JPH0811667A - 乗員保護装置用強制作動構造 - Google Patents

乗員保護装置用強制作動構造

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JPH0811667A
JPH0811667A JP6148188A JP14818894A JPH0811667A JP H0811667 A JPH0811667 A JP H0811667A JP 6148188 A JP6148188 A JP 6148188A JP 14818894 A JP14818894 A JP 14818894A JP H0811667 A JPH0811667 A JP H0811667A
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JP
Japan
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inertial mass
mass body
ignition
occupant protection
protection device
Prior art date
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JP6148188A
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English (en)
Inventor
Teruhiko Koide
輝彦 小出
Naoki Matsuura
直樹 松浦
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Tokai Rika Co Ltd
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両急減速状態でない状態で強制的に作動で
きるようにして、車両に取付けたまま安全且つ簡易に乗
員保護装置を廃棄する。 【構成】 軸方向に沿って移動可能な着火ピンと、スラ
イド保持部が形成され、ガイドの凸部23に形成された
スリット37に挿入されて、着火ピンと係合する位置か
ら着火ピンから離間する位置まで移動可能なトリガレバ
ーと、凹部29、33内にそれぞれ形成された突起6
6、67、トリガレバーのスライド保持部の軸回りの回
転方向に形成されたスリット69、及び端面30Aに形
成された係合突起71を有する慣性質量体30と、係合
突起71と係合するストッパ60が形成された安全装置
50とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両急減速状態で作動
する乗員保護装置に用いられ、この乗員保護装置を車両
急減速状態でない状態で強制的に作動させるための乗員
保護装置用強制作動構造に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に装備されるエアバッグ装置には、
車両の急減速状態を感知するセンサを備えたインフレー
タが配設されており、車両が急減速状態に至ると、セン
サがインフレータを作動させて瞬時にガスを発生させ、
袋体を膨張展開させるようになっている。
【0003】一方、このようなエアバッグ装置が設置さ
れた車両の廃車時やステアリングホイールの交換時等
に、不用意にエアバッグ装置が作動しないように、予め
エアバッグ装置のインフレータを強制的に着火させた
後、エアバッグ装置を廃棄する必要がある。
【0004】従って、従来は車両からエアバッグ装置を
取り外した後、タイヤを積み重ねた中でこのエアバッグ
装置をロープで吊るした状態から落下させ、エアバッグ
装置のインフレータに配設されたセンサを作動させて、
インフレータを強制的に着火させていた。このため、タ
イヤを積み重ねる等のための労力と時間が必要であっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実に鑑
み、車両急減速状態でない状態で乗員保護装置を安全且
つ簡易に強制作動させることができる乗員保護装置用強
制作動構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、車両急減速状態で作動する
乗員保護装置に用いられ、この乗員保護装置を車両急減
速状態でない状態で強制的に作動させるための乗員保護
