JP2019147117A - 固形物担体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、排水処理に使用される固形物担体において、微生物の活性に影響を与える溶媒などを用いることなく、固形物担体内における空気の残留を抑制した状態で処理を行うことができる固形物担体を提供することである。【解決手段】上記課題を解決するために、多孔質担体と、多孔質担体の空隙に充填される充填物とを備えるという特徴を有する固形物担体を提供する。本発明の固形物担体は、多孔質担体の空隙に充填物を充填することで、固形物担体内に空気が残留することを抑制した状態で排水処理に供することができるものである。【選択図】図1

Description

本発明は、排水処理に用いられる固形物担体に関するものである。特に、排水処理に用いられる微生物を保持するための微生物固定化担体としての固形物担体に関するものである。
一般に、有機物を含む排水を処理する方法として、種々の微生物を利用した生物処理が知られている。このとき、微生物を高濃度に維持し、微生物が系外へ流出するのを防止するために、微生物を担体に固定化させた微生物固定化担体を用いることが広く行われている。
このような微生物固定化担体としては、多孔性物質を用いることが広く行われている。しかし、微生物固定化担体を単に生物処理槽に投入しただけでは、多孔性物質の微細な気孔内に水が浸入するのに時間がかかり、空気が残留してしまうことにより、微生物固定化担体界面の利用効率が低下するという問題がある。
例えば、特許文献1には、多孔性物質からなる微生物固定化担体にアルコールを含浸させ、回転体を通過させて微生物固定化担体内の余分なアルコールを分離して生物処理槽に投入する方法及び投入装置が記載されている。また、特許文献1には、これにより、生物処理槽に微生物固定化担体を投入した際に、多孔性物質の微細な気孔内に速やかに被処理水及び被処理水中の微生物が進入することが記載されている。
特開平9−122675号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたような方法では、微生物固定化担体内に含浸したアルコールが残存することで微生物の活性を抑制することにつながり、期待する処理効率を得られないという問題がある。また、アルコールのような溶媒を大量に用いる必要があるため、コストが掛かるという問題が生じる。
また、微生物固定化担体に限らず、多孔性物質を用いた担体を排水の処理槽で用いる場合においては、多孔性物質の微細な気孔内に空気が残留すると、担体界面の利用効率の低下のみならず、処理槽内で担体が水面に浮上し、処理槽内での処理効率が低下するという問題も生じる。
本発明の課題は、排水処理に使用される固形物担体において、微生物の活性に影響を与える溶媒などを用いることなく、固形物担体内における空気の残留を抑制した状態で処理を行うことができる固形物担体を提供することである。
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、多孔質担体と、多孔質担体の空隙に充填される充填物を備える固形物担体とすることで、微生物の活性に影響を与える溶媒などを用いることなく、固形物担体内における空気の残留を抑制した状態で排水処理に用いることが可能になることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の固形物担体である。
上記課題を解決するための本発明の固形物担体は、多孔質担体と、多孔質担体の空隙に充填される充填物とを備えるという特徴を有する。
本発明の固形物担体は、多孔質担体の空隙に充填物を充填することで、固形物担体内に空気が入り込む空間が縮小されるため、固形物担体内における空気の残留を抑制することができる。よって、この固形物担体を排水処理に供した場合、固形物担体内の空気による担体界面の利用効率の低下や、担体の浮上などを抑制することができる。
また、本発明の固形物担体の一実施態様としては、充填物は、水に可溶または微生物により分解されるという特徴を有する。
この特徴によれば、固形物担体を排水処理槽に投入した後、多孔質担体の空隙に充填された充填物が除去されるため、空気が固形物担体内に入ることがなく、かつ固形物担体界面の利用効率を高めることが可能となる。
また、本発明の固形物担体の一実施態様としては、充填物は、直径1μm以上の粒子状物質を含むという特徴を有する。
この特徴によれば、多孔質担体間の空隙の大きさを制御することができる。また、これにより、微生物の進入が容易な空隙を形成することが可能となり、特に、微生物固定化担体として微生物の保持効果を高めることが可能となるものである。
また、本発明の固形物担体の一実施態様としては、充填物は、粒子サイズが異なる複数の物質を含むという特徴を有する。
