JP3410138B2 - 騒音キャンセル方式 - Google Patents

騒音キャンセル方式

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JP3410138B2
JP3410138B2 JP05701893A JP5701893A JP3410138B2 JP 3410138 B2 JP3410138 B2 JP 3410138B2 JP 05701893 A JP05701893 A JP 05701893A JP 5701893 A JP5701893 A JP 5701893A JP 3410138 B2 JP3410138 B2 JP 3410138B2
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canceling
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政一 秋保
哲 金森
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は騒音キャンセル方式に係
わり、特に、適応フィルタの係数値に含まれるオフセッ
ト(DC分)を除去して騒音キャンセル効果を向上する
騒音キャンセル方式に関する。
【0002】
【従来の技術】騒音対策としては、従来より吸音材を用
いる方法(パッシブ制御)が知られている。しかし、吸
音材を用いる方法では、騒音が小さい静音エリアを形成
するのが面倒であると共に、低音を効果的に消せない問
題がある。特に、自動車の車室内の騒音を防止するに
は、自動車の重量が増大すると共に、騒音を効果的に消
せない問題がある。このため、騒音と逆位相の騒音キャ
ンセル音をスピ−カから放射して騒音を低減する方法
(アクティブ制御)が脚光を浴び、工場やオフィスなど
の室内空間の一部に実用化されつつある。又、自動車の
車室内においてもアクティブ制御により騒音を低減する
方式が提案されている。
【0003】図5はエンジン音をキャンセルする従来の
騒音キャンセル装置の構成図である。11は騒音源であ
るエンジン、12はエンジン回転数Rを検出する回転数
センサ、13はエンジン回転数Rに応じた周波数を有す
る一定振幅の正弦波信号を参照信号xnとして発生する
参照信号発生部である。騒音源がエンジンの場合、エン
ジン回転により発生するノイズは周期性を有し、その周
波数はエンジン回転数に依存する。例えば、4気筒エン
ジンの場合、車室内に発生する周期性ノイズはエンジン
回転数の2次高調波が支配的であり、回転数が600r
pm(10rps)の時、車室内に発生するノイズの周
波数は20Hz、回転数が6000rpm(100rp
s)の時、車室内に発生するノイズの周波数は200H
zである。参照信号発生部13は、2次高調波の正弦波
データをROMに記憶しておき、そのデータを必要に応
じて読み出して出力することにより参照信号xnを生成
する。尚、このデータの読み出し/出力タイミングはエ
ンジン回転数Rに応じてコントロールされ、これにより
エンジン回転数Rに応じて発生する周期性ノイズの周波
数を有する参照信号が出力されるようになっている。
【0004】14は騒音キャンセルコントローラであ
り、参照信号発生部13から発生する参照信号xnを入
力されると共に、車室内の騒音キャンセル位置(観測点
であり例えば運転者の耳元近傍)における騒音Snとキ
ャンセル音Scの合成音信号をエラ−信号enとして入力
され、該エラ−信号が最小となるように適応信号処理を
行って騒音キャンセル信号ynを出力する。騒音キャン
セルコントローラ14は、適応信号処理部14aと、デ
ジタルフィルタ構成の適応フィルタ14bと、参照信号
xnにスピーカから騒音キャンセル点までのキャンセル
音伝搬系の伝搬特性(伝達関数)を畳み込んでフィルタ
ードX信号(信号処理用参照信号)rnを作成するフィ
ルタードX信号作成用フィルタ14cを有している。1
5は適応フィルタ出力(騒音キャンセル信号yn)をア
ナログの騒音キャンセル信号に変換するDAコンバー
タ、16は騒音キャンセル信号を増幅するパワ−アン
プ、17は騒音キャンセル音Scを放射するキャンセル
スピ−カ、18は騒音キャンセル点に配置され、騒音S
nとキャンセル音Scの合成音を検出し、合成音信号をエ
