JPH08117940A - 鋼の連続鋳造用モールドパウダー - Google Patents
鋼の連続鋳造用モールドパウダーInfo
- Publication number
- JPH08117940A JPH08117940A JP26693294A JP26693294A JPH08117940A JP H08117940 A JPH08117940 A JP H08117940A JP 26693294 A JP26693294 A JP 26693294A JP 26693294 A JP26693294 A JP 26693294A JP H08117940 A JPH08117940 A JP H08117940A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- powder
- carbonate
- added
- aluminum
- mold
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】表面欠陥の少ない鋳片を得ることができる連続
鋳造用モールドパウダーの提供。 【構成】金属アルミニウムおよび/またはアルミニウム
合金(例えば、Al−Mg合金、Ca−Al合金、Al−Ca−Mg合
金など)を単独または合計で 0.5mass%以上20mass%未
満含有し、かつ、アルカリ金属およびアルカリ土類金属
の中の1種以上の金属の炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウ
ム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウムなど)を 1.0mass
%以上30mass%未満含有する連続鋳造用モールドパウダ
ー。 【効果】モールド内の溶鋼表面の保温性に優れ、鋳片表
面におけるピンホール欠陥の発生を防止することができ
る。
鋳造用モールドパウダーの提供。 【構成】金属アルミニウムおよび/またはアルミニウム
合金(例えば、Al−Mg合金、Ca−Al合金、Al−Ca−Mg合
金など)を単独または合計で 0.5mass%以上20mass%未
満含有し、かつ、アルカリ金属およびアルカリ土類金属
の中の1種以上の金属の炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウ
ム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウムなど)を 1.0mass
%以上30mass%未満含有する連続鋳造用モールドパウダ
ー。 【効果】モールド内の溶鋼表面の保温性に優れ、鋳片表
面におけるピンホール欠陥の発生を防止することができ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼の連続鋳造用モール
ドパウダーであって、特に、鋳型内の湯面の保温性に優
れたモールドパウダーに関する。
ドパウダーであって、特に、鋳型内の湯面の保温性に優
れたモールドパウダーに関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造モールドパウダーは、モー
ルド内の溶鋼表面に添加され、モールド内壁面と凝固
シェル間の潤滑作用、湯面の保温、浮上介在物の吸
収、溶鋼の酸化防止等、連続鋳造を円滑に行う上で種
々の重要な役割を担っている。
ルド内の溶鋼表面に添加され、モールド内壁面と凝固
シェル間の潤滑作用、湯面の保温、浮上介在物の吸
収、溶鋼の酸化防止等、連続鋳造を円滑に行う上で種
々の重要な役割を担っている。
【0003】上記の種々の作用の中で、の湯面の保温
が必要とされるのは、湯面温度を高く保つことにより溶
鋼中の気泡および介在物の浮上が容易になり、これらに
起因する鋼片のピンホール発生が防止できるからであ
る。そのため、モールド内で反応して熱を発生する発熱
材を添加した発熱性連続鋳造用モールドパウダーの利用
の拡大が図られている。
が必要とされるのは、湯面温度を高く保つことにより溶
鋼中の気泡および介在物の浮上が容易になり、これらに
起因する鋼片のピンホール発生が防止できるからであ
る。そのため、モールド内で反応して熱を発生する発熱
材を添加した発熱性連続鋳造用モールドパウダーの利用
の拡大が図られている。
【0004】発熱性連続鋳造用モールドパウダーとして
は、例えば、特開平3−210950号公報に、発熱材として
