JPH08119718A - 炭素含有耐火物の製造方法 - Google Patents

炭素含有耐火物の製造方法

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JPH08119718A
JPH08119718A JP7181939A JP18193995A JPH08119718A JP H08119718 A JPH08119718 A JP H08119718A JP 7181939 A JP7181939 A JP 7181939A JP 18193995 A JP18193995 A JP 18193995A JP H08119718 A JPH08119718 A JP H08119718A
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carbon
refractory
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ratio
examples
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JP7181939A
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English (en)
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Kazuo Ito
和男 伊藤
Shigeki Niwa
茂樹 丹羽
Tetsuo Fushimi
哲郎 伏見
Hisahiro Indo
寿浩 印藤
Hiroshi Otsuka
大塚  博
Koji Saito
幸治 斎藤
Tamotsu Wakita
保 脇田
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Coorstek KK
Original Assignee
Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 耐火性無機材料の1種もしくは2種以上から
なる骨材に、熱硬化性樹脂と、水素原子数(H)と炭素
原子数(C)の比(H/C)が0.3以上、0.8以
下、あるいは酸素原子数(O)と炭素原子数(C)の比
(O/C)が0.005以上、0.1以下のピッチ類と
を添加し、混練してから所定形状に成形する。得られた
成形体を500゜C以上、1400゜C以下の還元性雰
囲気で焼成する。 【効果】耐食性および耐酸化性が向上し、また常温で十
分な曲げ強度を持つと共に高温になってもその曲げ強度
が低下しにくい炭素含有耐火物が得られる。製造される
炭素含有耐火物の実用寿命が長くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種製鋼炉などに使
用される炭素含有耐火物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、炭素含有耐火物としては、マグネ
シア−カーボン系、アルミナ−カーボン系などの種々の
耐火物が知られている。マグネシア−カーボン系の炭素
含有耐火物は、製鋼工程における転炉用内張材などに用
いられている。アルミナ−カーボン系の炭素含有耐火物
は、取鍋、タンディシュなどの溶融金属容器の底部に取
り付けられるスライドゲート、ロングノズル、浸漬ノズ
ルなどに用いられている。
【0003】これら炭素含有耐火物は従来、次のような
方法で製造されている。まず、耐火性無機材料の1種も
しくは2種以上からなる骨材粉末に、結合剤としての熱
硬化性樹脂を添加し、原料粉末を生成する。次に、こう
して得られた原料粉末を混練した後、所定形状に成形す
る。その後、この成形体を1000゜C程度の還元性雰
囲気下で焼成し、所望の炭素含有耐火物を得る。結合剤
としての熱硬化性樹脂には、フェノール樹脂が用いられ
ることが多い。
【0004】この方法では、前記成形体を焼成・炭化し
た時に生成される、熱硬化性樹脂(結合剤)と耐火性無
機材料(骨材)との結合部分が非常に薄くなるため、溶
鋼などに対する十分な耐食性、機械的強度などが得られ
ないという問題がある。そこで、従来より、ピッチなど
を熱硬化性樹脂または骨材に適宜添加してそれら特性を
改善する対策がとられている。
【0005】なお、用途によっては、特性改善のために
ピッチの添加あるいはタール含浸を成形体の焼成後に施
すこともある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の炭素含有耐
火物の製造方法では、必ずしも満足できる特性が得られ
ていないという問題がある。
【0007】そこで発明者は、添加するピッチなどにつ
いて鋭意研究をした結果、添加するピッチ類の持つ炭素
原子数(C)に対する水素原子数(H)の比(H/C)
または炭素原子数(C)に対する酸素原子数(O)の比
(O/C)を特定し、さらにピッチ類の添加量や焼成温
度などを特定することにより、炭素含有耐火物の耐食性
などの特性を改善できることを見出し、この発明をなす
に至ったものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1) この発明の第1の炭素含有耐火物の製造方法
は、骨材としての耐火性無機材料に、熱硬化性樹脂と、
炭素原子数(C)に対する水素原子数(H)の比(H/
C)が0.3以上、0.8以下のピッチ類とを添加して
耐火物原料を生成する工程と、前記耐火物原料を混練し
た後、所定形状に成形して成形体を得る工程と、前記成
形体を500゜C以上、1400゜C以下の焼成温度
で、還元性雰囲気下で焼成する工程とを備えてなること
を特徴とする。
【0009】前記ピッチ類の炭素原子数(C)に対する
水素原子数(H)の比(H/C)は、0.3以上、0.
6以下とするのが好ましい。
【0010】一般に、炭素含有耐火物を使用する場合、
使用温度がその耐火物の焼成温度より上昇すると、その
炭素含有耐火物に含まれているピッチ類の芳香環に付随
する水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などは、
その芳香環に付随する炭素原子との結合手が切れて揮散
する。ピッチは一般に芳香族性に富むが、比(H/C)
が0.3未満であると、ピッチの芳香環に付随する炭素
原子数に対してその芳香環に付随する水素原子数が相対
的に少なくなるため、前記の揮散量が低下する。このた
め、溶鋼に対する耐食性および耐酸化性を低下させてし
まうからである。
【0011】他方、比(H/C)が0.8を越えると、
焼成工程で揮発する成分が多くなるため、焼成後の成形
体に気孔が多く生じる、すなわち焼成後の成形体の気孔
率が増加する。気孔のある部分は溶鋼による浸食の拠点
となるので、耐食性が低下するからである。
【0012】比(H/C)が0.3以上、0.6以下で
あれば、溶鋼などに対する十分な耐食性および耐酸化性
が得られ、さらに高温下での耐食性の低下も少ないの
で、好ましい。
【0013】(2) この発明の第2の炭素含有耐火物
の製造方法は、骨材としての耐火性無機材料に、熱硬化
性樹脂と、炭素原子数(C)に対する酸素原子数(O)
の比(O/C)が0.005以上、0.1以下のピッチ
類とを添加して耐火物原料を生成する工程と、前記耐火
物原料を混練した後、所定形状に成形して成形体を得る
工程と、前記成形体を500゜C以上、1400゜C以
下の焼成温度で、還元性雰囲気下で焼成する工程とを備
えてなることを特徴とする。
【0014】前記ピッチ類の炭素原子数(C)に対する
酸素原子数(O)の比(O/C)は、0.005以上、
0.08以下とするのが好ましい。
【0015】比(O/C)が0.005未満であると、
ピッチ類の芳香環に付随する炭素原子数に対してその芳
香環に付随する酸素原子数が相対的に少なくなるため、
前記の揮散量が低下し、その結果、溶鋼に対する耐食性
および耐酸化性を低下させてしまうからである。
【0016】他方、比(O/C)が0.1を越えると、
焼成工程で揮発する成分が多くなるため、焼成後の成形
体の気孔率が増加し、耐食性が低下するからである。
【0017】比(O/C)が0.005以上、0.08
以下であれば、溶鋼などに対する十分な耐食性および耐
酸化性が得られ、さらに耐食性の低下も少ないので、好
ましい。
【0018】(3) (H/C)の算出は、例えば次の
ようにして行なう。まず、燃焼法にてピッチ類の元素分
析を行なう。その結果、各元素の含有量が例えばC=9
0%、H=5%、N=2%、残部=3%であったとする
と、 原子数比(H/C)= (水素の含有量/炭素の含有量)×(炭素の分子量/水素の分子量) =(5/90)×(12.01/1.01) =0.66 となる。◆比(O/C)の算出もこれと同様にして行な
う。
【0019】(4) この発明の第1および第2の炭素
含有耐火物の製造方法において、骨材としての前記耐火
性無機材料に添加する前記ピッチ類の量は、前記耐火性
無機材料と前記ピッチ類の合計重量の15wt%以下と
するのが好ましい。15wt%を越えると、燃焼時に揮
散する量が多くなり、燃焼後の気孔率が増加するからで
ある。
【0020】また、前記ピッチ類の量は、前記耐火性無
機材料と前記ピッチ類の合計重量の10wt%以下とす
るのがより好ましい。10wt%を越えると耐食性が低
下する傾向にあるからである。
【0021】さらに、前記ピッチ類の量は、前記熱硬化
性樹脂の重量比(wt%)の3倍以下とするのが好まし
い。前記ピッチ類の量が3倍を越えると、熱硬化性樹脂
がそのピッチ類に吸収されるため、結合剤として作用す
る熱硬化性樹脂の実質的な量が減少して前記耐火性無機
材料の表面を十分覆うことができなくなり、その結果、
前記成形体の強度が不足するからである。
【0022】前記ピッチ類の量は、前記熱硬化性樹脂の
重量比(wt%)の1倍以下とするのがより好ましい。
前記ピッチに吸収される熱硬化性樹脂が少なくなり、よ
り成形体強度が向上するからである。
【0023】ここで、前記熱硬化性樹脂の重量比(wt
%)としては、前記耐火性無機材料とピッチ類の合計重
量に対して前記熱硬化性樹脂の重量を外配で計算した値
(wt%)を使用する。
【0024】(5) この発明の第1および第2の炭素
含有耐火物の製造方法において、添加する前記熱硬化性
樹脂の量は、使用する前記耐火性無機材料、ピッチ類あ
るいは熱硬化性樹脂の種類に応じて任意に調整すればよ
いが、前記耐火性無機材料とピッチ類の合計重量に対し
て外配で1wt%以上、8wt%以下にするのが好まし
い。外配で1wt%未満であれば、成形体の強度が低下
するためであり、外配で8wt%を越えると、成形時に
成形体内部に亀裂が発生し、また焼成時に揮散する量が
多くなり爆裂することがあるためである。
【0025】また、前記熱硬化性樹脂の量は、前記耐火
性無機材料とピッチ類の合計重量に対して外配で2wt
%以上、6wt%以下にするのがより好ましい。外配で
2wt%未満であれば、成形体の強度が低下する傾向が
あり、外配で6wt%を越えると、成形体内部に亀裂が
発生する割合が多くなるためである。
【0026】(6) この発明の第1および第2の炭素
含有耐火物の製造方法において、焼成温度は500゜C
以上、1400゜C以下とする。500゜C未満では、
焼成工程でピッチ類が完全に炭化しないため、当該炭素
含有耐火物の使用時に発煙するなどの問題が生ずるから
である。
【0027】他方、1400゜Cを越えると、焼成後の
成形体内に残存するピッチ類の芳香環に付随する水素原
子などの量が少なくなるため、当該炭素含有耐火物を使
用する際に、前記ピッチ類の芳香環に付随する水素原子
などの結合手を切断する量が少なくなる。その結果、溶
鋼などに対する耐食性および耐酸化性を向上させること
ができなくなるからである。
【0028】また、焼成温度は800゜C以上、130
0゜C以下とするのが好ましい。800゜C以上、13
00゜C以下であれば、当該炭素含有耐火物の使用時の
問題が生じる恐れがなく、また溶鋼などに対する耐食性
および耐酸化性の向上効果も十分であるからである。
【0029】焼成により、前記成形体中の前記熱硬化性
樹脂およびピッチ類が炭化される。こうして炭素含有耐
火物が得られる。
【0030】(7) この発明の第1および第2の炭素
含有耐火物の製造方法において、前記耐火性無機材料と
しては任意のものを使用できるが、例えば、電融ZrO
2系材料、焼結Al23材料、合成ムライト、各種粘土
鉱物、溶融シリカ、ジルコニアサンド、安定ジルコニ
ア、ジルコニアムライト、アルミナジルコニア、珪石お
よび炭化珪素などが好ましい。
【0031】前記耐火性無機材料は、それらの1種だけ
をそのまま用いてもよいし、2種以上を混合して用いて
もよい。
【0032】前記熱硬化性樹脂は、主として結合剤の役
目を果たすので、その機能を持つものであれば任意のも
のを使用できる。しかし、固定炭素量が好適であるこ
と、低コストであることから、フェノール系樹脂が好ま
しい。
【0033】他に好ましい熱硬化性樹脂としては、フラ
ン系樹脂、キシレン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹
脂、アニリン系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエス
テル系樹脂などがある。
【0034】前記耐火物原料の混練・成形工程は、任意
の方法で実行できる。
【0035】前記還元性雰囲気とは、還元性を有してい
れば特に限定されず、例えばコークス粉末中に前記成形
体を埋設させたものでもよい。
【0036】前記ピッチ類としては、炭素原子数(C)
に対する水素原子数(H)の比(H/C)についての前
記条件および炭素原子数(C)に対する酸素原子数
(O)の比(O/C)についての前記条件の少なくとも
一方を満たすものであれば、種類は特に限定されず、任
意のものを使用できる。例えば、石油系ピッチでもよい
し石炭系ピッチでもよい。さらに、具体的には、生コー
クス、バルクメリフェーズ、晶質化ピッチ、メリカーボ
ンマイクロビーズ、石炭、タール、ナフサ、黒鉛があ
る。なお、(H/C)および(O/C)の前記条件を共
に満たせば、さらに好ましい。
【0037】
【作用】この発明の第1の炭素含有耐火物の製造方法で
は、骨材としての耐火性無機材料に、熱硬化性樹脂と共
に、炭素原子数(C)に対する水素原子数(H)の比
(H/C)が0.3以上、0.8以下のピッチ類を添加
して耐火物原料を生成し、その耐火物原料の成形体を5
00゜C以上、1400゜C以下の焼成温度で還元性雰
囲気下で焼成する。
【0038】この発明の第2の炭素含有耐火物の製造方
法では、骨材としての耐火性無機材料に、熱硬化性樹脂
と共に、炭素原子数(C)に対する酸素原子数(O)の
比(O/C)が0.005以上、0.1以下のピッチ類
を添加して耐火物原料を生成し、同様にその耐火物原料
の成形体を500゜C以上、1400゜C以下の焼成温
度で還元性雰囲気下で焼成する。
【0039】このため、耐食性および耐酸化性が向上
し、また常温で十分な曲げ強度が得られると共に高温に
なってもその曲げ強度が低下しにくくなる。
【0040】
【実施例】以下、この発明の実施例を詳細に説明する。
ただし、以下に説明する実施例は、この発明の実施を容
易化ないし促進化するために記載されるものであって、
これによりこの発明が限定されるものではない。
【0041】[実施例1〜5]骨材としての耐火性無機
材料には、電融ZrO2系材料粉末と焼結Al23材料
粉末の混合物を用いた。また、熱硬化性樹脂としてはフ
ェノール樹脂を用い、ピッチ類としては、0.3〜0.
8の範囲で表1に示す水素原子数(H)/炭素原子数
(C)の比(H/C)を持つものを用いた。これら4種
類の材料が耐火物原料となる。
【0042】まず、焼結Al23材料粉末(70wt
%)と電融ZrO2系材料粉末(25wt%)の混合物
に、ピッチ類(5wt%)とフェノール樹脂(外配で5
wt%)とを添加し、混練した。次に、こうして得られ
た耐火物原料をプレス装置によってプレート状に成形し
た。
【0043】その後、こうして得られた成形体を仮焼
(温度200゜C、大気中)し、成形体に含まれている
揮発成分を揮発させてから、大気中にコークス粉末を配
置した還元性雰囲気下で焼成した。こうして、プレート
状の焼成体すなわち炭素含有耐火物を得た。なお、焼成
温度は、各実施例について、500゜C〜1400゜C
の範囲で表1に示すように設定した。
【0044】こうして得られた各実施例のプレート状炭
素含有耐火物について、常温および1500゜Cの高温
における曲げ強度を測定したところ、表1に示すような
結果が得られた。
【0045】次に、溶鋼に対する耐食性を調べるため、
誘導加熱した溶鋼(1600゜C)中に、各実施例のプ
レート状炭素含有耐火物を6rpmの一定速度で回転さ
せながら溶鋼中に1時間浸漬し、溶鋼による被食量を調
べたところ、表1に示すような結果が得られた。なお、
この結果は、実施例1の炭素含有耐火物の被食量を10
0とした指数(被食量指数)で表示してある。被食量指
数は、その値が大きくなるほど被食量が多いこと、すな
わち耐食性が低いことを示す。
【0046】また、溶鋼に対する耐酸化性を調べるた
め、各実施例のプレート状炭素含有耐火物を25×25
×120mmの棒状に加工して試料とした。これら試料
を電気炉を用いて1500°Cの大気中で3時間保持し
た後、室温まで自然冷却した。その後、これら試料の中
央部を切断して、溶鋼による酸化部分の厚さすなわち被
酸化量を調べたところ、表1に示すような結果が得られ
た。なお、この結果は、実施例1の炭素含有耐火物の被
酸化量を100とした指数(被酸化量指数)で表示して
ある。被酸化量指数は、その値が大きくなるほど被酸化
量が多いこと、すなわち耐酸化性が低いことを示す。
【0047】さらに、実用寿命を調べるため、各実施例
のプレート状炭素含有耐火物によりスライドゲート・プ
レートを形成し、250トンの取鍋に取り付けて実用試
験を行なったところ、表1に示すような結果が得られ
た。なお、この結果は、スライドゲート・プレートとし
ての実用可能回数で表示してある。その値が大きくなる
ほど実用寿命が長いこと、すなわち耐久性が優れている
ことを示す。
【0048】
【表1】
【0049】[比較例1〜4]骨材としての耐火性無機
材料に、実施例1〜5と同じ電融ZrO2系材料粉末と
焼結Al23材料粉末の混合物を用い、熱硬化性樹脂と
してフェノール樹脂を用い、さらにピッチ類として表1
に示す水素原子数(H)/炭素原子数(C)の比(H/
C)を持つものを用いて、実施例1〜5と同様にして、
プレート状の焼成体すなわち炭素含有耐火物を得た。た
だし、各比較例の焼成温度は表2のように設定した。
【0050】また、実施例1〜5と同様にして、常温お
よび1500゜Cの高温における曲げ強度、溶鋼に対す
る耐食性、および溶鋼に対する耐酸化性を調べた。その
結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】表1および表2から分かるように、実施例
1〜5では、常温における曲げ強度が35〜39MPa
程度であり、しかもその値は1500゜Cの高温になっ
てもあまり低下していない。これに対し、比較例2およ
び3では、常温における曲げ強度は実施例1〜5とほぼ
同等の値を持つが、1500゜Cの高温では大幅に低下
している。比較例1および4では、常温における曲げ強
度自体が、実施例1〜5に比べて大幅に低下している。
【0053】耐食性については、実施例1〜5では、9
5〜110程度であるのに対し、比較例2〜4では12
1〜131であり、実施例1〜5に比べて大幅に劣って
いることが分かる。比較例1では、実施例1〜5と同等
の耐食性を持つが、曲げ強度が実施例1〜5に比べて大
幅に小さくなっている。
【0054】耐酸化性については、実施例1〜5では、
91〜110程度であるのに対し、比較例2および3で
は122〜127であり、実施例1〜5に比べて大幅に
劣っていることが分かる。比較例1および4では、実施
例1〜5と同等の耐酸化性を持つが、比較例1は曲げ強
度が実施例1〜5に比べて大幅に小さくなっており、比
較例4は耐食性が大幅に劣っている。
【0055】以上の結果を反映して、比較例1〜4の実
用寿命は、実施例1〜5のそれに対して短くなっている
ことが分かる。
【0056】[実施例6〜12]骨材としての耐火性無
機材料に、実施例1〜5と同様に、電融ZrO2系材料
粉末と焼結Al23材料粉末の混合物を用い、熱硬化性
樹脂としてフェノール樹脂を用いた。ピッチ類として
は、0.005〜0.1の範囲で表3に示す酸素原子数
(O)/炭素原子数(C)の比(O/C)を持つものを
用いた。これら4種類の材料が耐火物原料となる。
【0057】まず、焼結Al23材料粉末と電融ZrO
2系材料粉末の混合物に、ピッチとフェノール樹脂とを
添加し、混練した。これらの配合比は表3の通りとし
た。
【0058】次に、こうして得られた耐火物原料をプレ
ス装置によってプレート状に成形した。
【0059】その後、こうして得られた成形体を仮焼
(温度200゜C、大気中)し、成形体に含まれている
揮発成分を揮発させてから、大気中にコークス粉末を配
置した還元性雰囲気下で焼成した。こうして、プレート
状の焼成体すなわち炭素含有耐火物を得た。なお、焼成
温度は、500゜C〜1400゜Cの範囲で表3に示す
ように設定した。
【0060】こうして得られた実施例6〜12のプレー
ト状炭素含有耐火物について、実施例1〜5と同様にし
て、常温および1500゜Cの高温における曲げ強度、
溶鋼に対する耐食性、および溶鋼に対する耐酸化性を調
べた。その結果を表3に示す。
【0061】
【表3】
【0062】[比較例5〜10]骨材としての耐火性無
機材料に、実施例6〜12と同じ電融ZrO2系材料粉
末と焼結Al23材料粉末の混合物を、熱硬化性樹脂に
実施例6〜12と同じフェノール樹脂を、さらにピッチ
類として表4に示す酸素原子数(O)/炭素原子数
(C)の比(O/C)を持つものをそれぞれ用いて、実
施例6〜12と同様にして、プレート状の焼成体すなわ
ち炭素含有耐火物を得た。ただし、これら比較例5〜1
0の配合比と焼成温度は表4のように設定した。
【0063】また、実施例1〜5と同様にして、常温お
よび1500゜Cの高温における曲げ強度、溶鋼に対す
る耐食性、および溶鋼に対する耐酸化性を調べた。その
結果を表4に示す。
【0064】
【表4】
【0065】表3および表4から分かるように、実施例
6〜12では、常温における曲げ強度が32〜41MP
a程度であり、しかもその値は1500゜Cの高温にな
ってもあまり低下していない。これに対し、比較例6、
7および9では、常温における曲げ強度は実施例6〜1
2とほぼ同等の値を持つが、1500゜Cの高温では大
幅に低下している。比較例5、8および10では、常温
における曲げ強度自体が、実施例6〜12に比べて大幅
に低下している。
【0066】耐食性については、実施例6〜12では、
94〜111程度であるのに対し、比較例6〜8では1
24〜133であり、実施例6〜12に比べて大幅に劣
っていることが分かる。比較例5、9および10では、
実施例6〜12と同等の耐食性を持つが、曲げ強度が実
施例6〜12に比べて大幅に小さくなっている。
【0067】耐酸化性については、実施例6〜12で
は、92〜117程度であるのに対し、比較例6、7お
よび9では120〜125であり、実施例6〜12に比
べて大幅に劣っていることが分かる。比較例5、8およ
び10では、実施例6〜12と同等の耐酸化性を持つ
が、比較例5および10は曲げ強度が実施例6〜12に
比べて大幅に小さくなっており、比較例8は耐食性が大
幅に劣っている。
【0068】以上の結果を反映して、比較例5〜10の
実用寿命は、実施例6〜12のそれに対して短くなって
いることが分かる。
【0069】このように、実施例1〜12の炭素含有耐
火物はいずれも、比較例1〜10の炭素含有耐火物に比
べて、常温および高温における曲げ強度、溶鋼に対する
耐食性および耐酸化性のすべての面で優れている。換言
すれば、比較例1〜10は、実施例1〜12に比べると
曲げ強度、耐食性および耐酸化性のうちいずれかにおい
て劣っているため、実用寿命が劣っている。
【0070】
【発明の効果】この発明の第1および第2の炭素含有耐
火物の製造方法によれば、耐食性および耐酸化性が向上
し、また常温で十分な曲げ強度を持つと共に高温になっ
てもその曲げ強度が低下しにくい炭素含有耐火物が得ら
れる。その結果、この方法で製造される炭素含有耐火物
の実用寿命が長くなる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 35/10 G (72)発明者 印藤 寿浩 愛知県刈谷市小垣江町南藤1番地 東芝セ ラミックス株式会社刈谷製造所内 (72)発明者 大塚 博 愛知県刈谷市小垣江町南藤1番地 東芝セ ラミックス株式会社刈谷製造所内 (72)発明者 斎藤 幸治 愛知県刈谷市小垣江町南藤1番地 東芝セ ラミックス株式会社刈谷製造所内 (72)発明者 脇田 保 愛知県刈谷市小垣江町南藤1番地 東芝セ ラミックス株式会社刈谷製造所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨材としての耐火性無機材料に、熱硬化
    性樹脂と、炭素原子数(C)に対する水素原子数(H)
    の比(H/C)が0.3以上、0.8以下のピッチ類と
    を添加して耐火物原料を生成する工程と、 前記耐火物原料を混練した後、所定形状に成形して成形
    体を得る工程と、 前記成形体を500゜C以上、1400゜C以下の焼成
    温度で、還元性雰囲気下で焼成する工程とを備えてなる
    ことを特徴とする炭素含有耐火物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ピッチ類の炭素原子数(C)に対す
    る水素原子数(H)の比(H/C)が0.3以上、0.
    6以下である請求項1に記載の炭素含有耐火物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 骨材としての耐火性無機材料に、熱硬化
    性樹脂と、炭素原子数(C)に対する酸素原子数(O)
    の比(O/C)が0.005以上、0.1以下のピッチ
    類とを添加して耐火物原料を生成する工程と、 前記耐火物原料を混練した後、所定形状に成形して成形
    体を得る工程と、 前記成形体を500゜C以上、1400゜C以下の焼成
    温度で、還元性雰囲気下で焼成する工程とを備えてなる
    ことを特徴とする炭素含有耐火物の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ピッチ類の炭素原子数(C)に対す
    る酸素原子数(O)の比(O/C)が0.005以上、
    0.08以下である請求項3に記載の炭素含有耐火物の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 骨材としての前記耐火性無機材料に添加
    する前記ピッチ類の量が、前記耐火性無機材料と前記ピ
    ッチ類の合計重量の15wt%以下である請求項1〜4
    のいずれかに記載の炭素含有耐火物の製造方法。
  6. 【請求項6】 骨材としての前記耐火性無機材料に添加
    する前記熱硬化性樹脂の量が、前記耐火性無機材料とピ
    ッチ類の合計重量に対して外配で1wt%以上、8wt
    %以下である請求項1〜6のいずれかに記載の炭素含有
    耐火物の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記熱硬化性樹脂の重量比(wt%)
    を、前記耐火性無機材料とピッチ類の合計重量に対して
    外配で計算したとき、骨材としての前記耐火性無機材料
    に添加する前記ピッチ類の量が、前記熱硬化性樹脂の重
    量比(wt%)の3倍以下である請求項1〜8のいずれ
    かに記載の炭素含有耐火物の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記焼成工程の焼成温度が、800゜C
    以上、1300゜C以下である請求項1〜9のいずれか
    に記載の炭素含有耐火物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5389652B2 (ja) * 2007-08-10 2014-01-15 昭和電工株式会社 リチウム系二次電池用負極、炭素系負極活物質の製造方法及びリチウム系二次電池及びその用途

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