JP2006281145A - 多孔性物質積層よりなる水質改善材、及びおよびこれを用いた水質改善方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 微生物を活性状態で保持する多孔質粉体Aと、多孔質粉体A同士を結着固定する結着物質Bとよりなり、中心部側から外周に向かって多孔質粉体を結着物質により結着固定し、複数の積層構造の多孔性物質層20,21,22,23に集積成形して形成する。また中心部側から外周に向かって集積成形する各多孔性物質層23,22,21,20を構成する多孔質粉体Aを、各層ごとに異なる粒度、およびまたは細孔分布別のものを用いることが出来る。
【選択図】 図1
Description
更に、上記問題を解決するために土壌トレンチ法による水質浄化法が行われているが、通水性が悪いために処理できる水の量が極端に少ないという問題がある。
また、本発明は、1つの多孔性物質積層よりなる水質改善材で多種類の微生物を多層式に担持可能な水質改善資材を提供するだけでなく、植物種子や水棲動物をも保持させることができる多孔性物質積層よりなる水質改善材およびそれを用いた水質改善剤を提供することを目的とする。
更に本発明は、水質改善資材自体が環境の汚染をもたらすことがないような水質改善材を提供することを目的とする。
(1)微生物を活性状態で保持する多孔質粉体と、多孔質粉体同士を結着固定する結着物質とよりなり、中心部側から外周に向かって多孔質粉体を結着物質により結着固定し、複数の積層構造の多孔性物質層を集積成形して形成することを特徴とする。
(3)更に、外周側に500〜1,000Åの細孔分布の多孔質粉体を用い、内部側に200Å以下の多孔質粉体を用い積層構造の多孔性物質層を集積成形して形成することを特徴とする。
(5)更に、水に対する溶解度の高い結着物質を外周側の多孔性物質層に使用し、水に対する溶解度の低い結着物質内部側の多孔性物質層に使用して、集積成形して形成することを特徴とする。
(7)前記結着物質が水生動物の卵及び成体から選ばれる一種以上を有することを特徴とする。
(8)更に前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の多孔性物質積層よりなる水質改善材を、直接又は連結部材を介し複数個連結することを特徴とする。
(9)前記(8)で記載した連結した多孔性物質積層よりなる水質改善材群に、浮力体を付加して設けたことを特徴とする。
(10)本発明の水質改善方法は、(1)から(9)のいずれか一項に記載の多孔性物質積層よりなる水質改善材を被処理水中に投入して水質を改善することを特徴とする。
また、結着物質の水に対する溶解度を変化させて、多孔性物質層の消失時間を調整することが出来る為、処理水の処理段階の目的等に適切な処理対処が出来る。2層構造で言えば最外層の消失時間を7日、次いで内部層の消失時間を4日とするように作用させることも出来る。
このように、本発明では、積層構造とすることで、個々の処理水の汚染状況に応じた処理を行うように作用させることが出来る。
更に、当該発明の結着物質に水生動植物等を付加することも可能であり、これにより、例えば金属類、窒素化合物、リン酸等の汚染物質を除去することができる。
図1は、本発明の水質改善材の一例を示す一部断面斜視図である。
本発明の水質改善材1の構成は、微生物を活性状態で保持する多孔質粉体Aと、多孔質物質同士を結着固定する結着物質Bとよりなり、中心部側から外周に向かって多孔質粉体を結着物質により結着固定し、複数の積層構造の多孔性物質層23,22,21,20に集積成形して形成している。
また、水質改善材1の最外郭部には、半円弧状、帯状等適宜形状の突起構造3を設けている。この突起構造3は、接触面積が広大になるようにする点、及び河川等に投入した時等に、摩擦抵抗を大きくする点に考慮したものである。
なお、水質改善材1の外観形状は、多孔性物質が積層できれば如何なる形状でも良く、例えば図2に示したように、球形(a)、楕円球(b)、円柱(c)長方体(d)状等の各種の形状のものとすることができる。さらに、網状の材料を用い外周部を固定することもできる。
水質改善材の外観形状の大きさとしては、直径または一辺が1〜120cmであり、好ましくは2〜20cmである。
<多孔質粉体A>
各積層部を構成する多孔質粉体Aは、外径が0.5〜20mm程度に形成されている多孔質の粉体で、水中の汚染物質及び有害物質を吸着除去して水質を改善する目的で使用する。
また、多孔性物質は、有用微生物群の良い床になるので、処理水等への投入後に該多孔性物質に、自然に微生物が取り込まれ、この微生物によって水質が改善に寄与する目的により使用することを主目的に使用する。また、後述するように使用目的に応じて、多孔質粉体Aの多孔質内に水域への投入前に予め分解菌類のような有用微生物を封入して使用するための媒体としても使用することが出来る。このような作用を有する微生物は糸状菌や放線菌などの真菌類と微生物であり、多孔質材料内に住み着いた微生物により水の浄化作用が継続的に行われる。
また、多孔質粉体Aの粒度を異にするものは、例えば粒度を変えることで当該多孔質扮体同士の間隙が制御できるので、浮遊性汚染物が多岐に渡る場合に、該間隙部に汚染物を付着させ除去する目的で使用することが出来る。さらに、結着物質に水生動植物等を付加する場合には、植物種子が発芽するスペースを確保する目的や、水生動物が繁殖を行えるスペースを確保する目的で使用することが出来る。
次に結着物質Bは、前記多孔質粉体A同士を結着させ、水質改善材1の最外層の多孔質粉体Aを適切な時間で水質改善材1表面から分離する役割を有する。
結着物質Bとしては、例えばセルロース誘導体、ポリカルボン酸系樹脂、ポリアクリル酸塩系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル酸グラフト重合体、ポリビニルアルコール等の樹脂類、タンパク質、澱粉、澱粉誘導体、寒天、ペクチン、カラギーナン、セルロース、セルロース誘導体、グアーガム、パルプ等の糖質類からから選ばれる1種あるいは2種以上の混合物・複合物を用いることができ、これらの添加量および積層数は本発明の多孔性物質積層よりなる水質改善材を施工する環境に応じて適宜調整する。
なお、この場合、各多孔性物質層がすぐ内部の多孔性物質層から簡単に脱落しなければ良く、製作にあったて外側の多孔性物質層を2つ割にして、内部の多孔性物質層を装着後に外側の2つ割にした多孔性物質層を結着物質等の適宜な接着剤で接着し、多孔性物質層間を結着物質、或いは接着剤により固定する工程を省略することも出来る。
なお、本発明の多孔性物質積層よりなる複数個の水質改善材を、図3に示す如く連結具4によって連結して用いても良い。この場合、例えば汚水処理時間等、処理対象性能の質の異なる水質改善材1、1’を複数連結して使用することが出来る他、図4に示すように浮力体5を設けて水面又は水中に浮遊させて使用しても良い。
中心層の多孔性物質層の多孔質粉体Aとして、外径1〜2mmの多角形扮体で、細孔分布が20〜100Å程度の石炭系活性炭を用い、結着物質Bとして2%ポリビニルアルコール溶液を用いた。
中間層の多孔性物質層の多孔質粉体Aとして、外径2〜6mmの多角形扮体で、細孔分布が100〜500Å程度の木質系活性炭を用い、結着物質Bとして2%ポリビニルアルコール溶液を用いた。
最外層の多孔性物質層の多孔質粉体Aとして、外径7〜20mmの多角形個体で、細孔分布が500〜2,000Å程度の木質系炭化物を用い、結着物質Bとして3%ポリビニルアルコール溶液を用いた。
上記材質で、中心層の厚み30mm、中間層の厚み25mm、最外層の厚み25mmで外形130mmの水質改善材を形成した。
なお実施例では、上記各多孔性物質層をそれぞれ形成し、5%ポリビニルアルコールで接着する構成とした。
中心層の多孔性物質層の多孔質粉体Aとして、外径0.5〜1.2mmの多角形扮体で、細孔分布が8〜30Å程度のシリカを用い、結着物質Bとして5%ポリビニルアルコールを用いた。
中間層の多孔性物質層の多孔質粉体Aとして、外径0.5〜8mmの多角形個体で、細孔分布が20〜200Å程度の木質系活性炭を用い、結着物質Bとして5%カルシウム架橋型低メトキシルペクチンを用いた。
最外層の多孔性物質層の多孔質粉体Aとして、外径1.2〜1.5mmの円柱状個体で、細孔分布が30〜500Å程度の石炭系粒状活性炭を用い、結着物質Bとして5%カルシウム架橋型低メトキシルペクチンを用いた。
上記材質で、中心層の厚み90mm、中間層の厚み25mm、最外層の厚み25mmで外形190mmの水質改善材を形成した。
なお実施例2では、上記各多孔性物質層をそれぞれ形成し、5%カルシウム架橋型低メトキシルペクチンで接着する構成とした。
他方、実施例2の最外層の溶解崩壊は1日で、中間層の溶解崩壊は1日であり、全体の崩壊消失は32日であった。
このように、使用する多孔物粉体A(又は結着物質B)の成分や添加量を変えることで、溶解崩壊の速度を制御することが出来る。
20,21,22,23 多孔性物質層
3 突起構造
4 連結具
5 浮力体
A 多孔性物質
B 結着物質
Claims (10)
- 微生物を活性状態で保持する多孔質粉体と、
多孔質粉体同士を結着固定する結着物質とよりなり、
中心部側から外周に向かって多孔質粉体を結着物質により結着固定し、複数の積層構造の多孔性物質層を集積成形して形成することを特徴とする多孔性物質積層よりなる水質改善材。 - 各多孔性物質層を構成する多孔質粉体として、各層ごとに異なる粒度、およびまたは細孔分布別のものを用いることを特徴とする請求項1記載の多孔性物質積層よりなる水質改善材。
- 外周側に500〜1,000Åの細孔分布の多孔質粉体を用い、内部側に200Å以下の多孔質粉体を用い積層構造の多孔性物質層を集積成形して形成することを特徴とするとする請求項2記載の多孔性物質積層よりなる水質改善材。
- 各多孔性物質層を構成する多孔質物質同士を結着固定に使用する結着物質として、各層ごとに結着度の異なる性質のものを用い積層構造の多孔性物質層を集積成形して形成することを特徴とする請求項1〜3記載の何れか一項に記載の多孔性物質積層よりなる水質改善材。
- 水に対する溶解度の高い結着物質を外周側の多孔性物質層に使用し、水に対する溶解度の低い結着物質を内部側の多孔性物質層に使用して、集積成形して形成することを特徴とする請求項4記載の多孔性物質積層よりなる水質改善材。
- 結着物質が水生植物の種子、苗および成体から選ばれる一種以上を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の多孔性物質積層よりなる水質改善材。
- 結着物質が水生動物の卵及び成体から選ばれる一種以上を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の多孔性物質積層よりなる水質改善材。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の多孔性物質積層よりなる水質改善材を、直接又は連結部材を介し複数個連結してなる水質改善材。
- 請求項8記載の連結した多孔性物質積層よりなる水質改善材群に、浮力体を付加して設けたことを特徴とする多孔性物質積層よりなる水質改善材。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の多孔性物質積層よりなる水質改善材を被処理水中に投入して水質を改善することを特徴とする水質改善方法。
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