JPH08117780A - 微生物担持体およびその製造方法 - Google Patents

微生物担持体およびその製造方法

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JPH08117780A
JPH08117780A JP6284049A JP28404994A JPH08117780A JP H08117780 A JPH08117780 A JP H08117780A JP 6284049 A JP6284049 A JP 6284049A JP 28404994 A JP28404994 A JP 28404994A JP H08117780 A JPH08117780 A JP H08117780A
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diameter
less
siliceous
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JP6284049A
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Shinya Yoshimoto
信哉 吉本
Yutaka Furukawa
豊 古川
Michiko Kawakami
道子 川上
Yasuko Sasahara
靖子 笹原
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面が適度な粗さで、かつ多孔性、軽量性、
耐摩滅強度を具備し、洗浄時には濾材表面に微生物層が
再生し易く、高い処理効率を維持することができる微生
物担持体の提供。 【構成】 珪酸質原料と石灰質減量を混合した後、該混
合物に水を添加し粒状に成形し、該粒状物を所定の温度
でオートクレーブ養生を行うことにより、CaO/Si
モル比が0.35〜1.2で、直径100μm以下
の細孔を35〜70体積%有し、嵩比重が0.9〜1.
7の微生物担持体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機物を含有する廃水
や、建築工事現場および軽量気泡コンクリート(以下A
LCと称する)製造工場から排出されるALCを、生物
化学的処理方法の一つである固定生物法によって処理す
る際に用いる微生物担持体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生活廃水やBOD(生化学的酸素要求
量:水中に増殖する好気性微生物の代謝要求に応ずるの
に必要な溶解酸素量)を排水基準値以上含む工場等の廃
水の処理は、まず砂や粗い固形物を除去した後、1次処
理により微細な浮遊物を沈殿除去し、2次処理によりコ
ロイド状物質、有機物の除去を経て、消毒後放流される
のが一般的である。都市下水等の場合は、溶存酸素を消
費する有機成分や病原菌の除去を目的とするために、生
物化学的処理方法が2次処理に用いられている。
【0003】生物化学的処理方法には、活性汚泥のよう
に微生物フロックが水中に浮遊している浮遊生物法と、
担持体表面に微生物膜が固定している固定生物法とに大
別され、浮遊生物法には標準活性汚泥法やステップエア
レーション法、オキシデーションディッチ法等があり、
固定生物法には散水濾床法、接触曝気法、回転円板接触
法等がある。
【0004】有機物を含有する廃水を散水濾床法、接触
曝気法等によって処理する場合には、濾材の表面に生育
した微生物により廃水中の有機物が捕捉されるが、装置
の運転中に濾材表面の微生物層が肥厚すると処理効率が
低下するので、一定時間毎に処理水を強く逆流させる等
の方法により洗浄(逆流洗浄)しなければならない。こ
の逆流洗浄を行う際、砂、アンスラサイト(無煙炭製
品)等の天然産の小粒形物、またはプラスチック製小
片、ハニカムチューブ等が微生物担持体としての濾材と
して使用されるが、これらの濾材は表面が平滑であるた
め微生物はほとんど流されてしまい、濾材表面の微生物
層が回復するには時間を要し、処理効率の低下を余儀な
くされる。
【0005】そこで、かかる対策として、内部に多くの
細孔を有し、かつ表面に適度の粗さを有する珪酸カルシ
ウム系水和物の多孔質粒状濾材が提案されている(特開
