JPH08116894A - 炊飯方法および炊飯剤 - Google Patents

炊飯方法および炊飯剤

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JPH08116894A
JPH08116894A JP6291902A JP29190294A JPH08116894A JP H08116894 A JPH08116894 A JP H08116894A JP 6291902 A JP6291902 A JP 6291902A JP 29190294 A JP29190294 A JP 29190294A JP H08116894 A JPH08116894 A JP H08116894A
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JP
Japan
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rice
starch
cooking
cooked
fat
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Withdrawn
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JP6291902A
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English (en)
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Koji Takami
幸司 高見
Masayuki Nasu
雅之 那須
Satoshi Nakamura
中村  聡
Takeshi Koriyama
剛 郡山
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Nissui Corp
Original Assignee
Nippon Suisan Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 うるち米を常温で固形の油脂によってコー
ティングしたデンプンを添加して炊飯する。デンプンは
アミロペクチン100%である。また、デンプンはα化
デンプンである。油脂の融点は40℃以上である。うる
ち米はインディカ米が例示される。常温で固形の油脂に
よってコーティングしたデンプンを含有するうるち米用
炊飯剤。本発明の炊飯剤を用いて炊飯した場合、炊飯中
の温度履歴はスムーズな昇温を示している。 【効果】 インディカ米を含めたどのようなうるち米か
らでも、作業性の面で簡単に、米飯の崩れが少なく、艶
があり、また、パサツキが無く、ふっくらとした食感と
粘りを与える、食味が改善された米飯類を製造すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、うるち米の炊飯方法お
よびうるち米用炊飯剤に関する。さらに詳しくは本発明
は、食味が劣るうるち米を食味が改善された米飯類に炊
飯する方法およびうるち米用炊飯剤に関する。本発明の
「米飯類」は、冷凍米飯類、加圧・加熱殺菌米飯類、お
よび惣菜米飯類を包含する米飯類を意味している。本発
明において米飯が「おいしい」とは、炊飯の仕上がり、
食感、食味などが改善され、光沢が付与された米飯、す
なわち日本人好みのうま味、粘りのある米飯を意味す
る。
【0002】
【従米の技術】米飯のおいしさは、米の品種や品質によ
るところが大きく、いわゆる食味が劣る品種では、いか
に炊き方を工夫しても、味がよくなることはないといわ
れてきた。しかし、米飯は炊き方で決まる部分もあり、
特に、白飯には最適でない品種の米の場合、おいしい白
飯などの米飯を提供するには、いかに炊くかの工夫がこ
れまで以上に重要になる。食味が劣る米、例えばインデ
ィカ米はジャポニカ米と比較して、一般に米飯食味と関
係が大きいとされるデンプン中のアミロース含量、タン
パク質含量が高く、その食感は、通常に炊飯した場合、
ジャポニカ米飯と比較して、硬く、粘りがないのが特徴
である。粥、炒飯などには粘りがないという特質は生か
されるが、白飯などの米飯類で食べるのは、粘りはおい
しさの必須の構成要素であり、インディカ米の炊飯に
は、パサツキ、風味など改善すべき点も多い。粘りが少
ないインディカ米を白飯などの米飯として美味しく食べ
る調理方法が求められている。
【0003】従来、食味が劣る米の食感改善方法には、
水に浸漬する時間を長くする、加水量を多くする、プロ
テアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼなどの各種酵素で処
理する、ゼラチン、寒天、乳化剤、増粘剤等の添加物を
利用するなどが知られている。しかし、例えば加水量を
