JPH08120483A - 表面外観に優れた電気亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

表面外観に優れた電気亜鉛めっき鋼板の製造方法

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JPH08120483A
JPH08120483A JP25706694A JP25706694A JPH08120483A JP H08120483 A JPH08120483 A JP H08120483A JP 25706694 A JP25706694 A JP 25706694A JP 25706694 A JP25706694 A JP 25706694A JP H08120483 A JPH08120483 A JP H08120483A
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plating
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JP25706694A
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Ikuya Inoue
郁也 井上
Koji Tanimura
宏治 谷村
Fumio Yamazaki
文男 山崎
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は原板に起因する外観汚れを軽減し、
優れた外観を呈する電気亜鉛めっき鋼板の製造方法を提
供する。 【構成】 鋼板に電気亜鉛めっきを施すにあたって、め
っき初期にZnイオン0.2〜0.8mol/l含んだ
めっき液にて、電流密度170〜5000A/dm2
Znめっきを5〜100mg/m2 付着させ、次いで電
流密度20〜150A/dm2 で最初に付着させたZn
めっきとの合計で10g/m2 以上になるようにZnめ
っきを施すことを特徴とする表面外観に優れた電気亜鉛
めっき鋼板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた表面外観を有
し、特に家電製品などに用いられる表面処理鋼板として
好適な電気亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼製品に対する要求品質は年々高度化
し、特に自動車や家電用途を中心に耐食性向上ニーズが
高く、これにともなって表面処理鋼板の需要が増大して
いる。表面処理鋼板としては、自動車用では、Zn系合
金めっきやこれに有機被膜を付与した有機複合めっき鋼
板が、家電用途では耐食性だけでなく、工程省略などの
ニーズから様々な後処理鋼板が開発実用化されている。
家電用途における後処理としては、クロメート処理やさ
らに有機被膜を付与する有機複合処理が中心であるが、
下地めっきとしては電気亜鉛めっきが採用される場合が
多い。電気亜鉛めっきは自動車用に開発されたZn系合
金めっきに比べれば、同一付着量での耐食性は見劣りす
るものの、製造がしやすくコスト面でも有利であり、ク
ロメート処理との相性がよいなどの利点がある。このた
め、下地めっきは電気亜鉛めっきに固定し、ニーズに応
じた後処理をこれに適用し、家電分野における耐食性や
工程省略など多様化するニーズに応えている。
【0003】こうした状況の下に、家電用途ではこれら
後処理鋼板を組み立て加工してそのまま使用することが
多くなり、それにともなって外観品質への要求が厳しく
なり、これまで見過ごされてきた微小な外観汚れが無視
できなくなりつつある。優れた外観を有する電気亜鉛め
っき鋼板の製造方法としては、特開平4−74887号
公報、特開平4−74888号公報に電導度助剤を含有
する酸性電気亜鉛めっき浴で下層めっきを形成し、次い
で電導度助剤を含有しない別の亜鉛めっき浴で上層めっ
きを形成する方法が開示されているが、微小な外観汚れ
を改善できるまでには到っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】外観上の問題は、後処
理を含む電気亜鉛めっき工程で発生するものと原板起因
とに区別される。その原因が特定されれば解決は容易で
あるが、特に原板起因の場合には、その製造工程がきわ
めて複雑であるため、特定することが困難な場合が多
く、特定できたとしても抜本的な解決にはなかなか到ら
ないのが現状である。また、明らかに原板起因であって
も、原板段階では確認できず、電気亜鉛めっきを行うこ
とにより初めて確認できるという類の問題も多い。この
ため、電気亜鉛めっき工程のなかで、耐食性などの本来
の品質特性を損なうことなく、原板状態に左右されずに
安定して良好な表面外観が得られる製造方法が必要とな
った。本発明は、上記課題を解決するためのものであ
り、表面外観に優れた電気亜鉛めっき鋼板の製造方法を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、原板では
確認できない微小な疵や汚れに起因して発生する電気亜
鉛めっき鋼板の外観不良はZnの初期電析の微妙な差異
によることをつきとめた。そこで、Znの初期電析の均
一化について鋭意検討した結果、まず大電流密度で短時
間の初期Znめっきを施すことが有効であることを見い
出した。また、初期Znめっき時にZnイオン濃度が低
いめっき浴を用いると、電流密度の広い範囲で安定した
表面外観を得ることができることを見い出した。本発明
はこの知見をもとに成し得たものであり、その要旨は以
下の通りである。鋼板に電気亜鉛めっきを施すにあたっ
て、めっき初期にZnイオン0.2〜0.8mol/l
含んだめっき液にて、電流密度170〜5000A/d
2 でZnめっきを5〜100mg/m2 付着させ、次
いで電流密度20〜150A/dm2 で最初に付着させ
たZnめっきとの合計で10g/m2 以上になるように
Znめっきを施すことを特徴とする表面外観に優れた電
気亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【0006】
【作用】本発明は電気亜鉛めっきを施すにあたって、あ
らかじめ大電流密度、短時間の条件で微量のZnめっき
を行うことを特徴とする。その作用効果としては、鋼板
表面の微小なスケール疵や汚れに由来して電気亜鉛めっ
き後に発生する外観不良を改善する点にある。外観不良
部は、目視では色調が異なりミクロ観察を行うと正常部
に比べてめっき結晶の大きさや向きが不揃いであること
が確認できる。微小疵の部分では、その形状あるいは鋼
成分の偏析などにより亜鉛めっきの析出、特に初期の析
出が不均一になるためと考えられる。これに対して、初
期Znめっき時に大電流密度を通電すると、短時間であ
れば結晶核成長よりも結晶核生成が優先となり微小疵部
でも正常部と同様にZnが均一に析出し、これが続くZ
n析出の核となってZnが均一に電析するようになる結
果、外観汚れが観察されにくくなると推定される。しか
し、初期の大電流密度によるZnめっき時のめっき時間
が長くなると、いわゆるめっき焼けが起こり、かえって
微小疵部でのZnめっき後の外観が悪くなるので初期Z
nめっきの目付量を考慮する必要がある。さらに、初期
Znめっき時に用いるめっき浴は通常のZnめっき時に
用いるめっき浴よりも低イオン濃度範囲に制限すること
が望ましい。低イオン濃度に制限したときの方が、均一
に核形成、核成長できる電流密度範囲が広がる。
【0007】以下、図面に基づいて本発明を説明する。
図1は本発明における電気亜鉛めっき時のめっき時間と
電流密度との関係を模式的に表した図である。i1 は初
期Znめっき時の電流密度、t1 は初期Znめっき時の
めっき時間(電流密度i1 のときのめっき時間)、i2
は続いて行う主Znめっき時の電流密度、t2 は主Zn
めっき時のめっき時間(電流密度i2 のときのめっき時
間)である。すなわち、電流密度i1 でt1 の時間初期
Znめっきを施し、次いで電流密度i2 でt2 の時間主
Znめっきを行い、電気亜鉛めっき製品を完成する。本
発明は、従来技術(i1 =i2 =20〜150A/dm
2)に比べて、めっき初期に大電流密度i1 =200〜
5000A/dm2 を短時間通電する方法である。
【0008】図2に微小疵起因の外観汚れに対する、図
1で説明した初期Znめっき時の電流密度の効果を示
す。実際の微小疵は不特定に発生するために、模擬的に
鋼板にレーザービームを照射し、これを原板として電気
亜鉛めっきを行い、レーザービームを照射した部分の色
調が異なり外観汚れと認識できるかを確認した。この繰
り返しにより、原板では目視確認できないが、電気亜鉛
めっきにより外観汚れが確認できるという照射条件を設
定した。図2はこうして模擬的に微小疵を与えた鋼板を
原板として初期Znめっきと主Znめっきを行ったとき
の初期Znめっき時の電流密度と外観汚れの発生率を整
理したものである。ZnめっきはZnイオン70g/
l,pH1.2,浴温55℃の硫酸酸性めっき浴を用い
て行い、初期Znめっき付着量は5,20,100mg
/m2 、主Znめっき量は初期Znめっきとの合計で2
0g/m2 とした。主Znめっき時の電流密度は70A
/dm 2 とした。同一条件で10枚処理し、外観汚れの
発生率を算出した。
【0009】図2から初期Znめっき時の電流密度が1
00A/dm2 以下では外観汚れ発生率100%である
が、200〜5000A/dm2 では20%以下、40
0〜1000A/dm2 では10%以下に低減する。そ
の理由は、200A/dm2未満では析出した結晶核の
数が充分ではなく、また5000A/dm2 を超えると
いわゆるめっき焼けが生じ局所的な核成長が起こったた
めと考えられる。
【0010】図3には、微小疵起因の外観汚れに対する
初期Znめっき時のめっき浴中Znイオン濃度の影響を
示す。主ZnめっきはZnイオン70g/l、pH1.
2、浴温55℃の硫酸酸性めっき浴を用いて行い、初期
Znめっき時の電流密度を170,200A/dm2
初期Znめっき付着量は20mg/m2 、主Znめっき
量は初期Znめっきとの合計で20g/m2 とした。主
Znめっき時の電流密度は70A/dm2 とした。外観
汚れ発生率の評価法は図2と同じである。図3から、図
2でめっき外観不良が多発していた電流密度でも初期Z
nめっき浴の濃度範囲を規定することにより、外観不良
を20%以下に抑えることができることがわかる。初期
Znめっき時のめっき浴中のZnイオン濃度を低イオン
濃度範囲とすることにより外観汚れを防止できる電流密
度範囲が広がる。初期Znめっき時のめっき浴中Znイ
オン濃度は0.2〜0.8mol/lが望ましい。
【0011】図4には、微小疵起因の外観汚れに対する
初期Znめっき時の初期Zn目付量の影響を示す。Zn
めっきの条件は図2と同様であるが、初期Znめっき時
の電流密度は400,1000A/dm2 とした。初期
Znめっき目付量の増加にともない、外観汚れ発生率は
減少する傾向にあるが、100mg/m2 を超えると急
激に外観汚れ発生率が増加する。初期Znめっき目付量
が5〜100mg/m 2 のときに外観汚れ発生率が10
%以下に低下する。その理由は、5mg/m2未満では
析出した結晶核の数が充分ではなく、また100mg/
2 を超えるといわゆるめっき焼けが生じ局所的な核成
長が起こったためと考えられる。
【0012】以上のように、微量の大電流密度によるZ
nめっきを初期に施すことにより、電気亜鉛めっき鋼板
の原板起因の外観汚れが軽減される。初期Znめっき時
の電流密度は200〜5000A/dm2 が良い。20
0A/dm2 未満では図2に示したように外観汚れに対
しての効果がない。5000A/dm2 を超えると目付
量が少ない段階でめっき焼けが起こりかえって電気亜鉛
めっき後の外観が悪くなる。より好ましい範囲は400
〜1000A/dm2 である。この範囲では図2に示す
ように外観汚れ発生率が10%以下となる。初期Znめ
っき時のめっき浴中Znイオン濃度は0.2〜0.8m
ol/lとすると有効である。この範囲とすることによ
り外観汚れを防止できる電流密度範囲を広げることがで
きる。
【0013】初期Znめっき時のZn目付量は5〜10
0mg/m2 が良い。5mg/m2未満では図3に示す
ように外観汚れに対しての効果がない。100mg/m
2 を超えて初期Znめっきを施すとめっき焼けが生じ、
かえって電気亜鉛めっき後の外観が悪くなる。主Znめ
っきのめっき浴の組成条件については特に制約されない
が、Znイオン40〜100g/l含有するpH1.5
〜6の硫酸酸性浴が効果的である。主Znめっき時の電
流密度は20〜150A/dm2 が好ましい。主Znめ
っきのめっき量についての制約は特にないが、初期Zn
めっきとの合計で5〜40g/m2 の範囲でめっきを行
うのが好ましい。
【0014】
【実施例】板厚4mmの低炭素鋼の熱間圧延材をスケー
ルが薄く残るように酸洗した後、冷間圧延して板厚0.
8,1.0,1.2mmとし、これを焼鈍してめっき原
板とした。このような原板に対して、Znイオン1mo
l/lを含むpH1,浴温60℃の硫酸浴を用いて、電
流密度100A/dm2 で付着量20g/m2 の電気亜
鉛めっきを行ったところ、10枚とも外観汚れが発生
し、その程度は板厚が厚いほど激しかった。初期Znめ
っきをZnイオン0.2,0.8mol/lを含む硫酸
浴を用いて、電流密度200A/dm2 で10mg/m
2 付着させてから電気亜鉛めっきを10枚行ったとこ
ろ、板厚0.8mmでは外観汚れは皆無となり、1.0
mmでは1枚、1.2mmでは2枚外観汚れが発生した
が、その程度は初期Znめっき無しに比較して軽いもの
であった。
【0015】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明は、原板に起因
する電気Znめっき後の微小な外観汚れを改善する方法
を提供するものである。特に組立加工してそのまま使用
される家電製品用の表面処理鋼板の下地亜鉛めっきの製
造方法として好適であり、ますます厳格化する外観品質
に対する要求に応えていくにあたり、まことに効果的で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における電気亜鉛めっき時のめっき時間
と電流密度との関係を模式的に表した図である。
【図2】微小疵起因の外観汚れ発生率と初期Znめっき
時の電流密度との関係を表した図である。
【図3】外観汚れ発生率と初期Znめっき時のめっき浴
中Znイオン濃度との関係を表した図である。
【図4】外観汚れ発生率と初期Znめっき時の初期Zn
目付量との関係を表した図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板に電気亜鉛めっきを施すにあたっ
    て、めっき初期にZnイオン0.2〜0.8mol/l
    含んだめっき液にて、電流密度170〜5000A/d
    2 でZnめっきを5〜100mg/m2 付着させ、次
    いで電流密度20〜150A/dm2 で最初に付着させ
    たZnめっきとの合計で10g/m2 以上になるように
    Znめっきを施すことを特徴とする表面外観に優れた電
    気亜鉛めっき鋼板の製造方法。
JP25706694A 1994-10-21 1994-10-21 表面外観に優れた電気亜鉛めっき鋼板の製造方法 Pending JPH08120483A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100349141B1 (ko) * 1997-06-20 2002-12-26 주식회사 포스코 표면외관및후처리성이우수한전기아연도금강판의제조방법
JP2008169404A (ja) * 2007-01-05 2008-07-24 Jfe Steel Kk 電気めっき方法
JP2011195854A (ja) * 2010-03-17 2011-10-06 Jfe Steel Corp 電気亜鉛めっき鋼板の製造方法

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JP2008169404A (ja) * 2007-01-05 2008-07-24 Jfe Steel Kk 電気めっき方法
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