JPH08120213A - フッ素樹脂塗料用組成物 - Google Patents

フッ素樹脂塗料用組成物

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JPH08120213A
JPH08120213A JP26040894A JP26040894A JPH08120213A JP H08120213 A JPH08120213 A JP H08120213A JP 26040894 A JP26040894 A JP 26040894A JP 26040894 A JP26040894 A JP 26040894A JP H08120213 A JPH08120213 A JP H08120213A
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mol
fluororesin coating
low
toxic
vinyl
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JP26040894A
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English (en)
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Kazuhiko Maeda
一彦 前田
Takeshi Nakamura
武志 中村
Kentaro Tsutsumi
憲太郎 堤
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Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶剤可溶型フッ素樹脂塗料であって、イソシ
アネート化合物などの毒性の大きな硬化剤を使用しない
塗料を提供する。 【構成】 フルオロオレフィン40〜65モル%、共重
合可能なビニル系化合物14〜50モル%、ヒドロキシ
基含有の重合性化合物7〜28モル%、トリエトキシビ
ニルシラン6〜20モル%含むモノマーを共重合させて
得られた樹脂OH価が50〜200mgKOH/gであ
るフッ素系共重合体(A)100重量部に対して、硬化
剤としてアルキルシリケート(B)を5〜100重量部
配合することを特徴とする低毒性フッ素樹脂塗料用組成
物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低毒性のフッ素樹脂塗料
に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】従来からフッ素系共重合体の
優れた耐候性を利用したフッ素樹脂塗料が工業化されて
いる。特に硬化部位を持った溶剤可溶型のフッ素系共重
合体が合成され(たとえば特開昭57−34107号公
報、特開昭61−57609号公報など)、建築、自動
車、化学工業などの分野における耐候性塗料として数多
く応用されている。また、環境面を重視し有機溶媒の排
出量を抑えた水系や粉体型塗料も実用化されている。こ
れらの塗料樹脂の主成分はクロロトリフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレンあるいはフッ化ビニリデン
などのフッ素系原料であり、共重合成分としてビニルエ
ステルやビニルエーテルなどの他の炭化水素系モノマー
を使用することによって樹脂の溶解性を増大させたもの
である。
【0003】しかしながら、溶剤可溶型フッ素樹脂塗料
では、常温2液型の場合、多価イソシアネートを硬化剤
に使用する場合が多く、人体への毒性が問題とされてい
る。特に屋外塗装時に発生する塗料ミストを大量に吸い
込むことは呼吸障害、発熱などの障害を引き起こすケー
スが多く、危険とされている。このため硬化剤として
は、比較的低毒性とされる多価イソシアネートの多量体
を用いる場合が多いが、それでもなお毒性を有してい
る。しかし硬化性能からみると他の硬化剤による塗料で
はフッ素樹脂塗膜の耐候性を損なう場合が多く、どうし
てもフッ素樹脂塗料と多価イソシネートの組み合わせが
主流となってしまっており、毒性の面で大きな問題を残
していた。
【0004】また、水系エマルジョン塗料では、架橋特
性が優れ、かつ低毒性の硬化剤が少ないため、活発な研
