JPH08124187A - 位置制御装置 - Google Patents

位置制御装置

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JPH08124187A
JPH08124187A JP25664794A JP25664794A JPH08124187A JP H08124187 A JPH08124187 A JP H08124187A JP 25664794 A JP25664794 A JP 25664794A JP 25664794 A JP25664794 A JP 25664794A JP H08124187 A JPH08124187 A JP H08124187A
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tracking error
light
error signal
correction
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Application number
JP25664794A
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English (en)
Inventor
Akimasa Sano
晃正 佐野
Kenichi Kasasumi
研一 笠澄
Seiji Nishino
清治 西野
Yasuhiro Tai
康裕 田井
Katsuya Watanabe
克也 渡邊
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 情報記憶媒体1から2分割された光検出器
8、9で検出したトラッキング誤差信号を、各受光部か
らの信号の差を出力する差動演算回路24と、各受光部
からの信号を二つの無ピット部抽出回路22、23を介
して差信号を増幅する可変利得増幅回路26とに分離
し、差動演算回路24の出力信号から可変利得増幅回路
26の信号を引き、補正トラッキング信号として出力す
る差動演算回路からなり、情報記憶媒体がかわる毎に移
動手段11により集光手段を移動し、各位置で補正トラ
ッキング誤差信号を検出した信号の直流成分の変化が0
になるように可変利得増幅回路26の利得を調整する。 【効果】 トラッキング誤差信号のオフセットの低減、
偏心やそり等に追従して集光手段のみが移動しても安定
にトラッキング制御を行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光を用いて情報の記録
再生を行う情報入出力装置において、光を所望の位置に
集光する為に必要な制御信号を出力する位置制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】一連の情報がトラックを形成するように
記録された光ディスクや光カードなどの情報記憶媒体に
記録された情報を再生する際、光ビームが所望のトラッ
クの真上に集光するように制御をかける必要がある。こ
れをトラッキング制御という。トラッキング制御は、光
ビームの集光点とトラックとのズレを示すトラッキング
誤差信号を生成し、フィードバック制御により行われ
る。このトラッキング誤差信号を得る方法として、プッ
シュプル法がある。このプッシュプル法は、情報記憶媒
体から反射した光ビームの遠視野を光ビームの中心を通
りトラックの接線成分と平行な分割線で2分割された光
検出器で受光し、その分割された各領域から得られた信
号の差動をとる方法である。
【0003】ところが、光ディスクの偏心等に追従して
集光点をトラック上に保つ際、対物レンズを光源や光検
出器とは独立に動かす構成がとられる場合がある。この
場合、対物レンズが光検出器に対して移動すると、光検
出器上の光ビームの遠視野の位置が移動し、分割線は光
ビームの中心を通らない。また、光ビームと情報記憶媒
体が傾いた場合も、光検出器上の光ビームの位置が移動
する。これらの現象によりトラッキング誤差信号にオフ
セットが生じる。このようなトラッキング誤差信号にオ
フセットが生じると、光ビームの集光点がトラック上か
らずれたり(オフトラック)、所望のトラックを安定に
集光点が追従することができず、別のトラックに移動し
てしまい、安定な信号の再生が不可能になる。
【0004】上記の課題を解決する方法として、特公昭
62−60732号公報では、情報がピットの有無とし
て記録されている情報記憶媒体に対し、トラック上のピ
ット部のみのトラッキング誤差信号を抽出するピット部
トラッキング誤差抽出手段を具備する位置検出装置が開
示されている。この公報では、情報記憶媒体としての光
ディスクの傾きを考慮してその効果が述べられている。
この位置検出装置を用いると、対物レンズを独立に動か
して光ディスクの偏心に追従する場合にも、対物レンズ
が移動してもトラキング誤差信号にオフセットが生じに
くい。しかし、対物レンズシフトと光ディスクの傾きが
同時に起きる場合等には、トラッキング誤差信号に大き
なオフセットを生じ、安定なトラッキング制御の実現が
難しくなることがある。
【0005】特公昭64−5376号公報では、トラッ
キング誤差信号から、情報トラックの無ピット部のみの
トラッキング誤差信号を抽出し、トラッキングサーボル
ープ内に補正信号を挿入する位置検出装置が開示されて
いる。この公報では、ピット部のみのトラッキング誤差
信号と、無ピット部のトラッキング誤差信号で補正する
例について述べている。しかし、この公報では、無ピッ
ト部の信号からどのような補正信号を生成するかについ
ては述べられていない。
【0006】特公平4−47898号公報では、無ピッ
ト部の信号を生成して制御するトラッキング制御方法が
開示されている。ここでは、トラックの接線方向で2分
された光検出器から得た二つの信号の差動信号と、その
二つの信号から無ピット部の信号を生成してその差動信
号とを得、それらの差動信号により制御する。また、実
施例の中で無ピット部の差動信号に掛ける係数とピット
深さとの関係を式で与えている。しかし実際には、情報
記憶媒体のピットの深さは、情報記憶媒体毎にばらつき
があるが、その情報記憶媒体毎のピット深さに対応した
係数を得る方法について述べられていなく、また、ピッ
ト幅等の影響についてはふれていない。
【0007】特開昭60−170037号公報では、無
ピット部の差動信号と通常の差動信号とが1:2の比で
差信号をトラッキング誤差信号とすることにより、トラ
ッキング誤差信号のオフセットの低減をはかっている。
しかし、この比を一定にしてしまうと、情報記憶媒体の
ピット深さが異なる場合、トラッキング信号のオフセッ
