JP3332610B2 - コークス炉の補修方法 - Google Patents
コークス炉の補修方法Info
- Publication number
- JP3332610B2 JP3332610B2 JP25690494A JP25690494A JP3332610B2 JP 3332610 B2 JP3332610 B2 JP 3332610B2 JP 25690494 A JP25690494 A JP 25690494A JP 25690494 A JP25690494 A JP 25690494A JP 3332610 B2 JP3332610 B2 JP 3332610B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- coating layer
- glass
- coke oven
- thermal spray
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
- Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)
Description
に関する。さらに詳しくはコークス炉の内壁面の損傷部
分を溶射方法により補修した溶射補修層の表面処理に係
るものである。
の加熱炉、反応炉は長時間に亘り連続運転されており、
設備の耐久性や寿命を伸ばすために、稼動中に高温下に
おいて炉壁の補修を行う場合が多い。このような稼動中
の炉壁の補修方法として、従来、無機バインダと水とを
配合した結合剤と耐火性粒子とを混合して吹き付ける湿
式法が一般的であったが、最近では補修する部分に耐火
性粒子を溶射する技術が採用され優れた成果を上げてい
る。
スの燃焼炎中に耐火性粒子を投入する火炎溶射法(特公
昭60−46062号公報等)、ガスプラズマジェット
によるプラズマ法(特開昭56−59679号公報
等)、耐火性粉末と混合した金属粉或は炭素粉を酸素気
流中で搬送し、熱間雰囲気に噴射、燃焼させて火炎を形
成する一種のテルミット反応法(特公昭49−4636
4号公報)等が知られている。
炉壁との密着性が高く、緻密な溶射補修層を得易く、耐
用性も高い場合が多く有効な補修法として近年多用され
るようになってきている。コークス炉においても、損傷
した炉壁の補修には、従来、補修すべきれんがの上に溶
射により補修層を形成することが行われている。しかし
ながら、このような溶射補修層は湿式法に比べると格段
に優れてはいるが、やはりポーラスであると共に表面に
凹凸が多く、通気性であるために耐久性が十分でないと
いう問題があり、さらに改善すべき余地があった。
クス炉用耐火れんがの表面にガラス層を形成する技術が
開示されている。この技術は、コークス炉用耐火れんが
の炉内に露出する面にガラス質被膜を塗布し、焼成して
れんが表面にガラス層を形成した耐火れんがである。こ
のような耐火物は、稼動中の炉壁の補修に利用すること
はできず、また、例えば、図2に示すように、れんがと
ガラスの熱膨張係数が異なるため、ガラス層が剥離した
り破損し易いという問題があった。図2は各温度におけ
る積算膨張を示したものであって、図中曲線11はガラ
ス、曲線12、13は結晶質珪石れんがを示している。
図中C50−T50のように記載したものは、クリスト
バライト50%、トリジマイト50%のものを示してい
る。なお、特開昭61−286284号公報に記載の技
術はれんがの表面にガラス物質を塗布して焼成したれん
がであって、稼動中の高温の炉壁等を補修する技術では
ない。
クス炉稼働中に形成した溶射補修層は、表面が比較的粗
く、例えばRmaxで5mm以上であり、また、通気性
を有する場合が多いため、炉壁れんが面と同様に、カー
ボン等の付着や外来成分の侵入が起こり易く、溶射補集
層の損傷が進行したり、操業に支障が生じる場合が多
い。
な問題点を解決し、溶射補修の効果を十分に発揮するた
めの溶射補修層表面の処理方法を提供することを目的と
するものである。
解決するために、次の技術手段を講じたことを特徴とす
る。すなわち本発明は、高温下でコークス炉炉壁に溶射
補修層を形成した後、この溶射補修層上に当初はガラス
層であり高温下で結晶化する被覆層を形成することを特
徴とするコークス炉の補修方法である。この場合、前記
被覆層は溶射補修層と同質の材料とすることによって、
溶射補修層と被覆層との密着性の向上を図ることがで
き、熱膨張特性を一致させることにより、剥離や損傷を
防止することができ、耐久性を向上させることができ
る。
2 を主成分とするガラス被覆層を先ず形成し、これを高
温下に保持することによって結晶質化させることが好ま
しい。そしてこの被覆層の形成温度、すなわち、ガラス
被覆層形成工程からこれを結晶化させる工程における温
度は500〜1250℃とすると好適である。
した溶射補修層表面の平滑性を高め、かつ通気性を低減
することによって、溶射補修層表面のカーボン付着量を
抑制すると共に、外来成分の侵入による炉壁補修層の損
傷を防止し、耐久性を高めることについて、種々検討を
重ねた。その結果、溶射補修層の表面にガラスコーティ
ング液を熱間で噴射して被覆することによって、溶射補
修層へのカーボン付着の防止、外来成分の侵入の低減に
極めて効果的であることを見出した。この被覆層は、当
初ガラス層であるが、高温下で結晶化する。
被覆を施すことにより、溶射補修層の表面の平滑性が高
められ、かつ、溶射補修層表面の通気性を減少させるこ
とができる。表面の平滑性が向上すれば、コークス炉で
頻発するカーボン付着の起点となる凹凸部が減少し、結
果として溶射補修層へのカーボンの付着、成長が抑制さ
れる。溶射補修層表面の通気性が低下すると外来成分の
溶射補修層やれんが中への侵入が抑制され、溶射補修層
及びれんがの劣化、損傷が押えられるだけでなく、気孔
部を基点としたカーボン付着、成長が抑制される。
修層と同質の材料によって形成すると、これらの材料は
施工当初ガラス質であり、高温雰囲気に保持されること
によって結晶化する。溶射補修層は基本的にSiO2 で
あり、その結晶相はクリストバライトとトリジマイトが
ほぼ50:50である。被覆層も結晶化すると当初クリ
