JPH08120115A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH08120115A
JPH08120115A JP28152894A JP28152894A JPH08120115A JP H08120115 A JPH08120115 A JP H08120115A JP 28152894 A JP28152894 A JP 28152894A JP 28152894 A JP28152894 A JP 28152894A JP H08120115 A JPH08120115 A JP H08120115A
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勝郎 大村
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房充 北田
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久男 永井
Masaki Maeda
征希 前田
Kazuo Miyamoto
和男 宮本
Mitsuru Kawakita
満 川喜田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属光沢を有する熱可塑性樹脂を成形した際
に、ウエルドラインおよびその延長部に現れる外観不良
を改良する材料を提供する。 【構成】 熱可塑性樹脂100重量部に対し、平均粒子
径が1〜500μmの金属光沢を有する多面体粒子0.
05〜20重量部、および着色剤0〜10重量部を含有
してなる熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、バイクなどの
車両関係、OA機器、テレビなどの電気機器、カメラ、
化粧品容器などに好適な樹脂成形品に使用する、メタリ
ック感があり、かつウエルドラインの不良現象が大幅に
改善された熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、電気機器、OA機器、光学関係
などに用いられるプラスチックは、意匠性の多様化から
各種の色に着色されて使用されているが、金属光沢を有
するメタリック調の調色が増えている。メタリック調の
色調にするためには、一般に金属光沢を有するリン片状
のアルミ粉やマイカを添加し、光輝感を出している。こ
のように、光輝感がある成形品を得るために、リン片状
のメタリック顔料を添加しているが、射出成形時にウエ
ルドラインが生じ、メタリック調の場合、このウエルド
ラインが非常に目立ったり、また顔料の配向などによる
ウエルドラインの黒ずみが生じたり、さらにウエルドラ
インの延長部で色調が変わったりして外観品質に合格で
きず使用できない場合がある。この原因は、メタリック
感がある金属粒子がリン片状であるために、ウエルドラ
インおよびその延長部の溶融樹脂の合流部で配向し、光
の反射量が変わることで色調が変化し、黒ずんだりして
成形不良となるものである。
【0003】この対策として、各種の方法が試みられて
いる。例えば、特開昭58−37045号公報には小粒
子径の金属粉を多量に添加する技術が、特開昭50−1
29651号公報には大粒子径の金属粉を添加する技術
などが提案されており、効果はあるものの、良好なメタ
リック感と良好なウエルドラインの外観を両立できるも
のではなかった。さらに、金属粒子間距離をウエルドラ
インの幅より大きくすることで、ウエルドラインの目立
ちを小さくする技術(特開昭61−49817号公報)
も提案されているが、特に高品質な外観を求められる車
両外装材料用としては未だに不充分である。
【0004】以上のように、熱可塑性樹脂を射出成形し
ようとする際、ウエルドラインが成形品に発生するが、
メタリック調の外観を有する樹脂の場合、特にウエルド
ラインおよびその先の溶融樹脂の合流部の黒ずみなどの
ため外観不良となり、商品価値がなくなり問題である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので、メタリック感があ
り、かつウエルドラインの不良現象が大幅に改善された
熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂
100重量部に対し、平均粒子径が1〜500μmの金
属光沢を有する多面体粒子0.05〜20重量部、およ
び着色剤0〜10重量部を含有してなる熱可塑性樹脂組
成物を提供するものである。
【0007】本発明に用いられる熱可塑性樹脂は特に限
定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、スチレン−ア
クリロニトリル共重合体(AS樹脂)に代表されるスチ
レン系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、
メチルメタクリレート−スチレン共重合体などのアクリ
ル系樹脂、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、
ABS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、ゴム変性アクリ
ル樹脂などに代表されるゴム変性熱可塑性樹脂、ポリ塩
化ビニル系樹脂(PVC)、ナイロン6、ナイロン6,
6、ナイロン4,6などのポリアミド、ポリブチレンテ
レフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート
(PET)などのポリエステル、ポリカーボネート(P
C)、ポリオキシメチレン(POM)などに代表される
エンジニアリングプラスチック(エンプラ)、および上
記樹脂のブレンド物、さらにはこれらの樹脂に他の熱可
塑性樹脂をブレンドして得られるアロイなどの熱可塑性
樹脂が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂のなかでは、
スチレン系樹脂、ゴム変性熱可塑性樹脂が好ましい。
【0008】次に、本発明の金属光沢を有する多面体粒
子の構成材料は、ニッケル、アルミニウム、銀、銅、ク
ロム、亜鉛、スズ、鉛、コバルト、鉄、モリブデン、マ
ンガン、タングステン、金、チタン、アンチモン、ケイ
素、プラチニウムおよびマグネシウムなどの群から選ば
れた少なくとも1種の金属、あるいはこれらのアロイ、
酸化物、窒化物、硫化物などの化合物、またはこれらの
混合物である。上記金属のなかでは、金属光沢を出すた
めに、ニッケル、アルミニウム、銀、銅、スズ、クロ
ム、金、チタン、プラチニウム、亜鉛が好ましく、特に
ニッケル、アルミニウム、銀、銅、スズが好ましい。な
お、この多面体粒子は、金属または金属化合物そのもの
であったり、あるいはガラスやマイカなどの金属や金属
化合物をメッキ、蒸着、その他の方法で付着させたもの
であってもよい。また、金属面の保護のため、これらを
脂肪酸などの有機物で被覆したり、酸化チタン、シリカ
などで覆ったりしたものも含まれる。
【0009】多面体粒子を得る方法としては各種の方法
があるが、代表的な方法としては例えば次のような方法
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。 球状の金属粒子を切削し、球面を削り取り光を反射す
る面を作る方法。 金属光沢を有するリン片状あるいは板状などの金属粉
を凝集したり、各種の方法で造粒し、多面体状の粒子と
する方法。 不定型のガラス粒子に金属や金属化合物を付着させた
りする方法。
【0010】この多面体粒子の具体的な製造方法として
は、例えば次のような方法が挙げられる。 金属アトマイズ粉をクラッシャーで微粉砕し、多面体
の粒子を得る方法。 気体の流動層を用い、リン片状の金属粉粒子を気流中
に流動させながら、流動層上部から造粒剤としてアルコ
ールに溶解したヒドロキシプロピルセルロース、あるい
はアセトンにエポキシ系接着剤などの接着剤(主剤と硬
化剤を混合したもの)をミスト状に添加して造粒し、造
粒多面体構造光沢粉を得る方法。 ガラス薄膜あるいはガラスバルーンを粉砕し、ガラス
の多面体型の粉末を得て、この粉末に銀などを無電解メ
ッキし、必要に応じてその上を銀の変性を防ぐためシリ
コンなどで被覆する方法。
【0011】この多面体粒子の面の形状は、特に決まっ
た形状を有するものではない。なお、多面体粒子中に
は、平面部分が1つ以上あることが好ましく、さらに好
ましく2つ以上、さらに好ましく4つ以上、特に好まし
く6つ以上である。これは、平面部で光が反射しメタリ