装置用強制作動構造であって、発火部材から離間した位
置からこの発火部材と当接した位置まで移動可能な着火
部材と、前記着火部材と係合して前記着火部材を前記発
火部材と離間させた位置から、前記着火部材から離間し
て前記着火部材の移動を可能とする位置まで移動可能な
トリガ部材と、車両急減速状態で、前記トリガ部材及び
前記着火部材の係合を維持する第1位置から、前記着火
部材から前記トリガ部材を離間させる第2位置まで慣性
移動し、且つ前記第2位置とは別の第3位置で前記着火
部材から前記トリガ部材を離間させる慣性質量体と、操
作力を受けて前記慣性質量体を前記第1位置から前記第
3位置まで移動させる強制作動部材と、を備えたことを
特徴とする。
【0007】また,請求項2記載の発明は、請求項1記
載の乗員保護装置用強制作動構造において、前記慣性質
量体は前記第1位置から直線的に移動して前記第2位置
へと至り、前記第1位置から回転して前記第3位置へ至
ることを特徴とする。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1記載の乗
員保護装置用強制作動構造において、前記慣性質量体の
前記第2位置及び前記第3位置は前記第1位置を介して
互いに反対側に設けられたことを特徴とする。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項1、2及び
3のいずれか記載の乗員保護装置用強制作動構造におい
て、前記慣性質量体は側面に2つの孔を備えた略円筒状
とされ、前記トリガ部材は屈曲部を備えて、且つ前記慣
性質量体の内部に収容され、前記慣性質量体が前記第2
位置及び前記第3位置に配置されたときに前記トリガ部
材の前記屈曲部が前記孔内に収容されて前記着火部材と
非係合状態となることを特徴とする。
【0010】
【作用】請求項1記載の乗員保護装置用強制作動構造で
は、通常は、慣性質量体は第1位置に配置されて、トリ
ガ部材及び着火部材の係合を維持して、着火部材を発火
部材から離間した位置に保持している。
【0011】そして車両の廃車時等に、強制作動部材に
操作力を加えると、この操作力を受けた強制作動部材
が、トリガ部材及び着火部材の係合を維持する第1位置
から第3の位置へ慣性質量体を移動させる。これによっ
て着火部材からトリガ部材が離間して、着火部材が発火
部材に向かって移動する。
【0012】請求項2記載のセンサの強制作動構造で
は、車両の廃車時等に、強制作動部材に操作力を加える
と、この操作力を受けた強制作動部材が、慣性質量体を
回転させて、トリガ部材及び着火部材の係合を維持する
第1位置から第3位置へこの慣性質量体を移動させる。
これによって着火部材からトリガ部材が離間して、着火
部材が発火部材に向かって移動する。
【0013】請求項3記載のセンサの強制作動構造で
は、慣性質量体の第2位置及び第3位置は第1位置を介
して互いに反対側に設けられており、車両の廃車時等
に、強制作動部材に操作力を加えると、この操作力を受
けた強制作動部材が、トリガ部材及び着火部材の係合を
維持する第1位置から、慣性移動方向に設けられた第2
位置の方向と反対の方向に設けられた第3位置へ慣性質
量体を移動させる。これによって着火部材からトリガ部
材が離間して、着火部材が発火部材に向かって移動す
る。
【0014】請求項4記載のセンサの強制作動構造で
は、慣性質量体は側面に2つの孔を備えた略円筒状とさ
れて、第1の位置に配置され、トリガ部材は屈曲部を備
え、この慣性質量体の内部に収容されて、着火部材との
係合が維持され、着火部材を発火部材から離間した位置
に保持している。
【0015】そして車両の廃車時等に、強制作動部材に
操作力を加えると、この操作力を受けた強制作動部材
が、トリガ部材及び着火部材の係合を維持する第1位置
から第3の位置へ慣性質量体を移動させる。これによっ
てトリガ部材の屈曲部が慣性質量体に形成された一方の
孔内に収容されて、着火部材からトリガ部材が離間し
て、着火部材が発火部材に向かって移動する。
【0016】
【実施例】図1から図10には本発明の実施例に係る乗
員保護装置用強制作動構造が示されている。
【0017】図5に示される如く、乗員保護装置に適用
される加速度センサ10はケース12を備えている。ケ
ース12は、一端に底壁14を有する円筒形に形成され
て、図示しないステアリングホイールや車体へ固定的に
取付けられている。
【0018】図4に示される如く、ケース12の開口縁