究が多方面で行われている。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、フッ素
樹脂を主剤として硬化剤に毒性の低い化合物を用いた塗
料用組成物について形成される塗膜の物性を詳細に検討
したところ、クロロトリフルオロエチレンなどのフルオ
ロエチレン、ビニルエステルやビニルエーテルなどの炭
化水素系化合物、ヒドロキシ基含有の重合性化合物、ト
リエトキシビニルシランを必須とする特定のOH価を有
するフッ素系共重合体に、硬化剤としてアルキルシリケ
ートを用いることで、イソシアネート系化合物を塗料組
成物から完全に排除でき、低毒性化できることを見いだ
し本発明に到った。また、この場合、塗膜の水接触角を
低くすることができるため、耐汚染性も同時に付与でき
る。
【0006】すなわち、本発明は、少なくともフルオロ
オレフィン40〜65モル%、共重合可能なビニル系化
合物14〜50モル%、ヒドロキシ基含有の重合性化合
物7〜28モル%、トリエトキシビニルシラン6〜20
モル%含むモノマーを共重合させて得られた樹脂OH価
が50〜200mgKOH/gであるフッ素系共重合体
(A)100重量部(以下、「部」という。)に対し
て、硬化剤としてアルキルシリケート(B)を5〜10
0部配合することを特徴とする低毒性フッ素樹脂塗料用
組成物である。
【0007】本発明の架橋システムは、明確ではない
が、主剤中に導入されたトリエトキシシリル基と硬化剤
のアルキルシリケートによるSi−O−Si結合の生
成、すなわちシリコ−ン架橋を主架橋とし、かつ補助架
橋として主剤中のヒドロキシ基とアルキルシリケートに
よるC−O−Si結合を併用したものと推測され、適切
な硬化速度と強靱で高度の耐候性を有する塗料を提供で
きたものである。また、本発明の架橋システムは、塗料
の形態に限定されず通常行われている、例えば溶剤型2
液常温架橋、溶剤型焼き付け架橋、水系エマルジョン型
2液常温架橋、水系エマルジョン型焼き付け架橋、無溶
剤型常温架橋、無溶剤型焼き付け架橋などの幅広い架橋
系塗料に適用できる。
【0008】本発明のフッ素系共重合体(A)に使用で
きるフルオロオレフィンは、テトラフルオロエチレン、
クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブテ
ン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、フッ化
ビニルなどであり、その組成比は40〜65モル%で使
用できる。特にヘキサフルオロイソブテンを使用する場
合は少ない添加量で多くのフッ素を樹脂中に導入可能な
こと、重合中に酸成分が生成しないため多くのトリエト
キシビニルシランを安定に導入できる点で好適に採用さ
れる。これらのフルオロオレフィンは40モル%未満の
場合は耐候性が低く65モル%を超えると溶剤への溶解
性が低下してしまう。
【0009】また、本発明に使用できる共重合可能なビ
ニル系化合物としては特に限定されないが、ビニルエス
テル類、ビニルエーテル類、アリルエーテル類などが望
ましく使用できる。ビニルエステル類としては、重合性
があり分子中にカルボニルを有するエステル系化合物で
あればよく、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニ
ル、カプリル酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン
酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、
バーサチック9酸ビニル、バーサチック10酸ビニル、
安息香酸ビニル等が挙げられる。また、ビニルエーテル
類としては、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニ
ルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビ
ニルエーテルなどが挙げられる。また、アリルエーテル
としては、例えばエチルアリルエーテル、ブチルアリル
エーテル、ベンジルアリルエーテル、アリルグリシジル
エーテル、シクロヘキシルアリルエーテルなどが使用さ
れる。さらに、(メタ)アクリル酸エステル系化合物、
ビニルシラン系化合物なども使用可能である。これらの
単量体の組成比は14〜50モル%である。
【0010】本発明のヒドロキシ基含有の重合性化合物
は、Si−O−C結合による架橋によって主架橋を補助
すること、水と親和しやすいヒドロキシ基の存在によっ
てフッ素系共重合体(A)およびアルキルシリケート
(B)の加水分解を促進させ効率よく主架橋のSi−O
−Siを生成させることの2つの目的で採用され、具体
的にはアリルエーテル類、ビニルエーテル類、クロトン
酸変性化合物などであってヒドロキシ基を有する化合物
が使用可能である。例えばエチレングリコールモノアリ
ルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエ
チレングリコールモノアリルエーテル、ヒドロキシブチ
ルアリルエーテルなどのアルキレングリコールモノアリ
ルエーテル類、ヒドロキシメチルビニルエーテル、ヒド
ロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニル
エーテル、ヒドロキシペンチルビニルエーテル、ヒドロ
キシヘキシルビニルエーテルなどのヒドロキシアルキル
ビニルエーテル類、ジエチレングリコールモノビニルエ
ーテルなどのポリエチレングリコールモノビニルエーテ
ル類、クロトン酸ヒドロキシエチルなどのクロトン酸変
性化合物などが好ましく採用される。さらに、分子中に
OH基を2つ有するグリセリンモノアリルエーテル(G
MAE)は、使用モル数が少なくて高いOH価を導入で
き、さらには補助架橋に関与しにくい二級のOH基を有
するため、前述の2つの目的すなわち補助架橋と主架橋
の推進を効果的に達成可能とする。また、二級OH基に
より、塗膜表面を長期にわたって親水化できるため、長
期の耐雨スジ性を得ることもできる。このグリセリンモ
ノアリルエーテルの使用量としては共重合に係わる全モ
ノマーの1〜8モル%であり、その際の二級OH価は5
〜60mgKOH/gの範囲であることが好ましい。二
級OH価は で表される。この際、グリセリンモノアリルエーテルが
8モル%を超えると耐水性が低下するため耐候性も低下
してしまう。
【0011】これらのヒドロキシ基含有化合物の合計の
比率は7〜28モル%であり、共重合されたフッ素系共
重合体(A)のOH価としては50〜200mgKOH
/gの範囲である。OH価が50mgKOH/g未満の
場合、加水分解によるシリル基同士の主架橋速度を早め
る効果が低く、また補助架橋としても弱いので好ましく
ない。また、200mgKOH/gを超えると耐水性が
低下し耐候性に劣る塗膜となるので好ましくない。
【0012】また、本発明に使用するトリエトキシビニ
ルシランは6〜20モル%が使用範囲である。ビニルシ
ランとしては、トリメトキシビニルシランも安価であり
共重合性も十分であるが、本発明に係るフッ素系共重合
体のようなOH価の高い共重合体の場合加水分解しやす
く、ワニスの保存安定性が問題となってしまうことがあ
り好ましくない。また炭素数3以上のアルコキシ基を有
するビニルシランでは加水分解速度が遅く常温架橋させ
るのには好ましくない。しかしながら、特定量のトリエ
トキシビニルシランともにトリメトキシビニルシラン、
ジエトキシメトキシビニルシランなどの一部にエトキシ
基以外のアルコキシ基を有するビニルシランも、硬化速
度改善などの目的でビニルシラン全量の約10モル%以
下の範囲で使用することができる。本発明において、ト
リエトキシビニルシランは6〜20モル%が必須の使用
範囲であるが、6モル%未満では架橋が不充分で得られ
る塗膜の強度が弱く、20モル%を超えるとフッ素系共
重合体製造における収率低下や実質的に他の必須成分と
のアンバランスが生じる等の問題があり好ましくない。
【0013】本発明によると、カルボキル基含有の重合
性化合物などの他の重合性化合物も顔料分散性や乳化特
性の改良の目的で使用することができる。例えば、ビニ
ル酢酸、ウンデシレン酸、クロトン酸などが使用でき
る。ただし、高酸価の場合、ワニスの安定性を損なう原
因になるため3モル%以上の共重合は好ましくない。
【0014】本発明の主成分であるフッ素系共重合体
(A)の重合方法は、その製造においては通常のラジカ
ル重合法が採用でき、その重合形態としては溶液重合、
懸濁重合、乳化重合が可能である。かかる重合工程の温
度は、用いるラジカル重合開始剤によるが、通常0〜1
30℃である。溶媒としては、例えば水、t−ブタノー
ル、エチルアルコールなどのアルコール系、n−ヘキサ
ン、n−ヘプタンなどの飽和炭化水素系、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素系、トリクロロトリフルオ
ロエタン、ジクロロテトラフルオロエタンなどのフッ素
系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの
エステル系などが使用できる。また、直接メトキシ以外
のアルキルシリケート中で重合することも可能である。
前記ラジカル開始剤としては、例えばジイソプロピルパ
ーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシ
ジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジ
カーボネートなどのジカーボネート類、またはn−ヘプ
タフルオロブチリックパーオキシド、ラウロイルパーオ
キシピバレート、t−ブチルオキシネオデカノエートな
どのジアシルパーオキシド類、ジーt−ブチルパーオキ
シド、t−ブチルクミルパーオキシドなどのアルキルパ
ーオキシド類、t−ブチルパーオキシピバレート、t−
ブチルパーオキシネオデカノエートなどのパーオキシエ
ステル類などの通常のラジカル開始剤が使用できる。ま
た、乳化重合の場合は通常の重合形態であれば特に制限
されないが、例えば水中でアニオン系やノニオン系の乳
化剤存在下で水溶性過酸化物、過硫酸塩、水溶性アゾ化
合物などを開始剤として重合される。
【0015】このようにして重合されたフッ素系共重合
体の分子量は特に制限されないが、溶液型塗料の場合は
要求される塗膜の強度や柔軟性によって1000〜20
000(数平均分子量;スチレン換算)の範囲で使用す
ることがワニス粘度と固形分濃度の関係から望ましい。
ただし、乳化重合の場合は特に分子量範囲は限定されな
い。実際、乳化重合のフッ素樹脂の分子量は非常に高
く、測定が困難である。
【0016】本発明に使用されるアルキルシリケート
は、下記一般式
【0017】
【化1】
【0018】(Rは炭素数1〜8のアルキル基、nは0
もしくは11以下の整数を表す。)で表されるテトラア
ルキコキシシランまたはその縮合物であり、具体的に
は、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−プロポ
キシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラ2−メ
トキシエトキシシラン、テトラ2−エチルヘキシロキシ
シランなど、またはこれらの部分加水分解物を挙げるこ
とができる。これらの部分加水分解物の構造は明らかで
はないが、Si−O結合からなる骨格とアルコキシ基か
らなるポリ珪酸エステルであって、骨格は化1では直鎖
として表示してあるが分岐を有することもあり、また、
環状構造を採ることもある。その製造方法はどの様なも
のであってもよいが、例えばテトラアルコキシシランに
水、酸および/または溶剤を加え部分的に加水分解して
縮合させて得ることができる。この様な部分加水分解さ
れたアルキルシリケートは縮合度、構造、アルコキシ基
の種類の異なる各種のものが市販されており、例えばM
シリケート51、エチルシリケート40、エチルシリケ
ート45(以上、多摩化学工業(株)製品)、エチルシ
リケート40(コルコート(株)製品)などの有効シリ
カ分を28〜52重量%程度のもの、またはこれらをエ
タノールやイソプロパノールに溶解したHAS−1、H
AS−6、HAS−10(コルコート(株)製品)など
がある。また、これらをさらに加水分解してシリカ分を
57重量%にまで濃縮したアルキルシリケートを使用す
ることも可能である。これらのアルキルシリケートはフ
ッ素系共重合体(A)中に加え、ビニルトリアルコキシ
シランに由来する構造との相乗効果によって塗膜表面の
接触角を低下させ、雨スジをつきにくくするという作用
ものと考えられる。
【0019】本発明に使用できる塗料形態は限定され
ず、例えば、溶剤型2液常温架橋系、溶剤型焼き付け架
橋系、水系エマルジョン型2液常温架橋系、水系エマル
ジョン型焼き付け架橋系、無溶剤型常温架橋系、無溶剤
型焼き付け架橋系などの各種形態をとることができる。
溶剤型2液常温架橋系と溶剤型焼き付け架橋系の場合
は、フッ素系共重合体(A)を芳香族系、エステル系、
エーテル系、ケトン系、アルコール系などの単独もしく
は混合溶媒に溶解したワニスを塗料化して主剤とし、そ
れに硬化剤であるアルキルシリケート(B)を芳香族
系、エステル系、エーテル系、ケトン系、アルコール系
などの単独もしくは混合溶媒に溶解したものを添加して
基体に塗布する。水系エマルジョン型2液常温架橋系と
水系エマルジョン型焼き付け架橋系の場合は、フッ素系
共重合体(A)を乳化重合で造るか、またはその非水系
有機溶剤溶液を用いて水中に後分散したものを主剤と
し、テトラアルコキシシランなどの水溶性アルキルシリ
ケートを水、アルコール溶剤に溶解したものを硬化剤に
用いることが好ましい。さらに無溶剤系の場合はアルキ
ルシリケート(B)をフッ素系共重合体(A)に溶解し
たもので上記した有機溶剤を使用することはなく、1液
化塗料としても用いることができる。
【0020】これらのいずれの場合も硬化速度を改良す
る目的でアルキルチタン酸塩、オクチル酸錫、ジブチル
錫ラウレートなどのカルボン酸金属塩類、ジブチルアミ
ン−2−ヘキソエートなどのアミン塩類、硫酸、塩酸、
マレイン酸などの酸触媒、および塩基性触媒などを添加
することもできる。また、焼き付け型の場合の焼き付け
温度は50℃〜280℃が好ましいが、より好適には1
00℃〜250℃である。50℃未満では敢えて焼き付
けるまでもなく、280℃を超えるとフッ素系樹脂の劣
化が起こり好ましくない。
【0021】本発明ではフッ素系共重合体(A)の10
0部に対して、アルキルシリケート(B)を5〜100
部の範囲で配合し塗装する。5部未満では十分な塗膜の
架橋が得られず、100部を超えると表面平滑性の低
下、架橋密度の低下などが起こることがあり好ましくな
い。
【0022】また本発明の塗料用組成物は、どの場合も
通常の塗料と同様に塗料化が可能であり、顔料や染料を
適宜添加することができる。さらに、用途によって、他
の添加剤、たとえば紫外線吸収剤、光安定剤、防錆剤、
分散剤、防カビ剤などを添加することができる。
【0023】以下、本発明を実施例によって具体的に説
明するが、これらの実施態様に限られない。
【0024】
【実施例】
〔合成例1〕電磁撹拌機付きの内容量2リットルのSU
S製オートクレーブに酢酸ビニル154g(全モノマー
の30モル%。以下同じ。)、ヒドロキシブチルアリル
エーテル70g(10モル%)、トリエトキシビニルシ
ラン115g(10モル%)、キシレン240g、t−
ブチルパーオキシピバレート(日本油脂(株)製)13
gを仕込み、窒素ガスで脱気置換を3回繰り返した後、
クロロトリフルオロエチレン348g(50モル%)を
仕込み、炭酸ナトリウム1.0gの存在下、55℃で2
0時間重合を行った。重合終了後、内容物を取り出し、
ろ過した後キシレンで固形分濃度が60重量%になるよ
うに調整してフッ素系共重合体(A)のワニスを調製し
た。
【0025】〔合成例2〜4〕また、合成例1と同様に
して表1に示した種々のモノマー、種々の組成で重合を
行い、重合終了後、内容物を取り出し、ろ過した後キシ
レンで固形分濃度が60重量%になるように調整してフ
ッ素系共重合体(A)のワニスを調製した。
【0026】〔合成例5〕電磁撹拌機付きの内容量2リ
ットルのSUS製オートクレーブに酢酸ビニル51g
(10モル%)、バーサチック9酸ビニル180g(1
7モル%)、ヒドロキシブチルアリルエーテル50g
(7モル%)、トリエトキシビニルシラン35g(3モ
ル%)、イオン交換水300g、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム8g、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル8g、炭酸ナトリウム3g、過硫酸カリウ
ム1.8gを仕込み、窒素ガスで脱気置換を3回繰り返
した後、クロロトリフルオロエチレン348g(50モ
ル%)を仕込み、50℃で20時間重合を行い、重合終
了後、内容物を取り出し、ろ過した後キシレンで固形分
濃度が60重量%になるように調整してフッ素系共重合
体(A)のワニスを調製した。
【0027】〔合成例6〜12〕合成例1と同様にして
表1に示した種々のモノマー、種々の組成で重合を行
い、重合終了後、内容物を取り出し、ろ過してフッ素系
共重合体(A)のワニスとした。合成例6はトリエトキ
シビニルシランを含まない共重合体、合成例7はトリエ
トキシビニルシランを5モル%と必要量未満の共重合
体、合成例8はヒドロキシ基を含まないOH価が0mg
KOH/gの共重合体、合成例9はトリエトキシビニル
シランを20モル%以上含む共重合体、合成例10はヒ
ドロキシ基を多く含有しOH価が200mgKOH/g
以上の共重合体、合成例12はトリエトキシビニルシラ
ンに代えてトリイソプロポキシビニルシランを用いた共
重合体の合成例である。合成例11はトリエトキシビニ
ルシランに代えてトリメトキシビニルシランを用いた共
重合体の合成例であるが、得られた共重合体のワニスは
常温において密封容器に保存してもゲル化の進行が見ら
れ、塗料化に供することはできなかった。
【0028】これらの共重合体樹脂中のOH価、二級O
H価、酸価を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】〔実施例1〜4〕合成例1〜4で調製した
フッ素系共重合体(A)のキシレンワニスを用い、
(A)の100部に対して、100部の酸化チタンを分
散ミルで均一混合し、白色塗料の主剤を作製した。
【0031】次にこの主剤に対し硬化剤としてMシリケ
ート51(多摩化学工業(株)製)、HAS−1(コル
コート(株)製)、エチルシリケート40(多摩化学工
業(株)製)、さらに硬化促進のための触媒としてジラ
ウリン酸ジ-n-ブチル錫を表2に示す割合で配合し、均
一に混合した後、アルミニウム板に約40ミクロンの厚
みにスプレー塗装した。
【0032】次にそれぞれの塗装板に対して常温硬化
(室温3日間)、焼き付け硬化(10分のセッティング
後140℃30分間加熱)させた。硬化後の塗膜はメチ
ルエチルケトンを用いたラビング試験で硬化の程度を判
定し、またサンシャインウエザオメーター4000時間
による促進耐候性試験を行った。それらの塗膜性能も表
2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】〔実施例5〕合成例5で調製したフッ素系
共重合体(A)の水系エマルジョンを主剤とし、硬化剤
として、テトラメトキシシラン(東芝シリコーン(株)
製)をあらかじめイソプロピルアルコールと水の1:1
溶液に20重量%濃度になるように溶解した加水分解シ
リケート水溶液を配合し、均一に混合した後、アルミニ
ウム板に約30ミクロンの厚みにエアレス塗装しクリヤ
ー塗膜を得た。
【0035】次に塗装板に対して常温硬化(室温7日
間)、焼き付け硬化(10分間のセッティング後、プレ
ヒート80℃10分間、焼き付け140℃20分間)さ
せた。硬化後の塗膜はメチルエチルケトンを用いたラビ
ング試験で硬化の程度を判定し、またサンシャインウエ
ザオメーター4000時間による促進耐候性試験を行っ
た。それらの塗膜性能も表2に示す。
【0036】〔実施例6〕合成例3で作製したフッ素系
共重合体(A)のキシレンワニスのキシレンを揮発乾燥
させた後、エチルシリケート40に溶解して固形分70
%のワニスを得た。次にフッ素系共重合体(A)の10
0部に対して、100部の酸化チタンを水冷下で温度が
上昇しないように分散ミルで均一混合し、無溶剤型白色
塗料を作製した。
【0037】次に、硬化促進のための触媒としてジラウ
リン酸ジ-n-ブチル錫を表2に示す割合で配合し、均一
に混合した後、アルミニウム板に約30ミクロンの厚み
にスプレー塗装した。 次にそれぞれの塗装板に対して
常温硬化(室温3日間)、焼き付け硬化(180℃30
分間加熱)させた。硬化後の塗膜はメチルエチルケトン
を用いたラビング試験で硬化の程度を判定し、またサン
シャインウエザオメーター4000時間による促進耐候
性試験を行った。それらの塗膜性能も表2に示す。
【0038】〔比較例1〜6〕合成例6〜10および1
2で調製したフッ素系共重合体(A)のキシレンワニス
を用い、(A)の100部に対して、100部の酸化チ
タンを分散ミルで均一混合し、白色塗料の主剤を調製し
た。
【0039】次に実施例1〜4と同様に、硬化剤として
Mシリケート51、HAS−1、エチルシリケート4
0、さらに硬化促進のための触媒としてジラウリン酸ジ
-n-ブチル錫を表2に示す割合で配合し、均一に混合し
た後、アルミニウム板に約40ミクロンの厚みにスプレ
ー塗装した。
【0040】次にそれぞれの塗装板に対して常温硬化
(室温3日間)、焼き付け硬化(10分間のセッティン
グ後140℃30分間加熱)させた。硬化後の塗膜はメ
チルエチルケトンを用いたラビング試験で硬化の程度を
判定し、またサンシャインウエザオメーター4000時
間による促進耐候性試験を行った。合成例6のフッ素系
共重合体のワニスを用いた比較例は促進耐候性試験は行
わなかった。また、比較例4では促進耐候性試験におい
て膜のわれが生じた。これらの塗膜性能も表2に示す。
【0041】
【発明の効果】本発明の特定のフッ素共系重合体に対し
て特定のアルキルシリケートを硬化剤とする塗料用組成
物は、イソシアネート化合物などの毒性の強い硬化剤を
使用することなく、実用上充分な硬化速度で、充分な塗
膜強度を有するフッ素樹脂塗膜を形成することができる
という効果を奏する。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年11月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】フッ素樹脂塗料用組成物

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともフルオロオレフィン40〜65
    モル%、共重合可能なビニル系化合物14〜50モル
    %、ヒドロキシ基含有の重合性化合物7〜28モル%、
    トリエトキシビニルシラン6〜20モル%を含むモノマ
    ーを共重合させて得られた樹脂OH価が50〜200m
    gKOH/gであるフッ素系共重合体(A)100重量
    部に対して、 硬化剤としてアルキルシリケート(B)を5〜100重
    量部配合することを特徴とする低毒性フッ素樹脂塗料用
    組成物。
  2. 【請求項2】フルオロオレフィンの一部がヘキサフルオ
    ロイソブテンである請求項1記載の低毒性フッ素樹脂塗
    料用組成物。
  3. 【請求項3】共重合可能なビニル系化合物がビニルエス
    テル類であり、ヒドロキシ基含有の重合性化合物がアリ
    ル系化合物である請求項1記載の低毒性フッ素樹脂塗料
    用組成物。
  4. 【請求項4】ヒドロキシ基含有の重合性化合物のうち少
    なくとも1〜8モル%がグリセリンモノアリルエーテル
    であり、且つ二級のOH価が5〜60mgKOH/gで
    ある請求項1記載の低毒性フッ素樹脂塗料用組成物。
  5. 【請求項5】アルキルシリケート(B)が、アルコール
    系溶剤に溶解した部分加水分解テトラエトキシシランで
    ある請求項1記載の低毒性フッ素樹脂塗料用組成物。
  6. 【請求項6】フッ素系共重合体(A)が水系エマルジョ
    ンであり、且つアルキルシリケート(B)がテトラメト
    キシシランおよび/またはテトラエトキシシランをアル
    コールおよび/または水に溶解したものである請求項1
    記載の低毒性フッ素樹脂塗料用組成物。
  7. 【請求項7】フッ素系共重合体(A)とアルキルシリケ
    ート(B)からなり有機溶剤を含まないことを特徴とす
    る請求項1記載の低毒性フッ素樹脂塗料組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1025446A (ja) * 1996-07-12 1998-01-27 Dainippon Ink & Chem Inc 水性塗料用組成物および其れを用いた塗装物品
WO2010114018A1 (ja) * 2009-03-31 2010-10-07 ダイキン工業株式会社 常温硬化性樹脂塗料組成物

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JP5672232B2 (ja) * 2009-03-31 2015-02-18 ダイキン工業株式会社 常温硬化性樹脂塗料組成物

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