JP3408002B2 - フッ素樹脂塗料用組成物 - Google Patents

フッ素樹脂塗料用組成物

Info

Publication number
JP3408002B2
JP3408002B2 JP30096494A JP30096494A JP3408002B2 JP 3408002 B2 JP3408002 B2 JP 3408002B2 JP 30096494 A JP30096494 A JP 30096494A JP 30096494 A JP30096494 A JP 30096494A JP 3408002 B2 JP3408002 B2 JP 3408002B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mol
vinyl
compound
fluorine
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP30096494A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08157766A (ja
Inventor
佳 平島
一彦 前田
憲太郎 堤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Glass Co Ltd filed Critical Central Glass Co Ltd
Priority to JP30096494A priority Critical patent/JP3408002B2/ja
Priority to US08/548,062 priority patent/US5684074A/en
Publication of JPH08157766A publication Critical patent/JPH08157766A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3408002B2 publication Critical patent/JP3408002B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐汚染性を付与したフッ
素樹脂塗料用組成物に関する。
【0002】
【従来技術】従来からフッ素系共重合体の優れた耐候性
を利用したフッ素樹脂塗料が工業化されている。特に最
近になって硬化部位を持った溶剤可溶型のフッ素系共重
合体が合成され(たとえば特開昭57−34107号公
報、特開昭61−57609号公報など)、建築、自動
車、化学工業などの分野における耐候性塗料として数多
く応用されている。また、環境面を重視し有機溶媒の排
出量を抑えた水系や粉体型塗料も実用化されている。こ
れらの塗料用樹脂は主成分がクロロトリフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレンあるいはフッ化ビニリデン
などのフッ素系原料であり、共重合成分としてビニルエ
ステルやビニルエーテルなどの炭化水素系モノマーを使
用することによって樹脂の溶解性を増大させたものであ
る。
【0003】しかしながら、これらの溶剤可溶型フッ素
樹脂塗料は、耐候性には優れているものの汚れ易いとい
った欠点があげられる。その解決手段として、樹脂のガ
ラス転移点を高くすることで表面硬度を高めようとする
試みや親水性・水中撥油性表面を作ることでソイルリリ
ース性を高めようとする試み(月刊建築仕上げ技術,VO
L19,No219,74(1993))などが行われている。また、ア
ルキルシリケートをブレンドすることで表面親水化する
試みもアクリル樹脂を中心として行われている(特開平
6−248237)。この場合は、アルキルシリケート
が時間の経過にともなって縮合を次々起こすため、塗膜
が硬くなり弾力性に乏しい欠点を有している。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、建築物、屋
外構造物など塗装して長期間雨スジが付かない耐汚染性
とともに耐候性に優れ、かつ弾性を有する塗膜を形成し
うるフッ素樹脂塗料用組成物を提供する。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、塗装さ
れた種々のフッ素樹脂塗膜の汚れ試験を詳細に行った結
果、少なくともフルオロオレフィン、共重合可能なビニ
ル系化合物、ヒドロキシ基含有の重合性化合物を必須単
量体として共重合して得られる特定の高OH価を有する
フッ素系共重合体に、ポリテトラメチレングリコールと
アルキルシリケートを配合してなる組成物から形成され
た塗膜が耐汚染性、耐候性、弾性を発現することを見い
だし本発明に至った。
【0006】すなわち、本発明は、少なくともフルオロ
オレフィン40〜65モル%、共重合可能なビニル系化
合物14〜50モル%、ヒドロキシ基含有の重合性化合
物12〜25モル%、その他の共重合可能な化合物0.
