JPH08120045A - ポリウレタン発泡用ポリオール組成物およびポリウレンフォームの製造方法 - Google Patents

ポリウレタン発泡用ポリオール組成物およびポリウレンフォームの製造方法

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JPH08120045A
JPH08120045A JP6256741A JP25674194A JPH08120045A JP H08120045 A JPH08120045 A JP H08120045A JP 6256741 A JP6256741 A JP 6256741A JP 25674194 A JP25674194 A JP 25674194A JP H08120045 A JPH08120045 A JP H08120045A
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Yoshio Kishimoto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 地球温暖化に悪影響を及ぼすパ−フルオロカ
−ボンを用いることなく、気泡が微細で熱伝導率が低い
ポリウレタンフォ−ムを与えるポリオ−ル組成物、およ
びポリウレタンフォ−ムの製造方法を提供する。 【構成】 炭素数3以下の第一級アルコ−ルおよび第二
級アルコ−ルよりなる群から選択される少なくとも1種
と、前記アルコ−ルに溶解する炭酸カリウムなどの塩と
を含むポリウレタン発泡用ポリオ−ル組成物。前記のア
ルコ−ルおよび/または水に塩を溶解させた溶液を、界
面活性剤と共にポリイソシアネ−ト中に分散させてエマ
ルジョンとし、このエマルジョンをポリオ−ル組成物と
混合して発泡成形させてポリウレタンフォ−ムを製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷蔵庫、冷凍室等の断
熱体に用いられるポリウレンフォ−ム製造のためのポリ
オ−ル組成物およびポリウレンフォ−ムの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】気泡内の気体の対流が無視できる程度の
小さい気泡を有する発泡体から構成される断熱体におい
ては、その熱伝導率は、気泡内に存在する気体による熱
伝導と、前記気泡内での熱輻射による熱伝導、および樹
脂部の固体熱伝導の和で表される。従って、発泡に使用
する発泡剤が決まれば、気泡径を小さくして輻射成分を
小さくすることと、密度を下げて樹脂部の固体熱伝導の
寄与を小さくすることが重要である。通常は、発泡核を
導入することによって気泡の微細化が行われる(例え
ば、特開平3−54231号公報)。発泡核としては、
パ−フルオロペンタン等のパ−フルオロカ−ボンが利用
されている。そして、パ−フルオロカ−ボンを乳化剤と
してポリオール組成物をエマルジョンにし、これにさら
にシリカゲル、でんぷん等の核剤を組み合わせることに
よって、気泡微細化に効果をあげている。また、発泡剤
としてHCFC123やHCFC141Bと共に、5.
5%以下のパ−フルオロカ−ボンを添加したエマルジョ
ンを気泡核とすることで気泡を微細化する提案もある
(特開平5−186629号公報)。
【0003】ところが、近年オゾン層破壊あるいは地球
の温暖化等フロンによる環境破壊が社会的問題となり、
硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材の発泡剤である特
定フロン(トリクロロモノフルオロメタンなど)の削減
全廃が大きな課題となっている。また、パ−フルオロペ
ンタン等のパ−フルオロカ−ボンは、特定フロン以上に
大気中での寿命が長く、その寿命は500年以上になる
と推定されており、地球温暖化の観点から、その使用が
