JPH08122863A - カメラ及び通信装置 - Google Patents

カメラ及び通信装置

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JPH08122863A
JPH08122863A JP6283996A JP28399694A JPH08122863A JP H08122863 A JPH08122863 A JP H08122863A JP 6283996 A JP6283996 A JP 6283996A JP 28399694 A JP28399694 A JP 28399694A JP H08122863 A JPH08122863 A JP H08122863A
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JP
Japan
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optical system
lens
camera
focus adjustment
photographing
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JP6283996A
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English (en)
Inventor
Terutake Kadohara
輝岳 門原
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 移動被写体であっても、構図を自由に決めな
がらの撮影を行うことを可能にする。 【構成】 複数の被写体位置に対応する焦点調節光学系
位置を記憶する記憶手段と、記憶された複数の位置に連
続的に焦点調節光学系を移動させ、それぞれの位置にお
いて撮影動作を行わせる撮影制御手段PRSとを備え、
予め記憶手段に記憶された焦点調節光学系の各位置へ、
連続的にかつ自動的に焦点調節光学系を位置させ、それ
ぞれの位置での撮影を行うようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一眼レフカメラ等の自
動焦点調節機能を備えたカメラ及び該カメラに用いられ
る通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】移動している被写体に対して連続的に焦
点調節を行う機能として、動体予測などと呼ばれている
ものがある。これは、カメラの焦点検出から調節,撮影
(露光)動作にかかる時間による焦点調節遅れ分を演算
等にて補正し、露光時点で最適なピント状態を実現する
といったものである。
【0003】上記を目的とした自動焦点調節方法として
は、特開昭62−125311号,同62−13951
2号,同62−139511号,同62−269936
号等多数開示されている。
【0004】これらによって開示されている方法の要旨
は、連続撮影における検出デフォーカスの変化と時間間
隔を鑑みて、被写体の移動に起因するデフォーカス変化
を予測してレンズ駆動量に補正をかけようとするもので
あり、レンズの駆動終了時のピント精度は同方法により
かなりの改善がされる。
【0005】一方、自動焦点調節機能を有するスチール
カメラ等に於て、ホームポジションなどと呼ばれている
機能がある。これは、撮影レンズの焦点調節光学系の所
定の位置(以後、単に鏡筒位置と記す)を記憶する手段
を有する鏡筒駆動装置を用いることで、ある操作部材を
操作するだけで瞬時に所定の鏡筒位置を再現して撮影チ
ャンスを逃がさないようにしたのものである。
【0006】具体的には、特願昭61−77075号,
同62−9443号にて、任意の1点の鏡筒位置に対す
る制御を実現するための基本的構成や鏡筒駆動スピード
制御に関する内容が開示されている。一方、特願昭61
−166989号には、複数の点を記憶させ、その中か
ら任意の1点を選択させるといった内容も開示されてい
る。又、特願昭47−120008号では、雲台と併せ
て各方向毎に鏡筒位置を記憶する内容が開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】移動被写体を追い続け
て連続撮影する場合、先述の動体予測機能は手動ピント
調節を遥かに凌ぐ性能を示すが、万能ではない。
【0008】例えば、カメラの撮影視野内の測距領域に
常に被写体を捕らえていなければならない制約がある。
これに対しては測距領域を拡大したり多点化したりする
改良が行われているが、これにも限界があり、やはり自
由な構図の妨げとなる。
【0009】(発明の目的)本発明の目的は、移動被写
体であっても、構図を自由に決めながらの撮影を行うこ
とのできるカメラ及び通信装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1〜5記載の本発明は、複数の被写体位置
に対応する焦点調節光学系位置を記憶する記憶手段と、
記憶された複数の位置に連続的に焦点調節光学系を移動
させ、それぞれの位置において撮影動作を行わせる撮影
制御手段とを備え、予め記憶手段に記憶された焦点調節
光学系の各位置へ、連続的にかつ自動的に焦点調節光学
系を位置させ、それぞれの位置での撮影を行うようにし
ている。
【0011】また、上記の目的を達成するために、請求
項6記載の本発明は、撮影レンズを通過した被写体から
の光束を受光する光電変換手段と、該光電変換手段の出
力から撮影レンズのデフォーカス量を繰り返し検出する
焦点検出手段と、前記デフォーカス量に基づいて撮影レ
ンズの焦点調節光学系を駆動する第1の駆動手段と、撮
影レンズの倍率調節光学系を駆動する第2の駆動手段
と、複数の撮影レンズの焦点調節光学系と倍率調節光学
系の位置の履歴を記憶する記憶手段と、記憶された複数
の位置に連続的に前記各光学系を移動させ、それぞれの
位置において撮影動作を行わせる撮影制御手段とを備
え、予め記憶手段に記憶された焦点調節光学系及び倍率