1〜12モル%を共重合させて得られたOH価が80〜
200mgKOH/gであリ、且つその他の共重合可能
な化合物が少なくとも分子内の一部にメトキシ基、また
はエトキシ基を有するビニルアルコキシシシランである
フッ素系共重合体[A]の100重量部(以下、「部」
という。)に対して、分子量(数平均分子量;ポリスチ
レン換算)が160〜4000であるポリオキシテトラ
メチレングリコール[B]を1〜25重量部、アルキル
シリケート[C]を1〜15重量部配合してなるフッ素
樹脂塗料用組成物である。以下本発明を詳細に説明す
る。
【0007】本発明に係るフッ素系共重合体[A]にお
けるフルオロオレフィンとしては、フッ化ビニリデン、
クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニル、トリフル
オロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオ
ロプロペン、ヘキサフルオロイソブテンなどが使用で
き、その組成比としては全単量体の40〜65モル%の
範囲をとる。40モル%未満の場合は耐候性が劣り、6
5モル%を超えると溶剤への溶解性が低下してしまうの
で好ましくない。
【0008】また、本発明のフッ素系共重合体[A]に
使用できる共重合可能なビニル系化合物は14〜50モ
ル%の範囲で用いられる。具体的な化合物としては特に
限定されないが、ビニルエステル類、ビニルエーテル
類、アリルエーテル類などが望ましく使用できる。ビニ
ルエステル類としては、重合性があり分子中にカルボニ
ル基を有するエステル系化合物、例えば、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、
カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリン酸ビニ
ル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステア
リン酸ビニル、バーサチック9酸ビニル、バーサチック
10酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げられる。また、
ビニルエーテル類としては、例えばメチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シ
クロヘキシルビニルエーテルなどが挙げられる。また、
アリルエーテル類としては、例えばエチルアリルエーテ
ル、ブチルアリルエーテル、ベンジルアリルエーテル、
アリルグリシジルエーテル、シクロヘキシルアリルエー
テルなどが使用される。さらに、(メタ)アクリル酸エ
ステル系化合物、ビニルシラン系化合物なども使用可能
である。
【0009】本発明のフッ素系共重合体[A]に使用さ
れるヒドロキシ基含有の重合性化合物としては、ヒドロ
キシ基含有アリルエーテル類、ヒドロキシ基含有ビニル
エーテル類またはクロトン酸変性化合物などが使用でき
る。このようなヒドロキシ基含有の重合性化合物として
は、例えばエチレングリコールモノアリルエーテル、プ
ロピレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレング
リコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコール
モノアリルエーテル、ヒドロキシブチルアリルエーテル
などのアルキレングリコールモノアリルエーテル類、ヒ
ドロキシメチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニ
ルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロ
キシペンチルビニルエーテル、ヒドロキシヘキシルビニ
ルエーテルなどのヒドロキシアルキルビニルエーテル
類、ジエチレングリコールモノビニルエーテルなどのポ
リエチレングリコールモノビニルエーテル類、クロトン
酸ヒドロキシエチルなどのクロトン酸変性化合物などが
あげられる。特に、分子内にヒドロキシ基を2個含有す
るグリセリンモノアリルエーテルやε−カプロラクトン
変性グリセリンモノアリルエーテルが好ましく採用され
る。これらの化合物はヒドロキシ基を2個含有するため
塗装直後の接触角を低くすることができる。
【0010】これらのヒドロキシ基含有の重合性化合物
の組成比は全単量体に対して12〜25モル%であり、
そのとき得られるフッ素系共重合体[A]のOH価とし
ては80〜200mgKOH/gの範囲であることが好
ましい。OH価が80mgKOH/g未満の場合、塗膜
中に汚れが浸入しやすく、200mgKOH/gを超え
ると溶剤への溶解性の低下や耐候性の低下などを引き起
こす。
【0011】本発明のフッ素系共重合体[A]に使用さ
れるその他の重合性化合物としては、重合性があれば特
に限定されないがカルボキシル基含有の化合物やビニル
