JPH08118322A - 無機質板の製造方法 - Google Patents

無機質板の製造方法

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JPH08118322A
JPH08118322A JP25721594A JP25721594A JPH08118322A JP H08118322 A JPH08118322 A JP H08118322A JP 25721594 A JP25721594 A JP 25721594A JP 25721594 A JP25721594 A JP 25721594A JP H08118322 A JPH08118322 A JP H08118322A
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 骨材表面がきれいに洗い出される無機質板の
製造方法の提供、さらには、洗い出された骨材表面を除
く下地表面に着色して異なる色合いとすることの可能な
無機質板の製造方法の提供。 【構成】 スラリーを抄造してグリーンシート1を形成
し、このグリーンシート1上に骨材3を含む粉体材料2
を散布し、成形したのち、洗い出しを行うセメント系の
無機質板の製造方法において、前記骨材3を撥水性の反
応抑制剤4による被覆処理を行ったのち、粉体材料2に
添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無機質板の製造方法に関
し、詳しくはグリーンシート上に粉体材料を散布して成
形したのち、表面の洗い出しを行って骨材表面を露出さ
せ、表面の意匠性を向上させた無機質板の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術においては、グリーンシート
上に骨材を含む粉体材料を散布して成形し、こののちス
プレーなどによって水を噴霧して洗い出しを行ってい
る。このようにして得られる無機質板の表面は、骨材表
面が露出した状態となるので、骨材の色調が鮮明で意匠
性の高い無機質板となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の技術にあっては、骨材表面に付着するセメント
などの他の粉体材料成分を十分に洗い出しによって除去
しきれないことがあり、いま一つ得られる無機質板の色
合いが不十分な場合がある。
【0004】さらに、洗い出し後に、この無機質板の骨
材を除く下地表面に塗料によって着色し、異なる色合い
の無機質板として意匠性を高めることはほとんど困難で
ある。
【0005】本発明は、以上のような問題点を解決する
ためになされたものであり、その目的は骨材表面がきれ
いに洗い出される無機質板の製造方法の提供であり、さ
らには、洗い出された骨材表面を除く下地表面に着色し
て異なる色合いとすることの可能な無機質板の製造方法
の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の発明は、スラリーを抄造してグリーンシート
1を形成し、このグリーンシート1上に骨材3を含む粉
体材料2を散布し、成形したのち、洗い出しを行うセメ
ント系の無機質板の製造方法において、前記骨材3を撥
水性の反応抑制剤4による被覆処理を行ったのち、粉体
材料2に添加することを特徴として構成している。
【0007】骨材3としては、たとえば流紋岩系天然ガ
ラス等のようなものを用いることができる。このような
骨材3は、成型後洗い出された表面の色調が下地と適度
なコントラストを有するようなものである。この骨材3
は、好ましくは嵩比重1.0kg/リットル 以下のものを、全
体の比重が1.1〜1.5程度になるように30〜60
%添加するとよい。
【0008】また、この骨材3を被覆する撥水性の反応
抑制剤4としては、アクリル樹脂もしくはアクリルシリ
コン樹脂またはフッ素樹脂系のものが用いられる。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、洗い出しを行ったのち、表面に水溶性塗料
5を塗布することを特徴として構成している。水溶性塗
料5としては、たとえばアクリルエマルジョン塗料など
を用いることができる。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の発明において、骨材3を着色するとともに被覆処
理することを特徴として構成している。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明では、骨材3表面を被覆す
る撥水性の反応抑制剤4によって、骨材3表面を覆って
