JPH05338167A - インクジェット記録ヘッド基板およびインクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録ヘッド基板およびインクジェット記録ヘッド

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JPH05338167A
JPH05338167A JP15351992A JP15351992A JPH05338167A JP H05338167 A JPH05338167 A JP H05338167A JP 15351992 A JP15351992 A JP 15351992A JP 15351992 A JP15351992 A JP 15351992A JP H05338167 A JPH05338167 A JP H05338167A
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JP
Japan
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recording head
heating resistor
upper layer
layer
ink jet
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JP15351992A
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Hirokazu Komuro
博和 小室
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱ストレスに対する耐久性が高く、信頼性の
高いインクジェット記録ヘッドを提供する。 【構成】 下部層11の線膨張係数と上部層41との線
膨張係数との比が1/5以上5以下にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録ヘッ
ド基板およびインクジェット記録ヘッドに関し、特に、
熱エネルギーを利用して記録液を吐出するために用いら
れるインクジェット記録ヘッド基板およびインクジェッ
ト記録ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、インクジェ
ット記録ヘッドに設けた吐出口からインク(記録液)液
滴を吐出させ、これを紙などの被記録媒体に付着させて
記録を行う記録方法であり、騒音の発生が極めて少な
く、かつ高速記録が可能であり、しかも普通紙など特別
な記録用紙を用いないでも記録が行えるという多くの利
点を有し、種々のタイプのインクジェット記録ヘッドが
開発されている。
【0003】なかでも、例えば、特開昭54−5183
7号公報およびドイツ公開(DOLS)第284306
4号公報に記載されているような熱エネルギーをインク
に作用させてインクを液滴を吐出口から吐出させるタイ
プのインクジェット記録ヘッドは、記録信号に対する応
答性が良い、吐出口の高マルチ化が容易であるなどの利
点を有する。
【0004】このようなインク吐出エネルギーとして熱
エネルギーを利用するタイプのインクジェット記録ヘッ
ドの代表的構成を図2に示し、図2(A)はインクジェ
ット記録ヘッドの断面図であり、図2(B)はインクジ
ェット記録ヘッドの分解斜視図である。
【0005】このインクジェット記録ヘッドは、Siな
どからなる基体10上に、絶縁性のある下部層11が設
けられている。この下部層11上にはインクを吐出する
ために電気エネルギーを熱エネルギーに変換するために
設けられた発熱抵抗体層2と、この発熱抵抗体層2と電
気的に接続する一対の電極3が所定の位置に設けられて
いる。発熱抵抗体層2と一対の電極3により電気熱変換
体8が構成されている。さらに発熱抵抗体層2と電極3
上に保護層としての上部層4を設け、ヒータボード1が
構成される。このヒータボード1とインク路用溝6およ
び共通液室12等が形成された天板5とを接合してイン
クジェット記録ヘッドが作製される。
【0006】記録用の液体(インク)は、天板5に設け
られたインク供給口9より共通液室12に供給され、こ
こより各インク路用溝6内に導かれる。電極3に電流を
印加して、発熱抵抗体層2を発熱させると、発熱抵抗体
層2の付近にあるインクが瞬間的に加熱されて、その箇
所から気泡が発生し、その気泡の発生による瞬間的な体
積膨張と収縮による体積変化によってインク吐出口7よ
りインク液滴が吐出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような記録ヘッド
における下部層11は、絶縁性があり熱伝導率の小さ
い、例えば、SiO2 を約3μmの厚みに形成するのが
一般的である。その理由は、熱応答性の面から膜厚が薄
い方が良く、発泡に必要な電力を小さくするには、膜厚
は厚い方がよいというトレード・オフの関係があるから
である。
【0008】また、発熱抵抗体層2や電極3上に設けら
れる上部層4には、インクとの接触やインクの浸透によ
る電気熱変換体8や電極3における電触や、電気的絶縁
破壊を防止する目的で設けられる。この上部層4として
はSiO2 あるいはAl23 が種々の成膜方法を用い
て形成されている。
【0009】このようなインクジェット記録ヘッド基板
の発熱抵抗体層2の熱ストレス試験(ステップストレス
試験)を実施した所、耐久性が悪く、低い電圧で破断す
ることがあった。
【0010】低い電圧で破断することは、とりも直さ
ず、実際にインクジェット記録ヘッドを駆動すると早期
に破断することであり、インクジェット記録ヘッドの信
頼性を著しく低下させることになる。
【0011】そこで、本発明の目的は、上述した問題点
を解消し、耐久性が良好で信頼性の高いインクジェット
記録ヘッド基板およびインクジェット記録ヘッドを提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は鋭意
努力して耐久性の悪いインクジェット記録ヘッドを分解
して、物性に関するデータを解析した所、上部層と下部
層との間には熱物性に相関があり、そのインクジェット
記録ヘッドはある成膜条件下で組み合わせて成膜したも
のであることがわかった。
【0013】すなわち、電流による発熱抵抗体層2への
発熱によって、下部層11の上部層4側の発熱抵抗体層
2側の温度が上昇する。熱エネルギーを利用するインク
ジェット記録ヘッドは、発熱抵抗体層2から発生した熱
により、上部層4と下部層11の温度は急激に上昇し、
高温となる。よって、下部層11と上部層4の発熱抵抗
体層2側の温度は約1000℃と室温との間の昇降の繰
り返しによる熱ストレスにさらされている。
【0014】かつ、下部層11と上部層4との線膨張係
数との差が大きいと、下部層11と発熱抵抗体層2との
間、および、上部層4と発熱抵抗体層2との間に大きな
剥離の力がかかり、最終的には、下部層11、上部層4
が発熱抵抗体層2から剥れ、発熱抵抗体層2の破断が起
こる。
【0015】このように、上部層4と下部層11との間
には、両者の線膨張係数の比に相関がある。本発明者
は、上部層4と下部層11との間の線膨張係数の比を1
/5以上5以下にすることによってインクジェット記録
ヘッドの耐久性が向上されることを見いだし、本発明を
完成するように至った。
【0016】すなわち、本発明のインクジェット記録ヘ
ッド基板は、基体と、該基体上に設けられた第1の上部
層と、該第1の上部層上に設けられた発熱抵抗体層と、
該発熱抵抗体層と電気的に接続する一対の電極とを有す
る電気熱変換体と、該電気熱変換体上に設けられた第2
の上部層とを有するインクジェット記録ヘッド基板にお
いて、前記第1の上部層の線膨張係数と前記第2の上部
層の線膨張係数との比が1/5以上5以下であることを
特徴とする。
【0017】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
は、基体と、該基体上に設けられた第1の上部層と、該
第1の上部層上に設けられた発熱抵抗体層と、該発熱抵
抗体層と電気的に接続する一対の電極とを有する電気熱
変換体と、該電気熱変換体上に設けられた第2の上部層
とを具えたインクジェット記録ヘッドにおいて、前記第
1の上部層の線膨張係数と前記第2の上部層の線膨張係
数との比が1/5以上5以下であるインクジェット記録
ヘッド基板を具備したことを特徴とする。
【0018】
【作用】本発明によれば、発熱抵抗体層に接する上部層
と下部層との線膨張係数との比を1/5以上5以下にす
ることにより、発熱抵抗体層の熱ストレスが小さくな
り、層間の剥離が生じない。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0020】図1は本発明のインクジェット記録ヘッド
基板の一例を示す構成図であり、図1(A)はその主要
部の平面図であり、図1(B)は図1(A)のX−Y線
に沿った断面図である。
【0021】このインクジェット記録ヘッド基板は、基
体10上に下部層として下部層11が形成され、この下
部層11上に一対の電極3a,3bと発熱抵抗体層2と
からなる電気熱変換体8が設けられている。さらに、上
部層として第1の保護層41、第2の保護膜42、およ
び、第3の保護膜43が設けられている。
【0022】電極3a,3bを構成する材料としては、
通常用いられている電極材料の多くのものが有効に用い
られ、具体的には、Al,Au,Ag,Pt,Cu等の
金属が挙げられ、これらの金属を用いて蒸着法等の手法
で所望の位置に、所望の大きさ、形状、厚さで設けるこ
とができる。
【0023】下部層11の材料としては、耐熱性、絶縁
性を満たしていればよく、一般的には酸化膜などが用い
られる。第1の保護膜41は絶縁性があり、欠陥密度が
小さくステップカバレージが良ければよい。第2の保護
膜42は耐キャビテーションが良ければよく、主に高融
点金属が用いられる。第3の保護膜43は絶縁性がよく
欠陥密度が小さく、ステップカバレージが良ければよ
い。
【0024】発熱抵抗体層2を構成する材料は、通電さ
せることによって、所望通りの熱が発生させるものであ
れば、大概のものが採用され得る。
【0025】そのような材料としては、具体的には例え
ば、窒化タニタル,ニクロム−銀パラジウム合金、シリ
コン半導体、あるいは、ハフニウム、ランタン、ジルコ
ニウム、チタン、タンタル、タングステン、モリブデ
ン、ニオブ、クロム、バナジウム等の金属の硼化物が好
ましいものとして挙げられる。
【0026】これらの発熱抵抗体層2を構成する材料の
うち、特に、金属硼化物が優れたものとして挙げること
ができ、その中でも最も特性の優れているのが硼化バナ
ジウムであり、次いで、硼化ジルコニウム、硼化ランタ
ン、硼化タンタル、硼化バナジウム、硼化ニオブの順で
ある。
【0027】発熱抵抗体層2は、上記した材料を用い
て、電子ビーム蒸着法、あるいは、スパッタリング法等
の手法を用いて形成することができる。
【0028】下部層11を構成する材料として有用なも
のには、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化マ
グネシウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ジ
ルコニウム等があげられ、これらは、電子ビーム蒸着
法,熱酸化法,あるいはスパッタリング法等の手法を用
いて形成することができる。
【0029】第2の保護膜42を構成する材料として
は、Al,Ta,Zr,Hf,V,Nb,Mg,Si,
Mo,W,Y,Laなどの金属およびそれらの合金、あ
るいは、それらの金属の合金の酸化物,炭化物,窒化
物,硼化物等を挙げることができる。
【0030】図1に示す構成のインクジェット記録ヘッ
ドを以下のようにして作製した。
【0031】基体10としてシリコンウェハー上に、下
部層11としてSiO2 を熱酸化法あるいはスパッタリ
ング法により0.3μmの厚みとなるように形成した。
この時、熱酸化法およびスパッタリング法によるSiO
2 の線膨張係数はそれぞれ5.4×10-7(℃-1)およ
び1.5×10-6(℃-1)であった。次に、下部層11
であるSiO2 層上にスパッタリング法により発熱抵抗
体層としてHfB2 を0.2μmの厚みになるように形
成した。
【0032】さらに、Alを電子ビーム蒸着法により
0.6μmの厚みとなるように形成し、さらにまたフォ
トリソグラフィーを用いて、一対の電極3a,3b間に
電気熱変換体8が構成される。
【0033】続いて、電気熱変換体8上に後述する表1
に示すような成膜条件のもとでSiO2 またはAl2
3 をバイアススパッタリング法により上部層41である
第1の保護膜を1.0μmの厚みになるように成膜し
た。
【0034】次に、第1の保護膜41上にTaからなる
第2の保護膜42をスパッタリング法により0.6μm
の厚みになるように形成し、さらに、第3の保護膜43
としてポリイミドを3.0μmの厚みになるように成膜
し、インクジェット記録ヘッド基板を作製した。
【0035】以上の構成によってSiO2 層は電気熱変
換体8の下部層11をなし、第1の保護膜は電気熱変換
体8の上部層41をなす。
【0036】このようにして得られた多数のインクジェ
ット記録ヘッド基板についてステップストレス試験を行
ってインクジェット記録ヘッド基板の耐久性を評価する
と共に、各材料、各成膜条件毎に保護層の線膨張係数を
測定した。
【0037】上記のステップストレス試験においては、
一対の電極3a,3b間に周波数3KHz,パルス幅1
0μsの矩形波とその電圧を徐々に上昇させながら印加
し、破断電圧を測定し、測定された破断電圧Vb から、
以下の式よりMの値を求めた。
【0038】
【数1】M=Vb /Vth 上式において、Vthは発泡電圧を表わす。これにより求
められるMは、インクジェット記録ヘッド基板の信頼性
を示し、この値が1.3以下であると製品として実用で
きない。そこで、インクジェット記録ヘッド基板の評価
においてMの値が1.3を超えたものについては、○、
Mが1.3以下の場合は×とした。
【0039】ステップストレス試験による評価の結果
と、測定して得られた線膨張係数の値を成膜条件と共に
表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1において、下部層11のSiO2 をス
パッタリング法によって形成するには、ガス圧0.5P
a、1.7W/cm2 の条件下で実施した。また、各材
料に対する線膨張係数の比は、上部層に対する線膨張係
数と下部層の線膨張係数の比を表わす。
【0042】表1より、Mが1.3以下を満足する線膨
張係数の比は5.0以下が良いことがわかる。
【0043】ここで、表1は下部層に対する上部層の線
膨張係数の比を表したものであるが、上部層に対する下
部層の線膨張係数の比が1/5以上であっても同様の効
果を示す。
【0044】このようにして作成したインクジェット記
録ヘッド基板を用いて図2に示したようなインクジェッ
ト記録ヘッドを作製した。Mが1.3以下のインクジェ
ット記録ヘッドに対して記録試験を行った所、良好な記
録が実施でき、耐久性も良好であった。
【0045】本実施例においては、下部層にSiO2
用い、上部層にSiO2 またはAl23 を用いたが、
Si34 ,SiC,BN,Ta25 等の他の絶縁性
材料についても同様の結果が得られた。
【0046】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0047】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0048】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0049】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0050】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0051】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0052】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0053】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0054】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、発熱抵抗体層に接
する下部層と上部層との線膨張係数との比を5倍以内に
することにより、発熱抵抗体層の熱ストレスの耐久性が
向上する。
【0056】従って、信頼性の高いインクジェット記録
ヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録ヘッド基板の一例を示す模
式的構成図である。
【図2】インクジェット記録ヘッドの一例を示す構成図
である。
【符号の説明】
1 ヒータボード 2 発熱抵抗体層 3,3a,3b 電極 4 上部層 5 天板 6 インク路用溝 7 インク吐出口 8 電気熱変換体 9 インク供給口 10 基体 11 下部層 12 共通液室

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体と、 該基体上に設けられた第1の上部層と、 該第1の上部層上に設けられた発熱抵抗体層と、該発熱
    抵抗体層と電気的に接続する一対の電極とを有する電気
    熱変換体と、 該電気熱変換体上に設けられた第2の上部層とを有する
    インクジェット記録ヘッド基板において、 前記第1の上部層の線膨張係数と前記第2の上部層の線
    膨張係数との比が1/5以上5以下であることを特徴と
    するインクジェット記録ヘッド基板。
  2. 【請求項2】 基体と、 該基体上に設けられた第1の上部層と、 該第1の上部層上に設けられた発熱抵抗体層と、該発熱
    抵抗体層と電気的に接続する一対の電極とを有する電気
    熱変換体と、 該電気熱変換体上に設けられた第2の上部層とを具えた
    インクジェット記録ヘッドにおいて、 前記第1の上部層の線膨張係数と前記第2の上部層の線
    膨張係数との比が1/5以上5以下であるインクジェッ
    ト記録ヘッド基板を具備したことを特徴とするインクジ
    ェット記録ヘッド。
JP15351992A 1992-06-12 1992-06-12 インクジェット記録ヘッド基板およびインクジェット記録ヘッド Pending JPH05338167A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017121811A (ja) * 2017-03-08 2017-07-13 セイコーエプソン株式会社 液体噴射ヘッド、圧電素子および液体噴射ヘッドの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017121811A (ja) * 2017-03-08 2017-07-13 セイコーエプソン株式会社 液体噴射ヘッド、圧電素子および液体噴射ヘッドの製造方法

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