部には、径方向外側へ向けてリング状の凸部12Aが形
成されており、開口側はボビン16により封印されてい
る。ボビン16の外周部には、径方向外側へ向けてリン
グ状の凸部16Aが形成されており、この凸部16Aが
ケース12の凸部12Aと当接している。
【0019】図5に示される如く、ボビン16及びケー
ス12の凸部12Aには、キャップ17が被せてあり、
このキャップ17のエッジ部17Aをケース12の凸部
12Aにかしめることによって、ケース12にボビン1
6を固定している。
【0020】ケース12の底壁14には軸線上に透孔1
8が形成されており、また、底壁14には、略円筒形の
ガイド20がケース12の内方へ向けて同軸的に突出形
成されている。さらに、図4に示される如く、このガイ
ド20には、端面側の一部に切欠き65が形成された凸
部21及びこの凸部21と直径方向に対向する凸部23
が形成されている。
【0021】図5に示される如く、ケース12の内部に
は着火ピン22が配置されている。着火ピン22は、略
円筒形に形成された本体24と、この本体24の底壁2
4Aから一体的に突出形成された針状の凸部26とから
構成されている。本体24の外径はガイド20の内部に
挿入されており、着火ピン22は軸線に沿ってガイド2
0内をスライド移動可能となっている。
【0022】一方、凸部26は、着火ピン22(本体2
4)が最もケース12の底壁14の側へ移動した状態に
おいて、底壁14に形成された透孔18から外部へ突出
する。
【0023】ボビン16と着火ピン22との間にはファ
イアリングスプリング28が配置されており、このファ
イアリングスプリング28は、常に着火ピン22を透孔
18の方向へ付勢している。尚、ファイアリングスプリ
ング28の一方の端部28Aは、ボビン16の底面16
Bに形成されたリング状の凹部16Cに挿入されてお
り、ファイアリングスプリング28の他方の端部28B
は、着火ピン22の本体24の内部に挿入されている。
一方、ケース12の内壁及びガイド20の間には、略円
筒形の慣性質量体30が軸方向に移動可能に収容されて
いる。
【0024】図4に示される如く、慣性質量体30の内
周側の対向する位置には、一対の凹部29、33が軸線
方向に沿って形成され、また、凹部29、33のボビン
16側の端面30A側には、直径方向の対向する位置に
突起66、67がそれぞれ形成されている。図1に示さ
れる如く、凹部29、33の反時計回転方向(矢印C方
向)側の端面29A、33A及び突起66、67の間に
は、ガイド20の凸部21、23が配置されており、慣
性質量体30に反時計回転方向(矢印C方向)の所定の
操作力を加えた場合には、ガイド20の凸部21、23
が突起66、67と当たり、図3に示される如く、これ
らの突起66、67が破断(又は変形)して、慣性質量
体30の矢印C方向への回転が可能となるようになって
いる。
【0025】また、この慣性質量体30は、図5に示さ
れるように、ケース12の底壁14と最も近接した位置
に配置された場合に、端面30Aがガイド20の凸部2
1に形成された切欠き65の端面と略同一平面上又は切
欠き65の端面よりもボビン16側に位置して、後述す
る安全装置50のストッパ60を慣性質量体30の移動
軌跡上から凹部29内に移動させた場合に、このストッ
パ60が切欠き65内に収容されるようになっている。
【0026】図5に示される如く、慣性質量体30とボ
ビン16との間にはバイアススプリング32が配置され
ている。このバイアススプリング32の一方の端部32
Aは、ボビン16の底面16Bに形成されたリング状の
凹部16Dに挿入されており、バイアススプリング32
の他方の端部32Bは、慣性質量体30の端面30Aに
形成され断面半円形のリング溝35に挿入されており、
常に慣性質量体30を底壁14の方向へ付勢している。
従って、慣性質量体30は通常はこのバイアススプリン
グ32の付勢力によって最も底壁14と近接した位置に
配置されており、車両急減速時の所定の加速度が作用し
た場合に、このバイアススプリング32の付勢力に抗し
て、ボビン16方向へ慣性移動するようになっている。
【0027】また、慣性質量体30と着火ピン22との
間には、トリガレバー34が配置されており、トリガレ
バー34はガイド20の凸部23に軸線方向に沿って形
成されたスリット37内に挿入されている。また、トリ
