JPH08118646A - インクジェットヘッド及び該ヘッドの製造法 - Google Patents

インクジェットヘッド及び該ヘッドの製造法

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JPH08118646A
JPH08118646A JP26522094A JP26522094A JPH08118646A JP H08118646 A JPH08118646 A JP H08118646A JP 26522094 A JP26522094 A JP 26522094A JP 26522094 A JP26522094 A JP 26522094A JP H08118646 A JPH08118646 A JP H08118646A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気化学的に安定で密着性の良い膜構成を有
するインクジェットヘッド並びに該ヘッドの製造法を提
供する。 【構成】 電気熱変換体を形成する発熱抵抗層がPt族
系合金、即ちPt系、Ir系又はRu系合金からなり、
膜厚方向での材質を不均一とし、少なくとも下部層に接
する側の材質のPt、Ir又はRu含有量が少なくなる
よう構成されることを特徴とする、目的のインクジェッ
トヘッド並びに該ヘッドの製造法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体をオリフィスから
噴射して液滴を形成するインクジェットヘッド並びに該
ヘッドの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のインクジェット記録ヘッドに関
し、例えば特開昭54−51837号公報に開示される
インクジェット記録法は、熱エネルギーを液体に作用さ
せて、液滴吐出の原動力を得るという点において、他の
インクジェット記録方法とは異なる特徴を有している。
即ち、上記の記録法は、熱エネルギーの作用を受けた液
体が過熱されて気泡を発生し、この気泡発生に基づく作
用力によって、記録ヘッド部先端のオリフィスから液滴
が形成され、この液滴が被記録部材に付着して情報の記
録が行われることを特徴としている。
【0003】この記録法に適用される記録ヘッドは、一
般に液体を吐出するために設けられたオリフィスと、該
オリフィスに連通して液滴を吐出するための熱エネルギ
ーが液体に作用する部分である熱作用部を構成の一部と
する液流路とを有する液吐出部、熱エネルギーを発生す
る手段である熱変換体としての発熱抵抗層及びそれをイ
ンクから保護する上部保護層と蓄熱するための下部層を
具備している。
【0004】然しながら、ヘッド設計の立場及び吐出設
計の立場から熱をインクに効率良く伝えることが望まし
く、上部保護層を有しない膜構成が特開昭55−126
462号公報に提案されている。この膜構成に使用され
る発熱抵抗層は耐インク性に優れなければならない。即
ち高温状態での電気化学性に優れ、且つ泡の消泡時に発
生するキャビテーションに強くなければならない。
【0005】このような特性を有する発熱抵抗層には、
特願平03−194029号に提案されるTa−Ptの
ような材料がある。また、特願平01−46769号に
提案されるAl−Ta−Irのような材料、及び特開平
03−256747号に提案されるTa−Irのような
材料がある。更には、特願平03−194031号に提
案されるTa−Ir−Ruのような材料、及び特願平0
3−194032号に提案されるCr−Ir−Ruのよ
うな材料がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の記録法は短い間
隔でインクを発泡させるために、極めて短い間隔で非常
に高い温度で発熱抵抗層を駆動しなければならず、発熱
抵抗層と下部層に非常に高い温度安定性が要求される。
【0007】最近、インクジェットの高機能化のため高
い駆動周波数、また印字品位の安定性が求められてお
り、そのために吐出速度の安定化が必要になっている。
即ち発泡の安定性が強く求められている。発泡の安定性
のためには、駆動パルス幅を小さくすれば良いことが知
られている。従って、発熱抵抗層を従来よりも更に短い