この特徴によれば、多孔質担体間の空隙の大きさを複数設けることができる。これにより、固形物担体の比表面積を大きくして、固形物担体界面の利用効率を高めることが可能となるものである。
また、本発明の固形物担体の一実施態様としては、水への溶解速度または微生物による分解速度が異なる複数の物質を含むという特徴を有する。
この特徴によれば、固形物担体内に、微生物の進入が容易な空隙を迅速に形成する一方で、多孔質担体の空隙に微生物の栄養源となる物質を残存させることで、微生物の増殖に適した環境を整え、微生物固定化担体として微生物の保持効果を高めることが可能となるものである。
本発明によると、排水処理に使用される固形物担体において、微生物の活性に影響を与える溶媒などを用いることなく、固形物担体内における空気の残留を抑制した状態で処理を行うことができる固形物担体を提供することができる。
本発明の第1の実施態様に係る固形物担体の概略説明図である。(A)排水処理に供する前(保存状態)の固形物担体の概略説明図である。(B)排水処理に供した後(処理槽内)の固形物担体の概略説明図である。 本発明の第1の実施態様に係る固形物担体を用いた排水処理槽の概略説明図である。 本発明の第2の実施態様に係る固形物担体の概略説明である。(A)排水処理に供する前(保存状態)の固形物担体の概略説明図である。(B)排水処理に供した後(処理槽内)の固形物担体の概略説明図である。 本発明の第3の実施態様に係る固形物担体の概略説明図である。(A)排水処理に供する前(保存状態)の固形物担体の概略説明図である。(B)排水処理に供した後(処理槽内)の固形物担体の概略説明図である。
本発明の固形物担体は、排水の生物処理における微生物固定化担体として好適に利用されるものである。
排水の生物処理としては、嫌気性生物処理、好気性生物処理のいずれであってもよい。例えば、嫌気性生物処理としては、酸生成菌及びメタン生成菌によるメタン発酵や、脱窒菌により硝酸・亜硝酸の還元を行う脱窒処理や、硫酸還元菌により硫酸の還元を行う硫酸還元処理等が挙げられる。また、好気性生物処理としては、活性汚泥を用いる活性汚泥処理などが挙げられる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る固形物担体の実施態様を詳細に説明する。
なお、実施態様に記載する固形物担体については、本発明に係る固形物担体を説明するために例示したにすぎず、これに限定されるものではない。
[第1の実施態様]
図1は、本発明の第1の実施態様の固形物担体1aの概略説明図である。なお、図1(A)は、排水処理に供する前(保存状態)の固形物担体の概略説明図であり、図1(B)は、排水処理に供した後(処理槽内)の固形物担体の概略説明図である。
本発明に係る固形物担体1aは、図1(A)に示すように、多孔質担体2と、多孔質担体2の空隙Sに充填される充填物3を備えるものである。これにより、固形物担体1aの空隙Sに充填物3が充填されているため、空隙S内に空気が含まれることを抑制することができる。
また、固形物担体1aは、排水処理等に好適に用いられる有用な微生物Mを保持させた微生物固定化担体とすることで、排水W中の有機物等と固形物担体1aに保持された微生物Mを接触させる生物処理に好適に用いられるものとなる。
固形物担体1aとしては、排水処理工程及び排水処理後の分離・回収・再生工程を鑑みると、一定の形状を保ち、かつ強度を有することが好ましい。ゲルなどの架橋構造体は微生物Mの増殖によって破壊されることもあるため、本発明の固形物担体1aは、固体成形体や焼結体とすることが好ましい。これにより、本発明の固形物担体1aは、排水処理において繰り返し使用することが可能となる。
本発明の固形物担体1aの大きさは、特に限定されず、使用の対応に応じて適宜設計すればよい。例えば、固形物担体1aの大きさとしては、幅、奥行き、高さの合計(3辺の合計)が10〜30mmである。固形物担体1aを微生物固定化担体として用いる場合、微生物Mの付着を多くするという観点から、下限としては、好ましくは1mm以上であり、より好ましくは5mm以上である。上限としては、好ましくは150mm以下であり、より好ましくは90mm以下である。これにより、排水処理に供する際に、十分な数の微生物Mを付着させることが可能となる。
また、固形物担体1aの形状維持及び強度維持を考慮すると、固形物担体1aの大きさは、水中に投入した際、膨張、収縮などによる変化が少ないことが好ましい。例えば、水中に投入した際の固形物担体1aの大きさの変化率は、0〜5%である。ここで、固形物担体1aの大きさとは、固形物担体1aの外周を指すものであり、固形物担体1a内の空隙率(体積)は水中に投入した際に変化するものであってもよい。これにより、固形物担体1aを排水処理に供する際に、固形物担体1aの形状及び強度を保った状態で処理を行うことが可能となる。