調節光学系の各位置へ、連続的にかつ自動的にこれら光
学系を位置させ、それぞれの位置での撮影を行うように
している。
【0012】また、上記の目的を達成するために、請求
項7又は8記載の本発明は、被写体が所定の場所を通過
したことを検出する検出手段,該検出手段による検出情
報を通信する通信手段を具備した通信装置と、記憶手段
に記憶された複数の位置情報のうちの所定の各位置へ焦
点調節光学系を移動させる撮影制御手段を具備したカメ
ラとを組み合わせ、通信装置からの検出情報に基づい
て、カメラ側の焦点調節光学系と倍率調節光学系の少な
くとも焦点調節光学系を移動させ、それぞれの位置での
撮影を行うようにしている。
【0013】
【実施例】まず、簡単な例を用いて、以下の実施例にお
ける具体的な作用について説明する。
【0014】例えば、サーキット等で行われるレースで
は基本的に最適な走行ラインが存在し、追い抜きや事故
等が無い限りレーサはそのラインを外さないように走る
事に集中していると言っても過言ではない。従って、周
回を重ねている間に被写体の像面移動、即ち鏡筒位置の
履歴を記憶して、後撮影するといった事が十分可能であ
る。一旦きれいな履歴が記憶されれば、後は自由な構図
取りに集中した撮影が出来る事となる。
【0015】以下、図8のようなカーブを疾走して来る
バイクを連続して撮影する場面を想定する。
【0016】撮影構図の自由度を広げるには、従来なら
ば広い測距領域又は多数の測距点が必要となる。本実施
例では、予め連続的に鏡筒位置の履歴の記憶を行うこと
で、高価で複雑な装置となる多数の測距領域を備えた
点検出装置でなくとも、必要最小限(中央)1点のみの
測距領域を備えた焦点検出装置であれば十分な構図の自
由度を持った撮影を可能とするものである。
【0017】図9は、連続的な鏡筒位置履歴を記憶させ
る状況の説明図である。
【0018】この図では、撮影視野の中央部1点のみの
焦点検出領域を想定している。この場合は自動焦点検出
及び調節機能を用いて動作させるため、被写体を常に測
距領域で捕らえていなくてはならない。ここでは実際に
連続撮影(試写扱いとなる)してもフィルム無しでの連
続動作だけでもよい。但し、精度良い撮影を行うならば
実際に撮影を行った方が良い。これは、フィルムの有無
で連続撮影動作にかかる時間が異なる場合に誤差となっ
てしまうからである。ここでの記憶履歴情報としては、
各撮影時点での鏡筒位置,時間などが挙げられる。
【0019】図10は実際の撮影時を想定した説明図で
ある。
【0020】この図でも解るように、ここでは自動焦点
検出機能を使用しない撮影となるので、焦点検出領域を
意識せずに自由な構図での連続撮影が可能である。
【0021】以下、上記を実現する為の実施例の詳細に
ついて説明する。
【0022】図1は本発明の第1の実施例における自動
焦点調節機能を備えたカメラを示すブロック図である。
【0023】図1において、PRSはカメラの各種の制
御を行う、例えば内部にCPU(中央処理装置),RO
M,RAM,A/D変換機能を有する1チップのマイク
ロコンピュータ(以下、マイコンと記す)である。
【0024】前記マイコンPRSは、ROMに格納され
たカメラのシーケンスプログラムに従って、自動露出制
御機能,自動焦点調節機能,フィルムの巻上げ,巻戻し
等のカメラの一連の動作を行っている。そのために、該
マイコンPRSは通信用信号SO,SI,SCLK,通
信選択信号CLCM,CSDR,CDDRを用いて、カ
メラ本体内の周辺回路およびレンズ内制御装置と通信を
行って、各々の回路やレンズの動作を制御する。
【0025】SOはマイコンPRSから出力されるデー
タ信号,SIはマイコンPRSに入力されるデータ信
号,SCLKは信号SO,SIの同期クロックである。
【0026】LCMはレンズ通信バッファ回路であり、
カメラが動作中のときにはレンズ用電源端子VLに電力
を供給するとともに、マイコンPRSからの選択信号C
LCMが高電位レベル(以下、‘H’と記し、低電位レ
ベルは‘L’と記す)のときには、カメラとレンズ間の
通信バッファとなる。
【0027】マイコンPRSがCLCMを‘H’にし
て、SCLKに同期して所定のデータをSOから送出す
ると、LCMはカメラ・レンズ間通信接点を介して、S
CLK,SOの各々のバッファ信号LCK,DCLをレ
ンズへ出力する。それと同時にレンズからの信号DLC
のバッファ信号をSIに出力し、マイコンPRSはSC
LKに同期して、SIからレンズのデータを入力する。
【0028】SDRはCCD等から構成される焦点検出
用のラインセンサ装置SNSの駆動回路であり、信号C
SDRが‘H’のとき選択されて、SO,SI,SCL
Kを用いてマイコンPRSから制御される。信号CKは
CCD駆動用クロックφ1,φ2を生成するためのクロ
ックであり、信号INTENDは蓄積動作が終了したこ
とをマイコンPRSに知らせる信号である。
【0029】前記ラインセンサ装置SNSの出力信号O
Sは、クロックφ1,φ2に同期した時系列の像信号で
あり、センサ駆動回路SDR内の増幅器で増幅された
後、AOSとしてマイコンPRSに出力される。マイコ
ンPRSはAOSをアナログ入力端子から入力し、CK
に同期して、内部のA/D変換機能でディジタル信号と
して、RAMの所定アドレスに順次格納する。
【0030】同じくラインセンサ装置SNSの出力信号
であるSAGCは、該装置SNS内のAGC(自動利得
制御:Auto Gain Control)センサの
出力であり、センサ駆動回路SDRに入力されて該装置
SNSの蓄積制御に用いられる。
【0031】SPCは撮影レンズを介した被写体からの
光を受光する、露出制御用の測光センサであり、その出
力SSPCはマイコンPRSのアナログ入力端子に入力
され、A/D変換後、所定のプログラムに従って自動露
出制御に用いられる。
【0032】DDRはスイッチ検知および表示用回路で
あり、信号CDDRが‘H’のとき選択されて、SO,
SI,SCLKを用いてマイコンPRSから制御され
る。即ち、マイコンPRSから送られてくるデータに基
づいて、カメラの表示部材DSPの表示を切り替えた
