JPH08119771A - 圧電複合材料 - Google Patents

圧電複合材料

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JPH08119771A
JPH08119771A JP6289304A JP28930494A JPH08119771A JP H08119771 A JPH08119771 A JP H08119771A JP 6289304 A JP6289304 A JP 6289304A JP 28930494 A JP28930494 A JP 28930494A JP H08119771 A JPH08119771 A JP H08119771A
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JP
Japan
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resin
piezoelectric
porosity
composite material
pores
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JP6289304A
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Katsuyoshi Ina
克芳 伊奈
Seiji Omura
大村  誠司
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Publication date
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/46Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with organic materials
    • C04B41/48Macromolecular compounds

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Abstract

(57)【要約】 【構成】気孔径が0.05〜5mm、且つ、気孔率が5
0〜85%の球状連通気孔を有する多孔質圧電性セラミ
ックス、及び、その連通気孔部が樹脂で置換された形状
の圧電複合材料、並びに、気孔径が0.05〜5mm、
且つ、気孔率が50〜85%の球状連通気孔を有する多
孔質圧電性セラミックスを準備し、その連通気孔部に液
状の樹脂を浸透させ、そのままの状態で液状樹脂を硬化
させることを特徴とする圧電複合材料の製造方法。 【効果】本発明により、音響インピ−ダンスが生体や水
の音響インピ−ダンスと同等レベルまで低減され、且つ
分極処理が容易な圧電複合材料が提供できる。又、この
材料は、本発明の製造方法により製造することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用診断装置や魚群
探知機或いはソナー等に用いる圧電複合材料及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、生体や水を対象とした医療用
診断装置や魚群探知機或いはソナー等の圧電性セラミッ
クス素子材料として、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミッ
クスをはじめとする種々の圧電性セラミックス材料が使
用されている。しかし、これらの材料は音響インピーダ
ンスが約30×106kg/m2S であり、生体や水の音響イ
ンピーダンス(約1.5×106kg/m2S )に比べると著
しく高いため、水中を伝わる音波が素子界面で反射し、
送受信に支障をきたすという問題がある。そのため、圧
電性セラミックスと樹脂を複合化することにより音響イ
ンピーダンスを低減させ、生体や水との整合性をとるこ
とが行われている。
【0003】圧電性セラミックスと樹脂を複合化する方
法としては、圧電性セラミック粒子と液状の樹脂を混練
し、その後樹脂を硬化さるのが一般的である。しかしな
がら、この複合材料では、圧電性セラミックス粒子同志
が完全に接触されているとは言い難く、そのため分極処
理が不十分となり易く、圧電性能を十分に引き出せない
場合が多い。
【0004】多孔質圧電性セラミックスの気孔部に樹脂
を浸透させた圧電複合材料も報告されているが、現在ま
でに報告されている多孔質圧電材料の気孔率は高々40
%程度であり、更に閉気孔を多分に含んでいるため、気
孔部を樹脂が完全に置換せず、複合化が不十分である。
一方、発砲ウレタンフォームを用いて製造した高気孔率
の多孔質圧電材料も提案されている。しかし、気孔率の
増加とともにその機械的強度は大きく低下する。
【0005】従って、従来の多孔質圧電性セラミックス
を用いて複合化する場合、閉気孔を多く含んだため樹脂
が気孔部を浸透せず、又、高気孔率の多孔質圧電体であ
ってもその骨格強度が低いため樹脂のと複合化は困難で
ある。つまり、圧電性セラミックスと樹脂との複合材料
として満足いくものは未だ開発されていないのが現状で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】本発明者は上記の問
題に鑑み、鋭意研究を続けた結果本発明を完成したもの
であって、その目的とするところは、生体や水の音響イ
ンピーダンスと同等レベルの音響インピーダンスを有
し、且つ、分極処理が容易で、更に十分な機械的強度を
有する多孔質圧電性セラミックスを用いた圧電複合材料
及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【問題点を解決するための手段】上述の目的の材料は、
気孔径が0.05〜5mm、且つ、気孔率が50〜85
%の球状連通気孔を有する多孔質圧電性セラミックス、
及び、その連通気孔部が樹脂で置換された形状の圧電複
合材料により達成され、上述の材料の製造方法は、気孔
径が0.05〜5mm、且つ、気孔率が50〜85%の
球状連通気孔を有する多孔質圧電性セラミックスを準備
し、その連通気孔部に液状の樹脂を浸透させ、そのまま
の状態で液状樹脂を硬化させることを特徴とする圧電複
合材料の製造方法により達成される。
【0008】本発明において重要なことは、圧電材料が
完全に接続された状態で樹脂と複合化されているため、
従来の複合材料では満足に実施できなかった分極が容易
に実施できる材料及びその製造方法を提供できたことに
ある。更に、圧電性セラミックスが球状気孔を有する多
孔質であるため、機械的強度は高く、且つ、連通気孔を
有するため気孔部を完全に樹脂で置換できた。
【0009】以下本発明では、連通気孔を開気孔、連通
でない単独の気孔を閉気孔とも表記する。尚、開気孔、
閉気孔の区別は含水状態の重量増加量(開気孔部の体積
に相当)で測定できる。
【0010】本発明の骨格部を成す多孔質圧電性セラミ
ックスの気孔形状は球状である。球状気孔とすることに
よって高気孔率を達成できた。球状気孔としない場合、
機械的強度は低くなり、その結果、小さな衝撃力でさえ
素子自体が破損する危険性がある。
【0011】本発明において気孔径は0.05〜5mm
である。球状気孔とすることにより、気孔率を高くでき
る。0.05mm未満の気孔径は製法上、その製造が困
難である。一方、気孔径が5mmを越えると得られる素
子の機械的強度は低下し、実用に耐えない。
【0012】本発明の材料の気孔率は50〜85%であ
る。気孔率が50%未満では音響インピーダンスの低減
が不十分である。一方、気孔率が85%を越えると機械
的強度が低下し、実用に耐えない。
【0013】本発明の材料の骨格部を形成する多孔質圧
電セラミックスは、連通気孔を有する。連通気孔とする
ことによりその気孔部を樹脂で置換でき、完全に複合化
できる。連通気効率(開気孔率)は95%以上、換言す
れば、閉気孔率が5%未満であるのが好ましい。
【0014】これら気孔径及び気孔率は、複合される樹
脂の粘性、誘電率、弾性率、剛性率、音速、その他圧電
性能等を鑑み、最終製品である本発明の圧電複合材料の
各物性値が所望の値となるよう適宜決定する。
【0015】本発明の圧電性セラミックスの素材として
は、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、チタン酸ジルコン酸
鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、チタン酸バリウム、ニオ
ブ酸コバルト、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム
等が挙げられる。これらの内キュリー温度が高く、圧電
性の高いチタン酸ジルコン酸鉛が特に好ましい。
【0016】本発明の多孔質圧電性セラミックスの開気
孔部は樹脂によって埋められた形態をとる。開気孔のほ
とんど部分は樹脂によって埋められ、気泡(樹脂で埋め
られず空気が残存する部分)はできるかぎり排除するの
が好ましい。
【0017】樹脂としては、シリコーン、エポキシ、パ
ラフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル、
スチレン、メラミン、フェノ−ル等の強誘電性を示さな
い樹脂、或いは、PVDF、VDF−TrFE共重合
体、VDF−TeFe共重合体、DVCN−VAc共重
合体等の強誘電性を示す樹脂が挙げられる。これらの
内、触媒等の添加により容易に重合の開始をコントロー
ルできるエポキシ、シリコーン、アクリル等の樹脂が好
ましい。
【0018】本発明の圧電複合材料の物性は、骨格を成
す多孔質圧電性セラミックスの材質及び気孔率、及び、
複合化する樹脂の材質によって一義的に決定される。従
って所望の特性は従来報告されている圧電複合材料の設
計指針に従い自由に設定できる。
【0019】以下、本発明の材料の製造方法について記
述する。先ず、多孔質圧電性セラミックスを作製する。
多孔質圧電性セラミックスは、従来報告されている公知
のセラミックス多孔質体の製造方法で作製できるが、例
えば特願平6−54223号公報に示されるように気孔
形成材である発泡したポリスチロール球と、硬化型樹脂
を含有する圧電性セラミックス粉体の水性スラリーを混
合し、その後前記混合物を硬化せしめ、次いで焼成する
ことによって製造するのが好ましい。
【0020】具体的には、少なくとも圧電性セラミック
ス粉体、硬化型樹脂、及び水からなる水性スラリーを用
意し、このスラリーと所望の気孔径を有する発泡したポ
リスチロール球及び硬化剤を混合後、硬化型樹脂を硬化
せしめ、次いで乾燥、脱脂、焼成工程を経て、多孔質圧
電性セラミックス体を作製するのが好ましい。
【0021】圧電性セラミックス粉体としては、前記の
通常使用されている圧電性セラミックス材料の粉体であ
るならば如何なるものを使用してもよい。圧電性セラミ
ックス粉体の粒径は、水との混合によりスラリー化しや
すい大きさのものを用いるのが好ましい。具体的には、
0.1〜10μmの中心粒子径をもった粉体が好まし
い。0.1μm未満では、スラリーに必要な水の量が多
くなり、又、その粘度が高くなりすぎるため、その使用
に際し支障をきたす等、作業上の問題があり、好ましく
ない。一方、10μmを越えた場合、スラリー中に粉体
が沈澱し、均一に分散できない、或いは焼結性に劣るな
どの問題が生じるため、好ましくない。
【0022】気孔形成材としては、発泡したポリスチロ
ール球を使用するのが好ましい。発泡したポリスチロー
ル球は、その体積に比して少量の有機物で構成されてい
るため、脱脂が他の有機物に比べスムーズに実行できる
という利点がある。発泡したスチロール球は、ポリスチ
レン球中にブタン等の発泡ガスを含有せしめたビーズを
例えば100〜140℃の蒸気中若しくは加温器で3分
〜20時間処理することにより製造するが、その際の発
泡倍率は、好ましくは5倍以上である。発泡倍率が少な
すぎる場合、脱脂が困難となり、又、空隙率を高くでき
ない。本発明において、発泡したポリスチロール球を以
下単に、発泡スチロール球と記す。
【0023】発泡スチロール球は、気孔形成材として使
用されるため、最終製品である素子には残存せず、全て
製造工程中に除去される。除去方法としては、発泡スチ
ロール球を溶解する溶剤を用いる方法や、熱処理によっ
て発泡スチロール球を焼却する方法等が挙げられるが、
本発明の多孔質圧電性セラミックス素子を製造するに
は、30〜60℃で発泡スチロール球を少量溶解するパ
ラフィン系溶剤を予め発泡スチロール球表面にコーティ
ングし、30〜60℃で処理し該発泡スチロール球を少
量溶解し、後述する脱脂工程で完全に焼却除去するのが
好ましい。
【0024】発泡スチロール球は、上記のようにポリス
チレン球中にブタン等の発泡ガスを含有せしめたビーズ
を例えば100〜140℃の蒸気中若しくは加温器で3
分〜20時間処理することにより製造する。この発泡処
理は、完全に発泡ガスが除去されるまで実施するのが好
ましい。発泡ガスが残存している場合、その後成形体を
乾燥させる等の加熱処理の段階で更にスチロール球が膨
張し、成形体骨格を傷めるのが危惧される。具体的に
は、100〜140℃の加熱処理によって発泡させる
が、その処理時間の経過と共にポリスチレンは一旦大き
く発泡し、発泡ガスが完全に除去された後、ポリスチレ
ンの発泡は止まり、その後徐々に収縮する。従って収縮
段階に至ったのを確認した上で発泡処理を終了し、その
スチロール球を使用するのが好ましい。
【0025】発泡スチロール球は、次いでスラリーと混
合され一体となり、30〜60℃型枠内で硬化するが、
その時、発泡スチロール球に応力が働く。この応力が架
かった状態で型枠から成形体を取り出すと成形体の骨格
を傷める。そこでその応力を緩和するため、前述したよ
うに30〜60℃の型枠内での硬化状態で発泡スチロー
ル球が溶解するよう発泡スチロール球の表面に予めパラ
フィン系の溶剤をコーティングさせるのが好ましい。パ
ラフィン系の溶媒をコーティングすることにより発泡ス
チロール球は、30〜60℃の比較的低温で溶解を開始
する。
【0026】発泡スチロール球の粒径は、ポリスチレン
球の大きさ、発泡ガスの含有量及び発泡条件により所望
の粒径に適宜制御することができる。又、前述したよう
に発泡ガスが完全に除去されたのちに継続して100〜
140℃で加温処理を施すとスチロール球は徐々に収縮
するのを利用し、所望の粒径を得ることもできる。尚、
発泡スチロール球の粒径は、最終製品の気孔径を決定す
るので、所望の気孔径を得るために、分級等して、予め
粒径をそろえるのが好ましい。又、焼成に伴い、素子が
焼成収縮するために、予め焼成収縮率を考慮し、この粒
径を適宜選択するのが好ましい。
【0027】水性スラリーは、少なくとも前記の圧電性
セラミックス材料粉体、硬化型樹脂及び分散媒体である
水より成り、必要に応じて圧電性セラミックス粉体を効
率よく安定に分散させるための解膠剤、スラリーの作業
性を好適にするための粘性調整剤、エチレングリコール
やポリエチレングリコール等の乾燥速度調整剤、気泡性
を低減するための抑泡剤や消泡剤、pH調整剤等を含有
せしめることができる。圧電性セラミックス粉体のスラ
リーの調整は常法に従い、ボールミルやアトライター等
の分散装置を用いることにより作製される。
【0028】硬化型樹脂は、圧電性セラミックス粉体を
含有するスラリー中にあって、硬化剤の添加と共にその
硬化作用により骨格強度を高める。硬化型樹脂として
は、反応により三次元状網目結合を形成する架橋反応型
樹脂が好ましい。具体的にはアクリル、酢酸ビニル等の
ビニル系樹脂や、エポキシ、フェノール、尿素、メラミ
ン、ウレタン等の可溶型又は分散型の樹脂等がある。こ
れらのうち、解膠剤が有効に作用するアルカリ性領域で
架橋反応が起きる水溶性のエポキシ樹脂が好ましい。
【0029】硬化型樹脂の含有量は、圧電性セラミック
ス粉体100重量部に対し、1〜20重量部、好ましく
は3〜10重量部である。樹脂の含有量が少なすぎる場
合、硬化後の成形体の強度が小さくなり、一方、その含
有量が多すぎる場合、この樹脂分の脱脂が困難となり、
結果として何れの場合も最終製品の強度が小さくなる。
【0030】圧電性セラミックス粉体の水性スラリーと
発泡スチロール球との混合は、単に発泡スチロール球と
スラリーを容器内で撹はんして混合した後、型枠内に注
入する、或いは予め容器内に発泡スチロール球を充填
し、その空隙内にスラリーを流し込む等様々な方法があ
る。
【0031】硬化反応により骨格強度を高め、十分乾燥
させた成形体は、次いで脱脂、焼成する。脱脂及び焼成
は常法により実施される。脱脂工程は比較的穏やかな昇
温速度で500〜600℃迄昇温する事により、バイン
ダ−、発泡スチロール球等の有機物を除去する。この
際、新鮮な空気を炉内に流し、これを促進することもで
きる。焼成において、鉛等の高温にて蒸発を伴う圧電性
セラミックスを使用する場合、これを補うため密閉した
容器中で、或いは、蒸発物質を発生する粉体中に埋め、
所定の温度(通常1200〜1350℃)にて焼成する
のが好ましい。このようにして多孔質圧電性セラミック
ス体は作製できる。
【0032】次いで液状の樹脂を前記多孔質圧電性セラ
ミックスの気孔部に浸透させ、気孔部を樹脂で置換す
る。液状の樹脂の粘度は低いほうが好ましい。具体的に
は、B型粘度計、回転速度6rpmにて2000cps
以下の粘度であるのが好ましい。液状の樹脂でないと或
いは粘度が高すぎると気孔、特に気孔細部に樹脂が浸透
しない。
【0033】本発明において液状の樹脂としては、樹脂
の融点以上に加熱され溶融状態にある樹脂、低分子量の
モノマー状態にある樹脂、溶媒中に溶解またはエマルジ
ョン化された状態にある樹脂、等が挙げられる。これら
液状の樹脂は、その後の処置によって硬化させられる。
そして本発明の圧電複合体が作製できる。
【0034】例えば、溶融状態にある樹脂ならば温度を
下げることによって硬化する。具体的には、パラフィ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
又、モノマー状態にある樹脂ならば、重合触媒添加、紫
外線照射等により重合反応を促進させ、高分子化し、硬
化させる。具体的には、エポキシ、シリコーン、アクリ
ル等が挙げれるる。又、溶媒中に溶解またはエマルジョ
ン化された樹脂ならば溶媒を除去することにより硬化で
きる。これらの内、多孔質セラミックス体と強固に複合
化させるためエポキシ、シリコ−ン、アクリル等を触媒
等の添加により重合を開始をコントロールし、硬化させ
る方法が好ましい。
【0035】気孔部への樹脂置換に際し、圧力を調整し
たり、あるいは温度を調整したりして効果的に樹脂が気
孔部に浸透させるのが好ましい。作製した圧電複合材料
は、次いで所望の形状に加工し、電極を設置し、分極処
理を施すことによって圧電材料の素子として使用でき
る。
【0036】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【実施例】
実施例1 先ず、多孔質圧電性セラミックスを作製する。本実施例
では材質としてチタン酸ジルコン酸鉛(以下PZTと表
記)を用いた。各種品番の発泡スチロール原料(エスレ
ンビーズ、積水化成品工業(株)製)を105℃で10
分間発泡した。次いで、発泡スチロ−ル球(発泡倍率1
0倍)に流動パラフィン(和光試薬)を表面にコーティ
ングした。次いで、50×100×100mm寸法のポ
リプロピレン製メス型容器に振動充填した後、中央に注
入口を有するオス型にて、40×100×100mm寸
法に圧縮して発泡スチロール成形体を用意した。
【0037】次いで、以下に示す組成の圧電性セラミッ
クス粉体のスラリーをボールミルを用いて作製した。 〔スラリー組成〕 PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)粉末 100重量部 (PE-650 富士チタン工業(株)製) 架橋反応型水溶性エポキシ樹脂 8重量部 (EX-321 長瀬化成(株)製) 水 18重量部 分散剤(ホ゜リカルホ゛ン酸アンモニウム塩) 1重量部 硬化剤(トリエチレンテトラミン ) 1重量部・・・・後から混合
【0038】尚、硬化剤は、ボールミル混合した後スラ
リーを5℃以下に冷やした状態で混合した。作成したス
ラリーを予め用意した発泡スチロール成形体の上部注入
口より素早く注入した。その後、50℃で3時間硬化さ
せ、成形体を型枠から取り出し、温度70℃湿度90%
で10時間、温度90℃湿度90%で10時間、温度1
10℃湿度80%で20時間放置し、成形体を得た。得
られた成形体は充分乾燥しており、又、発泡スチロール
も充分収縮しており骨格を傷めていないことを確認し
た。次いで、1230℃で2時間焼成し多孔質圧電性セ
ラミックス焼成体を得た。焼成時の昇温速度は、脱脂を
伴う400℃までを1℃/minとし、その後を3℃/
minとした。
【0039】このようにして発泡スチロールの直径及び
混合量を変化させ、表1に示すように各種の気孔率、気
孔径を有する多孔質圧電性セラミックス体を作製した。
尚、得られた多孔質圧電性セラミックス素子の気孔率、
気孔径、開気孔率及び曲げ強度を以下に示す方法によっ
て測定した。又、比較のため、従来提案されている多孔
質体に関しても同一粉末を使用して試作し、それらの性
能も測定した。
【0040】〔気孔率〕下記の式に基づき、焼結体の気
孔率を算出した。 気孔率=(1−ρ/ρt )×100(%) ρ:焼結体のかさ密度(kg/m3 ) ρt :用いたセラミックスの理論密度(kg/m3 ) 〔気孔径〕光学顕微鏡にて観察した。 〔開気孔率〕 開気孔率=(開気孔体積/気孔体積) 〔曲げ強度〕6×8×50mm寸法に試験片を切り出
し、クロスヘッドスピード0.5mm/min、スパン
40mmの条件で、三点曲げ強度を測定した。
【0041】次いで、架橋反応型水溶性エポキシ樹脂
(EX-321 長瀬化成(株)製)100重量部及びトリエ
チレンテトラミン15重量部を5℃以下に冷却した状態
で混合し、未硬化の液状樹脂を調製した。その際樹脂の
粘度は、回転速度6rpmで400cpsであった。調
製した液状樹脂は、先に作製した多孔質圧電性セラミッ
クス体と排気鐘内で混合し、排気しながら気孔部の空気
を効果的に追い出し、気孔部を樹脂で置換した。排気を
終えたのち室温にて24時間放置し、樹脂を完全に硬化
させ本発明の圧電複合材料を得た。得られた圧電複合材
料の音響インピーダンスを以下に示す方法によって測定
した。
【0042】〔音響インピーダンス〕6×6×15mm
寸法に試験片を切り出し、対向する面に銀電極を塗布し
た。これを120℃のシリコンオイル中で1〜2kv/
mmで1時間分極処理を行い、多孔質圧電性セラミック
ス素子を作製した。この素子を用いて共振周波数を測定
し、以下の式に基づき、音響インピーダンスを算出し
た。 音響インピーダンス=2×l×fr ×ρ l:振動の伝搬方向の長さ(m) fr :共振周波数(Hz) ρ:焼結体のかさ密度(kg/m3
【0043】以上の結果を表1に示す。
【表1】 ※印は比較例 11※:比較例 ウレタンフォ−ムを利用し、作製した多孔質圧電性セラミック ス素子 12※:比較例 棒状の圧電性セラミックスを三次元的に組み上げて作製した多 孔質圧電性セラミックス素子 表1の結果より、気孔径の適正範囲は、0.05〜5m
m気孔率の適正範囲は、50〜85%である。又、連通
球状気孔であることが肝要であった。
【0044】比較例 実施例1と同一の樹脂及びPZT粉体を用いて、体積比
70:30の割合で単純に混合し、硬化させ、PZTと
エポキシ樹脂の複合体を作製した。作製した複合体を実
施例1と同様に6×6×15mm寸法に切り出し、電極
を設置し、分極処理を試みた。しかしながら、PZT粉
末が接触していないためか、分極が不十分であり、ソナ
ー等の素子として好ましくないことが判明した。
【0045】実施例2 表2に示すように各種の粘度を有する樹脂用いて実施例
1のNo4と同一条件で圧電複合材料を作製し、多孔質
圧電性セラミックス体と樹脂との複合化状態を調査し
た。樹脂の粘度及び樹脂との複合化状態は以下に示す方
法によって測定した。
【0046】〔粘度〕B型粘度計(東京計器(株)製)
を用いて回転速度6rpmの条件で測定した。 〔複合化状態〕 ×:樹脂はほとんど浸透しない。 ○:気孔細部にまで樹脂は浸透していない。 ◎:気孔細部まで樹脂は完全に浸透している。
【0047】
【表2】 表中でNo13,No14はシリコーン系、No15,
No16はアクリル系の樹脂である。
【0048】
【発明の効果】本発明により、音響インピ−ダンスが生
体や水の音響インピ−ダンスと同等レベルまで低減さ
れ、且つ分極処理が容易な圧電複合材料が提供できる。
又、この材料は、本発明の製造方法により製造すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 41/193

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気孔径が0.05〜5mm、且つ、気孔
    率が50〜85%の球状連通気孔を有する多孔質圧電性
    セラミックス、及び、その連通気孔部が樹脂で置換され
    た形状の圧電複合材料。
  2. 【請求項2】 気孔径が0.05〜5mm、且つ、気孔
    率が50〜85%の球状連通気孔を有する多孔質圧電性
    セラミックスを準備し、その連通気孔部に液状の樹脂を
    浸透させ、そのままの状態で液状樹脂を硬化させること
    を特徴とする圧電複合材料の製造方法。
JP6289304A 1994-10-27 1994-10-27 圧電複合材料 Pending JPH08119771A (ja)

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