トが十分に低減されず、実用的ではない。
【0008】実開昭62−26620号公報では、ピッ
ト部の差動信号から無ピット部の差動信号を減じること
で、光検出器上でのスポットの移動の影響を減少させて
いる。これも、ピット部の差動信号から無ピット部の差
動信号を減じるときの差動信号にかける係数を決める方
法については述べられていない。
【0009】特開平4−92221号公報では、対物レ
ンズに回折素子を固定し、回折素子はトラック接線方向
に2分された領域を有し、各領域は異なる光検出器に光
を導くように回折させることにより、対物レンズを独立
に移動させた場合も回折素子がそれと同時に移動する構
成の光情報再生装置が開示されている。この構成では対
物レンズが光源とは独立に移動しても、分割線の位置は
移動しない。しかし、例えば対物レンズから出射される
光ビームの中心付近の光強度と周辺での光強度との比が
大きい場合、光ディスクの偏心への対物レンズの追従に
よりトラッキング誤差信号にオフセットを生じる。特
に、書換可能な情報記憶媒体に情報を書き込む場合など
では、光源からの光を効率よく利用するため、取り込み
率を上げる必要があり、光ビームの中心付近と周辺との
光強度の比が大きくなる。従って、対物レンズが偏心に
追従して対物レンズ中心と光ビーム中心とが異なる場
合、情報記憶媒体の鏡面部で反射された光は、対物レン
ズ上で、対物レンズの中心を通りトラック接線方向に平
行な分割線で分割される左右の領域でその強さが異な
り、トラッキング誤差信号にオフセットを生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トラッ
キング誤差信号をプッシュプル法で得る場合、トラック
の接線と平行な分割線で分割された二つの領域を持つ光
検出器の各領域から得られる信号の差動信号、または、
光検出器の各領域から得られる信号からピット部の信号
を抽出した信号の差動信号の何れかをトラッキング誤差
信号とし、そのトラッキング誤差信号に、光検出器の各
領域から得られる信号から無ピット部の信号を抽出した
信号の差動信号にある係数を掛けた信号を減算し、トラ
ッキング誤差信号のオフセットを低減する場合の補正の
係数を一定にした場合、ピット深さ等の異なる情報記憶
媒体に対しては十分オフセットが低減されないという課
題があった。
【0011】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、トラッキング誤差信号のオフセットを低減する場合
の補正の係数を、情報記憶媒体に合わせて自動的に最適
に決定する位置制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の位置制御装置は、選択的にマークまたはスペ
ースの何れかを配置したトラックを有する情報記憶媒体
に、光源から出射された光を集光する集光手段と、前記
集光手段を前記情報記憶媒体の前記トラックと直交する
方向に移動する移動手段と、前記情報記憶媒体からの反
射光もしくは透過光の何れかを検出する光検出手段と、
前記光検出手段から得られる信号からトラッキング誤差
信号を生成するトラッキング誤差信号生成手段と、前記
光検出手段から得られる信号から補正信号を生成する補
正信号生成手段と、前記補正信号を用いて、前記トラッ
キング誤差信号を補正して出力する補正トラッキング誤
差信号生成手段とを具備する。
【0013】
【作用】本発明は上記の構成に下記3つの手段を組み合
わせることにより、情報記憶媒体の大きな偏心等に追従
して対物レンズが光源や光検出器とは独立に移動して
も、トラッキング誤差信号に発生するオフセットが小さ
くなる。
【0014】(1)情報記憶媒体がかわる毎に、補正ト
ラッキング誤差信号生成手段を調整する。
【0015】(2)情報記憶媒体がかわる毎に、移動手
段により集光手段をトラックとは直交する方向に移動
し、各位置での補正トラッキング誤差信号の直流成分の
変化が0となるように、補正トラッキング誤差信号生成
手段を調整する。
【0016】(3)情報記憶媒体がかわる毎に、フィー
ドバックループを開き、光検出器の各領域の信号の和信
号、または各領域のマーク部抽出回路からの出力信号の
和信号Tの平均値と、各領域の無マーク部抽出回路の出
力信号の和信号Mの平均値を求め、T/M,の商から予
め定められた関数により可変利得増幅回路の利得を決定
し、その後、フィードバックループを閉じる。
【0017】
【実施例】以下、図1〜図12を参照しながら、本発明
による位置制御装置の実施例について詳細に述べる。
【0018】(実施例1)本実施例の光学系と信号処理
系の構成図の一例を図1に示す。
【0019】図1ではモータ2により光ディスク1を回
転させる。情報記憶媒体としての光ディスク1には、情
報が凹凸のピットとして、同心円状または、らせん状に
記録されている。情報のピットの列は、トラックを形成
する。
【0020】半導体レーザ3から発した直線偏光の発散
光は、コリメータレンズ4により平行光となる。コリメ
ータレンズ4を出た光は、回折素子としての偏光異方性
ホログラム素子6を通る。偏光異方性ホログラム素子6
は、半導体レーザ3から光ディスク1に向かう光の偏光
方向には回折を生じないように配置する。
【0021】偏光異方性ホログラム素子6を経た光は、
λ/4板7により円偏光のビームとなり、対物レンズ5
により収束光となり、光ディスク1の情報記憶面上に集
光される。但し、対物レンズ5とλ/4板7と偏光異方
性ホログラム素子6は互いに固定されている。従って、
ディスクの偏心に追従して対物レンズが移動する際、λ
/4板7と偏光異方性ホログラム素子6も一体に移動す
る。これらは光源や光検出器とは独立に移動する。
【0022】光ディスク1の情報記憶面に記録された凹
凸と反射膜により回折、反射された光は、再び対物レン
ズ5を経て平行光となり、λ/4板7で半導体レーザ3
から出て偏光異方性ホログラム素子6へ向かう光とは9
0度偏光方向の異なる直線偏光の光となる。この光は偏
光異方性ホログラム素子6に入り回折されて、半導体レ
ーザ3から光ディスク1へ向かう光とは異なる光路を通
り、コリメータレンズ4を経て、光検出器8,9,10
に入射する。偏光異方性ホログラム素子6は、対物レン
ズの中心を通りトラック接線方向に平行な分割線で2つ
の領域に分割されており、各領域ので回折された光は、
それぞれ光検出器8,9に入射する。
【0023】なお、フォーカスの方法は、本発明の主旨
とははずれるので詳しい説明は省略するが、偏光異方性
ホログラム素子6で集光特性をそれぞれ変化させるよう
にした二つの集光スポットを作り、二つの集光スポット