アルミニウム、カルシウム−アルミニウム合金、アルミ
ニウム−マグネシウム合金およびアルミニウム−カルシ
ウム−マグネシウム合金の中の少なくとも1種を所定量
含む連続鋳造用パウダーが、また、特開平3−226341号
公報には、発熱材として炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウムおよび硝酸ナトリウムの中の1種または2種以
上、還元材として炭素、シリコンおよびシリコン合金の
中の1種または2種以上、および火炎抑制材として酸化
鉄をそれぞれ所定量含む連続鋳造用パウダーが開示され
ている。
は、例えば、特開平3−210950号公報に、発熱材として
アルミニウム、カルシウム−アルミニウム合金、アルミ
ニウム−マグネシウム合金およびアルミニウム−カルシ
ウム−マグネシウム合金の中の少なくとも1種を所定量
含む連続鋳造用パウダーが、また、特開平3−226341号
公報には、発熱材として炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウムおよび硝酸ナトリウムの中の1種または2種以
上、還元材として炭素、シリコンおよびシリコン合金の
中の1種または2種以上、および火炎抑制材として酸化
鉄をそれぞれ所定量含む連続鋳造用パウダーが開示され
ている。
【0005】これらの発熱性のパウダーのうち、前者の
アルミニウム、カルシウム−アルミニウム合金などを含
むパウダーにおいては、これらの金属粉末を大気中の酸
素により酸化し、発熱させるのであるが、パウダーの内
部では酸化しにくく、湯面の保温効果が必ずしも十分で
はない。また、後者の炭酸ナトリウムや硝酸ナトリウム
などの発熱材と、炭素、シリコンなどの還元材等を含む
パウダーにおいては、発熱材と還元材を反応させること
により発熱させるのであるが、炭素、シリコン、シリコ
ン−カルシウム合金など、融点の高い材料を用いている
ので、発熱材と還元材の反応は固相を含んだ状態で行わ
れ、反応の進行が不均一となって十分進行せず、未反応
部分が残存する懸念がある。
アルミニウム、カルシウム−アルミニウム合金などを含
むパウダーにおいては、これらの金属粉末を大気中の酸
素により酸化し、発熱させるのであるが、パウダーの内
部では酸化しにくく、湯面の保温効果が必ずしも十分で
はない。また、後者の炭酸ナトリウムや硝酸ナトリウム
などの発熱材と、炭素、シリコンなどの還元材等を含む
パウダーにおいては、発熱材と還元材を反応させること
により発熱させるのであるが、炭素、シリコン、シリコ
ン−カルシウム合金など、融点の高い材料を用いている
ので、発熱材と還元材の反応は固相を含んだ状態で行わ
れ、反応の進行が不均一となって十分進行せず、未反応
部分が残存する懸念がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の発熱
性モールドパウダーにおける上記の問題を解決し、鋼を
連続鋳造する際の湯面の保温性に優れ、表面欠陥、特
に、ピンホール欠陥の少ない鋳片を得ることができる連
続鋳造用モールドパウダーを提供することを課題として
なされたものである。
性モールドパウダーにおける上記の問題を解決し、鋼を
連続鋳造する際の湯面の保温性に優れ、表面欠陥、特
に、ピンホール欠陥の少ない鋳片を得ることができる連
続鋳造用モールドパウダーを提供することを課題として
なされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記の
連続鋳造用モールドパウダーにある。
連続鋳造用モールドパウダーにある。
【0008】金属アルミニウムもしくはアルミニウム合
金、またはその両者を単独または合計で 0.5mass%以
上、20mass%未満含有し、かつ、アルカリ金属およびア
ルカリ土類金属の中の1種以上の金属の炭酸塩を単独ま
たは合計で 1.0mass%以上、30mass%未満含有すること
を特徴とする鋳型内の湯面の保温性に優れた鋼の連続鋳
造用モールドパウダー。
金、またはその両者を単独または合計で 0.5mass%以
上、20mass%未満含有し、かつ、アルカリ金属およびア
ルカリ土類金属の中の1種以上の金属の炭酸塩を単独ま
たは合計で 1.0mass%以上、30mass%未満含有すること
を特徴とする鋳型内の湯面の保温性に優れた鋼の連続鋳
造用モールドパウダー。
【0009】ここで、金属アルミニウムとアルミニウム