ラ−信号enとして出力するエラ−マイク、19はエラ
ー信号enを増幅するアンプ、20は周期性ノイズの帯
域外の騒音信号を除去するローパスフィルタ、21はロ
ーパスフィルタ出力をデジタルに変換するADコンバー
タである。
【0005】適応信号処理部14aは騒音キャンセル点
におけるエラー信号enとフィルタ14cを介して入力
される信号処理用参照信号(フィルタードX信号)rnを
入力され、これら信号を用いて騒音キャンセル点におけ
る騒音をキャンセルするように適応信号処理を行って適
応フィルタ14bの係数を決定する。例えば適応信号処
理部14aは周知のフィルタードX LMS(Least Mean
Square)適応アルゴリズムに従って、エラ−マイク18
から入力されたエラ−信号enが最小となるように適応
フィルタ14bの係数を決定する。適応フィルタ14b
は適応信号処理部14aにより決定された係数に従って
参照信号xnにデジタルフィルタ処理を施して騒音キャ
ンセル信号ynを出力し、騒音をキャンセルする。尚、
参照信号xnは、消去したい騒音Snと相関の高い信号で
なくてはならず、参照信号と相関のない音は消去されな
い。
【0006】適応フィルタ14bは図6に示すように、
NタップのFIR型デジタルフィルタで構成され、例え
ば、入力信号を順次1サンプリング時間遅延する(N−
1)個の遅延要素DL,DL・・・と、各遅延要素出力
に係数w1(n),w2(n),w3(n)・・・wN(n)を乗算する
N個の乗算部ML,ML,・・・と、各乗算部出力を順
次加算する加算部AD,AD・・・で実現される。すな
わち、現時刻n・Tsにおける参照信号をxn、その時の
各乗算機の係数をw1(n),w2(n),w3(n)・・・w
N(n)、出力(騒音キャンセル信号)をynとすれば、適応
フィルタ14bは次式
【0007】
【数1】 の演算を実行し、騒音キャンセル信号ynを出力する。
【0008】フィルタードX信号作成用フィルタ14c
は図7に示すように、FIR型デジタルフィルタで構成
され、例えば、入力信号を順次1サンプリング時間遅延
する遅延要素DL,DL・・・と、各遅延要素出力に係
数c1,c2,c3・・・cMを乗算する乗算部ML,ML,・
・・と、各乗算部出力を順次加算する加算部AD,AD
・・・で実現される。係数c1,c2,c3・・・cMは二次音
伝搬系(スピーカから観測点までの系)の伝搬特性を模
擬するように決定されている。時刻n・Tsにおける参
照信号をxn、出力(フィルタードX信号)をr(n)とすれ
ば、フィルタ14cは次式
【0009】
【数2】 の演算を実行してフィルタードX信号r(n)を出力する。
【0010】適応信号処理部14aは、1サンプリング
時刻Ts後の次の時刻(n+1)・Tsにおける適応フィルタ
14bの係数w1(n+1),w2(n+1),w3(n+1)・・・w
N(n+1)を、現時刻n・Tにおける係数とエラー信号en
とフィルタードX信号rnを用いて次式(係数更新式)に
より決定する。
【0011】
【数3】
【0012】ただし、j番目のフィルタ係数更新式は wj(n+1)=wj(n)+μ・r(n-j+1)・en (4) で与えられる。(3)式において、(n)は現サンプリング時
刻の値、(n+1)は1サンプリング時刻後の値、(n-1)は1
サンプリング時刻前の値、(n-2)は2サンプリング時刻
前の値、・・・を意味している。又、μは適応フィルタの
係数を更新するステップを決める1以下の定数(ステッ
プサイズパラメータ)であり、騒音キャンセルシステム
に応じて適当な値に設定される。以上は、フィルタード
X LMS適応アルゴリズムにより適応信号処理した場
合であるが、フィルタードX信号を使用しないLMS適
応アルゴリズムによる場合には、(3)式は、
【0013】
【数4】
【0014】となり、j番目のフィルタ係数更新式は wj(n+1)=wj(n)+μ・x(n-j+1)・en (4a) で与えられる。フィルタードX LMS適応アルゴリズ
ムによる騒音キャンセルにおいては、上記(1)〜(3)式の
演算を1サンプリング時間内に行って、騒音キャンセル
信号ynを出力する。又、LMS適応アルゴリズムによ
る場合には、(1),(3a)式の演算を1サンプリング時間内
に行って、騒音キャンセル信号ynを出力する。ところ
で、上記適応アルゴリズムにおける適応フィルタの係数