ガレバー34は、長手方向一端部が軸36によって回動
可能に支持されており、軸36は、図4に示される如
く、ガイド20の端面20Aに、スリット37を挟んで
形成された断面半円形の一対の凹部39に係合してい
る。
【0028】図5に示される如く、一対の凹部39と対
向するボビン16の底面16Bには、一対の凹部43が
形成されており、これらの凹部39、43とで軸36の
軸受部を構成している。
【0029】また、トリガレバー34の先端には、着火
ピン22へ向けて突出した係合部38が形成されてお
り、着火ピン22の本体24に係合可能である。即ち、
トリガレバー34が軸36周りに回動することにより、
係合部38は着火ピン22に接近又は離間できる。従っ
て、この係合部38が着火ピン22に接近して本体24
に係合した状態では、着火ピン22をその凹部26の先
端部が透孔18の入口近傍となる位置で保持し、一方、
係合部38が着火ピン22の本体24から離間した状態
では、ファイアリングスプリング28の付勢力によって
着火ピン22を透孔18方向へ移動させるようになって
いる。
【0030】このトリガレバー34の先端部近傍の着火
ピン22と反対側には、慣性質量体30へ向けてスライ
ド保持部40が突出形成されている。このスライド保持
部40は、慣性質量体30の凹部33の内壁に対応して
凹部33の内壁と線状に接触するように構成されてい
る。
【0031】一方、図1及び図5に示される如く、慣性
質量体30には軸方向中間部よりも底壁14寄りで、且
つ図1に示されたように軸方向から見て端面33Aの付
近に、トリガレバー34のスライド保持部40が侵入可
能なスリット41が、慣性質量体30の内外を貫通して
形成されている。
【0032】従って、図5に示される如く、慣性質量体
30がバイアススプリング32によって最もケース12
の底壁14に接近した位置(第1位置)に配置されてい
る状態では、トリガレバー34のスライド保持部40は
慣性質量体30の凹部33の内壁に当接して、トリガレ
バー34の係合部38及び着火ピン22の本体24の係
合状態を維持し、一方、慣性質量体30のスリット41
内にトリガレバー34のスライド保持部40が侵入する
位置(第2位置)まで、慣性質量体30が底壁14から
離間する方向(図5の矢印D方向)へ慣性移動した場合
には、トリガレバー34及び着火ピン22の係合が解除
されるようになっている(図6及び図7)。
【0033】尚、図10に示される如く、このスリット
41のバイアススプリング32側の内周面は、外周側が
拡開された傾斜面41Aとなっている。この傾斜面41
Aの軸線方向に対する角度α1は、この傾斜面41Aと
対向するスライド保持部40の傾斜面40Aの軸線方向
に対する角度α2より大きく設定されている。このた
め、スライド保持部40の端部40Bが、傾斜面41A
に達すると、トリガレバー34の矢印A方向への回転力
によって、端部40Bが傾斜面41Aを慴動し、慣性質
量体30をバイアススプリング32方向(矢印D方向)
へ移動させるようになっている。また、図10の状態で
慣性質量体30が停止しても、トリガレバー34は慣性
質量体30によって妨げられることなく、矢印A方向へ
回転でき、さらには、図10の状態から慣性質量体30
が矢印D方向へと反対方向へ移動してもトリガレバー3
4が傾斜面41Aによってすくい上げられ矢印A方向へ
回転できるようになっている。
【0034】図1に示される如く、慣性質量体30の軸
線方向から見て凹部33の端面33Aと反対側の端面3
3B側付近には、加速度センサ10の強制作動用のスリ
ット69が慣性質量体30の内外を貫通して形成されて
いる。このスリット69は、慣性質量体30の軸方向か
ら見て、スリット41よりもボビン16側に形成されて
いて、慣性質量体30を最もケース12の底壁14に接
近した位置に配置させた状態でこの慣性質量体30を時
計回転方向へ回転させた場合に、トリガレバー34のス
ライド保持部40と対向する位置に形成されている(図
8及び図9)。従って、図1の位置から、凹部29、3
3に形成された突起66、67を破断させて、慣性質量
体30を矢印C方向へ回転させ、トリガレバー34のス
ライド保持部40がスリット69内に侵入する位置(第
3位置)まで、ガイド20の凸部21、23が凹部2
9、33の端面29B、33B側に配置させた場合に
(図3)、トリガレバー34及び着火ピン22の係合状
態が解除されて加速度センサ10が強制的に作動される