合金は発熱材として添加する成分であり、アルカリ金属
およびアルカリ土類金属の中の1種以上の金属の炭酸塩
は前記発熱材に酸素を供給するために添加する成分であ
る。
合金は発熱材として添加する成分であり、アルカリ金属
およびアルカリ土類金属の中の1種以上の金属の炭酸塩
は前記発熱材に酸素を供給するために添加する成分であ
る。
【0010】
【作用】以下、本発明のモールドパウダーについて詳細
に説明する。なお、%はmass%を意味する。
に説明する。なお、%はmass%を意味する。
【0011】本発明のモールドパウダーは、パウダー本
体(この明細書では、SiO2、CaO などパウダーの主要部
を構成するベースのパウダーを意味する)より融点の低
い金属を発熱材として添加するとともに、分解して酸素
(O)を発生する炭酸塩を添加する点に特徴がある。す
なわち、従来の金属粉末を発熱材として用いるモールド
パウダーでは、大気中の酸素または発熱材とともに添加
する助燃材から供給される酸素と金属粉末との発熱反応
を利用し、しかも、金属粉末は固相状態で反応する場合
が多いのに対して、本発明のモールドパウダーにおいて
は、融点が低く、パウダー本体より先に溶融する金属
と、炭酸塩が分解して生じる酸素との反応により発生す
る熱を利用して湯面を保温するのである。なお、炭酸塩
は分解して炭酸ガス(CO2) を生じ、更に一酸化炭素(CO)
と酸素(O)に分解して酸素を発生する。
体(この明細書では、SiO2、CaO などパウダーの主要部
を構成するベースのパウダーを意味する)より融点の低
い金属を発熱材として添加するとともに、分解して酸素
(O)を発生する炭酸塩を添加する点に特徴がある。す
なわち、従来の金属粉末を発熱材として用いるモールド
パウダーでは、大気中の酸素または発熱材とともに添加
する助燃材から供給される酸素と金属粉末との発熱反応
を利用し、しかも、金属粉末は固相状態で反応する場合
が多いのに対して、本発明のモールドパウダーにおいて
は、融点が低く、パウダー本体より先に溶融する金属
と、炭酸塩が分解して生じる酸素との反応により発生す
る熱を利用して湯面を保温するのである。なお、炭酸塩
は分解して炭酸ガス(CO2) を生じ、更に一酸化炭素(CO)
と酸素(O)に分解して酸素を発生する。
【0012】パウダー本体より融点の低い金属を発熱材
として用いるのは、炭酸塩の分解により生じる酸素との
反応を固相状態でなく液相状態で行わせ、反応を均一
に、かつ、未反応部分が残存しないように進行させるた
めである。
として用いるのは、炭酸塩の分解により生じる酸素との
反応を固相状態でなく液相状態で行わせ、反応を均一
に、かつ、未反応部分が残存しないように進行させるた
めである。
【0013】発熱材として添加するパウダー本体より融
点が低い金属としては、金属アルミニウムおよびアルミ
ニウム合金を用いることができる。金属アルミニウムの
み、またはアルミニウム合金のみを用いてもよいし、金
属アルミニウムとアルミニウム合金を同時に用いてもよ
い。アルミニウム合金としては、アルミニウム−マグネ
シウム合金、カルシウム−アルミニウム合金、アルミニ
ウム−カルシウム−マグネシウム合金などが融点が低く
好適である。
点が低い金属としては、金属アルミニウムおよびアルミ
ニウム合金を用いることができる。金属アルミニウムの
み、またはアルミニウム合金のみを用いてもよいし、金
属アルミニウムとアルミニウム合金を同時に用いてもよ
い。アルミニウム合金としては、アルミニウム−マグネ
シウム合金、カルシウム−アルミニウム合金、アルミニ
ウム−カルシウム−マグネシウム合金などが融点が低く
好適である。
【0014】金属アルミニウムもしくはアルミニウム合
金、またはその両者の含有量が、0.5 %未満であると、
発熱量が少ないため、湯面温度を上げる効果が乏しい。
一方、20%以上になると発熱効果が飽和するだけでなく
パウダーの粘度が上昇し、安定した鋳造ができず、ピン
ホールの発生が増加するという逆効果を生む。
金、またはその両者の含有量が、0.5 %未満であると、
発熱量が少ないため、湯面温度を上げる効果が乏しい。
一方、20%以上になると発熱効果が飽和するだけでなく
パウダーの粘度が上昇し、安定した鋳造ができず、ピン
ホールの発生が増加するという逆効果を生む。
【0015】金属アルミニウムとアルミニウム合金を同
時に用いる場合、あるいは2種以上のアルミニウム合金
を同時に用いる場合は、それらの合計の含有量を上記の
