JPH08120401A - 内部品質に優れた鋼材およびその製造方法 - Google Patents

内部品質に優れた鋼材およびその製造方法

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JPH08120401A
JPH08120401A JP7072090A JP7209095A JPH08120401A JP H08120401 A JPH08120401 A JP H08120401A JP 7072090 A JP7072090 A JP 7072090A JP 7209095 A JP7209095 A JP 7209095A JP H08120401 A JPH08120401 A JP H08120401A
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Japan
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steel
solid solution
rem
ppm
internal quality
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JP7072090A
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Inventor
Hidesato Mabuchi
秀里 間渕
Yukio Tomita
幸男 冨田
Toshinaga Hasegawa
俊永 長谷川
Kazushi Hamada
一志 濱田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は厚鋼板における水素性の超音波探傷
欠陥を防止して内部品質に優れた鋼材を提供する。 【構成】 C、Si、Mn、P、Sを含有しREMおよ
び/またはY、Zrの1種または2種を含有する鋼にお
いて、固溶REMおよび/またはY、Zrの1種または
2種が1〜100ppm鋼中に固溶状態で存在すること
を特徴とする内部品質に優れた鋼材。この鋼材は必要に
応じて、Al、Ti、Caの1種または2種以上もしく
はCu、Ni、Cr、Mo、W、Nb、V、Ta、Bの
1種または2種以上を含有し得る。前記鋼材を製造する
に際してSi、Mn、Alの一部による弱脱酸後にA
l、Ti、Caの1種または2種以上を添加した後、R
EM、Y、Zrの1種または2種以上を添加することを
特徴とする内部品質に優れた鋼材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は造船、海洋構造物、建
築、橋梁、産業機械向け溶接構造用鋼、またはペンスト
ック、タンク、反応容器、ボイラー向け圧力容器用鋼、
または自動車、産業機械、工具、機械部品向け機械構造
用鋼およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、鋼構造物の大型化とともに地球環
境問題の深刻化に伴って構造物に対する安全性の要求は
一段と厳しくなり、かつ非破壊検査機器の性能向上に基
づく検査技術の進歩に伴って、従来許容されていた微小
な母材または溶接欠陥すら将来的には問題となる可能性
がある。例えば、建築用鋼板の超音波探傷試験(JIS
G0901)では、板厚方向に顕著に高い応力が作用す
る部材には圧力容器用鋼板の超音波探傷試験(JISG
0801)よりも厳格な基準が適用されるようになって
いる。
【0003】従って、建築用に拘らず圧力容器用でも、
水素性の超音波探傷欠陥を防止するため鋼板厚が大きく
なると、製鋼での脱ガスまたは圧延後の脱水素が必要と
なる。さらに、熱間圧延後に加速冷却を行う場合には、
水素に起因した欠陥により内部品質が損なわれ、超音波
探傷欠陥として検出される確率が大きくなる。また、1
00mmを超えるような極厚鋼板の場合には、その用途
によっては長時間の脱水素処理が圧延後に必要となる。
【0004】REM添加鋼の従来技術は、特開昭60−
152626号公報と特開昭61−270354号公報
に記載されている。特開昭60−152626号公報
は、Ti:0.005〜0.025%とREM:0.0
02〜0.01%とを複合添加して、TiNとREMの
Oxysulphideの形成により、低温加熱時のオーステナイ
トを整粒化して母材および大入熱溶接部の靱性向上をは
かる技術である。一方、特開昭61−270354号公
報は、REM、Ti、Caの1種または2種以上を合計
で0.003〜0.03%含有し、全Alを0.003
%以下として、Al2 3 およびMnS主体の非金属介
在物からTi、REM、Caの酸化物、硫化物あるいは
酸・硫化物に変え、これらのみがBNの析出核となるこ
とにより大入熱溶接HAZの組織と靱性を改善する技術
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開昭60−1526
26号公報と特開昭61−270354号公報には固溶
REMに関する技術の開示が全くないばかりか、逆に積
極的に非金属介在物の生成を目的としている。従って、
本発明の課題を解決する技術思想は全く含まれておら
ず、前記課題はそのまま取り残されているのが実状であ
った。
【0006】本発明は前記の厚鋼板における水素性の超
音波探傷欠陥を防止して厚鋼板の内部品質を向上させる
とともに、内部品質の健全性を保ちつつ、製鋼での脱ガ
ス条件を緩和するか、あるいは厚鋼板の圧延後における
脱水素時間を短縮することを目的とする。
【0007】
【本発明が解決するための手段】本発明者らが厚鋼板に
おける水素性の超音波探傷欠陥について仔細に調査した
ところ、鋼中に固溶するハイドライド形成元素の固溶量
と内部品質は極めて深い関係を有することを新たに知見
するに至った。本発明の要旨とするところは下記のとお
りである。
【0008】(1)重量%で、C:0.02〜1.0
%、Si:0.03〜1.0%、Mn:0.30〜2.