ようになっている(図8及び図9)。
【0035】一方、図4に示される如く、ボビン16に
はケース12と反対側の表面から円形の凹部49が形成
されており、この凹部49には、強制作動部材を兼ねる
安全装置50が挿入されている。安全装置50は略円柱
状とされており、軸部52の先端部52Aが、凹部49
の中央部に形成された軸受穴49Aに回動可能に挿入さ
れている。
【0036】この安全装置50の鍔部54の外周部に
は、ストッパ60が軸部52と平行に形成されており、
ボビン16に穿設された貫通溝62(図1)を通って慣
性質量体30の端面30Aと対向する位置に配置された
場合に、バイアススプリング32によって最もケース1
2の底壁14に接近した位置に配置された状態の慣性質
量体30の端面30Aと近接位置に配置されて、慣性質
量体30のボビン16方向への移動を制限する長さとさ
れている(図5)。
【0037】図1に示される如く、ボビン16に穿設さ
れた貫通溝62は、ストッパ60の回動軌跡に沿って湾
曲状に形成されており、その時計回転方向(反矢印C方
向)側の端面62Aがガイド20の凸部21に形成され
た切欠き65の側面と略同一平面に配置されている。こ
の貫通溝62内には、慣性質量体30の端面30Aに形
成された係合突起71が、軸方向に見て図1のように、
ストッパ60の回動軌跡上に突出して配置されており、
この係合突起71及び端面62Aの間にストッパ60が
配置されて、係合突起71によりストッパ60の時計回
転方向(矢印C方向)への移動が制限されるようになっ
ている。また、貫通溝62は、安全装置50を図1の反
時計回転方向へ回転し、ストッパ60を介して係合突起
71へ所定の操作力を加えて慣性質量体30の凹部2
9、33に形成された突起66、67を破断させ、慣性
質量体30を反時計回転方向(矢印C方向)へ回転させ
て、ガイド20の凸部23のスリット37内に挿入され
たトリガレバー34のスライド保持部40が凹部33に
形成されたスリット69内に侵入するまで、端面62A
と反対側の端面62Bが係合突起71と当接しない大き
さとされている。
【0038】図5に示される如く、安全装置50の鍔部
54と凹部49の底面との間には、コイルスプリング5
6が配設されている。図1に示される如く、コイルスプ
リング56の一方の端部56Aは、凹部49の底面に形
成された凹部57に挿入されている。コイルスプリング
56の他方の端部56Bは、安全装置50の鍔部54の
下面に形成された凸部58に係合しており、コイルスプ
リング56は、安全装置50を図1の反時計回転方向
(矢印C方向)へ付勢している。従って、ストッパ60
は、通常は、コイルスプリング56の付勢力により慣性
質量体30の係合突起71と係合する図1の位置に配置
されて、慣性質量体30のボビン16方向への移動を制
限するようになっている。
【0039】安全装置50は、図2に示される如く、ス
トッパ60がガイド20の凸部21の切欠き65内に収
容された場合に解除状態とされる。安全装置50を解除
状態とするには、例えば、図4に示される如く、安全装
置50の軸部52の突出側端部に把持部52Bを形成
し、この把持部52Bを操作ハンドル61等の把持手段
で矢印C方向と反対方向へ回転させて、ストッパ60が
切欠き65内に配置された状態で、この操作ハンドル6
1をビス63等でボビン16等に固定すればよい。
【0040】尚、安全装置50には、軸部52の外周部
にリング状の凹部53が形成されて、この凹部53内に
キャップ17のエッジ部17Bが挿入されており、キャ
ップ17のエッジ部17Bと凹部53との間には、加速
度センサ10を密封するためのシールリング55が挿入
されている。
【0041】以上の構成による加速度センサ10は、例
えばエアバッグ装置のインフレータ(図示省略)に組付
けられている。インフレータにはガス発生剤が収容され
ており、さらに、図5に示される如く、このガス発生剤
を着火燃焼させる発火部材としての雷管42が配置され
ている。雷管42は、加速度センサ10が組付けられた
状態において加速度センサ10の軸線上に位置してい
る。従ってこの組付状態では、ケース12の透孔18は
雷管42に対向しており、この透孔18から突出可能な
着火ピン22の凹部26は雷管42に衝突可能となって
いる。
【0042】次に本実施例の作用を説明する。上記のよ
うに構成される本実施例の加速度センサ10では、通常
