JPH08119863A - 膵疾患治療剤 - Google Patents

膵疾患治療剤

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JPH08119863A
JPH08119863A JP6263315A JP26331594A JPH08119863A JP H08119863 A JPH08119863 A JP H08119863A JP 6263315 A JP6263315 A JP 6263315A JP 26331594 A JP26331594 A JP 26331594A JP H08119863 A JPH08119863 A JP H08119863A
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JP
Japan
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secretin
mci
pancreatic
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JP6263315A
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English (en)
Inventor
Nobuaki Watanabe
信明 渡辺
Toshinari Tachibana
逸勢 橘
Juichi Nakano
重一 中野
Toshiharu Akiyama
俊治 秋山
Akira Shirohara
昶 白原
Makoto Otsuki
眞 大槻
Tadashi Takeuchi
正 竹内
Makoto Kawamura
誠 川村
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (Z)-2-(4- メチルピペラジン-1- イル)-1-[4
-(2-フェニルエチル) フェニル]-エタノンオキシム、そ
の水和物、またはそれらの生理学的に許容される塩を有
効成分として含む急性膵炎や慢性膵炎等の膵疾患の予防
・治療剤。 【効果】 内因性セクレチン分泌に特異的に作用し、血
漿中セクレチンおよび膵液を増加させる作用を有してい
るので、慢性膵炎や急性膵炎などの予防および/または
治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、急性膵炎や慢性膵炎等
の膵臓疾患の治療あるいは予防に有用な医薬に関する。
【0002】
【従来の技術】急性膵炎や慢性膵炎等の膵臓疾患の原因
は様々であるが、いずれの膵臓疾患も、膵臓が自己の分
泌する膵酵素により障害を受け、機能低下を引き起こす
という過程を含んでいる点では同じである。従来、膵炎
の治療には、膵臓を休ませる意味から食事療法が主とし
て採用されており、薬物療法としては、膵臓に障害を与
える原因となる膵酵素を阻害する目的で膵酵素阻害剤等
が用いられている。
【0003】しかし、膵酵素自体は食物の消化などに必
須であるため、膵酵素阻害剤の投与によって消化不良な
どの副作用が惹起されることがあり、その治療のために
膵酵素阻害剤とともに膵酵素剤を投与するという一見矛
盾した変則的な薬物療法も行われている。さらに、膵酵
素阻害剤には、膵臓を肥大化させる副作用も認められて
いる(膵臓,6, 454-466, 1991) 。
【0004】最近になって、膵臓疾患の治療剤としてコ
レシストキニン(CCK) 拮抗剤が開発されつつある。未だ
臨床での治療実績は少ないものの、CCK は膵臓の酵素分
泌を促進するホルモンであり、CCK を抑制することによ
って膵酵素分泌が抑制されるので、膵酵素阻害剤と同様
な効果が期待される。しかしながら、CCK は膵臓以外に
も作用点を有していることや、生体にとって必須のホル
モンであることから、CCK に拮抗することにより胆道、
肝臓系、消化管系に悪影響を及ぼす可能性が危惧されて
いる(診断と治療, 82, 301-308, 1994)。
【0005】一方、膵液量および膵重炭酸量を特異的に
増加させる作用を有するペプチドホルモン(セクレチ
ン)の外因的投与が、膵炎に対して有効性を示すという
臨床報告があり、セクレチン膵管洗浄法として実際の臨
床の場で応用されている(保健診療, 41, 200-203, 198
6)。しかし、外因的なセクレチンの生体内半減期は極め
て短く、投与経路も点滴持続静脈内投与に限られてお
り、さらに、大量のセクレチンを投与しなければならな
いという欠点があった。加えて、実際に臨床で使用され
ているセクレチンはブタ由来のものであり、異種のペプ
チドを反復使用した場合に抗体が形成される可能性があ
ることも指摘されていた。
【0006】内因性セクレチンを増加させる薬剤として
は、テプレノンやプラウノトール等の抗潰瘍剤が知られ
ている(消化器科, 9, pp.591-600, 1988)。これらの物
質については、いずれも動物において明確な内因性セク
レチン増加作用が確認されているものの、ヒトにおいて
は十二指腸内投与という特殊な投与形態で内因性セクレ
チン増加作用が認められているにすぎなかった。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、膵臓疾患の
予防・治療剤を提供することを目的としている。さらに
具体的には、本発明の目的は、セクレチンの分泌を内因
的に増加させることにより、膵炎などの膵臓疾患を有効
に予防・治療できる医薬を提供することにある。また、
本発明の別の目的は、上記の特徴を有し、かつ、副作用
のない膵臓疾患治療剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の従
来化合物とは構造や作用メカニズムを異にし、優れた膵
炎治療効果を有する医薬を鋭意探索した結果、特定のエ
タノンオキシム化合物がセクレチン分泌を内因的に増加
させ、膵炎の治療及び/または予防に有効であることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、(Z)-2-(4- メチルピペ
ラジン-1- イル)-1-[4-(2-フェニルエチル) フェニル]-
エタノンオキシムを有効成分として含む膵疾患予防・治
療剤を提供するものである。上記発明の好ましい態様と
しては、有効成分が上記化合物の水和物である予防・治
療剤;有効成分が上記化合物またはその水和物の生理的
に許容される塩である予防・治療剤;有効成分が上記化
合物の塩酸塩である予防・治療剤、有効成分が上記化合
物の塩酸塩・1水和物である上記予防・治療剤、膵臓疾
患が慢性膵炎または急性膵炎である上記予防.治療剤が
提供される。
【0009】本発明の膵炎予防・治療剤の有効成分であ
る (Z)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1-[4-(2-フェ
ニルエチル) フェニル]-エタノンオキシムは、特開平1-
63574 号公報に記載された公知の化合物であり、同公報
に記載の方法に従って容易に製造することができる。本
発明の予防・治療剤の有効成分としては、遊離形態の上
記の化合物またはその任意の水和物、あるいはそれらの
生理学的に許容される酸付加塩を用いることができる。
【0010】薬理学的に許容される酸付加塩としては、
例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸
塩、硝酸塩、リン酸塩等の鉱酸塩、あるいは、酢酸塩、
マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、
コハク酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、メ
タンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、10−カン
ファースルホン酸塩等の有機酸塩を挙げることができ
る。これらのうち、上記化合物の塩酸塩を用いることが
好ましい。なお、本明細書において、上記化合物の塩酸
塩・1水和物を、本発明の特に好ましい有効成分として
MCI-727と称する場合がある。
【0011】特開平1-63574 号公報および特開平2-2254
13号公報には、本発明の医薬の有効成分である上記化合
物が胃潰瘍モデルにおいて抗潰瘍効果を示すことが記載
されているが、該化合物が膵疾患の予防・治療に有用で
あることについては示唆ないし教示されていない。
【0012】本発明の膵疾患予防・治療剤としては、有
効成分である上記化合物それ自体を用いてもよいが、汎
用の製剤用添加物を用いて上記有効成分を含む医薬組成
物を製造して用いることが好ましい。このような医薬組
成物としては、錠剤、カプセル剤、細粒剤、丸剤、トロ
ーチ剤、液剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、貼付剤等を挙げ
ることができ、これらは経口的(舌下投与を含む) また
は非経口的に投与される。
【0013】経口用の医薬組成物は、混合、充填または
打錠等の従来汎用の方法により製造することができる。
また反復配合操作を用いて、多量の充填剤を使用した医
薬組成物中に有効成分を分布させてもよい。例えば、経
口投与に用いられる錠剤またはカプセル剤は単位投与物
として提供されることが好ましく、結合剤、充填剤、希
釈剤、打錠剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、香味剤および
湿潤剤等の通常使用される製剤用担体を含有していても
よい。錠剤は、当業界において周知の方法に従って、例
えばコーティング剤を用いてコーティング錠としてもよ
い。
【0014】好ましい充填剤としては、セルロース、マ
ンニトール、ラクトース等を挙げることができ、崩壊剤
であるでん粉、ポリビニルピロリドン、ナトリウムでん
粉グリコラート等のでん粉誘導体等や、滑沢剤であるラ
ウリル硫酸ナトリウム等を製剤用添加物として用いるこ
とができる。経口用の液剤形態の医薬組成物は、例え
ば、水性または油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロ
ップ剤もしくはエリキシル剤等の医薬組成物、あるいは
使用前に水または適当な媒体により再溶解され得る乾燥
医薬組成物として提供される。
【0015】このような液剤には、通常の添加剤、例え
ばソルビトール、シロップ、メチルセルロース、ゼラチ
ン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルまたは水素化
食用脂肪のような沈殿防止剤、レシチン、ソルビタンモ
ノオレエート、アラビアゴムのような乳化剤、アーモン
ド油、精留ココナッツ油、グリセリンエステル等の油状
エステル、プロピレングリコール、エチルアルコールの
ような(食用油も包含し得る) 非水性媒体、p-ヒドロキ
シ安息香酸のメチルエステル、エチルエステル、もしく
はプロピルエステル、またはソルビン酸のような保存
剤、および必要に応じて通常の香味剤または着色剤など
を配合することができる。
【0016】非経口投与に適する医薬組成物としては、
上記の有効成分および滅菌媒体を含有する液体状の医薬
組成物あるいは座薬、貼付剤などの形態の医薬組成物を
製造することができる。例えば、媒体および濃度に応じ
て有効成分を懸濁、溶解または乳化させることができ、
例えば、非経口用の溶液状組成物は、好ましくは、有効
成分を媒体に溶解させて滅菌ろ過し、次に適当なバイア
ルまたはアンプルに充填して密封することにより製造す
ることができる。安定性を高めるために、水溶液状の組
成物を調製した後、凍結乾燥により水分を除去してもよ
い。
【0017】非経口用の懸濁剤は、上記の非経口用の溶
液状組成物と実質的に同様の方法で製造されるが、例え
ば、有効成分を媒体に懸濁し、エチレンオキサイドなど
を用いて滅菌し、更に滅菌媒体中に懸濁させることによ
って製造することができる。懸濁剤などの製造にあた
り、有効成分が製剤中で均一に分布するように、必要に
応じて界面活性剤や湿潤剤等を添加してもよい。その他
の形態の医薬組成物も当業者に周知の方法で製造でき、
本発明の医薬の一態様である医薬組成物の形態および製
造方法は上記のものに限定されることはない。
【0018】本発明の予防・治療剤は急性膵炎、慢性膵
炎、ガン性膵炎などの膵臓疾患の予防及び/又は治療に
有用である。本発明の予防・治療剤の投与量は、患者の
年齢、健康状態、体重、膵臓疾患の重篤度、同時に行う
治療・処置の種類や頻度、所望の効果の性質等により適
宜決定すればよい。一般的には、成人1回あたりの投与
量を、有効成分量として、1-1,000 mg、好ましくは 10-
100 mgとして、1日あたり1回ないしは数回投与すれば
よい。
【0019】本発明の予防・治療剤は、有効成分である
上記の化合物の他に、膵酵素阻害剤やCCK 拮抗剤などの
従来公知の膵臓疾患予防・治療剤、あるいは消化性潰瘍
治療剤、抗菌剤、またはホルモン等の他の疾患の予防・
治療に用いられる有効成分を含んでいてもよい。例え
ば、セクレチンを配合することも可能である。なお、製
剤としての持続性を高めるために、常法により上記の医
薬組成物に徐放性、腸溶性、胃粘膜付着性等の製剤処理
を施すこともできる。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は以下の実施例に限定される
ものではない。なお、本実施例に用いたMCI-727 [(Z)-2
-(4-メチルピペラジン-1- イル)-1-[4-(2-フェニルエチ
ル) フェニル]-エタノンオキシム塩酸塩の1水和物]
は、特開平1-63574 号公報の実施例8に記載の方法に従
