JPH081163A - 通水式平板型電解整水器の平板電極組立体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】平板電極ユニットの製作が容易で、電解膜の張
設と電極組立体への組付けが簡単な平板電極組立体を提
供する。 【構成】周囲フレーム３と、電解膜ガイドリブ９、と通
水調整部材７とを、電極板２を中にして同時成形で一体
形成し、平板電極ユニットを形成する。このようにして
形成した複数の平板電極ユニットを平行に配列し、相対
する電極ユニットの左右及び上下フレーム間に電解膜の
左右及び上下縁部を液密に封着する。、各電極ユニット
の周囲フレームの側面フレームに長尺の電解隔膜を左右
交互に蛇行させて巻き返し、隔膜帯の左右両端と上下縁
部を平板電極ユニットのフレームに液密に封着する。相
対する電極ユニットの周囲フレーム間に電解隔膜を介装
し、液密に封着してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の利用分野】本発明は水を電解してアルカリイオ
ン水と酸性水に整水する通水式の平板型電解整水装置の
平板電極組立体に関する。

【０００２】

【従来の技術】連続式の平板型電解整水装置は、一側に
給水口を有し、他側（上部）に一対の電解水排水口を有
する電解槽内に平板電極を互いに異極となるように交互
に平行配列し、各電極板間を電解隔膜によって陰極室と
陽極に仕切った構成になっている。そして、給水口から
排水口に通水する過程で電極間に直流電圧を印加してア
ルカリイオン水と酸性水に電解し、一対の排水口から別
々に排出するものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この種の平板電解整水
器の電極ユニットには電極板の周りにフレームを嵌めた
ものがあるが、従来のものは、上下分割フレームを電極
板の上下から嵌め合せていたため、部品点類が多くな
り、組付け作業が面倒であった。

【０００４】また、上下フレーム間に継ぎ目が生じるた
め水漏れやアルカリ水と酸性水の混合が生じ易い。この
ため、本発明者は筒状の電解隔膜体内に前記の電極フレ
ームを嵌め入れて周囲が隔膜で取巻かれた電極板を形成
し、この隔膜付き電極板と隔膜のない電極板を一つおき
に平行配列することで電極間を隔膜によって仕切ってい
た。しかし、この場合も電極フレームに膜をぴったりと
張るには高い精度が必要になるとともに、嵌め込みに時
間がかかり、作業能率及び品質に問題があった。

【０００５】従って、本発明の目的は、電極板とフレー
ム等からなる電極ユニットの製作が容易で、しかも電解
膜の張設がし易い平板電極組立体を提供することにあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、本発明の特徴は、複数の平板電極間を電
解隔膜によって互いに異極の電解室に仕切り、電極室の
一側から他側へ水を通水できるように組付けた平板型電
解整水器の電極組立体において、電極板と、この電極板
の周囲に一体固定され、一側に給水口を形成し、他側に
排水口を形成した周囲フレームと、電極板の通水方向に
設けられる一本または複数本の電解膜ガイドリブと、給
水口または排水口の近傍の電極室を横断し且つ横断方向
に沿って複数の通水路を形成した通水調節部材とを具備
し、前記周囲フレームと前記電解膜ガイドリブと前記通
水調整部材とを電極板を中にして同時成形で一体形成し
た複数の平板電極ユニットを平行に配列し、相対する電
極ユニットの左右及び上下フレーム間に電解膜の左右及
び上下縁部を液密に封着したことにある。

【０００７】電解膜の張設は好ましくは、各電極ユニッ
トの周囲フレームの側面フレームに長尺の電解隔膜を左
右交互に蛇行させて巻き返し、隔膜帯の左右両端と上下
縁部を平板電極ユニットのフレームに液密に封着する。
また、相対する電極ユニットの周囲フレーム間に電解隔
膜を介装し、液密に封着してもよい。

【０００８】好ましくは、相対する電極ユニットの側面
フレームの相互の当接部に、相補的に嵌合される凹凸部
を設けてもよい。

【０００９】好ましくは、平板電極の電解膜ガイドリブ
が湾曲または折曲した形状に形成し、相対する電極板の
電解膜ガイドリブの曲線が逆向きになるように組付けて
もよい。