範囲とする。
時に用いる場合、あるいは2種以上のアルミニウム合金
を同時に用いる場合は、それらの合計の含有量を上記の
範囲とする。
【0016】炭酸塩としては、アルカリ金属およびアル
カリ土類金属の中の1種以上の金属の炭酸塩を添加すれ
ばよい。アルカリ金属の中の1種以上の金属の炭酸塩の
みでもよいし、アルカリ土類金属の中の1種以上の金属
の炭酸塩のみでもよく、あるいはその両者を含む炭酸塩
を用いてもよい。具体的には、炭酸ナトリウム(ソーダ
灰 Na2CO3 )、炭酸マグネシウム(MgCO3)、炭酸水素ナ
トリウム(NaHCO3)、炭酸カリウム(K2CO3) 、炭酸水素カ
リウム(KHCO3) 、炭酸バリウム(BaCO3)などの炭酸塩中
の1種または2種以上を用いるのが好適である。
カリ土類金属の中の1種以上の金属の炭酸塩を添加すれ
ばよい。アルカリ金属の中の1種以上の金属の炭酸塩の
みでもよいし、アルカリ土類金属の中の1種以上の金属
の炭酸塩のみでもよく、あるいはその両者を含む炭酸塩
を用いてもよい。具体的には、炭酸ナトリウム(ソーダ
灰 Na2CO3 )、炭酸マグネシウム(MgCO3)、炭酸水素ナ
トリウム(NaHCO3)、炭酸カリウム(K2CO3) 、炭酸水素カ
リウム(KHCO3) 、炭酸バリウム(BaCO3)などの炭酸塩中
の1種または2種以上を用いるのが好適である。
【0017】これらの炭酸塩の1種または2種以上の合
計含有量が 1.0%より少ないと、前記発熱材を効果的に
酸化できないので、十分な発熱量が得られない。また、
30重量%以上になると、炭酸塩の分解は吸熱反応である
ため、発熱量よりも吸熱量が大きくなり湯面温度の上昇
に寄与しなくなる。
計含有量が 1.0%より少ないと、前記発熱材を効果的に
酸化できないので、十分な発熱量が得られない。また、
30重量%以上になると、炭酸塩の分解は吸熱反応である
ため、発熱量よりも吸熱量が大きくなり湯面温度の上昇
に寄与しなくなる。
【0018】上記の発熱材や炭酸塩を添加するベースの
パウダーは、従来、鋼の連続鋳造に使用されているSi
O2、CaO 等を主成分とするモールドパウダーである。
パウダーは、従来、鋼の連続鋳造に使用されているSi
O2、CaO 等を主成分とするモールドパウダーである。
【0019】上記本発明のパウダーを用いれば、鋳造の
際、大気中の酸素を利用しなくても発熱材の酸化反応が
進行する。従って、酸素ポテンシャルが低いパウダー層
の内部でも酸化による発熱反応が起こり、湯面からの抜
熱を抑制して湯面の保温を効果的に行うことができ、表
面欠陥の少ない鋳片を得ることができる。
際、大気中の酸素を利用しなくても発熱材の酸化反応が
進行する。従って、酸素ポテンシャルが低いパウダー層
の内部でも酸化による発熱反応が起こり、湯面からの抜
熱を抑制して湯面の保温を効果的に行うことができ、表
面欠陥の少ない鋳片を得ることができる。
【0020】
【実施例】ソーダ灰(Na2CO3)をNa2O、炭酸マグネシウム
(MgCO3) をMgO として換算した場合に、パウダー組成が
下記のとおりになるように配合したベースパウダーに、
アルミニウムまたはアルミニウム−マグネシウム合金を
添加した。
(MgCO3) をMgO として換算した場合に、パウダー組成が
下記のとおりになるように配合したベースパウダーに、
アルミニウムまたはアルミニウム−マグネシウム合金を
添加した。
【0021】SiO2: 38.4 %、 CaO:34.6%、 Al2O3:
1.0%、 MgO :1.0%、Na2O: 5%、 Total F: 8%、
Fe2O3: 5% 上記のパウダーを用い、湾曲半径が10mの一点矯正連続
鋳造機により低炭素鋼の鋳造試験を行って、パウダーと
湯面の界面の温度(以下、パウダー/湯面温度とい
う)、および鋳片表面におけるピンホールの発生率を調
査した。
1.0%、 MgO :1.0%、Na2O: 5%、 Total F: 8%、
Fe2O3: 5% 上記のパウダーを用い、湾曲半径が10mの一点矯正連続
鋳造機により低炭素鋼の鋳造試験を行って、パウダーと
湯面の界面の温度(以下、パウダー/湯面温度とい
う)、および鋳片表面におけるピンホールの発生率を調
査した。
【0022】表1、表2および表3に用いたパウダーの
発熱材と炭酸塩の含有量を示す。スラブサイズ(断面形
状)は1500mm×250mm 、鋳造速度は1.5m/minとした。な
お、パウダー/湯面温度の測定は熱電対によって行い、
