JPH08123446A - 騒音キャンセルシステム - Google Patents

騒音キャンセルシステム

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JPH08123446A
JPH08123446A JP6264731A JP26473194A JPH08123446A JP H08123446 A JPH08123446 A JP H08123446A JP 6264731 A JP6264731 A JP 6264731A JP 26473194 A JP26473194 A JP 26473194A JP H08123446 A JPH08123446 A JP H08123446A
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望 斉藤
Tomohiko Ise
友彦 伊勢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 騒音伝搬系の伝搬特性h及びキャンセル音伝
搬系の伝搬特性cをオンラインで一意に決定する。 【構成】 騒音キャンセルコントローラ31による騒音
キャンセル制御と並行して、第1、第2の同定手段3
5,36はそれぞれ、騒音伝搬系32の伝搬特性h及び
キャンセル音伝搬系33の伝搬特性cを適応信号処理に
よりオンラインで同定する。この場合、第1の同定手段
35が騒音伝搬系32の伝搬特性hをK個のタップ係数
で特定するものとすると、騒音キャンセル信号を出力す
る適応フィルタ31bのタップ係数の数をK+1以上に
する。そして、係数制御部38はK+1番目以降の少な
くとも1つの係数が非零となるように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は Filered-X LMS(Least M
ean Square)アルゴリズムに基づいた適応信号処理によ
り騒音をキャンセルする騒音キャンセルシステムに係
り、特に、キャンセル音伝搬系の伝搬特性(伝達特性)
及び騒音伝搬系の伝搬特性をオンラインで同定して騒音
をキャンセルする騒音キャンセルシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】騒音と逆位相の騒音キャンセル音をスピ
−カから放射して騒音をキャンセルするアクティブノイ
ズ制御(ANC)が工場やオフィス等の室内空間、自動
車の車室内空間の騒音をキャンセルするために実用化さ
れている。図6はアクティブ制御により騒音を低減する
従来の騒音キャンセルシステムの構成図であり、自動車
のエンジン音を低減する場合である。11は騒音源であ
るエンジン、12はエンジン回転数Rを検出する回転数
センサ、13はエンジン回転数Rに応じた周波数を有す
る一定振幅の正弦波信号を参照信号xnとして発生する
参照信号発生部である。騒音源がエンジンの場合、エン
ジン回転により発生するノイズは周期性を有し、その周
波数はエンジン回転数に依存する。例えば、4気筒エン
ジンの場合、車室内に発生する周期性ノイズはエンジン
回転数の2次高調波が支配的であり、回転数が600r
pm(10rps)の時、車室内に発生するノイズの周
波数は20Hz、回転数が6000rpm(100rp
s)の時、車室内に発生するノイズの周波数は200H
zである。参照信号発生部13は、2次高調波の正弦波
データをROMに記憶しておき、そのデータを必要に応
じて読み出して出力することにより参照信号xnを生成
する。尚、このデータの読み出し/出力タイミングはエ
ンジン回転数Rに応じてコントロールされ、これにより
エンジン回転数Rに応じて発生する周期性ノイズの周波
数を有する参照信号が出力されるようになっている。
【0003】14は騒音キャンセルコントローラであ
り、参照信号発生部13から発生する参照信号xnを入
力されると共に、車室内の騒音キャンセル点(観測点で
あり例えば運転者の耳元近傍)における騒音Snとキャ
ンセル音Scnの合成音信号をエラ−信号enとして入力
され、該エラ−信号が最小となるようにFilered-X LMS
アルゴリズムに基づいた適応信号処理を行って騒音キャ
ンセル信号ynを出力する。騒音キャンセルコントロー
ラ14は、適応信号処理部14aと、デジタルフィルタ
構成の適応フィルタ14bと、参照信号xnにスピーカ
から騒音キャンセル点までのキャンセル音伝搬系の伝搬
特性(伝達関数)を畳み込んで適応処理用参照信号(フ
ィルタードリファレンス信号)unを作成するフィルタ
(フィルタードリファレンス信号作成用フィルタ)14
cを有している。15は適応フィルタ出力(騒音キャン
セル信号yn)をアナログの騒音キャンセル信号に変換
するDAコンバータ、16は騒音キャンセル信号を増幅
するパワ−アンプ、17は騒音キャンセル音Scnを放射
するキャンセルスピ−カ、18は騒音キャンセル点に配