の大きさの差を光検出器10で検出し、フォーカス誤差
信号を得ることができる。これはスポットサイズ法と呼
ばれる。
【0024】この誤差信号を位相補償後、駆動回路に入
力し、図示しないフォーカス方向のアクチュエータに入
力することにより、光ディスク1の面振れに追従して、
光ビームを情報記憶面上に集光することができる。
【0025】光検出器8,9から出力された信号は、各
々ピット部抽出回路20,21に入力され、ピットの存
在する部分の信号が抜き出される。具体的には、光検出
器8,9から得られる信号が、ピット部で小さく、無ピ
ット部で大きい場合、例えば図2に示すような検波回路
を極小値抽出回路として用いればよい。
【0026】図4に、このようにして得た極小値抽出回
路への入力波形45aと、出力波形45bの一例を示
す。横軸は時刻、縦軸は信号の強度である。45aのよ
うな信号が入力された場合、図4中太線で示される45
bのような信号が出力される。
【0027】図4に示したように、入力信号45aが出
力信号45bより小さい場合、出力信号45bは入力信
号45aと同じ強度となり、入力信号45aが出力信号
45bより大きい場合は、出力信号45bは図2中の+
Vに向かって変化する。また、光検出器8,9からの信
号は、各々無ピット部抽出回路22,23にも入力され
る。
【0028】一方、無ピット部抽出回路22,23で
は、光検出器8,9からの信号のピットのない部分の信
号を抽出する。その具体的な回路の一例を図3に示す。
これはピット部抽出回路とは極性が逆の検波回路を、極
大値抽出回路として用いる。
【0029】図5に、このようにして得た極小値抽出回
路への入力波形46aと、出力波形46bの一例を示
す。横軸は時刻、縦軸は信号の強度である。例えば46
aのような信号が入力された場合、図5中太線で示され
る46bのような信号が出力される。入力信号46aが
出力信号46bより大きい場合、出力信号46bは入力
信号46aと同じ強度となり、入力信号46aが出力信
号46bより小さい場合は、出力信号46bは図3中の
グランドレベルに向かって変化する。
【0030】このようにピット部抽出回路20,23か
ら出力された信号は、差動演算回路24に入力され、そ
の差信号が出力される。また無ピット部抽出回路22,
23から出力された信号は、差動演算回路25に入力さ
れ、その差動信号が出力される。
【0031】この差動演算回路25から出力された信号
は、可変利得増幅回路26に入力され所定のα倍され
る。差動演算回路24からの出力信号と可変利得増幅回
路26からの出力信号とは差動増幅回路27に入力さ
れ、その差信号が出力される。この差動演算回路27か
ら得られる信号が、補正後のトラッキング誤差信号であ
る。
【0032】また、光検出器8,9から出力された信号
は加算回路28に入力され加算される。これがRF信号
となる。この信号をもとに、光ディスク1に記録された
情報は再生される。
【0033】差動演算回路27から出力された信号は、
位相補償回路30で位相を補償される。位相補償回路3
0から出た信号は、スイッチ31を通り駆動回路32に
入力される。駆動回路30は、入力された信号をもとに
アクチュエータ11を駆動する電流を出力する。アクチ
ュエータ11は、対物レンズ5とλ/4板7と偏光異方
性ホログラム素子6とを、光ディスク1上のトラックと
は垂直な方向に移動させる。
【0034】また、差動演算回路27から出力された信
号は、演算回路40に入力される。演算回路40では、
入力された信号の交流成分の振幅TEppと、入力され
た信号の直流成分TEdcとを出力する。演算回路40
から出力されたTEppとTEdcとは制御回路41に
入力される。制御回路41は、内部にいくつかのメモリ
ーを持ち、スイッチ31、駆動回路32、移送台駆動回
路33を制御し、演算回路41の信号を受けて可変利得
増幅回路26の利得を決定する。
【0035】移送台駆動回路33は、対物レンズ5、ア
クチュエータ11、コリメータレンズ4、半導体レーザ
3、光検出器8、9及び10を乗せた移送台12を、光
ディスクの動径方向に移動させる。
【0036】次に、制御回路41が、どのように可変利
得増幅回路25の最適な利得αを決定するかを示す。本
実施例では、対物レンズをトラックとは直交方向に適当
な量移動したときのトラッキング誤差信号のオフセット
の発生量が、移動の両端でほぼ等しくなるように、補正
の係数を決める場合を採った。その際補正の係数を、初
期値の上限と下限から追い込んでいく。ここで、補正の
係数は、可変利得増幅回路26の利得αに相当する。
【0037】制御回路41は、利得αを決定する時、ま
ずスイッチ31を開放し、駆動回路32へ位相補償回路
30からの信号が入力されないようにし、フィードバッ
クループを開く。駆動回路32を制御回路41から直接
制御し、対物レンズを移動させる。また、移送台駆動回
路33を通じ移送台12をディスク内周に移動する。
【0038】図5に利得αの決定手順を示す。まず、処
理50でメモリー[α1]に利得αの下限0.0を代入
する。次に処理51で、メモリー[α2]に利得αの上
限1.0を代入する。処理52では、可変利得増幅回路
26の利得αをメモリー[α1]の値とする。
【0039】続いて、処理53では、対物レンズの中心
が、コリメータレンズからの光の光量中心に合う位置
(0μmの位置)に対物レンズを移動する。処理54で
は、この時のTEdcをメモリー[TEdc1]に代入
する。処理55で対物レンズを0μmの位置から+Xμ
mの位置に移動する。Xは、光ディスクの偏心が予測さ
れる程度の値で、例えばコンパクトディスク(CD)で
は、400μmから500μm程度を想定する。
【0040】処理56で、対物レンズの中心が、コリー
メータレンズからの光の光量中心から+Xμmずれた状
態で得られたTEdcとTEppを用いて(TEdc−
[TEdc1])/TEppを計算し、メモリー[OF
S1]に代入する。処理57で、対物レンズを0μmの
位置から−Xμmに移動する。
【0041】処理58で、この状態で得られたTEdc
とTEppを用い、(TEdc−[TEdc1])/T
Eppを計算し、メモリー[OFS2]に代入する。処
理59で可変利得増幅回路26の利得αと0.0を比較
し、等しければ処理60に移り、等しくなければ処理6
1に移る。
【0042】処理60は、このループの最初だけ通る例
外処理である。メモリー[ΔOFS]に、[OFS1]
−[OFS2]を代入する。処理60実行後は、処理6
4に移る。
【0043】処理61では、([OFS1]−[OFS
2])とメモリー[ΔOFS]の符号とを比較する。異