増やして炊飯した場合、単純に軟らかくなるだけで粘り
が無く、また増粘剤を添加したときは、米飯に異質の粘
りが増すのみで米本来の食感と大きく異なるなどいずれ
も大幅な食感改良は難しい。最近では、米飯の炊き上が
りに効果があるという油脂系炊飯剤、デンプン中間分解
物、水磁性変換装置が市販されていおり、これらはいず
れも米飯に適した精米からさらにおいしい米飯を炊き上
げることを目的としている。食生活の様式が多様化し、
インスタント食品、冷凍食品の進出がめざましいが、お
いしい米飯の人気が衰えていない証拠である。
【0004】米飯のおいしさは外観、におい、うま味、
粘り、硬さなどの多種類の要素で構成されており、客観
的な判定が難しい。しかし、米の品種も改良され、米飯
に適したいくつかの品種に人気を集めていることから、
米飯のおいしさはそれなりに客観的に評価されていると
言える。人気品種に需要が集中し、また、作付け面積や
作不作にも影響され、値段が高価になってしまう。おい
しい米飯を安く提供することが強く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、食味が劣る
うるち米をα化デンプンを使用して食味が改善された米
飯類に炊飯する方法の改良方法およびそのためのうるち
米用炊飯剤の提供を目的とする。本発明は、食味が劣る
うるち米をα化デンプンを使用して大ロット炊飯するこ
とができる炊飯方法およびそのための炊飯剤を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、うるち米精米
を対象とする。本発明者らが各種の日本米と外国産米に
ついて分析した結果に基づけば、例えばジャポニカ米コ
シヒカリはデンプン含量は78.4重量%、そのうちア
ミロースは15.0重量%、アミロペクチンは85.0
重量%であるのに対して、食味が劣る米、例えばインデ
ィカ米のデンプン含量は79.1重量%、そのうちアミ
ロースは27.0重量%、アミロペクチンは73.0重
量%であり、アミロースの比率が高いことが特徴の一つ
である。含有するデンプン中のアミロースの比率が20
重量%以上のうるち米は、粘りが不足しているため白飯
で食べるのは好ましくない。本発明はこのようなインデ
ィカ米に代表される食味が劣るうるち米精米のための炊
飯方法でもある。
【0007】ワキシーコーンスターチは、アミロース成
分を全く含まないアミロペクチン100%のデンプンで
ある点が特徴であり、また、老化し難く、粘弾性、膨化
力、保水性、光沢などに富んでいるので、アミロペクチ
ンの比率が小さい、すなわちアミロースの比率の大きい
精米でごはんを炊く際、その品質の改良に有効な性質を
有するデンプンである。本発明者らは、アミロペクチン
高含量のデンプンを添加する炊飯方法について一連の発
明をしている。インディカ米食味を大幅に改善するため
には、炊飯の際、家庭用電気またはガス炊飯器などの通
常の炊飯条件では炊飯不可能なまでのデンプン量を添加
する必要がある。
【0008】すなわち、市販の電子ジャー炊飯器、ガス
炊飯器などによる通常の炊飯方法で炊飯可能なデンプン
添加量ではインディカ米食味をジャポニカ米食味に近づ
けることは不可能である。しかし、アミロペクチン含量
がほぼ100%のデンプン液を高濃度で加えた場合、あ
るいは粉体で大量に加えた場合、炊飯加熱中に熱の対流
と伝導が起こらないため、均一な温度上昇がさまたげら
れ釜中心部はいわゆる芯が残った状態で釜底は焦飯とな
り、炊飯はできない。そこで、ワキシーコーンスターチ
が本来有する粘弾性、膨化力、保水性、光沢に富むとい
う米飯の品質改良剤として好適な性質を維持したまま
で、炊飯中に熱の対流と伝導が起きるようにした一連の
発明をしている。
【0009】これを改良した方法の一つがα化デンプン
を使用する方法である。ワキシーコーンスターチおよび
/または白玉粉は、α化により、すなわち加工デンプン
であるα化デンプン製造工程における分解により、食感
の改良効果が得られる量の5重量%以上を添加すること
ができるようになる。α化したデンプンはワキシーコー
ンスターチなどが本来有する米飯の品質改良剤として好
適な性質を維持したままで、α化デンプンを製造する際
の若干の分子量の低下により、炊飯中に熱の対流と伝導
が起きるようになる。
【0010】ところがα化デンプンを使用しても、大ロ
ット炊飯においては、釜底の焦げ、内部に芯が残るとい
う問題が解決できない。大ロット炊飯を可能にするため
には炊飯水の粘度を低下させ、炊飯中に熱対流(水対
流)を起こさせる必要がある。
【0011】本発明は、うるち米を常温で固形の油脂に
よってコーティングしたデンプンを添加して炊飯するこ
とを特徴とする炊飯方法である。常温で固形の油脂は、
炊飯時の昇温過程において、その融点まではデンプンの
流出を起こさないため粘度が上昇しない。デンプンを炊