は、図5に示す如く、着火ピン22はファイアリングス
プリング28の付勢力に抗して雷管42から離間した位
置にあり、トリガレバー34は係合部38が着火ピン2
2の本他24に係合して、着火ピン22を保持してい
る。さらに、慣性質量体30はバイアススプリング32
によって最も底壁14に接近した位置、即ちトリガレバ
ー34の回動軌跡に侵入しており、凹部33の内壁がト
リガレバー34のスライド保持部40に当接してトリガ
レバー34の回動を阻止して着火ピン保持状態を維持し
ている。
【0043】そして、安全装置作動状態では、図1に示
される如く、安全装置50はコイルスプリング56の付
勢力により反時計回転方向(矢印C方向)へ付勢されて
おり、ボビン16の貫通溝62に挿入されたストッパ6
0は、この貫通溝62内に配置された慣性質量体30の
係合突起71と係合して、矢印C方向への移動が制限さ
れる。この状態では、図5に示される如く、ストッパ6
0はその端面60Aが慣性質量体30の端面30Aの近
接位置に配置されて、慣性質量体30のボビン16方向
への移動を制限している。
【0044】従って、加速度センサ10は作動停止状態
とされて、加速度センサ10に大きな加速度が作用して
も、慣性質量体30が殆ど慣性移動せず、トリガレバー
34及び着火ピン22の係合状態が維持される。
【0045】一方、車両の組付け終了時等には、図4に
示される安全装置50の把持部52Bを操作ハンドル6
1等の把持手段で把持し、時計回転方向(反矢印C方
向)へ回転させ、ストッパ60を慣性質量体30の移動
軌跡上からガイド20の凸部21の切欠き65内へ配置
させて、操作ハンドル61を固定すると、安全装置50
が解除される(図2)。この状態では、ストッパ60は
慣性質量体30の凹部29内に配置されて、慣性質量体
30のボビン16方向(図5の矢印D方向)への移動が
可能となって、加速度センサ10は作動可能状態とな
る。
【0046】従って、走行時に車両が急減速状態となっ
て加速度センサ10に大きな加速度が作用すると、慣性
質量体30は、凹部33の内壁がトリガレバー34のス
ライド保持部40と線状に接触しながら、図5の矢印D
方向へ慣性移動する。その結果、スライド保持部40が
凹部33に形成されたスリット41内に侵入して、トリ
ガレバー34が軸36を中心に回動される。これによ
り、トリガレバー34の係合部38が着火ピン22の本
体24から離間してトリガレバー34及び着火ピン22
の係合状態が解除され、ファイアリングスプリング28
の付勢力によって着火ピン22が軸線方向に移動して、
凸部26が透孔18から外方へ突出して雷管42と衝突
して(図7図示状態)、雷管42を着火させる。次い
で、インフレータのガス発生剤が着火燃焼され、エアバ
ッグ装置等が作動される。
【0047】他方、車両の廃車時等には、操作ハンドル
(図4)の固定状態を解除すると、安全装置50はコイ
ルスプリング56の付勢力により反時計回転方向(矢印
C方向)へ回転して、ストッパ60が慣性質量体30の
係合突起71と係合する(図1)。この状態から、さら
に、安全装置50に矢印C方向の操作力を加えて、図3
に示される如く、ストッパ60及び係合突起71の係合
状態を維持したまま慣性質量体30の凹部29、33に
形成された突起66、67を破断させて、この安全装置
50と共に慣性質量体30を矢印C方向へ回転させる
と、ガイド20の凸部21、23は慣性質量体30の凹
部29、33の端面29B、33B側へ配置される。こ
こで、凹部33の端面33B側には、トリガレバー34
のスライド保持部40と対向する位置にスリット69が
形成されているため、慣性質量体30の矢印C方向への
回転により、スライド保持部40はスリット69内に侵
入する。これにより、トリガレバー34は軸36を中心
に回動されて、トリガレバー34及び着火ピン22の係
合状態が解除され、ファイアリングスプリング28の付
勢力によって着火ピン22が軸線方向に移動して、凸部
26が透孔18から外方へ突出して雷管42と衝突して
加速度センサ10が強制作動される(図8及び図9)。
【0048】以上より、慣性質量体30の回転によっ
て、加速度センサ10の作動停止状態及び作動可能状態
の他に、強制作動状態を採り得るようにしたので、エア
バッグ装置を簡単な操作で強制作動することが可能とな
った。この為、車両に取付けたままエアバッグ装置を強
制作動させることができ、安全且つ簡易にエアバッグ装
