JPH08117919A - アンカー用スリーブの製造方法 - Google Patents

アンカー用スリーブの製造方法

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JPH08117919A
JPH08117919A JP27829194A JP27829194A JPH08117919A JP H08117919 A JPH08117919 A JP H08117919A JP 27829194 A JP27829194 A JP 27829194A JP 27829194 A JP27829194 A JP 27829194A JP H08117919 A JPH08117919 A JP H08117919A
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JP
Japan
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die
inner peripheral
sleeve
forming
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JP27829194A
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English (en)
Inventor
幸三郎 ▲高▼木
Kosaburo Takagi
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J P N 21 KK
Original Assignee
J P N 21 KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧造成形により拡開部を備えたアンカー用ス
リーブを成形する場合に、成形用ピンの摩耗を防止し
て、長期間に亙る使用を可能にできるアンカー用スリー
ブの製造方法を提供する。 【構成】 断面円形の成形孔2a内周面に軸方向に延び
る複数の突条2bが突設されているダイス2内に、管状
素材X2をパンチ4により圧入させて、突条2bにより
素材X2の外周面に複数の外側凹溝eを形成し、次い
で、この予備成形素材X3を、素材X3内に挿通可能な
棒状でその外周面に素材X3の内周面よりも半径方向外
方に突出する突部11aを備えた成形用ピン11を内装
したダイス3内に圧入して、成形用ピン11の突部11
aにより、素材X3の内周面に外側凹溝eに対し破断用
肉薄部fを介して相対向する内側凹溝gが形成されたス
リーブSを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一端に軸方向に延びる
複数の拡開部を備えたアンカー用スリーブの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般にコンクリートブロックやその他の
基礎に取付ける際に用いられるアンカーは、予めコンク
リート面等に穿設した孔に挿入されるスリーブと、該ス
リーブの一端に設けられた拡開部に圧入されるテーパ付
きプラグとから成り、スリーブの拡開部を穿設孔内でプ
ラグの圧入により拡開させて該孔の内周面に圧接させる
ことにより、スリーブをコンクリート面等に固着させる
ようにしている。従って、スリーブの拡開部は、プラグ
による拡開を容易ならしめるために軸方向に延びる数条
の割溝で縦割りにした形状とされているのが通例であ
る。
【0003】そして、このような割溝からなる拡開部を
備えたアンカー用スリーブの製造方法として、例えば、
特公昭54−30669号公報に開示されているよう
に、圧造加工により成形して安価に量産化を図るように
したものが知られている。
【0004】この製造方法は、断面円形の成形孔を備
え、該成形孔の内周面に軸方向に延びる複数の突条が突
設されているダイス内に、管状素材をパンチにより圧入
させて、上記突条により素材の外周面に複数の凹溝が形
成された予備成形素材を成形し、次いで、この予備成形
素材を次に対応のパンチにより、上記素材内に挿通可能
な棒状でその外周面にダイス内周面と摺接する突起を備
えた成形用ピンを進退自在に内装した後段のダイス内に