ック感を出すが、見る角度を変更したときにも、メタリ
ック感が失われないことが望ましいためである。また、
この面の数は、好ましくは128面以下、さらに好まし
くは100面以下であり、128面を超えると球状に近
くなり、粒子径が500μm以下では光沢面が小さくな
り過ぎて金属光沢が出にくくなる。
【0012】多面体粒子粒子の大きさは、成形品の意匠
性を反映するため、1〜500μmであり、好ましくは
2〜300μm、さらに好ましくは3〜200μm、特
に好ましくは5〜100μmである。1μm未満では、
金属光沢が小さく、光輝感が不充分であり、一方500
μmを超えると各粒子の光の反射量が多くなり、ギラギ
ラした印象となり、さらに各粒子が明確に認識されやす
くなりデザイン上好ましくない。なお、多面体粒子とし
て、キラキラした光輝感が必要な場合には、粒子径は大
きい方が好ましく15μm以上であり、20μm以上が
さらに好ましい。これとは逆に、しっとりしたメタリッ
ク感の場合には、15μm未満の小さな粒子径のものが
好ましい。
【0013】また、多面体粒子の粒子径分布は、重量平
均粒子径(Dw)と数平均粒子径(Dn)との比(Dw
/Dn)が、好ましく10以下、さらに好ましく1.2
〜7、特に好ましく1.5〜5である。Dw/Dnが1
0を超えると、平均粒子径が100μm以上の場合、大
粒径のものが存在して認識されるようになり、デザイン
上好ましくない。
【0014】多面体粒子の組成物への添加量は、熱可塑
性樹脂100重量部に対し、0.05〜20重量部、好
ましく0.05〜15重量部、さらに好ましくは0.1
〜10重量部である。0.05重量部未満では、光輝感
が得られず、目的とするメタリック調の成形品とはなら
ない。一方、20重量部を超えると、衝撃強度の低下が
著しく好ましくない。
【0015】次に、本発明に使用される着色剤として
は、無機顔料、有機顔料、染料などが挙げられる。カラ
ーインデックスに記載された顔料では、無機顔料として
酸化チタン、チタンイエロー、酸化鉄系顔料、群青、コ
バルトブルー、酸化クロム、スピネルグリーン、コロム
酸鉛系顔料、カドミウム系顔料が含まれる。また、有機
顔料としては、アゾレーキ顔料、ベンゾイミダゾロン顔
料、ジアリリド顔料、縮合アゾ系顔料などのアゾ系顔
料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンな
どのフタロシアニン系顔料、イソインドリノン顔料、キ
ノフタロン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ア
ントラキノン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジンバイオ
レットなどの縮合多環系顔料が含まれる。
【0016】染料としては、ニトロソ染料、ニトロ染
料、アゾ染料、スチルベンアゾ染料、ケトイミン染料、
トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン
染料、キノリン染料、メチン/ポリメチン染料、チアゾ
ール染料、インダミン/インドフェノール染料、アジン
染料、オキサジン染料、チアジン染料、硫化染料、アミ
ノケトン/オキシケトン染料、アントラキノン染料、イ
ンジゴイド染料、フタロシアニン染料などが挙げられ
る。
【0017】これらの具体例としては、ピグメント(以
下「P」と略記する)レッド101、Pレッド102、
Pレッド108、Pレッド122、Pオレンジ20、P
イエロー37、Pイエロー183、Pブラウン6、Pブ
ラウン7、Pブラウン11、Pブラウン24、Pグリー
ン−14、Pグリーン−19、Pグリーン36、Pブル
ー15、Pホワイト4、Pホワイト21、Pブラック1
0などの顔料、ソルベント(以下「S」と略記する)レ
ッド111、Sレッド151、Sレッド179、Sオレ
ンジ20、Sイエロー53、Sイエロー33などの染料
が挙げられる。
【0018】これらの着色剤の中から、意匠性に応じて
顔料、染料を選択し調色するが、着色剤の添加量は、熱
可塑性樹脂100重量部に対して、0〜10重量部、好
ましくは0.1〜8重量部、さらに好ましく0.2〜7
重量部である。すなわち、着色剤を添加しなくても、金
属光沢のあるメタリック顔料(多面体粒子)の色のみで
希望する色調に着色できる場合は、着色剤は添加する必
要はない。一方、着色する必要がある場合に、着色剤が
10重量部を超えると、衝撃強度の低下や染料の樹脂表
面への移行などが起こり好ましくない。これらのことを
考慮すると、8重量部以下が好ましく、さらに好ましく
は7重量部以下である。
【0019】これらからなる熱可塑性樹脂組成物には、
目的に応じて熱安定剤、耐候安定剤、滑剤、顔料分散
剤、静電気防止剤などの添加剤を添加することができ
る。
【0020】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、一般にバ
ンバリーミキサーや一軸、二軸のベント付きエクストル
ーダーにより、溶融混練りされ均一な組成物として用い
られる。上記各成分の種類、配合量は、使用目的に応じ
て適切なものを選択し、品質設計することができる。こ
れにより、耐熱性、耐衝撃性、耐候性、耐薬品性、難燃
性、耐摩耗性、摺動性、電気特性、メッキ性、耐クリー
プ性、寸法安定性などの要求品質に応じた性能の組成物
に品質設計することができる。
【0021】本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形品は、
自動車・バイクなどの車両部品、船舶・航空機部品、電
気・電子部品、建築部品、事務機器、スポーツ用品、家
庭用品、農業用機械部品、電動工具、学用品、玩具など
の広い分野に使用される。
【0022】
【作用】従来のメタリック顔料は、厚みのないリン片状
であり、この形状では、光を反射する方向(リン片に対
して垂直方向)と反射しない方向(リン片方向)が生じ
る。また、成形時、樹脂の流動方向にリン片が配向して
成形されるため、得られる成形品にも光輝感が発現する
面と発現しない面(例えば、ウエルドライン)が生じる
(方向性がある)。本発明に使用される多面体粒子、例
えばリン片状のアルミ粉を流動層中で流動させながら造
粒剤を添加して造粒した多面体粒子では、リン片状のア
ルミ粉をノリで貼り合わせた多面体構造となっており、
どの方向から光が当たっても光を反射し、光に対して方
向性がないから、該多面体粒子を用いた組成物から得ら
れる成形品は、光輝感に優れたものとなる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施
例中の部および%は、重量基準である。また、実施例中
の各種評価項目は、次のようにして評価したものであ
る。
【0024】光輝感 長さ60mm、幅35mm、厚さ2.4mmの試験片を
成形し、下記基準にて、目視判定した。 ◎; 光輝感が非常に優れている。 ○; 光輝感が優れている。 ×; 光輝感がほとんどない。 ××;光輝感がない。
【0025】ウエルド外観(ウエルドライン外観、ウエ
ルドライン延長部の黒ずみ外観) 幅150mm、長さ250mm、厚さ2.5mmの箱形
の成形品用金型の一側面に設けた2箇所のゲートから組
成物を射出成形して得た成形品を用い、目視判定した。
判定基準は、次のとおりである。 ◎ ;全く問題ない。 ○ ;問題ない。 △ ;ウエルドラインとその延長部の黒ずみ部が見え
る。 × ;ウエルドラインとその延長部の黒ずみ部が明確に
認識できる。 ××;ウエルドラインの延長部の黒ずみ部が顕著に見え
る。
【0026】耐衝撃強度 ASTM D256に準じて測定した。耐衝撃強度の保
持率は、下記式より求めた。 耐衝撃強度保持率(%)=(顔料添加後の衝撃強度/顔
料添加前の衝撃強度)×100(%)
【0027】参考例(各成分の調製)熱可塑性樹脂 本発明の実施例/比較例で用いた各熱可塑性樹脂は、下
記のとおりである。 a.ポリプロピレン;三菱油化(株)製、三菱ポリプロ
MA3 b.ポリスチレン;新日鉄化学(株)製、エスチレンG
−20 c.AS樹脂;日本合成ゴム(株)製、AS230 d.PMMA;三菱レーヨン(株)製、アクリペットM
D e.HIPS;電気化学工業(株)製、TP−USX f.ABS樹脂;日本合成ゴム(株)製、ABS12 g.AES樹脂;日本合成ゴム(株)製、AES145 h.ASA樹脂;日立化成(株)製、VITAX670
0 i.ゴム強化アクリル樹脂;三菱レーヨン(株)製、I
R D−70
【0028】j.ポリアミド;東レ(株)製、アミラン