平1−171696号公報、特開平3−114592号
公報等参照)。この濾材は、珪酸質原料と石灰質原料と
からなる水スラリーを気泡剤により発泡硬化させて水熱
処理したもので、空隙率を50〜90%有する多孔質珪
酸カルシウムを主成分とする一般に軽量気泡コンクリー
ト(以下ALCと称する)と呼ばれるものである。この
ALCは一般的にトバモライトの微細な安定した結晶か
らなり、直径0.2〜1.5mmのマクロポアを45〜
60容積%、0.2mm以下の気泡を5〜30%有して
おり、処理水槽中での吸水後の比重が天然の砂利の比重
約2.5より軽量であり、濾材に付着した微生物の死骸
等を除去するために定期的に逆流洗浄する場合、洗浄用
の動力を大幅に軽減できる上、処理槽の構造や基礎を簡
易化できる。さらに、天然の砂利やプラスチック濾材と
比較して濾材表面が粗いため、BOD分解用の微生物が
付着しやすい上、逆流洗浄を行った時に濾材表面の微生
物は流失するものの、内部の細孔内の微生物は流出しな
いためそれが種となって濾材表面に微生物層が繁殖し、
逆流洗浄後の処理能力の回復が早く、処理性能もよい等
の優れた効果を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、軽量の珪酸
カルシウム系水和物の多孔質粒状濾材は、強度的に弱く
摩耗し易いため、濾材の補給量が増大し処理費が高くつ
く上、処理槽の底に溜まるスラッジも多くなり、定期的
に取り除く作業を必要とした。
【0007】本発明は、従来の珪酸カルシウム系水和物
の多孔質粒状濾材の欠点を解消するためになされたもの
で、表面が適度な粗さで、かつ多孔性、軽量性、耐摩滅
強度を具備し、逆流洗浄時には濾材表面に微生物層が再
生し易く、高い処理効率を維持することができる微生物
担持体とその製造方法を提案しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る微生物担持
体は、珪酸質原料と石灰質原料を含有し、主として珪酸
カルシウム系水和物からなり、全体としてCaO/Si
モル比が0.35〜1.2で、直径100μm以下
の細孔を35〜70体積%有し、嵩比重が0.9〜1.
7であることを特徴とし、また、この微生物担持体は組
成が異なる2以上の層を有する球体であることを特徴と
し、また、その球体の組成としては内層が高細孔容積率
で低比重層、外層が低細孔容積率で高比重層の2層で構
成されたことを特徴とし、さらに前記同一球体中の各層
について、直径100μm以下の細孔容積率、嵩比重の
両方もしくは、どちらか一方の差が20%以上であるこ
とを特徴とする。また、前記珪酸質原料と石灰質原料を
含有し、主として珪酸カルシウム系水和物からなり、全
体としてCaO/SiOモル比が0.35〜1.2
で、直径100μm以下の細孔を35〜70体積%有
し、嵩比重が0.9〜1.7の担持体を基材とし、これ
に粒径0.5mm以下に粉砕した嵩比重0.45〜0.
55の軽量気泡コンクリートを含有し、直径100μm
以下の細孔を45〜70体積%有し、嵩比重が0.8〜
1.3であることを特徴とし、また、前記珪酸カルシウ
ム系水和物は、主としてトバモライトとCSHゲルとか
らなり、必要に応じて未反応の珪酸質原料と石灰質原料
の両方もしくは、どちらか一方を含むことを特徴とし、
また、軽量気泡コンクリートを重量比で25〜90%含
有することを特徴とする。
【0009】また、上記微生物担持体の製造方法とし
て、珪酸質原料として粒度100μm以下に粉砕した珪
石粉末を用い、石灰質原料として生石灰または消石灰ま
たは両者の混合物を用い、前記珪酸質原料と石灰質原料
を混合した後、該混合物に水を添加し粒状に成形し、該
粒状物を150〜200℃でオートクレーブ養生を行う
ことを特徴とし、また、他の方法として、珪酸質原料と
して粒度100μm以下に粉砕した珪石粉末を、石灰質
原料として生石灰または消石灰または両者の混合物をそ
れぞれ用い、前記の珪酸質原料と石灰質原料を軽量の配
合原料と摩滅減量の少ない配合原料とに分け、軽量の配
合原料に水を添加し成形した粒状物を摩滅減量の少ない
配合原料にて被覆して2層組成の粒状物を得、該粒状物
を150〜200℃でオートクレーブ養生を行うことを
特徴とし、さらに他の方法として、珪酸質原料として粒