圧入させて、上記突起により上記凹溝を完全に切開せし
めて割溝をするようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
に、上記予備成形素材で形成された凹溝を成形用ピンの
突起により完全に切開せしめて割溝を形成する場合、そ
の切開時における成形用ピンの突起先端部に対する負担
が大きくて摩耗が激しく、その上、この成形用ピンは成
形品の押し出し部材としても兼用されており、このた
め、該成形用ピンの突起の外周面はダイスの内周面と摺
接する構造となっていて、成形後には該成形用ピンがダ
イスに対し進退移動して成形素材をダイスから突き出す
動作を行うものであるから、この成形素材をダイスから
突き出すときに、上記突起における外周面がダイスにこ
すられてすり減ることになり、その結果、上記成形ピン
は短期間の内に摩耗して、頻繁に成形用ピンを交換しな
ければならず、長期間に亙る使用に耐えない問題があっ
た。
【0006】また、割溝を形成するに際し、先ず管状素
材の外周面に凹溝を形成する工程と、その後、該凹溝を
切開する工程との2工程で行うものであるから、型数が
多くなり、圧造成形機全体が大型化して、大きな設置ス
ペースが必要となると共に、製造時間も長くかかり、か
つ、高価となる問題も有していた。
【0007】そこで本発明の目的は、生産性に富む圧造
成形により、管状素材から拡開部を備えたアンカー用ス
リーブを成形する場合に、成形用ピンの摩耗を防止し
て、該成形用ピンを頻繁に交換したりすることなく長期
間に亙って使用することができるアンカー用スリーブの
製造方法を提供することにある。
【0008】また、他の目的は、成形用ピンの摩耗防止
と同時に、管状素材から拡開容易な破断用肉薄部を備え
たスリーブを1工程で成形できるようにして、工程数を
減らし、生産性を向上できると共に、圧造成形機全体の
小型化して設置スペースを小さくでき、かつ、安価に製
造できるアンカー用スリーブの製造方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0010】すなわち、本願の請求項1に係る発明(以
下、第1発明という)は、一端に軸方向に延びる複数の
拡開部を備えたアンカー用スリーブの製造方法におい
て、断面円形の成形孔を備え、該成形孔の内周面に軸方
向に延びる複数の突条が突設されているダイス内に、管
状素材をパンチにより圧入させて、上記突条により素材
の外周面に複数の外側凹溝が形成された予備成形素材を
成形し、次いで、この予備成形素材を次に対応のパンチ
により、上記素材内に挿通可能な棒状でその外周面に上
記素材の内周面よりも半径方向外方に突出する突部を備
えた成形用ピンを内装した後段のダイス内に、上記外側
凹溝を成形用ピンの突起に対応させた状態で圧入させ
て、上記突部により素材の内周面に上記外側凹溝に対し
破断用肉薄部を介して相対向する内側凹溝が成形される
ようにしたことを特徴とする。
【0011】また、請求項2に係る発明(以下、第2発
明という)は、一端に軸方向に延びる複数の拡開部を備
えたアンカー用スリーブの製造方法において、断面円形
の成形孔を備え、該成形孔の内周面に軸方向に延びる複
数の突条が突設されているダイスと、管状素材をダイス
内に圧入するパンチと、上記ダイス内に配設されている
と共に、上記素材内に挿通する棒状でその外周部に上記
素材の内周面よりも半径方向外方に突出し、かつ上記突
条に対し一定間隔を置いて相対向する突部を備えた成形
用固定ピンとを用い、上記素材をパンチによりダイス内
に圧入させたとき、上記突条により素材の外周面に複数
の外側凹溝が形成されると同時に、上記突部により素材
の内周面に上記外側凹溝に対し破断用肉薄部を介して相
対向する内側凹溝が形成されるようにしたことを特徴と
する。
【0012】
【作用】上記の構成によれば、次のような作用が得られ
る。
【0013】まず、第1発明によれば、管状素材をパン
チにより前段側のダイス内に圧入すると、ダイスの内周
面奥部に突設された複数の突条により、その外周面に複
数の凹溝が形成された予備成形素材が成形されることに
なる。次いで、予備成形素材を次のパンチにより後段側
のダイス内に圧入すると、ダイス内に内装された成形用
ピンの突部で、上記素材の内周面に破断用肉薄部を介し
て上記外側凹溝に対し相対向する内側凹溝が成形される
ことになる。その結果、圧造成形により、拡開容易な破
断用肉薄部を備えたアンカー用スリーブを効率よく安価
に量産することができながら、しかも、成形用ピンとダ
イスとが干渉することなく圧造成形することが可能にな
ると共に、成形用ピンは、外側凹溝と対応する部分に破
断用肉薄部を残してごく浅い内側凹溝を成形するだけで
よいので、その摩耗を極力抑えることが可能となり、こ
れにより、成形用ピンの摩耗を抑えて、長期間に亙る使
用を可能にできる。
【0014】また、第2発明によれば、管状素材をパン
チによりダイス内に圧入することにより、ダイスに設け
た突条により素材の外周面に複数の外側凹溝が形成され
ると同時に、ダイスに内装した成形用ピンの突部により
素材の内周面に上記外側凹溝に対し破断用肉薄部を介し
て相対向する内側凹溝が形成されることになる。その結
果、成形用ピンとダイスとが干渉することなく圧造成形
でき、かつ、成形用ピンは、外側凹溝と対応する部分に
破断用肉薄部を残してごく浅い内側凹溝を成形するだけ
でよいので、その摩耗を抑えることが可能となり、これ
により、成形用ピンの摩耗を防止して、長期間に亙る使
用を可能にできながら、しかも、管状素材から拡開容易
な上記破断用肉薄部を備えたスリーブを1工程で成形す
ることができるので、工程数を減らし、生産性を向上で
きると共に、圧造成形機全体の小型化して設置スペース
を小さくでき、かつ、安価に製造することが可能とな
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明のアンカー用スリーブの製造方
法に関する実施例について説明する。
【0016】図1ないし図8は、本発明に係る第1発明
の実施例を示すもので、図2は、圧造成形機によるアン
カー用スリーブSの成形工程における形状の変化を示し
たものである。このスリーブSの成形工程としては、ま
ず、棒材を所定長さに切断して得られた素材Xの両端面
が、図2の(イ)に示すように、据え込み加工によって
矯正される。次いでこの素材Xは、図2の(ロ)に示す
ように、両端面に同時に施される複合押し出し加工によ
って、両端面にぞれぞれ内孔a,bが形成される。続い
て、この内孔a,bが形成された素材X1は、図2の
(ハ)に示すように、その内孔a,b間に残された余肉
部cが打ち抜かれて、上記両内孔a,b間を連通する通
孔dをもつ管状素材X2が成形される。然る後、図2の
(ニ)に示すように、管状素材X2の外周面に複数の外
側凹溝eが形成された予備成形素材X3が成形され、そ
の後、この予備成形素材X3の内周面に上記外側凹溝e
に対し破断用肉薄部fを介して相対向する内側凹溝gが
成形される。
【0017】そして、上記した図2の(イ)から(ハ)
までの前工程で、管状に成形された管状素材X2から、
図2の(ニ)及び(ホ)に示す2段階の工程で、該素材
X2の一端部における外周面と内周面とに、破断用肉薄
部fを介して外側凹溝eと内側凹溝gとが相対向する拡
開部を備えたスリーブSを製造する方法として、図2に
示すような圧造成形機を用いて行われる。
【0018】この圧造成形機は、機台1にダイス2,3
が並配設されていると共に、これらダイス2,3の前面
側には各ダイス2,3に対応するパンチ4,5が往復動
するラム6に突設されていて、二つの圧造ステーション
が備えられている。
【0019】前段側圧造ステーションのダイス2は断面
円形の成形孔2aを備え、その内周面奥部に軸方向に延
びる複数の突条2bが突設されている。また、該ダイス
2には、前工程で成形された管状素材X2内に挿通可能
とした固定パンチ7が内装されており、該固定パンチ7
と上記成形孔2aの内周面との間には、パンチ4の後退
に伴って管状素材X2をダイス2内より突き出す筒状の
突出し体8が進退自在に設けられている。この突出し体
8の後端頭部には、荷受けブロック9を貫通させて配設
された複数のノックアウトピン10の先端が当接してお
り、これらのノックアウトピン10により突出し体8が
前方へ突き出されることにより、前段側圧造ステーショ
ンで成形された予備成形素材X3がダイス2より排出さ
れるようになっている。なお、上記突出し体8には、そ