CM1017−C k.ポリカーボネート;出光石油化学(株)製、タフロ
ンA2200 l.PBT;帝人(株)製、C7000 m.POM;ポリプラスチック(株)製、ジュラコンM
140−44 n.変性PPO;日本GEプラスチック(株)製、ノリ
ルGTX600 o.PC/ABS;日本合成ゴム(株)製、JSRエク
セロイCB10 p.PBT/ABS;日本合成ゴム(株)製、JSRマ
クスロイBK101 q.PA/ABS;日本合成ゴム(株)製、JSRマク
スロイAK101
【0029】r.水添SB共重合体へ、メチルメタクリ
レート/スチレン/アクリロニトリルをグラフト重合し
た樹脂(グラフト重合体) 使用された水添SB共重合体およびグラフト重合体は、
下記方法で得た。すなわち、内容積5リットルのオート
クレーブに、脱気脱水したシクロヘキサン2,500
g、スチレン175g、1,3−ブタジエン325gを
仕込んだのち、テトラヒドロフラン2.5g、n−ブチ
ルリチウム0.34gを加えて重合を行った。転化率が
ほぼ100%に達したのち、一部を採取してスチームス
トリッピング法にて脱溶媒し、120℃熱ロールにて乾
燥して重合体を得た。このようにして得られた重合体
は、スチレン含量35%のポリマーであった。
【0030】このようにして得られたポリマー溶液に、
あらかじめ別容器で調製したナフテン酸ニッケル:n−
ブチルリチウム:テトラヒドロフラン=1:8:20
(モル比)の触媒液を、オレフィン部分2,000モル
に対して、ニッケルとして1モルになるように仕込ん
だ。その後、反応系内に水素を導入し、70℃で水素添
加反応を行った。反応終了後、反応系内の水素を置換
し、老化防止剤2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ルを1%添加し、脱溶乾燥し、水素添加率97%の水添
SB共重合体を得た。
【0031】この水添SB共重合体30部を、リボン型
攪拌翼を備えた内容積100リットルのステンレス製オ
ートクレーブ中であらかじめトルエン/スチレン=12
0部/10部の溶液としたのち、メチルメタクリレート
/アクリロニトリル=56部/4部を添加し、昇温しな
がら50℃にてベンゾイルパーオキサイド0.5部、ジ
クミルパーオキサイド0.1部を添加し、80℃一定に
て重合反応を行った。さらに、反応開始後6時間目から
1時間かけて120℃まで昇温し、2時間反応させた。
重合転化率は、97%であった。このグラフト重合体
に、2,2−メチレンビス−4−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール0.2部を添加したのち、水蒸気蒸留にて
脱溶後、細かく粉砕したのち、ベントエクストルーダー
にてペレット化した。
【0032】s.ポリオルガノシロキサン系ポリマー
へ、スチレン/アクリロニトリルをグラフトした樹脂 このポリオルガノシロキサン系ポリマーおよびグラフト
樹脂は、下記の方法にて得た。p−ビニルフェニルメチ
ルジメトキシシラン1.5部およびオクタメチルシクロ
テトラシロキサン98.5部を混合し、これをドデシル
ベンゼンスルホン酸2.0部を溶解した蒸留水300部
中へ入れ、ホモミキサーにて3分間攪拌して分散させ
た。この混合液を、コンデンサー、窒素導入口および攪
拌機を備えたセパラブルフラスコに移し、攪拌混合しな
がら90℃で6時間加熱し、5℃で24時間冷却するこ
とによって縮合を完結させた。得られたポリオルガノシ
ロキサン中のオクタメチルシクロテトラシランの縮合率
は、93%であった。
【0033】このポリオルガノシロキサンラテックス
を、炭酸ナトリウム水溶液でpH7に中和した。これを
固形分換算で35部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム0.5部および蒸留水140部を混合し、滴下ビ
ン、コンデンサー、窒素導入口および攪拌翼を備えたセ
パラブルフラスコに移し、さらにスチレン15.81
部、アクリロニトリル6.29部、ピロリン酸ソーダ
0.2部、ブドウ糖0.25部、硫酸第1鉄0.004
部およびクメンハイドロパーオキサイド0.07部を加
え、窒素を流しながら、70℃まで昇温した。1時間重
合後、スチレン30.69部、アクリロニトリル12.