符号の場合、即ち([OFS1]−[OFS2])×
[ΔOFS]<0の時は、処理62に移る。同符号の場
合、即ち([OFS1]−[OFS2])×[ΔOF
S]>0の時は、処理63に移る。処理62では、利得
の上限[α2]に、現在の可変利得増幅回路26の利得
αを代入し、処理64に移る。処理63では、利得の下
限[α1]に、現在の可変利得増幅回路26の利得αを
代入し、処理64に移る。
【0044】処理64で、可変利得増幅回路26の利得
αを([α1]+[α2])/2とする。処理65で
は、利得の上限と下限の差[α2]−[α1]と利得決
定精度εとを比較する。[α2]−[α1]≦εであれ
ばαの最適化は終了し、処理66に移る。[α2]−
[α1]>εであれば処理53に移る。利得決定精度ε
は、要求される係数の精度に応じて決めるが、実用上、
利得αが5%程度の精度で決定できれば十分である。
【0045】処理66に抜けてきたときには、対物レン
ズが+Xμm移動した時と、対物レンズが−Xμm移動
した時とのトラッキング誤差信号のオフセットが、ほぼ
等しくなるような可変利得増幅回路26の利得αが得ら
れる。
【0046】次に、移送台12を光ディスクの外周に動
かし、同様に利得αを求め、内周と外周の平均値を、可
変利得増幅回路26の利得αとして固定する。最後にス
イッチ31を閉じることにより、フィードバックループ
を閉じ、トラッキングサーボをかける。
【0047】この方法で利得αを決定した場合、利得は
光ディスクをかけ替える毎に決め直すので常に最適な補
正がかかる。実際には、コンパクトディスク等では、ピ
ット深さや、ピット幅のばらついた光ディスクが使用さ
れている。ピット深さやピット幅が異なると、トラッキ
ング誤差信号のオフセットを補正する最適な係数は異な
る。
【0048】本実施例の構成で、対物レンズの開口数N
A=0.5,波長780nm,光ディスクとしてコンパ
クトディスクを仮定する。計算機シミュレーションによ
り求めると、ピット深さがλ/4に近い120nmの時
最適な係数はα=0.15程度、ピット深さがλ/5に
近い98nmの時最適な係数はα=0.30程度、ピッ
ト深さがλ/6に近い80nmの時最適な係数はα=
0.50程度等となる。
【0049】但し、これだけピット深さにより最適な係
数が変化すると、一つの係数でこれらを十分に補正する
ことは困難であることがわかる。この補正を用いた場
合、光ディスクの傾き±1.0度、対物レンズシフト±
400μmで、トラッキング誤差信号のオフセットは±
25%程度に抑えられる。一方、補正をしない場合オフ
セットは±140%程度発生するから、オフセットの発
生量は約5分の1に抑えられる。
【0050】また、本実施例では、対物レンズを所望の
量だけ移動し、その両端位置でのオフセットが等しくな
るように係数を決定したが、この方法で決定すると対物
レンズがその他の位置にある時でも、トラッキング誤差
信号のオフセットがその両端位置のオフセットと同程度
以内に保たれる。また、利得決定時に光ディスクと対物
レンズが傾いていても、その傾きでの最適な補正の係数
となるためトラッキング誤差信号のオフセットを低く抑
えることができ、安定したトラッキング制御を実現でき
る。
【0051】図7に、トラックと垂直方向に、光ディス
クと対物レンズとが1.0度傾いている時に、対物レン
ズのみが移動したときに発生するトラッキング誤差信号
のオフセットの一例を示す。補正の係数αが0の時、対
物レンズの移動に対し、大きなオフセットが発生し、そ
の発生量は対物レンズの移動方向で非対称になる。図7
で、正の方向に対物レンズが移動した場合よりも負の方
向に対物レンズが移動した場合の方が、オフセットの絶
対値は大きい。補正の係数αが0.2の時、補正は不十
分で、まだ大きなオフセットが発生する。補正の係数α
が0.4の時、発生するオフセットは比較的小さく、対
物レンズが移動してもほぼ一定に保たれる。補正の係数
αが0.5の時、対物レンズが正の方向に移動した場合
オフセットは更に小さくなるが、負の方向に対物レンズ
が移動した場合、同極性で絶対値の大きなオフセットが
発生する。
【0052】しかしながら、本実施例に示した手順で決
定すれば、補正の係数αは図7に示したα=0.4の状
態に収束する。従って、光ディスクの偏心に応じて対物
レンズのみが移動してもトラッキング信号に大きなオフ
セットがのることはない。
【0053】尚、本実施例では、ディスクのそり等を考
慮して、内周と外周で最適な補正の係数を求め、その平
均値を全体の補正係数としたが、ディスクのそり等が少
ない場合は、最初に一カ所で最適な補正の係数を決めそ
れを全体に適用してもよい、この場合係数決定に掛かる
時間を短縮できる。
【0054】また、逆に、ディスクに大きなそり等が考
えられる場合には、半径方向にいくつかのゾーンに分
け、ゾーン毎に最適な補正の係数を決めてメモリーに記
憶しておき、ゾーンが変わる毎に、そのゾーンに適した
係数をメモリーから読みだして補正する方法を用いても
よい。この場合、かなり大きな、ディスクのそりにも対
応できる。
【0055】尚、本実施例では利得αの決定時の下限と
上限の初期値を0.0と1.0としたが、利得αの収束
値が予めある程度分かっている場合には、この初期値の
範囲を小さくすることができる。その場合利得αを決定
するのにかかる時間を短縮することができる。
【0056】(実施例2)この実施例では、光学系及び
回路系の構成は実施例1と同じで、補正の係数の決定方
法が異なる例を上げる。すなわち、対物レンズの位置を
トラックとは直交する方向に移動したときに、補正の係
数を変えてトラッキング誤差信号のオフセット量をメモ
リーに蓄える。最後に、対物レンズ位置の両端のオフセ
ット発生量が等しくなる係数を求める。ここでも補正の
係数は、可変利得増幅回路26の利得に相当する。
【0057】図8に本実施例での利得α決定の手順を示
す。処理70から開始する。対物レンズの中心が、コリ
メータレンズからの光の光量中心に合う位置(0μmの
位置)に対物レンズを移動する。処理71に移り、カウ
ンター用メモリー[i]に0を代入し初期化する。
【0058】処理72に移り、可変利得増幅回路26の
利得αを[i]×0.1とする。その時のTEdcをメ
モリー[TEdc(i)]に代入する。メモリー[TE
dc(i)]は1次元の配列型メモリーである。(i)
は配列型メモリーのi番目のメモリーを指す。
【0059】次に処理73に移る。メモリー[i]がi
max以下であれば処理74に移り、[i]がimaxより大
きければ、処理75に移る。imaxは、利得の最適化を
する範囲の上限を決める。ここでは、αを[i]×0.