置され、騒音Snとキャンセル音Scnの合成音を検出
し、合成音信号をエラ−信号enとして出力するエラ−
マイク、19はエラー信号enを増幅するアンプ、20
はエイリアスを除去するローパスフィルタ、20′はロ
ーパスフィルタ出力をデジタルに変換するADコンバー
タである。
【0004】適応信号処理部14aは騒音キャンセル点
におけるエラー信号enとフィルタ14cを介して入力
される処理用参照信号unを入力され、これら信号を用
いて騒音キャンセル点における騒音をキャンセルするよ
うに適応信号処理を行って適応フィルタ14bの係数を
決定する。例えば適応信号処理部14aは周知のFilere
d-X LMSアルゴリズムに従って、エラ−マイク18から
入力されたエラ−信号enのパワーが最小となるように
適応フィルタ14bの係数を決定する。適応フィルタ1
4bは適応信号処理部14aにより決定された係数に従
って参照信号x nにデジタルフィルタ処理を施して騒音
キャンセル信号ynを出力し、騒音をキャンセルする。
尚、参照信号xnは、消去したい騒音Snと相関の高い信
号でなくてはならず、参照信号と相関のない音は消去さ
れない。
【0005】適応フィルタ14bは図7に示すように、
FIR型デジタルフィルタで構成され、例えば、入力信
号を順次1サンプリング時間遅延する遅延要素DL,D
L・・・と、各遅延要素出力に係数w0n,w1n,w2n
・・w(N-1)nを乗算する乗算部ML,ML,・・・と、
各乗算部出力を順次加算する加算部AD,AD・・・で
実現される。尚、係数の数はタップ数という。現時刻n
・Tsにおける参照信号をxn、その時の各乗算部の係数
をw0n,w1n,w2n・・・w(N-1)n、出力(騒音キャン
セル信号)をynとすれば、適応フィルタ14bは次式 yn=Σwin・xn-i (i=0〜N-1) ・・(1) の演算を実行し、騒音キャンセル信号ynを出力する。
【0006】フィルタ14cは図8に示すように、FI
R型デジタルフィルタで構成され、例えば、入力信号を
順次1サンプリング時間遅延する遅延要素DL,DL・
・・と、各遅延要素出力に係数c0,c1,c2,・・・c
J-1を乗算する乗算部ML,ML,・・・と、各乗算部
出力を順次加算する加算部AD,AD・・・で実現され
る。係数c0,c1,c2・・・cJ-1は二次音伝搬系(キャン
セル音伝搬系:スピーカから観測点までの系)の伝搬特
性(伝達特性)を模擬するように決定されている。時刻
n・Tsにおける参照信号をxn、出力(信号処理用参照
信号)をunとすれば、信号処理フィルタ14cは次式 un=Σci・xn-i (i=0〜J-1) ・・(2) の演算を実行して信号処理用参照信号unを出力する。
【0007】適応信号処理部14aは、1サンプリング
時刻Ts後の次の時刻(n+1)・Tsにおける適応フィルタ
14bの係数w0n+1,w1n+1,w2n+1・・・w(N-1)n+1
を、現時刻n・Tにおける係数w0n,w1n,w2n・・・
(N-1)nとエラー信号enと適応処理用参照信号unを用
いて次式(係数更新式) wjn+1=wjn−∇n =wjn−2μ・un・en (3) により決定する(但し、j=0,1,・・・N-1)。(3)式
において、サフィックスnは現サンプリング時刻の値、
サフィックス(n+1)は1サンプリング時刻後の値、サフ
ィックス(n-1)は1サンプリング時刻前の値、サフィッ
クス(n-2)は2サンプリング時刻前の値、・・・を意味して
いる。又、μは適応フィルタの係数を更新するステップ
を決める定数(ステップサイズパラメータ)であり、騒
音キャンセルシステムに応じて適当な値に設定される。
【0008】エンジン11が回転すると、その回転数R
は回転数センサ12により検出され、参照信号発生部1
3はエンジン回転数Rに応じた周波数の参照信号xn
発生し、フィルタ14cと適応フィルタ14bに入力す
る。この時、エンジン11から発生した周期性を有する
エンジン音は、所定の伝達関数を有する騒音伝搬系(一
次音伝搬系)を有する空中を伝播して騒音キャンセル点
に至る。フィルタ14cは参照信号xnにキャンセル音
伝搬系の伝達特性C′を畳込んで適応処理用参照信号u
nを生成して適応信号処理部14cに入力する。以上と
並行して、騒音キャンセル点における騒音とキャンセル
音の合成音(エラー信号)enがエラーマイク18によ
り検出され、アンプ、ローパスフィルタ、ADコンバー
タを介して適応信号処理部14aに入力される。
【0009】適応信号処理部14aはエラー信号en
信号処理用参照信号unを用いて(3)式に従ってFiltered
-X LMSアルゴリズムに基づいた適応信号処理を行い、適
応フィルタ14bの係数を決定する。適応フィルタ14
bは適応信号処理部14aにより決定された係数に従っ
て参照信号xnにデジタルフィルタ処理を施して騒音キ
ャンセル信号ynを発生し、DAコンバータ、パワーア
ンプを介してスピーカ17に入力する。これにより、ス