いるセメントの硬化反応が抑制され、水に溶解しやすい
状態のままに止まっている。また、反応抑制剤4の撥水
性によって、骨材3表面にセメントなどの粉体材料2が
付着しにくくなっている。
【0012】請求項2記載の発明では、骨材3表面を被
覆する撥水性の反応抑制剤4によって、水溶性塗料がは
じかれて骨材に付着しにくくなっている。
【0013】請求項3記載の発明では、骨材3を特に着
色しているので、下地との色合いに変化を与えることが
できる。
【0014】
【実施例】本発明の一実施例を以下に添付図を参照して
説明する。
【0015】図1はこの実施例の製造方法における各工
程の材料の状態を模式的に示した断面図である。(A)
は成形後の状態、(B)は洗い出し後の状態、(C)は
洗い出し後に表面を着色した状態を示している。
【0016】この実施例における無機質板の製造方法
は、最初にスラリーを抄造してグリーンシート1を形成
する。スラリーとしてはセメントを主成分とし、高炉水
砕スラグ、ケイ石粉、フライアッシュ、パルプまたはロ
ックウールなどを適宜添加して成るものを用いている。
【0017】次に、このグリーンシート1上に含水率5
0%以下の粉体材料2を散布して、二層の構成としてい
る。粉体材料2としては、スラリーと同様にセメントを
主成分とし、ケイ石粉、パルプ粉、骨材3などを添加し
て成るものを用いている。
【0018】このとき、特に骨材3を撥水性の反応抑制
剤4によって被覆処理して添加するようにしている。反
応抑制剤4としてはアクリル樹脂、アクリルシリコン樹
脂またはフッ素樹脂系のものなどを用いることができ
る。これらの反応抑制剤4を溶液またはエマルジョンの
状態とし、希釈して溶液濃度またはエマルジョン濃度を
調整し、骨材3の粒子に雰霧して付着させるか、また
は、浸漬して付着させ、乾燥して骨材3に被覆させるの
である。
【0019】そして、図1に示すように、上記の二層の
材料をプレス成形し、(A)の骨材3が埋まっている状
態とし、水をスプレー噴霧するなどして洗い出しして
(B)の状態にして骨材3の表面を露出させる。このの
ち、蒸気養生およびオートクレーブ養生を行って硬化さ
せ、外装材などに用いられるセメント系の無機質板を得
ている。
【0020】上記の(B)の状態においては、骨材3が
洗い出されることによって、骨材3の色調をそのまま無
機質板の表面に出して、下地とのコントラストがハッキ
リとした意匠性の高い無機質板とすることができてい
る。
【0021】特に、アクリルシリコン系塗料を用い、コ
ンベアー上に広げた骨材3に雰霧するようにすれば、付
着量を調整して被覆することを容易に行うことができる
とともに、骨材3表面を着色することも可能となってい
る。また、アクリルシリコン系塗料は撥水性を有し、無
機質板を吸水しにくくしている。
【0022】さらに、このあと、(C)に示すように水
溶性塗料5を塗布して、露出している骨材3の表面を除
く下地を着色し、骨材3と下地との色合いを調整し、意
匠性の高い無機質板とすることができる。これは、骨材
3が撥水性の反応抑制剤4に覆われて撥水性を有してい
るため、下地のみを着色することができるのである。
【0023】以上の撥水性の反応抑制剤4は、骨材3表
面を覆っているセメントの硬化反応を抑制して、水に溶
解しやすい状態とするとともに、反応抑制剤4の撥水性
によって、骨材3表面にセメントなどの粉体材料2の成
分を付着しにくくしている。したがって、骨材3表面に
付着する粉体材料2の成分の洗い出しが確実となるの
で、骨材3表面を完全に露出させることができる。この
結果、骨材3の色調をそのまま無機質板の表面に出し
て、下地とのコントラストがハッキリとした意匠性の高
い無機質板を製造することができるのである。
【0024】なお、このような反応抑制剤4による骨材
3の被覆は、さらに、以下の効果も奏している。つま
り、骨材3とセメントとを接触しにくくしているので、
養生時に骨材3とセメントとが反応して寸法が変化する
ことが少なくなり、グリーンシート1上の粉体材料2に
よって形成される上層の寸法変化が抑えられるのであ
る。この結果、もともと寸法変化の小さいグリーンシー
ト1とで寸法が大きく異なることもなく、反りが発生し
にくくなっている。
【0025】また、上記の粉体材料2は、グリーンシー
ト1よりも軟らかいものであって、プレス成形による凹
凸模様の形成を容易にしているのものである。つまり、
グリーンシート1のみでは固すぎて3mm以上の深い凹凸
模様を形成することが困難であるが、このような二層の
構成とすることによって5mm程度の模様付けが可能とな
っている。