1としているから、imaxは10程度でよい。
【0060】処理74では、[i]を1だけ増加させ、
処理72に移る。処理75では、対物レンズを0μmの
位置から+Xμmだけ移動する。
【0061】処理76に移って、メモリー[i]に0を
代入し初期化する。処理77に移り、可変利得増幅回路
26の利得αを[i]×0.1とする。その状態のTE
dcとTEppとから、(TEdc−[TEdc
(i)])/TEppを計算し[OFS1(i)]に代
入する。メモリー[OFS1(i)]も1次元の配列型
メモリーである。
【0062】次に処理78に移る。メモリー[i]がi
max以下であれば処理79に移り、[i]がimaxより大
きければ、処理80に移る。処理79では、[i]を1
だけ増加させ、処理77に移る。処理80では、対物レ
ンズを0μmの位置から−Xμmだけ移動する。
【0063】処理81に移って、メモリー[i]に0を
代入し初期化する。処理82に移り、可変利得増幅回路
26の利得αを[i]×0.1とする。その状態のTE
dcとTEppとから、(TEdc−[TEdc
(i)])/TEppを計算し、[OFS2(i)]に
代入する。メモリー[OFS2(i)]も1次元の配列
型メモリーである。
【0064】次に処理83に移る。メモリー[i]がi
max以下であれば処理84に移り、[i]がimaxより大
きければ、処理85に移る。処理84では、[i]を1
だけ増加させ、処理82に移る。処理85では、メモリ
ー[i]に0を代入し初期化する。
【0065】処理86に移って、メモリー[ΔOFS]
に、[OFS1(i)]−[OFS2(i)]を代入す
る。処理87に移る。メモリー[i]が0ならば処理8
9に移り、0とは異なれば処理88に移る。なお、これ
は、このループの最初だけの例外処理のための分岐であ
る。処理89では、メモリー[ΔOFS1]に[ΔOF
S]の値を代入し、処理90に移る。処理90では、メ
モリー[i]の値を1だけ増加させ、処理86に移る。
【0066】処理88では、[ΔOFS]と[ΔOFS
1]との符号を比較する。[ΔOFS]と[ΔOFS
1]が同符号なら、即ち[ΔOFS]×[ΔOFS1]
>0ならば処理89に移る。[ΔOFS]と[ΔOFS
1]が異符号または等しければ、即ち[ΔOFS]×
[ΔOFS1]≦0ならば処理91に移る。処理91で
は利得αを補間により計算する。処理88から移るとき
の[i]を利用し、利得αを0.1×{[i]−1+
[ΔOFS1]/([ΔOFS1]−[ΔOFS])}
とする。処理91で、対物レンズが±Xμm移動した場
合にトラッキング誤差信号のオフセットがほぼ等しくな
るような利得αが得られる。
【0067】本実施例でも、最適な補間の係数を得るこ
とが出きるため、トラッキング誤差信号のオフセットの
低減には、第1の実施例に示したのと同程度の効果を得
ることが出きる。
【0068】本実施例では対物レンズ位置を保って、係
数を変化させて、その時のオフセットをメモリーに蓄
え、最後に補正係数を決定しているために、対物レンズ
の位置を移動する動作は3回でよく、第1の実施例より
少なくすることが出きる。
【0069】尚、本実施例はメモリーに蓄える時の係数
の間隔を0.1としたが、メモリーに余裕があれば、こ
の間隔を小さくすることができ、その場合補間による誤
差を小さくすることが出きる。また、この間隔を大きく
すれば、メモリーの容量を小さくできる。
【0070】尚、実施例1及び2では、対物レンズの移
動の原点(0μm)の位置を、対物レンズの中心がコリ
メータレンズからの光の光量中心に合う位置としたが、
この原点をアクチュエータに電流を流さないアクチュエ
ータフリーの位置としてもよい。但し、光量中心に合わ
せるためには、あらかじめ対物レンズ中心とコリメータ
レンズからの光の光量中心とが合う位置と、アクチュエ
ータフリーの位置とのズレを測定し、それを合わせるた
めにアクチュエータに流す電流量を決めておかなければ
ならない。実施例1及び2では、アクチュエータフリー
の位置を原点とし、そこから±Xμm対物レンズを移動
させて、補正の係数を決定しても、十分トラッキング誤
差信号のオフセットを低減できる。
【0071】(実施例3)光学系は実施例1及び2と同
じで、回路系の構成及び補正の係数の決定方法の異なる
例を示す。本実施例では、情報記憶媒体としての光ディ
スクがかけ替わる毎に、そのトラッキング誤差信号の変
調度を測定し、その値から補正の係数を計算して決定す
る。光学系と回路系の構成図を図9に示す。但し、本実
施例で実施例1及び2と共通の要素には同じ番号をつけ
る。
【0072】ピット部抽出回路20,21から得られた
信号は、差動演算回路24と入ると同時に加算回路10
1にも入力され、両入力の加算信号が出力される。ま
た、無ピット部抽出回路22,23から出力された信号
は、差動演算回路25に入力されると同時に加算回路1
02にも入力され、両入力の加算信号が出力される。
【0073】演算回路103は、加算回路101,10
2の出力信号を受け、それぞれの信号を平滑する。この
平滑の時定数は、トラッキングサーボをかけずに光ディ
スクを回転させて、偏心により光の集光点がトラックを
複数本横断する程度の時定数である必要がある。従っ
て、偏心の少ない光ディスク等を考慮すると、光ディス
クが一回転する程度の時間が必要である。平滑後の加算
回路101からの出力をT、平滑後の加算回路102の
出力信号をMとする。演算回路103は除算T/Mを実
行し、その商を出力する。
【0074】制御回路41は、利得αを決定する時、ス
イッチ31を開放し、フィードバックループを開き、駆
動回路32へ位相補償回路30からの信号が入力されな
いようにする。移送台駆動回路33を通じ、移送台をデ
ィスク内周に移動する。この状態で、演算回路93の出
力T/Mを得る。
【0075】実施例1で示した通り、最適な補正係数は
ピットの深さに影響されるが、T/Mの値もピット深さ
で変化する。実施例1と同様に、対物レンズの開口数N
A=0.5,波長780nm,光ディスクとしてコンパ
クトディスクを仮定する。
【0076】計算機シミュレーションにより求めると、
ピット深さがλ/4に近い120nmの時最適な係数は
α=0.15程度、T/M=0.45程度。ピット深さ
がλ/5に近い98nmの時最適な係数はα=0.30
程度、T/M=0.5程度。ピット深さがλ/6に近い
80nmの時最適な係数はα=0.50程度、T/M=