ピーカ17から騒音キャンセル音が出力され、キャンセ
ル音伝搬系を介して騒音キャンセル点に到り、騒音をキ
ャンセルするように作用する。以後、上記動作が繰り返
されて騒音はキャンセルされる。図9は騒音源から観測
点までの一次音仮想伝搬系(騒音伝搬系)hとスピーカ
から騒音キャンセル点までの二次音伝搬系(キャンセル
音伝搬系)cとを用いて騒音キャンセルシステムを表現
したブロック図であり、図6と同一部分には同一符号を
付している。図中、21はインパルス応答特性hを備え
た騒音伝搬系、22はインパルス応答特性cを備えたキ
ャンセル音伝搬系であり、キャンセル音伝搬系22はス
ピーカ特性も含んでいる。
【0010】Filtered-X LMSアルゴリズムは、適応のた
めの演算量が少ない等の優れた利点を有しているため、
現在多くのアクティブノイズコントロール(ANC)シ
ステムに採用されている。しかし、キャンセル音伝搬系
の特性cが変動し、フィルタ14cの特性c′からずれ
てしまうと、(3)式の∇nが理想的な場合(c=c′)と
は異なってしまう。このため、真の勾配方向と異なる方
向に適応が進み、適応フィルタ14bの安定条件や収束
速度、及び収束値がそれぞれに応じて変化してしまう。
又、その結果、ANCシステムの消音性能も、一般に劣
化するといった問題が生じる。尚、キャンセル音伝搬系
22の特性cとフィルタ14cの特性c′とのずれをモ
デリングエラーという。モデリングエラーに伴う誤動作
を解消するための最も直接的な方法は、キャンセル音伝
搬系の伝達特性cの同定をオンラインで行なうことであ
る。かかるオンライン同定法は従来より提案されてい
る。
【0011】第1の同定法は、エリクソン((Eriksson)
等により提案されたもので、適応フィルタの出力yn
は無相関なランダムノイズyNを二次音源から放射し、
適応フィルタc″を用いて未知系cを同定するものであ
る。図10はかかるオンライン同定法の構成図であり、
14bはFiltered-X LMSアルゴリズムにより騒音をキャ
ンセルするように係数が決定される適応フィルタ、18
は騒音キャンセル点におけるマイクロフォン、21は伝
達特性hの騒音伝搬系、22は伝達特性cのキャンセル
音伝搬系、23は適応フィルタ14bの出力信号(騒音
キャンセル信号)ynと図示しない二次音源から出力さ
れるランダムノイズyNを加算する演算部、24は適応
信号処理によりキャンセル音伝搬系22の伝達特性を同
定する同定部であり、24aは適応信号処理により決定
される係数が設定される適応フィルタである。25は適
応フィルタ24aとマイクロフォン18から出力される
エラー信号enの差εnを演算する演算部である。適応フ
ィルタ14bは参照信号xnにのみ相関のある騒音をキ
ャンセルするように動作する。また、キャンセル音伝搬
系22を同定する同定部24は、ランダムノイズyN
対するキャンセル音伝搬系22の出力とランダムノイズ
Nに対する適応フィルタ24aの出力信号の差信号の
パワーE[εn]が最小となるように動作する。ここ
で、xNとyNとは無相関であるからE[εn]が最小と
なった時c″=cとなり適応フィルタ24aの係数はキ
ャンセル音伝搬系のインパルス応答と一致する。
【0012】第2の同定法は、タピア(Tapia)等により
提案されたもので、特別な同定用ノイズを用いずに未知
系(h,c)を同定するものである。図11はかかる第
2のオンライン同定法の構成図である。14bはFilter
ed-X LMSアルゴリズムにより騒音をキャンセルするよう
に係数が決定される適応フィルタ、18は騒音キャンセ
ル点におけるマイクロフォン、21は伝達特性hの騒音
伝搬系、22は伝達特性cのキャンセル音伝搬系であ
る。26は適応信号処理により騒音伝搬系21の伝達特
性hを同定する第1の同定部であり、26aは適応信号
処理により係数が設定される適応フィルタである。27
は適応信号処理によりキャンセル音伝搬系22の伝達特
性cを同定する第2の同定部であり、27aは適応信号
処理により係数が設定される適応フィルタである。28
は適応フィルタ26a,27aの出力信号を加算する加
算部、29は加算部28の出力信号en′とマイクロフ
ォン18から出力されるエラー信号enの差信号εnを演
算する演算部である。適応フィルタ14bはエラー信号
nのパワーE|en 2|が最小になるように動作し、第
1、第2の同定部26,27は差信号εnのパワーE
[εn 2]が最小となるように動作する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】第1のオンライン同定
法は、キャンセルしたい真の騒音とは別のランダムノイ
ズを使用するものである。このランダムノイズ(同定用
ノイズ)が騒音キャンセル点でノイズとならないように
するためには、そのレベルを小さくする必要がある。し
かし、同定用ノイズyNのレベルが小さいと同定誤差が