の前進時に上記突条2bとの干渉を避けるための逃げ溝
8aが各突条2bに対応して形成されている。
【0020】一方、後段側圧造ステーションのダイス3
は、断面円形の平滑な内周面をもつ成形孔3aをもち、
該ダイス3内には、上記素材X2内に挿通可能な棒状で
その外周面に上記素材X2の内周面よりも半径方向外方
に突出し、かつ上記突条2bに対応する複数の突部11
aを備えた成形ピン11が内装されており、後段側パン
チ5により外側凹溝eが成形された予備成形素材X3を
ダイス3内に打ち込ませたとき、素材X3の内周面に上
記外側凹溝eに対し破断用肉薄部fを介して相対向する
内側凹溝gが成形されるようになっている。また、上記
成形用ピン11と上記成形孔3aの内周面との間には、
パンチ5の後退に伴って完成スリーブSをダイス3内よ
り突き出す筒状の突出し体12が進退自在に設けられて
いる。この突出し体12の後端頭部には、荷受けブロッ
ク13を貫通させて配設された複数のノックアウトピン
14の先端が当接しており、これらのノックアウトピン
14により突出し体12が前方へ突き出されることによ
り、後段側圧造ステーションで成形された成形品がダイ
ス3より排出されるようになっている。なお、上記各突
出し体8,12は、それぞれコイルばね15,16によ
り後方側に付勢されている。また、両ダイス2,3間の
前部には、図示しないが各ダイスの前方側に押し出され
た予備成形素材X3を後段のダイス3の前面側に移送さ
せたり、完成スリーブSをダイス3から取り出すチャッ
ク(図示せず)が配設されている。
【0021】そして、上記前段側圧造ステーションにお
いては、ラム6が後退した状態で、前工程で成形された
管状素材X2を上記前段のダイス3の前面に移送させる
と、管状素材X2はラム6の前進によりパンチ4を介し
てダイス2内に圧入され、ダイス2の内周面奥部に突設
された複数の突条2bにより、その外周面に複数の外側
凹溝eが形成され、複数の凹溝が形成された予備成形素
材X3が成形されることになる。
【0022】次いで、ラム6が後退するとき、突出し体
8がノックアウトピン10を介して突出し体8が前進し
て、予備成形素材X3がダイス2の前方に突き出され、
チャックを介して後段側ダイス3の前面に運ばれる。然
る後、再びラム6の前進によりパンチ5を介して予備成
形素材X3がダイス3内に圧入される。かかる圧入によ
り上記成形用ピン11の突部11aで上記素材X3の内
周面に、上記外側凹溝eに対し破断用肉薄部fを介して
相対向する内側凹溝gが成形される。そして、ラム6が
後退するとき、ノックアウトピン14を介して突出し体
12が前進して、該突出し体12により前方に突き出さ
れる。
【0023】こうして、管状素材X2の一端における外
周面と内周面に、破断用肉薄部fを介して相対向する外
側凹溝eと内側凹溝gから成る拡開部を有するスリーブ
Sを製造することが可能となる。その結果、成形用ピン
11とダイス3とが干渉することなく圧造成形でき、か
つ、成形用ピン11は、外側凹溝eと対応する部分に破
断用肉薄部fを残してごく浅い内側凹溝gを成形するだ
けでよいので、その摩耗を抑えることが可能となり、こ
れにより、成形用ピン11の摩耗を防止して、長期間に
亙る使用を可能にできる。
【0024】以上のように成形されたスリーブSには、
図9に示したように、例えば、スリーブSの拡開部とは
反対側内周面に、ネジ溝加工を施した上で、該スリーブ
Sの拡開部にプラグPを挿し込み、その状態で該拡開部
をコンクリート面Cやその他の基礎等に穿設した孔内に
挿入する。そして、スリーブS上端をハンマーHで木製
押し体0を介し殴打し、この殴打で穿設孔内でプラグP
により破断用肉薄部fを破断させて拡開部を拡開させる
ことにより、該拡開部を穿設孔の内周面に圧接させて、
スリーブSをコンクリート面C等に固着させる。そし
て、図10に示したように、スリーブSのネジ溝hに螺
合するボルトBを介して適宜機械類をコンクリート面C
等に取付けるのである。
【0025】なお、図に示す実施例では、以上のように
成形したスリーブSの拡開部とは反対側内周面に、ネジ
溝加工を施しているが、例えば一端にテーパ状のプラグ
を一体に備えたボルトと組み合わせてスリーブSを使用