パルスで駆動することが必要となっており、発熱抵抗体
を短いパルスで駆動すると発熱抵抗層を従来より高温に
しなければならず、発熱抵抗層及び下部層に従来よりも
高い温度安定性並びに耐熱ストレス性が要求されてい
る。然しながら、従来の発熱抵抗層においては、短いパ
ルスで駆動すると早期に断線するというトラブルがしば
しば発生した。パルス幅が短い駆動の故障モードを解析
すると、発熱抵抗層と下部層の間で剥離が生じてそれが
断線の原因となることがあった。その原因は、発熱抵抗
層及び下部層の熱膨張率の差によって熱応力が発生し、
それによって剥離が発生し破断するものと考えられる。
【0008】また、Pt族金属、例えばPt、Ir又は
Ruは下部層との密着性が悪く他の金属(例えばTa
等)との合金でなければ密着性が向上しない。また、他
の金属(例えばTa等)を多くすると電気化学性が大き
くなり早期の破断を来す。
【0009】本発明は、上記のような問題のない電気化
学的に安定で密着性の良い膜構成を有するインクジェッ
トヘッド並びに該ヘッドの製造法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下に示す
本発明によって達成される。即ち、本発明は、液体吐出
用のオリフィスに連通し液体中に熱エネルギーを付与し
て液体中に気泡を形成させる熱作用部と、前記熱エネル
ギーを発生する電気熱変換体と下部層を有し、該電気熱
変換体が直接インクに接する構成を有するインクジェッ
ト記録ヘッドにおいて、前記電気熱変換体を形成する発
熱抵抗層がPt族系合金からなり、膜厚方向における材
質が一部不均一であり、且つ少なくとも下部層に接する
側の材質のPt族金属の含有量が少ないものであること
を特徴とするインクジェット記録ヘッドを開示するもの
である。
【0011】また、本発明は、前記電気熱変換体を形成
する発熱抵抗層が、膜厚方向における材質が一部不均一
であり、且つ少なくとも下部層の材質が含まれてなるこ
とを特徴とするインクジェット記録ヘッドをも開示する
ものである。
【0012】更に、本発明は、液体吐出用のオリフィス
に連通し液体中に熱エネルギーを付与して液体中に気泡
を形成させる熱作用部と、前記熱エネルギーを発生する
電気熱変換体と下部層を有し、該電気熱変換体が直接イ
ンクに接する構成を有するインクジェットヘッドを製造
する方法において、前記電気熱変換体を形成する発熱抵
抗層がPt族系合金からなり、膜厚方向における材質が
一部不均一であり、且つ少なくとも下部層に接する側の
材質のPt族金属の含有量が少ないものであることを特
徴とするインクジェットヘッドの製造法を開示するもの
である。
【0013】また、本発明は、前記電気熱変換体を形成
する発熱抵抗層が、膜厚方向における材質が一部不均一
であり、且つ少なくとも下部層の材質が含まれてなるこ
とを特徴とするインクジェットヘッドの製造法をも開示
するものである。
【0014】本発明は、上記問題点を解決するために、
前記電気熱変換体を形成する発熱抵抗層がPt族系合
金、即ちPt系、Ir系又はRu系合金であり膜厚方向
で材質が不均一であり、少なくとも下部層に接する側が
Pt、Ir又はRuが少ないよう構成されることを特徴
とする。具体的には発熱抵抗層の下部層に接する部分を
Pt、Ir又はRuの含有量を少なくし、そして発熱抵
抗層の膜厚方向にPt、Ir又はRu含有量を増加させ
るものである。
【0015】本発明はまた、前記電気熱変換体を形成す
る発熱抵抗層が膜厚方向で材質が一部不均一であり、少
なくとも下部層の材質が含まれるよう構成されることを
特徴とするが、発熱抵抗層の膜厚方向に材料を変化さ
せ、発熱抵抗層の膜厚方向の中央部では発熱抵抗層の材
質とするものである。
【0016】上記の発熱抵抗層を用いることにより、発
熱抵抗層と下部層との間の密着性が向上し、従来の問題
点として指摘されるような発熱抵抗層及び下部層との間
の剥離が発生することがなくなる。更に、短いパルスの
駆動において、従来よりも熱ストレス耐久性が向上す
る。また、下部層付近以外ではPt、Ir又はRuが多
くなり電気化学的に安定化する。
【0017】従って、発泡安定性の良い駆動が可能とな
り、発泡安定性が良いことから吐出性能が良く、信頼性
の高いヘッドの提供が可能となる。
【0018】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明するが本発明がこれらによって何ら限定されるも
のではない。
【0019】(実施例1〜3、比較例1〜2)図1は、
本発明の発熱部の詳細図、図2は、図1のX−Y断面図
である。表1は、実施例1〜3、比較例1〜2の膜構
成、また表2〜4は実施例1〜3、比較例1〜2の発熱
抵抗層の成膜条件を示す。先ず、基板101としてシリ
コン上に、下部層として蓄熱層102を熱酸化によって
SiO2 を1.0μm形成する。
【0020】次に、発熱抵抗層103として実施例1〜
3はターゲットを2個用いてコスパッタ法によって表2
〜4に示す条件で成膜する。膜厚は実施例1〜3とも
0.1μmであった。比較例1はTa−Ptをスパッタ
で0.1μm成膜する。比較例2はPtをスパッタで
0.1μm成膜する。比較例1〜2の成膜条件はターゲ
ット電力1.0kW、スパッタガス圧0.5Paであ
る。シート抵抗値は、実施例1は20Ω/□、実施例2
は15Ω/□、実施例3は20Ω/□、比較例1は18
Ω/□、比較例2は12Ω/□であった。
【0021】次に電極層104としてTiを0.005
μm、Auを0.6μm蒸着で成膜する。そして、フォ
トリソ技術により図1に示すような回路パターンを形成
し、30μm×150μmの発熱部分201を形成し
て、ヒータボードが完成する。このように完成したヒー
タボードを、下記の条件下に熱ストレス評価試験を行っ
た。尚、熱ストレス耐久性の実力の評価は破断パルスに
よった。
【0022】駆動周波数: 10kHz 矩型パルス巾: 1.0μsec 駆動電圧: 発泡電圧×1.4 熱ストレス耐久評価の結果を表5に示す。比較例1〜2
が105 台から106 台で破断しているのに対して、実
施例1〜3は何れも109 台であった。従って、従来よ
り3ケタも熱ストレス耐久性が向上している。従来の発
熱抵抗層は、パルス幅5〜10usecのように開発さ
れてきたので、上記の条件1.0usecでは試験結果
が示すように実用には耐えられない。しかし本発明の発
熱抵抗層は試験結果が示すように1.0usecのよう
な短パルス駆動にも十分耐えられる。従って、短パルス
駆動が可能なため、発泡の安定した駆動ができ、吐出性
能が安定した、信頼性の高いヘッドを、提供することが
できる。
【0023】実施例1〜3では発熱抵抗層の下部層に接
する部分をPtと他の金属の混合としたが、他の金属の
みであってもよい。また、実施例1〜3では発熱抵抗層
の材質をステップ状に可変していたが、徐々に変えても
良い。当然ながら、発熱抵抗層としては、耐久性のある
ものであれば如何なる材料であってもよい。
【0024】
【表1】 * Ta:Pt=3:7
【0025】
【表2】 (スパッタガス圧:0.5Pa)
【0026】
【表3】 (スパッタガス圧:0.5Pa)
【0027】
【表4】 (スパッタガス圧:0.5Pa)
【0028】
【表5】 (実施例4〜6、比較例3〜4)表6は実施例4〜6、
比較例3〜4の膜構成、また表7〜9は実施例4〜6、
比較例3〜4の発熱抵抗層の成膜条件を示す。先ず、基
板101としてシリコン上に、下部層として蓄熱層10
2を熱酸化によってSiO2 を1.0μm形成する。
【0029】次に、発熱抵抗層103として実施例4〜
6はターゲットを2個用いてコスパッタ法によって表7
〜9に示す条件で成膜する。膜厚は実施例4〜6とも
0.1μmであった。比較例3はTa−Irをスパッタ
で0.1μm成膜する。比較例4はIrをスパッタで
0.1μm成膜する。比較例3〜4の成膜条件はターゲ
ット電力1.0kW、スパッタガス圧0.5Paであ
る。シート抵抗値は、実施例4は20Ω/□、実施例5
は15Ω/□、実施例6は20Ω/□、比較例3は18
Ω/□、比較例4は12Ω/□であった。
【0030】次に電極層104としてTiを0.005
μm、Auを0.6μm蒸着で成膜する。そして、フォ
トリソ技術により図1に示すような回路パターンを形成
し、30μm×150μmの発熱部分201を形成し
て、ヒータボードが完成する。このように完成したヒー
タボードを、実施例1〜3と同様の条件下に熱ストレス
評価試験を行った。
【0031】熱ストレス耐久評価の結果を表10に示
す。比較例3〜4が105 台から106 台で破断してい
るのに対して、実施例4〜6は何れも109 台であっ
た。従って、従来より3ケタも熱ストレス耐久性が向上
している。従来の発熱抵抗層は、パルス幅5〜10us
ecのように開発されてきたので、上記の条件1.0u
secでは試験結果が示すように実用には耐えられな
い。しかし本発明の発熱抵抗層は試験結果が示すように
1.0usecのような短パルス駆動にも十分耐えられ
る。従って、短パルス駆動が可能なため、発泡の安定し
た駆動ができ、吐出性能が安定した、信頼性の高いヘッ
ドを、提供することができる。
【0032】実施例4〜6では発熱抵抗層の下部層に接
する部分をIrと他の金属の混合としたが、他の金属の
みであってもよい。また、実施例4〜6では発熱抵抗層
の材質をステップ状に可変していたが、徐々に変えても
良い。当然ながら、発熱抵抗層としては、耐久性のある
ものであれば如何なる材料であってもよい。
【0033】
【表6】 * Ta:Ir=1:1
【0034】
【表7】 (スパッタガス圧:0.5Pa)
【0035】
【表8】 (スパッタガス圧:0.5Pa)
【0036】
【表9】 (スパッタガス圧:0.5Pa)
【0037】
【表10】 (実施例7〜9、比較例5〜6)表11は、実施例7〜
9、比較例5〜6の膜構成を、また表12〜14は実施
例7〜9、比較例5〜6の発熱抵抗層の成膜条件を示
す。先ず、基板101としてシリコン上に、下部層とし
て蓄熱層102を熱酸化によってSiO2 を1.0μm
形成する。
【0038】次に、発熱抵抗層103として実施例7〜
9はターゲットを2個用いてコスパッタ法によって表1
2〜14に示す条件で成膜する。膜厚は実施例7〜9と
も0.1μmであった。比較例5はTa−Ruをスパッ
タで0.1μm成膜する。比較例6はRuをスパッタで
0.1μm成膜する。比較例5〜6の成膜条件はターゲ
ット電力1.0kW、スパッタガス圧0.5Paであ
る。シート抵抗値は、実施例7は20Ω/□、実施例8
は15Ω/□、実施例9は20Ω/□、比較例5は18
Ω/□、比較例6は12Ω/□であった。
【0039】次に電極層104としてTiを0.005
μm、Auを0.6μm蒸着で成膜する。そして、フォ
トリソ技術により図1に示すような回路パターンを形成
し、30μm×150μmの発熱部分201を形成し
て、ヒータボードが完成する。このように完成したヒー
タボードを、実施例1〜3と同様の条件下に熱ストレス
評価試験を行った。
【0040】熱ストレス耐久評価の結果を表15に示
す。比較例5〜6が105 台から106 台で破断してい
るのに対して、実施例7〜9は何れも109 台であっ
た。従って、従来より3ケタも熱ストレス耐久性が向上
している。従来の発熱抵抗層は、パルス幅5〜10us
ecのように開発されてきたので、上記の条件1.0u
secでは試験結果が示すように実用には耐えられな
い。しかし本発明の発熱抵抗層は試験結果が示すように
1.0usecのような短パルス駆動にも十分耐えられ
る。従って、短パルス駆動が可能なため、発泡の安定し
た駆動ができ、吐出性能が安定した、信頼性の高いヘッ
ドを、提供することができる。
【0041】実施例7〜9では発熱抵抗層の下部層に接
する部分をRuと他の金属の混合としたが、他の金属の
みであってもよい。また、実施例7〜9では発熱抵抗層
の材質をステップ状に可変していたが、徐々に変えても
良い。当然ながら、発熱抵抗層としては、耐久性のある
ものであれば如何なる材料であってもよい。
【0042】
【表11】 * Ta:Ru=1:1
【0043】
【表12】 (スパッタガス圧:0.5Pa)
【0044】
【表13】 (スパッタガス圧:0.5Pa)
【0045】
【表14】 (スパッタガス圧:0.5Pa)
【0046】
【表15】 (実施例10〜12、比較例7)表16は実施例10〜
12、比較例7の膜構成を、また表17〜19は実施例
10〜12、比較例7の発熱抵抗層の成膜条件を示す。
先ず、基板101としてシリコン上に、下部層として蓄
熱層102を表16に示す材質で成膜する。
【0047】SiO2 の場合(実施例10、比較例7)
は熱酸化によって膜厚1.0μmに形成する。また、A
2 3 の場合(実施例11)はスパッタ法で膜厚1.
0μmに形成する。また、Si3 4 の場合(実施例1
2)は、原料ガスとしてSiH4 とNH3 を用いたCV
D法で膜厚1.0μmに形成する。
【0048】次に、発熱抵抗層103として実施例10
〜12はターゲットを2個用いてコスパッタ法によって
表17〜19に示す条件で成膜する。膜厚は実施例10
〜12とも0.1μmであった。比較例7はTa−Ir
をスパッタで0.1μm成膜する。比較例7の成膜条件
はターゲット電力1.0kW、スパッタガス圧0.5P
aである。シート抵抗値は、実施例10は30Ω/□、
実施例11は25Ω/□、実施例12は22Ω/□、比
較例7は20Ω/□であった。
【0049】次に電極層104としてTiを0.005
μm、Auを0.6μm蒸着で成膜する。そして、フォ
トリソ技術により図1に示すような回路パターンを形成
し、30μm×150μmの発熱部分201を形成し
て、ヒータボードが完成する。このように完成したヒー
タボードを、実施例1〜3と同様の条件下に熱ストレス
評価試験を行った。
【0050】熱ストレス耐久評価の結果を表20に示
す。比較例7が106 台で破断しているのに対して、実
施例10〜12は何れも10 9 台で破断している。従っ
て、従来よりも3ケタも熱ストレス耐久性が向上してい
る。従来の発熱抵抗層は、パルス幅5〜10usecの
ように開発されてきたので、上記の条件1.0usec
では試験結果が示すように実用には耐えられない。しか
し本発明の発熱抵抗層は試験結果が示すように1.0u
secのような短パルス駆動にも十分耐えられる。従っ
て、短パルス駆動が可能なため、発泡の安定した駆動が
でき、吐出性能が安定した、信頼性の高いヘッドを、提
供することができる。
【0051】実施例10〜12では発熱抵抗層の下部層
に接する部分を発熱抵抗層と下部層の材料の混合材質と
したが、下部層の材料のみであってもよい。また、実施
例10〜12では発熱抵抗層の材質をステップ状に可変
していたが、徐々に変えても良い。当然ながら、発熱抵
抗層としては、耐久性のあるものであれば如何なる材料
であってもよい。
【0052】
【表16】 * Ta:Ir=1:1
【0053】
【表17】 (スパッタガス圧:0.5Pa)
【0054】
【表18】 (スパッタガス圧:0.5Pa)
【0055】
【表19】 (スパッタガス圧:0.5Pa)
【0056】
【表20】
【0057】
【発明の効果】上記の通り、本発明においては、電気熱
変換体を形成する発熱抵抗層がPt族系合金、即ちPt
系、Ir系又はRu系合金であり、膜厚方向で材質が不
均一であり、少なくとも下部層に接する側がPt、Ir
又はRu金属の含有量がが少ないことを特徴とするもの
であり、発熱抵抗層の下部層に接する部分をPt、Ir
又はRu金属の含有量を少なくして、発熱抵抗層の膜厚
方向にPt、Ir又はRu金属の含有量を増加するよう
構成されている。
【0058】また、電気熱変換体を形成する発熱抵抗層
が膜厚方向で材質が一部不均一であり、少なくとも下部
層の材質が含まれていることを特徴とするするものであ
り、下部層に接する部分を下部層の材質にほぼ一致させ
るよう構成されている。そして発熱抵抗層の膜厚方向に
材料を変化させ、発熱抵抗層の膜厚方向の中央部では発
熱抵抗層の材質とするものである。
【0059】上記のような発熱抵抗層を用いることによ
って、発熱抵抗層と下部層との間の密着性が向上し、従
来の問題点のような発熱抵抗層及び下部層との間の剥離
も発生することがない。また、短いパルスの駆動におい
て、従来よりも熱ストレス耐久性が向上した。更に、下
部層付近以外ではPt、Ir又はRuが多くなり電気化
学的に安定化した。
【0060】従って、発泡安定性の良い駆動が可能にな
り、発泡安定性が良いことから吐出性能が良く信頼性の
高いヘッドを提供することができ、高性能、高信頼性の
インクジェットヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発熱部ヒータボードの説明図。
【図2】図1のX−Y断面図。
【符号の説明】
101 基板 102 蓄熱層 103 発熱抵抗層 104 電極層 201 発熱部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体吐出用のオリフィスに連通し液体中
    に熱エネルギーを付与して液体中に気泡を形成させる熱
    作用部と、前記熱エネルギーを発生する電気熱変換体と
    下部層を有し、該電気熱変換体が直接インクに接する構
    成を有するインクジェットヘッドにおいて、前記電気熱
    変換体を形成する発熱抵抗層がPt族系合金からなり、
    膜厚方向における材質が一部不均一であり、且つ少なく
    とも下部層に接する側の材質のPt族金属の含有量が少
    ないものであることを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 前記電気熱変換体を形成する発熱抵抗層
    が、Pt系、Ir系又はRu系合金からなり、膜厚方向
    における材質が一部不均一であり、且つ少なくとも下部
    層に接する側の材質のPt、Ir又はRu金属の含有量
    が少ないものであることを特徴とする、請求項1記載の
    インクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記電気熱変換体を形成する発熱抵抗層
    が、膜厚方向における材質が一部不均一であり、且つ少
    なくとも下部層の材質が含まれてなることを特徴とする
    請求項1又は2記載のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 液体吐出用のオリフィスに連通し液体中
    に熱エネルギーを付与して液体中に気泡を形成させる熱
    作用部と、前記熱エネルギーを発生する電気熱変換体と
    下部層を有し、該電気熱変換体が直接インクに接する構
    成を有するインクジェットヘッドを製造する方法におい
    て、前記電気熱変換体を形成する発熱抵抗層がPt族系
    合金からなり、膜厚方向における材質が一部不均一であ
    り、且つ少なくとも下部層に接する側の材質のPt族金
    属の含有量が少ないものであることを特徴とするインク
    ジェットヘッドの製造法。
  5. 【請求項5】 前記電気熱変換体を形成する発熱抵抗層
    が、Pt系、Ir系又はRu系合金からなり、膜厚方向
    における材質が一部不均一であり、且つ少なくとも下部
    層に接する側の材質のPt、Ir又はRu金属の含有量
    が少ないものであることを特徴とする、請求項4記載の
    インクジェットヘッドの製造法。
  6. 【請求項6】 前記電気熱変換体を形成する発熱抵抗層
    が、膜厚方向における材質が一部不均一であり、且つ少
    なくとも下部層の材質が含まれてなることを特徴とする
    請求項4又は5記載のインクジェットヘッドの製造法。
JP26522094A 1994-10-28 1994-10-28 インクジェットヘッド及び該ヘッドの製造法 Expired - Fee Related JP3285719B2 (ja)

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