鋳片のピンホールの発生率は鋳片のスケールを除いた
後、目視観察する方法で測定した。
発熱材と炭酸塩の含有量を示す。スラブサイズ(断面形
状)は1500mm×250mm 、鋳造速度は1.5m/minとした。な
お、パウダー/湯面温度の測定は熱電対によって行い、
鋳片のピンホールの発生率は鋳片のスケールを除いた
後、目視観察する方法で測定した。
【0023】表1は発熱材として金属アルミニウムを添
加した場合、表2はアルミニウム−マグネシウム合金を
添加した場合、表3はこれらを組み合わせて添加した場
合である。パウダーの1573Kにおける粘度、融点および
塩基度(CaO+CaF2×0.718)/SiO2 (但し、CaO 、CaF2お
よびSiO2はいずれもパウダー中における含有量(mass
%)を意味する)も表1〜3に併せて示した。また、溶
鋼の化学組成は表4に示すとおりである。
加した場合、表2はアルミニウム−マグネシウム合金を
添加した場合、表3はこれらを組み合わせて添加した場
合である。パウダーの1573Kにおける粘度、融点および
塩基度(CaO+CaF2×0.718)/SiO2 (但し、CaO 、CaF2お
よびSiO2はいずれもパウダー中における含有量(mass
%)を意味する)も表1〜3に併せて示した。また、溶
鋼の化学組成は表4に示すとおりである。
【0024】試験結果を図1および図2に示す。図1の
グラフに付した No.および図2の横軸のパウダー No.は
表1〜3の No.に対応する。
グラフに付した No.および図2の横軸のパウダー No.は
表1〜3の No.に対応する。
【0025】まず、発熱材として金属アルミニウムを添
加したパウダーを用いた場合(表1の No.1〜11のパウ
ダー)について説明する。
加したパウダーを用いた場合(表1の No.1〜11のパウ
ダー)について説明する。
【0026】炭酸塩としてソーダ灰を添加した No.1〜
7のパウダーのうち、 No.1のパウダーを用いた場合
は、発熱材の添加量が少ないため、図1に示すようにパ
ウダー/湯面温度の上昇は認められず、鋳片表面のピン
ホール発生率は高かった(図2参照)。しかし、図1に
示されるように、 No.2〜5のパウダーを用いた場合、
発熱材の添加量が増加するに伴ってパウダー/湯面温度
が上昇し、また、それに伴い、鋳片表面のピンホール発
生率が低下した(図2参照)。
7のパウダーのうち、 No.1のパウダーを用いた場合
は、発熱材の添加量が少ないため、図1に示すようにパ
ウダー/湯面温度の上昇は認められず、鋳片表面のピン
ホール発生率は高かった(図2参照)。しかし、図1に
示されるように、 No.2〜5のパウダーを用いた場合、
発熱材の添加量が増加するに伴ってパウダー/湯面温度
が上昇し、また、それに伴い、鋳片表面のピンホール発
生率が低下した(図2参照)。
【0027】No.6のパウダーは発熱材の添加量が本発
明で規定する範囲を超えており、そのため溶融パウダー
の粘度が上昇し、このパウダーを用いた場合のピンホー
ル発生率は No.2〜5のパウダーを用いた場合に比べて
高かった。また、図1に示されるように、発熱材の添加
量を増してもそれに応じて更にパウダー/湯面温度が上
昇することはなく、添加の効果は飽和する。
明で規定する範囲を超えており、そのため溶融パウダー
の粘度が上昇し、このパウダーを用いた場合のピンホー
ル発生率は No.2〜5のパウダーを用いた場合に比べて
高かった。また、図1に示されるように、発熱材の添加
量を増してもそれに応じて更にパウダー/湯面温度が上
昇することはなく、添加の効果は飽和する。
【0028】No.7のパウダーは炭酸塩の添加量が本発
明で規定する範囲より少ない場合で、パウダー/湯面温
度の上昇は認められず、ピンホール発生率も高かった。
明で規定する範囲より少ない場合で、パウダー/湯面温
度の上昇は認められず、ピンホール発生率も高かった。
【0029】No.8〜11のパウダーは炭酸塩として炭酸
マグネシウムを添加したパウダーであるが、発熱材およ
び炭酸マグネシウムの添加量が適正な No.8〜10のパウ
ダーを用いた場合は、ソーダ灰を添加したパウダーを用
いた場合と同様に、パウダー/湯面温度が上昇し、ピン
ホールの発生率は低下した。
マグネシウムを添加したパウダーであるが、発熱材およ
び炭酸マグネシウムの添加量が適正な No.8〜10のパウ
ダーを用いた場合は、ソーダ灰を添加したパウダーを用