り、カメラの各種操作部材のオン・オフ状態を通信によ
ってマイコンPRSに報知する。
【0033】SW1,SW2は不図示のレリーズボタン
に連動したスイッチで、レリーズボタンの第1段階の押
下によりスイッチSW1がオンし、引き続いて第2段階
の押下でスイッチSW2がオンする。マイコンPRSは
前記スイッチSW1のオンで測光,自動焦点調節を行
い、スイッチSW2のオンをトリガとして露出制御とフ
ィルムの巻上げを行う。
【0034】MTR1はフィルム給送用,MTR2はミ
ラーアップ・ダウンおよびシャッタばねチャージ用のモ
ータであり、各々の駆動回路MDR1,MDR2により
正転,逆転の制御が行われる。マイコンPRSからMD
R1,MDR2に入力されている信号M1F,M1R,
M2F,M2Rはモータ制御用の信号である。
【0035】MG1,MG2は各々シャッタ先幕・後幕
走行開始用マグネットで、信号SMG1,SMG2,増
幅トランジスタTR1,TR2で通電され、マイコンP
RSによりシャッタ制御が行われる。
【0036】なお、スイッチ検知および表示用回路DD
R,モータ駆動回路MDR1,MDR2,シャッタ制御
は本発明と直接関わりがないので、これ以上の詳しい説
明は省略する。
【0037】レンズ内制御回路LPRSにLCKに同期
して入力される信号DCLは、カメラからレンズFLN
Sに対する命令のデータであり、命令に対するレンズの
動作は予め決められている。
【0038】前記レンズ内制御回路LPRSは所定の手
続きに従ってその命令を解析し、焦点調節や絞りの動作
や、出力DLCからレンズの各部動作状況(焦点調節光
学系の駆動状況や、絞りの駆動状態等)や各種パラメー
タ(開放Fナンバー,焦点距離,デフォーカス量対焦点
調節光学系の移動量の係数等)の出力を行う。
【0039】実施例では、ズームレンズの例を示してお
り、カメラから焦点調節の命令が送られた場合には、同
時に送られてくる駆動量,方向に従って焦点調節用モー
タLTMRを信号LMF,LMRによって駆動して、光
学系を光軸方向に移動させて焦点調節を行う。光学系の
移動量はエンコーダ回路ENCFのパルス信号SENC
Fでモニタし、LPRS内のカウンタで係数しており、
所定の移動が完了した時点でLPRS自身が信号LM
F,LMRを‘L’にしてモータLMTRを制動する。
【0040】このため、一旦カメラから焦点調節の命令
が送られた後は、マイコンPRSはレンズの駆動が終了
するまで、レンズ駆動に関して全く関与する必要がな
い。また、カメラから要求があった場合には、上記カウ
ンタの内容をカメラに送出することも可能な構成になっ
ている。
【0041】カメラから絞り制御の命令が送られた場合
には、同時に送られてくる絞り段数に従って絞り駆動用
としては公知のステッピングモータDMTRを駆動す
る。なお、ステッピングモータはオープン制御が可能な
ため、動作をモニタするためのエンコーダを必要としな
い。
【0042】ENCZはズーム光学系に付随したエンコ
ーダ回路であり、レンズ内制御回路LPRSはENCZ
からの信号SENCZを入力してズーム位置を検出す
る。また、レンズ内制御回路LPRS内には各ズーム位
置におけるレンズ・パラメータが格納されており、カメ
ラ側のマイコンPRSから要求があった場合には、現在
のズーム位置に対応したパラメータをカメラ側に送出す
る。
【0043】上記構成によるカメラの動作について、図
2以降のフローチャートに従って説明する。
【0044】不図示の電源スイッチがオンになると、マ
イコンPRSへの給電が開始され、該マイコンPRSは
ROMに格納されているシーケンスプログラムの実行を
開始する。
【0045】図2は上記プログラムの全体の流れを表す
フローチャートである。
【0046】上記操作にてプログラムの実行が開始され
ると、ステップ(001)を経てステップ(002)に
おいてレリーズボタンの第1段階押下によりオンとなる
スイッチSW1の状態検知がなされ、スイッチSW1が
オフのときにはステップ(003)へ移行して、マイコ
ンPRS内のRAMに設定されている制御用のフラグ,
変数をクリアし初期化する。尚、記憶された履歴データ
等は保持しておく。
【0047】上記ステップ(002),(003)はス
イッチSW1がオンとなるか、あるいは電源スイッチが
オフとなるまで繰り返し実行される。そして、スイッチ
SW1がオンすることにより、ステップ(002)から
(004)へ移行する。
【0048】ステップ(004)では露出制御のための
「測光」サブルーチンを実行する。マイコンPRSは図
1に示した測光センサSPCの出力SSPCをアナログ
入力端子に入力し、A/D変換を行って、そのディジタ
ル測光値から最適なシャッタ制御値,絞り制御値を演算
して、それぞれをRAMの所定アドレスに格納する。そ
して、レリーズ動作時にはこれらの値に基づいてシャッ
タおよび絞りの制御を行う。
【0049】続いてステップ(005)で学習撮影かの
判断を行う。ここでの学習撮影とは、自動焦点検出機能
を用いずに、上記図8〜図10にて説明した様に、記憶
した鏡筒位置履歴に基づいたレンズ駆動のみを行い、連
続撮影する動作のことである。
【0050】まず、通常の動作についての説明を行う。
【0051】ステップ(006)にて「像信号入力」サ
ブルーチンを実行する。このサブルーチンのフローは図
3に示しているが、マイコンPRSは焦点検出用センサ
装置SNSから像信号の入力を行う。詳細は後述する。
【0052】次のステップ(007)では「焦点検出演
算」サブルーチンを実行し、入力した像信号に基づいて
撮影レンズのデフォーカス量DEFを演算する。具体的
な演算方法は、特願昭61−160824号公報等に開
示されているので詳細な説明は省略する。
【0053】続くステップ(008)では「予測演算」
サブルーチンを実行する。「予測演算」サブルーチンは
動きの大きい被写体に対するレンズ駆動量補正を行うも
ので、図4に補正方法を説明するための図を、図5にそ
のフローチャートを示している。
【0054】次のステップ(009)では「レンズ駆