置を廃棄できるようになった。しかも、上記のような簡
単な構成で加速度センサ10を強制作動させることがで
きるため、加速度センサ10の大型化、重量化が防止さ
れる。
【0049】またこの加速度センサ10は、安全装置5
0によって慣性質量体30の移動を阻止する構成である
ため、換言すれば、安全装置50はトリガレバー34の
回動を阻止する構成ではないため、安全装置50を解除
する時に、慣性質量体30がトリガレバー34を回動さ
せる位置に移動していることはない。従って、安全装置
50を解除すると同時に、トリガレバー34が回動し加
速度センサ10が作動するおそれはなく、安全装置解除
時の誤作動防止のための特別の部材が不要となる。
【0050】さらに、前記実施例では、バイアススプリ
ング32の端部32Bを慣性質量体30の端面30Aの
幅方向中央部に形成された断面半円形のリング溝35に
挿入する構成としたため、バイアススプリング32の付
勢力を慣性質量体30の端面30Aの幅方向中央部に確
実に作用させることができる。従って、バイアススプリ
ング32の傾き等の取付け不良により発生する付勢力の
ばらつきをなくすことができる。
【0051】また、前記実施例では、スリット41の傾
斜面41Aの角度α1をスライド保持部40の傾斜面4
0Aの角度α2より大きく設定し、スライド保持部40
の端部40Bが傾斜面41Aに達すると、トリガレバー
34の揺動力によって、端部40Bが傾斜面41Aを慴
動し慣性質量体30をバイアススプリング32方向(図
10の矢印D方向)へ移動させる構成としたため、スラ
イド保持部40の端部40Bが傾斜面41Aに達すれ
ば、それ以後は強制的に慣性質量体30が移動する。従
って、移動中に、慣性質量体30へ慣性力が作用しなく
なった場合にも、慣性質量体30が途中(図6の位置)
で停止することはなく、確実に着火ピン22の凸部26
を雷管42に衝突させることができる。
【0052】尚、前記実施例では、慣性質量体30を回
転させて加速度センサ10を強制作動できるようにした
が、ケース12の内壁に突起を形成し、この突起を破断
する等により慣性質量体30を慣性移動方向と反対方向
にも移動できるようにし、且つ、図11及び図12に示
される如く、スリット69をスリット41の端面30A
側に隣接形成して、加速度センサ10を慣性移動方向と
反対方向に移動させて、これを強制作動させるようにし
てもよい。
【0053】また、慣性質量体30を慣性移動方向と反
対方向に移動させると共に軸回りに回転させて、加速度
センサ10を強制作動させるようにしてもよい。
【0054】さらに、前記実施例では、慣性質量体30
の移動を阻止する安全装置50は、鍔部54の外周部に
ストッパ60を有する略円柱状とし、軸線回りに回転可
能としたが、安全装置50の構成はこれに限定されず、
慣性質量体に係合して慣性質量体の移動を阻止でき、か
つこの慣性質量体の移動を可能とする位置まで移動可能
であれば、例えば、安全装置としてのピン等の軸材を、
慣性質量体の移動軌跡と交差する面内で移動させる構成
としてもよい。また、円筒形以外の形状の慣性質量体を
使用してもよい。
【0055】さらに、前記実施例における加速度センサ
10では、一個のトリガレバー34によって着火ピン2
2を保持する構成としたが、トリガレバー34の個数は
これに限定されるものではなく、二個以上設けてもよ
い。
【0056】また、前記実施例においては、着火ピンの
付勢手段としてファイアリングスプリング28を使用し
たが、着火ピンの付勢手段は、これに限定されず流体
圧、液体圧等の他の付勢手段を使用してもよい。
【0057】上記実施例においては、慣性質量体のスト
ッパとしてバイアススプリング32を使用したが、慣性
質量体のストッパは、これに限定されず所定の加重で破
断するシェヤーピン等の他のストッパを使用してもよ
い。
【0058】前記実施例における加速度センサ10は、
エアバッグ装置のインフレータに用いたが、これに限ら
ず、着火ピン22の衝突により作動するシートベルトウ
エビング張力付与用のプリテンショナー等の他の装置に
適用することも可能である。
【0059】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、上記構成とした
ため、簡単な操作で乗員保護装置を強制作動させること
が可能となるという効果を奏している。
【0060】請求項2記載の発明は、上記構成としたた