いた場合と同様に、パウダー/湯面温度が上昇し、ピン
ホールの発生率は低下した。
【0030】炭酸マグネシウムの添加量が本発明で規定
する範囲を超える No.11のパウダーを用いた場合は、添
加量が増すにつれて吸熱量が多くなるため、パウダー/
湯面温度は上昇せず、ピンホールの発生率は高くなっ
た。
する範囲を超える No.11のパウダーを用いた場合は、添
加量が増すにつれて吸熱量が多くなるため、パウダー/
湯面温度は上昇せず、ピンホールの発生率は高くなっ
た。
【0031】次に、発熱材としてアルミニウム−マグネ
シウム合金を用いた場合(表2の No.12〜23のパウダ
ー)について説明する。
シウム合金を用いた場合(表2の No.12〜23のパウダ
ー)について説明する。
【0032】炭酸塩としてソーダ灰を添加した No.12〜
17のパウダーのうち No.12のパウダーは、発熱材の添加
量が本発明で定める範囲よりも少なく、このパウダーを
用いた場合は、パウダー/湯面温度の上昇は認められず
(図1参照)、鋳片表面のピンホール発生率は高かった
(図2参照)。しかし、 No.13〜16のパウダーを用いた
場合は、図1に示すように、発熱材の添加量が増加する
に伴ってパウダー/湯面温度が上昇し、また、それに伴
い、鋳片表面のピンホール発生率が低下した(図2参
照)。
17のパウダーのうち No.12のパウダーは、発熱材の添加
量が本発明で定める範囲よりも少なく、このパウダーを
用いた場合は、パウダー/湯面温度の上昇は認められず
(図1参照)、鋳片表面のピンホール発生率は高かった
(図2参照)。しかし、 No.13〜16のパウダーを用いた
場合は、図1に示すように、発熱材の添加量が増加する
に伴ってパウダー/湯面温度が上昇し、また、それに伴
い、鋳片表面のピンホール発生率が低下した(図2参
照)。
【0033】No.17のパウダーは発熱材の添加量が本発
明で規定する範囲を超える場合で、溶融パウダーの粘度
が上昇し、このパウダーを用いた場合のピンホール発生
率はNo.13〜16のパウダーを用いた場合に比べて高かっ
た。また、パウダー/湯面温度の上昇効果は発熱材とし
てアルミニウムを添加したパウダー(No.6のパウダー)
を用いた場合と同様に飽和した。
明で規定する範囲を超える場合で、溶融パウダーの粘度
が上昇し、このパウダーを用いた場合のピンホール発生
率はNo.13〜16のパウダーを用いた場合に比べて高かっ
た。また、パウダー/湯面温度の上昇効果は発熱材とし
てアルミニウムを添加したパウダー(No.6のパウダー)
を用いた場合と同様に飽和した。
【0034】No.18〜23のパウダーは炭酸塩として炭酸
マグネシウムを添加したパウダーであるが、発熱材およ
び炭酸マグネシウムの添加量が適正な No.18および19の
パウダーを用いた場合は、ソーダ灰を添加したパウダー
を用いた場合と同様に、パウダー/湯面温度が上昇し、
ピンホールの発生率は低下した。
マグネシウムを添加したパウダーであるが、発熱材およ
び炭酸マグネシウムの添加量が適正な No.18および19の
パウダーを用いた場合は、ソーダ灰を添加したパウダー
を用いた場合と同様に、パウダー/湯面温度が上昇し、
ピンホールの発生率は低下した。
【0035】炭酸マグネシウムの添加量が本発明で規定
する範囲を超える No.20のパウダーを用いた場合は、ピ
ンホールの発生率は少なかったが、パウダー/湯面温度
の上昇は認められなかった。
する範囲を超える No.20のパウダーを用いた場合は、ピ
ンホールの発生率は少なかったが、パウダー/湯面温度
の上昇は認められなかった。
【0036】No.21のパウダーは炭酸塩の添加量が本発
明で定める量より少ないため、このパウダーを用いた場
合は、パウダー/湯面温度の上昇は認められなかった。
No.22のパウダーは発熱材の添加量が本発明で定める範
囲を超える場合であるが、このパウダーを用いた場合の
ピンホール発生率は No.18〜21のパウダーを用いた場合
に比べて高く、また、パウダー/湯面温度の上昇効果は
飽和した。 No.23のパウダーは発熱材の添加量が少な
く、そのためパウダー/湯面温度の上昇は認められず、
ピンホール発生率は高かった。
明で定める量より少ないため、このパウダーを用いた場
合は、パウダー/湯面温度の上昇は認められなかった。
No.22のパウダーは発熱材の添加量が本発明で定める範
囲を超える場合であるが、このパウダーを用いた場合の