制限されようとしている。このような背景の中、オゾン
層破壊あるいは地球の温暖化等の環境破壊の小さいシク
ロペンタンなどの炭化水素を発泡剤とするポリウレタン
フォームの製造も行われるようになった。しかし、これ
らの発泡剤は、フロンに比べて気体の熱伝導率が高いの
で、得られるポリウレンフォ−ムの熱伝導率低下のため
にも、気泡の微細化が必要となっている。また、塩を用
いる製造法として、含水塩の結晶水を用いて二酸化炭素
を発生させることで発泡を行うポリウレタンフォ−ムの
製造方法が提案されている(特開平6−1820、特開
平6−25453号公報)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】低熱伝導率実現のため
に気泡を微細化しようとして、従来のようにパ−フルオ
ロカ−ボンを用いれば、大気中へのパ−フルオロカ−ボ
ンの放出量が増加し、地球温暖化への寄与が大きくなる
という問題があった。また、製造時にポリオ−ル組成物
をエマルジョン化すると、ポリオ−ル組成物の粘度が上
昇する。このため、ポリオ−ル組成物とポリイソシアネ
ートとの混合が不十分となったり、発泡の効率が下がっ
たりするため、得られる発泡体の密度が上昇し、熱伝導
率が効果的に改善されないという問題もあった。本発明
は、パ−フルオロカ−ボンを使用せずに、均一で微細化
された気泡を有し、熱伝導率の低いポリウレタンフォ−
ムを製造するためのポリオ−ル組成物を提供することを
第一の目的としている。また、本発明の第二の目的は、
パ−フルオロカ−ボンを使用せずに、均一で微細化され
た気泡を有し、熱伝導率の低いポリウレタンフォ−ムの
製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の発泡用ポリオ−
ル組成物は、炭素数3以下の第一級アルコ−ルおよび第
二級アルコ−ルよりなる群から選択される少なくとも1
種と、前記アルコ−ルに溶解する塩とを含むものであ
る。前記塩の量は、ポリオ−ル100重量部に対して
0.5重量部以上で、かつ飽和濃度以下の溶液を形成す
る量であることが好ましい。また、前記アルコ−ルがエ
チレングリコ−ルであり、前記塩が炭酸カリウム、塩化
バリウム、ヨウ化カリウム、塩化リチウム、臭化ナトリ
ウムおよび塩化カルシウムよりなる群から選択される少
なくとも1種であることが好ましい。さらに、本発明の
ポリウレタン発泡用ポリオ−ル組成物に含まれる発泡剤
は、フッ素化ヨウ化炭化水素であることが好ましい。
【0006】本発明のポリウレタンフォ−ムの製造方法
は、炭素数3以下の第一級アルコ−ル、炭素数3以下の
第二級アルコ−ルおよび水よりなる群から選択される少
なくとも1種に塩を溶解させた溶液を、界面活性剤と共
にポリイソシアネ−ト中に分散させてポリイソシアネー
トエマルジョンを得る工程、および前記エマルジョンを
ポリオ−ル組成物と混合して発泡成形させる工程を有す
る。
【0007】
【作用】本発明のポリオール組成物は、第一級あるいは
第二級アルコ−ルに塩を溶解させ、その溶液をポリオ−
ルと混合したものである。アルコールに溶解した塩は、
ポリオ−ルと混合すると、一部析出する場合もある。こ
の析出によってポリオ−ル組成物の粘度は、パ−フルオ
ロカ−ボンを用いてエマルジョンを形成させる場合に比
べて低くでき、発泡効率は良好に保たれる。さらに、樹
脂化反応時には、このポリオ−ル組成物中に溶解状態で
残った塩も、ポリイソシアネ−トとの混合により、溶解
していたアルコ−ルがポリイソシアンネ−トと反応する
にともない析出し、すでに析出している塩と共に発泡核
の役割を果たす。このとき発泡剤の発泡が始まる前の初
期段階で、発泡核となる塩の析出が進行していることが
必要である。そのためアルコールには、ポリイソシアネ
−トに対してポリオ−ルと同等以上に高い反応性を有す
る第一級あるいは第二級アルコ−ルが用いられる。ま
た、アルコ−ルの反応にともない、反応初期に溶解塩が
急激に析出することが好ましい。従って、ある程度以上
の濃度が必要であり、塩の量としてポリオ−ル100重
量部に対して0.5部以上から飽和濃度までの量である
ことが好ましい。中でも、塩のアルコ−ル溶液は、飽和
溶液に近い濃度であることが好ましい。
【0008】また、一般的に一価アルコ−ルがポリイソ
シアネ−トと反応すると、鎖長反応が進行せず、得られ
るポリウレタンフォ−ムの強度が低下するため、架橋密
度を保つために多価アルコ−ルが好ましく、粘度の低さ
から二価アルコ−ルのエチレングリコ−ルが最も好まし
い。溶解する塩としては、エチレングリコ−ルへの溶解
度が特に高い、炭酸カリウム、塩化バリウム、ヨウ化カ
リウム、塩化リチウム、臭化ナトリウムおよび塩化カル
シウムが好ましい。さらに、本発明のポリオ−ル組成物
に含有される炭素数3以下のアルコ−ルは、イソシアネ
ートとの反応で発熱し、ポリオ−ルとポリイソシアネ−
トとの反応をも速めて、反応中に気泡がつながる等して
大きくなることを抑える作用もある。特に、エリレング
リコ−ルのような多価アルコ−ルの場合には、反応中の
鎖伸長により粘度も上がるために、気泡径が小さくなる
作用がある。
【0009】ところで、フッ素化ヨウ化炭化水素を発泡
剤として発泡させた場合には、ポリオ−ルとポリイソシ
アネ−トとの反応が遅くなり、他の発泡剤を用いた場合
に比較して気泡径が大きくなる。従って、このような発
泡剤を用いる場合には、特に本発明のアルコ−ルとそれ
に溶解する塩を含有したポリオ−ル組成物を用いること
で、気泡核以外に反応を速める作用も加わり、得られる
ポリウレタンフォ−ムの気泡径を小さくする効果が大き
くなる。また、異なる方法として、本発明では、塩を溶
解させたアルコ−ルあるいは水を、界面活性剤と共にポ
リイソシアネ−トに分散させてエマルジョンを形成し、
このエマルジョンを発泡剤を含有するポリオ−ル組成物
と混合して発泡成型させるポリウレンフォ−ムの製造方
法がある。この方法による利点を以下に挙げる。まず、
ポリイソシアネ−トは、元の粘度がポリオ−ルより低い
ため、これをエマルジョン化して気泡核として利用する
前記の方法を採用する場合、ポリオ−ルをエマルジョン
化する時ほど粘度は変化せず、発泡効率は良好に保たれ
る。さらに重要なことには、エマルジョンが気泡核とし
て働く他、アルコ−ルあるいは水に溶解している塩も気
泡核として働くことである。すなわち、アルコ−ルある
いは水に溶解している塩は、ポリオ−ルとポリイソシア
ネ−トの混合による発熱によってエマルジョンが崩壊し
始めると、アルコールあるいは水とポリイソシアネート
との反応にともない析出が起こり、気泡核として働くこ
とのある。
【0010】
【実施例】次に、本発明を好ましい実施例に基づいてさ
らに詳しく説明する。既に述べたように、本発明のポリ
オ−ル組成物は、炭素数3以下のアルコ−ルと塩を含む
ポリオ−ル組成物であり、これをポリイソシアネ−トと
混合して発泡させることによりポリウレタンフォ−ムが
得られる。この時、ポリオ−ル組成物中のアルコ−ルの
量が多すぎると、得られるポリウレタンフォ−ムの強度
が失われる。従って、特に一価アルコ−ルを用いる場合
は、ポリオ−ル100重量部に対して10重量部以下で
あることが好ましい。エチレングリコ−ルやグリセリン
等を用いる場合も、発熱量が多くなるめ20重量部を越
えると良好なフォ−ムの形成に好ましくない。
【0011】本発明のポリオ−ル組成物に加えられるア
ルコ−ルとしては、一価アルコ−ルとしてメチルアルコ
−ル、エチルアルコ−ル、イソプロピルアルコ−ル、ア
リルアルコ−ル、二価アルコ−ルとしてはエチレングリ
コ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、三価アルコ−ルと
してはグリセリン等がある。また、本発明に用いられる
塩としては、前記のアルコ−ルに5〜10重量%程度以
上溶解するものであれば有機塩、無機塩にかかわらず好
適に用いることができる。例えば、メチルアルコ−ルに
対しては、ヨウ化カルシウム、ヨウ化ナトリウム、塩化
リチウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム、臭化スト
ロンチウウム、臭化バリウム、臭化カルシウム、臭化ナ
トリウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、塩化
銅、ヨウ化マグネシウム、臭化ニッケル、安息香酸カリ
ウム、安息香酸リチウム、安息香酸亜鉛、安息香酸アン
モニウム、オレイン酸アンモニウム、酢酸リチウム、酢
酸カリウム、プロピオン酸カリウム、酪酸カリウム、酪
酸ナトリウム等の塩があり、エチルアルコ−ルに対して
は、塩化カリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウ
ム、チオシアン酸ナトリウム、臭化ストロンチウム、臭
化ナトリウム、ヨウ化バリウム、臭化カルシウム、硝酸
カルシウム、塩化銅、塩化第二鉄、臭化リチウム、ヨウ
化マグネシウム、臭化アンモニウム等の塩がある。プロ
ピルアルコ−ルに対しては、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナ
トリウム、臭化カルシウム、塩化銅、イソピルアルコ−
ルに対しては、塩化銅等が用いられる。ただし、発泡核
としての効果は、塩の量が少なくなると小さくなるた
め、ポリオ−ル100重量部に対して0.5重量部以上
であることが好ましい。
【0012】既に述べたように、本発明のポリオ−ル組
成物は、特にフッ素化ヨウ化炭化水素を発泡剤として発
泡させた場合に、気泡径を小さくするのに有効である。
フッ素化ヨウ化炭化水素としては、ヘプタフルオロ−1
−アイオドプロパン(沸点39℃)、ヘプタフルオロ−
2−アイオドプロパン(沸点39℃)、ノナフルオロ−
1−アイオドブタン(沸点66−68℃)等がある。
【0013】本発明ではまた、ポリイソシアネ−トに塩
を溶解したアルコ−ルを加えてエマルジョンとし、これ
を用いてポリウレタンを形成することにより気泡を微細
化することができる。このとき用いられるアルコ−ルと
塩は、上記のポリオ−ル組成物の場合と同じものを使用
することができる。また、水に溶解する塩としては、多
くの無機塩の他、有機塩も使用可能である。例えば、安
息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウ
ム、蟻酸ナトリウム、蟻酸カリウム、蟻酸バリウム、蟻
酸カルシウム、蟻酸マグネシウム、蟻酸亜鉛、サリチル
酸カリウム、サリチル酸ナトリウム、しゅう酸カリウ
ム、ニコチン酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、ベン
ゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸銅、吉
草酸バリウム、イソ吉草酸カルシウム、塩化テトラエチ
ルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ
化テトラエチルアンモニウム、エチル酢酸バリウム、酢
酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、マレイン
酸ナトリウム、酢酸バリウム、酢酸カルシウム等があ
る。炭素数3以下のアルコ−ル及び水は、少なすぎると
形成されるエマルジョンが効果的に気泡核の役割を果た
さないため、用いるポリオ−ル100重量部に対して
0.5重量部以上であることが好ましい。イソシアネ−
トのエマルジョン化の際に加える界面活性剤としては、
通常整泡剤として用いられているものを用いることが可
能である。このような界面活性剤を添加することで、イ
ソシアネ−トと炭素数3以下のアルコ−ルあるいは水と
の反応は遅れ、エマルジョンは10分から1時間程度以
上安定に存在し、特に水の場合は1〜2時間は安定に存
在する。エマルジョンとポリオ−ル組成物との混合には
時間的な余裕をとるために、混合の直前に塩を溶解させ
た水あるいはアルコ−ルをポリイソシアネ−トに加えて
エマルジョンとする方法もある。また、エマルジョンが
一部崩れてポリイソシアネ−トがアルコ−ルあるいは水
と反応しても、アルコ−ル及び水の部数が少なく抑えら
れていれば、大半のポリイソシアネ−トは残っており、
塩は発泡核として働くため気泡微細化の効果が現れる。
そのためには、塩を溶解するアルコ−ルの量をポリオ−
ル100重量部に対して20重量部以下、水の場合2重
量部以下にすることが好ましい。
【0014】また、上記の2つの方法、すなわち、
(1)塩と炭素数3以下のアルコ−ルを含んだポリオ−
ル組成物を用いてポリウレタンを製造する場合、および
(2)ポリイシアネ−トを含むエマルジョンを用いてポ
リウレタンを製造する場合、の両方において、用いる発
泡剤としては、水、シクロペンタン、シクロヘキサン等
の炭化水素、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラ
ン等のエ−テル、アセトン等のケトンの他、フルオロベ
ンゼン、フラン等の芳香族化合物等およびこれらを混合
したものも用いることができる。また、上記のポリオー
ル、ポリイソシアネートとしては、一般の硬質ウレタン
発泡に用いられる材料を用いることができる。ポリオ−
ルについては、従来使われているポリエ−テル系ポリオ
−ル、ポリエステル系ポリオ−ルの他、硬度を得るため
あるいは反応性を制御するために、多価アルコ−ルから
合成される水酸基を多く分子内に有するポリオ−ルが適
している。
【0015】本発明に用いられるポリイソシアネート
は、ジフェニルメタンジイソシアネート系、トリレンジ
イソシアネート系、キシリレンジイソシアネート系、メ
タキシリレンジイソシアネート系、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート系、リジンジイソシアネート系、イソホロ
ンジイソシアネート系、トリメチルヘキサメチレンジイ
ソシアネート系、ダイマー酸ジイソシアネート系等が適
しており、これらに難燃性を付与したポリイソシアネー
トが最も適している。本発明において用いられる触媒
は、ゲル化触媒、泡化触媒、遅延触媒等ウレタン原料の
反応性によって最も効果的な触媒を選ぶ必要がある。一
般に用いられる触媒は、第三級アミン、有機金属化合物
である。アミン系触媒には、モノアミン類、ジアミン
類、トリアミン類、環状アミン類、アルコールアミン
類、エーテルアミン類などがある。有機金属化合物触媒
では、有機すず化合物が最もよく用いられる。本発明に
おいては、一般的処方用の触媒が利用される。しかし、
沸点によっては使い分けたり各種の触媒を混合したりす
ることが必要である。
【0016】以下の具体的実施例では、触媒Aとして花
王(株)製カオライザーNo.1、触媒Bとして花王
(株)製カオライザーNo.300、整泡剤Aとして武
田薬品(株)製TY−19、ポリオ−ルAとして芳香族
アミン系ポリエーテルポリオールで水酸基価500mg
KOH/gのもの、ポリイソシアネ−トAとしてアミン
等量170のポリイソシアネ−トを用いた。もちろん本
発明は、これらのポリオ−ル、イソシアネ−ト、触媒、
整泡剤に限られるわけではない。
【0017】[実施例1]炭素数3以下のアルコ−ルと
してエチレングリコ−ル、これに溶解する塩として炭酸
カリウム、また発泡剤としてはシクロペンタンを含んだ
ポリオ−ル組成物をそれぞれ用いてポリウレタンフォ−
ムを作製した。用いた原料の重量比は以下のとおりであ
る。ポリオ−ルA/整泡剤A/触媒B/水/シクロペン
タン/エチレングリコ−ル/炭酸カリウム/ポリイソシ
アネ−ト=100/3/2/1/17/5/1/13
5。まず、炭酸カリウムをエチレングリコ−ルに溶解さ
せた後、これをシクロペンタン、触媒B、整泡剤A、お
よび水とともにポリオ−ルと混合してポリオ−ル組成物
を得た。次に、この組成物とポリイソシアネ−トを混合
したものを金属容器中に注入して発泡成形した。
【0018】得られたポリウレタンフォ−ムの気泡径は
260μmであった。なお、エチレングリコ−ルと炭酸
カリウムをポリオ−ル組成物に加えなかった時の気泡径
は360μmであった。熱伝導率は、エチレングリコ−
ルと炭酸カリウムをポリオ−ル組成物に加えなかった時
を100とした相対値で表すと94であった。また、同
じ量のエチレングリコ−ルに過剰の炭酸カリウムを加
え、不溶物を濾過して飽和溶液を得た。この飽和溶液を
用いたポリオ−ル組成物によって得られたポリウレタン
フォ−ムについては、気泡径240μm、熱伝導率は相
対値で92であった。同様にして、同じ量のエチレング
リコ−ルに溶解する炭酸カリウムの量比を0.5(ポリ
オールA100に対する値、以下同じ)としたとき、得
られたポリウレタンフォ−ムは、気泡径310μm、熱
伝導率は相対値で97であった。これらの結果を表1に
まとめた。表中のエチレングリコ−ル/炭酸カリウムの
量比は、ポリオールA100に対する値で示す。熱伝導
率は、エチレングリコ−ルと炭酸カリウムを用いなかっ
た場合の値を100とした相対値で表してある。また、
表1のエチレングリコール/炭酸カリウム=5/飽和の
場合に、エチレングリコ−ルの量比を15にして、ポリ
ウレタンフォ−ムを作製した場合も、ほぼ同じ気泡径と
熱伝導率が実現され、樹脂強度の低下による収縮も観測
されなかった。
【0019】
【表1】
【0020】[実施例2]炭素数3以下のアルコ−ルと
してメチルアルコ−ル、これに溶解する塩として安息香
酸リチウム、発泡剤としてシクロペンタンとアセトンを
それぞれ含んだポリオ−ル組成物を用いてポリウレタン
フォ−ムを作製した。用いた原料の重量比は以下のとお
りである。ポリオ−ルA/整泡剤A/触媒A/シクロペ
ンタン/アセトン/メチルアルコ−ル/安息香酸リチウ
ム/ポリイソシアネ−ト=100/3/2/10/8/
5/1/130。上に示した量の安息香酸リチウムをメ
チルアルコ−ルに溶解させた後、これをシクロペンタ
ン、アセトン、触媒A、整泡剤Aおよび水とともにポリ
オールと混合してポリオール組成物を得た。次に、この
組成物とポリイソシアネートを混合したものを金属容器
中に注入して発泡成形した。得られたポリウレタンフォ
−ムの気泡径は300μmであった。熱伝導率は、メチ
ルアルコ−ルと安息香酸リチウムをポリオ−ル組成物に
加えなかった時を100とした相対値で表すと96であ
った。なお、メチルアルコ−ルと安息香酸リチウムをポ
リオ−ル組成物に加えなかった時の気泡径は410μm
であった。また、メチルアルコ−ルの量比を15とした
ときには、得られたポリウレタンフォ−ムの強度が充分
ではなく、収縮が観測された。
【0021】[実施例3]炭素数3以下のアルコ−ルと
してエチレングリコ−ル、これに溶解する塩として炭酸
カリウム、発泡剤としてヘプタフルオロ−2−アイオド
プロパンをそれぞれ含んだポリオ−ル組成物を用いてポ
リウレタンフォ−ムを作製した。用いた原料の重量比は
以下のとおりである。ポリオ−ルA/整泡剤A/触媒A
/ヘプタフルオロ−2−アイオドプロパン/エチレング
リコ−ル/炭酸カリウム/ポリイソシアネ−ト=100
/3/3/80/5/1.5/130。上に示した量の
炭酸カリウムをエチレングリコ−ルに溶解させた後、こ
れをヘプタフルオロ−2−アイオドプロパン、触媒A、
および整泡剤Aとともにポリオ−ルと混合してポリオ−
ル組成物を得た。次に、この組成物とポリイソシアネ−
トを混合したものを金属容器中に注入して発泡成形して
ポリウレタンフォ−ムを作製した。得られたポリウレタ
ンフォ−ムの気泡径は270μmであった。熱伝導率
は、炭酸カリウムとエチレングリコ−ルをポリオ−ル組
成物に加えなかった時を100とした相対値で表すと9
1であった。なお、炭酸カリウムとエチレングリコ−ル
をポリオ−ル組成物に加えなかった時の気泡径は520
μmであった。
【0022】[実施例4]炭素数3以下のアルコ−ルと
してエチレングリコ−ル、これに溶解する塩として塩化
バリウムを用いて、ポリイソシアネ−トをエマルジョン
化してポリウレタンフォ−ムを作製した。発泡剤はシク
ロペンタンを用いた。用いた原料の重量比は以下のとお
りである。ポリオ−ルA/整泡剤A/触媒A/シクロペ
ンタン/エチレングリコ−ル/塩化バリウム/ポリイソ
シアネ−ト=100/5/2/17/5/1.7/13
0。まず、上に示した量の塩化バリウムをエリレングリ
コ−ルに溶解させたものを、量比3の整泡剤Aとともに
ポリイソシアネ−トと混合してエマルジョンを形成し
た。続いて、このエマルジョンを、ポリオ−ルA、量比
2の整泡剤A、触媒Aおよびシクロペンタンからなるポ
リオ−ル組成物と混合し、金属製容器内に注入して発泡
成形することによりポリウレタンフォ−ムを得た。得ら
れたポリウレタンフォ−ムの気泡径は270μmであっ
た。熱伝導率は、エチレングリコ−ルと塩化バリウムを
用いてポリイソシアネ−トをエマルジョン化しなかった
従来の値を100とした相対値で表すと94であった。
なお、エチレングリコ−ルと塩化バリウムを用いてポリ
イソシアネ−トをエマルジョン化しなかった従来のポリ
ウレタンフォ−ムの気泡径は390μmであった。ま
た、ポリイソシアネ−トをエマルジョンにしたにもかか
わらず、発泡効率は良好で、得られたフォ−ムの密度も
0.036g/cm3と低く、エチレングリコ−ルと塩化
バリウムを用いなかった時の0.035g/cm3とほ
ぼ同じであった。これはエマルジョンの粘度がそれほど
高くならなかったためと考えられる。
【0023】[実施例5]水、およびこれに溶解する塩
として酢酸亜鉛を用いて、ポリイソシアネ−トをエマル
ジョン化してポリウレタンフォ−ムを作製した。発泡剤
はフランを用いた。用いた原料の重量比は以下のとおり
である。ポリオ−ルA/整泡剤A/触媒B/フラン/水
/酢酸亜鉛/ポリイソシアネ−ト=100/5/2/1
1/2/0.8/140。まず、上に示した量の酢酸亜
鉛を水に溶解させたものを、量比3の整泡剤Aとともに
ポリイソシアネ−トと混合してエマルジョンを形成し
た。続いて、このエマルジョンを、ポリオ−ルA、量比
2の整泡剤A、触媒Bおよびフランからなるポリオ−ル
組成物と混合して、金属製容器内に注入して発泡成形す
ることによりポリウレタンフォ−ムを得た。
【0024】得られたポリウレタンフォ−ムの気泡径は
230μmであった。熱伝導率は、水と酢酸亜鉛をポリ
イソシアネ−トに加えてエマルジョン化することなく、
ポリオ−ルA、整泡剤A、触媒Bおよびフランからなる
ポリオ−ル組成物にポリイソシアネ−トを混合して得ら
れる従来のフォ−ムの熱伝導率を100とした時の相対
値で表すと95であった。また、ポリオ−ルA、整泡剤
A、触媒Bおよびフランからなるポリオ−ル組成物に、
エマルジョン化されないポリイソシアネ−トを混合して
得られる従来のフォ−ムの気泡径は400μmであっ
た。また、ポリイソシアネ−トをエマルジョンにしたに
もかかわらず、発泡効率は良好で、得られたフォ−ムの
密度も0.034g/cm3と低かった。これはエマル
ジョンの粘度がそれほど高くならなかったためと考えら
れる。上記の実施例では、炭素数3以下のアルコ−ル及
びそれに溶解する塩は、各実施例では、1種ずつを用い
たが、もちろんアルコ−ルの混合、複数塩の使用も可能
である。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明のポリオ−ル組成物
は、気泡径を微細化し、熱伝導率の低いウレタンフォ−
ムを与える。また、本発明の製造方法によると、発泡効
率を良好に保ちつつウレタンフォ−ムの気泡径を微細化
し、熱伝導率の低いウレタンフォ−ムが得られる。本発
明は、地球温暖化に寄与の大きいパ−フルオロカ−ボン
を用いることなく、気泡が小さく熱伝導率の低い優れた
ポリウレタンフォ−ムの提供を可能にするものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16L 59/06 F25D 23/06 //(C08G 18/32 101:00) C08L 75:04 (72)発明者 鈴木 正明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 岸本 良雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数3以下の第一級アルコ−ルおよび
    第二級アルコ−ルよりなる群から選択される少なくとも
    1種と、前記アルコ−ルに溶解する塩とを含むことを特
    徴とするポリウレタン発泡用ポリオ−ル組成物。
  2. 【請求項2】 前記塩の量が、ポリオ−ル100重量部
    に対して0.5重量部以上で、かつ飽和濃度以下の溶液
    を形成する量である請求項1に記載のポリウレタン発泡
    用ポリオ−ル組成物。
  3. 【請求項3】 アルコ−ルがエチレングリコ−ルであ
    り、前記塩が炭酸カリウム、塩化バリウム、ヨウ化カリ
    ウム、塩化リチウム、臭化ナトリウムおよび塩化カルシ
    ウムよりなる群から選択される少なくとも1種である請
    求項1に記載のポリウレタン発泡用ポリオ−ル組成物。
  4. 【請求項4】 発泡剤としてフッ素化ヨウ化炭化水素を
    含んでなる請求項1、2または3に記載のポリウレタン
    発泡用ポリオ−ル組成物。
  5. 【請求項5】 炭素数3以下の第一級アルコ−ル、炭素
    数3以下の第二級アルコ−ルおよび水よりなる群から選
    択される少なくとも1種に塩を溶解させた溶液を、界面
    活性剤と共にポリイソシアネ−ト中に分散させてポリイ
    ソシアネートエマルジョンを得る工程、および前記エマ
    ルジョンをポリオ−ル組成物と混合して発泡成形させる
    工程を有することを特徴とするポリウレタンフォ−ムの
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022133252A (ja) * 2021-03-01 2022-09-13 ベイビーフォーム・ユーケイ・リミテッド 生分解性のある植物育成用フォーム及びそれを形成するための組成物
WO2022215440A1 (ja) * 2021-04-05 2022-10-13 積水化学工業株式会社 ポリオール組成物、ポリウレタン樹脂組成物、及びポリウレタンフォーム

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JP2022133252A (ja) * 2021-03-01 2022-09-13 ベイビーフォーム・ユーケイ・リミテッド 生分解性のある植物育成用フォーム及びそれを形成するための組成物
WO2022215440A1 (ja) * 2021-04-05 2022-10-13 積水化学工業株式会社 ポリオール組成物、ポリウレタン樹脂組成物、及びポリウレタンフォーム

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