JPH08118045A - レーザ加工方法およびレーザ加工装置 - Google Patents

レーザ加工方法およびレーザ加工装置

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JPH08118045A
JPH08118045A JP6253116A JP25311694A JPH08118045A JP H08118045 A JPH08118045 A JP H08118045A JP 6253116 A JP6253116 A JP 6253116A JP 25311694 A JP25311694 A JP 25311694A JP H08118045 A JPH08118045 A JP H08118045A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】可とう性のフィルム基板の上に形成した薄膜を
レーザを用いて精度よくパターニングする。 【構成】フィルム基板を搬送するロールの上でレーザ光
を照射して基板の安定した面に対しての加工をする。搬
送を止めて搬送方向に直交する方向のみ加工してもよ
く、搬送しながらレーザ光を同期して移動させて斜めに
加工することもできる。。また、基板縁部の切落とし
を、搬送ロール上でカッタによって行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体接合を利用した
薄膜光電変換素子の製造などのために、可とう性のフィ
ルム基板上に形成した薄膜をパターニングするレーザ加
工方法およびそれに用いるレーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原料ガスのグロー放電分解などにより形
成されるアモルファスシリコン (a−Si:H) のよう
なアモルファス半導体層膜は、気相成長であるため大面
積化が容易で低コストの太陽電池などの光電変換素子の
光電変換膜として利用される。大面積のアモルファス半
導体膜から効率よく電力を取り出すためには、単位光電
変換素子を直列接続した、例えば電気学会太陽電池調査
専問委員会編「太陽電池ハンドブック」電気学会刊 (昭
60年) p105に記載された図2のような集積型a−
Si:H太陽電池が知られている。これは、ガラス板の
ような透光性絶縁基板11上に、酸化すずやITO、Z
nOなどの透明導電材料の薄膜からなる透明電極41、
42、43─を短冊状に形成し、その上に光起電力発生
部であるa−Si:H層領域31、32、33─を、次
いでAlやAgなどの金属薄膜からなる金属電極21、
22、23─を形成したものである。ここで、透明電極
41、a−Si:H層31および金属電極21の組合わ
せ、透明電極42、a−Si:H層32および金属電極
22の組合わせ等が各単位光電変換素子を構成する。そ
して、一つの単位素子の金属電極の延長部51、52─
が隣接する単位素子の透明電極の縁部と接触するように
両電極およびa−Si:H層のパターンが形成されて、
各単位素子は直列に接続される。これは、透光性絶縁基
板11上に形成した透明導電膜をレーザ等で長方形に分
離し、その上にa−Si:H膜を形成し、透明導電膜の
分離ラインに平行に分離し、この上部に金属膜を形成し
これをa−Si:H膜の分離ラインに平行に分離するこ
とにより直列接続を形成する。この手のレーザ分離を行
う装置としては、基板をX−Yステージ上に真空吸着し
てこれをX−Y方向に移動してレーザにより加工する装
置、また、逆に基板を固定し、レーザをファイバー光学
系とすることによりX−Y方向に操作してパターニング
を行う装置が知られている。さらに、コアに巻かれたフ
ィルムの送り出し、巻取り機構を持つフィルムのコーテ
ィング装置等も知られている。
【0003】図3は、特願平5−220870号明細書
等に記載されている薄膜光電変換装置で可とう性基板1
2上に金属電極21、22、23─、a−Si:H層3
1、32、33─、透明電極41、42、43─を積層
すると共に、基板12の裏面に接続電極61、62、6
3─を備えている。透明電極21、22、23─は貫通
孔13により接続電極61、62、63─に、金属電極
22、23─は貫通孔14により接続電極61、62、
63─にそれぞれ接続される。基板12表面上の各層の
レーザパターニングライン15と、裏面上の接続電極層
のレーザパターニングライン16とは上下で食違ってい
るので、単位光電変換素子の直列接続ができ上がる。し