ピンホール発生率は No.18〜21のパウダーを用いた場合
に比べて高く、また、パウダー/湯面温度の上昇効果は
飽和した。 No.23のパウダーは発熱材の添加量が少な
く、そのためパウダー/湯面温度の上昇は認められず、
ピンホール発生率は高かった。
【0037】次に、発熱材のアルミニウムとアルミニウ
ム−マグネシウム合金を両方とも添加した例(表3の N
o.24〜28) について説明する。
ム−マグネシウム合金を両方とも添加した例(表3の N
o.24〜28) について説明する。
【0038】No.24 は、炭酸ナトリウムのみを添加した
場合、No.25 は炭酸マグネシウムのみを添加した場合、
No.26 はこれら両者を添加した場合である。図1に示す
ように、いずれの場合もパウダー/湯面温度が上昇し
た。図2に示すようにピンホール発生率も低下してい
る。しかし、No.27 では、アルミニウムとアルミニウム
−マグネシウム合金の合計添加量が多いためにパウダー
の粘度が高くなり、図2に示すとおりピンホール発生率
が高い。No.28 では、炭酸ナトリウムと炭酸マグネシウ
ムの合計添加量が多過ぎるために、これら炭酸塩の分解
に伴う吸熱の方が大きくなり、パウダー/湯面温度の上
昇がなく、図2に示すようにピンホール発生率も低下し
なかった。
場合、No.25 は炭酸マグネシウムのみを添加した場合、
No.26 はこれら両者を添加した場合である。図1に示す
ように、いずれの場合もパウダー/湯面温度が上昇し
た。図2に示すようにピンホール発生率も低下してい
る。しかし、No.27 では、アルミニウムとアルミニウム
−マグネシウム合金の合計添加量が多いためにパウダー
の粘度が高くなり、図2に示すとおりピンホール発生率
が高い。No.28 では、炭酸ナトリウムと炭酸マグネシウ
ムの合計添加量が多過ぎるために、これら炭酸塩の分解
に伴う吸熱の方が大きくなり、パウダー/湯面温度の上
昇がなく、図2に示すようにピンホール発生率も低下し
なかった。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【発明の効果】本発明のモールドパウダーは鋳型内の湯
面の保温性に優れており、このパウダーを鋼の連続鋳造
に使用すれば、鋳片表面における欠陥、特にピンホール
欠陥の発生を防止することができる。
面の保温性に優れており、このパウダーを鋼の連続鋳造
に使用すれば、鋳片表面における欠陥、特にピンホール
欠陥の発生を防止することができる。
【図1】パウダー中のアルミニウムまたはアルミニウム
合金の含有量とパウダー/湯面温度の関係を示す図であ
る。
合金の含有量とパウダー/湯面温度の関係を示す図であ
る。
【図2】使用したパウダーと鋳片表面におけるピンホー
ル発生率の関係を示す図である。
ル発生率の関係を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】金属アルミニウムもしくはアルミニウム合
金、またはその両者を単独または合計で 0.5mass%以
上、20mass%未満含有し、かつ、アルカリ金属およびア
ルカリ土類金属の中の1種以上の金属の炭酸塩を単独ま
たは合計で 1.0mass%以上、30mass%未満含有すること
を特徴とする鋳型内の湯面の保温性に優れた鋼の連続鋳
造用モールドパウダー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26693294A JP2956495B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 鋼の連続鋳造用モールドパウダー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26693294A JP2956495B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 鋼の連続鋳造用モールドパウダー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08117940A true JPH08117940A (ja) | 1996-05-14 |
JP2956495B2 JP2956495B2 (ja) | 1999-10-04 |
Family
ID=17437692