にはオフセット(DC分)が重畳し、このオフセットが
漸増して係数値が最終的に正もしくは負の最大値(1ま
たは−1)に限りなく近づいてしまうことが知られてい
る。図8は適応フィルタの各タップの係数Wj(n)(j=1,
2,3,・・・N)にオフセットが重畳した場合の説明図であ
り、同図(a)はオフセット=0の場合、同図(b)は各係数
にオフセットWofsが重畳した場合で、横軸の数値はタ
ップ位置を示している。
【0015】オフセットが発生する原因としては次の2
つが考えられる。第1の原因はエラー信号enや参照信
号xnのAD変換値に既にDCオフセットが含まれこと
によるものであり、第2の原因はエラー信号enに参照
信号xnと同一信号成分が含まれることによるものであ
る。参照信号xn=cos(ω1t+θ1)、エラー信号en=c
os(ω2t+θ2)とすると、LMS適応アルゴリズムによ
る場合、(3a)式の右辺第2項は μ・cos(ω1t+θ1)・cos(ω2t+θ2) となる。
【0016】上式を変形すると、 (μ/2)・{cos(ω1t-ω2t+θ12)+cos(ω1t+ω2t+θ12)} =(μ/2)・{cos((ω12)t+θ12)+cos((ω12)t+θ12)} となる。ここで、ω1=ω2とすると、上式は (μ/2)・{cos(θ12)+cos(2ω1t+θ12)} となり、オフセット (μ/2)・cos(θ12) が発生する。適応フィルタの係数にオフセットが含まれ
ると、正しく騒音をキャンセルできなくなる。このた
め、エリオット等は係数更新に際して適応フィルタ出力
ynをフィードバックする方法を考案している。このエ
リオット等の方法においては、係数更新式を次式(LM
S適応アルゴリズムによる場合) wj(n+1)=wj(n)+μ・x(n-j+1)・en−β・yn (5) としている。この係数更新式によれば、適応フィルタ出
力が大きくなった場合、−β・ynの項が働いて、係数
j(n+1)が大きくなるのを防止できる
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エリオ
ット等の方法では、適応フィルタの係数の漸増速度を遅
くできるが、係数のオフセットをゼロにすることができ
ない問題がある。以上から本発明の目的は、適応フィル
タの係数のオフセットをゼロあるいは小さくできる騒音
キャンセル方式を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明によれ
ば、係数更新式に係数の平均値を差し引く項を付加し、
該係数更新式により得られる係数を適応フィルタの各タ
ップの係数とすることにより達成される。又、上記目的
は本発明によれば、係数更新式により得られた各タップ
の係数値の平均値を演算し、前記各係数値から平均値を
差し引いた値を適応フィルタの真の係数値とすることに
より達成される。更に、上記目的は本発明によれば、信
号に含まれるDC分をカットするDCカット部を設け、
各タップの係数を時系列に並べて係数信号としてDCカ
ット部に入力し、該DCカット部から時系列に出力され
る値を各タップの真の係数とすることにより達成され
る。
【0019】
【作用】係数更新式に係数の平均値を差し引く項を付加
し、該係数更新式により得られる係数を適応フィルタの
各タップの係数とする。又、係数更新式により得られた
各タップの係数値の平均値を演算し、各係数値から平均
値を差し引いた値を適応フィルタの真の係数値とする。
更に、信号に含まれるDC分をカットするDCカット部
を設け、各タップの係数を時系列に並べて係数信号とし
てDCカット部に入力し、該DCカット部から時系列に
出力される値を各タップの真の係数とする。以上によ
り,適応フィルタの係数のオフセットをゼロあるいは小
さくできる。
【0020】
【実施例】
(a) 本発明の第1の実施例 図1は本発明の第1の実施例構成図であり、31はエン
ジン回転数Rの2次高調波に応じた参照信号xnを発生
する参照信号発生部、32は適応信号処理(例えば、L
MSアルゴリズム)に基づいて騒音キャンセル信号yn
を出力する騒音キャンセルコントローラ、33は騒音キ
ャンセル位置における騒音Snとキャンセル音Scの合成
音信号をエラ−信号enとして出力するエラーマイクで
ある。騒音キャンセルコントローラ32は、適応信号処
