JPH08120276A - コークス炉の補修方法 - Google Patents
コークス炉の補修方法Info
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- JPH08120276A JPH08120276A JP25690494A JP25690494A JPH08120276A JP H08120276 A JPH08120276 A JP H08120276A JP 25690494 A JP25690494 A JP 25690494A JP 25690494 A JP25690494 A JP 25690494A JP H08120276 A JPH08120276 A JP H08120276A
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Abstract
層が、ポーラスで表面の凹凸が大きく、カーボン等の付
着、侵入を生ずるので、これを防止する。 【構成】溶射補修層2の表面にSiO2 を主成分とする
ガラス層形成材料をスプレーノズル5で噴射し、5〜1
5分経過するとガラス層からなる被覆層8となりこれを
1100℃以上の高温下に保持することによって、溶射
補修層2と同質の緻密な結晶質被覆層を形成する。
Description
に関する。さらに詳しくはコークス炉の内壁面の損傷部
分を溶射方法により補修した溶射補修層の表面処理に係
るものである。
の加熱炉、反応炉は長時間に亘り連続運転されており、
設備の耐久性や寿命を伸ばすために、稼動中に高温下に
おいて炉壁の補修を行う場合が多い。このような稼動中
の炉壁の補修方法として、従来、無機バインダと水とを
配合した結合剤と耐火性粒子とを混合して吹き付ける湿
式法が一般的であったが、最近では補修する部分に耐火
性粒子を溶射する技術が採用され優れた成果を上げてい
る。
スの燃焼炎中に耐火性粒子を投入する火炎溶射法(特公
昭60−46062号公報等)、ガスプラズマジェット
によるプラズマ法(特開昭56−59679号公報
等)、耐火性粉末と混合した金属粉或は炭素粉を酸素気
流中で搬送し、熱間雰囲気に噴射、燃焼させて火炎を形
成する一種のテルミット反応法(特公昭49−4636
4号公報)等が知られている。
炉壁との密着性が高く、緻密な溶射補修層を得易く、耐
用性も高い場合が多く有効な補修法として近年多用され
るようになってきている。コークス炉においても、損傷
した炉壁の補修には、従来、補修すべきれんがの上に溶
射により補修層を形成することが行われている。しかし
ながら、このような溶射補修層は湿式法に比べると格段
に優れてはいるが、やはりポーラスであると共に表面に
凹凸が多く、通気性であるために耐久性が十分でないと
いう問題があり、さらに改善すべき余地があった。
クス炉用耐火れんがの表面にガラス層を形成する技術が
開示されている。この技術は、コークス炉用耐火れんが
の炉内に露出する面にガラス質被膜を塗布し、焼成して
れんが表面にガラス層を形成した耐火れんがである。こ
のような耐火物は、稼動中の炉壁の補修に利用すること
はできず、また、例えば、図2に示すように、れんがと
ガラスの熱膨張係数が異なるため、ガラス層が剥離した
り破損し易いという問題があった。図2は各温度におけ
る積算膨張を示したものであって、図中曲線11はガラ
ス、曲線12、13は結晶質珪石れんがを示している。
図中C50−T50のように記載したものは、クリスト
バライト50%、トリジマイト50%のものを示してい
る。なお、特開昭61−286284号公報に記載の技
術はれんがの表面にガラス物質を塗布して焼成したれん
がであって、稼動中の高温の炉壁等を補修する技術では
ない。
クス炉稼働中に形成した溶射補修層は、表面が比較的粗
く、例えばRmaxで5mm以上であり、また、通気性
を有する場合が多いため、炉壁れんが面と同様に、カー
ボン等の付着や外来成分の侵入が起こり易く、溶射補集
層の損傷が進行したり、操業に支障が生じる場合が多
い。
な問題点を解決し、溶射補修の効果を十分に発揮するた
めの溶射補修層表面の処理方法を提供することを目的と
するものである。
解決するために、次の技術手段を講じたことを特徴とす
る。すなわち本発明は、高温下でコークス炉炉壁に溶射
補修層を形成した後、この溶射補修層上に結晶質被覆層
を形成することを特徴とするコークス炉の補修方法であ
る。この場合、前記被覆層は溶射補修層と同質の材料と
することによって、溶射補修層と被覆層との密着性の向
上を図ることができ、熱膨張特性を一致させることによ
り、剥離や損傷を防止することができ、耐久性を向上さ
せることができる。
2 を主成分とするガラス被覆層を先ず形成し、これを高
温下に保持することによって結晶質化させることが好ま
しい。そしてこの被覆層の形成温度、すなわち、ガラス
被覆層形成工程からこれを結晶化させる工程における温
度は500〜1250℃とすると好適である。