かしこの構造の場合、レーザパターニングを基板の両端
まで行うことがむづかしいので、また積層構造の両端で
透明電極と金属電極あるいは基板の両端で金属電極と接
続電極の短絡が生じているおそれがあるので、図示され
ていないが基板の両端よりやや内側に入ったところで基
板長手方向にレーザパターニングラインを設けて各層を
長方形にパターニングすることが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の、X−Yステー
ジを持つレーザ加工装置の問題点は、加工面積が大きく
なるにつれてX−Yステージも同時に大きくする必要が
あること、そして、フィルム基板等の可とう性基板を用
いる場合には、図4のように可とう性基板12をX−Y
ステージ17の上に固定して光ファイバ18から集光光
学系19を介して投射されるレーザ光20により加工し
ようとすると、図示のように皺が生じ、レーザ光20の
焦点が合わなくなり、加工のばらつきを発生するが、ス
テージ17上に均一に皺無く固定することが難しいこと
等の問題点が存在する。特に、図3のようにフィルム基
板に貫通孔が開いている場合等は真空吸着が難しいの
で、この固定の問題が顕著である。
【0005】本発明の目的は、上述の問題を解決し、可
とう性基板上に形成した層のレーザパターニングを精度
よく行うことのできるレーザ加工方法および加工装置を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の本発明のレーザ加工方法は、可と
う性基板を送り出しロールから巻き取りロールへ搬送ロ
ールを接触させて搬送する途中で搬送を停止し、少なく
とも一つの搬送ロール上に位置する基板にレーザ光を搬
送方向に直交する方向に移動させて照射して基板表面上
の薄膜を加工するものとする。請求項2記載の本発明の
レーザ加工方法は、可とう性基板を送り出しロールから
巻き取りロールへ搬送ロールを接触させて搬送する途中
で、少なくとも一つの搬送ロール上を通過する基板にレ
ーザ光を搬送方向に直交する方向に移動させながら照射
して基板表面上の薄膜を加工するものとする。請求項3
記載の本発明のレーザ加工装置は、可とう性基板を送り
出しロールから巻き取りロールへ搬送するために基板に
接触して回動可能の搬送ロールと、少なくとも一つの搬
送ロールに基板をはさんで対向してその軸方向に移動可
能のレーザ光射出口とを備えたものとする。基板縁部の
位置の検知手段と、この検知手段よりの信号により少な
くとも一つの搬送ロールの軸の搬送方向に垂直面内での
傾きを変える基板位置制御手段とを備えたことが有効で
ある。それぞれ基板をはさんでレーザ光射出口に対向す
る二つの搬送ロールの軸の軸受が共通の固定支持体にそ
れぞれ基板搬送方向に直交する方向に可動に係合する可
動支持体に支持され、二つの搬送ロールのレーザ光照射
位置間の距離が調整可能であることが良い。その場合、
二つの搬送ロールが基板に対して互いに逆の側に位置す
ることが良い。少なくとも一つの搬送ロールに基板をは
さんで対向し、搬送ロール方向に移動可能のカッタを備
えたことも良い。
【0007】
【作用】可とう性基板の搬送方向とほぼ直交する方向に
レーザ光の射出口の移動させ、基板を停止させて一方向
のレーザ加工を行い、あるいは基板を搬送しながらレー
ザ光を照射することによって、他方向の加工を行うこと
で、大型のX−Yステージを用いる必要が無いため、コ
ンパクトで安価な装置のでレーザパターニングが可能と
なる。そして、ロール上で加工することにより、皺が寄
ることがなく、フィルムの加工面の位置を安定させるこ
とが可能となり、レーザ加工の精度が向上する。搬送方
向に直交する方向での加工精度を高めるには、搬送ロー
ル上の基板の位置の精度を高くする必要があり、それは
基板の縁部の位置を検知し、少なくとも一つの搬送ロー
ルの軸の傾きを調整することにより、基板の縁部が搬送
ロールの所定の位置を通るようにすることによって可能
になる。また、二つの搬送ロールに対向してレーザ光の
射出口を設け、搬送ロールの軸の軸受を支持する支持体
を共通の支持体に対し可動にすれば搬送ロール上のレー
ザ加工位置間の距離を変えることができる。これにより
基板表面および裏面の薄膜の所定の位置を一つのフロー
で加工することが可能になる。さらに、搬送ロールに、
対向してカッタを備えると、そのカッタを基板の方へ移
動させて基板を搬送方向に切断することができる。
【0008】
【実施例】以下、共通の部分に同一の符号を付した図を