固形物担体1aは、多孔質担体2と充填物3の混合物を原料として、様々な種類の成形機装置を用いて成形体として製造される。例えば、押し出し成形機、打錠成形機、圧縮成形機などが挙げられる。
また、固形物担体1aは、得られた成形体を焼結処理することで焼結体として製造される。これにより、固形物担体1aの強度をより高めることが可能となる。
なお、本発明の固形物担体1aとしての成形体または焼結体を形成する際に、公知のバインダー成分を添加してもよい。
多孔質担体2は、内部に微細な細孔S1を有する固体であって、微生物Mを保持するものであれば特に限定されない。具体的な材質としては、ケイ砂、セラミックス、活性炭、ポリマー、粘土、焼却灰、高炉水砕スラグ等が挙げられる。なお、多孔質担体2における微生物Mの保持は、多孔質担体2内の微細な細孔S1に微生物Mが進入するものであってもよく、多孔質担体2表面に微生物Mが付着するものや多孔質担体2間の間隙S2に微生物Mが保持されるものであってもよい。多孔質担体2としては、微生物Mを付着しやすく、入手の容易性という観点から、特に多孔質の活性炭が好ましい。
充填物3は、多孔質担体2の空隙Sに充填するものである。ここで、図1(A)に示すように、多孔質担体2の空隙Sとは、多孔質担体2内の微細な細孔S1及び/又は多孔質担体2同士の間隙S2を指す。なお、充填物3は、細孔S1及び間隙S2の全てに充填される必要はなく、空隙S中への気体の流入を制限することができればよい。
充填物3は、固形物担体1aの保存条件下で多孔質担体2の空隙Sにおいて充填状態を保つことのできる物質であればよく、特に固体、ゲル状物質が好ましい。
ここで、固形物担体1aの保存条件下において、気体状態、あるいは固形物担体1aの外部に流出する液体状態として存在する物質は、充填状態を保つことができないものとみなし、本発明の充填物3としては適さない。一方、例えば、充填物3として水又は水溶液を用い、固形物担体1aの保存条件を水又は水溶液が凍結する温度又は圧力下とした場合、水又は水溶液も本発明の充填物3として使用することが可能となる。
これにより、本発明の固形物担体1aは、多孔質担体2の空隙Sにおける気体の流入が制限された状態となる。そのため、固形物担体1aを排水処理に用いる際において、空気の残留に起因する固形物担体1a界面の利用効率の低減や処理槽における固形物担体1aの浮上を抑止することが可能となる。
充填物3は、水に可溶、または微生物により分解されることが好ましい。これにより、図1(B)に示すように、排水処理を行う処理槽に固形物担体1aを投入した後、処理槽内で多孔質担体2の空隙Sから充填物3が流出することで、気体を含むことなく固形物担体1a内の空間を広げることができる。また、充填物3が流出した空隙S内には、微生物Mが進入し、保持される。
なお、充填物3は、処理槽に入れた後、一度に全てが多孔質担体2の空隙Sから流出(又は分解)される必要はなく、排水処理中においても充填物3の流出(又は分解)が行われているものであってもよい。
充填物3の具体的な例として、水溶性物質としては、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどの水溶性のアルカリ金属塩、水溶性の金属錯体化合物、水溶性の食物繊維などが挙げられる。また、微生物により分解される物質としては、鉄化合物、糖類、生分解性樹脂などが挙げられる。特に、入手の容易性の観点から、水溶性のアルカリ金属塩、鉄化合物を用いることが好ましい。
さらに、固形物担体1aを焼結体とする場合において、充填物3としては、焼結処理後も多孔質担体2内に充填された状態を保つことが可能な物質を選択する必要がある。このような充填物3としては、例えば、アルカリ金属塩、鉄化合物が、特に好適に用いられる。
本発明の固形物担体1aに保持する微生物Mの種類は、排水の生物処理において公知のものを用いることができる。例えば、酸生成菌、メタン生成菌、油脂分解菌、糖分解菌などが挙げられる。なお、充填物3として鉄化合物などの微生物の栄養源となる物質を用いることで、排水W中に存在する微生物Mを固形物担体1a内で増殖することができ、本発明の効果を好適に発揮することができる。
〔排水処理槽〕
図2は、本発明の第1の実施態様の固形物担体1aを用いた排水処理槽10の概略説明図である。
本発明に係る排水処理槽10は、工場、下水処理場などの排水を生物処理するための処理槽であり、図2に示すように、処理槽本体20、排水供給口21、排出口22を備え、処理槽本体20の内部に固形物担体1aを投入する。なお、固形物担体1aは微生物Mを保持した微生物固定化担体として用いる。
排水処理槽10は、投入された固形物担体1aを処理槽本体20内で流動させた状態で排水処理を行うものである。具体的には、図2に示すように、排水供給口21を処理槽本体20の底部に設け、排出口22を処理槽本体20の上部に設けることで、処理槽本体20内で循環流を形成し、固形物担体1aを処理槽本体20内で流動させるものである。本発明の固形物担体1aは、空気の残留が抑制されることにより、沈降性が向上している。したがって、固形物担体1aを処理槽本体20内で循環流動させて排水Wの接触を促進させることができ、微生物Mによる排水Wの処理効率を高めることができる。
また、充填物3として、水に可溶あるいは微生物により分解されるものを用いた場合、処理槽本体20内では、図1(B)に示すように、充填物3が排水W中に流出し、多孔質担体2の空隙Sに排水Wが流入する。これにより、固形物担体1a内に空気の残留が生じることなく、処理を行うことができる。
固形物担体1aは他の構造体(袋体、板状体など)に封入あるいは配置したものとしてもよい。また、排水処理槽10は、他の構造体に封入した固形物担体1aを処理槽本体20内で固定させた状態で排水処理を行うものとしてもよい。例えば、処理槽本体20上部から複数吊り下げる構造、処理槽本体20の壁面や区画壁等に直接固定する構造、棒状や板状の支持体に固定したものを処理槽本体20内に固定する構造としてもよい。これにより、固形物担体1aの交換を容易に行うことができる。
排水処理槽10内で行う生物処理としては、嫌気性生物処理、好気性生物処理のいずれであってもよい。例えば、嫌気性生物処理としては、メタン発酵処理や、硝酸・亜硝酸の還元を行う脱窒処理や、硫酸の還元を行う硫酸還元処理等が挙げられる。また、好気性生物処理としては、活性汚泥処理などが挙げられる。
なお、好気性生物処理を行う際には、排水処理槽10内に、水や空気を供給するノズルやブロワーなどの散気装置を設けたものとして処理を行うものとしてもよい。
排水処理においては、処理対象である排水Wの種類に応じて微生物Mの種類を選択すればよい。例えば、嫌気性生物処理に用いる微生物Mとしては、酸生成菌及びメタン生成菌、脱窒菌、硫酸還元菌などが挙げられる。また、好気性生物処理に用いる微生物Mとしては、活性汚泥などが挙げられる。
また、排水処理槽10は、排水の生物処理における処理槽として公知の構造を用い、さらに付帯する各種設備を設けることができる。例えば、排水処理槽10に、内部の水温調整手段、pH調整剤の投入手段、微生物Mが必要とする栄養源である窒素、リン、コバルト及びニッケル等の金属類を添加する手段を備えたものとしてもよい。
以上のように、本発明の固形物担体1aは、多孔質担体2の空隙Sに充填物3を充填することで、排水処理槽10に投入する前において空気の流入を抑制した成形体とするものである。これにより、従来の微生物固定化担体のように、製造時に空気が流入した状態の成形体から、処理前又は処理中において空気を取り除く必要がない。
また、排水処理時に多孔質担体2の空隙S内から充填物3が流出することで、多孔質担体2の空隙Sを容易に排水Wで満たすことが可能となる。また、同時に多孔質担体2の空隙Sへの微生物Mの進入・保持を容易に行うことができる。これにより、固形物担体1a界面の利用効率を高めることが可能となる。
[第2の実施態様]
図3は、本発明の第2の実施態様の固形物担体1bの概略説明図である。なお、図3(A)は、排水処理に供する前(保存状態)の固形物担体の概略説明図である。図3(B)は、排水処理に供した後(処理槽内)の固形物担体の概略説明図である。
本実施態様の固形物担体1bは、第1の実施態様の固形物担体1aにおいて、充填物3として一定の大きさの粒子状物質4を用いるものである。なお、固形物担体1bの構造のうち、第1の実施態様の固形物担体1aの構造と同じものについては、説明を省略する。
粒子状物質4の大きさは、多孔質担体2の細孔S1のサイズよりも大きく、多孔質担体2間の間隙S2に充填されるものが好ましい。また、粒子状物質4は、水に可溶あるいは微生物により分解されるものが好ましい。これにより、図3(B)に示すように、排水処理を行う処理槽に固形物担体1bを投入した後、処理槽内で多孔質担体2の空隙Sから充填物3が流出することで、多孔質担体2間の間隙S2の大きさを制御することが可能となる。
粒子状物質4の大きさの下限としては、直径1μm以上とすることが好ましい。これにより、多孔質担体2の間隙S2に微生物Mが容易に進入し、かつ保持可能な空間が形成される。一方、粒子状物質4の大きさの上限としては、特に限定されず、使用の態様に応じて適宜設定すればよい。例えば、微生物Mの進入が容易で、かつ保持を可能とする観点から、上限としては、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは20μm以下である。
粒子状物質4の形状は特に限定されない。例えば、球体、立方体、直方体などが挙げられる。入手の容易性から、アルカリ金属塩などの結晶を用いることが好ましい。