度100μm以下に粉砕した珪石粉末を用い、石灰質原
料として生石灰または消石灰または両者の混合物を用
い、前記珪酸質原料と石灰質原料および、粒径0.5m
m以下に粉砕した嵩比重0.45〜0.55の軽量気泡
コンクリートを混合した後、該混合物に水を添加し粒状
に成形し、該粒状物を150〜200℃でオートクレー
ブ養生を行うことを特徴とし、また、これらの製造方法
における前記石灰質原料の一部にポルトランドセメント
を用いることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】本発明における珪酸カルシウム系水和物として
は、建築物によく使用されているトバモライト系のAL
C板とゾノトライト系の耐火被覆材を上げることができ
る。ALCは、ポルトランドセメントを含む珪酸質原料
と石灰質原料を主原料とし、発泡材を加えて硬化させた
原料スラリーに180℃、10気圧で水熱処理を施した
もので、トバモライトがバインダーとなっている。しか
し、このALCは嵩比重が0.45〜0.55で内部に
発泡材による直径0.2〜1.5mmのマクロポアが4
5〜60容積%存在するため、軽量で断熱性を有する反
面、強度が低いという難点がある。一方、ゾノトライト
は耐火被覆材等の成型品にする場合は、珪酸質粉末と石
灰粉を水熱処理して得たゲルに繊維を添加してプレスす
るが、特徴としては軽量で耐火性を有するが、前記AL
Cと同様強度が低いという難点がある。
【0011】そこで本発明者は、ALCのマクロポアを
取除いて、ミクロポアのみの珪酸カルシウム質多孔体と
すると、比重の増加に比べて顕著な強度の向上があるこ
とに着目し、種々検討した結果、表面が適度な粗さで、
かつ多孔性、軽量性、耐摩滅強度を具備し、逆流洗浄時
には濾材表面に微生物層が再生し易く、高い処理効率を
維持することができる濾材として、CaO/SiO
ル比が0.35〜1.2で、直径100μm以下の細孔
を35〜70体積%有し、嵩比重が0.9〜1.7の微
生物担持体を見いだした。
【0012】本発明に係る微生物担持体として、CaO
/SiOモル比を0.35〜1.2としたのは、モル
比0.35未満ではトバモライト結晶が生成しにくく、
強度、耐久性が発現せず、他方、1.2を超えるとトバ
モライトからゾノトライトへ変化し、強度が低下するた
めである。また、直径100μm以下の細孔を35〜7
0体積%有することとしたのは、濾材比重を0.85〜
1.5としてかつ圧縮強度を200kg/cm以上と
するためである。さらに、嵩比重を0.9〜1.7と限
定したのは、0.9未満では圧縮強度200kg/cm
以上の発現が困難であり、他方、1.7を超えると軽
量性の特性が発揮されないためである。
【0013】また、本発明において、微生物担持体の組
成を多層構造とするのは、多孔性、軽量性、耐摩滅強度
のより優れた微生物担持体を得るためである。具体的に
は、同一粒体の外部は耐摩滅性をよくするために細孔容
積率を下げ、比重を上げる等組成を調整して強度を高め
るが、内部は細孔容積率を上げ、比重を下げる等組成を
調整して軽量性と多孔性を付与することができる。一例
として、図1には内層1−1が高細孔容積率、低比重
層、外層1−2が低細孔容積率、高比重層の2層構造の
球体を示す。ここで、内層を高細孔容積率、低比重層、
外層を低細孔容積率、高比重層とするのは、以下に示す
理由による。すなわち、濾材の軽量性を追及すると、濾
材のすり減り抵抗性(強度と相関性あり)が低下する。
そこで、濾材の内部を軽量としてすり減り抵抗性に関係
する外層の比重を高めて、すり減り抵抗性を高めること
により、軽量ですり減り抵抗性に優れた濾材を得るため
である。
【0014】また、前記同一球体中の各層について、直
径100μm以下の細孔容積率、嵩比重の両方もしく
は、どちらか一方の差を20%以上とするのは、20%
未満では、内部を軽量化し、表面のすり減り抵抗性を維
持しながら軽量化を促進する効果が少ないためである。
例えば、前記2層構造の球体で内層の比重を20%下げ
た場合、球全体での比重低下効果は最大でも20%であ
り、かつ実際に濾材として使用する場合は、低比重ほど
吸水率が大きく比重低下効果は低減する。一例では比重
を10%低下すると吸水率は6.2%増加する。したが
って、比重(絶乾)を20%低下しても飽水後の比重の
低下は7〜8%に過ぎない。
【0015】また、前記のCaO/SiOモル比が
0.35〜1.2で、直径100μm以下の細孔を35
〜70体積%有し、嵩比重が0.9〜1.7の基材に、
粒径0.5mm以下に粉砕した嵩比重0.45〜0.5
5のALCを混入すると、直径100μm以下の細孔を
45〜70体積%を有し、嵩比重が0.8〜1.3で、
かつ表面に適度の粗さを持つ多孔質粒状濾材となる。こ
こで、基材に対するALC混入率としては25〜90%
が好ましい。すなわち、ALC混入率が25%未満で
は、通常のALC製造時のリサイクル量と同程度で濾材
に利用してリサイクルをする意味がなく、また90%を
超えると濾材の強度が低くなり過ぎるからである。
【0016】本発明における珪酸カルシウム系水和物と
しては、主としてトバモライトとCSHゲルとからなる
が、必要に応じて未反応の珪酸質原料と石灰質原料の両
方もしくは、どちらか一方を含むものを用いる。主成分
のトバモライトは、珪酸カルシウムの中では強度が高
く、珪酸質原料と石灰質原料を水熱反応させることによ
り、低結晶性のCSHを経て生成する。トバモライトの
生成はゆっくりとした反応で、すべての原料をトバモラ
イトにしようとすると、初期に生成したものは繊維状の
ゾノライト結晶に変化し強度は低下する。従って、本発
明では生成した主成分がトバモライトとトバモライトの
前段階であるCSHゲルが混在し、必要に応じて未反応
の珪酸質原料と石灰質原料の両方もしくは、どちらか一
方が残っている状態で水熱処理を終了させることによ
り、高強度の珪酸質多孔体を得るものである。なお、未
反応の珪酸質原料としては珪石、石灰質原料としては、
生石灰、消石灰等が用いられる。
【0017】また、本発明の方法において、原料粉末の
粒度を100μm以下にするのは、オートクレーブ内で
の水和反応速度は、珪酸質原料の溶解が律速となるの
で、粒径を小さくして比表面積を高くする方が反応が速
くなり、生産性の向上、混合の均一化、造粒の安定化、
一次成形体の保形性向上がはかられるからである。ま
た、前記珪酸質原料と石灰質原料に混入させるALC粉
は、粒径5mm以下に粉砕するためマクロポアは存在し
ないが、ミクロポアは残存する。
【0018】オートクレーブ養生の水熱処理温度を15
0〜200℃に限定したのは、150℃未満ではトバモ
ライトの生成に長時間を要し、120℃以下ではトバモ
ライトが生成せず、他方、200℃を超えるとトバモラ
イトの一部がゾノトライトに変化し強度が低下するため
である。
【0019】なお、本発明において、石灰質原料の一部
にポルトランドセメントを使用するのは、濾材を造粒し
て水熱処理をするまでの間のハンドリングに耐えられる
だけの強度の発現を、セメントの水和により生成するC
SH(珪酸カルシウム水和物)により促進するためであ
る。
【0020】本発明法によれば、原料粉末の粒度が10
0μm程度であるから、表面が概ね0.1〜0.2mm
程度の粗さ(凹凸)を持った造粒物が得られる。また、
この程度の凹凸以下の気孔が水熱反応後の水の抜けた跡
や微細なトバモライト結晶の絡み合いにより内部と同様
に表面にもつくられる。従って、本発明法により得られ
る濾材は、BOD分解用の微生物が付着、繁殖しやすい
適度な粗さのものとなる。また、この濾材は基本となる
珪酸カルシウム水和物が軽量で、かつ従来のALCの5
倍以上の強度を発現する組成になっていて耐摩耗強度に
も優れている。さらに、造粒物の内部を軽量組成とする
こと、または軽量なALCの粉砕物を造粒物に混合する
ことにより、耐摩滅強度を大きく損なうことなく軽量化
することができる。
【0021】
【実施例】
実施例1 粒度100μm以下に粉砕した珪石粉末と、消石灰、生
石灰と消石灰の混合物、ポルトランドセメントを用い、
CaO/SiOモル比を種々変えて混合した各原料
に、水を添加してパン型ペレタイザーで造粒したもの
を、乾燥しないように常温で12時間養生して一次成形
体を得、この一次成形体をオートクレーブに入れ180
℃で6時間養生を行い単一層の珪酸カルシウム系水和物
多孔質粒状体を得た。
【0022】本実施例における配合原料のCaO/Si
モル比等を表1に、得られた試料について測定した
特性を表2に、それぞれ示す。なお、表2中の細孔容積
は水銀圧入法により計測した値であり、硬度は木屋式硬
度計により測定したデータの、粒径が6.7〜9.5m
mφの平均値である。摩滅原料は、直径50mm、長さ
150mmのステンレス製筒の中に、篩目が0.3mm
K標準篩で篩分け、篩上に残留した乾燥試料約50g
(a)と、直径6.5mmの鋼球5個を入れ、1分間1
50〜200回の割合で延べ3分間激しく上下に振り、
続いて再び試料を篩分け、篩上に残留した試料の重量
(b)を求め、次式により算出した。
【0023】実施例2 粒度100μm以下に粉砕した珪石粉末と、消石灰、生
石灰と消石灰の混合物、ポルトランドセメントを用い、
CaO/SiOモル比を種々変えて混合した配合のう
ち、内層には軽量の配合原料を用い、実施例1と同様の
方法で造粒し、続いてこの粒状物を摩滅減量の少ない配
合原料にて被覆し、粒径13.2〜16mmφの2層構
造の粒状物を得、この粒状物を乾燥しないように常温で
12時間養生して一次成形体を得た。その後。この一次
成形体をオートクレーブに入れ180℃で6時間養生を
行い2層組成の珪酸カルシウム系水和物多孔質粒状体を
得た。
【0024】本実施例における配合原料のCaO/Si
モル比等を表3に、得られた試料について測定した
特性を表4に、それぞれ示す。表4中の各データは実施
例1と同様の方法で測定した値である。
【0025】実施例3 粒度100μm以下に粉砕した珪石粉末と、消石灰、生
石灰と消石灰の混合物、ポルトランドセメントおよびA
LCを用い、CaO/SiOモル比を種々変えて混合
した各原料に、水を添加してパン型ペレタイザーで造粒
したものを、実施例1と同様の方法で養生して単一層の
珪酸カルシウム系水和物多孔質粒状体を得た。
【0026】本実施例における配合原料のCaO/Si
モル比等を表5に、得られた試料について測定した
特性を表6に、それぞれ示す。表4中の各データは実施
例1と同様の方法で測定した値である。
【0027】表2、表4および表6の結果より明らかな
ごとく、本発明の珪酸カルシウム系水和物の多孔質粒状
体の微生物担持体は、いずれも軽量でかつ従来のALC
の5倍以上の強度を発現し、摩滅減量はすべて目標値の
10%以下となっており耐摩滅強度も優れている。さら
に、表4、表6の結果より、造粒物の内層を軽量組成と
した2層構造のものや、軽量なALCを混合したものに
ついても、摩滅減量はすべて目標値の10%以下となっ
ており耐摩滅強度を損なうことなく軽量化がはかられて
いる。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明にかかる珪
酸カルシウム系水和物の多孔質粒状体の微生物担持体
は、従来のALCと同様、逆流洗浄後の処理能力の回復
が早く、性能的にも全く劣らず、さらに軽量であるため
逆流洗浄用の処理設備のコストも安価につくという利点
を有するばかりでなく、従来のALCの欠点であった低
強度で摩耗し易いという弱点を克服し、優れた耐摩滅強
度を有するので、濾材の補給量を少なくでき処理費が易
くつく上、処理槽の底に溜まるスラッジも少なくなるこ
とによりこれを取除く作業も大幅に減る等、有機物を含
む廃水の処理に多大な効果を奏するものである。
【0035】また、その製造方法は既存の設備を有効に
活用することができるので、製造設備コストが高くつく
ことはなく、高性能の微生物担持体を安価に提供するこ
とができる上、ALC製造工場や建築工事現場等から排
出されるALC廃材をリサイクルして、資源の再活用と
環境保全をはかることができる有効な方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る2層構造の球体の一例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1−1 内層 1−2 外層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹原 靖子 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪酸質原料と石灰質原料を含有し、主と
    して珪酸カルシウム系水和物からなり、全体としてCa
    O/SiOモル比が0.35〜1.2で、直径100
    μm以下の細孔を35〜70体積%有し、嵩比重が0.