0.6程度であった。従ってこの場合、制御回路41
は、実験式α=2.3×(T/M)−0.87,として
補正の係数を決定する。
【0077】ピット幅が変わった場合も最適な係数αは
変化するが、T/Mの値も同時に変化し、その関係は、
ほぼ上の式を満たしている。従って、ピット幅の異なる
光ディスクでも最適な補正の係数を得ることが出きる。
実験式は各光ピックアップヘッド毎に、係数の調整が必
要となる可能性はあるが、製造時に一度調整すれば、あ
とはどのようなピットのディスクでも、トラッキング誤
差信号のオフセットを低減できる。
【0078】さらに、制御回路41は移送台12を光デ
ィスクの外周に移動し、同様に補正の係数を決める。内
周と外周の補正の係数の平均を取り、可変利得増幅回路
26の利得αをその値に制御する。補正の係数決定後、
スイッチ31を閉じ、フィードバックループを閉じ、ト
ラッキングサーボをかける。
【0079】本実施例でも、最適な係数を得ることが出
きるため、トラッキング誤差信号のオフセットを低減す
る効果は、実施例1及び2と同程度である。
【0080】本実施例を用いる場合、実施例1及び2に
比べ係数決定までにかかる時間を短縮することが出き
る。
【0081】(実施例4)光学系の構成は、実施例1及
び2と同じで、係数の決定方法の異なる例について述べ
る。回路系の構成を図10に示す。但し、実施例1及び
2と同様の働きをするものには同じ番号を付し、説明を
省略する。
【0082】演算回路105は、差動演算回路24及
び、25からの出力信号を受け、差動演算回路24の出
力信号の直流成分TEdc、差動演算回路24の出力信
号の振幅TEpp、差動演算回路25の出力信号の直流
成分TEcrを求め、出力する。制御回路41は、演算
回路105の出力信号を受け、補正の係数である可変利
得増幅回路26の利得αの決定動作を行う。
【0083】図11に本実施例で行なう利得αの決定手
順を示す。まず処理110で、対物レンズの中心が、コ
リメータレンズからの光の光量中心に合う位置(0μm
の位置)から+Xμmの位置に移動する。Xは、光ディ
スクの偏心が予測される程度の値で、例えばコンパクト
ディスク(CD)では、400μmから500μm程度
を想定する。
【0084】処理111で、対物レンズの中心が、コリ
ーメータレンズからの光の光量中心から+Xμmずれた
状態で得られたTEdcを、メモリー[TEdc1]に
代入し、TEppをメモリー[TEpp1]に代入し、
TEcrをメモリー[TEcr1]に代入する。
【0085】次に処理112で、対物レンズを0μmの
位置から−Xμmに移動する。処理113で、この状態
で得られたTEdcをメモリー[TEdc2]に代入
し、TEppをメモリー[TEpp2]に代入し、TE
crをメモリー[TEcr2]に代入する。続いて処理
114に移り、([TEdc2]×[TEpp1]−
[TEdc1]×[TEpp2])/([TEcr2]
×[TEpp1]−[TEcr1]×[TEpp2])
を計算し、これをαとする。
【0086】処理114では、対物レンズが+Xμm移
動した時と、対物レンズが−Xμm移動した時とのトラ
ッキング誤差信号のオフセットが、ほぼ等しくなるよう
な可変利得増幅回路26の利得αが得られる。
【0087】本実施例では、対物レンズの移動は2回で
よく、利得αの値の決定にかかる時間は非常に短い、ま
た計算上では係数は、実施例1の方法と同じ値になる。
従って係数決定の精度は、演算回路105に入る信号の
S/N比によって決まる。
【0088】また、本実施例では処理114でTEpp
の値も用いたが、TEppの変化が少ない場合には、こ
の式で、[TEpp1]と[TEpp2]の値を1.0
に固定した、簡略化した式で決定してもよい。
【0089】また、本実施例も実施例1及び2と同様、
対物レンズの中心がコリメータレンズからの光の光量中
心の位置とした原点は、アクチュエータフリーの位置を
原点とし、そこから±Xμm対物レンズを移動させて、
補正の係数を決定しても、十分トラッキング誤差信号の
オフセットを低減できる。
【0090】尚、ここで示した4つの実施例は、偏光異
方性ホログラム素子を用いて信号を得る構成を示した
が、もちろん通常の2分割の光検出器を用いて信号を得
る方法にも本発明は適用でき、この実施例に示したもの
と同程度の大きな効果が得られる。
【0091】(実施例5)本実施例では、トラッキング
のフィードバックループを開くことなく、補正の係数を
最適化する例を示す。本実施例の構成の一例を図12に
示す。但し、上記実施例1〜4と同様の働きのものには
同じ番号を付し、説明を省略する。
【0092】発振回路120は、所定の周波数f0の信
号を生成し出力する。発振回路120から出力された信
号は、スイッチ121を通り加算回路122に入力され
る。加算回路122は、スイッチ121を経た信号と位
相補償回路30からの出力信号とを加算し、アクチュエ
ータ駆動回路32に出力する。従って、スイッチ121
が閉じると、アクチュエータ11により移動される対物
レンズ系は、光ディスク1のトラックに追従しつつ、周
波数f0で微小振動する。
【0093】光検出8,9からの信号は、加算回路28
に入力され、その和が出力される。この和は、RFの再
生信号となる。
【0094】更に加算回路28から出力された信号は、
同期検波器123に入力される。同期検波器123に
は、発振回路120の出力信号のスイッチ121を経た
信号も入力され、二つの信号の同期検波が行われ、その
結果が出力される。制御回路41には同期検波器123
の出力が入力され、移送台駆動回路33と、スイッチ1
21を制御する信号を出力する。
【0095】制御回路41は、光ディスク1がかわると
トラッキング制御の補正の最適化動作を次の手順で行
う。
【0096】まず、トラッキングのフィードバックルー
プを閉じ、トラッキングをかける。制御回路41は、ス
イッチ121を閉じ、対物レンズ系をトラック方向にウ
ォブルさせる。更に移送台を強制的に移動し、対物レン
ズシフトが発生した状態を作る。この時、補正の係数が
適当でなければ、トラッキング誤差信号にはオフセット
が生じるから、トラッキング制御をかけたままではオフ
トラックが生じる。
【0097】オフトラックが生じると、加算回路28か
ら出力される信号は、ウォブルの周波数と同じ周波数成
分の変調をうける。この周波数成分は、同期検波器12
3により符号を含めて抜き出される。スポットがオフト