め、慣性質量体を回転させることにより簡単に乗員保護
装置を強制作動させることが可能となるという効果を奏
している。
【0061】請求項3記載の発明は、上記構成としたた
め、慣性質量体を慣性移動方向と反対の方向に移動させ
ることにより簡単に乗員保護装置を強制作動させること
が可能となるという効果を奏している。
【0062】請求項4記載の発明は、上記構成としたた
め、簡単な構成で乗員保護装置を強制作動できるという
効果を奏している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る乗員保護装置用強制作動
構造において、乗員保護装置に適用されるセンサの作動
停止状態を示す平面図である。
【図2】センサの作動可能状態を示す第1図の作動図で
ある。
【図3】センサの強制作動状態を示す第1図の作動図で
ある。
【図4】本発明の実施例に係る乗員保護装置用強制作動
構造の主要部を示す分解斜視図である。
【図5】図1のII−II線断面図である。
【図6】図5の作動図であり、センサの作動可能状態に
おけるセンサの作動直前の状態を示す図である。
【図7】図5の作動図であり、センサの作動可能状態に
おけるセンサの作動後の状態を示す図である。
【図8】図5の作動図であり、センサの強制作動状態に
おけるセンサの作動直前の状態を示す図である。
【図9】図5の作動図であり、センサの強制作動状態に
おけるセンサの作動後の状態を示す図である。
【図10】本発明の実施例に係る乗員保護装置用強制作
動構造におけるトリガレバーを示す側断面図である。
【図11】本発明の変形例に係る慣性質量体のスリット
の配置を示す正面図である。
【図12】図11の変形例に係る慣性質量体及びトリガ
レバーの主要部を示した側断面図である。
【符号の説明】
22 着火ピン(着火部材) 28 ファイアリングスプリング 34 トリガレバー(トリガ部材) 30 慣性質量体 40 スライド保持部(屈曲部) 41 スリット(孔) 42 雷管(発火部材) 50 安全装置(強制作動部材) 60 ストッパ 62 貫通溝 69 スリット(孔) 66 突起 67 突起 71 係合突起

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両急減速状態で作動する乗員保護装置
    に用いられ、この乗員保護装置を車両急減速状態でない
    状態で強制的に作動させるための乗員保護装置用強制作
    動構造であって、 発火部材から離間した位置からこの発火部材と当接した
    位置まで移動可能な着火部材と、 前記着火部材と係合して前記着火部材を前記発火部材と
    離間させた位置から、前記着火部材から離間して前記着
    火部材の移動を可能とする位置まで移動可能なトリガ部
    材と、 車両急減速状態で、前記トリガ部材及び前記着火部材の
    係合を維持する第1位置から、前記着火部材から前記ト
    リガ部材を離間させる第2位置まで慣性移動し、且つ前
    記第2位置とは別の第3位置で前記着火部材から前記ト
    リガ部材を離間させる慣性質量体と、 操作力を受けて前記慣性質量体を前記第1位置から前記
    第3位置まで移動させる強制作動部材と、 を備えたことを特徴とする乗員保護装置用強制作動構
    造。
  2. 【請求項2】 前記慣性質量体は前記第1位置から直線
    的に移動して前記第2位置へと至り、前記第1位置から
    回転して前記第3位置へ至ることを特徴とする請求項1
    記載の乗員保護装置用強制作動構造。
  3. 【請求項3】 前記慣性質量体の前記第2位置及び前記
    第3位置は前記第1位置を介して互いに反対側に設けら
    れたことを特徴とする請求項1記載の乗員保護装置用強
    制作動構造。
  4. 【請求項4】 前記慣性質量体は側面に2つの孔を備え
    た略円筒状とされ、前記トリガ部材は屈曲部を備えて、
    且つ前記慣性質量体の内部に収容され、前記慣性質量体
    が前記第2位置及び前記第3位置に配置されたときに前
    記トリガ部材の前記屈曲部が前記孔内に収容されて前記
    着火部材と非係合状態となることを特徴とする請求項
    1、2及び3のいずれか記載の乗員保護装置用強制作動
    構造。
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