の密度をアルキメ
デス法に基づき測定した。その結果を表1に示した。
デス法に基づき測定した。その結果を表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】表1から明らかなように、本発明によれ
ば、適切な配合比で調製されたSiペーストを用いた本
発明品は、いずれも短時間でSiの含浸とケイ化を行う
ことができた。ただし、溶媒量や有機バインダー量が本
発明の範囲を逸脱する試料No.1、6、12、13は、
ペースト状にならなかったり、塗布乾燥後に剥離などが
生じた。
ば、適切な配合比で調製されたSiペーストを用いた本
発明品は、いずれも短時間でSiの含浸とケイ化を行う
ことができた。ただし、溶媒量や有機バインダー量が本
発明の範囲を逸脱する試料No.1、6、12、13は、
ペースト状にならなかったり、塗布乾燥後に剥離などが
生じた。
【0026】なお、比較のため、Si粉末をペレット状
に成形後に、その上に上記と同様の組成からなる6×5
×40mmの(SiC+C)成形体を置いて、真空中で
1500℃まで加熱してSiペレットを溶融させて成形
体中に含浸させて1時間ケイ化を行ったところ、反応焼
結体にクラックが発生していた。
に成形後に、その上に上記と同様の組成からなる6×5
×40mmの(SiC+C)成形体を置いて、真空中で
1500℃まで加熱してSiペレットを溶融させて成形
体中に含浸させて1時間ケイ化を行ったところ、反応焼
結体にクラックが発生していた。
【0027】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
Siペーストを用いて被覆した後にSiを溶融させて含
浸させるために、大型形状品や複雑形状品のあらゆる表
面からからもSiの含浸を行うことができるため、Si
の含浸距離が短く含浸時間が短縮できるとともに、ケイ
化時間も短縮できる。更に含浸させるSi量を任意に制
御できるために余剰のSi量の付着による成形体の割れ
を防ぐことができる。
Siペーストを用いて被覆した後にSiを溶融させて含
浸させるために、大型形状品や複雑形状品のあらゆる表
面からからもSiの含浸を行うことができるため、Si
の含浸距離が短く含浸時間が短縮できるとともに、ケイ
化時間も短縮できる。更に含浸させるSi量を任意に制
御できるために余剰のSi量の付着による成形体の割れ
を防ぐことができる。
Claims (1)
- 【請求項1】炭化ケイ素と炭素からなる成形体に、金属
ケイ素、有機溶媒および有機バインダーからなり、前記
金属ケイ素100重量部に対して前記溶媒が20〜10
0重量部、有機バインダーが0.5〜15重量部の割合
で配合されたペーストを塗布し、前記成形体中の炭素を
すべてケイ化するのに必要なケイ素量よりも過剰なケイ
素を含浸させた後、1400〜1700℃の熱処理によ
り前記成形体中の気孔中に炭化ケイ素とケイ素を充填し
緻密化することを特徴とする炭化ケイ素質焼結体の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6149489A JPH0812436A (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 炭化ケイ素質焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6149489A JPH0812436A (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 炭化ケイ素質焼結体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0812436A true JPH0812436A (ja) | 1996-01-16 |
Family
ID=15476276
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6149489A Pending JPH0812436A (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 炭化ケイ素質焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0812436A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004007401A1 (ja) | 2002-06-18 | 2004-01-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | 炭化ケイ素基複合材料とその製造方法、および炭化ケイ素基複合材料部品の製造方法 |
-
1994
- 1994-06-30 JP JP6149489A patent/JPH0812436A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004007401A1 (ja) | 2002-06-18 | 2004-01-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | 炭化ケイ素基複合材料とその製造方法、および炭化ケイ素基複合材料部品の製造方法 |
US7235506B2 (en) | 2002-06-18 | 2007-06-26 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Silicon carbide matrix composite material, process for producing the same and process for producing part of silicon carbide matrix composite material |
EP2336098A1 (en) * | 2002-06-18 | 2011-06-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Process for producing part of silicon carbide matrix composite material |
US8568650B2 (en) | 2002-06-18 | 2013-10-29 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Silicon carbide matrix composite material, process for producing the same and process for producing part of silicon carbide matrix composite material |
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