ラックした方向により、対物レンズ系に加えた信号と、
加算回路28からの出力信号が、同相成分を多く含んだ
り逆相成分を多く含んだりする。従って、同期検波器1
23の出力信号からオフトラックの極性が判断できる。
【0098】また、対物レンズ系が、オフトラックして
いないと、同期検波器123から出力される信号は0と
なる。スポットのオフトラックが大きくなるにつれ、同
期検波器123から出力される信号の絶対値は、大きく
なる。
【0099】制御回路41は移送台を移動した方向と、
発生したオフトラックの極性、および大きさからトラッ
キングのオフセットの方向を知ることができるから、補
正が過小か、過大かが判断でき、補正の係数である可変
利得増幅回路26の利得を最適な値に収束させることが
できる。
【0100】本実施例の場合、トラッキングのフィード
バックループは閉じたまま行えるので、光ディスクがか
けかわった直後のみでなく、通常の再生中の任意の時間
に補正係数の最適化を行うことができる。
【0101】尚、本実施例では、トラッキング誤差信号
は、ピット部抽出回路を通さずに差動をとったため、回
路系は簡素化できる。また、実施例1〜4のように、ピ
ット部抽出回路を用いてもよい。この場合、トラッキン
グ誤差信号の振幅が大きくなる。また、実施例1〜4で
ピット部抽出回路を用いない構成にしてもよい。
【0102】尚、本発明の実施例では光学系の構成で、
対物レンズと一体駆動される回折格子でトラッキング信
号の領域が分けられ、異なる光検出器に光を飛ばす構成
としたが、回折格子を用いず、対物レンズを経て返って
きた光を、2分割された領域を持つ光検出器で受光する
構成としてもよい。そのような構成の場合も、本発明に
より得られる効果は本実施例に述べた構成の効果と同程
度の効果が得られる。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、選択的に
マークまたはスペースの何れかを配置したトラックを有
する情報記憶媒体に、光源から出射された光を集光する
集光手段と、前記集光手段を前記情報記憶媒体の前記ト
ラックと直交する方向に移動する移動手段と、前記情報
記憶媒体からの反射光もしくは透過光の何れかを検出す
る光検出手段と、前記光検出手段から得られる信号から
トラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号
生成手段と、前記光検出手段から得られる信号から補正
信号を生成する補正信号生成手段と、前記補正信号を用
いて、前記トラッキング誤差信号を補正して出力する補
正トラッキング誤差信号生成手段とを具備し、情報記憶
媒体がかわる毎に、(1)トラッキング誤差信号のオフ
セットにあたる信号を見ながら補正の係数を決める、
(2)RF信号の平均値と、無ピット部信号の和の平均
値とから補正の係数を決める、の何れかの構成であるた
め、ピット深さの異なる情報記憶媒体にも対応すること
ができ、安定したトラッキング制御を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の光学系及び回路系の一構成
【図2】本発明の実施例1のピット部抽出回路の一構成
【図3】本発明の実施例1の無ピット部抽出回路の一構
成図
【図4】本発明の実施例1のピット部抽出回路の入力信
号と出力信号との関係の一例を示す図
【図5】本発明の実施例1の無ピット部抽出回路の入力
信号と出力信号との関係の一例を示す図
【図6】本発明の実施例1の制御回路の動作の一例を示
すフロ−図
【図7】本発明の実施例1の補正後のトラッキング誤差
信号のオフセットと補正係数の関係の一例を示す図
【図8】本発明の実施例2の制御回路の動作の一例を示
すフロ−図
【図9】本発明の実施例3の光学系及び回路系の一構成
【図10】本発明の実施例4の光学系及び回路系の一構
成図
【図11】本発明の実施例4の制御回路の動作の一例を
示すフロ−図
【図12】本発明の実施例5の光学系及び回路系の一構
成図
【符号の説明】
1 光ディスク 3 半導体レーザ 5 対物レンズ 6 偏光異方性ホログラム素子 7 λ/4板 8 光検出器 9 光検出器 10 光検出器 11 アクチュエータ 12 移送台 20 ピット部抽出回路 21 ピット部抽出回路 22 無ピット部抽出回路 23 無ピット部抽出回路 26 可変利得増幅回路 40 演算回路 41 制御回路 103 演算回路 105 演算回路 120 発振回路 123 同期検波器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田井 康裕 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 渡邊 克也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】選択的にマークまたはスペースの何れかを
    配置したトラックを有する情報記憶媒体に、光源から出
    射された光を集光する集光手段と、前記集光手段を前記
    情報記憶媒体の前記トラックと直交する方向に移動する
    移動手段と、前記情報記憶媒体からの反射光もしくは透
    過光の何れかを検出する光検出手段と、前記光検出手段
    から得られる信号からトラッキング誤差信号を生成する
    トラッキング誤差信号生成手段と、前記光検出手段から
    得られる信号から補正信号を生成する補正信号生成手段
    と、前記補正信号を用いて、前記トラッキング誤差信号
    を補正して出力する補正トラッキング誤差信号生成手段
    とを具備し、前記情報記憶媒体がかわる毎に、前記補正
    トラッキング誤差信号生成手段を調整することを特徴と
    する位置制御装置。
  2. 【請求項2】情報記憶媒体がかわる毎に、移動手段によ
    り集光手段をトラックとは直交する方向に移動して、補
    正トラッキング誤差信号生成手段を調整することを特徴
    とする、請求項1記載の位置制御装置。
  3. 【請求項3】情報記憶媒体がかわる毎に、移動手段によ
    り集光手段をトラックとは直交する方向に移動して、集
    光手段の移動前と移動後の、補正トラッキング誤差信号
    の直流成分の変化が0になるように前記補正トラッキン
    グ誤差信号生成手段を調整することを特徴とする、請求
    項2記載の位置制御装置。