【0026】以下に、さらに具体的な実施例を挙げ、こ
の具体的な実施例の無機質板の性能評価を説明する。
【0027】(実施例1)表1に示すように、セメント
材料として日本セメント(株)製のポルトランドセメン
トを50部、宇部興産(株)製のケイ石粉を25部、九
州電力(株)製のフライアッシュを18部およびパルプ
として兵庫パルプ(株)製の品番N−UKPのものを7
部配合してセメントスラリーを調整し、長綱抄造機にて
成型後12mm厚みとなるグリーンシート1を抄造した。
【0028】このグリーンシート1上に、表2の実施例
1の欄に示すように、セメント材料として日本セメント
(株)製のポルトランドセメントを34部、宇部興産
(株)製のケイ石粉を23部、兵庫パルプ(株)製のパ
ルプ粉3部および骨材3である流紋岩系天然ガラス(商
標「イシカワライト5号」)を40部配合した粉体材料
2を散布して二層構造を形成した。
【0029】流紋岩系天然ガラスの反応抑制剤4による
被覆処理は、反応抑制剤4としてアクリルシリコン塗料
(イサム塗料(株)製ネオシリカ#1000)を専用シ
ンナーで10倍に希釈し、コンベアー上に広げた流紋岩
系天然ガラスにエアレススプレーで雰霧し、乾燥させな
がら攪拌することにより行った。この被覆処理によって
反応抑制剤4は着色されている。粉体材料2の散布は成
型後の厚みが3mmになる厚さとした。
【0030】以上のようにして二層構造の材料を形成
し、この材料を圧力50kg/cm2で5秒間模様付け成型し
た。このあと、水をスプレー噴霧して洗い出しし、70
℃で20時間蒸気養生し、こののち172℃で4時間オ
ートクレーブ養生して硬化させ、無機質板を得た。
【0031】この無機質板をスパンを300mmとして反
り測定すると、反り量は2.3mmであった。
【0032】(実施例2)実施例1において抄造したグ
リーンシート1上に、表2の実施例2の欄に示すよう
に、実施例1の配合に代えて、セメント材料として日本
セメント(株)製のポルトランドセメントを40部と
し、骨材3である流紋岩系天然ガラス(商標「イシカワ
ライト5号」)を30部として配合した粉体材料2を散
布し、二層構造を形成した。
【0033】また、流紋岩系天然ガラスの反応抑制剤4
による被覆処理は、反応抑制剤4として油化バーデェシ
ェ社製の商標アクロナール、品番YJ100を水で20
倍に希釈し、この希釈液に流紋岩系天然ガラスを浸漬し
て取り出し、乾燥させながら攪拌することにより行っ
た。粉体材料2の散布は成型後の厚みが3mmになる厚さ
とした。
【0034】このあと、実施例1と同様の工程を行い、
無機質板を得た。この無機質板の反り量は1.5mmであ
った。
【0035】(実施例3)粉体2の配合を、セメント材
料として日本セメント(株)製のポルトランドセメント
を34部とし、骨材3である流紋岩系天然ガラスとして
商標「イシカワライト5号」を40部とした他は、実施
例2と全く同様にして行った。
【0036】この無機質板の反り量は2.2mmであっ
た。 (実施例4)粉体2の配合を、セメント材料として日本
セメント(株)製のポルトランドセメントを28部と
し、骨材3である流紋岩系天然ガラスとして商標「イシ
カワライト5号」を50部とした他は、実施例2と全く
同様にして行った。
【0037】この無機質板の反り量は2.5mmであっ
た。 (実施例5)粉体2の配合を、セメント材料として日本
セメント(株)製のポルトランドセメントを40部と
し、骨材3である流紋岩系天然ガラスとして商標「イシ
カワライト5号」を30部とした他は、実施例1と全く
同様にして行った。
【0038】この無機質板の反り量は1.0mmであっ
た。 (実施例6)上記実施例5によって得られた無機質板の
表面に水溶性塗料5として、アクリルエマルジョン塗料
を塗布し、エアーブローを行った。この結果、骨材3表
面のアクリルエマルジョン塗料を除去することができ、
下地のみに水溶性塗料5を塗装することでき、色調の異
なる無機質板が得られた。
【0039】この無機質板の反り量は1.0mmであっ
た。 (比較例1)実施例1において、流紋岩系天然ガラスの
反応抑制剤4による被覆処理を行わず作業して無機質板
を得た。
【0040】この無機質板の反り量は5.2mmであっ
た。 (比較例2)実施例4において、流紋岩系天然ガラスの
反応抑制剤4による被覆処理を行わず作業して無機質板
を得た。
【0041】この無機質板の反り量は7.0mmであっ
た。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】また、図2は反り測定方法を示す説明図で
あって、(A)は反り測定治具を無機質板に当てている
