JPH08119979A - 紫外線照射による含フッ素シラン化合物の製造法 - Google Patents
紫外線照射による含フッ素シラン化合物の製造法Info
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- JPH08119979A JPH08119979A JP25852094A JP25852094A JPH08119979A JP H08119979 A JPH08119979 A JP H08119979A JP 25852094 A JP25852094 A JP 25852094A JP 25852094 A JP25852094 A JP 25852094A JP H08119979 A JPH08119979 A JP H08119979A
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Abstract
ルシランと(CR2=CR−Rf;RはHまたはFを示
し;RfはC1〜C8のパーフルオロアルキル基を示
す。)ヘキサフルオロプロペンを反応させることを特徴
とするフルオロアルキルトリクロロ(トリメチル)シラ
ンの製造法;及び紫外線照射下にトリクロロシランを含
む反応系内にフルオロオレフィン類を連続的もしくは間
欠的に導入することを特徴とする含フッ素シラン化合物
の製造法。 【効果】種々の含フッ素シラン化合物を原料の無駄な
く、簡便に且つ高収率で製造することができる。
Description
の製造法に関する。
は、熱安定性及び化学的安定性が高いため、例えば有機
フッ素化物の代替品として種々の分野への応用が考えら
れる。
例えばヘキサフルオロプロペンとトリクロロシランの混
合物に60Coのγ線照射を行う方法が知られている (A.V.
Zimin ら、Dokl. Acad. Nauk SSSR, Ser Khim., 231, 8
70 (1976))。しかし、γ線照射による方法は、特殊な設
備を要する不利益がある。紫外線照射下でヘキサフルオ
ロプロペンとトリクロロシランとの反応では、対応する
含フッ素化合物は同定されておらず、生成されていたと
しても1%以下であり、実質的に生成しないという報告
がなされている (J. Am. Chem. Soc., 79, 2329 (195
7))。
て、テトラフルオロエチレンとトリクロロシランを紫外
線の存在下に反応させる方法が知られている (R.N.Hasz
eldineら、J. Chem. Soc., 962, (1956))。この文献で
は、Cl3Si(C2F4)nH(nは、1以上の整数)で表される
含フッ素シランについて、目的とするn=1の生成物の
割合を高めるために、テトラフルオロエチレンに対して
大過剰のトリクロロシランを用いてバッチ式で反応させ
ている。その結果、混合物が得られ、モノ付加体の収率
は非常に低い。特に、トリクロロシランを基準としたモ
ノ付加体の収率は約16%と低い。
シランまたはトリメチルシランにフルオロオレフィンモ
ノマーが付加した含フッ素シラン化合物を原料の無駄な
く、簡単且つ収率良く製造する方法を提供することを目
的とする。
術に鑑み鋭意検討を重ねた結果、トリクロロシランを含
む反応系内にフルオロオレフィンを導入することによ
り、テロマー化が抑制され、フルオロオレフィンのモノ
マーとトリクロロシランが反応した含フッ素シラン化合
物が容易に得られることを見出した。また、従来反応が
進行しないと考えられていた、紫外線照射下でのヘキサ
フルオロプロペンとトリクロロシランの反応が、一定の
波長の紫外線を用いることにより進行することを見出し
た。
ン化合物の製造法を提供するものである。
と一般式(1)
を示す。〕のフルオロアルケンを反応させることを特徴
とするフルオロアルキルトリクロロシランの製造法。
がヘキサフルオロプロペンである項1に記載の製造法。
と一般式(2)
子又はフッ素原子を示す。Rfは炭素数1〜8のパーフ
ルオロアルキル基を示す。〕のフルオロアルケンを反応
させることを特徴とするフルオロアルキルトリメチルシ
ランの製造法。
がヘキサフルオロプロペンである項3に記載の製造法。
またはトリメチルシランを含む反応系内にクロロフルオ
ロオレフィン又はフルオロオレフィンを連続的もしくは
間欠的に導入することを特徴とする含フッ素シラン化合
物の製造法。
またはトリメチルシランを含む反応系内にフルオロオレ
フィンを連続的もしくは間欠的に導入することを特徴と
する含フッ素シラン化合物の製造法。
オロプロペン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロ
エチレン、1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロピ
レン及びヘプタフルオロプロピルトリフルオロビニルエ
ーテルからなる群から選ばれるいずれか1種である項6
に記載の含フッ素シラン化合物の製造法。
ルオロオレフィンを連続的に導入することを特徴とする
項5に記載の含フッ素シラン化合物の製造法。
て、Rfは、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチ
ル、パーフルオロ−n−プロピル、パーフルオロイソプ
ロピル、パーフルオロ−n−ブチル、パーフルオロイソ
ブチル、パーフルオロ−t−ブチル、パーフルオロペン
チル、パーフルオロヘキシル、パーフルオロヘプチル、
パーフルオロオクチルなどの直鎖又は分枝を有する炭素
数1〜8のパーフルオロアルキル基、好ましくは炭素数
1〜4のパーフルオロアルキル基が挙げられる。
フィン」として、例えばモノフルオロエチレン、ジフル
オロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロ
エチレンなどのフルオロエチレン類、ヘキサフルオロプ
ロピレン、1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロピ
レンなどのフルオロプロピレン類、オクタフルオロ2−
ブテンなどのブテン類、ヘプタフルオロプロピルトリフ
ルオロビニルエーテル、などのフルオロビニルエーテル
類、ヘキサフルオロシクロブテンなどのシクロブテン類
などが挙げられ、好ましいフルオロオレフィンとしてヘ
キサフルオロプロペン、テトラフルオロエチレン、トリ
フルオロエチレン、1,1,3,3,3−ペンタフルオ
ロプロピレン及びヘプタフルオロプロピルトリフルオロ
ビニルエーテルなどが挙げられる。
ロオレフィン」として、クロロトリフルオロエチレン、
2−クロロ−1,1−ジフルオロエチレン、1,2−ジ
クロロ−1,2−ジフルオロエチレン、1,1−ジクロ
ロ−2,2−ジフルオロエチレン、2−クロロ−1,
3,3,3−テトラフルオロプロペン等が挙げられ、好
ましくは、クロロトリフルオロエチレン、1,2−ジク
ロロ−1,2−ジフルオロエチレン、2−クロロ−1,
3,3,3−テトラフルオロプロペン等が例示される。
物」は、トリクロロシランにフルオロオレフィンモノマ
ーまたはクロロフルオロオレフィンモノマーが付加した
化合物を意味する。
はクロロフルオロオレフィン(以下、フルオロオレフィ
ン類という)を「連続的もしくは間欠的に導入する」と
は、反応系内におけるフルオロオレフィン類濃度をモニ
ターし、フルオロオレフィン類の濃度が所定の範囲内に
入るようにフルオロオレフィン類を連続的に又は間欠的
に導入することを意味する。フルオロオレフィン類は連
続的に供給する方が、該濃度をより狭い範囲内に保つこ
とができるため好ましい。トリクロロシランが大部分消
費された後には、フルオロオレフィンの導入によりその
比率が高まることになるが、これはテロマー化にほとん
ど影響しない。
1モルのトリクロロシランに対し、フルオロオレフィン
を最終的に1〜1.5モル程度使用する。反応容器に
は、通常トリクロロシランのみが入っているが、テロマ
ー化の影響が問題でない限り、フルオロオレフィンを含
んでいてもよい。反応開始時に含まれるフルオロオレフ
ィンの量は、特に限定されないが、例えばトリクロロシ
ランの50モル%程度以下、好ましくは20モル%以
下、より好ましくは10モル%以下である。
は、反応系内のフルオロオレフィンの量が、トリクロロ
シランの0.01〜50モル%程度、好ましくは0.1
〜20モル%程度になるように行う。但しこれらの範囲
は、未反応のトリクロロシランが十分に残っている場合
に適用されるもので、未反応のトリクロロシランが残り
少なくなった場合には、フルオロオレフィンの割合が上
記の範囲を超えても差し支えない。
は、通常100〜390nm程度、好ましくは170〜
370nm程度である。
えば低圧水銀灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、重水素放
電管、キセノン放電管、ルビーレーザーやYAGレーザ
ーの高調波、エキシマレーザー、色素レーザーなどが挙
げられ、好ましくは低圧水銀灯による370nm以下の
波長の光が用いられる。
が、温度が高くても問題はない。
射法のいずれでもよいが、外部照射法の場合には、反応
容器の材質は石英ガラスが望ましい。反応圧力は、特に
制限されるものではなく、減圧から加圧までのいずれの
圧力下でも反応は進行する。反応時間は、出発原料の使
用量、紫外線ランプの種類や能力により異なり一概には
言えないが、数時間から数百時間で反応はほとんど完結
する。
は、溶媒、シランカップリング剤、表面処理剤、離型
剤、繊維処理剤、消泡剤、シリコーン油、シリコーング
リース及びシリコーンゴムなどの製造中間体として有用
である。
ロオレフィンを連続供給することで、種々の含フッ素シ
ラン化合物を簡便に且つ高収率で製造することができ
る。
らかにする。
を入れ、該容器を液体窒素で冷却しながら真空ラインで
減圧にし、空気を除去した。2個の15W用低圧水銀灯
(大科工業(株)製)を用いてその容器に紫外線を外部
照射し、全量110.7gのヘキサフルオロプロピレンを2.46
ml/分の速度で容器内圧を2.0kg/cm2以下になるように
120時間かけて徐々に加えた。室温で189時間後反
応を終了した。反応溶液のGC分析から、ヘキサフルオ
ロプロピルトリクロロシランがGC純度83%で生成し
た。NMRの積分比より、α体:β体は、36:64であっ
た。
体はCl3SiCFCF3CF2Hであった。生成物は、1H-NMR、19F-
NMRより同定した。
ランを入れ、該容器を液体窒素で冷却しながら真空ライ
ンで減圧にし、空気を除去した。1個の15W用低圧水
銀灯(大科工業(株)製)を用いてその容器に紫外線を
外部照射し、全量0.185モルのテトラフルオロエチレン
を1.03ml/分の速度で容器内圧を2.0kg/cm2以下になる
ように72時間かけて徐々に加えた。テトラフルオロエ
チレンの供給が終了した時点で反応を終了したところ、
テトラフルオロエチルトリクロロシランがGC収率56
%で生成した。単付加体:2付加体:3付加体は、92:
7:1であった。生成物は、GC−MS、1H-NMR、19F-NMR
より同定した。
反応を行い、テトラフルオロエチルトリクロロシランが
GC収率59%で生成した。単付加体:2付加体:3付
加体は、89:9:1であった。生成物は、GC−MS、1H-N