アルコキシシランが好適に採用される。カルボキシル基
含有の重合性化合物としてはビニル酢酸、デセン酸、ウ
ンデシレン酸、クロトン酸などのカルボキシル基と重合
性二重結合を含有したものであれば特に限定なく採用で
きる。このカルボキシル基含有の重合性化合物は、例え
ば顔料分散性やポットライフを改良するために有用であ
るが、0.1モル%未満では効果がなく、3モル%を超
えるとポットライフが短くなってしまうので好ましくな
い。
【0012】また、本発明に係るフッ素系共重合体
[A]に使用されるビニルアルコキシシランは、塗膜の
架橋をより密にし、かつフッ素系共重合体[A]とアル
キルシリケート[C]との相溶性を向上させるために採
用される。このようなビニルアルコキシシランのアルコ
キシ基としては炭素数1〜8程度のものがよく、特にメ
トキシ基、エトキシ基などが好ましく例示される。これ
らは一分子中に単独で、または混合して存在したもので
あってもよい。このビニルアルコキシシランに由来する
アルコキシ基が加水分解することによって生じるヒドロ
キシ基は、アルキルシリケート[C]とのSi−O−S
i架橋を生じるだけでなく、イソシアネート系化合物、
メラミン化合物などとの硬化も可能な部位である。さら
に、このヒドロキシ基は、塗膜の生成過程においてアル
キルシリケート[C]とフッ素系共重合体[A]との相
溶性を向上させる作用を有する。本発明によるビニルア
ルコキシシランの共重合比としては0.1〜12モル%
の範囲で使用できる。0.1モル%未満では塗膜の架橋
性への効果が少なく、12モル%を超えるとワニスの安
定性や耐候性に悪影響が現れる。
【0013】本発明のフッ素系共重合体[A]の重合方
法は、その製造においては通常のラジカル重合法が採用
でき、その重合形態としては溶液重合、懸濁重合、乳化
重合が可能である。かかる重合工程の温度は、用いるラ
ジカル重合開始剤によるが、通常0〜130℃である。
溶媒としては、例えば水、t−ブタノール、エチルアル
コールなどのアルコール系、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ンなどの飽和炭化水素系、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素系、トリクロロトリフルオロエタン、ジク
ロロテトラフルオロエタンなどのフッ素系、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケ
トン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系など
が単独であるいは混合系で使用できる。前記ラジカル開
始剤としては、例えばジイソプロピルパーオキシジカー
ボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート
などのジカーボネート類、またはn−ヘプタフルオロブ
チリックパーオキシド、ラウロイルパーオキシピバレー
ト、t−ブチルオキシネオデカノエートなどのジアシル
パーオキシド類、ジーt−ブチルパーオキシド、t−ブ
チルクミルパーオキシドなどのアルキルパーオキシド
類、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパー
オキシネオデカノエートなどのパーオキシエステル類な
どの通常のラジカル開始剤が使用できる。
【0014】本発明に係るフッ素系共重合体[A]の分
子量は特に制限されないが、要求される塗膜の強度や柔
軟性によって1,000〜30,000(数平均分子
量;ポリスチレン換算)の範囲で使用することが望まし
く、さらに好ましくは3,000〜18,000程度で
ある。1,000以下の場合は塗膜の耐候性や柔軟性が
低下し、また18,000以上の場合では塗料化におい
て高粘度となり取扱いにくい欠点が生じる。
【0015】本発明に使用するポリオキシテトラメチレ
ングリコール[B]は、アルキルシリケート[C]によ
って形成される硬くて脆いSi−O−Si構造に弾性や
柔軟性を付与する目的で配合される。これにより、曲げ
や振動に強く、耐久性があり、密着性に優れた塗膜を形
成することが可能となる。この目的のために、本発明の
ポリオキシテトラメチレングリコール[B]は、分子量
が(数平均分子量;ポリスチレン換算)160〜4,0
00の範囲であることが好ましい。分子量が160未満
の場合、充分な弾性および柔軟性が付与されず、4,0
00を超えると塗料中に均一に相溶せず塗膜の局所に亀
裂を生じ汚れが目立ち易くなる。
【0016】本発明に使用できるアルキルシリケート
[C]は、下記一般式
【0017】
【化1】
【0018】(Rは炭素数1〜8のアルキル基、nは0
もしくは11以下の整数を表す。)で表されるテトラア
ルコキシシランまたはその縮合物であり、具体的には、
例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−プロポキ
シシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラ2−メト
キシエトキシシラン、テトラ2−エチルヘキシロキシシ
ランなど、またはこれらの部分加水分解物を挙げること
ができる。これらの部分加水分解物の構造は明らかでは
ないが、Si−O結合からなる骨格とアルコキシ基から
なるポリ珪酸エステルであって、骨格は化1では直鎖と
して表示してあるが分岐を有することもあり、また、環
状構造をとることもある。その製造方法はどのようなも
のであってもよいが、例えばテトラアルコキシシランに
水、酸、および/または溶剤を加えて部分的に加水分解
して縮合させて得ることができる。このような部分加水
分解されたアルキルシリケートは縮合度、構造、アルコ
キシ基の種類の異なる各種のものが市販されており、例
えばMシリケート51、エチルシリケート40、エチル
シリケート45(以上、多摩化学工業(株)製品)、エ
チルシリケート40(コルコート(株)製品)などの有
効シリカ分を28〜52重量%程度のもの、またはこれ
らをエタノールやイソプロパノールに溶解したHAS−
1、HAS−6、HAS−10(コルコート(株)製
品)などがある。また、これらをさらに加水分解してシ
リカ分を57重量%にまで濃縮したアルキルシリケート
を使用することも可能である。これらのアルキルシリケ
ートをフッ素系共重合体[A]中に加えることで、ビニ
ルアルコキシシランに由来する構造との相乗効果によっ
て塗膜表面の接触角を低下させ、長期にわたって雨スジ
をつきにくくするという機能を付与することができるも
のと考えられる。
【0019】本発明のフッ素樹脂塗料用組成物において
は、フッ素系共重合体[A]100部に対してポリオキ
シテトラメチレングリコール[B]を1〜25部、アル
キルシリケート[C]を1〜15部の範囲で配合するこ
とが必要である。ポリオキシテトラメチレングリコール
[B]の添加量が1部未満では塗膜が脆いために割れ易
く、25部を超えると塗膜の硬化速度が遅く、汚れ易
い。さらに、[C]の添加量は、1部未満では添加効果
がなく、15部を超えると酸性雨や熱に対しての接触角
の経時変化が大きくなり長期的には汚れ易くなるので好
ましくない。したがって、本発明では、[A]、
[B]、[C]の3成分が必須であって、塗装直後から
長期にわたって耐久性の良好な耐汚染性塗膜表面を達成
することが可能となる。
【0020】本発明のフッ素樹脂塗料用組成物の溶剤
は、芳香族系、エステル系、エーテル系、ケトン系、ア
ルコール系など、塗料の分野で一般的に使用される溶剤
の単独もしくは混合溶剤である。いずれの場合も通常の
塗料と同様に塗料化が可能であり、顔料や染料を適宜添
加することができる。また、用途によって、他の添加
剤、たとえば紫外線吸収剤、光安定剤、防錆剤、分散剤
などを添加することができる。
【0021】本発明のフッ素樹脂塗料用組成物は、硬化
剤として、通常のウレタン系すなわち多価イソシアネー
ト系硬化剤をはじめとして、メラミン系硬化剤、ブロッ
クイソシアネート系硬化剤などを特に制限せず使用可能
であるが、例えばイソシアネート系硬化剤を使用する場
合はNCO/OH=0.3〜1.0の範囲が好ましい。
また、特に樹脂OH価が100〜200mgKOH/g
の場合NCO/OH=0.4〜1.0の範囲にあること
が好ましい。アルコキシシランの加水分解を促進する目
的でアルキルチタン酸塩、オクチル酸錫、ジブチル錫ラ
ウレートなどのカルボン酸金属塩、ジブチルアミン−2
−ヘキソエートなどのアミン塩、酸触媒、および塩基性
触媒などを添加することもできる。以下、本発明を実施
例によって具体的に説明するが、実施態様はこれらに限
られない。
【0022】
【実施例】
合成例1〜6 電磁撹拌機付きの内容量2リットルのSUS製オートク
レーブに酢酸ビニル44.6g(8モル%)、エチルビ
ニルエーテル46.6g(10モル%)、ヒドロキシブ
チルアリルエーテル101.2g(12モル%)、グリ
セリンモノアリルエーテル42.8g(5モル%)、テ
トラエトキシビニルシラン184.8g(15モル
%)、キシレン240g、t−ブチルパーオキシピバレ
ート(日本油脂製)13gを仕込み、窒素ガスで脱気置
換を3回繰り返した後、クロロトリフルオロエチレン3
39.4g(45モル%)、テトラフルオロエチレン3
2.4g(5モル%)を仕込み、炭酸ナトリウム1.4
gの存在下、55℃で20時間重合を行った(合成例
1)。
【0023】また、同様にして表1に示した組成で重合
を行った(合成例2〜8)。どの場合も重合終了後、内
容物を取り出し、ろ過してフッ素系共重合体[A]のワ
ニスとした。ここで、合成例7は、OH価が80mgK
OH/g以下の共重合体の合成例であり、合成例8は、
ビニルトリメトキシシランの共重合比が12モル%を超
えた共重合体の例である。これらの共重合体樹脂中のO
H価、酸価、分子量(スチレン換算、数平均)を表1に
示す。
【0024】
【表1】
