JPH08118130A - スローアウェイ式カッタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はスローアウェイ式カッタのチップの
固定をより強固に行い、高速切削、高送り切削等に優れ
たカッタを提供することを目的とする。 【構成】 工具本体先端外周部のチップ座内に、多数の
スローアウェイチップを着脱可能に固定したスローアウ
ェイ式カッタのスローアウェイチップをチップ座に固定
したとき、実質的な拘束面を、軸方向、径方向の外周部
となるようにし、更に前記チップの固定に偏心ネジを使
用し、径方向の外周部に当たるように固着することによ
り構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フライス盤作業で使用
されるスローアウェイ式カッターの改良に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】スローアウェイ式カッターのスローアウ
ェイチップとしては、一般的に３角または４角形を使用
したものが実用化されている。３角形／４角形のスロー
アウェイチップを使用したカッターにおいては、スロー
アウェイチップの外周側は、軸方向切り込み量との兼ね
合いもあり、拘束面を設けると切り込み量の制約を受け
るため、チップ外周側に拘束面を設けないのが一般的で
ある。６角形、８角形のチップの例として、ラフィング
エンドミル等に使用されている。（例として特公平３−
７５２８５号公報）また、角数を多くとることは１辺の
長さをより短くし、辺そのものを切り刃として作用させ
る場合には切り刃長さを短くし、切削抵抗を分散させ、
またこの種のエンドミルでは、工具直径が小さいため、
剛性を保つ上でも有効な方法であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする問題点】スローアウェイチッ
プの固定をより強固に行うには、特に高速切削時には、
回転にともなう遠心力、切削にともなう径方向分力等の
作用により、前記チップは外周側にぬける方向に力を受
けるため、ヌケ止めを設ける必要が生じる。また、切削
時の径方向分力をより小さくするため、その切り刃長さ
を短くし、１チップに加わる切削抵抗を軽減する必要が
ある。

【０００４】

【問題を解決するための手段】そのため、本発明では、
工具本体先端外周部のチップ座内に、多数のスローアウ
ェイチップを着脱可能に固定し、半径方向すくい角、軸
方向すくい角がともに負角としたスローアウェイ式カッ
タにおいて、前記スローアウェイチップは略正６角形以
上の角数を有しを、チップ座に固定したときの拘束面
が、軸方向及び径方向の外周部の２面となるようにし、
更に前記チップの固定に偏心ネジを使用し、径方向の外
周部に当たるように固着し、更に、工具本体をダクタイ
ル鋳鉄より製作したものである。

【０００５】

【作用】まず、前記チップ保持部の強度、剛性の確保の
ためには、軸方向・半径方向すくい角が０度〜負の位置
にチップを保持するようチップ座の底面を形成すること
が必要である。さらに、チップ座に固定したとき、実質
的な拘束面が、前記チップの軸方向は上部、径方向は外
周部となるようにし、特に遠心力方向に当接するように
配置する。そのため切り込み量の制約を受けるが、スロ
ーアウェイチップを６角形以上とする事により、隣合う
外周側切り刃はその長さ分は切り刃として作用させるこ
とができる。次に、前記チップの固定に偏心ネジを使用
し、外周側に当たるように固着し、よりその固着を確実
に行う。また、工具本体は、構造用鋼でも十分である
が、ダクタイル鋳鉄より製作すれば振動・ビビリ等に対
する防振効果があり、被削材、切削の目的等に応じて選
択する事ができる。以下、実施例に基づき詳細に説明す
る。

【０００６】

【実施例】図１・図２に本発明の実施例のスローアウェ
イ式カッタ及びチップの例を示す。スローアウェイ式カ
ッタは、シャンク部１、工具本体２の外周部にスローア
ウェイチップ３が偏心ネジ４により３ヶ所固定されたも
のである。スローアウェイチップ３は略正６角形からな
り、チップの辺５が切り刃となり、チップの辺６が軸方
向、チップの辺７が径方向のヌケ止めのための拘束面と
なっており、軸方向すくい角は−４度、径方向すくい角
は−３度に設けている。尚、本実施例では工具本体をダ
クタイル鋳鉄を用いたため、鋳造に適した丸みを帯びた
形状となっているが、より剛性を保つためには、鋼、超
硬合金等とを複合させた材料により形成させても良い。

【０００７】次に、略正８角形のスローアウェイチップ
を図３・図４に示す。正８角形のチップを用いた場合に
は、正６角形よりもより有利である。正８角形では図３
からも解るように外周に当接する面が軸方向と平行とな
り遠心力に当接する角度として最適である。

【０００８】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、スロー
アウェイチップをチップ座に固定したとき、実質的な拘
束面を軸方向、径方向の外周部の２ヶ所となるようにし
たため、チップの固定が確実に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明によるスローアウェイ式カッタの
例を示す。

【図２】図２は、図１に使用するスローアウェイチップ
を示す。

【図３】図３は本発明の他の実施例を示す。

【図４】図４は、図３に使用するスローアウェイチップ
のを示す。

【符号の説明】

１ シャンク部 ２ 工具本体 ３ スローアウェイチップ ４ 偏心ネジ ５ チップの辺（切り刃） ６ チップの辺（軸方向当接面） ７ チップの辺（径方向当接面）

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【手続補正書】

【提出日】平成７年２月１３日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】発明の名称

【補正方法】変更

【補正内容】

【発明の名称】 スローアウェイ式カッタ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 工具本体先端外周部のチップ座内に、多
   数のスローアウェイチップを着脱可能に固定し、半径方
   向すくい角、軸方向すくい角がともに負角としたスロー
   アウェイ式カッタにおいて、前記スローアウェイチップ
   は略正６角形以上の角数を有しを、チップ座に固定した
   ときの拘束面が、軸方向及び径方向の外周部の２面とな
   るようにし、更に前記チップの固定に偏心ネジを使用
   し、径方向の外周部に当たるように固着した事を特徴と
   するスローアウェイ式カッタ。
2. 【請求項２】 請求項１記載のスローアウェイ式カッタ
   において、工具本体がダクタイル鋳鉄よりなることを特
   徴とするスローアウェイ式カッタ。
3. 【請求項３】 請求項１〜２記載のスローアウェイ式カ
   ッタにおいて、前記スローアウェイチップが略正８角形
   よりなることを特徴とする仕上げ用カッタ。