動」サブルーチンを実行し、先のステップ(008)で
補正されたデフォーカス量DLに基づいてレンズ駆動を
行う。「レンズ駆動」サブルーチンのフローチャーは図
6に示している。
【0055】ステップ(011)では、レリーズボタン
の第2段階押下によりオンとなるスイッチSW2の状態
検知を行う。スイッチSW2がオンの場合は撮影者がレ
リーズ動作を行いたい時なので、ステップ(012)へ
移行し、以後レリーズ動作を行う。
【0056】スイッチSW2が押されていなければ、再
びステップ(002)に移行し、スイッチSW1がオン
するか、あるいはステップ(011)でスイッチSW2
のオンが検知されるまでステップ(004)から(00
9)が繰り返して実行され、動いている被写体に対して
も好ましい焦点調節が行われる。
【0057】一方、ステップ(011)にてレリーズボ
タンの第2段階の押下によるスイッチSW2のオンが検
知された時は、レリーズ動作の最初のステップ(01
2)へ移行する。そして、一連のレリーズ動作終了後は
再びステップ(002)へ実行が移行する。以下この動
作について説明する。
【0058】ステップ(011)でスイッチSW2がオ
ンならば、ステップ(012)に移行して、以下の一連
のレリーズ動作を開始する。
【0059】まず、ステップ(012)で「露光制御」
サブルーチンを実行する。これはカメラのクイックリタ
ーンミラーのミラー・アップを、図1に示したモータ制
御信号M2F,M2R及び駆動回路MDR2を用いてモ
ータMTR2を制御して行う事で始まる。
【0060】次に、ミラー・アップ制御が既に終了して
いるかどうかを検知する。ミラー・アップはミラーに付
随している不図示の検知スイッチにて確認をすることが
出来、未終了の場合には待機し、引き続き状態検知を行
う。更にフィルム給送が終了しているかの検知も行い、
未終了の場合には同様に終了待ちをする。
【0061】続いてステップ(004)の「測光」サブ
ルーチンで既に格納されている絞り制御値をレンズに送
出して、レンズに絞り制御を行わせ、同様に格納されて
いるシャッタ制御値にてシャッタの制御を行い、フィル
ム露光を行う。
【0062】シャッタの制御が終了すると、レンズに対
して絞りを開放状態にするように命令を送り、引き続い
てミラー・ダウンを行う。ミラー・ダウンはミラーアッ
プと同様にモータ制御用信号M2F,M2Rを用いてモ
ータMTR2を制御することで実行する。そしてミラー
・ダウンと絞り開放制御が完了するのを待ち、ともに完
了すると、ステップ(013)へ移行する。
【0063】ステップ(013)で「フィルム給送」サ
ブルーチン実行する。ここでは、図1に示したモータ制
御用信号M1F,M1Rを適切に制御することで、フィ
ルム一駒分を巻上げている。
【0064】以上が、スイッチSW2のオンが検知によ
り実行される一連のレリーズ動作である。
【0065】一方、不図示のモードスイッチにて学習撮
影モードが選択されている場合は、ステップ(005)
にて学習撮影と判断され、ステップ(010)に動作が
移行する。
【0066】ステップ(010)では、「時間調整」サ
ブルーチンを実行する。これは、学習撮影時は自動焦点
検出機能及び補正機能を用いず、記憶された鏡筒位置履
歴に従ってレンズを駆動しての連続撮影となるため、ス
テップ(006)からステップ(008)までの一連の
センサ蓄積,演算時間分待ってからのレンズ駆動が必要
となるからである。
【0067】次に、図3に示した「像信号入力」サブル
ーチンについて説明する。
【0068】「像信号入力」は各焦点調節動作のサイク
ルの最初に実行される動作であり、このサブルーチンが
コールされるとステップ(101)を経てステップ(1
02)にて、マイコンPRS自身が有している自走タイ
マのタイマ値TIMERをRAM上の記憶領域TNに格
納することによって、焦点調節動作の開始時刻を記憶し
ている。
【0069】次のステップ(103)では、時間間隔T
M1,TM2を更新する。ステップ(103)を実行す
る以前には、TM1,TM2には前回の焦点調節動作に
おける時間間隔TM1,TM2が記憶されており、また
TN1には前回の焦点調節動作を開始した時刻が記憶さ
れている。従って、TM2は前々回から前回まで、(T
N−TN1)は前回から今回までの焦点調節動作の時間
間隔を表し、これらがRAM上の記憶領域TM1,TM
2に格納されるわけである。そして、TN1には次回の
焦点調節動作のために今回の時刻TNが格納される。
【0070】さて次のステップ(104)では、ライン
センサ装置SNSに光像の蓄積を開始させる。具体的に
は、マイコンPRSがセンサ駆動回路SDRに通信にて
「蓄積開始コマンド」を送出して、これを受けてセンサ
駆動回路SDRはラインセンサ装置SNSの光電変換素
子部のクリア信号CLRを‘L’にして電荷の蓄積を開
始させる。
【0071】ステップ(105)では、自走タイマのタ
イマ値を変数TIに格納して、現在の時刻を記憶する。
【0072】次のステップ(106)では、マイコンP
RSの入力INTEND端子の状態を検知し、蓄積が終
了したか否かを調べる。センサ駆動回路SDRは蓄積開
始と同時に信号INTENDを‘L’にし、ラインセン
サ装置SNSからのAGC信号SAGCをモニタし、S
AGCが所定レベルに達すると、信号INTENDを
‘H’にし、同時に電荷転送信号SHを所定時間‘H’
にして、光電変換素子部の電荷をCCD部に転送させる
構造を有している。
【0073】上記のステップ(106)でINTEND
端子が‘H’ならば、蓄積が終了したということでステ
ップ(110)へ移行し、‘L’ならば、未だ蓄積が終
了していないということでステップ(107)へ移行す
る。
【0074】ステップ(107)では、自走タイマのタ
イマ値TIMERから、ステップ(105)で記憶した
時刻TIを減じて変数TEに格納する。従って、TEに
は蓄積開始からここまでの時間、いわゆる「蓄積時間」
が格納されることになる。
【0075】次のステップ(108)では、TEと定数
MAXINTを比較し、TEがMAXINT未満ならば