する場合には、ネジ加工を施さなくてもよいことは勿論
である。
【0026】図11及び図12は、本発明に係る第2発
明の実施例を示すもので、図2の(イ)から(ハ)に示
す前工程で管状に成形された管状素材X2から、該素材
X2の一端における外周面と内周面とに、破断用肉薄部
fを介して外側凹溝eと内側凹溝gとが相対向する拡開
部を備えた完成スリーブSを1工程で製造できるように
したものである。
【0027】この製造方法に用いる圧造成形機は、図1
1に示すように、機台1に断面円形の成形孔20aを備
え、該成形孔20aの内周面奥部に軸方向に延びる複数
の突条20bが突設されているダイス20が設けられて
いると共に、このダイス20の前面に該ダイス20に対
応するパンチ21が往復動するラム22に突設されてい
る。そして、上記ダイス20内には、管状素材X2内に
挿通する棒状でその外周部に、上記素材X2の内周面よ
りも半径方向外方に突出し、かつ上記突条20bに対し
一定間隔を置いて相対向する突部23aを備えた成形用
ピン23が設けられている。また、この成形用ピン23
と上記成形孔20aの内周面との間には、パンチ21の
後退に伴って管状素材X2をダイス20内より突き出す
筒状の突出し体24が進退自在に設けられている。この
突出し体24の後端頭部には、荷受けブロック25を貫
通させて配設された複数のノックアウトピン26の先端
が当接しており、これらのノックアウトピン26により
突出し体24が突き出されることにより、成形された完
成スリーブSがダイス20より排出されるようになって
いる。なお、突出し体24はコイルばね27により後方
側に付勢されている。なお、上記突出し体24には、そ
の前進時に上記突条2bとの干渉を避けるための逃げ溝
24aが各突条2bに対応して形成されている。
【0028】そして、上記素材X2をパンチ21により
ダイス20内に圧入させたとき、上記突条20bにより
素材X2の外周面に複数の外側凹溝eが形成されると同
時に、上記突部23aにより素材X2の内周面に上記外
側凹溝eに対し破断用肉薄部fを介して相対向する内側
凹溝gが形成されるように構成されている。
【0029】かかる構成の圧造成形装置により管状素材
X2から拡開部をもつスリーブSを成形する場合、ラム
22が後退した状態で、前工程で成形された管状素材X
2をダイス20の前方位置に移送させると、該管状素材
X2はラム22の前進によりダイス20内に圧入され
て、上記突条20bにより素材X2の外周面に複数の外
側凹溝eが形成されると同時に、上記突部23aにより
素材X2の内周面に上記外側凹溝eに対し破断用肉薄部
fを介して相対向する内側凹溝gが形成されることにな
る。そして、ラム22が後退するとき、ノックアウトピ
ン26を介して突出し体24が前進して、該突出し体2
4により完成スリーブSがダイス20前方に突き出され
ることになる。
【0030】こうして、素材X2の外周面と内周面とに
破断用肉薄部fを介して相対向する外側凹溝eと内側凹
溝gから成る拡開部を1工程で成形することが可能とな
り、上記第1実施例と同様に成形用ピンの摩耗を防止し
て、長期間に亙る使用を可能にできながら、しかも、管
状素材から拡開容易な上記破断用肉薄部を備えたスリー
ブを1工程で成形することが可能となるので、工程数を
減らし、生産性を向上できると共に、圧造成形機全体の
小型化して設置スペースを小さくでき、かつ、安価に製
造することが可能となる。
【0031】
【発明の効果】以上のように第1発明によれば、管状素
材をパンチにより前段側のダイス内に圧入すると、ダイ
スの内周面奥部に突設された複数の突条により、その外
周面に複数の凹溝が形成された予備成形素材が成形され
ることになり、次いで、予備成形素材を次のパンチによ
り後段側のダイス内に圧入すると、ダイス内に内装され
た成形用ピンの突部で、上記素材の内周面に破断用肉薄
部を介して上記外側凹溝に対し相対向する内側凹溝が成
形されることになる。その結果、圧造成形により、拡開
容易な破断用肉薄部を備えたアンカー用スリーブを効率
よく安価に量産することができながら、しかも、成形用
ピンとダイスとが干渉することなく圧造成形することが
可能になると共に、成形用ピンは、外側凹溝と対応する
部分に破断用肉薄部を残してごく浅い内側凹溝を成形す