引用して本発明の実施例について述べる。図1 (a) 、
(b) は、本発明の一実施例のレーザ加工装置を示す平
面図および正面図である。フィルム基板1は、送り出し
ロール2から搬送ロール71、72、73を経て巻き取
りロール3へ搬送される。搬送ロール71は、基板1の
送り長さを測る測長ロールを兼ねているため、対向して
ゴム製の押圧ロール74を備えており、この押圧ロール
74が基板1を搬送ロール71へ押し付けてロール上で
のフィルムの滑りを防いでいる。搬送ロール72の回転
軸の軸受には、支持体4を介して光ファイバ5から送ら
れてくるレーザ光の射出口が固定された可動ステージ6
が搬送ロール72の中心軸に対向して基板1の搬送方向
に直角に、すなわち基板の幅方向のx軸方向に動くよう
に取付けられている。光ファイバ5は集光光学系を備え
てYAGレーザからのレーザ光を導くので、可動ステー
ジ6を移動させることによって射出されるレーザ光によ
り基板1上に成膜された層のx軸方向の加工を行うこと
ができる。この実施例では、x軸方向のレーザ加工のみ
行い、それ以外の斜め加工は行わない。斜め加工を行う
場合は、フィルム1の搬送と可動ステージ6のx軸方向
の移動をコンピュータで同期させる必要がある。レーザ
加工をx軸方向の所定の位置で行うためには、基板1の
縁が搬送ロール72の軸方向の所定の位置を通る必要が
ある。そのために、基板1の縁の位置を検知するエッジ
ポジションセンサ8を備え、その信号を受けて搬送ロー
ル71の軸を基板面に垂直面内で傾けることにより、基
板1を横滑りさせて縁の位置を調整する。ロール72の
直径は、2.5cm以上あることが必要である。ロール7
2の直径が小さすぎるとロール上でレーザの焦点精度を
得ることが難しいためである。逆にロール径が大きくな
ると、ロール自体の精度を得ることが難しくなり装置コ
ストが高くなる。このため、実際の運用上では50cm
以下が好ましく、実施例では10〜20cmとした。ま
た焦点のずれを防ぐために、ロール径の誤差は500μ
m以下、好ましくは100μm以下、可動ステージ6の
軸とロール72の軸との平行度の誤差も500μm以
下、好ましくは100μm以下とすることを要する。こ
の方法によれば、x軸方向に約50μmの精度でレーザ
パターニングを行うことが可能であり、フィルム幅を5
0cmとすると移動時間も含めて幅方向のパターンライ
ンの加工に1〜3秒程度の時間がかかる。この実施例で
は、ファイバ光学系を通じてYAGレーザを照射した例
につき示したが、加工の際には光学系を幅方向に移動す
ればすむので、ファイバを用いないミラー光学系を用い
ても対応可能である。これにより、紫外線レーザ等のフ
ァイバ光学系を用いることが比較的困難なものもレーザ
源として用いることができる。
【0009】図5は、ロール72上の部分を拡大して示
し、図4に示したような皺がフィルム基板1に発生せ
ず、基板1を移動させても、またx軸方向に可動ステー
ジ6の移動を行ってもレーザ光20の焦点が合い、十分
精度の高い加工を行うことができる。図6 (a) 、
(b) に示す本発明の別の実施例のレーザ加工装置で
は、搬送ロール73に対向してカッタ9を備えており、
レーザ加工のほかにこのカッタ9を下降させて、カッタ
加工も行うことができる。基板1を搬送しながらこのカ
ッタ9を用いることにより、例えば図3に示すような構
造の薄膜光電変換装置で、基板の両縁部を両面上の各層
と共に切り落とすことができる。これにより、欠陥の存
在する縁部近傍を、レーザパターニングを用いないで除
去することができる。
【0010】図7 (a) 、 (b) に示す本発明のさらに
別の実施例のレーザ加工装置は、図3に示すような構造
の薄膜光電変換装置の製造のために、基板の一面上の金
属電極層、a−Si:H層、透明電極層、他面上の接続
電極層のパターニングを同一のフローでそれぞれ行うこ
とのできる装置である。この装置では搬送ロール71、
72、73の回転軸の軸受は、それぞれ共通支持体40
に対して可動のアーム91、92、93を介して支持さ
れている。共通支持体40の両端は、送り出しロール2
および巻き取りロール3の回転軸の軸受に固定されてい
る。また、可動アーム91には押圧ロール74の回転軸
の軸受が固定され、可動アーム92および93の端部に
はそれぞれ光ファイバ5に接続されたレーザ光射出口が
固定された可動ステージ6が取付けられている。さら
に、共通アーム40には位置センサ81を備えてこの位