ステップ(106)へ戻り、再び蓄積終了待ちとなる。
TEがMAXINT以上になると、ステップ(109)
へ移行して、強制的に蓄積終了させる。強制蓄積終了は
マイコンPRSからセンサ駆動回路SDRへ「蓄積終了
コマンド」を送出することで実行される。
【0076】センサ駆動回路SDRはマイコンPRSか
ら「蓄積終了コマンド」が送られると、電荷転送信号S
Hを所定時間‘H’にして光電変換部の蓄積電荷をCC
D部へ転送させる。ステップ(109)までのフローで
センサの蓄積は終了することになる。
【0077】ステップ(110)では、ラインセンサ装
置SNSの像信号OSをセンサ駆動回路SDRで増幅し
た信号AOSのA/D変換およびそのディジタル信号の
RAM格納を行う。より詳しく述べるならば、センサ駆
動回路SDRはマイコンPRSからのクロックCKに同
期してCCD駆動用クロックφ1,φ2を生成してライ
ンセンサ装置SNS内部の制御回路SSCNTへ与え、
該装置SNSはφ1,φ2によってCCD部が駆動さ
れ、CCD内の電荷は、像信号として出力OSから時系
列的に出力される。この信号はSDR内部の増幅器で増
幅された後に、AOSとしてマイコンPRSのアナログ
入力端子へ入力される。マイコンPRSは自らが出力し
ているクロックCKに同期してA/D変換を行い、A/
D変換後のディジタル像信号を順次RAMの所定アドレ
スに格納してゆく。
【0078】このようにして像信号の入力を終了する
と、ステップ(111)にて「像信号入力」サブルーチ
ンをリターンする。
【0079】図4は、前述のレンズ駆動量補正方法を説
明するための図である。
【0080】図4中の横軸は時刻t,縦軸は被写体の像
面位置dを表している。また、実線で表した軌跡f
(t)は被写体の像面位置,破線で表した軌跡L(t)
はレンズの像面位置を意味している。
【0081】より詳しく述べるならば、f(t)は撮影
レンズの焦点調節光学系が焦点を無限遠に結ぶ位置にあ
るときに、カメラに対して光軸方向に接近してくる被写
体の時刻tにおける像面位置を意味し、L(t)は時刻
tにおける焦点調節光学系位置での同じ被写体の像面位
置を意味している。区間[ti,ti’]が焦点検出動
作,[ti’,ti+1]がレンズ駆動動作に相当す
る。
【0082】従って、同一時刻tにおけるf(t)とL
(t)の縦軸d方向の差が、いわゆるデフォーカス量で
ある。DFiは時刻tiにおける検出されたデフォーカ
ス量,DLiは時刻tiにおける焦点検出結果から実行
された像面位置換算のレンズ駆動量,TMiは焦点検出
動作の時間間隔をそれぞれ表している。
【0083】同図に示した例では、補正換算するための
前提として、被写体の像面位置が2次関数に従って変化
する,という仮定をおいている。即ち、時刻t3におい
て、現在および過去3回の像面位置(t1 ,f1 ),
(t2 ,f2 ),(t3 ,f3)がわかれば、時刻t4
における像面位置f4 が予測できるものとしている。
【0084】ところが、現実にカメラが検知し得るの
は、像面位置f1 ,f2 ,f3 ではなく、デフォーカス
量DF1,DF2,DF3並びに像面移動量換算のレン
ズ駆動量DL1,DL2である。そして、時刻t4 はあ
くまでも将来の値であり、実際には被写体輝度によって
蓄積型センサの蓄積時間が変化すると、それに伴って変
化する値であるが、f4 を決定する際には、簡単のた
め、「t4 −t3 =t3 −t2 」なる関係で既知なるも
のとの仮定をおく。
【0085】以上の仮定の下に、時刻t3 での焦点検出
結果から時刻t3 ’でt4 に向けてレンズ駆動を行う際
の、像面移動量換算のレンズ駆動は以下のようにして求
めてゆく。
【0086】 a・t+b・t+c=f(t) …………(1) a・t1 +b・t1 +c=f(t1 ) …………(2) a・t2 +b・t2 +c=f(t2 ) …………(2’) a・t3 +b・t3 +c=f(t3 ) …………(2”) 図4中、L1 点を原点と考えると、 f1 =DF1 …………(3) f2 =DF2+DL1 …………(3’) f3 =DF3+DL2+DL1 …………(3”) t1 =0 …………(4) t2 =TM1 …………(4’) t3 =TM1+TM2 …………(4”) 上記の式(3),(3’),(3"),(4),(4'),
(4")を、式(2),(2’),(2”)に代入して、
上記a,b,cを求めると、 a=(DF3+DL2−DF2)/{(TM1+TM2)・TM2} −(DF2+DL1−DF1)/{(TM1+TM2)・TM1} ………(5) b={(DF2+DL1−DF1)}/TM1−a・TM1 …(6) c=DF1 ………(7) よって、時刻t4 における像面移動量換算のレンズ駆動
量DL3は、 DL3=f4 −L3 =f4 −(f3 −DF3) =a・(TM1+TM2+TM3)2 +b・ (TM1+TM2+TM3)+c−{a・(TM1+TM2)2 −b・(TM1+TM2)+c}+DF3 =a・{(TM1+TM2+TM3)2 −(TM1+TM2)2 } +b・TM3+DF3 ………(8) ここで、TM3は前述したように、「TM3=TM2」
なる関係で既知であるものとして、上記の式(8)より
DL3が求まる。
【0087】時刻t4 以降のtnにおけるレンズ駆動量
も同様にして、過去3回の検出デフォーカス量DF
n-1 ,DFn-1 ,DFn ならびに過去2回の実際のレン
ズ駆動量DLn-2 ,DLn-1 ,そして過去2回の時間間
隔TMn-2 ,TMn-1 から求めることができる。
【0088】 an =(DFn +DLn-1 −DFn-1 )/{(TMn-2 +TMn-1 ) ・TMn-1 }−(DFn-1 +DLn-2 −DFn-2 ) /{(TMn-2 +TMn-1 )・T Mn-2 } ………(9) bn ={(DFn-1 +DLN-2 −DFn-2 )/TMn-2 } −an・TMn-2 ………(10) DLn =an・{(TMn-2 +TMn-1 +TMn2 −(TMn-2 +TMn-12 }+bn・TMn +DFn ………(11) 上記の式(9),(10),(11)に従って、検出デ