大きくなり、ある程度のレベルを確保しなければならな
い。しかし、レベルを大きくすると騒音キャンセル点で
該同定用ノイズが大きくなる問題がある。第2のオンラ
イン同定法では、特別の同定用ノイズを用いる必要がな
く、第1のオンライン同定法の問題はない。しかし、こ
の方法では、未知系(h,c)を正しく同定できない場
合がある。
【0014】図12は第2のオンライン同定法を用いた
騒音キャンセルシステムの構成図である。14は騒音キ
ャンセルコントローラ、14aはFiltered-X LMSアルゴ
リズムにより適応信号処理を行なう適応処理部、14b
は適応フィルタ、14cは信号処理フィルタである。1
8は騒音キャンセル点におけるエラー信号enを出力す
るマイクロフォン、21は騒音伝搬系、22はキャンセ
ル音伝搬系、26は騒音伝搬系21の伝達特性hを適応
信号処理により同定する第1の同定部であり、26aは
適応信号処理部、26bは適応フィルタである。27は
キャンセル音伝搬系22の伝達特性cを適応信号処理に
より同定する第2の同定部であり、27bは適応信号処
理部、27bは適応フィルタである。28は適応フィル
タ26b,27bの出力信号を加算する演算部、29は
演算部28の出力信号en′とマイクロフォン18から
出力されるエラー信号enの差εnを演算する演算部であ
る。
【0015】第1、第2の同定部26,27は適応フィ
ルタ26b,27bの係数を次式の係数更新式
【数1】 により決定する。一方、誤差εnは次式
【数2】 で与えられる。従って、上記係数更新式は
【数3】 となる。
【0016】両辺の期待値をとると上式は、
【数4】 となる。これに、独立理論を適用すると、
【数5】 となる。従って、適応フィルタ26b,27bの収束値
【数6】 すなわち、
【数7】 を満たす値となる。
【0017】従って、相関行列
【数8】 が正則ならば、、
【数9】 となり、未知伝達系を正しく同定できる。しかし、相関
行列
【数10】 は特異となることが多々あり、その場合には、未知系を
正確に同定できない。
【0018】例えば、hが1タップ、cが1タップ、w
が1タップの場合を考えると、図12の騒音キャンセル
システムは図13に示すようになり、同定部の係数更新
式は次式
【数11】 で与えられ、又、誤差εnは次式
【数12】 で与えられる。
【0019】ここで、相関行列
【数13】 の正則性を考察すると、yn=wnnであるから、
【数14】 となる。従って、相関行列は
【数15】 となる。議論を簡単にするために、以下では、wn=w
=一定とする(キャンセル音用の適応フィルタ14bが
収束した際には、これに近い状態になる)。
【0020】従って、相関行列は
【数16】 となりこの行列は以下のように書くことができる。
【数17】 右辺第1番目の行列は下三角行列であり、その行列式
は対角項の積で与えられる。それ故、det(Δ)=0とな
るから、特異行列である。
【0021】右辺第2番目の行列は自己相関行列であ
り、殆ど常に正定値であり、ほとんど常に正則である。 右辺第3番目の行列は上三角行列であり、その行列式
は対角項の積で与えられる。それ故、det(Δ)=0とな
るから、特異行列である。 ,の結果より、相関行列が特異となることが理解さ
れる。従って、h,cを正しく同定できるとは限らな
い。以上では、h,c,wが1タップの場合について説
明したが、一般に適応フィルタ14bのタップ数が騒音
伝搬系21のタップ数以下の場合にも同様である。例え
ば、hが4タップ、cが3タップ、wが2タップの場
合、相関行列は
【数18】 となり、上記〜が同様にいえる。
【0022】以上から、本発明の第1の目的は、従来の
第2のオンライン同定法を改良し、未知系(騒音伝搬
系、キャンセル音伝搬系)の伝達特性h,cを確実に同
定することができる騒音キャンセルシステムを提供する
ことである。本発明の第2の目的は、同定された伝達特
性を用いてFiltered-X LMSアルゴリズムに基づいた適応
信号処理を行なって騒音キャンセルができる騒音キャン
セルシステムを提供することである。本発明の第3の目
的は、伝達特性h,cが変化してもオンラインでこれら
を同定して騒音キャンセルできる騒音キャンセルシステ
ムを提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題は本発明によれ
ば、騒音源から騒音キャンセル点までの騒音伝搬系の伝
搬特性を適応信号処理により同定する第1の同定手段
と、キャンセル音伝搬系の伝搬特性を適応信号処理によ
り同定する第2の同定手段と、騒音伝搬系の伝搬特性を
K個のタップ係数で特定する場合、騒音キャンセル信号
を出力する適応フィルタのタップ係数の数をK+1以上
にし、K+1番目以降の少なくとも1つの係数が非零と
なるようにする係数決定部を備え、オンラインでキャン
セル音伝搬系の伝搬特性及び騒音伝搬系の伝搬特性を同