した溶射補修層表面の平滑性を高め、かつ通気性を低減
することによって、溶射補修層表面のカーボン付着量を
抑制すると共に、外来成分の侵入による炉壁補修層の損
傷を防止し、耐久性を高めることについて、種々検討を
重ねた。その結果、溶射補修層の表面にガラスコーティ
ング液を熱間で噴射して被覆することによって、溶射補
修層へのカーボン付着の防止、外来成分の侵入の低減に
極めて効果的であることを見出した。この被覆層は、当
初ガラス層であるが、高温下で結晶化する。
被覆を施すことにより、溶射補修層の表面の平滑性が高
められ、かつ、溶射補修層表面の通気性を減少させるこ
とができる。表面の平滑性が向上すれば、コークス炉で
頻発するカーボン付着の起点となる凹凸部が減少し、結
果として溶射補修層へのカーボンの付着、成長が抑制さ
れる。溶射補修層表面の通気性が低下すると外来成分の
溶射補修層やれんが中への侵入が抑制され、溶射補修層
及びれんがの劣化、損傷が押えられるだけでなく、気孔
部を基点としたカーボン付着、成長が抑制される。
修層と同質の材料によって形成すると、これらの材料は
施工当初ガラス質であり、高温雰囲気に保持されること
によって結晶化する。溶射補修層は基本的にSiO2 で
あり、その結晶相はクリストバライトとトリジマイトが
ほぼ50:50である。被覆層も結晶化すると当初クリ
ストバライトとトリジマイトが70:30で順次50:
50に近づく。従って、両者の物理特性が一致し、溶射
補修層と被覆層との密着性が向上し、熱膨張特性が近似
する。従って、境界層の剥離や被覆層の損傷を防止する
ことができ、耐久性を向上させることができる。
は、まずSiO2 を主成分とするガラス被覆層を形成
し、これを高温下に保持することによって結晶質化させ
る方法が好ましい。SiO2 を主成分とするガラス層を
高温で形成すると、緻密で平滑な薄い被覆層を容易に形
成することができる。そして、このガラス層が結晶化し
たとき、その緻密性、平滑性は良好に保たれるので、カ
ーボン付着等を好適に防止する。しかも、溶射補修層と
同質の結晶化層となるため、上記熱膨張特性の一致を図
ることができる。
する。500℃未満では、溶射補修層上に噴射した原料
が溶射補修層に吸収され、表面に良好なガラス層を形成
することが困難である。また、ガラス層が結晶化する温
度は1200℃前後である。1250℃を越えると、ガ
ラス層の形成のとき、スプレーノズル詰りを生じ歩留り
が低下し、ガラス層が結晶化するとき、結晶化速度が大
きすぎて、亀裂等の欠陥を生じるので、1250℃を上
限とする。500〜1250℃の温度は、コークス炉の
稼動中にれんが壁面が曝される温度帯でもある。
ラスを選んでいるのは、緻密でかつ平滑な層を高温下で
比較的容易に形成することができるためであり、同様の
性能が発揮できるものであれば、必ずしもガラスに限定
されるものではなく、溶射補修層表面へ被覆したときに
緻密な層を形成するものであればよい。被覆層がその後
の高温操業下で結晶化等によって変質したとき、被覆層
の緻密性、平滑性が保たれていればガラスでなくても効
果は同じである。
い。溶射補修層の粗さにもよるが、より好ましくは、
0.2mm以上の厚みであれば溶射補修層表面の気密
性、平滑性向上に顕著な効果を上げる場合が多い。
法を示す工程図である。本発明の被覆を形成する具体的
方法としては、次の方法が最も適当である。すなわちS
iO2 等の高温でガラスを形成し易い物質を含む溶液を
スプレーノズル等によって炉壁上の溶射補修層表面にス
プレーする。この溶液の溶媒としては、種々のものが考
えられるが、安全性、コスト面等から水を使用するのが
一般的である。
溶射ノズル3から火炎4と共に溶射された材料は溶射補
修層2を形成する。この溶射は例えばSiO2を主成分
とし、約15%のSiを含む骨材をプロパン及び酸素に
よる火炎とともに吹きつけるものである。形成された溶
射補修層2はポーラス(多孔質)であり、その表面はR
maxが5mm以上の粗面である。
粉骨材を溶剤と共にスプレーノズル5から溶射補修層2
の上にスプレー6として噴射する。この噴射もコークス
炉稼働中で炉壁面が500℃以上の高温の状態で行う。
溶射補修層2が形成された直後に噴射してもよいが、形
成後ある程度熱履歴を経た溶射補修層2の表面に噴射す
る方がよい。溶射補修層表面に吹きつけられた材料は発
泡体7となり、全面的に発泡した状態となっている。温
度500℃未満では水溶液が溶射補修層2内に吹込まれ
るので不可である。噴射量は被覆層厚みが0.2mm以
上となるように歩留りを考慮して定める。
体7は収縮して緻密な被覆層8を形成する。このとき生
成された被覆層8はガラス層である。このガラス層はほ
とんど理論密度に近い緻密性とガラスの表面平滑性とを
有している。また、溶射補修層2と基本的に同様な組
成、組織を有しており、その境界の密着性も高く、また
熱膨張特性も類似となっている。