フォーカス量DFn から、レンズ駆動を行うためのデフ
ォーカス量DLn を求めてレンズ駆動を行えば、動いて
いる被写体に対しても、レンズ駆動終了時には常に適正
なピント合わせが可能となる。
【0089】なお、上記補正方法では2次関数で像面位
置を外挿するため、過去2回の焦点調節動作のデータが
必要である。ところが焦点調節を開始して最初の2回は
データが不足しているので、図4に示したように、焦点
調節動作の最初の2回は検出デフォーカス量そのものに
基づいてレンズを駆動する。つまり、実際の補正演算は
第3回目のレンズ駆動から行われ、図4にも表現してい
る様に、時刻t4 から補正効果が現れる。
【0090】図5に「予測演算」サブルーチンのフロー
チャートを示す。
【0091】本実施例では、先に述べた補正演算式
(9),(10),(11)中のデフォーカス量をレン
ズ移動量に置き換えて演算する。
【0092】最新の検出デフォーカス量をDEF,レン
ズ係数をSとすると、 DFn =DEF・S (12) 上記式(12)の置き換え後、式(9),(10),
(11)なる漸化形式の補正式を行うと、DLn なる補
正されたレンズ駆動量が得られる。
【0093】尚、レンズ係数「S」は撮影レンズの「焦
点調節光学系の移動量対象面移動量の係数」である。即
ち、撮影レンズの焦点調節光学系を光軸方向に単位長さ
移動させたときの撮影レンズの像面移動量を表す。
【0094】例えば、全体繰り出しタイプの単レンズの
場合には、撮影レンズ全体が焦点調節光学系に相当する
から、焦点調節光学系の移動はそのまま撮影レンズの像
面移動となるわけであるから「S=1」であり、ズーム
レンズの場合にはズーム光学系の位置によってSは変化
する。
【0095】ステップ(202),(203)では、今
回の補正演算のためにデータの更新を行っている。
【0096】即ち、式(9),(10),(11)は漸
化式形式で表されており、補正演算実行時点でその時点
から過去複数回のデータを用いるものである。ステップ
(202)では、検出デフォーカス量のレンズ移動量換
算のデータを、ステップ(203)では、レンズ駆動す
べき補正デフォーカス量のレンズ移動量換算のデータを
それぞれ更新している。
【0097】次のステップ(204)では、今回から次
回の焦点調節動作までの時間間隔TMn に対応するTM
3にTM2の値を格納する。即ち、式(11)の説明の
ときに述べたように、今回から次回の時間間隔(TM
3)を前回から今回までの焦点調節動作の時間間隔(T
M2)と仮定している。
【0098】ステップ(205)では、レンズからレン
ズ係数「S」を入力し、次のステップ(206)で、式
(12)で表された、デフォーカス量のレンズ移動量換
算を行う。式(9),(10),(11)は漸化形式で
あるから、今回の検出デフォーカス量(DEF)に式
(12)の演算を行うことで全てのデフォーカス量のレ
ンズ移動量換算が達成される。
【0099】次のステップ(207)では、予測演算を
行うためのデータが揃っているかのチェックを行う。過
去2回の焦点調節動作及び今回の測距結果のデータが揃
っていない場合は、ステップ(208)へ移行して、ス
テップ(206)で求めた最新のデフォーカス量(DE
F)のレンズ移動量換算値(DF3)を今回の補正演算
値(DLS)として、そのままステップ(212)へ移
行する。一方、予測演算を行うためのデータが十分揃っ
ているならば、ステップ(209)へと移行する。
【0100】ステップ(209)では式(9)を、ステ
ップ(210)では式(10)を、ステップ(211)
では式(11)を、それぞれ実行し、補正されたレンズ
駆動すべきデフォーカス量のレンズ移動量換算値(DL
S)を得る。
【0101】そして、ステップ(212)で、 DL=DLS/S (13) を計算することによって、上記レンズ移動量(DLS)
を「レンズ駆動」サブルーチンのために再びデフォーカ
ス量(DL)に換算し、ステップ(213)にて「予測
演算」サブルーチンをリターンする。
【0102】図6に「レンズ駆動」サブルーチンのフロ
ーチャートを示す。
【0103】このサブルーチンが実行されると、ステッ
プ(302)においてレンズと通信して、2つのデータ
「S」「PTH」を入力する。「S」は先に説明したレ
ンズ係数であり、「PTH」は焦点調節光学系LNSの
光軸方向の移動に連動したエンコーダENCFの出力1
パルス当たりの同光学系の移動量である。
【0104】続くステップ(303)では、今の動作状
態が「学習モード」であるかどうかの判断を行う。ここ
での「学習モード」とは、鏡筒位置履歴データの記憶動
作と記憶された鏡筒位置履歴による学習撮影動作の2つ
の動作を含んでいる。
【0105】ステップ(304)では、上記2つの動作
のどちらかを判断している。
【0106】履歴データの学習動作中ならば、ステップ
(305)に移行し、今回のデフォーカス量DLを履歴
データDL(I)に格納する。同時に、自動焦点検出,
補正の為の蓄積,演算時間に相当するT(I)を図4に
おける区間[ti,ti’]より求め履歴データとして
記憶する。このT(I)の時間分だけ図2のステップ
(010)の「時間調整」サブルーチンで待機する事と
なる。
【0107】一方、学習撮影中ならばステップ(30
6)に移行し、今回レンズ駆動すべき履歴データDL
(I)を今回焦点調節すべきデフォーカス量DLに格納
する。
【0108】ステップ(307)では次回のために引数
Iを1増加している。
【0109】他方、焦点調節すべきデフォーカス量D
L,上記S,PTHにより焦点調節光学系の移動量をエ
ンコーダの出力パルス数に換算した値、いわゆるレンズ
駆動量FPは次式で与えらえることになる。
【0110】 FP=DL・S/PTH ………(14) ステップ(308)は上式をそのまま実行している。
【0111】ステップ(309)では、上記ステップ
(308)で求めたFPをレンズ送出して焦点調節光学
系の駆動を命令する。
【0112】次のステップ(310)で、レンズと通信