【００１０】好ましくは、通水調整部材の複数の通水路
が、給水口または排水口から遠ざかるに従って広くなる
ように形成してもよい。

【００１１】さらに好ましくは、平板電極組立体の左右
両側の平板電解ユニットは、電極板の外側表面からフレ
ームの外面までの凹部が合成樹脂材で埋められている。

【００１２】

【作用】本発明の電極組立体は、電極板と、この電極板
の周囲に一体固定され、一側に給水口を形成し、他側に
排水口を形成した周囲フレームと、電極板の通水方向に
設けられる一本または複数本の電解膜ガイドリブと、給
水口または排水口の近傍の電極室を横断し且つ横断方向
に沿って複数の通水路を形成した通水調節部材とを具備
した複数の電極ユニットを、平行に配列し、相対する電
極ユニットの左右及び上下フレーム間に電解膜の左右及
び上下縁部を液密に封着したものであるが、前記周囲フ
レームと前記電解膜ガイドリブと前記通水調整部材とを
電極板を中にして同時成形で一体形成してあるので、電
解ユニットが一回の成形工程で完成する。従って、組付
けが不要になるとともに、フレームに継き目や突起部が
ないので電極ユニット間への電解隔膜の張設がきわめて
容易且つ確実になる。

【００１３】すなわち、電極ユニットが上記の構成にな
るので、各電極ユニットの周囲フレームの側面フレーム
に長尺の電解隔膜を左右交互に蛇行させて巻き返すと、
電極間が隔膜で一対の電極室に仕切られ、電解膜の左右
及び上下縁部を電極ユニットの周囲フレームに超音波接
着等で液密に封着するだけで電極組立体が形成される。

【００１４】また、相対する電極ユニットのフレーム間
に長方形の電解隔膜を介装して超音波接着で液密に封着
するだけで電極板間を一対の電極室に仕切られ、電極組
立体が形成される。

【００１５】相対する電極ユニットの側面フレームの当
接部に、相補的に嵌合される凹凸部を形成しておくと、
電極ユニットの側面フレームに隔膜を巻き返した後に、
相対する周囲フレームの凹凸部を嵌め合わせると隔膜が
凹部にくい込まれる分だけ緊張し、しかも電極ユニット
の幅毎に隔膜がフレームにぴったりと係止される。

【００１６】相対する電極板の電解膜ガイドリブの曲線
が逆向きになるように組付けると相対する電極板間の隔
膜は多方向に配列される表裏の膜ガイドリブによって支
えられるので隔膜が安定支持される。

【００１７】通水調節部材の複数の通水路が、給水口ま
たは排水口から遠ざかるに従って広くなるように形成す
ることにより、給水口から排水口までの電極板表面の水
流が均一になる。

【００１８】平板電極組立体の左右両側の平板電解ユニ
ットは、電極板の外側表面からフレームの外面までの凹
部が合成樹脂材で埋めてあるので、電解されない死水が
生ずるおそれがない。また、電極板に白金メッキを施す
際に、この部分のメッキが不要になる。

【００１９】

【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図１乃至図３は本発明の平板電極組立体に使用
される平板電極ユニット１を示すもので、この電極ユニ
ット１は平板状の電極板２の周囲を、一体の同時成形に
よって形成した周囲フレーム３が固定されている。図
１、図２に示すように電極板２の一端（図では上端）に
は電極ロッド４が固定されており、この電極ロッド４
は、周囲フレーム３の上部フレーム３ｂを液密に貫通し
て外側に突出させてある。周囲フレーム３は下部フレー
ム３ａに給水口５が形成されておりているとともに、上
部フレーム３ｂに排水口６が形成されており、給水口５
から供給された水が電極板２に沿って通水され、排水口
６から排出されるようになっている。好ましくは、給水
口５と排水口６は図のように下部フレーム３ａと上部フ
レーム３ｂの対称位置に設ける。

【００２０】周囲フレーム３は給水口５と排水口６の近
傍に、電極板２の上面の通水路を横断するようにして、
通水調整部材７ａ、７ｂが電極板２の表裏両側に一体形
成されている。これら通水調整部材７ａ、７ｂは周囲フ
レーム３の面と同一高さに形成したリブ８に複数の通水
路８ａ、８ｂ…を形成した構成になっている。この通水
調整部材７ａ、７ｂは、給水口５から供給された水が電
極板２の面に沿って均一に流れて排水口６から排出され
るようにするためのもので、この目的のために、図３に
示すように、複数の通水路８ａ、８ｂ…は給水口５また
は排水口６から遠ざかるにしたがって広くなり、且つ周
囲フレーム３の側面フレーム３ｃ、３ｄの近くでは逆に
通水路が狭くなるようにするのが望ましい。