0%、P:0.025%以下、S:0.015%以下を
含有し、REM:0.001〜0.10%および/また
はY:0.001〜0.10%、Zr:0.001〜
0.10%の1種または2種を含有し、残部はFeおよ
び不可避的不純物からなる鋼において、固溶REM:1
〜100ppmおよび/または固溶Y:1〜100pp
m、固溶Zr:1〜100ppmの1種または2種が鋼
中に固溶状態で存在することを特徴とする内部品質に優
れた鋼材。
【0009】(2)重量%で、C:0.02〜1.0
%、Si:0.03〜1.0%、Mn:0.30〜2.
0%、P:0.025%以下、S:0.015%以下を
含有し、Al:0.010〜0.20%、Ti:0.0
05〜0.08%、Ca:0.001〜0.05%の1
種または2種以上を含有し、REM:0.0005〜
0.05%および/またはY:0.0005〜0.05
%、Zr:0.0005〜0.05%の1種または2種
を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼
において、固溶REM:1〜50ppmおよび/または
固溶Y:1〜50ppm、固溶Zr:1〜50ppmの
1種または2種が鋼中に固溶状態で存在することを特徴
とする内部品質に優れた鋼材。
【0010】(3)Cu:0.05〜2.0%、Ni:
0.05〜10.0%の1種または2種、および/また
はCr:0.05〜10.0%、Mo:0.05〜2.
0%、W:0.05〜3.0%、Nb:0.005〜
0.20%、V:0.01〜0.50%、Ta:0.0
05〜0.40%の1種または2種以上、および/また
はB:3〜40ppmを含有することを特徴とする前項
1または2記載の内部品質に優れた鋼材。
【0011】(4)前項2または3記載の成分を有する
鋼を製造するに際して、出鋼時におけるSiおよびM
n、またはSi、MnおよびAlの一部を添加する弱脱
酸後直ちにまたは当該弱脱酸に引き続く二次精錬でA
l、Ti、Caの1種または2種以上を添加した後に、
REM、Y、Znの1種または2種以上を添加し鋳造後
に熱間加工することを特徴とする内部品質に優れた鋼材
の製造方法。
【0012】
【作用】本発明者らが鋼材の内部品質、即ち水素性の超
音波探傷欠陥に及ぼす化学成分の影響に関して仔細に調
査したところ、化学成分の種類によっては、鋼中におけ
る存在状態と鋼材の内部品質(水素性の超音波探傷欠
陥)ひいては圧延後における脱水素時間または(公知の
脱ガス法による)製鋼での脱ガス条件との間に密接な関
係があることを見出した。
【0013】即ち、Fe−H−X系(X:REM、Y、
Zrを指す)では、安定なハイドライド形成元素である
とともに鋼中で強い窒化物、硫化物、酸化物形成元素で
あるREM、YまたはZr等の希少金属は、鋼中にメタ
リックな状態で固溶していると、熱間圧延後に鋼中に過
飽和に固溶した拡散性水素を捕捉して、ハイドライド雰
囲気またはミクロ的にはそのダイポール(XH原子対)
形成により非拡散性水素とする結果、水素性の超音波探
傷欠陥の発生が大幅に抑制され、厚鋼板の内部品質が飛
躍的に向上するとともに、製鋼での脱ガス条件の緩和ま
たは圧延後における脱水素時間の短縮が可能になること
を知見した。
【0014】ここで、Fe−H−X系希少金属の鋼中に
おけるメタリックな状態の固溶量は下記(1)式により
計算される。 固溶X=トータルX−X as X酸化物−X as X窒化物−X as X硫化物 (Oxysulphideを含む)……(1) 以下に本発明を詳細に説明する。
【0015】Cは0.02%未満では強度を満足せず、
一方1.0%超では母材靱性を損なうため、0.02〜
1.0%と限定した。溶接性が必要とされる時には0.
02〜0.30%が好ましい。Siは脱酸上0.03%
以上必要であり、一方1.0%超では母材靱性を損なう
ため、0.03〜1.0%と限定した。溶接性が必要な
場合には0.03〜0.60%が好ましい。
【0016】Mnは強度上0.30%以上必要であり、
一方2.0%超では低温靱性、溶接性を損なうため、
0.30〜2.0%と限定した。P、S等の不純物は低
ければ低いほど好ましく、Pは0.025%以下、Sは
0.015%以下に限定される。特に、希少金属が熱間
圧延後にFe−H−X系で鋼中にメタリックな状態で固
溶して拡散性水素を安定して捕捉するためには、S、
N、Oは低い程望ましく、Sは0.005%以下、Nは
0.0050%以下、Oは0.0030%以下が好まし
い。
【0017】REMは固溶REM量を1ppm以上確保
するために0.001%以上添加するが、0.10%超
では介在物による清浄度や溶接金属の溶接反応性を損な
うため、0.001〜0.10%に限定した。なお、安
定した継手靱性確保のためには0.0005〜0.05
%が好ましい。なお、REMはLa、Ce等の希土類元
素の総称でそれを複合しているが、LaまたはCeを単
独添加してもその効果は全く変わらない。
【0018】Yは固溶Y量を1ppm以上確保するため
に0.001%以上添加するが、0.10%超では介在
物による清浄度や溶接金属の溶接反応性を損なうため、
0.001〜0.10%に限定した。なお、安定した継
手靱性確保のためには0.0005〜0.05%が好ま
しい。Zrは固溶Zr量を1ppm以上確保するために
0.001%以上添加するが、0.10%超では介在物
による清浄度や溶接金属の溶接反応性を損なうため、
0.001〜0.10%に限定した。なお、安定した継
手靱性確保のためには0.0005〜0.05%が好ま
しい。
【0019】固溶REMはFe−H−REM系で拡散性
水素を捕捉するために1ppm以上必要であるが、10
0ppm超ではREM炭化物による母材靱性を損なうた
め、1〜100ppmに限定した。なお、安定したハイ
ドライド形成および継手靱性の向上のためには1〜50
ppmが好ましい。固溶YはFe−H−Y系で拡散性水
素を捕捉するために1ppm以上必要であるが、100
ppm超ではY炭化物による母材靱性を損なうため、1
〜100ppmに限定した。なお、安定したハイドライ
ド形成および継手靱性の向上のためには1〜50ppm
が好ましい。
【0020】固溶ZrはFe−H−Zr系で拡散性水素
を捕捉するために1ppm以上必要であるが、100p
pm超ではZr炭化物による母材靱性を損なうため、1
〜100ppmに限定した。なお、安定したハイドライ
ド形成および継手靱性の向上のためには1〜50ppm
が好ましい。(1)式による希少金属の鋼中におけるメ
タリックな状態の固溶量を安定して確保するには、先に
述べた如く、S、N、O等の不純物は低いほど好ましい
が、Ca、Ti、Alの1種または2種以上を複合添加
すると一層効果的となる。
【0021】CaはCaS(Oxysulphide を含む)を形
成して固溶X(希少金属)を1ppm以上効果的に確保
するために0.001%以上とし、一方0.05%超で
は介在物による清浄度や溶接金属の溶接反応性を損なう
ため、0.001〜0.05%に限定した。Alは脱酸
上重要な元素であるが、SiやTiによっても脱酸が行
われるので、X(希少金属)の酸化を防止して固溶Xを
1ppm以上効果的に確保するために0.010%以上
とし、また0.20%超では介在物による清浄度や溶接
金属の溶接反応性を損なうため、0.010〜0.20
%に限定した。
【0022】Tiは鋼の凝固時にTiNを形成して固溶
X(希少金属)を1ppm以上安定して確保するために
0.005%以上とし、一方0.08%超ではTiC析
出により継手靱性を損なうため、0.005〜0.08
%に限定した。C、Si、Mnの含有量は、目的とする
用途に応じて、所定の製法(圧延ままや熱処理またはT
MCP)で必要特性(強度および低温靱性等)から板厚
を考慮して成分設計される。高温特性や溶接性等の特別
な特性が必要な場合には、上記元素の他に、Cu、N
i、Cr、Mo、W、Nb、V、Ta、Bの必要量を適
宜品質設計して添加されるが、以下にその限定理由を述
べる。
【0023】Cuは低温靱性向上のため、Ceq低減を
目的として、C、Si、Mnに置換して0.05%以上
添加されるが、2.0%超では熱間脆性を助長し、等量
のNi添加が必要となるとともに溶接性を損なうため、
0.05〜2.0%に限定した。Niは低温靱性向上の
ため、Ceq低減を目的として、C、Si、Mnに置換
して0.05%以上添加されるが、10.0%超ではそ
の効果が飽和するため、0.05〜10.0%に限定し
た。
【0024】Crは焼入れ性向上による強度確保、さら
には高温強度等の特性向上のために0.05%以上添加
されるが、10.0%超ではその効果が飽和するため、
0.05〜10.0%に限定した。Moは焼入れ性向上
による強度確保、さらには高温強度等の特性向上のため
に0.05%以上添加されるが、2.0%超ではその効
果が飽和するため、0.05〜2.0%に限定した。
【0025】Wはクリープ強度を向上させるには0.0
5%以上必要であるが、3.0%超ではその効果が飽和
するため、0.05〜3.0%に限定した。Nbは強度
向上および結晶粒制御のために0.005%以上添加さ
れるが、0.20%超では溶接性、低温靱性を損なうた
め、0.005〜0.20%に限定した。
【0026】Vは強度向上および高温強度等の特性向上
のために0.01%以上添加されるが、0.50%超で
は溶接性、低温靱性が劣化するため、0.01〜0.5
0%に限定した。Taは強度向上およびクリープ等の高
温強度向上のために0.005%以上添加されるが、
0.40%超では溶接性が損なわれるために、0.00
5〜0.40%に限定した。
【0027】Bは特に極厚鋼材の高強度化に有効な元素
で、焼入れ性向上による強度確保のために3ppm以上
添加されるが、40ppm超では低温靱性が劣化するた
め、3〜40ppmに限定した。
【0028】固溶X(X:REM、YまたはZr)を所
定量得るには、鋼中に含有されるO、N、Sから(1)
式により計算される固溶Xが正となるように、トータル
Xを鋼中に添加し、Xの固溶温度以上に再加熱後に鍛造
または圧延等の熱間加工は特に制限はなく通常の熱間加
工を行う。なお、鋳造は鋼塊または連続鋳造による制限
はなく、いずれでもよく、鋼の熱処理も制限はない。
【0029】さらに、希少金属の安定した固溶量を確保
するには、前述した如くAl、Ca、Ti等を複合添加
するのが好ましいが、出鋼時におけるSi+Mnまたは
Si+Mn+Alの一部による弱脱酸後直ちにまたは当
該弱脱酸に引き続く真空脱ガスまたは取鍋精錬等の二次
精錬でAl、Ti、Caの1種または2種以上を添加し
た後にREM、Y、Zrの1種または2種以上を添加す
ると希少金属の酸化物形成はAlにより抑制され、硫化
物形成はCaにより抑制され、窒化物形成はTiにより
抑制されるために一層効果的になる。
【0030】
【実施例】表1、表2(表1のつづき)に実施例の化学
成分を示す。A〜Gが本発明例であり、H〜Jが比較例
である。詳しくは、本発明例Aは請求項1記載の発明の
実施例であり、本発明例Bは請求項2記載の発明の実施
例である。また、本発明例C〜Fは請求項2に対応した
請求項3記載の発明の実施例であり、本発明例Gは請求
項1に対応した請求項3記載の発明の実施例である。一
方、比較例H、I、Jは希少金属の添加がなく、本発明
例A、C、Gにそれぞれ対応する比較例である。さら
に、本発明例DはRHによる製鋼での脱ガス時間が15
分と短く、25分処理した他の実施例に比べて鋼中水素
が二倍高くなっている。
【0031】また、本発明例B、Dは請求項4記載の製
造方法による実施例である。すなわち、本発明例B、D
は出鋼時のSi、Mnによる弱脱酸後のRH脱ガス時に
Al、Ti、Caの全量を複合添加した後に、Yまたは
YおよびREMを添加しているため、他の本発明例より
も添加量に比べた希少金属の固溶量(歩留り)が高くな
っている。
【0032】表3に実施例の内部品質を示す。鋼A、
G、H、Jは鋼塊を1300℃に加熱後分塊圧延した4
00mm鋼片を用いて、また鋼B、C、D、E、F、I
は250mm鋳片を用いて1200℃に再加熱後厚板圧
延を行った。鋼板脱水素は650℃に所定の時間保持
し、その後鋼板熱処理を行った。超音波探傷試験(US
T検査)はJISG0901および同0801に従って
行った。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】本発明例は、同一の脱ガス条件(鋼中水素
量)ならば、比較例の半分の脱水素時間でもUST検査
に合格となったのに対して、比較例は本発明例と同じ短
縮された脱水素時間ではUST検査に不合格となった。
さらに、本発明例Dは、鋼板の脱水素時間が比較例と同
じなら、脱ガス条件が緩和されて二倍の鋼中水素量でも
UST検査に合格した。
【0037】即ち、希少金属を固溶状態で含有すること
により、水素性の超音波探傷欠陥は減少し、厚鋼板の内
部品質が向上するとともに、Al、Ti、Caと複合添
加することにより、希少金属を効果的に固溶状態で含有
することができる。従って、本発明により厚鋼板の内部
品質が向上するとともに、内部品質の健全性を保ちつつ
製鋼での脱ガス条件の緩和または圧延後における鋼板の
脱水素時間の大幅な短縮が可能となる。
【0038】
【発明の効果】本発明は、Fe−H−X系では安定なハ
イドライド形成元素であるREMまたはY、Zr等の希
少金属を鋼中にメタリックな固溶状態で含有することに
より、鋼中に過飽和に固溶された拡散性水素を非拡散性
水素とする結果、水素性の超音波探傷欠陥の発生を大幅
に抑制する内部品質に優れた鋼材を提供するものであ
る。これにより、大型構造物の安全設計の厳格化、地球
環境問題の深刻化に伴う検査基準の厳格化に対応可能な
らしめるとともにUST検査合格率の飛躍的な向上を可
能としたものである。
【0039】従って、本発明により大型構造物の信頼性
向上はもとより、省資源、省エネルギー的価格競争力の
向上とともに工期的非価格競争力の向上をもたらし、産
業界に与える経済的利益は多大なものがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱田 一志 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.02〜1.0%、S
    i:0.03〜1.0%、Mn:0.30〜2.0%、
    P:0.025%以下、S:0.015%以下を含有
    し、REM:0.001〜0.10%および/または
    Y:0.001〜0.10%、Zr:0.001〜0.
    10%の1種または2種を含有し、残部はFeおよび不
    可避的不純物からなる鋼において、固溶REM:1〜1
    00ppmおよび/または固溶Y:1〜100ppm、
    固溶Zr:1〜100ppmの1種または2種が鋼中に
    固溶状態で存在することを特徴とする内部品質に優れた
    鋼材。
  2. 【請求項2】 重量%で、C:0.02〜1.0%、S
    i:0.03〜1.0%、Mn:0.30〜2.0%、
    P:0.025%以下、S:0.015%以下を含有
    し、Al:0.010〜0.20%、Ti:0.005
    〜0.08%、Ca:0.001〜0.05%の1種ま
    たは2種以上を含有し、REM:0.0005〜0.0
    5%および/またはY:0.0005〜0.05%、Z
    r:0.0005〜0.05%の1種または2種を含有
    し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼におい
    て、固溶REM:1〜50ppmおよび/または固溶
    Y:1〜50ppm、固溶Zr:1〜50ppmの1種
    または2種が鋼中に固溶状態で存在することを特徴とす
    る内部品質に優れた鋼材。
  3. 【請求項3】 Cu:0.05〜2.0%、Ni:0.
    05〜10.0%の1種または2種、および/またはC
    r:0.05〜10.0%、Mo:0.05〜2.0
    %、W:0.05〜3.0%、Nb:0.005〜0.
    20%、V:0.01〜0.50%、Ta:0.005
    〜0.40%の1種または2種以上、および/または
    B:3〜40ppmを含有することを特徴とする請求項
    1または2記載の内部品質に優れた鋼材。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の成分を有する鋼
    を製造するに際して、出鋼時におけるSiおよびMn、
    またはSi、MnおよびAlの一部を添加する弱脱酸後
    直ちにまたは当該弱脱酸に引き続く二次精錬でAl、T
    i、Caの1種または2種以上を添加した後に、RE
    M、Y、Znの1種または2種以上を添加し鋳造後に熱
    間加工することを特徴とする内部品質に優れた鋼材の製
    造方法。
JP7072090A 1994-08-23 1995-03-29 内部品質に優れた鋼材およびその製造方法 Withdrawn JPH08120401A (ja)

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