0℃にさらされると、ガラス層である被覆層8は結晶化
し、結晶質被覆層9となる。結晶化速度は温度に依存
し、例えば図3に示すようである。この結晶質被覆9は
ガラス層と同種の緻密性と表面平滑性を有している。 次に実施例について説明する。
炉壁のれんが表面にSiO2 系の溶射補修層を形成した
後、1000℃の溶射補修層表面に水ガラス系の水溶液
をスプレーノズルで噴射し、平均厚み1.0mmのガラ
ス被覆層を形成した。このガラス被覆層は初期には透明
で光沢があり、典型的なガラス層であったが、被覆後1
週間程度で透明度は失われ、白濁し、結晶化が進んた。
光沢は保たれており、平滑性はほとんど変化しなかっ
た。被覆層形成後のカーボン付着量を指数化して表1に
示した。この被覆層では、結晶化前も後も、カーボンの
付着が顕著に低減し、その効果は1年以上に亘って継続
していることを確認することができた。 [比較例]上記実施例と同様にして平均厚さ0.1mm
のガラス被覆層を形成し、カーボン付着の程度を観察し
た結果を表1に併せて示した。ガラス被覆を全くしなか
った場合に比べてわずかの効果しか認められなかった。
のように構成されているので、溶射補修層の表面が、緻
密で平滑な被覆層に覆われ、カーボンの付着、外来成分
の侵入等を防止し、溶射補修層の損傷原因を著しく減少
することができるという優れた効果を奏する。
ある。
フである。
Claims (4)
- 【請求項1】 高温下でコークス炉炉壁に溶射補修層を
形成した後、該溶射補修層上に結晶質被覆層を形成する
ことを特徴とするコークス炉の補修方法。 - 【請求項2】 前記被覆層は溶射補修層と同質の材料で
あることを特徴とする請求項1記載のコークス炉の補修
方法。 - 【請求項3】 前記結晶質被覆層の形成は、SiO2 を
主成分とするガラス被覆層を形成し、これを高温下に保
持することである請求項1記載のコークス炉の補修方
法。 - 【請求項4】 前記被覆層の形成温度は500〜125
0℃であることを特徴とする請求項1記載のコークス炉
の補修方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25690494A JP3332610B2 (ja) | 1994-10-21 | 1994-10-21 | コークス炉の補修方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08120276A true JPH08120276A (ja) | 1996-05-14 |
JP3332610B2 JP3332610B2 (ja) | 2002-10-07 |
Family
ID=17299009
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25690494A Expired - Fee Related JP3332610B2 (ja) | 1994-10-21 | 1994-10-21 | コークス炉の補修方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3332610B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007152237A (ja) * | 2005-12-06 | 2007-06-21 | Kurosaki Harima Corp | 吹付け施工装置、吹付け施工方法、及び不定形耐火物 |
JP2010280848A (ja) * | 2009-06-05 | 2010-12-16 | Sumitomo Metal Ind Ltd | コークス炉の炭化室における炉壁のコーティング方法 |
US11504738B2 (en) | 2018-03-02 | 2022-11-22 | Ihi Corporation | Coating and method for forming the same |
-
1994
- 1994-10-21 JP JP25690494A patent/JP3332610B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP4638813B2 (ja) * | 2005-12-06 | 2011-02-23 | 黒崎播磨株式会社 | 吹付け施工装置、及び吹付け施工方法 |
JP2010280848A (ja) * | 2009-06-05 | 2010-12-16 | Sumitomo Metal Ind Ltd | コークス炉の炭化室における炉壁のコーティング方法 |
US11504738B2 (en) | 2018-03-02 | 2022-11-22 | Ihi Corporation | Coating and method for forming the same |
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