ストバライトとトリジマイトが70:30で順次50:
50に近づく。従って、両者の物理特性が一致し、溶射
補修層と被覆層との密着性が向上し、熱膨張特性が近似
する。従って、境界層の剥離や被覆層の損傷を防止する
ことができ、耐久性を向上させることができる。
は、まずSiO2 を主成分とするガラス被覆層を形成
し、これを高温下に保持することによって結晶質化させ
る方法が好ましい。SiO2 を主成分とするガラス層を
高温で形成すると、緻密で平滑な薄い被覆層を容易に形
成することができる。そして、このガラス層が結晶化し
たとき、その緻密性、平滑性は良好に保たれるので、カ
ーボン付着等を好適に防止する。しかも、溶射補修層と
同質の結晶化層となるため、上記熱膨張特性の一致を図
ることができる。
する。500℃未満では、溶射補修層上に噴射した原料
が溶射補修層に吸収され、表面に良好なガラス層を形成
することが困難である。また、ガラス層が結晶化する温
度は1200℃前後である。1250℃を越えると、ガ
ラス層の形成のとき、スプレーノズル詰りを生じ歩留り
が低下し、ガラス層が結晶化するとき、結晶化速度が大
きすぎて、亀裂等の欠陥を生じるので、1250℃を上
限とする。500〜1250℃の温度は、コークス炉の
稼動中にれんが壁面が曝される温度帯でもある。
い。溶射補修層の粗さにもよるが、より好ましくは、
0.2mm以上の厚みであれば溶射補修層表面の気密
性、平滑性向上に顕著な効果を上げる場合が多い。
法を示す工程図である。本発明の被覆を形成する具体的
方法としては、次の方法が最も適当である。すなわちS
iO2 等の高温でガラスを形成し易い物質を含む溶液を
スプレーノズル等によって炉壁上の溶射補修層表面にス
プレーする。この溶液の溶媒としては、種々のものが考
えられるが、安全性、コスト面等から水を使用するのが
一般的である。
溶射ノズル3から火炎4と共に溶射された材料は溶射補
修層2を形成する。この溶射は例えばSiO2を主成分
とし、約15%のSiを含む骨材をプロパン及び酸素に
よる火炎とともに吹きつけるものである。形成された溶
射補修層2はポーラス(多孔質)であり、その表面はR
maxが5mm以上の粗面である。
粉骨材を溶剤と共にスプレーノズル5から溶射補修層2
の上にスプレー6として噴射する。この噴射もコークス
炉稼働中で炉壁面が500℃以上の高温の状態で行う。
溶射補修層2が形成された直後に噴射してもよいが、形
成後ある程度熱履歴を経た溶射補修層2の表面に噴射す
る方がよい。溶射補修層表面に吹きつけられた材料は発
泡体7となり、全面的に発泡した状態となっている。温
度500℃未満では水溶液が溶射補修層2内に吹込まれ
るので不可である。噴射量は被覆層厚みが0.2mm以
上となるように歩留りを考慮して定める。
体7は収縮して緻密な被覆層8を形成する。このとき生
成された被覆層8はガラス層である。このガラス層はほ
とんど理論密度に近い緻密性とガラスの表面平滑性とを
有している。また、溶射補修層2と基本的に同様な組
成、組織を有しており、その境界の密着性も高く、また
熱膨張特性も類似となっている。
0℃にさらされると、ガラス層である被覆層8は結晶化
し、結晶質被覆層9となる。結晶化速度は温度に依存
し、例えば図3に示すようである。この結晶質被覆9は
ガラス層と同種の緻密性と表面平滑性を有している。 次に実施例について説明する。
炉壁のれんが表面にSiO2 系の溶射補修層を形成した
後、1000℃の溶射補修層表面に水ガラス系の水溶液
をスプレーノズルで噴射し、平均厚み1.0mmのガラ
ス被覆層を形成した。このガラス被覆層は初期には透明
で光沢があり、典型的なガラス層であったが、被覆後1
週間程度で透明度は失われ、白濁し、結晶化が進んた。
光沢は保たれており、平滑性はほとんど変化しなかっ
た。被覆層形成後のカーボン付着量を指数化して表1に
示した。この被覆層では、結晶化前も後も、カーボンの
付着が顕著に低減し、その効果は1年以上に亘って継続
していることを確認することができた。 [比較例]上記実施例と同様にして平均厚さ0.1mm
のガラス被覆層を形成し、カーボン付着の程度を観察し
た結果を表1に併せて示した。ガラス被覆を全くしなか
った場合に比べてわずかの効果しか認められなかった。
のように構成されているので、溶射補修層の表面が、緻
密で平滑な被覆層に覆われ、カーボンの付着、外来成分
の侵入等を防止し、溶射補修層の損傷原因を著しく減少
することができるという優れた効果を奏する。
ある。
フである。
Claims (4)
- 【請求項1】 高温下でコークス炉炉壁に溶射補修層を
形成した後、該溶射補修層上に当初はガラス層であり高
温下で結晶化する被覆層を形成することを特徴とするコ
ークス炉の補修方法。 - 【請求項2】 前記被覆層は溶射補修層と同質の材料で
あることを特徴とする請求項1記載のコークス炉の補修
方法。 - 【請求項3】 前記結晶質被覆層の形成は、SiO2 を
主成分とするガラス被覆層を形成し、これを高温下に保
持することである請求項1記載のコークス炉の補修方
法。 - 【請求項4】 前記被覆層の形成温度は500〜125
0℃であることを特徴とする請求項1記載のコークス炉
の補修方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25690494A JP3332610B2 (ja) | 1994-10-21 | 1994-10-21 | コークス炉の補修方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25690494A JP3332610B2 (ja) | 1994-10-21 | 1994-10-21 | コークス炉の補修方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08120276A JPH08120276A (ja) | 1996-05-14 |
JP3332610B2 true JP3332610B2 (ja) | 2002-10-07 |
Family
ID=17299009
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25690494A Expired - Fee Related JP3332610B2 (ja) | 1994-10-21 | 1994-10-21 | コークス炉の補修方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3332610B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4638813B2 (ja) * | 2005-12-06 | 2011-02-23 | 黒崎播磨株式会社 | 吹付け施工装置、及び吹付け施工方法 |
JP5439958B2 (ja) * | 2009-06-05 | 2014-03-12 | 新日鐵住金株式会社 | コークス炉の炭化室における炉壁のコーティング方法 |
WO2019167243A1 (ja) | 2018-03-02 | 2019-09-06 | 株式会社Ihi | 皮膜及びその形成方法 |
-
1994
- 1994-10-21 JP JP25690494A patent/JP3332610B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08120276A (ja) | 1996-05-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6284325B1 (en) | Silicon based substrate with calcium aluminosilicate/thermal barrier layer | |
EP0773203B1 (en) | Glazing layer forming composition for hot coating of oven refractory and method of forming glazing layer | |
KR100528130B1 (ko) | 실리콘 함유 기판을 위한 배리어층 | |
JP2009511752A (ja) | 多層断熱層系及びその製造方法 | |
JPS5887273A (ja) | セラミツク被覆層を有する部品とその製造方法 | |
EP1462421B1 (en) | Silica glass crucible | |
JP2845144B2 (ja) | 溶融金属めっき浴浸漬部材とその製造方法 | |
JP3332610B2 (ja) | コークス炉の補修方法 | |
EP0355658B1 (en) | Semiconductor diffusion furnace inner tube | |
JPH0520367B2 (ja) | ||
WO1992005298A1 (en) | Columnar ceramic thermal barrier coating with improved adherence | |
WO2023200720A1 (en) | Environmental barrier materials and coatings containing low melting temperature phases | |
CN114438432A (zh) | 一种抗氧化粘结层及其热障涂层的制备方法 | |
US5260096A (en) | Structral articles | |
US7504164B2 (en) | Corrosion-resistant member and process of producing the same | |
JP2005097722A (ja) | 耐蝕性部材及びその製造方法 | |
JP2748328B2 (ja) | コークス炉耐火物への熱間塗布用釉薬および釉層の形成方法 | |
KR102416899B1 (ko) | 소결용 지그 및 소결용 지그의 제조 방법 | |
JP2989790B2 (ja) | コークス炉 | |
WO1994015000A1 (en) | Columnar ceramic thermal barrier coating with improved adherence | |
JP4725079B2 (ja) | コークス炉用珪石質煉瓦 | |
JP3128213B2 (ja) | 炉内耐火物表面にガラス状釉層を形成する釉薬およびガラス状釉層形成方法 | |
JPH01100075A (ja) | コンクリート基材への釉薬焼付け方法 | |
JPH08217480A (ja) | 多孔質母材の製造方法及び多孔質母材製造用反応容器 | |
SU1617044A1 (ru) | Состав дл напылени защитной обмазки |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20020709 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080726 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090726 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100726 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100726 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110726 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110726 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120726 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120726 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130726 Year of fee payment: 11 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |