JPH08120020A - 末端修飾ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

末端修飾ポリオレフィンの製造方法

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JPH08120020A
JPH08120020A JP25387394A JP25387394A JPH08120020A JP H08120020 A JPH08120020 A JP H08120020A JP 25387394 A JP25387394 A JP 25387394A JP 25387394 A JP25387394 A JP 25387394A JP H08120020 A JPH08120020 A JP H08120020A
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compound
magnesium
catalyst component
titanium
modified polyolefin
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JP25387394A
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English (en)
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Shinichi Kojo
城 真 一 古
Mamoru Kioka
岡 護 木
Masaaki Ito
藤 雅 章 伊
Akira Mizuno
野 章 水
Norio Kashiwa
典 夫 柏
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体状
チタン触媒成分(a)と、有機アルミニウム化合物触媒
成分(b)とから形成されるオレフィン重合用触媒、ま
たは触媒成分(a)と触媒成分(b)と有機ケイ素化合
物(c)とから形成されるオレフィン重合用触媒の存在
下にオレフィンを重合させて、下記式で表されるポリオ
レフィンを製造する末端修飾ポリオレフィンの製造方
法; P−AlR1 2 (式中、Pはオレフィンを単独重合または共重合させて
なるポリマー鎖であり、R1 およびR2 は炭素原子数が
1〜10の炭化水素基などである) 【効果】 末端修飾ポリオレフィンを工業的に有利な方
法で製造する方法を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、末端修飾ポリオレフィン
の製造方法に関するものである。
【0002】
【発明の技術的背景】末端修飾ポリオレフィンは、たと
えば末端に官能基を有するポリオレフィンの中間体とし
て有用である。そして末端に官能基を有するポリオレフ
ィンは、たとえばポリマーブレンドの相溶化剤、ポリオ
レフィンの塗装性改良や接着性の改良、分子設計の際の
原料として有用である。
【0003】このような末端修飾ポリオレフィンを製造
する方法としては、たとえば特開平2−218705号
公報には、チーグラーナッタ触媒を用いて、−ZnR
R’を有する連鎖停止剤の存在下、水素の不存在下、比
較的低温で、かつ大気圧以下でオレフィンを重合してP
−ZnRR’で表される末端修飾ポリオレフィンを製造
する方法が開示されている(但し、Pはポリマー鎖であ
り、RおよびR’は炭化水素基である)。しかしなが
ら、重合は15〜25℃程度の低温で行わなければなら
ず、生産性が悪く工業的な量産を考えるとコスト高とな
ることが予想された。
【0004】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、末端修飾ポリオレフィンを工
業的に有利な方法で製造する製造方法を提供することを
目的としている。
【0005】
【発明の概要】本発明に係る末端修飾ポリオレフィンの
製造方法は、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固
体状チタン触媒成分(a)と、有機アルミニウム化合物
触媒成分(b)とから形成されるオレフィン重合用触
媒、または固体状チタン触媒成分(a)と有機アルミニ
ウム化合物触媒成分(b)と有機ケイ素化合物(c)と
から形成されるオレフィン重合用触媒の存在下にオレフ
ィンを重合させて、下記式(I)で表されるポリオレフ
ィンを製造することを特徴としている。
【0006】P−AlR1 2 … (I) (式中、PはCH2 =CHR3 (R3 は炭素原子数が1
〜10の炭化水素基、水素原子またはハロゲン原子から
選ばれる基または原子)で示されるオレフィンを単独重
合または共重合させてなるポリマー鎖であり、R1 およ
びR2 はそれぞれ独立して炭素原子数が1〜10の炭化
水素基、水素原子またはハロゲン原子から選ばれる基ま
たは原子である) 本発明では、前記式(I)中のPが、20個以上、好ま
しくは50〜10000個のオレフィンを単独重合また
は共重合させて得られるポリマー鎖であることが望まし
い。また、70℃以上の重合温度でオレフィンを重合さ
せることが望ましく、重合系に水素を添加しないことが
好ましい。
【0007】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る末端修飾ポリ
オレフィンの製造方法について具体的に説明する。
【0008】本発明に係る末端修飾ポリオレフィンの製
造方法は、固体状チタン触媒成分(a)と有機アルミニ
ウム化合物触媒成分(b)とから形成されるオレフィン
重合用触媒、または固体状チタン触媒成分(a)と有機
アルミニウム化合物触媒成分(b)と有機ケイ素化合物
(c)とから形成されるオレフィン重合用触媒の存在下
にオレフィンを重合している。
【0009】まず、本発明で用いられるオレフィン重合
用触媒について説明する。本発明で用いられるオレフィ
ン重合用触媒を形成する固体状チタン触媒成分(a)
は、下記のようなマグネシウム化合物、チタン化合物お
よび電子供与体を接触させることにより調製することが
できる。
【0010】固体状チタン触媒成分(a)の調製に用い
られるチタン化合物として具体的には、たとえば、次式
で示される4価のチタン化合物を挙げることができる。 Ti(OR)g4-g (式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であ
り、gは0≦g≦4である) このようなチタン化合物として、具体的には、TiCl
4、TiBr4、TiI4 などのテトラハロゲン化チタ
ン;Ti(OCH3)Cl3、Ti(OC25)Cl3
Ti(On-C49)Cl3、Ti(OC25)Br3、T
i(Oiso-C49)Br3などのトリハロゲン化アルコ
キシチタン;Ti(OCH32Cl2、Ti(OC
252Cl2、Ti(On-C492Cl 2、Ti(OC
252Br2などのジハロゲン化アルコキシチタン;T
i(OCH33Cl、Ti(OC253Cl、Ti
(On-C493Cl、Ti(OC253Br などの
モノハロゲン化アルコキシチタン;Ti(OCH34
Ti(OC254、Ti(On-C494、Ti(Ois
o-C494、Ti(O-2-エチルヘキシル)4 などのテ
トラアルコキシチタンなどを挙げることができる。これ
らの中ではハロゲン含有チタン化合物が好ましく、さら
にテトラハロゲン化チタンが好ましく、特に四塩化チタ
ンが好ましい。これらチタン化合物は単独で用いてもよ
いし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。さらに
これらのチタン化合物は、炭化水素化合物あるいはハロ
ゲン化炭化水素化合物などに希釈されていてもよい。
【0011】固体状チタン触媒成分(a)の調製に用い
られるマグネシウム化合物としては、還元性を有するマ
グネシウム化合物および還元性を有しないマグネシウム
化合物を挙げることができる。
【0012】ここで還元性を有するマグネシウム化合物
としては、たとえばマグネシウム−炭素結合あるいはマ
グネシウム−水素結合を有するマグネシウム化合物を挙
げることができる。このような還元性を有するマグネシ
ウム化合物の具体的な例としては、ジメチルマグネシウ
ム、ジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、
ジブチルマグネシウム、ジアミルマグネシウム、ジヘキ
シルマグネシウム、ジデシルマグネシウム、エチル塩化
マグネシウム、プロピル塩化マグネシウム、ブチル塩化
マグネシウム、ヘキシル塩化マグネシウム、アミル塩化
マグネシウム、ブチルエトキシマグネシウム、エチルブ
チルマグネシウム、ブチルマグネシウムハイドライドな
どを挙げることができる。これらマグネシウム化合物
は、単独で用いることもできるし、後述する有機アルミ
ニウム化合物と錯化合物を形成していてもよい。また、
これらマグネシウム化合物は、液体であってもよく、固
体であってもよいし、金属マグネシウムと対応する化合
物とを反応させることで誘導してもよい。さらに触媒調
製中に上記の方法を用いて金属マグネシウムから誘導す
ることもできる。
【0013】還元性を有しないマグネシウム化合物の具
体的な例としては、塩化マグネシウム、臭化マグネシウ
ム、ヨウ化マグネシウム、フッ化マグネシウムのような
ハロゲン化マグネシウム;メトキシ塩化マグネシウム、
エトキシ塩化マグネシウム、イソプロポキシ塩化マグネ
シウム、ブトキシ塩化マグネシウム、オクトキシ塩化マ
グネシウムのようなアルコキシマグネシウムハライド;
フェノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノキシ塩化マ
グネシウムのようなアリロキシマグネシウムハライド;
エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、
ブトキシマグネシウム、n-オクトキシマグネシウム、2-
エチルヘキソキシマグネシウムのようなアルコキシマグ
ネシウム;フェノキシマグネシウム、ジメチルフェノキ
シマグネシウムのようなアリロキシマグネシウム;ラウ
リン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムのよう
なマグネシウムのカルボン酸塩などを例示することがで
きる。
【0014】これら還元性を有しないマグネシウム化合
物は、上述した還元性を有するマグネシウム化合物から
誘導した化合物あるいは触媒成分の調製時に誘導した化
合物であってもよい。還元性を有しないマグネシウム化
合物を、還元性を有するマグネシウム化合物から誘導す
るには、たとえば、還元性を有するマグネシウム化合物
を、ハロゲン、ポリシロキサン化合物、ハロゲン含有有
機ケイ素化合物、ハロゲン含有アルミニウム化合物、ア
ルコール、エステル、ケトン、アルデヒドなどの活性な
炭素−酸素結合を有する化合物と接触させればよい。
【0015】なお、本発明において、マグネシウム化合
物は上記の還元性を有するマグネシウム化合物および還
元性を有しないマグネシウム化合物の外に、上記のマグ
ネシウム化合物と他の金属との錯化合物、複化合物ある
いは他の金属化合物との混合物であってもよい。さら
に、上記の化合物を2種以上組み合わせて用いてもよ
い。
【0016】固体状チタン触媒成分(a)の調製に用い
られるマグネシウム化合物としては、上述した以外にも
多くのマグネシウム化合物が使用できるが、最終的に得
られる固体状チタン触媒成分(a)中において、ハロゲ
ン含有マグネシウム化合物の形をとることが好ましく、
従ってハロゲンを含まないマグネシウム化合物を用いる
場合には、調製の途中でハロゲン含有化合物と接触反応
させることが好ましい。
【0017】上述したマグネシウム化合物の中では、還
元性を有しないマグネシウム化合物が好ましく、ハロゲ
ン含有マグネシウム化合物がさらに好ましく、塩化マグ
ネシウム、アルコキシ塩化マグネシウム、アリロキシ塩
化マグネシウムが特に好ましい。
【0018】本発明で用いられる固体状チタン触媒成分
(a)は、上記のようなマグネシウム化合物と、前述し
たようなチタン化合物および必要に応じて電子供与体
(i)を接触させることにより形成される。
【0019】固体状チタン触媒成分(a)の調製の際に
用いられる電子供与体(i)としては、アルコール類、
エステル類、エーテル類、フェノール類、ケトン類、ア
ルデヒド類、カルボン酸類、有機酸ハライド類、酸アミ
ド類、酸無水物類、アルコキシシラン類などの含酸素電
子供与体;アンモニア類、アミン類、ニトリル類、ピリ
ジン類、イソシアネート類などの含窒素電子供与体が挙
げられる。
【0020】具体的には、アルコール類としては、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、トリクロロメタノ
ール、トリクロロエタノール、トリクロロヘキサノール
などが挙げられる。
【0021】エステル類としては、ギ酸メチル、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オ
クチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪
酸メチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル
酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、
シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安
息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安
息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フ
ェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイ
ル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチ
ル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香
酸エチル、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、
クマリン、フタリド、炭酸エチルなどの炭素原子数が2
〜18の有機酸エステル;チタン酸エステル、バナジン
酸エステル、ニオブ酸エステルおよびジルコニウム酸エ
ステルなどの金属酸エステル;オルトチタン酸メチル、
オルトチタン酸エチル、オルトチタン酸n-プロピル、オ
ルトチタン酸i-プロピル、オルトチタン酸n-ブチル、オ
ルトチタン酸i-ブチル、オルトチタン酸n-アミル、オル
トチタン酸2-エチルヘキシル、オルトチタン酸n-オクチ
ル、オルトチタン酸フェニルおよびオルトチタン酸シク
ロヘキシルなどのオルトチタン酸エステル;ポリチタン
酸メチル、ポリチタン酸エチル、ポリチタン酸n-プロピ
ル、ポリチタン酸i-プロピル、ポリチタン酸n-ブチル、
ポリチタン酸i-ブチル、ポリチタン酸n-アミル、ポリチ
タン酸2-エチルヘキシル、ポリチタン酸n-オクチル、ポ
リチタン酸フェニルおよびポリチタン酸シクヘキシルな
どのポリチタン酸エステル;チタン酸エステルのチタン
をバナジウム、ニオブまたはジルコニウムに置換えたバ
ナジン酸エステル、ニオブ酸エステルおよびジルコニウ
ム酸エステルなどが挙げられる。
【0022】さらにエステル類として、下記式で表され
る骨格を有する多価カルボン酸エステルを挙げることが
できる。
【0023】
【化1】
【0024】(式中、Ra は置換または非置換の炭化水
素基、Rb、Re、Rf は水素原子または置換または非置
換の炭化水素基、Rc、Rd は、水素原子あるいは置換
または非置換の炭化水素基を示し、好ましくはその少な
くとも一方は置換または非置換の炭化水素基である。ま
た、Rc とRd とは互いに連結されて環状構造を形成し
ていてもよい。炭化水素基Ra 〜Rf が置換されている
場合の置換基は、N、O、Sなどの異原子を含み、たと
えば、C−O−C、COOR、COOH、OH、SO3
H、−C−N−C−、NH2 などの基を有する。) このような、多価カルボン酸エステルとしては、具体的
には、脂肪族ポリカルボン酸エステル、脂環族ポリカル
ボン酸エステル、芳香族ポリカルボン酸エステル、異節
環ポリカルボン酸エステルなどが挙げられる。
【0025】好ましい具体例としては、マレイン酸n-ブ
チル、メチルマロン酸ジイソブチル、シクロヘキセンカ
ルボン酸ジn-ヘキシル、ナジック酸ジエチル、テトラヒ
ドロフタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジエチル、フタ
ル酸ジイソブチル、フタル酸ジn-ブチル、フタル酸ジ2-
エチルヘキシル、3,4-フランジカルボン酸ジブチルなど
が挙げられる。
【0026】エーテル類としては、メチルエーテル、エ
チルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテ
ル、アミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソー
ル、ジフェニルエーテルなどの炭素原子数が2〜20の
エーテルが挙げられる。
【0027】さらにエーテル類としてとしては、下記式
で示されるポリエーテル化合物を挙げることができる。
【0028】
【化2】
【0029】(式中、nは2≦n≦10の整数であり、
1 〜R26は炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒素、イオ
ウ、リン、ホウ素およびケイ素から選択される少なくと
も1種の元素を有する置換基であり、任意のR1
26、好ましくはR1 〜R20は共同してベンゼン環以外
の環を形成していてもよく、また主鎖中には炭素以外の
原子が含まれていてもよい。) このようなポリエーテル化合物の中では、1,3-ジエーテ
ル類が好ましく、特に2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキ
シプロパン、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメ
トキシプロパン、2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキ
シプロパン、2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)1,3-ジ
メトキシプロパン、2-イソプロピル-2-シクロヘキシル-
1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-s-ブチル-
1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジフェニル-1,3-ジメト
キシプロパン、2-イソプロピル-2-シクロペンチル-1,3-
ジメトキシプロパンが好ましい。
【0030】フェノール類としては、フエノール、クレ
ゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフ
ェノール、ノニルフェノール、クミルフェノール、ナフ
トールなどの低級アルキル基を有してもよい炭素原子数
が6〜20のフェノールが挙げられる。
【0031】ケトン類としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、
ベンゾフェノン、ベンゾキノンなどの炭素原子数が3〜
15のケトンが挙げられる。
【0032】アルデヒド類としては、アセトアルデヒ
ド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベン
ズアルデヒド、トリアルデヒド、ナフトアルデヒドなど
の炭素原子数が2〜15のアルデヒドが挙げられる。
【0033】有機酸ハライド類としては、アセチルクロ
リド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニ
ス酸クロリドなどの炭素原子数が2〜15の酸ハライド
が挙げられる。
【0034】酸アミド類としては、酢酸N,N-ジメチルア
ミド、安息香酸N,N-ジエチルアミド、トルイル酸N,N-ジ
メチルアミドなどの酸アミドが挙げられる。酸無水物類
としては、無水酢酸、無水フタル酸、無水安息香酸など
を挙げることができる。
【0035】アミン類としては、トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、トリブチルアミン、トリベンジルアミ
ン、テトラメチルエチレンジアミンなどを挙げることが
できる。
【0036】ピリジン類としては、ピリジン、メチルピ
リジン、エチルピリジン、ジメチルピリジンなどを挙げ
ることができる。これらの電子供与体(i)は2種以上
併用することもできる。
【0037】また上記のようなチタン化合物、マグネシ
ウム化合物および必要に応じて電子供与体を接触させる
際に、下記のような粒子状担体を用い、担体担持型の固
体状チタン触媒成分(a)を調製することもできる。
【0038】このような担体としては、Al23、Si
2、B23、MgO、CaO、TiO2、ZnO、Zn
2O、SnO2、BaO、ThOおよびスチレン−ジビニ
ルベンゼン共重合体などの樹脂などを挙げることができ
る。これら担体の中でも、好ましくはSiO、Al
23、MgO、ZnO、Zn2Oなどを挙げることがで
きる。
【0039】なお上記の成分は、たとえばケイ素、リ
ン、アルミニウムなどの他の反応試剤の存在下に接触さ
せてもよい。固体状チタン触媒成分(a)は、上記した
ようなチタン化合物、マグネシウム化合物および必要に
応じて電子供与体(i)を接触させることにより製造す
ることができ、公知の方法を含むあらゆる方法により製
造することができる。
【0040】これら固体状チタン触媒成分(a)の具体
的な製造方法を数例挙げて以下に簡単に述べる。 (1) マグネシウム化合物、電子供与体および炭化水素溶
媒からなる溶液を、有機アルミニウム化合物と接触反応
させて固体を析出させた後、または析出させながらチタ
ン化合物と接触反応させる方法。
【0041】(2) マグネシウム化合物と電子供与体から
なる錯体を有機アルミニウム化合物と接触、反応させた
後、チタン化合物を接触反応させる方法。 (3) 無機担体と有機マグネシウム化合物との接触物に、
チタン化合物および好ましくは電子供与体を接触反応さ
せる方法。この際、あらかじめ該接触物をハロゲン含有
化合物および/または有機アルミニウム化合物と接触反
応させてもよい。
【0042】(4) マグネシウム化合物、電子供与体、場
合によっては更に炭化水素溶媒を含む溶液と無機または
有機担体との混合物から、マグネシウム化合物の担持さ
れた無機または有機担体を得、次いでチタン化合物を接
触させる方法。
【0043】(5) マグネシウム化合物、チタン化合物、
電子供与体、場合によっては更に炭化水素溶媒を含む溶
液と無機または有機担体との接触により、マグネシウ
ム、チタンの担持された固体状チタン触媒成分を得る方
法。
【0044】(6) 液状状態の有機マグネシウム化合物を
ハロゲン含有チタン化合物と接触反応させる方法。 (7) 液状状態の有機マグネシウム化合物をハロゲン含有
化合物と接触反応後、チタン化合物を接触させる方法。
【0045】(8) アルコキシ基含有マグネシウム化合物
をハロゲン含有チタン化合物と接触反応する方法。 (9) アルコキシ基含有マグネシウム化合物および電子供
与体からなる錯体をチタン化合物と接触反応する方法。
【0046】(10)アルコキシ基含有マグネシウム化合物
および電子供与体からなる錯体を有機アルミニウム化合
物と接触後チタン化合物と接触反応させる方法。 (11)マグネシウム化合物と、電子供与体と、チタン化合
物とを任意の順序で接触、反応させる方法。この反応
は、各成分を電子供与体および/または有機アルミニウ
ム化合物やハロゲン含有ケイ素化合物などの反応助剤で
予備処理してもよい。
【0047】(12)還元能を有しない液状のマグネシウム
化合物と液状チタン化合物とを、好ましくは電子供与体
の存在下で反応させて固体状のマグネシウム・チタン複
合体を析出させる方法。
【0048】(13) (12)で得られた反応生成物に、チタ
ン化合物をさらに反応させる方法。 (14) (11)あるいは(12)で得られる反応生成物に、電子
供与体およびチタン化合物をさらに反応させる方法。
【0049】(15)マグネシウム化合物と好ましくは電子
供与体と、チタン化合物とを粉砕して得られた固体状物
を、ハロゲン、ハロゲン化合物および芳香族炭化水素の
いずれかで処理する方法。なお、この方法においては、
マグネシウム化合物のみを、あるいはマグネシウム化合
物と電子供与体とからなる錯化合物を、あるいはマグネ
シウム化合物とチタン化合物を粉砕する工程を含んでも
よい。また、粉砕後に反応助剤で予備処理し、次いでハ
ロゲンなどで処理してもよい。反応助剤としては、有機
アルミニウム化合物あるいはハロゲン含有ケイ素化合物
などが挙げられる。
【0050】(16)マグネシウム化合物を粉砕した後、チ
タン化合物と接触・反応させる方法。この際、粉砕時お
よび/または接触・反応時に電子供与体や、反応助剤を
用いることが好ましい。
【0051】(17)上記(11)〜(16)で得られる化合物をハ
ロゲンまたはハロゲン化合物または芳香族炭化水素で処
理する方法。 (18)金属酸化物、有機マグネシウムおよびハロゲン含有
化合物との接触反応物を、好ましくは電子供与体および
チタン化合物と接触させる方法。
【0052】(19)有機酸のマグネシウム塩、アルコキシ
マグネシウム、アリーロキシマグネシウムなどのマグネ
シウム化合物を、チタン化合物および/またはハロゲン
含有炭化水素および好ましくは電子供与体と反応させる
方法。
【0053】(20)マグネシウム化合物とアルコキシチタ
ンとを少なくとも含む炭化水素溶液と、チタン化合物お
よび/または電子供与体とを接触させる方法。この際ハ
ロゲン含有ケイ素化合物などのハロゲン含有化合物を共
存させることが好ましい。
【0054】(21)還元能を有しない液状状態のマグネシ
ウム化合物と有機アルミニウム化合物とを反応させて固
体状のマグネシウム・金属(アルミニウム)複合体を析
出させ、次いで、電子供与体およびチタン化合物を反応
させる方法。
【0055】固体状チタン触媒成分(a)を調製する際
に用いられる上記各成分の使用量は、調製方法によって
異なり一概に規定できないが、たとえばマグネシウム化
合物1モル当り、チタン化合物は0.01〜1000モ
ル、好ましくは0.1〜200モルの量で用いられる。
必要に応じて用いられる電子供与体(i)はマグネシウ
ム化合物1モル当り、0.01〜5モル、好ましくは
0.1〜1モルの量で用いられる。
【0056】このようにして得られる固体状チタン触媒
成分(a)は、マグネシウム、チタンおよびハロゲンを
含有している。この固体状チタン触媒成分(a)におい
て、ハロゲン/チタン(原子比)は約2〜200、好ま
しくは約4〜100であり、電子供与体/チタン(モル
比)は約0.01〜100、好ましくは約0.2〜10
であり、マグネシウム/チタン(原子比)は約1〜10
0、好ましくは約2〜50であることが望ましい。
【0057】本発明で用いられる有機アルミニウム化合
物触媒成分(b)としては、たとえば、下記式で示され
る化合物を例示することができる。 Rg nAlX3-n (式中、Rg は炭素原子数が1〜12の炭化水素基を示
し、Xはハロゲンまたは水素であり、nは1〜3であ
る。) 具体的には以下のような化合物が挙げられる。
【0058】トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブ
チルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-
エチルヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミ
ニム;イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアル
ミニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルア
ルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロ
リド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルア
ルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハラ
イド;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアル
ミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセ
スキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エ
チルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミ
ニウムセスキハライド;メチルアルミニウムジクロリ
ド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアル
ミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドな
どのアルキルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミ
ニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイド
ライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド。
【0059】本発明で用いられるオレフィン重合用触媒
は、前記固体状チタン触媒成分(a)、前記有機金属化
合物触媒成分(b)に加えて前記電子供与体(i)およ
び/または下記電子供与体(ii)を含んでいてもよい。
【0060】電子供与体(ii)としては、下記一般式で
示される有機ケイ素化合物(有機ケイ素化合物(C))
を挙げることができる。 RnSi(OR’)4-n (式中、RおよびR’は炭化水素基であり、0<n<4
である) このような有機ケイ素化合物として具体的には、エチル
トリエトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、
t-ブチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシ
シラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチル
ジメトキシシラン、ビスp-トリルジメトキシシラン、p-
トリルメチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメ
トキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラ
ン、2-ノルボルナントリエトキシシラン、2-ノルボルナ
ンメチルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ヘキセニルト
リメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラ
ン、トリシクロペンチルメトキシシラン、シクロペンチ
ルジメチルメトキシシランなどが挙げられる。
【0061】さらに、電子供与体(ii)として、2,6-置
換ピペリジン類、2,5-置換ピペリジン類、N,N,N',N'-テ
トラメチルメチレンジアミン、N,N,N',N'-テトラエチル
メチレンジアミンなどの置換メチレンジアミン類、1,3-
ジベンジルイミダゾリジン、1,3-ジベンジル-2- フェニ
ルイミダゾリジンなどの置換メチレンジアミン類などの
含窒素電子供与体、トリエチルホスファイト、トリn-プ
ロピルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、
トリn-ブチルホスファイト、トリイソブチルホスファイ
ト、ジエチルn-ブチルホスファイト、ジエチルフェニル
ホスファイトなどの亜リン酸エステル類などリン含有電
子供与体、2,6-置換テトラヒドロピラン類、2,5-置換テ
トラヒドロピラン類などの含酸素電子供与体を用いるこ
ともできる。
【0062】上記のような電子供与体(ii)は、単独で
あるいは2種以上組み合わせて用いられる。本発明では
前記のようなオレフィン重合用触媒の存在下に、下記式
(I)で表される末端修飾ポリオレフィンを製造する。
【0063】P−AlR1 2 … (I) 式中、PはCH2 =CHR3 で示されるオレフィンを単
独重合または共重合させてなるポリマー鎖である。R3
は、炭素原子数が1〜10の炭化水素基、水素原子また
はハロゲン原子から選ばれる基または原子である。
【0064】このようなCH2 =CHR3 で示されるオ
レフィンとして具体的には、エチレン、プロピレン、ブ
テンなどが挙げられる。R1 およびR2 は、それぞれ独
立して炭素原子数が1〜10の炭化水素基、水素原子ま
たはハロゲン原子から選ばれる基または原子である。
【0065】炭素原子数が1〜10の炭化水素基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。本発
明では、前記式(I)中のPが、20個以上、好ましく
は50〜10000個、より好ましくは100〜100
00個のオレフィンを単独重合または共重合させて得ら
れるポリマー鎖であることが望ましい。
【0066】上記式(I)で表される末端修飾ポリオレ
フィンの重合は、溶媒懸濁重合法、液体状オレフィンを
溶媒とする懸濁重合法などによって行なわれる。溶媒懸
濁重合を実施する際には、重合溶媒として、重合不活性
な炭化水素を用いることができる。
【0067】この際用いられる不活性炭化水素媒体とし
ては、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油な
どの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチ
レンクロリド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水
素、あるいはこれらの組み合わせが挙げられる。これら
のうち、特に脂肪族炭化水素を用いることが好ましい。
【0068】重合系内においては、固体状チタン触媒成
分(a)は、重合容積1リットル当りチタン原子に換算
して、通常は約0.0001〜50ミリモル、好ましく
は約0.001〜10ミリモルの量で用いられる。有機
金属化合物触媒成分(b)は、重合系中のチタン原子1
モルに対し、通常1〜2000モル、好ましくは2〜1
000モルの量で必要に応じて用いられる。
【0069】重合工程における、水素濃度はモノマー1
モルに対して0〜0.01モル、好ましくは0〜0.0
05モル、より好ましくは0〜0.001の量であるこ
とが好ましい。
【0070】重合温度は、通常、70℃以上、好ましく
は80〜150℃、より好ましくは85〜140℃、特
に好ましくは90〜130℃の範囲であり、圧力は、通
常、常圧〜100kg/cm2、好ましくは常圧〜50
kg/cm2 に設定される。重合は回分式、半連続式、
連続式のいずれの方法においても行なうことができる。
【0071】このようにして製造された上記式(I)で
表される末端修飾ポリオレフィンは通常スラリーとして
得られる。得られた末端修飾ポリオレフィンが上記式
(I)で示されるように末端に−AlR1 2 基を有す
ることは、下記のようにして推定することができる。す
なわち、得られたスラリーに塩酸−メタノール−アセト
ン混合液に加えて、加溶媒分解されて生成するポリマー
の末端基を13C−NMRを用いて検出する。スラリー中
のポリオレフィンが末端に−AlR1 2 基を有してい
る場合は、加溶媒分解されて生成するポリマーの分子末
端にエチル基とi-ブチル基のみが検出され、その比はほ
ぼ1:1である。
【0072】たとえば、有機アルミニウム化合物触媒成
分としてトリエチルアルミニウムを用いてプロピレンの
重合を行った場合、重合反応は、以下のスキームにより
進行するものと推測される。
【0073】
【化3】
【0074】そして前記ポリマー(II)を、塩酸−メタ
ノール−アセトン混合液中で加溶媒分解すると、下記ス
キームのように末端基がエチル基とi-ブチル基であるポ
リマー(III)が生成する。
【0075】
【化4】
【0076】このように、末端が−AlR1 2 基であ
る場合には、分子末端にエチル基とi-ブチル基のみが検
出され、その比が1:1となる。なお、末端基が−Al
12 基以外である場合、たとえばアルキル基である
場合には加溶媒分解されることはなくポリマーの末端基
のうち一方は、n-プロピル基となる。
【0077】このような末端修飾ポリオレフィンから
は、たとえば(1)末端修飾ポリオレフィンの−AlR
1 2 基と官能基構造を有する化合物との置換反応を行
うか、または、(2)末端修飾ポリオレフィンの−Al
1 2 基を加溶媒分解により官能基を形成する構造を
有する化合物との置換反応を行った後加溶媒分解するこ
とにより末端に官能基を有するポリオレフィンを製造す
ることができる。
【0078】
【発明の効果】本発明は、末端修飾ポリオレフィンを工
業的に有利な方法で製造する製造方法を提供することが
できる。
【0079】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0080】
【実施例1】 [固体状チタン触媒成分(A)の調製]無水塩化マグネ
シウム20gとジオクチルフタレート11.88ml
(0.03ミリモル)とを窒素雰囲気中、直径15mm
のステンレス(SUS−32)製ボール2.8kgを収
容した内容積800ml、内直径100mmのステンレ
ス(SUS−32)製ボールミル円筒に装入し、8時間
共粉砕を行い、活性化塩化マグネシウムを得た。該活性
化塩化マグネシウム10gを充分に窒素置換したガラス
製400mlの4つ口フラスコに移し、四塩化チタン1
50mlを加えてスラリーとし、攪拌下、80℃に昇温
し、2時間、該温度で熱反応を行った。次に、あらかじ
め80℃に加熱し、充分に窒素置換しておいたジャケッ
ト付フィルターで濾過して固体部を分離し、該固体部を
80℃の精製デカンで1回、続いて室温のデカンで1
回、さらに室温のヘキサンで3回洗浄することにより固
体状チタン触媒成分(A)を得た。該固体状チタン触媒
成分(A)はデカンスラリーとして保存した。
【0081】[末端修飾ポリオレフィン(B)の合成]
内容積1リットルのガラス製反応器を充分に窒素置換し
ておき、精製デカン500mlを加えた。液相部にプロ
ピレンガスを50リットル/hrで供給し、気相部の上
部より剰余のガスをパージすることにより反応器内を大
気圧と同圧に保った。次にオイルバスによって反応器内
を加熱し、100℃となったところで、トリエチルアル
ミニウム3ミリモルとジフェニルジメトキシシラン0.
3ミリモルと上記固体状チタン触媒成分(A)をチタン
原子換算で0.05ミリモルとをこの順に装入し、該温
度に1時間保持して、かつ50リットル/hrでプロピ
レンガスを供給することにより1時間の重合反応を行っ
た。次にプロピレンガスを窒素ガスに切り換えて、未反
応のプロピレンガスをパージすることにより反応を終了
し、末端修飾ポリオレフィン(B)を含むデカンスラリ
ーを得た。
【0082】[末端修飾ポリオレフィン(B)の同定]
上記にて得られたスラリーを少量の10%塩酸とアセト
ン2リットルとメタノール2リットルとの混合液に加え
て攪拌した。析出したポリマーをガラス製フィルター
(G3)で濾別して液相部と分離し、80℃で12時間
減圧乾燥した。以上の操作により1.8gの白色ポリマ
ーを得た。この白色ポリマーの分子量(ポリプロピレン
換算)をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー)により測定したところMnが9900、Mwが9
9000であった。
【0083】この白色ポリマー150mgを120℃で
0.5mlのヘキサクロロブタジエンを0.1mlの重
水素化ベンゼンとの混合物に溶解させて得たサンプルを
13C−NMR(日本電子製JEOL GX−500)を
用いて、以下の測定条件により125MHzで測定し
た。
【0084】(測定条件) プラスアングル;45°、 プラスレピテーション;4.2sec、 スペクトルウィディス;7500Hz、 スキャン回数;20000、 温度;110℃、 データポイント;64KB。
【0085】得られた結果を回析したところ、該白色ポ
リマーの末端基はエチル基とi-ブチル基のみであり、こ
れらのモル比は1:1であった。このことから、前記ス
ラリー中のポリオレフィンは、末端基に−Al(C
252 基を有するポリオレフィンであると推測され
る。
【0086】
【実施例2】 [末端修飾ポリオレフィン(B)−2の合成]実施例1
においてプロピレンガスを50リットル/hrで供給す
る代わりに、プロピレンガス50リットル/hrと水素
ガス2.5リットル/hrとを同時に供給したこと以外
は実施例1と同様に行い、末端修飾ポリオレフィン
(B)−2を含むデカンスラリーを得た。
【0087】[末端修飾ポリオレフィン(B)−2の同
定]上記にて得られたスラリーから実施例1と同様の操
作により2.9gの白色ポリマーを得た。この白色ポリ
マーの分子量(ポリプロピレン換算)をGPCにより測
定したところMnが7300、Mwが38700であっ
た。
【0088】この白色ポリマーの末端基を実施例1と同
様にして測定したところ、エチル基(Et)とn-プロピ
ル基(n-Pr)とi-ブチル基(i-Bt)とn-ブチル基
(n-Bt)であり、これらのモル比(Et:n-Pr:i-
Bt:n-Bt)は、40:10:44:6であった。
【0089】このことから前記白色ポリマー中には末端
修飾ポリオレフィンが加溶媒分解したポリマーが約80
%含まれていることがわかる。すなわち、前記末端修飾
ポリオレフィン(B)−2を含むデカンスラリーに含ま
れるポリマー中には末端基が−Al(C252 である
ポリオレフィンが約80%含まれていることがわかる。
【0090】
【実施例3】 [固体状チタン触媒成分(A)−2の調製]無水塩化マ
グネシウム95.2g、デカン442mlおよび2-エチ
ルヘキシルアルコール390.6gを、130℃で2時
間加熱して均一溶液とした後、この溶液中に無水フタル
酸21.3gを添加し、さらに、130℃にて1時間攪
拌混合を行い、無水フタル酸を溶解させた。このように
して得られた均一溶媒を室温に冷却した後、−20℃に
保持した四塩化チタン200ml中にこの均一溶液の7
5mlを1時間にわたって滴下装入した。装入終了後、
この混合液の温度を4時間かけて110℃に昇温し、1
10℃に達したところでフタル酸ジイソブチル5.22
gを添加し、これより2時間同温度にて攪拌保持した。
2時間の反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、この
固体部を275mlの四塩化チタンに再懸濁させた後、
再び110℃で2時間、加熱反応を行った。
【0091】反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取
し、110℃のデカンおよび室温のヘキサンにて溶液中
に遊離のチタン化合物が検出されなくなるまで充分洗浄
した。
【0092】[末端修飾ポリマー(B)−3の合成]固
体状チタン触媒成分(A)の代わりに固体状チタン触媒
成分(A)−2を用い、重合反応を100℃で1時間行
う代わりに95℃で20分間行ったこと以外は実施例1
と同様に行い、末端修飾ポリマー(B)−3を含むデカ
ンスラリーを得た。
【0093】[末端修飾ポリオレフィン(B)−3の同
定]上記にて得られたスラリーから実施例1と同様の操
作により13.8gの白色ポリマーを得た。この白色ポ
リマーの分子量(ポリプロピレン換算)をGPCにより
測定したところMnが10600、Mwが98000で
あった。
【0094】この白色ポリマーの末端基を実施例1と同
様にして測定したところ、エチル基とi-ブチル基のみで
あり、これらのモル比は1:1であった。このことから
実施例1と同様に前記スラリー中のポリオレフィンは、
末端基に−Al(C252基を有するポリマーである
と推定される。
【0095】
【比較例1】トリエチルアルミニウム3ミリモルとジフ
ェニルジメトキシシラン0.3ミリモルと固体状チタン
触媒成分(A)をチタン原子換算で0.05ミリモルと
をこの順序で装入する代わりに、ジエチル亜鉛10ミリ
モルとトリエチルアルミニウム3ミリモルとジフェニル
ジメトキシシラン0.3ミリモルと固体状チタン触媒成
分(A)をチタン原子換算で0.05ミリモルとをこの
順序で装入したこと以外は実施例1と同様にして行い、
デカンスラリーを得た。
【0096】上記にて得られたスラリーを少量の10%
塩酸とアセトン2リットルとメタノール2リットルとの
混合液に加えて攪拌した。その結果、ポリマーの析出は
認められなかった。
フロントページの続き (72)発明者 水 野 章 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 柏 典 夫 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタンおよびハロゲンを必須成分とする
    固体状チタン触媒成分(a)と、有機アルミニウム化合
    物触媒成分(b)とから形成されるオレフィン重合用触
    媒、または固体状チタン触媒成分(a)と有機アルミニ
    ウム化合物触媒成分(b)と有機ケイ素化合物(c)と
    から形成されるオレフィン重合用触媒の存在下にオレフ
    ィンを重合させて、下記式(I)で表されるポリオレフ
    ィンを製造することを特徴とする末端修飾ポリオレフィ
    ンの製造方法; P−AlR1 2 … (I) (式中、PはCH2 =CHR3 (R3 は炭素原子数が1
    〜10の炭化水素基、水素原子またはハロゲン原子から
    選ばれる基または原子)で示されるオレフィンを単独重
    合または共重合させてなるポリマー鎖であり、R1 およ
    びR2 はそれぞれ独立して炭素原子数が1〜10の炭化
    水素基、水素原子またはハロゲン原子から選ばれる基ま
    たは原子である)
  2. 【請求項2】 前記式(I)中のPが、20個以上のオ
    レフィンを単独重合または共重合させて得られるポリマ
    ー鎖である請求項1に記載の末端修飾ポリオレフィンの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記式(I)中のPが、50〜1000
    0個のオレフィンを単独重合または共重合させて得られ
    るポリマー鎖である請求項1に記載の末端修飾ポリオレ
    フィンの製造方法。
  4. 【請求項4】 70℃以上の重合温度でオレフィンを重
    合させる請求項1〜3のいずれかに記載の末端修飾ポリ
    オレフィンの製造方法。
  5. 【請求項5】 水素を添加しないことを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の末端修飾ポリオレフィンの
    製造方法。
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