【0025】実施例1〜6 合成例1〜6で作製したフッ素系共重合体[A]のワニ
スの固形分100部に対して、それぞれ表2に示す割合
でポリオキシテトラメチレングリコール[B]を添加
し、フッ素系塗料の主剤ワニスとした。用いた化合物
[B]は、三洋化成工業(株)製のポリオキシテトラメ
チレングリコールPTMG650(数平均分子量65
0)、PTMG2000(数平均分子量2000)であ
る。次に、このフッ素系共重合体[A]、ポリオキシテ
トラメチレングリコール[B]の混合物からなる主剤ワ
ニスのフッ素系共重合体[A]の100部に対して、1
00部の酸化チタンを分散ミルで均一混合し、白色塗料
の主剤を作製した。さらに、この白色塗料の主剤に、フ
ッ素系共重合体[A]の100部に対して表2の割合に
なるようにアルキルシリケート[C]を配合した。用い
たアルキルシリケート[C]は、多摩化学工業(株)製
のMシリケート51、エチルシリケート45である。次
いで、あらかじめ1:1に混合したコロネートHX(日
本ポリウレタン工業(株)製)のキシレン溶液をNCO
/OH比が表2に示す割合になる様に配合し、均一に混
合して白色塗料とした。この白色塗料をアルミニウム板
に約40ミクロンの厚みにスプレー塗装し、常温で2日
間乾燥硬化させた。
【0026】
【表2】
【0027】以上によって作製された塗装板を用いて、
水の静的接触角、屋外曝露6カ月間による汚れ試験およ
び耐候性試験、T曲げ試験を行った。汚れの判定は雨ス
ジのついていない部分の色差および雨スジの生成具合に
よって行った。その結果を表3に示す。ここでは、フッ
素系共重合体[A]とポリオキシテトラメチレングリコ
ール[B]を混合後、顔料を加え塗料化したのちにアル
キルシリケート[C]と硬化剤を配合しているが、フッ
素系共重合体[A]単独に顔料を加えて塗料化した後に
ポリオキシテトラメチレングリコール[B]、アルキル
シリケート[C]、硬化剤を加えた場合も、結果は表2
における手順の異なる場合の結果と変わらなかった。
【0028】比較例1〜7 合成例2〜8で作製したフッ素系共重合体[A]のワニ
スについて実施例1〜6と同様の方法で表2の組成とな
る白色塗料を調製し、それらの塗膜を形成した塗装板に
ついて実施例1と同一の各種試験を行った。その結果を
表3に示す。各比較例で用いたポリオキシテトラメチレ
ングリコール[B]、アルキルシリケート[C]は実施
例で用いたものと同一の製品である。ここで、比較例1
はフッ素系共重合体[A]のOH価が80mgKOH/
gに満たない場合、比較例2はフッ素系共重合体[A]
のビニルアルコキシシラン共重合比が12モル%を超え
た場合、比較例3、4はポリオキシテトラメチレングリ
コール[B]を含まない場合、比較例5はアルキルシリ
ケート[C]を含まない場合、比較例6はアルキルシリ
ケート[C]を15部以上含む場合、比較例7はポリオ
キシテトラメチレングリコール[B]を25部以上含む
場合の例である。
【0029】
【表3】
【0030】<評価方法> ・耐汚染性:屋外曝露を6カ月間行い、曝露前後の色差
(△E、JIS−Z8730)を雨スジのない部分で測
定(曝露場所、埼玉県川越市)した。 ・雨スジ試験:屋外曝露3ヶ月後を短期、18ヶ月後を
長期とした雨スジの程度。付かないを◎、付いているが
目立たないを○、付いているが比較的薄いを△、目立つ
を×とした。 ・耐候性:サンシャインウエザオメータ4000時間に
よる促進試験前後の60度光沢保持率で示す。 ・曲げ試験:屋外曝露6ヶ月後の塗装板(0.8mm厚)を
折り曲げ、その曲げ部の割れ、剥がれなどの有無を観察
する。T曲げで3T以上を○、3T以下のものについて
は割れ、剥がれが生じる曲げ角度を測定した。
【0031】
【発明の効果】本発明のフッ素樹脂塗料用組成物からな
る塗料は、実施例に示された通り長期の屋外暴露に相当
する耐候性試験において塗膜の劣化が起こらず、また、
実際の長期屋外曝露試験においても塗膜の変色がなく雨
スジも付かないという優れた耐候性および耐汚染性を示
し、かつ曲げ試験から明らかなようにと膜の基材との密
着性に優れるという特徴を有するので、このフッ素樹脂
塗料用組成物は建築物、屋外構造物などに使用する塗料
の造膜成分として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−113755(JP,A) 特開 平5−209148(JP,A) 特開 平6−100771(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 127/12 C09D 171/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともフルオロオレフィン40〜65
    モル%、共重合可能なビニル系化合物14〜50モル
    %、ヒドロキシ基含有の重合性化合物12〜25モル
    %、その他の共重合可能な化合物0.1〜12モル%を
