JPH0812022B2 - 冷凍サイクル制御方式 - Google Patents

冷凍サイクル制御方式

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JPH0812022B2
JPH0812022B2 JP4121290A JP4121290A JPH0812022B2 JP H0812022 B2 JPH0812022 B2 JP H0812022B2 JP 4121290 A JP4121290 A JP 4121290A JP 4121290 A JP4121290 A JP 4121290A JP H0812022 B2 JPH0812022 B2 JP H0812022B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、圧縮機等の冷凍サイクル中の機器を、圧
縮機低圧側圧力等の物理量が所定設定値となるよう制御
する冷凍サイクル制御方式に関するものである。
[従来の技術] 第4図は、特願平1−102209号明細書に示された従来
のこの種制御方式の構成図、第5図はそれの制御ブロッ
ク線図である。図において、(1)は、圧縮機(2)、
凝縮器(3)、膨張弁(4)及び蒸発器(5)からなる
冷凍サイクル、(6)は圧縮機(2)を速度可変に駆動
するインバータで構成される可変周波数電源、(7)は
圧縮機(2)の低圧側圧力を検出する圧力検出器、
(8)は、圧力検出器(7)からの出力をサンプリング
時間τ毎に記憶するメモリー部(81)と、このメモリー
部(81)の記憶データを読み出して一次遅れ応答による
予測圧力値を演算する予測演算部(82)とを備えた、可
変周波数電源(6)の出力周波数を制御する周波数設定
器、H1は圧縮機(2)の制御系の伝達関数、H2は冷凍サ
イクルの伝達関数、Kは周波数設定器(8)の予測演算
部(82)の伝達関数、QRは圧縮機(2)の出力容量、Ps
は圧縮機(2)の低圧側圧力、Ps*は時間間隔τ毎に予
測演算部(82)により演算される予測圧力値、ε*はこ
の予測圧力値Ps*と圧力設定値との偏差、即ち予測偏差
である。
次に動作について説明する。圧力検出器(7)により
検出された圧縮機(2)の低圧側圧力Psは時間間隔τ毎
にサンプリングされてメモリー部(81)に順次記憶さ
れ、予測演算部(82)により時間間隔τ毎にそれの一次
遅れ応答による予測圧力値Ps*が演算される。即ち、メ
モリー部(81)に記憶された今回サンプリング時点t0
前回サンプリング時点(t0−τ)及び前々回サンプリン
グ時点(t0−2τ)におけるサンプリング値y(0),y
(−τ),y(−2τ)は、一次遅れ応答で変化したとす
れば となり、次回サンプリング時点(t0+τ)における予
測サンプリング値Ps*が、予測演算部(82)により 式 に基づき算出される。この式(4)の右辺の各サンプル
値yに式(1)〜(3)を代入すると となる。即ち、式(4)で表わされるPs*は一次遅れ応
答によるτ時間先の時点t=t0+τにおける予測圧力値
となる。そして、この予測圧力値Ps*と圧力設定値との
偏差、即ち予測偏差ε*とに基づき周波数設定器(8)
が動作して可変周波数電源(6)の周波数が制御され、
圧縮機(2)の出力容量制御が行なわれる。このように
して、フィードバック制御の応答性が実質的に向上し、
設定値とのずれを抑制することが可能となる。
[発明が解決しようとする課題] 従来の冷凍サイクル制御方式では、以上のように、予
測偏差を検出するための予測圧力値の演算が、圧縮機の
能力変更や負荷の変動に応ずる低圧測圧力の過渡応答が
一次遅れ応答(二次微分値が常に同極性)であるとの仮
定に基づいて行なわれていた。しかしながら、発明者の
その後の実験によれば、冷凍サイクルの負荷の急変時の
低圧測圧力の過渡応答は変動直後において二次遅れ応答
特性(二次微分値の極性が途中で反転する変曲点を有す
る)を示すことが判明した。従って、冷凍サイクルの負
荷の変動時点から上述の一次遅れ応答による予測制御が
行なわれれば、実際の変動値と予測変動値との間に差違
が生じ、制御のオーバーシュートが発生しやすく、ハン
チングをともないながら収束していくこととなり、制御
が平滑に行なわれないという問題点があった。
この発明は上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、負荷急変時の制御応答に対してもオーバー
シュートを生ずることなく安定な運転制御が可能な冷凍
サイクル制御方式を得ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] この発明に係る冷凍サイクル制御方式は、冷凍サイク
ル中の物理量を検出する物理量検知手段、この物理量検
知手段の検出物理量の変化に応じ、その検出物理量と所
定の設定値との偏差を検出する偏差検出手段及びこの偏
差検出手段からの偏差に応じて上記冷凍サイクル中の所
定の機器を制御する制御手段とを備えたものにおいて、
上記物理量検知手段の検出物理量を所定の時間間隔毎に
サンプリングし少なくとも今回サンプリング時点、前回
サンプリング時点、前々回サンプリング時点における3
個のサンプリング値を記憶するサンプリング値記憶手
段、この記憶手段により記憶された上記3個のサンプリ
ング値から一次遅れ応答による次回の予測値を演算する
予測値演算手段、上記サンプリング値記憶手段からの上
記3個のサンプリング値からの演算により検出物理量変
化が、それの2次微分値の極性が反転する変曲点を経過
したかどうかを判定する変曲点判定手段、及びこの判定
手段の変曲点であるとの判定結果に応じて、上記偏差検
出手段に印加される上記検出物理量を、上記予測値演算
手段からの上記予測値に切換える予測開始手段を設けた
ものである。
[作用] この発明における冷凍サイクル制御方式は、冷凍サイ
クル中の物理量、例えば圧縮機低圧側圧力が物理量検知
手段により検出され、その検出物理量が所定の時間間隔
毎にサンプリングされて順次サンプリング値記憶手段に
より記憶され、最新のサンプリング時点におけるサンプ
リング値が偏差検出手段に印加され所定の設定値と比較
される。負荷の変動による検出物理量の変化に応じ偏差
検出手段が、検出物理量と所定の設定値との偏差を検出
し、その偏差に応じて制御手段により冷凍サイクル中の
所定の機器、例えば圧縮機の回転数が制御される。一
方、変曲点判定手段で、上記サンプリング値記憶手段に
記憶された今回、前回及び前々回サンプリング時点にお
ける3個のサンプリング値からの演算により、上記検出
物理量変化が、それの2次微分値の極性が反転する変曲
点を経過したかどうかが判定され、変曲点を経過したと
判定されると、予測開始手段により、予測値演算手段で
上記3個のサンプリング値から演算された一次遅れ応答
による次回の予測値が偏差検出手段に切換え印加され所
定の設定値と比較され、以後予測制御が行なわれる。
このように、二次遅れ応答による変曲点経過後一次遅
れ応答による予測制御が行なわれるので、負荷の急変に
よってもオーバーシュートを生ずることなく安定な運転
制御が可能となり、検出物理量変動に対する応答速度の
向上も図れる。
[実施例] 以下、この発明の一実施例を図について説明する。第
1図はこの発明の一実施例を示す構成図、第2図はそれ
の制御ブロック線図、第3図は動作説明図である。図に
おいて、(1)は冷凍サイクル、(2)は圧縮機、
(3)は凝縮器、(4)は膨張弁、(5)は蒸発器、
(6)は圧縮機(2)の可変周波数電源、(7)は圧力
検出器、(8)は周波数設定器、(9)は検出物理量で
ある圧力検出器(7)からの出力を取込む物理量検知手
段、(10)はこの物理量検知手段(9)からの検出物理
量を所定時間間隔τ毎にサンプリングしデジタル変換し
て逐次記憶するサンプリング値記憶手段、(11)は目標
圧力値を設定する設定値設定手段、(12)は入力サンプ
リング値と設定値設定手段(11)からの設定値との偏差
を検出する偏差検出手段、(13)はこの偏差検出手段
(12)からの偏差に応じて可変周波数電源(6)の出力
周波数を制御する制御手段、(14)は、記憶手段(10)
により記憶された今回サンプリング時点t0、前回サンプ
リング時点(t0−τ)、前々回サンプリング時点(t0
2τ)における3個のサンプリング値y(0),y(−
τ),y(−2τ)のデータを読み出して一次遅れ応答に
よる予測圧力値Ps*を演算する予測値演算手段、(15)
はサンプリング値記憶手段(10)からの上記3個のサン
プリング値y(0),y(−τ),y(−2τ)からの後述
する演算により検出物理量Psの変化が変曲点を経過した
かどうかを判定する変曲点判定手段、(16)はこの判定
手段(15)の変曲点を経過したとの判定結果に応じて、
偏差検出手段(12)に入力されるサンプリング値を、現
時点における検出圧力値Psから予測値演算手段(14)の
予測圧力値Ps*に切換える予測開始手段である。なお、
これら周波数設定器(8)の各手段(9)〜(16)は、
周波数設定器(8)を構成するマイクロコンピュータに
よって実行される。
次に動作を第3図によって説明する。第3図(a)は
縦軸に検出物理量xを、横軸に時間tで示したタイミン
グチャート、同図(b),(c)は変曲点演算の説明図
である。冷凍サイクル(1)が適正な負荷の基で運転中
は、圧力検出器(7)で検出される圧力は設定値に保た
れ、偏差検出手段(12)からの偏差は0で可変周波数電
源(6)の出力周波数は一定に保持される。この状態で
は偏差検出手段(12)に入力されるサンプリング値はサ
ンプリング値記憶手段(10)からの現時点における検出
圧力値Psで、通常のフィードバック制御が行なわれる。
今、負荷の急変で圧力検出器(7)で検出される圧力Ps
が第3図(a)に示すように変化したとする。それで、
物理量検知手段(9)で取込まれたデータは所定時間間
隔τ毎にサンプリングされてA,B,C…とサンプリング値
記憶手段(10)により順次記憶されていく。この記憶手
段(10)により記憶されたサンプリングデータから変曲
点判定手段(15)において、次の演算が行なわれる。即
ち、例えばサンプリングデータEの時点tiにおいては、
第3図(b)で示すように、前々回サンプリング時点
(ti-2)におけるサンプリングデータCの座標値
(ti-2,xi-2)、前回サンプリング時点(ti-1)におけ
るサンプリングデータDの座標値(ti-1,xi-1)、今回
サンプリング時点(ti)におけるサンプリングデータD
の座標値(ti,xi)が用いられて、 ▲▼=Pi-1=▲▼−▲▼=(ti-1
ti-2,xi-1−xi-2)=(ai-1,bi-1) 及び E=Pi=E−▲▼=(ti−ti-2,xi−xi-2
=(ai,bi)が求められ、これらの値から Si=ai-1×bi−ai×bi-1 の演算が行なわれる。このSiが+ならば曲線CDEは下方
に凸で、−ならば上方に凸であることを示している。従
って、この物理量が一次遅れ応答により変化するならば
Siの極性は時間が経過しても変化しない。しかし、実際
の負荷の急変による検出物理量の変化は二次遅れ応答で
あるため、Siの極性の変化点、即ち2次微分値の極性が
反転する変曲点が必ず生ずることになる。よってこのSi
の極性の変化点を検出することによって変曲点を経過し
たことが判定される。具体的には、各サンプリング時点
毎に、今回、前回及び前々回の3個のサンプリング値y
(0),y(−τ),y(−2τ)が読出され、これらから
上述のSiが演算されて記憶され、前回サンプリング時点
で演算されたSi-1との積Si×Si-1の極性の判定が行なわ
れる。即ち、この極性が+なら変曲点を経過しないと判
定され、−ならば前回のサンプリング時点と今回のサン
プリング時点との間に変曲点が存在する。即ち変曲点を
経過したと判定される。第3図の例では同図(c)で示
すようにサンプリングデータEの時点ti+1においてSi+1
の極性が−となり、Si+1×Si<0となる。それで、時点
tiと時点ti+1との間に変曲点が存在することがわかる。
変曲点判定手段(15)による変曲点を経過したとの判定
に応じ予測開始手段(16)により、予測値演算手段(1
4)により演算された予測圧力値Ps*が、現時点におけ
る検出圧力値Psに代えて偏差検出手段(12)に切換え入
力される。以後は上述の一次遅れ応答によるフィードバ
ック制御が行なわれる。
以上の実施例では、冷凍サイクル中の物理量として圧
縮機の低圧側圧力、被制御対象として圧縮機の回転数で
ある場合を示したが、他の物理量及び被制御対象、例え
ば冷媒温度及び膨張弁開度等であっても同等の効果をそ
うするものである。
[発明の効果] 以上のように、この発明によれば、物理量検知手段の
検出物理量を所定の時間間隔毎にサンプリングし少なく
とも今回サンプリング時点、前回サンプリング時点、前
々回サンプリング時点における3個のサンプリング値を
記憶するサンプリング値記憶手段、この記憶手段により
記憶された上記3個のサンプリング値から一次遅れ応答
による次回の予測値を演算する予測値演算手段、上記サ
ンプリング値記憶手段からの上記3個のサンプリング値
からの演算により検出物理量変化が、それの2次微分値
の極性が反転する変曲点を経過したかどうかを判定する
変曲点判定手段、及びこの判定手段の変曲点であるとの
判定結果に応じて、偏差検出手段に印加される検出物理
量を、上記予測値演算手段からの上記予測値に切換える
予測開始手段を設けたので、負荷の急変によってもオー
バーシュートを生ずることなく安定な運転制御が可能
で、検出物理量変動に対する応答速度の向上も図れる冷
凍サイクル制御方式が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す構成図、第2図はそ
れの制御ブロック線図、第3図は動作説明図、第4図は
従来の冷凍サイクル制御方式の構成図、第5図はそれの
制御ブロック線図である。 図において、(1)は冷凍サイクル、(2)は圧縮機、
(3)は凝縮器、(4)は膨張弁、(5)は蒸発器、
(6)は可変周波数電源、(7)は圧力検出器、(8)
は周波数設定器、(9)は物理量検知手段、(10)はサ
ンプリング値記憶手段、(12)は偏差検出手段、(13)
は制御手段、(14)は予測値演算手段、(15)は変曲点
判定手段、(16)は予測開始手段である。 図中同一符号は同一あるいは相当部分を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器により
    冷凍サイクルを構成するとともに、この冷凍サイクル中
    の物理量を検出する物理量検知手段、この物理量検知手
    段の検出物理量の変化に応じ、その検出物理量と所定の
    設定値との偏差を検出する偏差検出手段及びこの偏差検
    出手段からの偏差に応じて上記冷凍サイクル中の所定の
    機器を制御する制御手段とを備えた冷凍サイクル制御方
    式において、上記物理量検知手段の検出物理量を所定の
    時間間隔毎にサンプリングし少なくとも今回サンプリン
    グ時点、前回サンプリング時点、前々回サンプリング時
    点における3個のサンプリング値を記憶するサンプリン
    グ値記憶手段、この記憶手段により記憶された上記3個
    のサンプリング値から一次遅れ応答による次回の予測値
    を演算する予測値演算手段、上記サンプリング値記憶手
    段からの上記3個のサンプリング値からの演算により検
    出物理量変化が、それの2次微分値の極性が反転する変
    曲点を経過したかどうかを判定する変曲点判定手段、及
    びこの判定手段の変曲点であるとの判定結果に応じて、
    上記偏差検出手段に印加される上記検出物理量を、上記
    予測値演算手段からの上記予測値に切換える予測開始手
    段を設けたことを特徴とする冷凍サイクル制御方式。
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