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26693294A Expired - Lifetime JP2956495B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 鋼の連続鋳造用モールドパウダー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2956495B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108176831A (zh) * | 2017-12-28 | 2018-06-19 | 西峡龙成冶金材料有限公司 | 一种高铝钢用连铸结晶器保护渣 |
-
1994
- 1994-10-31 JP JP26693294A patent/JP2956495B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108176831A (zh) * | 2017-12-28 | 2018-06-19 | 西峡龙成冶金材料有限公司 | 一种高铝钢用连铸结晶器保护渣 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2956495B2 (ja) | 1999-10-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US3230074A (en) | Process of making iron-aluminum alloys and components thereof | |
JP4337748B2 (ja) | 鋼の連続鋳造用モールドパウダー | |
JP2017528321A (ja) | 鋳造粉末、鋳造スラグおよび鋼の鋳造方法 | |
KR960002403B1 (ko) | 연속 주조용 발열형 몰드 파우더 | |
JP6627896B2 (ja) | 連続鋳造用発熱型フロントパウダー | |
US20130167688A1 (en) | Method of making low carbon steel using ferrous oxide and mineral carbonates | |
JPH08117940A (ja) | 鋼の連続鋳造用モールドパウダー | |
Cingi | Mold-metal reactions in magnesium investment castings | |
JP4508086B2 (ja) | 鋼の連続鋳造用モールドパウダーおよび連続鋳造方法 | |
JP2009114532A (ja) | マグネシウム合金材の製造方法 | |
US3158466A (en) | Product for refining effervescent, quiescent and semi-quiescent steel in the casting | |
JPH0673728B2 (ja) | 連続鋳造用発熱型モールドパウダー | |
US4354868A (en) | Process for the desiliconization of manganese alloys | |
EP0691410A1 (en) | Additive for treating molten metal, in particular for treating molten iron or steel | |
JP2003033849A (ja) | 連続鋳造用モールドパウダー | |
JP2007290003A (ja) | 溶鋼表面保温材とそれを用いた鋼の連続鋳造方法 | |
JP4555512B2 (ja) | スラグの改質方法 | |
JP2007111721A (ja) | 溶鋼表面保温材とそれを用いた鋼の連続鋳造方法 | |
JP7158614B1 (ja) | 連続鋳造用発熱性モールドパウダーおよび連続鋳造方法 | |
JPH06330128A (ja) | 溶銑の脱硫剤及びそれを用いた脱硫方法 | |
JP2019136754A (ja) | 連続鋳造用モールドパウダー及び連続鋳造方法 | |
SU831289A1 (ru) | Шлакообразующа смесь | |
JP2000290718A (ja) | 複合造滓材 | |
CA1214646A (en) | Removing phosphorous from iron | |
JPH06179059A (ja) | 溶鋼表面保温剤 |