定する騒音キャンセルシステムにより達成される。
【0024】
【作用】騒音キャンセル用の適応信号処理部は、騒音キ
ャンセル点における騒音とキャンセル音の合成音である
エラー信号と、キャンセル音伝搬系の伝搬特性を参照信
号に畳み込んだ適応処理用参照信号とを用いてFilterd-
X LMSアルゴリズムに基づいて適応信号処理を行なって
適応フィルタの係数を決定し、適応フィルタは参照信号
にフィルタリングを施して騒音キャンセル信号を発生
し、キャンセル音発生部は該騒音キャンセル信号を入力
されてキャンセル音を放射し、エラー信号のパワーが最
小となるように制御する。かかる騒音キャンセル制御と
並行して、第1、第2の同定手段はそれぞれ、騒音伝搬
系の伝搬特性h及びキャンセル音伝搬系の伝搬特性cを
適応信号処理によりオンラインで同定する。この場合、
第1の同定手段が騒音伝搬系の伝搬特性hをK個のタッ
プ係数で特定するものとすると、騒音キャンセル信号を
出力する適応フィルタのタップ係数の数をK+1以上に
する。そして、係数決定部はK+1番目以降の少なくと
も1つの係数が非零となるように制御する。このように
すると、確実に騒音伝搬系の伝搬特性h及びキャンセル
音伝搬系の伝搬特性cを一意に決定することができる。
【0025】
【実施例】
(a) 本発明の同定原理 従来の第2のオンライン同定法においては、相関行列が
正則にならない場合があり、騒音伝搬系の伝搬特性h及
びキャンセル音伝搬系の伝搬特性cを一意に決定するこ
とができない。換言すれば、従来の第2のオンライン同
定法では未知数個分以下の独立な方程式しか作成できな
い場合が存在し、方程式の解が無数に存在する。このた
め、未知系(h,c)を正確に同定することができなか
った。そこで、騒音伝搬系のタップ数をK、キャンセル
音伝搬系のタップ数をJとすれば、未知数の総数はK+
J個であるから、なんらかの方法でK+J個の独立な方
程式を構成するようにすれば、これらの未知数を一意に
決定できるといえる。騒音キャンセル用の適応フィルタ
のタップ数をIとすれば、該タップ数Iを(K+1)以
上にし、かつ、(K+1)番目以降の少なくとも1つの
タップ係数(wK〜wI-1の内少なくとも1つの係数)の
収束値を0以外の値となるように制御する。このように
すれば、常に未知数個(K+J個)分以上の独立な方程
式を得ることができる。未知数個(K+J個)分以上の
独立な方程式が得られる場合、相関行列は正則となり、
E[εn 2]を最小にする最適解を一意に決定することが
できる。
【0026】(b) 本発明の騒音キャンセルシステム (b-1) 構成 図1は本発明の騒音キャンセルシステムの構成図であ
る。31は騒音キャンセルコントローラであり、参照信
号発生部から発生する参照信号xnを入力されると共
に、車室内の騒音キャンセル点における騒音dnとキャ
ンセル音dn′の合成音信号をエラ−信号enとして入力
され、該エラ−信号のパワーが最小となるようにFilere
d-X LMSに基づいた適応信号処理を行って騒音キャンセ
ル信号ynを出力する。騒音キャンセルコントローラ3
1は、適応信号処理部31aと、デジタルフィルタ構成
の適応フィルタ31bと、参照信号xnにスピーカから
騒音キャンセル点までのキャンセル音伝搬系の伝搬特性
(伝達関数)c′を畳み込んで適応処理用参照信号(フ
ィルタードリファレンス信号)un′を作成する信号処
理フィルタ(フィルタードX信号作成用フィルタ)31
cを有している。
【0027】32は伝達特性hを有する騒音伝搬系、3
3は伝達特性cを有するキャンセル音伝搬系、34は車
室内の騒音キャンセル点における騒音dnとキャンセル
音dn′の合成音信号をエラ−信号enとして出力するマ
イクロフォン、35は騒音伝搬系32の伝達特性hを適
応信号処理により同定する第1の同定部であり、35a
は適応信号処理部、35bは適応信号処理により同定さ
れた騒音伝搬系32の伝達特性h″が設定される適応フ
ィルタである。36はキャンセル音伝搬系33の伝達特
性を適応信号処理により同定する第2の同定部であり、
36aは適応信号処理部、36bは適応信号処理により
同定されたキャンセル音伝搬系33の伝達特性c″が設
定される適応フィルタである。37は演算部であり、3
7aは適応フィルタ35b,36bの出力信号を加算す
る加算部、37bは加算部37aの出力信号とマイクロ
フォン34から出力されるエラー信号enの差εnを演算
する演算回路である。
【0028】本発明では、騒音伝搬系32及び適応フィ
ルタ35bのタップ数をK、キャンセル音伝搬系及び適
応フィルタ36bのタップ数をJ、騒音キャンセルコン
トローラにおける適応フィルタ31bのタップ数をIと
すれば、該タップ数IをI≧K+1とする。38は適応
フィルタ31bのK+1番目以降の少なくとも1つのタ
ップの係数がゼロとならないように該タップ係数を決定
するタップ係数制御部である。騒音キャンセル用の適応