飯途中まで溶解しない状態に保つことにより、大ロット
炊飯において、炊飯水の粘度を低下させ、炊飯中に熱対
流(水対流)を起こさせることを可能とした。
【0012】大ロット炊飯を含む通常の工業生産時には
釜を反転させてご飯を取り出しており、ご飯の釜離れが
要求される。しかし、α化ワキシーコーンスターチなど
のアミロペクチン高含量デンプンを添加して炊飯した際
に、釜底に糊状物が付着しご飯の釜離れが悪くなる。本
発明においては、添加したデンプンが油脂によってコー
ティングされているため、その油脂が釜離れをよくする
ために効果的に作用する。油脂の釜離れをよくする作用
は副次的なものである。主目的はデンプンをコーティン
グして炊飯途中までデンプンが溶解しない状態に保つこ
とであるから、油脂が固形脂であることは必須と言え
る。
【0013】固形脂においてもっとも重要なことは脂の
種類、水素添加の度合い等ではなく、上記の粘度低下を
可能とするため、その融点がポイントとなる。炊飯時、
米デンプンは水と温度によって糊化する。米デンプンの
糊化温度は55〜80℃である。これらは糊化温度が低
いタイプ(55−70℃)、中間タイプ(70.5−7
4℃)、糊化温度が高いタイプ(74.5−80℃)の
3つのグループに分けられる。本発明は融点が40℃以
上の油脂によってコーティングしたデンプンを使用す
る。本発明の最も好ましい態様は、インディカ米を融点
が40℃以上の油脂によってコーティングしたアミロペ
クチン100%のα化デンプンを添加して炊飯すること
を特徴とする炊飯方法である。本発明において、炊飯時
にうるち米生米に対して好ましくは2〜10重量%のα
化ワキシーコーンスターチおよび/またはα化白玉粉を
添加する。5%以上の添加量で食感の改良がより効果が
あるが、10%を越える添加量ではもち様の食感が強く
なり、粘りが強すぎる米飯となる。
【0014】さらにデンプンの流出を抑えるためには上
記油脂にて被覆する必要がある。実際の使用場面では硬
化油脂にてコーティングされたデンプンを、洗米→浸漬
→水切りの過程を経た米に混合し、水を加え炊飯を行
う。浸漬、水切り後の米に混合、分散させる理由は、例
えば釜底に粉体を投入した場合は底部粘度の上昇のため
に炊飯が不可となり、また、釜上部に粉体を投入すれば
炊飯は可能なものの、もち状物がご飯の上に広がった状
態となる為である。
【0015】また、デンプンをコーティングするもう1
つの理由は、粉体にて米と混合した際に被覆が不十分で
あると米同士が結着し、炊飯できない為である。油脂と
デンプンを混合したのみの場合、または油脂とデンプン
溶液とを0/W型に乳化した後に乾燥した粉体を使用し
た場合も米の結着は起こる。
【0016】デンプンと硬化油脂の割合は重要なものと
なる。硬化油脂にて被覆する油脂量が少ない場合、上記
のように米の結着が起こる。また、多い場合には得られ
たご飯が油っぽく、また油脂臭も感じる。
【0017】添加するデンプン量は0.5〜15%程度
(好ましくは2〜10%)が適当である。被覆に使用す
る油脂量はデンプンに対して10〜60%程度(好まし
くは20〜40%)が良い。
【0018】また、炊飯時(あるいは炊飯剤の場合には
予め混合しておくことも可)に乳化剤を同時に添加する
こともできる。乳化剤を添加することにより、より釜内
のばらつきが小さいご飯を得ることが可能となる。
【0019】本発明は常温で固形の油脂によってコーテ
ィングしたデンプンを含有することを特徴とするうるち
米用炊飯剤である。本発明の炊飯剤のもっとも好ましい
態様は、融点が40℃以上油脂によってコーティングし
たアミロペクチン100%のα化デンプンを含有するこ
とを特徴とするインディカ米用炊飯剤である。この炊飯
剤は、炊飯時に添加するだけで、米飯の食味を改善した
おいしい米飯に炊き上がる。
【0020】
【実施例】本発明を実施例によって説明する。本発明は
この実施例によって何ら限定されない。以下、実施例に
おいては大ロット炊飯を行った。
【0021】実施例1 α化ワキシーコーンスターチ1250gと粉砕した硬化
牛脂(1V25〜35、融点49〜54℃)500gを
混合した。この混合物を乾式オーブン中で70℃にて2
時間加熱した後に常温で冷却を行った。得られた粉体を
破砕機にて粉砕し、硬化牛脂にて被覆されたα化ワキシ
ーコーンスターチを得た。
【0022】実施例2 インディカ米精米2500gを洗米し、水にて1時間浸
漬した。水切りした米に実施例1で得られた粉体280
gを混合した。水4170gを添加し、ナショナル業務
用IHジャー炊飯器SR−IHFA36にて炊飯した。
得られた米飯は無添加品と比較して粘りがあり、軟らか
い食感であった。外観上もつやがあり、優れていた。な
お添加品の山電(株)製レオナーにて測定したS/H値
は0.094±0.026(無添加品0.008±0.