【００２２】平板電極２の表裏両面には通水方向に延び
る電解隔膜ガイドリブ９が一体に固定されており、これ
ら表裏両面の膜ガイドリブ９は電極板２に形成した貫通
孔１０を介して一体の合成樹脂で成形されている。この
膜ガイドリブ９は、平板電極ユニット１間に後述する電
解隔膜をはさんで電極組立体として組付けたときに、電
極板２の表面と隔膜の間の通水隙間を確保するためのス
ペーサとして機能させるもので、電極板２の表面に広範
囲にスペーサが形成され、しかも、電極表面の通水を阻
害しないようにするため、スペーサは、図１のように、
湾曲または折曲した形状にするのが望ましい。

【００２３】本発明の平板電極ユニット１は、電極板２
を中にして、前記周囲フレーム３と、電極板２の表裏の
通水調整部材７ａ、７ｂと隔膜ガイドリブ９とを合成樹
脂で同時成形し、電極ユニット１全体を同時に一体形成
してなるものである。また、平板電極ユニット１は二枚
のユニット１、１を対向して組合せたときに対向周囲フ
レーム３、３が隙間なく接するように、周囲フレーム
３、通水調整部材７ａ、７ｂ及び膜ガイドリブ９の面、
すなわち、電極板２表面からの立上り高さがほぼ同じく
なるようにしてある。このようにして、同一成形工程で
一体形成した電極ユニットはその後、電極板２に、通
常、白金メッキ等の処理がなされる。

【００２４】尚、図１に示すように、電極ユニット１は
下部フレーム３ａと下部通水調整部材７ａの間、及び上
部フレーム３ｂと上部調整部材７ｂの間に開口１１を設
け、これにより、電極板２に沿って通水される水が、共
通の給水口５と排水口６に流れ易くしてある。

【００２５】本発明は、図４に示すように上記に述べた
複数の平板電極ユニット１、１…間に電解隔膜１２を介
装して超音波溶着等で結合し、ユニット１、１間が電解
隔膜１２によって陰極室１３と陽極室１４に液密に区画
された平板電極組立体１５に構成してなるもので、電極
ユニット１、１間に電解隔膜１２を介装し、電極ユニッ
ト１、１間を陰極室１３と陽極室１４に液密に仕切る手
段としては下記のようないくつかのやり方がある。

【００２６】図６、図７の実施例は、各電極ユニット１
の周囲フレーム３の側面フレーム３ｃまたは３ｄに、長
尺の電解隔膜帯１２’を、左右交互に蛇行させて巻き返
すことによって、平板電極ユニット１、１間に電解隔膜
１２が介装されるようにしたもので、この構造ではユニ
ット１の側面フレーム３ｃまたは３ｄに巻き返すたびに
隔膜帯１２’を張った状態にできる。

【００２７】より好ましくは、図７のように、隣接する
側面フレーム３ｃ、３ｄの一方にたて方向に延びる凹溝
１６を形成するとともに、他方に該凹溝１６に係合する
凸条１７を形成し、隔膜帯１２’の巻き返しの際に隔膜
帯１２’をはさんで凹溝１６と凸条１７を嵌め合せるよ
うにする。このように構成すると電極ユニット１、１間
の電解膜１２が一層緊張した状態に張られるとともに、
各々の隔膜１２が側面フレーム３ｃ、３ｄに独立に係止
されるので緩みが生じない。

【００２８】このようにして電極ユニット群に巻き返し
た隔膜帯１２’は上下及び左右の縁辺を各電極ユニット
１の周囲フレーム３に液密に接着されている。尚、電解
ユニット群１、１…と隔膜１２は超音波接着により一体
結合することができる。

【００２９】図８の実施例は隔膜１２の別の張設例を示
すもので、この実施例では、上下左右の寸法が電極ユニ
ット１の周囲フレーム３よりもやや大き目の隔膜１２
を、相対する電極ユニット１、１間に張った状態で介装
させ、各電極ユニット１、１…の周囲フレーム３、３…
とその間に挟まれた隔膜１２、１２…の上下、左右縁辺
を超音波接着等により結合して平板電極組立体１５に形
成してある。

【００３０】電極組立体１５は電源電圧の＋側に接続さ
れる電極ユニットと一側に接続される電極ユニットを相
対向させて配列するもので、この場合は電極は陰極、陽
極専用のものを用いてもよいが、好ましくは、陰極−陽
極両用の使用に耐える材質の電極材料を使用して電極の
極性を逆にして使用できるようにする。

【００３１】隔膜ガイドリブ９を湾曲または折曲させて
形成した場合は、相対する電極ユニットの膜ガイドリブ
９、９の曲線が逆向きになるように配設するのが望まし
い。このような配設にすると、隔膜１２のスペーサ部が
広範囲に拡散し、平板電極２との隙間が効率良く確保さ
れる。