フィルタ31bのタップ数をIとすれば、該タップ数I
を(K+1)以上にし、かつ、(K+1)番目以降の少
なくとも1つのタップ係数(wK〜wI-1の内少なくとも
1つの係数)の収束値を0以外の値となるように制御す
る。このようにすれば、第1、第2の同定部35,36
は差信号εnのパワーE[εn 2]を最小にする最適解
(h″、c″)を一意に決定することができる。
【0029】(b-2) タップ係数制御部の構成 図2はタップ係数制御部38の構成図であり、38aは
所定時間(ブロックという)における第(K+1)番目
のタップ係数wKnの平均値wn′を計算して出力するブ
ロック平均演算部、38bは前回のブロック平均値と今
回のブロック平均値の差分Δwn′を演算する差分演算
部、38cは差分Δwn′と設定値TΔ wの大小を比較
し、|Δwn′|<TΔwの時、収束完了信号CEDを
出力する収束判定部、38dは収束完了時に(K+1)
番目のタップ係数wKnの平均値w n′と設定値Twの大小
を比較し、|wn′|≧Twの場合には、適応信号処理部
31aにより計算されたタップ係数wKnを変更せず、|
n′|<Twの場合には、適応信号処理部31aにより
計算されたタップ係数wKnを設定値wB(≠0)に変更
する収束値判定部である。タップ係数制御部38は、係
数収束時におけるタップ係数wKnの収束値が設定値Tw
以下の時、すなわち、タップ係数wKnの収束値がほぼ0
の時、該タップ係数wKnを設定値wB(≠0)に変更し
て、0にならないように制御する。
【0030】(b-3) 動作 図1のフィルタ31cはキャンセル音伝搬系を特定する
係数c0,c1,c2・・・cJ-1を用いて(2)の演算を実行し
て信号処理用参照信号un′を出力する。適応信号処理
部31aは騒音キャンセル点におけるエラー信号en
信号処理用参照信号un′を入力され、これらの信号を
用いて(3)式の演算を行なって適応フィルタ31bの係
数w0n,w1n,w2n・・・w(I-1)nを決定する。適応フ
ィルタ31bは適応信号処理部31aにより決定された
係数w0n,w1n,w2n・・・w(I-1 )nを用いて(1)式の
演算を実行して騒音キャンセル信号ynを出力する。騒
音キャンセル信号ynはキャンセル音伝搬系33を介し
てキャンセル音信号dn′となって騒音キャンセル点に
到り、又、騒音(参照信号)は騒音伝搬系32を介して
騒音キャンセル点に到る。マイクロフォン34はキャン
セル音信号dn′と騒音信号dnとの合成音信号であるエ
ラー信号enを検出して騒音キャンセルコントローラ3
1に入力する。以後、上記処理が繰り返され、エラー信
号enのパワーE[en 2]が最小となるように適応フィ
ルタ31bの係数が所定値に収束する。
【0031】以上と並行して、第1の同定部35におけ
る適応信号処理部35aは、参照信号xnと差信号εn
入力され、これら信号を用いてLMSアルゴリズムに基づ
いた適応信号処理を行ない、該適応信号処理により差信
号εnのパワーE[εn 2]が最小となるように適応フィ
ルタ35bの係数を決定する。E[εn 2]が最小となる
ように適応フィルタ35bの係数が決定された時、該適
応フィルタ35bは騒音伝搬系32の伝達特性hと略同
一の伝達特性h″を示すことになる。尚、LMSアルゴリ
ズムは(3)式において、un=xnとした適応信号処理ア
ルゴリズムである。
【0032】又、第2の同定部36における適応信号処
理部36aは、騒音キャンセル信号ynと差信号εnを入
力され、これら信号を用いてLMSアルゴリズムに基づい
た適応信号処理を行ない、該適応信号処理により差信号
εnのパワーE[εn 2]が最小となるように適応フィル
タ36bの係数を決定する。E[εn 2]が最小となるよ
うに適応フィルタ36bの係数が決定された時、該適応
フィルタ36bはキャンセル音伝搬系33の伝達特性c
と略同一の伝達特性c″を示すことになる。騒音キャン
セルコントローラ31はエラー信号enのパワーE[en
2]が最小になるように動作し、第1、第2の同定部3
5,36は差信号εnのパワーE[εn 2]が最小となる
ように動作する。騒音キャンセル処理によりエラー信号
nのパワーE[en 2]が最小になることを考慮する
と、第1、第2の同定部35,36は加算器37aの出
力信号en′のパワーが最小となるように動作すること
を意味する。従って、第1の同定部35は参照信号xn
に対する騒音伝搬系32の出力と参照信号xnに対する
適応フィルタ35bの出力信号の差が最小となるように
動作し、又、第2の同定部36は騒音キャンセル信号y
nに対するキャンセル伝搬系33の出力と騒音キャンセ
ル信号ynに対する適応フィルタ36bの出力信号の差
が零となるように動作する。結局、最終的にh″=h、
c″=cとなるように適応フィルタ35b,36bの係
数が決定される。以上により同定された騒音キャンセル
音伝搬系の伝達特性c″は信号処理フィルタ31cに設