    共重合させて得られたOH価が80〜200mgKOH
    /gであリ、且つその他の共重合可能な化合物が少なく
    とも分子内の一部にメトキシ基、またはエトキシ基を有
    するビニルアルコキシシシランであるフッ素系共重合体
    [A]の100重量部に対して、分子量(数平均分子
    量;ポリスチレン換算)が160〜4000であるポリ
    オキシテトラメチレングリコール[B]を1〜25重量
    部、アルキルシリケート[C]を1〜15重量部配合し
    てなるフッ素樹脂塗料用組成物。
  2. 【請求項2】ヒドロキシ基含有の重合性化合物として1
    分子中に2個のヒドロキシ基を有する化合物を用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載のフッ素樹脂塗料用組成
    物。
JP30096494A 1994-10-25 1994-12-05 フッ素樹脂塗料用組成物 Expired - Fee Related JP3408002B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30096494A JP3408002B2 (ja) 1994-12-05 1994-12-05 フッ素樹脂塗料用組成物
US08/548,062 US5684074A (en) 1994-10-25 1995-10-25 Fluorine-containing coating composition

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30096494A JP3408002B2 (ja) 1994-12-05 1994-12-05 フッ素樹脂塗料用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08157766A JPH08157766A (ja) 1996-06-18
JP3408002B2 true JP3408002B2 (ja) 2003-05-19

Family

ID=17891200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30096494A Expired - Fee Related JP3408002B2 (ja) 1994-10-25 1994-12-05 フッ素樹脂塗料用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3408002B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08157766A (ja) 1996-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5348126B2 (ja) コーティング剤用組成物
KR100616797B1 (ko) 불소계 공중합체의 수성분산액 및 수성도료용 조성물
JPH07110890B2 (ja) 含フッ素共重合体およびそれを用いた塗料用組成物
US5684074A (en) Fluorine-containing coating composition
EP1378552B1 (en) Resin composition for water-based coating material
JP5617489B2 (ja) 塗料用組成物の製造方法および塗装物品
JPH08283616A (ja) 水性フッ素樹脂塗料
JPH08231919A (ja) フッ素樹脂塗料用組成物
JPH06184243A (ja) 含フッ素共重合体
JP3408002B2 (ja) フッ素樹脂塗料用組成物
JP3093345B2 (ja) シリル基を有する含フッ素共重合体を含有する塗料用組成物
JP5999154B2 (ja) 塗料用組成物の製造方法および塗装物品の製造方法
JPH08120212A (ja) フッ素樹脂塗料用組成物
JPH0841416A (ja) フッ素樹脂塗料用組成物
JP5928545B2 (ja) 塗料用組成物の製造方法および塗装物品の製造方法
JP2000129195A (ja) 含フッ素水性塗料組成物
JPH09137113A (ja) フッ素樹脂塗料用組成物
JP3104775B2 (ja) 常温硬化型塗料用組成物
JP2795600B2 (ja) フッ素樹脂塗料用組成物
JP6750665B2 (ja) 水性塗料組成物および塗装物品
JPH07188604A (ja) フッ素樹脂塗料用組成物
JP2000159964A (ja) シーリング材組成物
JP2993845B2 (ja) 耐汚染性塗料用フッ素樹脂
JP2002265865A (ja) 含フッ素オレフィン重合体水性分散液の製造方法
JP3206794B2 (ja) 常温硬化型塗料用組成物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees