JPH081197Y2 - 船舶フラップ舵のフラップ駆動機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、船舶フラップ舵に係り、詳しくは、主舵後
端に取り付けたフラップの駆動機構に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来、この種フラップ舵（補助舵）としては、フラッ
プ上端に固着したガイドの貫通孔にロッドを貫通横置
し、その前端が船体に固着のピボットに回動自在に軸受
結合した構成のものが知られている（例えば、実開昭62
-11099号マイクロフイルム参照）。又、フラップの揺動
ピストンをブッシュを介し、フラップ側部材に摺動自在
に固定したものも知られている（例えば、特表昭57-501
779号公報参照）。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の技術で述べたもののうち前者においては所謂、
西独のウイリー・ベッカー社開発（1960年）のフラップ
駆動機構の一形式を成すものであり、ロッドがフラップ
側部材にピストントランクを介し、単に貫通横置されて
いるに過ぎず、フラップが主舵に対し偏角を有する際、
フラップの軸回りにモーメントガ生じるのであるが、こ
のモーメントをフラップ駆動部材にスムーズに吸収する
ことが出来ず駆動部材の一部に片当たり現象が生じ、局
部的な磨耗が発生する等実用上の問題点を有していた。
又、後者においては、前者の問題点を解消するためロッ
ドをブッシュを介してガイドで支持させた構成としたも
であるが、ロッドを方形とし、その両側にフォーク状の
ガイドを配設し、両者間に半月状のブッシュを挟持させ
た構成であり、片当たり現象を解決するため駆動部材を
大きくしたり滑りブロック方式を採用したものの複雑で
重厚となる問題点を有していた。

本考案は、従来技術の有するこのような問題点に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、ピス
トントランクの両端部に穿孔した竪円孔に円柱形ブッシ
ュを挿入し、そのブッシュの横円孔にピストンを摺動自
在に軸受けするとともに、前記ピストン前端を船体に固
着したピボットに回動自在に軸受結合した船舶フラップ
舵のフラップ駆動機構を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案におけるフラップ
駆動機構は、フラップ舵上部に設けたピストントランク
の両端部に穿孔した竪円孔に円柱形ブッシュを挿入し、
このブッシュに設けた横円孔に摺動自在に軸受けされる
とともに、前記ピストン前端を船体に固着したピボット
に回動自在軸受結合したものである。

〔作用〕

船体の舵軸に回動自在に取り付けられた主舵の後端に
フラップ回転金具を介してフラップは、回動自在に取り
付けられる。舵の作動中、フラップの軸回りに発生する
モーメントは、ピストントランクの竪円孔に挿入された
円柱形ブッシュを介し揺動ピストンにトルク伝播され
る。

前記円柱形ブッシュは、竪円孔に緩く嵌合され、回動
自在とすることで揺動ピストンと円柱形ブッシュは常時
調心的になるよう相対位置関係が保持され、相互間に作
用し合う接触圧力が均等に保持される。

〔実施例〕

実施例について図面を参照して説明する。

第１図〜第４図において、主舵（３）は、舵軸（２）
に装着され、船体（１）に回動自在に取り付けられその
後端にフラップ回転金具（5A）（5B）を介しフラップ
（４）を取り付けて成り前記フラップ（４）上部に横置
固着した横長形状若しくは四角柱形状のピストントラン
ク（６）には揺動ピストン（７）を挿通する貫通孔
（８）が穿設され、更に両端部を穿孔して竪円孔（10
A）（10B）を設け、これに円柱形ブッシュ（9A）（9B）
を挿入する構成としてある。前記円柱形ブッシュ（9A）
（9B）は、竪円孔（10A）（10B）に緩く嵌合されるとと
もに、前記揺動ピストン（７）を軸受けする横円孔（11
A）（11B）が設けてある。

前記揺動ピストン（７）は、貫通孔（８）及び横円孔
（11A）（11B）に挿通され軸受けされて成り、その前端
を船体（１）に固着されたピボット（12）に回動自在に
軸受結合され成るものである。

尚、図中（13A）（13B）はオイルシール、（14A）（1
4B）は塞ぎ板であり、貫通孔（８）の前後端及び円柱形
ブッシュ（9A）（9B）の頂部に夫々装着されることでフ
ラップ駆動機構への海水の侵入を防止してなるものであ
る。

〔考案の効果〕

本考案は、上述の通り構成されているので次に記載す
る効果を奏する。

（１）円柱形ブッシュを竪円孔に緩く嵌合し回動自在と
したことで揺動ピストンと円柱形ブッシュの相対位置関
係を常時調心的に保持し、相互間に作用し合う触圧力が
均等となり、トルク伝播時の駆動部材間の片当たり現象
が解消され、馴染みの良い軸受けがえられる。

（２）円柱形ブッシュの構造が簡単であり点検、修理が
容易である他、コスト的にも安価である （３）オイルシール及び塞ぎ板の装着により海水の侵入
を容易に遮断でき、保守性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案機構を船体に取り付けてなる全体構造を示
す側面図、第２図はフラップ作動説明用平面図、第３図
は要部拡大側面図、第４図は第３図のＡ−Ａ断面図であ
る。 １……船体、２……舵軸、３……主舵 ４……フラップ、5A,5B……フラップ回転金具 ６……ピストントランク、７……揺動ピストン ８……貫通孔、9A,9B……円柱形ブッシュ 10A,10B……竪円孔 11A,11B……横円孔 12……ピボット、13A,13B……オイルシール 14A,14B……塞ぎ板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フラップ舵を主舵に回動自在に枢着した構
   成において、揺動ピストンは、フラップ舵上部に設けた
   ピストントランクの両端部に穿孔した竪円孔に円柱形ブ
   ッシュを挿入し、このブッシュに設けた横円孔に摺動自
   在に軸受されるとともに、前記ピストン前端を船体に固
   着したピボットに回動自在に軸受結合したことを特徴と
   する船舶フラップ舵のフラップ駆動機構。