定され、以後、該伝達関数c″を用いて騒音キャンセル
処理が行なわれる。
【0033】(c) 本発明の第1適用例 hのタップ数を1、cのタップ数を1、wのタップ数を
1とする従来のオンライン同定法では、wn=w=一定
とすると、相関行列は
【数19】 となり、右辺の最初と最後の行列が特異行列となる。こ
のため、h,cを正しく同定できるとは限らない。そこ
で、相関行列を正則行列とするためには、なんらかの方
法により、最初と最後の行列
【数20】 を正則行列で置き換えるようにする。
【0034】このため、本発明では、騒音キャンセル系
の適応フィルタ31bのタップ数を2とし、wn=[w
0n, w1n]とする、このようにすれば、
【数21】 となり、w1≠0であれば右辺の最初と最後の行列は正
則行列となる。このため、h,cを正しく同定すること
ができる。以上より、h,cが共に1タップの場合に
は、適応フィルタを2タップとし、その最終タップw1
の収束値が0とならないように制御すれば、未知系
(h,c)を正確に推定するこができる。
【0035】図3は従来の同定法で h,cが求まらな
い理由の説明図である。図3のシステムでは、
【数22】 となる。よって、
【数23】 が得られるだけである。尚、E[ ]は期待値を表し、
E[xnn]、E[xn 2]はxnとenの相互相関関数、
及びxnの自己相関関数を表わしているが、これらは既
知である。図3の系はトータルシステム(xnを入力、
nを出力とするシステム)として見た場合にも1タッ
プシステムである。それゆえ、xn,yn,e nから求め
られるのはそのトータルのゲイン(g)のみである。と
ころが、このゲイン(g)は、w,h,cに依存してお
り、
【数24】 である。従って、この場合は、h,cを決定することが
できない。
【0036】図4は本発明の同定法でh,cを求めるこ
とができる理由の説明図である。図4のシステムでは、
【数25】 となる。よって、
【数26】 従って、図4のシステムは、トータルシステムとして見
た場合、2タップFIRシステムである。
【0037】このシステムの入出力特性は、xnとen
り決定できるため、その2つのタップ係数値(g0
1)を求めることができる。そして、これらは、w,
h,cに依存しており、
【数27】 である。従ってこの場合、w1≠0であればh,cを一
意に決定することができる。
【0038】(d) 本発明の第2適用例 hのタップ数を1、cのタップ数を1、wのタップ数を
3とすると、
【数28】 となる。従って、相関行列は
【数29】 となる。
【0039】上式はw1=0の場合には、
【数30】 となり、w2≠0とすれば、最初と最後の行列は共に正
則行列になる。又、w2=0の場合には、
【数31】 となり、w1≠0とすれば、最初と最後の行列は共に正
則行列になる。すなわち、w1またはw2のうちどちらか
が少なくとも0でなければ、未知数(h,c)を一意に
求めることができる。換言すれば、最低限、どちらか一
方が0以外の値となるように制御すれば良い。又、
1、w2のいずれもが0でなければ2つの未知数(h,
c)に関して3つの方程式が成立する。このような場合
にも、相関行列は正則となるため、未知数(h,c)を
適応フィルタにより推定すれば、E[ε n 2]を最小とす
る最適推定を常に行うことができる。
【0040】図5は本発明の同定法でh,cを求めるこ
とができる理由の説明図である。図5のシステムは、ト
ータルシステムとして見た場合、3タップの系であり、
【数32】 が成り立つ。従って、
【数33】 となる。g0〜g2は求めることができ、w0〜w2も既知
であるから最小自乗解として未知数(h,c)を一意に
決定することができる。
【0041】(e) 本発明の第3適用例 hのタップ数を4、cのタップ数を3とした場合におけ
るwのタップ数の決定方法を説明する。未知数は4+3
=7であるから7個の独立な方程式が必要である。その
ためには、7時刻を含む系(7タップFIRシステム)
をwとcの従属接続により構成しなければならない。い
ま、cは3タップ(2次)の系であり、一方7タップ系
は6次の系であるから、wは少なくとも4次の系(5タ
ップFIR型システム)とする必要がある。wを5タッ
プとした場合の相関行列の正則性を考察する。
【0042】
【数34】 である。
【0043】従って、相関行列
【数35】 は、W4≠0であれば正則行列になり、未知数(h,c)
が求まる。以上、本発明を実施例により説明したが、本
発明は請求の範囲に記載した本発明の主旨に従い種々の
変形が可能であり、本発明はこれらを排除するものでは
ない。
【0044】
【発明の効果】以上本発明によれば、騒音伝搬系の伝搬
特性hをK個のタップ係数で特定するものとすると、騒
音キャンセル信号を出力する適応フィルタのタップ数を
K+1以上にし、K+1番目以降の少なくとも1つの係
数が非零となるように制御したから、騒音伝搬系の伝搬