って合成した。
【0021】 実施例1:MCI-727 のセクレチン分泌作用(ラット) 24時間絶食後のドンリュウ系雄性ラット(体重 200〜25
0 g)を実験に用いた。MCI-727 を 2.5 %アラビアガム溶
液に懸濁後 pH6に調製し、10, 30, および 100mg/kgの
用量で経口投与した後、10分後にペントバルビタール麻
酔下で下行大動脈から採血を行った。遠心分離後血漿を
採取し、測定まで -80℃で保存した。免疫活性セクレチ
ンおよび免疫活性ガストリンは、それぞれ特異的 RIA法
にて測定した。結果を図1および図2に示す。MCI-727
を10〜100 mg/kg 経口投与することにより、用量依存的
な血漿中セクレチン濃度の増加が認められた(図1)。
一方、MCI-727 はガストリン分泌に対しては影響を与え
なかった(図2)。
【0022】 実施例2:MCI-727 のセクレチン分泌作用(ヒト) 健常男子ボランティア1群6名として実施した。一日あ
たり40 mg/人あるいは80 mg/人のMCI-727 を1 日1 回、
午前 9:00に経口投与し、7日間連続投与した。初日
(1日目) および最終日(7日目) に、投与前 30 分、
投与後 30, 60, 120, および 180分の各点で採血を行
い、遠心分離後血漿を採取し、測定まで -80℃で保存し
た。免疫活性セクレチンおよび免疫活性ガストリンは、
それぞれ特異的RIA 法にて測定した。
【0023】セクレチンの結果を図3および図4に示
す。MCI-727 40 mg 投与により、投与直後に初日に僅か
な増加傾向が認められ、7日目には有意な増加が認めら
れた(図3)。また、MCI-727 80 mg 投与により、初日
および7日目とも有意に著明なセクレチンの増加が認め
られた(図4)。ガストリンの結果を図5および図6に
示す。MCI-727 は 40 mg投与(図5) および80 mg 投与
(図6)のいずれの場合にも、ガストリン分泌に対して
影響を与えなかった。
【0024】実施例3:膵液分泌作用( ラット) 16時間絶食後の Wistar 系雄性ラット(体重 200〜250
g)を実験に用いた。ペントバルビタール麻酔下で開腹
し、幽門を結紮、膵管および胆管にカニューレーション
をした。実験は麻酔下で37〜38℃に保った保温マット上
で行った。膵液量は、内容量をキャリブレーションした
カニューレで60分ごとに測定し、さらに、重炭酸および
蛋白量の定量を行った。MCI-727 は 2.5 %アラビアガム
溶液に懸濁後pH6に調製し、25, 50, および 100 mg/kg
の用量で十二指腸に投与した。
【0025】さらに、セクレチン抗血清 (0.1 ml/ 体
重, i.v.) を MCI-727 100 mg/kgの投与前75分に投与し
た場合、および、CCK 拮抗薬である Loxiglumide (50 m
g/kg/hr, i.v.) をMCI-727 100 mg/kg の投与前 1.5 hr
から投与後 2.5 hr まで持続注入した場合について実
験を行った。膵液に対するMCI-727 の作用の結果を図7
および図8に示す。MCI-727 25〜100 mg/kg 投与によ
り、用量依存的な有意な膵液分泌の亢進が認められた
(図7、対照はビヒクル)。MCI-727 100 mg/kg の膵液
亢進の持続性を検討したところ、180 分以上にわたり、
有意な膵液亢進の持続性が認められた(図8) 。Loxigl
umide またはセクレチン抗血清処置後にMCI-727 を投与
した時の結果を図9に示す。MCI-727 100 mg/kg による
膵液の増加はセクレチン抗血清により完全に抑制された
が、CCK 拮抗薬Loxiglumide によっては影響を受けなか
った。
【0026】 実施例4:セルレイン膵炎に対する効果(ラット) 16時間絶食後の Wistar 系雄性ラット(体重 200〜250
g)を実験に用い、1群4-6 例で実施した。膵炎はセルレ
イン 20 μg /kg を 60 分おきに4回皮下投与後、3時
間放置することにより誘発した (Int. J. Pancreatol.,
2, pp.337-348, 1987) 。MCI-727 は、初回セルレイン
投与 30 分前に 100 mg/kgを経口投与した群 (pretreat
ment I) 、初回セルレイン投与 30 分前と 90 分後に 1
00 mg/kgを経口投与した群 (pretreatment II)、および
最終セルレイン投与直後に 100 mg/kgを投与した群 (po
st-treatment) の3 群に分けて行った。結果を表1およ
び表2に示す。
【0027】
【表1】 ─────────────────────────────────── 血清酵素活性 セルレイン投与後 ──────────────── 膵臓の湿重量 の経過時間 アミラーゼ リパーゼ (mg/g body wt ) ( ×103 SU/dl) ( ×103 IU/dl) ─────────────────────────────────── 0 hr 3.74±0.19 0.25±0.03 3.59±0.03 6 hr 対照 (処理なし) 45.35 ±0.66 8.84±1.11 8.89±0.30 pretreatment I 29.27±1.81* 7.74±0.09* 7.11±0.16* pretreatment II 21.60±0.81* 6.71±0.24* 6.11±0.60* posttreatment 34.68±1.97* 8.08±0.14* 7.81±0.25* ─────────────────────────────────── *:p<0 .05 vs. 対照
【表2】 ─────────────────────────────────── セルレイン投与後 膵臓の組織学的変化 の経過時間 ─────────────────────── 浮腫 空胞形成 炎症 ─────────────────────────────────── 0 hr 0 0 0 6 hr 対照( 処理なし) 3.40 ±0.25 3.40±0.24 3.20±0.20 pretreatment I 2.5 ±0.29* 2.25±0.25* 2.25±0.25* pretreatment II 2.00* 1.75±0.25* 1.75±0.25* posttreatment 3 ±0.41 2.75±0.25 2.75±0.25 ─────────────────────────────────── *:p<0 .05 vs. 対照
【0028】本発明の予防・治療剤であるMCI-727 は、
いずれの投与方法においてもセルレインで誘発された膵
炎を抑制した。特に、セルレイン処置後にMCI-727 を投
与した場合においても抑制効果を示したこと重要であ
る。MCI-727 は、ラットおよびヒトにおいて血漿中セク
レチンを増加させる作用を有しており、また、セクレチ
ンの持つ代表的な生理作用である膵液増加作用も有して
いた。このようなセクレチン増加は、明らかに生理活性
発現に十分な量であると認められた。
【0029】また、MCI-727 による膵液増加作用はセク
レチン抗血清の前処置で抑制されたが、CCK 拮抗薬では
影響を受けなかったことから、MCI-727 は内因性セクレ
チン分泌に特異的に作用しており、CCK には作用せずに
膵液分泌を促進していることが明らかである。膵液分泌
を促進する生体内因子としては、セクレチンとCCK の2
種が知られているが、セクレチンは膵炎に対し治療的に
働くのに対し、CCK は膵炎に対して悪化的に働くことが
知られている。従って、本発明の予防・治療剤の作用機
序は、各種の膵臓疾患の予防・治療に望ましいものであ
る。さらに、膵液分泌の持続性も十分に長く、外因的セ
クレチン療法に比べて極めて有用性が高いという特徴が
上記の実施例から明らかである。
【発明の効果】本発明の予防・治療剤は、内因性セクレ
チン分泌に特異的に作用し、血漿中セクレチンおよび膵
液を増加させる作用を有しており、慢性膵炎や急性膵炎
などの予防および/または治療に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ラットにおけるMCI-727 の経口投与量と血漿
中セクレチン濃度との関係を示す図である。
【図2】 ラットにおけるMCI-727 の経口投与量と血漿
中ガストリン濃度との関係を示す図である。
【図3】 ヒトにおけるMCI-727 (40 mg) 経口投与後の
血漿中セクレチン濃度の推移を示す図である。
【図4】 ヒトにおけるMCI-727 (80 mg) 経口投与後の
血漿中セクレチン濃度の推移を示す図である。
【図5】 ヒトにおけるMCI-727 (40 mg) 経口投与後の
血漿中ガストリン濃度の推移を示す図である。
【図6】 ヒトにおけるMCI-727 (80 mg) 経口投与後の
血漿中ガストリン濃度の推移を示す図である。
【図7】 ラットにおけるMCI-727 の十二指腸内投与量
と膵液量、膵液中重炭酸量、および膵液中蛋白量の関係
を示す図である。
【図8】 ラットにおけるMCI-727 (100 mg/kg) の十二
指腸内投与後の膵液量、膵液中重炭酸量、および膵液中
蛋白量の推移を示す図である。
【図9】 ラットにおいてセクレチン抗血清または Lox
iglumide処置後、MCI-727 100 mg/kg を十二指腸内投与
した際の膵液量および膵液中重炭酸量の変化を示した図
である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】さらに、セクレチン抗血清 (0.1 ml/ 体
重, i.v.) を MCI-727 100 mg/kgの投与前75分に投与し
た場合、および、CCK 拮抗薬である Loxiglumide (50 m
g/kg/hr, i.v.) をMCI-727 100 mg/kg の投与前 1.5 hr
から投与後 1.0 hr まで持続注入した場合について実
験を行った。膵液に対するMCI-727 の作用の結果を図7
および図8に示す。MCI-727 25〜100 mg/kg 投与によ
り、用量依存的な有意な膵液分泌の亢進が認められた
(図7、対照はビヒクル)。MCI-727 100 mg/kg の膵液
亢進の持続性を検討したところ、180 分以上にわたり、
有意な膵液亢進の持続性が認められた(図8) 。Loxigl
umide またはセクレチン抗血清処置後にMCI-727 を投与
した時の結果を図9に示す。MCI-727 100 mg/kg による
膵液の増加はセクレチン抗血清により完全に抑制された
が、CCK 拮抗薬Loxiglumide によっては影響を受けなか
った。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【表1】 ─────────────────────────────────── 血清酵素活性 セルレイン投与後 ──────────────── 膵臓の湿重量 の経過時間 アミラーゼ リパーゼ (mg/g body wt ) ( ×103 SU/dl) ( ×103 IU/dl) ─────────────────────────────────── 0 hr 3.74±0.19 0.25±0.03 3.59±0.03 6 hr 対照 (処理なし) 45.35 ±0.66 8.84±1.11 8.89±0.30 pretreatment I 29.27±1.81* 7.74±0.09* 7.11±0.16* pretreatment II 21.60±0.81* 6.71±0.24* 6.11±0.60* posttreatment 34.68±1.97* 8.08±0.14* 7.81±0.25* ─────────────────────────────────── *:p<0 .05 vs. 対照
【表2】 ─────────────────────────────────── セルレイン投与後 膵臓の組織学的変化 の経過時間 ─────────────────────── 浮腫 空胞形成 炎症 ─────────────────────────────────── 0 hr 0 0 0 6 hr 対照( 処理なし) 3.40 ±0.25 3.40±0.24 3.20±0.20 pretreatment I 2.50 ±0.29* 2.25±0.25* 2.25±0.25* pretreatment II 2.00 * 1.75±0.25* 1.75±0.25* posttreatment 3.00 ±0.41 2.75±0.25 2.75±0.25 ─────────────────────────────────── *:p<0 .05 vs. 対照
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 俊治 福岡県北九州市八幡西区千代ケ崎1−13− 22 千代ケ崎マンション209号 (72)発明者 白原 昶 福岡県北九州市八幡西区大浦1丁目13−5 (72)発明者 大槻 眞 福岡県北九州市若松区青葉台南3丁目2− 8 (72)発明者 竹内 正 東京都武蔵野市吉祥寺東町4−17−13 (72)発明者 川村 誠 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (Z)-2-(4- メチルピペラジン-1- イル)-
    1-[4-(2-フェニルエチル) フェニル]-エタノンオキシ
    ム、その水和物、またはそれらの生理学的に許容さえる
    塩を有効成分として含む膵疾患予防・治療剤。
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