状態を示す断面図であり、(B)は反り測定位置を示す
平面図である。(A)に示すように、この反り測定治具
は、水平棒6の両端に、測定する試料の両端に接触する
接触片7を立設し、水平棒6の中心に設けたマイクロメ
ーター8によって、反り量を計測するものである。すな
わち、 反り量=(b+c)/2−a として求めている。ここに、bおよびcは両側の接触片
7の長さであり、aはマイクロメーター8によって測定
される水平棒6と無機質板中央部との距離である。ま
た、両側の接触片7間の距離である測定スパンLは30
0mmとしている。
【0045】また、(B)に示すように、無機質板の二
つの対角線方向に測定し、この値を平均して反り量とし
ている。
【0046】以上のいずれの実施例においても、流紋岩
系天然ガラスの反応抑制剤4による被覆処理を行わない
比較例よりも、骨材3の表面がきれいに洗い出され、骨
材3の色調をそのまま無機質板の表面に出して、下地と
のコントラストがハッキリとした意匠性の高い無機質板
が製造されている。また、反り量も極めて小さくなって
おり、反りの発生しにくい無機質板が抄造法によって得
られている。
【0047】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、骨材表面を覆
っているセメントの硬化反応を抑制して、水に溶解しや
すい状態とするとともに、反応抑制剤の撥水性によっ
て、骨材表面にセメントなどの粉体材料が付着しにくく
している。したがって、骨材表面に付着する粉体材料の
洗い出しが確実となるので、骨材表面を完全に露出させ
ることができる。この結果、骨材の色調をそのまま無機
質板の表面に出して、下地とのコントラストがハッキリ
とした意匠性の高い無機質板を製造することができる。
【0048】請求項2記載の発明では、骨材表面を被覆
する撥水性の反応抑制剤によって、水溶性塗料がはじか
れて骨材に付着しにくくなっている。この結果、この無
機質板の表面に水溶性塗料を塗って露出している骨材表
面を除く下地を着色して骨材と下地との色合いを調整
し、意匠性の高い無機質板とすることができる。
【0049】請求項3記載の発明では、骨材を特に着色
して下地との色合いに変化を与え、無機質板の意匠性を
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における製造工程途中の状態
を示す断面図であり、(A)は成形後、(B)は洗い出
し後、(C)は表面を着色した後の状態をそれぞれ模式
的に示したものである。
【図2】同上実施例における反り測定方法を示す説明図
であり、(A)は反り測定治具を示す側面図、(B)は
反り測定位置を示す平面図である。
【符号の説明】
1 グリーンシート 2 粉体材料 3 骨材 4 反応抑制剤 5 水溶性塗料 6 水平棒 7 接触片 8 マイクロメーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 32/00 41/65 41/71 41/72 //(C04B 28/02 14:04 Z 16:02 Z 14:22) (C04B 28/02 14:04 Z 18:08) B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラリーを抄造してグリーンシートを形
    成し、このグリーンシート上に骨材を含む粉体材料を散
    布し、成形したのち、洗い出しを行うセメント系の無機
    質板の製造方法において、前記骨材を撥水性の反応抑制
    剤による被覆処理を行ったのち、粉体材料に添加するこ
    とを特徴とする無機質板の製造方法。
  2. 【請求項2】 洗い出しを行ったのち、表面に水溶性塗
    料を塗布することを特徴とする請求項1記載の無機質板
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 骨材を着色するとともに被覆処理するこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の無機質板の製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006219828A (ja) * 2005-02-08 2006-08-24 Nihon Kogyo Co Ltd 舗装材の表面処理方法及びその表面処理装置
JP2019107832A (ja) * 2017-12-19 2019-07-04 株式会社フッコー 洗出し工法

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