【００３２】図６乃至図８に示すように、電極組立体１
５の左右両側の平板電極ユニット１は、電極板２の外側
表面から周囲フレーム３の外表面までの凹部を合成樹脂
材１８で埋めておくのが望ましい。この構成により、こ
の凹部に水が残留することがなくなる。また、この凹部
の埋め込みは、電極２の白金メッキ処理前に予め埋め込
んでおくのが良い。その理由はメッキの際に、白金メッ
キ材料が少なくてすみ、経済的だからである。

【００３３】

【効果】本発明は以上のように電極組立体の電極ユニッ
トが、同時成形で一体形成されているので、組立に手数
がかからず、量産が可能になるとともに、また同形の複
数ユニットの間に隔膜をはさんで組立体を一体に形成で
きるので電極組立体の組付け作業がきわめて容易にな
る。

【００３４】特に、ユニット間に隔膜帯を巻き返して隔
膜を形成する場合は、隔膜の介装が容易であり、しかも
ぴったりと張ることができる。隣接フレームを凹溝と凸
条で凹凸係合させる場合は特に、この効果が顕著であ
る。

【００３５】相対する電極板の表面に曲線状膜ガイドリ
ブが逆向きに形成されているので電極と隔膜間の電極室
が所定の隙間に保持される。

【００３６】電極組立体の左右両側の外表面に形成され
る凹部が合成樹脂で埋められているので電解されない死
水が生ずることがなく、また、むだなメッキがなくなる
ので経済的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の電極組立体を構成する平板電極ユニ
ットの正面図

【図２】 図１の平面図

【図３】 図１のＡ−Ａ断面図

【図４】 本発明の電極組立体正面図

【図５】 図４の平面図

【図６】 図４のＢ−Ｂ断面図

【図７】 図６の一部省略拡大断面図

【図８】 他の実施例による図７相当図

【符号の説明】

１…平板電極組立体、 ２…電極板、 ３…周囲フレー
ム、 ４…電極ロッド、 ５…給水口、 ６…排水口、
７ａ、７ｂ…通水調整部材、 ８ａ、８ｂ…通水路、
９…電解隔膜ガイドリブ、 １０…貫通孔、 １１…
開口、 １２…電解隔膜、 １３…陰極室、 １４…陽
極室、 １５…電極組立体、 １６…凹溝、 １７…凸
条、 １８…埋込部材。

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の平板電極間を電解隔膜によって互
   いに異極の電解室に仕切り、電極室の一側から他側へ水
   を通水できるように組付けた平板型電解整水器の電極組
   立体において、電極板と、この電極板の周囲に一体固定
   され、一側に給水口を形成し、他側に排水口を形成した
   周囲フレームと、電極板の通水方向に設けられる一本ま
   たは複数本の電解膜ガイドリブと、給水口または排水口
   の近傍の電極室を横断し且つ横断方向に沿って複数の通
   水路を形成した通水調整部材とを具備し、前記周囲フレ
   ームと前記電解膜ガイドリブと前記通水調整部材とを電
   極板を中にして同時成形で一体形成した複数の平板電極
   ユニットを平行に配列し、相対する電極ユニットとの左
   右及び上下フレーム間に電解膜の左右及び上下縁部を液
   密に封着したことを特徴とする平板電極組立体
2. 【請求項２】 各電極ユニットの周囲フレームの側面フ
   レームに長尺の電解隔膜を左右交互に蛇行させて巻き返
   し、隔膜帯の左右両端と上下縁部を平板電極ユニットの
   フレームに液密に封着した請求項１記載の平板電極組立
   体
3. 【請求項３】 相対する電極ユニットの周囲フレーム間
   に電解隔膜を介装し、液密に封着した請求項１記載の平
   板電極組立体
4. 【請求項４】 相対する電極ユニットの周囲フレーム
   が、その側面フレームの相互の当接部に、相補的に嵌合
   される凹凸部を有している請求項１、２または３記載の
   平板電極組立体
5. 【請求項５】 平板電極の電解膜ガイドリブが湾曲また
   は折曲した形状に形成されており、相対する電極板の電
   解膜ガイドリブの曲線が逆向きになるように組付けられ
   ている請求項１、２、３または４記載の平板電極組立体
6. 【請求項６】 通水調整部材の複数の通水路が、給水口
   または排水口から遠ざかるに従って広くなるように形成
   されている請求項１、２、３、４または５記載の平板電
   極組立体
7. 【請求項７】 平板電極組立体の左右両側の平板電解ユ
   ニットは、電極板の外側表面からフレームの外面までの
   凹部が合成樹脂材で埋められていることを特徴とする請
   求項１、２、３、４、５または６記載の平板電極組立体