置センサ81で基板のマーカの位置を検出し、可動アー
ム92、93の移動で搬送ロール上の基板1の加工位置
の間隔を調整した二つのレーザ光学系5からのレーザで
基板1の表面と裏面の所定の位置での加工を行う。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、搬送ロール上で停止し
ている基板に搬送方向と直交するx軸方向に加工をし、
搬送される基板に搬送ロール上で加工することによりy
軸方向を含めた加工をすることにより、大型のX−Yス
テージを用いる必要が無いためコンパクトで安価な装置
を作製可能である。これにより、光電変換素子の作製コ
ストを小さくすることができた。さらに、ロール上で加
工することにより、フィルムの加工面の位置を安定させ
ることが可能となり、レーザ加工の精度を向上させるこ
とが可能となり、歩留まり向上につながる。また、同時
にフィル上の複数の位置 (例えば表と裏) で合わせ精度
の高い加工が可能となるため、量産性を大幅に向上させ
ることができた。搬送ロールに対向してカッタを備える
ことにより、搬送方向に切断でき、例えばレーザ加工が
困難など、欠陥の多い基板縁部の取り落としを行うこと
も1フローでできるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のレーザ加工装置を示し、
(a) は平面図、 (b) は正面図
【図2】本発明の実施例の加工装置を製造に用いること
のできる太陽電池の斜視図
【図3】本発明の実施例の加工装置を製造に用いること
のできる薄膜光電変換装置の斜視図
【図4】従来のレーザ加工方法の問題点を示す側面図
【図5】本発明の実施例のレーザ加工装置の加工部近傍
を示す側面図
【図6】本発明の別の実施例のレーザ加工装置を示し、
(a) は平面図、 (b) は側面図
【図7】本発明のさらに別の実施例のレーザ加工装置を
示し、 (a) は平面図、 (b)は側面図
【符号の説明】
1 フィルム基板 2 送り出しロール 3 巻き取りロール 4 支持体 40 共通支持体 5 光ファイバ 6 可動ステージ 71、72、73 搬送ロール 8 エッジポジションセンサ 9 カッタ 91、92、93 可動アーム

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可とう性基板を送り出しロールから巻き取
    りロールへ搬送ロールを接触させて搬送する途中で搬送
    を停止し、少なくとも一つの搬送ロール上に位置する基
    板にレーザ光を搬送方向に直交する方向に移動させて照
    射して基板表面上の薄膜を加工することを特徴とするレ
    ーザ加工方法。
  2. 【請求項2】可とう性基板を送り出しロールから巻き取
    りロールへ搬送ロールを接触させて搬送する途中で、少
    なくとも一つの搬送ロール上を通過する基板にレーザ光
    を搬送方向に直交する方向に移動させながら照射して基
    板表面上の薄膜を加工することを特徴とするレーザ加工
    方法。
  3. 【請求項3】可とう性基板を送り出しロールから巻き取
    りロールへ搬送するために基板に接触して回動可能の搬
    送ロールと、少なくとも一つの搬送ロールに基板をはさ
    んで対向してその軸方向に移動可能のレーザ光射出口と
    を備えたことを特徴とするレーザ加工装置。
  4. 【請求項4】基板縁部の位置の検知手段と、この検知手
    段よりの信号により少なくとも一つの搬送ロールの軸の
    搬送方向に垂直面内での傾きを変える基板位置制御手段
    とを備えた請求項3記載のレーザ加工装置。
  5. 【請求項5】それぞれ基板をはさんでレーザ光射出口に
    対向する二つの搬送ロールの軸の軸受が共通の固定支持
    体にそれぞれ基板搬送方向に直交する方向に可動に係合
    する可動支持体に支持され、二つの搬送ロールのレーザ
    光照射位置間の距離が調整可能である請求項3あるいは
    4記載のレーザ加工装置。
  6. 【請求項6】二つの搬送ロールが基板に対して互いに逆
    の側に位置する請求項5記載のレーザ加工装置。
  7. 【請求項7】少なくとも一つの搬送ロールに基板をはさ
    んで対向し、搬送ロール方向に移動可能のカッタを備え
    た請求項3ないし5のいずれかに記載のレーザ加工装
    置。
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