  4. 【請求項4】補正トラッキング誤差信号生成手段は、補
    正信号を定数倍した第1の信号を出力する可変利得増幅
    回路と、トラッキング誤差信号から前記第1の信号を減
    算した第2の信号を出力する差動演算回路とからなり、
    前記可変利得増幅回路の利得を調整し、前記補正トラッ
    キング誤差信号生成手段を調整することを特徴とする、
    請求項1から3何れかに記載の位置制御装置。
  5. 【請求項5】光検出手段は、トラックと平行な分割線で
    少なくとも二つの領域に分かれており、トラッキング誤
    差信号生成手段は、前記光検出手段の前記二つの領域か
    らのそれぞれの信号の差動信号を、トラッキング誤差信
    号として出力する差動演算回路を少なくとも具備するこ
    とを特徴とする、請求項1から4何れかに記載の位置制
    御装置。
  6. 【請求項6】光検出手段は、トラックと平行な分割線で
    少なくとも二つの領域に分かれており、補正信号生成手
    段は、前記光検出手段の前記二つの領域からのそれぞれ
    の信号の無マーク部の信号を選択的に抜き出す二つの無
    マーク部抽出回路と、前記二つの無マーク部抽出回路の
    出力の差動信号を補正信号として出力する差動演算回路
    とを少なくとも具備することを特徴とする、請求項1か
    ら5何れかに記載の位置制御装置。
  7. 【請求項7】補正トラッキング誤差信号生成手段の出力
    信号の移動手段への接続を開閉するスイッチを具備し、
    集光手段と、光検出手段と、トラッキング誤差信号生成
    手段と、補正信号生成手段と、前記補正トラッキング誤
    差信号生成手段と、前記スイッチと、前記移動手段と
    は、フィードバックループを形成し、情報記憶媒体のト
    ラック上に光源から出射された光を集光するように前記
    移動手段により前記集光手段を制御し、前記情報記憶媒
    体がかわる毎に前記フィードバックループを開き、前記
    補正トラッキング誤差信号生成手段を調整し、その後、
    前記フィードバックループを閉じることを特徴とする、
    請求項1から6何れかに記載の位置制御装置。
  8. 【請求項8】選択的にマークまたはスペースの何れかを
    配置したトラックを有する情報記憶媒体に、光源から出
    射された光を集光する集光手段と、前記情報記憶媒体か
    ら反射した光を検出する少なくとも二つに分かれた光検
    出手段と、前記光検出手段の前記二つの領域からのそれ
    ぞれの信号の差動信号を、トラッキング誤差信号として
    出力するトラッキング誤差信号生成手段と、前記光検出
    手段の前記二つの領域からのそれぞれの信号の極大値を
    選択的に抜き出す二つの無マーク部抽出回路と、前記二
    つの無マーク部抽出回路の出力の差動信号を補正信号と
    して出力する差動演算回路Aを含む補正信号生成手段
    と、前記補正信号を定数倍した第1の信号を出力する可
    変利得増幅回路と、前記トラッキング誤差信号から前記
    第1の信号を減算した信号を出力する差動演算回路B
    と、前記光検出手段の前記二つの領域からのそれぞれの
    信号の和信号Tを出力する、第1の加算回路と、前記二
    つの無マーク部抽出回路の出力の和信号Mを出力する第
    2の加算回路と、前記差動演算回路Bの出力信号の前記
    移動手段への接続を開閉するスイッチとを具備し、前記
    集光手段と、前記光検出手段と、前記トラッキング誤差
    信号生成手段と、前記補正信号生成手段と、前記可変利
    得増幅回路と、前記差動演算回路Bと、前記スイッチ
    と、前記移動手段とは、フィードバックループを形成
    し、前記情報記憶媒体の前記トラック上に前記光源から
    出射された光を集光するように、前記第2の信号を受け
    た前記移動手段により前記集光手段を制御し、前記情報
    記憶媒体がかわる毎に前記フィードバックループを開
    き、TとMの平均値を求め、TをMで除した値から、所
    定の式を用いて前記可変利得増幅回路の利得を計算して
    決定し、その後、前記フィードバックループを閉じるこ
    とを特徴とする位置制御装置。
  9. 【請求項9】光検出手段はトラックと平行な分割線で少
    なくとも二つの領域に分かれており、トラッキング誤差
    信号生成手段は、前記光検出手段の前記二つの領域から
    のそれぞれの信号のマーク部の信号を選択的に抜き出す
    二つのマーク部抽出回路と、前記二つのマーク部抽出回
    路の出力の差動信号をトラッキング誤差信号として出力
    する差動演算回路とを少なくとも具備することを特徴と
    する、請求項1から8何れかに記載の位置制御装置。
  10. 【請求項10】光検出手段は少なくとも二つの領域に分
    かれており、集光手段と一体化して移動手段により移動
    される回折格子とを具備し、前記回折格子はトラックと
    平行な分割線で少なくとも二つの領域に分かれており、
    前記回折格子の各領域から回折された光は、前記光検出
    手段のそれぞれ異なる領域に入射することを特徴とす
    る、請求項1から9何れかに記載の位置制御装置。
  11. 【請求項11】情報記憶媒体上のマークは、光学的凸部
    もしくは、光学的凹部の何れかであることを特徴とす
    る、請求項1から10何れかに記載の位置制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7391682B2 (en) 2003-05-12 2008-06-24 Ricoh Company, Ltd. Optical disk system with improved signal regulation capability

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US7391682B2 (en) 2003-05-12 2008-06-24 Ricoh Company, Ltd. Optical disk system with improved signal regulation capability

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