    9〜1.7であることを特徴とする微生物担持体。
  2. 【請求項2】 珪酸質原料と石灰質原料を含有し、主と
    して珪酸カルシウム系水和物からなり、全体としてCa
    O/SiOモル比が0.35〜1.2で、直径100
    μm以下の細孔を35〜70体積%有し、嵩比重が0.
    9〜1.7で、組成が異なる2以上の層を有する多層構
    造の球体であることを特徴とする微生物担持体。
  3. 【請求項3】 内層が高細孔容積率で低比重層、外層が
    低細孔容積率で高比重層の2層で構成された球体である
    ことを特徴とする請求項2記載の微生物担持体。
  4. 【請求項4】 同一球体中の各層について、直径100
    μm以下の細孔容積率、嵩比重の両方もしくは、どちら
    か一方の差が20%以上であることを特徴とする請求項
    2または3記載の微生物担持体。
  5. 【請求項5】 珪酸質原料と石灰質原料を含有し、主と
    して珪酸カルシウム系水和物からなり、全体としてCa
    O/SiOモル比が0.35〜1.2で、直径100
    μm以下の細孔を35〜70体積%有し、嵩比重が0.
    9〜1.7の基材と、粒径0.5mm以下に粉砕した嵩
    比重0.45〜0.55の軽量気泡コンクリートとから
    なり、直径100μm以下の細孔を45〜70体積%有
    し、嵩比重が0.8〜1.3であることを特徴とする微
    生物担持体。
  6. 【請求項6】 珪酸カルシウム系水和物が、主としてト
    バモライトとCSHゲルとからなり、必要に応じて未反
    応の珪酸質原料と石灰質原料の両方もしくは、どちらか
    一方を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれ
    か1項記載の微生物担持体。
  7. 【請求項7】 軽量気泡コンクリートを重量比で25〜
    90%含有することを特徴とする請求項5記載の微生物
    担持体。
  8. 【請求項8】 珪酸質原料として粒度100μm以下に
    粉砕した珪石粉末を、石灰質原料として生石灰または消
    石灰または両者の混合物をそれぞれ用い、前記珪酸質原
    料と石灰質原料を混合した後、該混合物に水を添加し粒
    状に成形し、該粒状物を150〜200℃でオートクレ
    ーブ養生を行うことを特徴とする微生物担持体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 珪酸質原料として粒度100μm以下に
    粉砕した珪石粉末を、石灰質原料として生石灰または消
    石灰または両者の混合物をそれぞれ用い、前記の珪酸質
    原料と石灰質原料を軽量の配合原料と摩滅減量の少ない
    配合原料とに分け、軽量の配合原料に水を添加し成形し
    た粒状物を摩滅減量の少ない配合原料にて被覆して2層
    組成の粒状物を得、該粒状物を150〜200℃でオー
    トクレーブ養生を行うことを特徴とする微生物担持体の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 珪酸質原料として粒度100μm以下
    に粉砕した珪石粉末を、石灰質原料として生石灰または
    消石灰または両者の混合物をそれぞれ用い、前記珪酸質
    原料と石灰質原料および、粒径0.5mm以下に粉砕し
    た嵩比重0.45〜0.55の軽量気泡コンクリートを
    混合した後、該混合物に水を添加し粒状に成形し、該粒
    状物を150〜200℃でオートクレーブ養生を行うこ
    とを特徴とする微生物担持体の製造方法。
  11. 【請求項11】 石灰質原料の一部にポルトランドセメ
    ントを用いることを特徴とする請求項8ないし10のい
    ずれか1項記載の微生物担持体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006281145A (ja) * 2005-04-04 2006-10-19 Hiroshi Yokozawa 多孔性物質積層よりなる水質改善材、及びおよびこれを用いた水質改善方法
JP2017176898A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 太平洋セメント株式会社 水処理材及びその製造方法
FR3057262A1 (fr) * 2016-10-11 2018-04-13 Sebico Dispositif de filtration et de traitement des eaux usees

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