るだけでよいので、その摩耗を極力抑えることが可能と
なり、これにより、成形用ピンの摩耗を抑えて、長期間
に亙る使用を可能にできる。
【0032】また、第2発明によれば、管状素材をパン
チによりダイス内に圧入することにより、ダイスに設け
た突条により素材の外周面に複数の外側凹溝が形成され
ると同時に、ダイスに内装した成形用ピンの突部により
素材の内周面に上記外側凹溝に対し破断用肉薄部を介し
て相対向する内側凹溝が形成されることになる。その結
果、成形用ピンとダイスとが干渉することなく圧造成形
でき、かつ、成形用ピンは、外側凹溝と対応する部分に
破断用肉薄部を残してごく浅い内側凹溝を成形するだけ
でよいので、その摩耗を抑えることが可能となり、これ
により、成形用ピンの摩耗を防止して、長期間に亙る使
用を可能にできながら、しかも、管状素材から拡開容易
な上記破断用肉薄部を備えたスリーブを1工程で成形す
ることができるので、工程数を減らし、生産性を向上で
きると共に、圧造成形機全体の小型化して設置スペース
を小さくでき、かつ、安価に製造することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る圧造成形機の横断
面図である。
【図2】 アンカー用スリーブの成形工程の形状変化を
示す図面である。
【図3】 同スリーブの一部切欠き正面図である。
【図4】 同底面図である。
【図5】 図1のA−A断面図である。
【図6】 図1のB−B断面図である。
【図7】 予備成形素材の斜視図である。
【図8】 完成スリーブの斜視図である。
【図9】 スリーブのコンクリートへの固着状態を示す
説明図である。
【図10】 スリーブの使用状態を示す説明図である。
【図11】 本発明の第2実施例に係る圧造成形機の横
断面図である。
【図12】 図11のC−C断面図である。
【符号の説明】
2,3,20 ダイス 4,5,21 パンチ 2a,3a,20a 成形孔 2b,20b 突条 11,23 成形用ピン 11a,23a 突部 S スリーブ X2 管状素材 X3 予備成形素材 e 外側凹溝 f 破断用肉薄部 g 内側凹溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に軸方向に延びる複数の拡開部を備
    えたアンカー用スリーブの製造方法であって、断面円形
    の成形孔を備え、該成形孔の内周面に軸方向に延びる複
    数の突条が突設されているダイス内に、管状素材をパン
    チにより圧入させて、上記突条により素材の外周面に複
    数の外側凹溝が形成された予備成形素材を成形し、次い
    で、この予備成形素材を次に対応のパンチにより、上記
    素材内に挿通可能な棒状でその外周面に上記素材の内周
    面よりも半径方向外方に突出する突部を備えた成形用ピ
    ンを内装した後段のダイス内に、上記外側凹溝を成形用
    ピンの突起に対応させた状態で圧入させて、上記突部に
    より素材の内周面に上記外側凹溝に対し破断用肉薄部を
    介して相対向する内側凹溝が成形されるようにしたこと
    を特徴とするアンカー用スリーブの製造方法。
  2. 【請求項2】 一端に軸方向に延びる複数の拡開部を備
    えたアンカー用スリーブの製造方法であって、断面円形
    の成形孔を備え、該成形孔の内周面に軸方向に延びる複
    数の突条が突設されているダイスと、管状素材をダイス
    内に圧入するパンチと、上記ダイス内に配設されている
    と共に、上記素材内に挿通する棒状でその外周部に上記
    素材の内周面よりも半径方向外方に突出し、かつ上記突
    条に対し一定間隔を置いて相対向する突部を備えた成形
    用固定ピンとを用い、上記素材をパンチによりダイス内
    に圧入させたとき、上記突条により素材の外周面に複数
    の外側凹溝が形成されると同時に、上記突部により素材
    の内周面に上記外側凹溝に対し破断用肉薄部を介して相
    対向する内側凹溝が形成されるようにしたことを特徴と
    するアンカー用スリーブの製造方法。
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