004)であった。本実施例の炊飯方法における炊飯中
の温度履歴を図1に、α化ワキシーコーンスターチを溶
液にて添加した場合(比較例)の炊飯方法における炊飯
中の温度履歴を図2に示した。併せて、上記無添加品
(従来例)の炊飯方法における炊飯中の温度履歴をを図
3に示した。図2に示した溶液添加時と比較して、図1
は、図3と同様にスムーズな昇温である。
【0023】
【発明の効果】インディカ米を含めたどのようなうるち
米からでも、作業性の面で簡単に、米飯の崩れが少な
く、艶があり、また、パサッキが無く、ふっくらとした
食感と粘りを与える、食味が改善された米飯類を製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の炊飯方法における炊飯中の温
度履歴を表す説明図である。
【図2】比較例の炊飯方法における炊飯中の温度履歴を
表す説明図である。
【図3】従来例の炊飯方法における炊飯中の温度履歴を
表す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 郡山 剛 八王子市北野町559−6 日本水産株式会 社中央研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 うるち米を常温で固形の油脂によってコ
    ーティングしたデンプンを添加して炊飯することを特徴
    とする炊飯方法。
  2. 【請求項2】 デンプンがアミロペクチン100%であ
    る請求項1の炊飯方法。
  3. 【請求項3】 デンプンがα化デンプンである請求項1
    または2の炊飯方法。
  4. 【請求項4】 油脂の融点が40℃以上である請求項1
    ないし3のいずれかの炊飯方法。
  5. 【請求項5】 うるち米がインディカ米である請求項1
    ないし4のいずれかの炊飯方法。
  6. 【請求項6】 常温で固形の油脂によってコーティング
    したデンプンを含有することを特徴とするうるち米用炊
    飯剤。
  7. 【請求項7】 デンプンがアミロペクチン100%であ
    る請求項6のうるち米用炊飯剤。
  8. 【請求項8】 デンプンがα化デンプンである請求項6
    または7のうるち米用炊飯剤。
  9. 【請求項9】 油脂の融点が40℃以上である請求項6
    ないし8のいずれかのうるち米用炊飯剤。
  10. 【請求項10】 うるち米がインディカ米である請求項
    6ないし9のいずれかのうるち米用炊飯剤。
JP6291902A 1994-10-19 1994-10-19 炊飯方法および炊飯剤 Withdrawn JPH08116894A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000093105A (ja) * 1998-09-28 2000-04-04 Honen Corp 油脂コーティング澱粉、それを用いたほぐれを改良した麺類およびその製造方法
JP2006122000A (ja) * 2004-10-29 2006-05-18 Takitani Makoto 米粉を主原料とする生麺類の製造方法、およびこれにより製造された生麺類ならびに生麺類製造用のプレミックス粉
WO2023026866A1 (ja) * 2021-08-27 2023-03-02 株式会社J-オイルミルズ 成形飯改良材、成形飯、成形飯改良材の製造方法、成形飯の製造方法、および成形飯のほぐれ性を向上させる方法

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WO2023026866A1 (ja) * 2021-08-27 2023-03-02 株式会社J-オイルミルズ 成形飯改良材、成形飯、成形飯改良材の製造方法、成形飯の製造方法、および成形飯のほぐれ性を向上させる方法

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