して上記ステップ(309)で命令したレンズ駆動量F
Pの駆動が終了したか否かを検知し、駆動が終了すると
ステップ(311)へ移行して「レンズ駆動」サブルー
チンをリターンする。
【0113】以上説明してきた実施例では、レンズの鏡
筒履歴を再現する駆動量として現在位置からの相対値の
みを用いた動作の記述を行った。しかし、実写時の再現
精度を高めるためには少なくとも1度は焦点調節光学系
の絶対距離と被写体までの実距離を合わせる必要が生じ
る。この点について説明を行う。
【0114】例えば、撮影開始ポイント等最初の1点に
ついて、鏡筒位置と絶対位置を一致させる方法をいくつ
か述べて行く。
【0115】まず、自動焦点検出,調整機能を用いて合
わせる方法である。
【0116】これは、学習撮影モードであっても学習済
み領域までは通常動作とし、学習済み領域に入ったら学
習撮影動作に切り換える方法である。この場合、学習済
み領域の最初の1点については焦点調節光学系の絶対位
置を記憶しておき、検出,調整動作によりその位置にな
ったら直ちに学習撮影動作に切り換える事となる。ま
た、通常動作中は焦点検出領域に被写体を捕らえている
必要があるので、現在通常動作中か学習動作中かを撮影
者に判るよう撮影視野内に表示等を行う必要がある。
【0117】次に、実際被写体が所定の位置を通過した
ことを検知して、その距離に対して焦点検出系を合わせ
る方法をいくつか挙げて行く。
【0118】まず、通過の検知の方法としては、路面上
に細いワイヤや電極線等を設置し、その上を被写体が通
過する事を検知する方法、あるいは、LEDやレーザ
光、電磁波等を用いた被写体の通過による遮断を検知す
るインタラプタを構成する方法、又は観察者が通過を知
らせる方法等が挙げられる。
【0119】以上のような通過信号をカメラ側で受信
(ワイヤレス通信が現実的である)すると、焦点調節光
学系を瞬時に所定位置に対応した1点に移動させたり、
予めその位置に保持しておき、直ちに学習撮影動作を行
えばよい。尚、追従遅れについては、実際近付いて来る
被写体を撮影する場合が殆どであり、遠距離側での焦点
調節光学系の移動量は微量であるため問題にはならな
い。近距離側で問題となるレベルであるならば、カメラ
側の記憶された1点をやや前ぎにみ調整する事で問題は
解消される。
【0120】(第2の実施例)動体予測機能をもっと積
極的に利用する事で、試写と実写は完全に別扱い(異な
るタイミングでの撮影が可能)とする事が出来る。これ
は、試写時のデータから被写体の像面位置に対応する鏡
筒位置を近似関数で表現し、実写時は各撮影タイミング
に応じた予測演算を行ってレンズ駆動量を決定する事で
実現可能となる。
【0121】この場合、図2に示したフロー中のステッ
プ(010)の「時間調整」サブルーチンが「予測演
算」サブルーチンとなる。又、この実施例では試写(デ
ータ蓄積中)に於て実際に撮影する必要は無く、レリー
ズボタンの第1段階押下によるスイッチSW1のオン状
態での自動焦点検出,調整動作保持で十分である。実
際、撮影を行うと自動焦点検出,調整動作が各撮影駒毎
1回になってしまうので、スイッチSW1のオン状態保
持でのデータを基に演算した方が精度的に有利と言え
る。
【0122】更に上記実施例をより発展させ、試写(デ
ータ蓄積)を数回行って、これらのデータから最適な被
写体の像面位置に対応する鏡筒位置の関数を求めた上で
予測演算を行うとより安定した実写結果が得られる事と
なる。
【0123】この場合、試写終了毎に鏡筒位置関数の更
新を行う。この実施例の全体フローチャートを図7に示
している。
【0124】図7では、1回の学習記憶動作の終了を記
憶動作中のスイッチSW1のオフで判断し、ステップ
(404)「履歴更新」サブルーチンを行っている。
「履歴更新」サブルーチンは例えば最小2乗法等を用い
て、履歴データの近似関数(予測演算での想定関数に合
わせた2次関数で良い)を最適化する。これにより、デ
ータ蓄積中のエラーや誤差が最小限に抑えられ、実写の
際に安定した制御が可能となる。
【0125】又、多重露光させてもひと味違った撮影が
可能となる。図8〜図10においては、説明上1台のバ
イクがカーブを走って来る様子を連続撮影したものとし
て1枚の紙面に複数枚の撮影領域を重ねて表している
が、これを1枚の写真として、しかも撮影された全ての
バイクにピントが合っている写真が撮影可能である。即
ち、カーブ全体を撮影可能な広角系のレンズでまず走っ
ているバイクを中心にした構図でのデータを取り、本番
では図8〜図10のようなカーブ全体が撮影領域となる
ようなアングルでカメラを固定して連続撮影するだけで
ある。
【0126】なお、以上説明してきた実施例では、履歴
データとして、撮影レンズの焦点調節光学系の位置のみ
を鏡筒位置として記憶しているが、最近のズームレンズ
では倍率調整光学系も自動(電動)式のものが出回って
いる。この様なレンズを用いる場合は、この倍率調整光
学系の位置も併せて記憶することで、自動倍率調整機能
も有効に用いた撮影が可能となる。
【0127】上記の各実施例によれば、予め自動焦点検
出,調節機能を用いて複数の連続した鏡筒位置の履歴を
記憶させ、実際の撮影時はその各記憶位置に鏡筒を動か
しつつ連続撮影を行うようにしている為、実際の撮影時
には、被写体が撮影領域のどこにあっても、何ら支障な
く、移動被写体であっても自由な構図での撮影を行う事
が可能となる。
【0128】(発明と実施例の対応)本実施例におい
て、マイコンPRSが本発明の撮影制御手段,履歴設定
手段に相当し、RAMが本発明の記憶手段に相当する。
【0129】以上が実施例の各構成と本発明の各構成の
対応関係であるが、本発明は、これら実施例の構成に限
定されるものではなく、請求項で示した機能、又は実施
例がもつ機能が達成できる構成であればどのようなもの
であってもよいことは言うまでもない。
【0130】(変形例)本発明は、一眼レフカメラに適
用した場合を例にしているが、その他ビデオカメラ等の
カメラにも適用可能である。