理部32aと、デジタルフィルタ構成の適応フィルタ3
2bを有している。尚、適応フィルタ32bは図6に示
す構成を備えている。適応信号処理部32aは、参照信
号xnとエラー信号enを所定サンプリング周期Tsで取
り込むための信号取込み部32a-1と、次式の係数更新式
【数5】 に基づいて適応フィルタ32bの各タップの係数wj(n+
1)(j=1,2,3,・・・,N)を演算する係数更新部32a-2を備えて
いる。(6)式の右辺第3項は適応フィルタ32bにおけ
る全タップの係数平均値である。
【0021】適応信号処理に際して、適応信号処理部3
2aはサンプリング周期毎に参照信号xnとエラー信号
enを取り込み、(6)式の係数更新式の演算を行って適応
フィルタ32bの係数を更新し、該係数を適応フィルタ
32bに入力する。(6)式の右辺第3項は適応フィルタ
32bにおける全タップの係数平均値であり、図8(b)
におけるwofsに略相当し、これにより、係数値wj(n+
1)(j=1,2,3,・・・,N)に含まれるオフセットが除去され
る。適応フィルタ32bは更新されたオフセットなしの
係数に従って参照信号xnにデジタルフィルタ処理を施
して騒音キャンセル信号ynを出力し、騒音をキャンセ
ルする。以後、上記動作をサンプリング周期毎に繰返
す。以上により、サンプリング周期毎にオフセット分を
除去した係数値wj(n+1)(j=1,2,3,・・・,N)に基づいて適
応フィルタ処理を行うから係数値が漸増せず、しかも、
騒音を正しくキャンセルするように騒音キャンセル信号
ynを出力できる。尚、以上はLMSアルゴリズムに従
って係数を更新する場合であるが、フィルタードX L
MSアルゴリズム、MEFX−LMSアルゴリズムに従
って係数を更新する場合にも適用できるものである。
【0022】(b) 本発明の第2の実施例 図2は本発明の第2の実施例構成図であり、図1と同一
部分には同一符号を付している。31はエンジン回転数
Rの2次高調波に応じた参照信号xnを発生する参照信
号発生部、32は適応信号処理(例えば、LMSアルゴ
リズム)により騒音キャンセル信号ynを出力する騒音
キャンセルコントローラ、33は騒音キャンセル位置に
おける騒音Snとキャンセル音Scの合成音信号をエラ−
信号enとして出力するエラーマイクである。騒音キャ
ンセルコントローラ32は、適応信号処理部32aと、
デジタルフィルタ構成の適応フィルタ32bを有してい
る。適応フィルタ32bは図5に示す構成を備えてい
る。
【0023】適応信号処理部32aにおいて、32a-1は
参照信号xnとエラー信号enを所定サンプリング周期T
sで取り込むための信号取込み部、32a-3は(3a)式すなわ
ち、次式の係数更新式 wj(n+1)=wj(n)+μ・x(n-j+1)・en (3a) に基づいて適応フィルタ32bの各タップの係数wj(n+
1)(j=1,2,3,・・・,N)を演算する係数演算部である。尚、
演算された各タップの係数wj(n+1)(j=1,2,3,・・・,N)に
は前述のようにオフセットが含まれている。又、32a-4
は係数値よりオフセットを除去するオフセット除去部で
あり、平均値演算部41とオフセット除去演算部42を
有している。平均値演算部41は次式
【数6】 により係数演算部32a-3で演算された全係数wj(n+1)(j=
1,2,3,・・・,N)の平均値を演算し、オフセット除去演算部
42は次式 wj(n+1)−wm→wj(n+1) (8) により各係数wj(n+1)(j=1,2,3,・・・,N)に含まれるオフ
セットを除去する。すなわち、wmは全タップの係数平
均値であるから、図8(b)におけるwofsに略相当し、従
って(8)式により係数値wj(n+1)(j=1,2,3,・・・,N)に含ま
れるオフセットを除去できる。
【0024】適応信号処理に際して、適応信号処理部3
2aの信号取り込み部32a-1はサンプリング周期毎に参
照信号xnとエラー信号enを取り込み、係数演算部32a-
3は(3a)式の係数更新式の演算を行って適応フィルタ3
2bの全タップの係数wj(n+1)(j=1,2,3,・・・,N)を演算
してオフセット除去部32a-4に入力する。オフセット除
去部32a-4の平均値演算部41は(7)式に基づいて全係数
j(n+1)(j=1,2,3,・・・,N)の平均値を演算し、また、オ
フセット除去部演算部42は全係数wj(n+1)(j=1,2,3,・
・・,N)を記憶する。平均値wmが求まれば、オフセット除
去演算部42は(8)式の演算を実行し、全係数wj(n+1)
(j=1,2,3,・・・,N)よりオフセットを除去した真の係数値
を求め、該係数を適応フィルタ32bに入力する。適応
フィルタ32bはオフセットが除去された係数wj(n+1)
(j=1,2,3,・・・,N)に従って参照信号xnにデジタルフィル
タ処理を施して騒音キャンセル信号ynを出力し、騒音
をキャンセルする。以後、上記動作をサンプリング周期
毎に繰返す。以上により、サンプリング周期毎にオフセ
ット分を除去した係数値wj(n+1)に基づいて適応フィル
タ処理を行うから係数値が漸増せず、しかも、騒音を正
しくキャンセルするように騒音キャンセル信号ynを出
力できる。尚、以上はLMSアルゴリズムに従って係数
を更新する場合であるが、フィルタードX LMSアル
ゴリズム、MEFX−LMSアルゴリズムに従って係数
を更新する場合にも適用できるものである。
【0025】(3) 本発明の第3の実施例 図3は本発明の第3の実施例説明図である。第2の実施
例では平均値wmを演算し、該平均値を係数値wj(n+1)
から差し引くことによりオフセットを除去しているが、
第3の実施例ではDCタップ部(適応フィルタを用いた
DC除去ユニット)を用いてオフセットを除去してい
る。DCタップ部は図3(a)に示すように、適応フィル
タADFと、適応信号処理部LMSと加算部ADDを備
えている。このDCタップ部によれば、第1の信号wn
に含まれる信号成分のうち、第2の信号rnと相関の高
い信号が除去され、第3の信号εnとなって出力され
る。例えば、第1信号wnが100Hz,200Hzの周波数信号を
含んでおり、かつ、第2信号rnを100Hzの単一周波数信
号とすると、第1信号wnより100Hz信号成分が除去さ
れ、第3の信号εnに200Hzの信号成分のみが含まれるよ
うになる。そこで、DCタップ部において、第2の信号
rnを1(直流で0Hz)とすると、第1の信号wnから直
流がカットされ、直流分を含まない第3信号εnが得ら
れ、DC分が除去される。
【0026】以上から、図3(b)に示すように第2の信
号rnを1(直流で0Hz)としたDCタップ部51を設
け、Nタップの各係数wj(n+1)(j=1,2,3,・・・,N)を第1
タップから順に時系列に並べて第1信号wnとしてDC
タップ部51に入力する。このようにすれば、第1信
号、すなわち係数信号からDC分(オフセット)が除去
された真の係数が第1タップのものから時系列で順に第
3信号として出力される。従って、第3の実施例では、
図2のオフセット除去部32a-4を図3(b)に示すDCタッ
プ部51を用いて構成し、1サンプリング時間毎に前述
のDC除去処理を行って係数wj(n+1)(j=1,2,3,・・・,N)
に含まれるオフセットを除去する。 (d) 変形例 第3の実施例では、各タップの係数を時系列に並べて係
数信号としてDCタップ部でオフセットを除去したが、
所定タップについて、図4に示すように今回の係数w
j(n+1)を含め過去M個の係数を時系列に並べてDCカッ
ト部51に入力し、今回の係数wj(n+1)を入力した時に
DCカット部から出力される値を第jタップの真の係数
とすることもできる。このようにすれば、係数からオフ
セットを除去できる。以上、本発明を実施例により説明
したが、本発明は請求の範囲に記載した本発明の主旨に
従い種々の変形が可能であり、本発明はこれらを排除す
るものではない。
【0027】
【発明の効果】以上本発明によれば、係数更新式に前
回の係数の平均値を差し引く項を付加し、該係数更新式
により得られる係数を適応フィルタの各タップの係数と
したから、あるいは係数更新式により得られた各タッ
プの今回の係数値の平均値を演算し、前記各係数値から
平均値を差し引いた値を適応フィルタの真の係数値とし
たから、あるいは、信号に含まれるDC分をカットす
るDCカット部を設け、各タップの係数を時系列に並べ
てDCカット部に入力し、該DCカット部から時系列に
出力される値を各タップの真の係数としたから、係数値
よりオフセット分を除去でき、正しく騒音キャンセル制
御を行えるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例構成図である。
【図2】本発明の第2の実施例構成図である。
【図3】本発明の第3の実施例説明図である。
【図4】本発明の変形例説明図である。
【図5】従来の騒音キャンセル装置の構成図である。
【図6】適応フィルタの構成図である。
【図7】フィルタードX信号作成用フィルタの構成図で
ある。
【図8】オフセット説明図である。
【符号の説明】
31・・参照信号発生部 32・・騒音キャンセルコントローラ 32a・・適応信号処理部 32b・・適応フィルタ 32a-1・・信号取込み部 32a-2・・係数更新部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−40488(JP,A) 特開 昭64−36211(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10K 11/178 F01N 1/00 H03H 17/02 601 H03H 21/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 騒音キャンセル点における騒音をキャン
    セルするためのキャンセル音を出力するスピーカと、騒
    音キャンセル点における騒音とキャンセル音との合成音
    をエラー信号として検出するセンサと、エラー信号とキ
    ャンセルすべき騒音に応じた参照信号を入力され、これ
    ら信号とステップサイズパラメータを用いて所定の係数
    更新式に従って前記騒音キャンセル点における騒音をキ
    ャンセルするように適応フィルタの全タップの係数を更
    新し、参照信号を適応フィルタに入力して騒音キャンセ
    ル信号を発生し、該騒音キャンセル信号をスピーカに入
    力する騒音キャンセルコントローラを備えた騒音キャン
    セル装置の騒音キャンセル方式において、 前記係数更新式に係数の平均値を差し引く項を付加し、 該係数更新式により得られる係数を各タップの係数とす
    ることを特徴とす騒音キャンセル方式。
  2. 【請求項2】 騒音キャンセル点における騒音をキャン
    セルするためのキャンセル音を出力するスピーカと、騒
    音キャンセル点における騒音とキャンセル音との合成音
    をエラー信号として検出するセンサと、エラー信号とキ
    ャンセルすべき騒音に応じた参照信号を入力され、これ
    ら信号とステップサイズパラメータを用いて所定の係数
    更新式に従って前記騒音キャンセル点における騒音をキ
    ャンセルするように適応フィルタの全タップの係数を更
    新し、参照信号を適応フィルタに入力して騒音キャンセ
    ル信号を発生し、該騒音キャンセル信号をスピーカに入
    力する騒音キャンセルコントローラを備えた騒音キャン
    セル装置の騒音キャンセル方式において、 前記係数更新式により得られた各タップの係数の平均値
    を演算し、 前記各係数から平均値を差し引いた値を適応フィルタの
    真の係数とすることを特徴とする騒音キャンセル方式。
  3. 【請求項3】 騒音キャンセル点における騒音をキャン
    セルするためのキャンセル音を出力するスピーカと、騒
    音キャンセル点における騒音とキャンセル音との合成音
    をエラー信号として検出するセンサと、エラー信号とキ
    ャンセルすべき騒音に応じた参照信号を入力され、これ
    ら信号とステップサイズパラメータを用いて所定の係数
    更新式に従って前記騒音キャンセル点における騒音をキ
    ャンセルするように適応フィルタの全タップの係数を更
    新し、参照信号を適応フィルタに入力して騒音キャンセ
    ル信号を発生し、該騒音キャンセル信号をスピーカに入
    力する騒音キャンセルコントローラを備えた騒音キャン
    セル装置の騒音キャンセル方式において、 信号に含まれるDC分をカットするDCカット部を設
    け、 各タップの係数を時系列に並べてDCカット部に入力
    し、 該DCカット部から時系列に出力される値を各タップの
    真の係数とすることを特徴とする騒音キャンセル方式。
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