21部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0
84部、蒸留水42部、クメンハイドロパーオキサイド
0.12部およびt−ドデシルメルカプタン0.06部
の混合液を滴下ビンを使用して、3時間にわたり添加し
た。滴下終了後、1時間重合を継続し、その後、冷却し
た。
【0034】得られたグラフト共重合体ラテックスを、
2部の塩化カルシウムを溶解した温水中に投入し、塩析
凝固し、グラフト共重合体を得た。このグラフト共重合
体を水洗後、80℃で10時間乾燥させた。次いで、こ
のグラフト共重合体57部とスチレン−アクリロニトリ
ル共重合体43部を混合し、2軸押し出し機を使用して
シリンダー温度230℃で押し出し加工し、グラフト樹
脂のペレットを得た。
【0035】多面体粒子 多面体粒子(以下「金属光沢顔料」ともいう)は、以下
のものを用いた。 (イ)スズ;亜鉛(重量比)=60:40からなる合金
の粒子径150μmの金属アトマイズ粉を、クラッシャ
ーにて微粉砕し、粒子径45μmの多面体粒子を得た。 (ロ)流動層を用い、リン片状の金属微粒子を気流中に
流動させながら流動層上部から造粒剤としてアルコール
に溶解したヒドロキシプロピルセルロース、あるいはア
セトンにエポキシ接着剤(主剤と硬化剤を混合したも
の)をミスト状に添加して造粒し、下記表1の造粒多面
体金属光沢粉を得た。
【0036】
【表1】
【0037】なお、比較例4〜6におけるアルミ粉、パ
ール顔料、ガラスフレークのメッキ品は、それぞれ上記
(ロ)−1〜3の造粒前の原料(リン片状の金属微粒
子)である。
【0038】(ハ)3〜20μmの膜厚のガラス薄膜を
粉砕し、平均粒子径60μmの不定型の多面体型の粉末
を得た。この粉末に、銀を無電解メッキし、その上を銀
の変性を防ぐためにシリコン系の化合物で被覆した。
【0039】実施例1〜27、比較例1〜6 熱可塑性樹脂と金属光沢を有する多面体粒子、さらに着
色剤を表2〜3に示す配合処方で混合し、ベント付き4
0mm押し出し機で樹脂温度200〜300℃に、樹脂
に応じて変更し、溶融混合し、押し出すことでペレット
を得た。このペレットを、東芝機械(株)製、IS−1
25CN IIを用いて成形し、ウエルドラインおよびそ
の延長部の黒ずみ外観を評価した。結果を表4〜5に示
す。
【0040】表2〜5から明らかなように、多面体の形
状をした金属光沢を有する粒子を用いることで、本発明
の目的とするウエルドラインおよびその延長部の外観が
明らかに改良されていることが分かる(実施例1〜2
7)。一方、本発明の多面体粒子を用いた場合でも、少
なすぎる場合には光輝感が得られず(比較例1)、一方
多すぎる場合には耐衝撃強度が低下する(比較例2)。
また、着色顔料が多すぎる場合にも、同様に耐衝撃強度
が低下する(比較例3)。さらに、リン片状の通常の金
属光沢顔料では、良好な外観のものは得られない(比較
例4〜6)。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、金属光
沢を有する成形品としたときに、ウエルドラインおよび
その延長部の外観にムラが無く、良好な金属外観を有す
る成形品となる。その結果、金属光沢調の成形品とし
て、従来はメタリック塗装を行っていたが、本組成物を
用いることにより塗装工程を省略できることになり、そ
の経済的効果は極めて大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 久男 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 前田 征希 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 宮本 和男 三重県四日市市泊小柳町4番6号 日本カ ラリング株式会社内 (72)発明者 川喜田 満 三重県四日市市泊小柳町4番6号 日本カ ラリング株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂100重量部に対し、平均
    粒子径が1〜500μmの金属光沢を有する多面体粒子
    0.05〜20重量部、および着色剤0〜10重量部を
    含有してなる熱可塑性樹脂組成物。
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