【0131】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数の被写体位置に対応する焦点調節光学系位置を記憶
する記憶手段と、記憶された複数の位置に連続的に焦点
調節光学系を移動させ、それぞれの位置において撮影動
作を行わせる撮影制御手段とを備え、予め記憶手段に記
憶された焦点調節光学系の各位置へ、連続的に、かつ、
自動的に焦点調節光学系を位置させ、それぞれの位置で
の撮影を行うようにしている。
【0132】また、本発明によれば、予め記憶手段に記
憶された焦点調節光学系及び倍率調節光学系の各位置
へ、連続的にかつ自動的にこれら光学系を位置させ、そ
れぞれの位置での撮影を行うようにしている。
【0133】また、本発明によれば、被写体が所定の場
所を通過したことを検出する検出手段,該検出手段によ
る検出情報を通信する通信手段を具備した通信装置と、
記憶手段に記憶された複数の位置情報のうちの所定の各
位置へ焦点調節光学系を移動させる撮影制御手段を具備
したカメラとを組み合わせての撮影においては、通信装
置からの検出情報に基づいて、カメラ側の焦点調節光学
系と倍率調節光学系の少なくとも焦点調節光学系を移動
させ、それぞれの位置での撮影を行うようにしている。
【0134】よって、移動被写体であっても、構図を自
由に決めながらの撮影を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるカメラの構成を
示すブロック図である。
【図2】図1のカメラの全体のシーケンスを示すフロー
チャートである。
【図3】図2の「像信号入力」サブルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図4】本実施例におけるレンズ駆動量補正方法につい
て説明する為の図である。
【図5】図2の「予測演算」サブルーチンを示すフロー
チャートである。
【図6】図2の「レンズ駆動」サブルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図7】本発明の第2の実施例におけるカメラの全体の
シーケンスを示すフローチャートである。
【図8】本発明のカメラによって最適な撮影を行うこと
のできる撮影シーンの一例を示す図である。
【図9】図8の撮影シーンを撮る前の鏡筒位置の履歴を
記憶させる際について説明する為の図である。
【図10】図8の撮影シーンに際して予め記憶した鏡筒
位置の履歴情報に基づいてレンズ駆動を自動的に行わ
せ、使用者は構図の設定のみに専念可能な事を説明する
為の図である。
【符号の説明】
PRS マイコン LCM レンズ通信バッファ回路 SDR センサ駆動回路 SNS ラインセンサ装置 LPRS レンズ内制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03B 15/16 Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の被写体位置に対応する焦点調節光
    学系位置を記憶する記憶手段と、記憶された複数の位置
    に連続的に焦点調節光学系を移動させ、それぞれの位置
    において撮影動作を行わせる撮影制御手段とを備えたカ
    メラ。
  2. 【請求項2】 撮影レンズを通過した被写体からの光束
    を受光する光電変換手段と、該光電変換手段の出力から
    撮影レンズのデフォーカス量を繰り返し検出する焦点検
    出手段と、前記デフォーカス量に基づいて撮影レンズの
    焦点調節光学系を駆動する駆動手段とを備えた請求項1
    記載のカメラ。
  3. 【請求項3】 複数の撮影レンズの焦点調節光学系位置
    の、前記記憶手段への履歴設定を、自動焦点調節機能を
    用いて連続的に行う履歴設定手段を具備したことを特徴
    とする請求項2記載のカメラ。
  4. 【請求項4】 連続した各焦点調節光学系位置の、前記
    記憶手段への履歴設定を、自動焦点調節機能を用いた複
    数回の連続撮影動作又は連続焦点調節動作の結果から最
    適位置を求めて行う履歴設定手段を具備したことを特徴
    とする請求項2記載のカメラ。
  5. 【請求項5】 記憶された複数の鏡筒位置に対して焦点
    調節を行いながら、1駒に対して多重撮影を行うことを
    特徴とする請求項2記載のカメラ。
  6. 【請求項6】 撮影レンズを通過した被写体からの光束
    を受光する光電変換手段と、該光電変換手段の出力から
    撮影レンズのデフォーカス量を繰り返し検出する焦点検
    出手段と、前記デフォーカス量に基づいて撮影レンズの
    焦点調節光学系を駆動する第1の駆動手段と、撮影レン
    ズの倍率調節光学系を駆動する第2の駆動手段と、複数
    の撮影レンズの焦点調節光学系と倍率調節光学系の位置
    の履歴を記憶する記憶手段と、記憶された複数の位置に
    連続的に前記各光学系を移動させ、それぞれの位置にお
    いて撮影動作を行わせる撮影制御手段とを備えたカメ
    ラ。
  7. 【請求項7】 被写体が所定の場所を通過したことを検
    出する検出手段と、該検出手段による検出情報を通信す
    る通信手段とを具備した通信装置。
  8. 【請求項8】 前記撮影制御手段は、上記請求項7記載
    の通信装置より検出情報が入力されることにより、前記
    記憶手段に記憶された複数の位置情報のうちの所定の各
    位置へ光学系を移動させる手段であることを特徴とする
    請求項1又は6記載のカメラ。
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Cited By (2)

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JP2009139795A (ja) * 2007-12-10 2009-06-25 Sony Corp 撮像装置
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