JPH08120435A - ガラス成形金型用溶射材料およびその金型 - Google Patents

ガラス成形金型用溶射材料およびその金型

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JPH08120435A
JPH08120435A JP25350894A JP25350894A JPH08120435A JP H08120435 A JPH08120435 A JP H08120435A JP 25350894 A JP25350894 A JP 25350894A JP 25350894 A JP25350894 A JP 25350894A JP H08120435 A JPH08120435 A JP H08120435A
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JP
Japan
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mold
glass
thermal spray
spray material
present
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JP25350894A
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Yuichi Taniguchi
口 裕 一 谷
Michio Endo
藤 道 雄 遠
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無塗油でのガラス成形用金型において、急冷
によるガラス欠陥を無くし、品質のよいガラス製品を提
供すること。 【構成】 重量%で、Cu1〜15%、Al4〜10
%、Cr7〜20%、希土類元素1種または2種以上
0.02〜2.0%、あるいはさらにNi10〜30%
含み、残部Feおよび不可避的不純物からなるガラス成
形金型用溶射材料、また、該溶射材料を溶射してなる層
を内面に形成したガラス成形用金型。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融ガラスを成型用金
型に装入して成形するガラス成形用金型、特に離型性に
優れた金型用材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガラス成形用金型は、一般に、鋳鉄、耐
熱鋼により作られている。これらの材質からなる金型
は、高温のガラスが装入されその表面に接触した際に、
ガラスと反応して製品が金型から抜けなかったり、ガラ
ス表面性状が悪化したりして離型性が悪くなる。このた
め、ガラス成形用金型の表面に黒鉛や硫黄を樹脂で分散
させた離型剤を塗布するのが通例である。しかし、この
離型剤は、塗布後燃焼して悪臭を放ち、また潤滑むらが
製品不良を引き起こしたりするので、離型剤を使用しな
い、すなわち無塗油化、が望まれている。
【0003】本発明者らは、これらの問題を解決するた
めに、先に特開昭64−73034号公報に開示する技
術を提案している。この技術は、金型表面に強固なアル
ミナ被覆を有する離型性に優れた無塗油での金型材料で
あり、これによって作られたガラス成形金型は、既に使
用されている。しかし、この技術は離型材を使用しない
のでガラスと金型との直接接触によりガラスが急冷さ
れ、ひび割れやしわが発生することがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ガラス成形
において、離型剤を塗布しない場合でも安定した品質の
ガラス製品を得ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の事項を
その特徴としている。 重量%で、Cu1〜15%、Al4〜10%、Cr
7〜20%、希土類元素1種または2種以上0.02〜
2.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなるガラ
ス成形金型用溶射材料。 さらに、Niを10〜30重量%含む前記に記載
のガラス成形金型用溶射材料。 前記またはに記載の溶射材料を内面に溶射され
た層を有するガラス成形用金型。
【0006】以下に、本発明を詳細に説明する。ガラス
成形用金型において離型剤を使用しない、すなわち無塗
油操業は、ガラスと金型が直接接触するため、ガラスが
急冷され、急冷によるひび割れやクラックが発生するこ
とがある。本発明者らによる各種の実験の結果、離型剤
はすべりを良くするだけでなく断熱効果も大きいことが
判明し、無塗油操業でも同様の効果を得ることが必要で
あることに着目した。
【0007】そこで、本発明者らは、ガラスからの抜熱
を低減するために、金型内表面に熱伝導率が低く、かつ
離型性のよい材料を溶射することにより、本発明を完成
するに至った。
【0008】本発明の溶射材料の合金成分範囲について
説明する。 Cu:15%以上含有すると熱伝導度が大きくなり、急
冷によるクラックが発生する。また、1%以下では熱伝
導が悪くなり、ガラスと焼き付きを起こす。したがっ
て、その適正含有量を1〜15%とした。 AlとCr:これらの元素は高温で酸化物となり、この
複合酸化物がガラスとの反応を抑止し、焼き付きを防止
する。Al,Crは単独での添加では、焼き付き防止効
果が得られなかった。
【0009】Al:Al濃度は高い方が離型性が向上す
るが、10%以上ではCu相中に脆いβ相が形成されて
熱疲労強度が劣化する。一方、4%未満では、酸化物の
形成が困難となり、離型性の効果が少ない。したがっ
て、その適正含有量を4〜10%とした。 Cr:Alと同様に高温で酸化物を形成し、離型性を改
善する。さらに、高温での耐酸化性が向上する効果があ
る。しかし、20%を越えると脆くなり、加工性が乏し
くなり、また、高温で異常酸化を起こす。また、7%未
満では耐酸化性が良くない。したがって、その適正含有
量を7〜20%とした。
【0010】希土類元素:Y、Ce、La等の希土類元
素はアルミナ皮膜を強固なものとし、本発明の効果を持
続させる。濃度は0.02%未満では効果がなくなり、
また2.0%以上では材料が脆くなる。 Ni:Niを添加すると銅相が強化されると共に、鉄相
がオーステナイト組織になり、高温強度が確保できる
他、組織が微細化しなめらかな表面となる。ただし、コ
ストアップになるのでその効果との兼ね合いとなる。こ
の効果が期待できるのは、10%以上であるが、30%
以上では、NiAl系の金属間化合物を形成し脆くなる
ので、その適正含有量を10〜30%とした。
【0011】次に、溶射について説明する。溶射方法と
しては、フレーム溶射や電気溶射がある。フレーム溶射
では、溶射材料中に空気相が混入され、熱伝導度がさら
に低減されるので効果が大きくなる。溶射材料の形状
は、ワイヤーや粉末である。ワイヤーは通常の線引き加
工で作成できるのでコストは安価である。一方、粉末は
ガスアトマイズや水アトマイズ法等で製造されるので高
価になる。
【0012】ガラス成形は、金型内部に溶融ガラスを装
入し、金型内面の形状を転写するので、溶射は金型の内
面に行う。溶射厚みは、通常20μmから300μm程
度であるが、寿命を延ばすためにさらに厚くすることも
ある。ショット数の少ない場合には、数μmの場合もあ
るが、通常の条件では50μm程度である。
【0013】溶射のままの面粗度では製品表面が荒れる
ので、溶射後、研磨を行い所定の面粗度に仕上げる。
【0014】本発明で溶射する対象となる金型の材料
は、特開平6−10079号公報に開示された材料のみ
ならず、SUS材やFC材、耐熱材料等の一般金型材料
への適応が可能である。
【0015】
【実施例】以下に、本発明を実施例によりさらに説明す
る。実施例1 重量%で、Cu 30%、Al 5%、Cr 5%、N
i 10%、La 0.5%、残部Feの材料を用い
て、内直径50mm、外直径120mm、高さ150m
mの金型を作成した。次に、Cu 2%、Al 7%、
Cr 10%、La 0.5%、残部Feの本発明合金
のワイヤーを作成し、これを金型内面に溶射した。溶射
層の厚みは50μmであった。この金型に1200℃の
ガラスを装入し、成形を行った。比較例として、溶射し
ていない金型を使用した。
【0016】評価試験は、10,000個当りのガラス
瓶にクラックが発生した頻度を測定して行った。その結
果を、表1に示す。表1から分るように、本発明による
操業の場合、急冷によるクラックは皆無であった。
【0017】
【表1】
【0018】実施例2 FC20の材料を用い、内直径40mm、外直径120
mm、高さ120mmの金型を作成した。次に、重量%
で、Cu 3%、Al 5%、Cr 10%、La
0.5%、残部Feの本発明合金のワイヤーを作成し、
これを金型内面に溶射した。溶射層の厚みは80μmで
あった。この金型に1200℃のガラスを装入し、成形
を行った。比較例として、Cu 50%、Al 8%、
Cr 12%、残部Feの材料を溶射した金型を使用し
た。評価試験は、実施例1と同様、10,000個当り
のガラス瓶にクラックが発生した頻度を測定して行っ
た。その結果を、表2に示す。表2から分るように、本
発明による操業の場合、クラックは皆無であった。
【0019】
【表2】
【0020】実施例3 鋳鉄材料で金型を作成し、次に重量比で、Cu 3%、
Al 8%、Cr 10%、Ni 20%、La 0.
8%、残部Feの粉末を用いて金型表面に150μm溶
射した。また比較のため、溶射していない金型を使用し
た。
【0021】金型のサイズは、実施例2と同様にした。
ガラス成形を行い、クラックの発生回数を比較した。シ
ョット数は10000回とし、クラック発生頻度をカウ
ントした。
【0022】評価試験の結果を、表3に示す。本発明に
よる操業の場合、クラック発生が皆無であった。
【0023】
【表3】
【0024】実施例4 鋳鉄材料による金型を作成し、次に重量%で、Cu 3
%、Al 5%、Cr10%、Ni 15%、La
0.6%、残部Feの粉末を用いてその表面に50μm
溶射した。また、比較例としてCu 65%、Al 6
%、Cr 10%、Ni 15%、La 0.6%、残
部Feの粉末を溶射していない金型を使用した。
【0025】サイズは実施例1と同様とした。ガラス成
形を無塗油で行い、クラックの発生回数を比較した。シ
ョット数は50000回とし、クラック発生頻度をカウ
ントした。評価試験の結果を、表4に示す。本発明によ
る操業の場合、クラック発生が皆無であった。
【0026】
【表4】
【0027】
【発明の効果】本発明の溶射材料を金型に適用すること
により、無塗油でも安定した品質のガラス成形を行うこ
とが可能になった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、Cu1〜15%、Al4〜10
    %、Cr7〜20%、希土類元素1種または2種以上
    0.02〜2.0%、残部Feおよび不可避的不純物か
    らなるガラス成形金型用溶射材料。
  2. 【請求項2】さらに、Niを10〜30重量%含む請求
    項1に記載のガラス成形金型用溶射材料。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の溶射材料
    を内面に溶射された層を有するガラス成形用金型。
JP25350894A 1994-10-19 1994-10-19 ガラス成形金型用溶射材料およびその金型 Withdrawn JPH08120435A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008010767A1 (en) 2006-07-21 2008-01-24 Höganäs Aktiebolag (Publ) Iron-based powder

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WO2008010767A1 (en) 2006-07-21 2008-01-24 Höganäs Aktiebolag (Publ) Iron-based powder
JP2009544841A (ja) * 2006-07-21 2009-12-17 ホガナス アクチボラグ (パブル) 鉄基粉末

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