特性h及びキャンセル音伝搬系の伝搬特性cを一意に決
定するこができる。又、本発明によれば、同定された伝
達特性を用いてFiltered-X LMSアルゴリズムに基づいた
適応信号処理を行なって消音効果を向上することができ
る。更に、本発明によれば、伝達特性h,cが変化して
もオンラインでこれらを同定して騒音キャンセルするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の騒音キャンセルシステムの構成図であ
る。
【図2】タップ係数制御部の構成図である。
【図3】従来の同定方法でh,cが求まらない理由の説
明図であり、h,c,wが1タップの場合の例である。
【図4】本発明の同定法でh,cを求めることができる
理由の説明図であり、h,cが1タップ、wが2タップ
の場合の例である。
【図5】本発明の同定法でh,cを求めることができる
理由の別の説明図であり、h,cが1タップ、wが2タ
ップの場合の例である。
【図6】従来の騒音キャンセル装置の構成図である。
【図7】適応フィルタの構成図である。
【図8】適応処理用参照信号(フィルタードリファレン
ス信号)を生成するフィルタの構成図。
【図9】一次音、二次音伝搬系を用いて表現した騒音キ
ャンセルシステムのブロック図である。
【図10】従来の第1のオンライン同定法の説明図であ
る。
【図11】従来の第2のオンライン同定法の説明図であ
る。
【図12】第2のオンライン同定法を用いた騒音キャン
セルシステムの構成図である。
【図13】第2のオンライン同定法を用いた騒音キャン
セルシステムの構成図であり、h,c,wが1タップの
場合の例である。
【符号の説明】
31・・騒音キャンセルコントローラ 31b・・適応フィルタ 32・・騒音伝搬系 33・・キャンセル音伝搬系 35・・騒音伝搬系の伝達特性を同定する第1の同定部 36・・キャンセル音伝搬系の伝達特性を同定する第2
の同定部 37・・演算部 38・・(k+1)タップ係数決定部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 騒音キャンセル点における騒音をキャン
    セルするキャンセル音を出力するキャンセル音発生部、
    騒音キャンセル点における騒音とキャンセル音の合成音
    であるエラー信号を検出するセンサ、騒音源から発生す
    る騒音に応じた参照信号を発生する参照信号発生部、キ
    ャンセル音発生部からセンサまでのキャンセル音伝搬系
    における伝搬特性を参照信号に畳み込んで適応処理用の
    参照信号を生成するフィルタ、参照信号発生部から出力
    される参照信号に所定のフィルタリングを施して騒音キ
    ャンセル信号を発生してキャンセル音発生部に入力する
    適応フィルタ、エラー信号と信号適応参照信号を用いて
    適応信号処理により騒音キャンセル点における騒音をキ
    ャンセルするように前記適応フィルタの係数を決定する
    適応信号処理部とを備えた騒音キャンセルシステムにお
    いて、 騒音源から騒音キャンセル点までの騒音伝搬系の伝搬特
    性を適応信号処理により同定する第1の同定手段と、 キャンセル音伝搬系における伝搬特性を適応信号処理に
    より同定する第2の同定手段と、 騒音伝搬系の伝搬特性をK個のタップ係数で特定する場
    合、前記騒音キャンセル信号を出力する適応フィルタの
    タップ係数の数をK+1以上にし、K+1番目以降の少
    なくとも1つのタップ係数が非零となるように該係数を
    制御する係数制御部を備え、オンラインでキャンセル音
    伝搬系における伝搬特性及び騒音伝搬系の伝搬特性を同
    定することを特徴とする騒音キャンセルシステム。
  2. 【請求項2】 第1の同定手段の出力信号と第2の同定
    手段の出力信号を合成し、合成信号と前記エラー信号と
    の差信号を演算する演算部を備え、 前記第1の同定手段は、参照信号と該差信号を用いて適
    応信号処理を行なう適応信号処理部と、適応信号処理に
    より決定された係数を用いて参照信号に所定のフィルタ
    リングを施して出力する適応フィルタを備え、 前記第2の同定手段は、騒音キャンセル信号と前記差信
    号を用いて適応信号処理を行なう適応信号処理部と、適
    応信号処理により決定された係数を用いて騒音キャンセ
    ル信号に所定のフィルタリング処理を施して出力する適
    応フィルタを備えてなることを特徴とする請求項1記載
    の騒音キャンセルシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011036742A1 (ja) * 2009-09-24 2011-03-31 三菱電機株式会社 騒音制御装置及び騒音制御方法
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