本実施態様における固形物担体1bは、第1の実施態様に示した排水処理槽10に投入して排水処理に用いられる。排水処理としては、例えば、固形物担体1bを流動させた状態で処理を行うものであってもよく、あるいは他の構造体などに固形物担体1bを封入又は配置した状態で処理を行うものであってもよい。
また、排水処理としては、嫌気性生物処理、好気性生物処理のいずれであってもよい。
[第3の実施態様]
図4は、本発明の第3の実施態様の固形物担体1cの概略説明図である。なお、図4(A)は、排水処理に供する前(保存状態)の固形物担体の概略説明図である。図4(B)は、排水処理に供した後(処理槽内)の固形物担体の概略説明図である。
本実施態様の固形物担体1cは、第1の実施態様の固形物担体1aにおいて、充填物3として2種類以上の物質を含むものである。例えば、図4(A)に示すように、充填物3a、3bを含むものである。なお、固形物担体1cの構造のうち、第1の実施態様の固形物担体1aの構造と同じものについては、説明を省略する。
固形物担体1cにおける充填物3a、3bは、物質の粒子サイズが異なるものであってもよく、それぞれの組成が異なるものであってもよい。
例えば、図4に示すように、充填物3aの粒子サイズよりも充填物3bの粒子サイズが大きくなるような組み合わせを選択し、多孔質担体2の空隙Sに充填することにより、充填物3a、3bが流出した後の多孔質担体2間の間隙S2が複数の大きさを有する構造となるように制御することが可能となる。これにより、固形物担体1c内に空気の残留が起きることなく、固形物担体1cの比表面積を大きくすることが可能となり、固形物担体1c界面の利用効率を高めることが可能となる。
また、例えば、充填物3aを多孔質担体2内の細孔S1に充填するものとし、充填物3bを多孔質担体2間の間隙S2に充填するものとして、水に対する溶解性が異なるものや微生物Mによる分解速度が異なるものを組み合わせるものとしてもよい。
一例として、間隙S2における充填物3bとして水に対する溶解速度が速いものを選択し、細孔S1における充填物3aとして水に対する溶解速度が遅く、微生物の栄養源となるものを選択することで、処理槽内に固形物担体1cを投入した際に、間隙S2を迅速に排水Wで満たし、微生物Mの進入経路を形成した後、充填物3aを栄養源として微生物Mが固形物担体1c内で増殖しやすい環境を構築するようにしてもよい。
本実施態様における固形物担体1cは、第1の実施態様に示した排水処理槽10に投入して排水処理に用いられる。排水処理としては、例えば、固形物担体1cを流動させた状態で処理を行うものであってもよく、あるいは他の構造体などに固形物担体1cを封入又は配置した状態で処理を行うものであってもよい。
また、排水処理としては、嫌気性生物処理、好気性生物処理のいずれであってもよい。
なお、上述した実施態様は固形物担体の一例を示すものである。本発明に係る固形物担体は、上述した実施態様に限られるものではなく、請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、上述した実施態様に係る固形物担体を変形してもよい。
本実施態様の固形物担体は、排水処理における微生物固定化担体以外に利用してもよい。例えば、排水処理における吸着剤として利用することも可能である。
本発明の固形物担体は、排水処理に利用される。特に、本発明の固形物担体は、微生物を用いる排水の生物処理における微生物固定化担体として好適に用いられる。
1a,1b 固形物担体、2 多孔質担体、3,3a,3b 充填物、4 粒子状物質、10 排水処理槽、20 処理槽本体、21 排水供給口、22 排出口、M 微生物、S 空隙、S1 細孔、S2 間隙、W 排水

Claims (5)

  1. 多孔質担体と、
    前記多孔質担体の空隙に充填される充填物と、
    を備えることを特徴とする、固形物担体。
  2. 前記充填物は、水に可溶または微生物により分解されることを特徴とする、請求項1に記載の固形物担体。
  3. 前記充填物は、直径1μm以上の粒子状物質を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の固形物担体。
  4. 前記充填物は、粒子サイズが異なる複数の物質を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の固形物担体。
  5. 前記充填物は、水への溶解速度または微生物による分解速度が異なる複数の物質を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の固形物担体。




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