MR、19F-NMRより同定した。
モル使用し、ヘキサフルオロプロピレンの0.3モル量
を54時間かけて加え、反応時間を90時間とした以外
は実施例1と同様にして反応を行った。反応溶液のGC
分析から、ヘキサフルオロプロピルトリメチルシランが
GC純度87%で生成した。α体:β体は、87:13であ
った。
り、β体は(CH3)3SiCFCF3CF2Hであった。生成物は、1H-
NMR、19F-NMRより同定した。
Claims (8)
- 【請求項1】紫外線照射下にトリクロロシランと一般式
(1) 【化1】CF2=CF−Rf (1) 〔式中、Rfは炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基
を示す。〕のフルオロアルケンを反応させることを特徴
とするフルオロアルキルトリクロロシランの製造法。 - 【請求項2】一般式(1)のフルオロアルケンがヘキサ
フルオロプロペンである請求項1に記載の製造法。 - 【請求項3】紫外線照射下にトリメチルシランと一般式
(2) 【化2】CX1X2=CX3−Rf (2) 〔式中、X1、X2及びX3は、同一又は異なって水素原
子又はフッ素原子を示す。Rfは炭素数1〜8のパーフ
ルオロアルキル基を示す。〕のフルオロアルケンを反応
させることを特徴とするフルオロアルキルトリメチルシ
ランの製造法。 - 【請求項4】一般式(2)のフルオロアルケンがヘキサ
フルオロプロペンである請求項3に記載の製造法。 - 【請求項5】紫外線照射下にトリクロロシランまたはト
リメチルシランを含む反応系内にクロロフルオロオレフ
ィン又はフルオロオレフィンを連続的もしくは間欠的に
導入することを特徴とする含フッ素シラン化合物の製造
法。 - 【請求項6】紫外線照射下にトリクロロシランまたはト
リメチルシランを含む反応系内にフルオロオレフィンを
連続的もしくは間欠的に導入することを特徴とする含フ
ッ素シラン化合物の製造法。 - 【請求項7】フルオロオレフィンがヘキサフルオロプロ
ペン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレ
ン、1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン及
びヘプタフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテル
からなる群から選ばれるいずれか1種である請求項6に
記載の含フッ素シラン化合物の製造法。 - 【請求項8】クロロフルオロオレフィン又はフルオロオ
レフィンを連続的に導入することを特徴とする請求項5
に記載の含フッ素シラン化合物の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6258520A JP2772465B2 (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 紫外線照射による含フッ素シラン化合物の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP6258520A JP2772465B2 (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 紫外線照射による含フッ素シラン化合物の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08119979A true JPH08119979A (ja) | 1996-05-14 |
JP2772465B2 JP2772465B2 (ja) | 1998-07-02 |
Family
ID=17321358
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6258520A Expired - Lifetime JP2772465B2 (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 紫外線照射による含フッ素シラン化合物の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2772465B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114057785A (zh) * | 2021-12-13 | 2022-02-18 | 河南师范大学 | 手性α-二氟甲基硅烷化合物的合成方法 |
-
1994
- 1994-10-24 JP JP6258520A patent/JP2772465B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
J AM CHEM SOC=1957 * |
J.AM.CHEM SOC 7-9=1957 * |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114057785A (zh) * | 2021-12-13 | 2022-02-18 | 河南师范大学 | 手性α-二氟甲基硅烷化合物的合成方法 |
CN114057785B (zh) * | 2021-12-13 | 2023-03-28 | 河南师范大学 | 手性α-二氟甲基硅烷化合物的合成方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2772465B2 (ja) | 1998-07-02 |
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