JPH081159Y2 - 自動車のシートベルト装置 - Google Patents

自動車のシートベルト装置

Info

Publication number
JPH081159Y2
JPH081159Y2 JP1989070241U JP7024189U JPH081159Y2 JP H081159 Y2 JPH081159 Y2 JP H081159Y2 JP 1989070241 U JP1989070241 U JP 1989070241U JP 7024189 U JP7024189 U JP 7024189U JP H081159 Y2 JPH081159 Y2 JP H081159Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
rear door
shoulder belt
guide
seat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1989070241U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0260058U (ja
Inventor
久雄 村本
文幸 大谷
功 平島
成史 高野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP1989070241U priority Critical patent/JPH081159Y2/ja
Publication of JPH0260058U publication Critical patent/JPH0260058U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH081159Y2 publication Critical patent/JPH081159Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、前部席の乗員を保護する自動車のシートベ
ルト装置に関するものである。
[従来の技術] 一般に、自動車の運転席または助手席等の前部席に
は、衝突時に乗員の上半身が前方に移動するのを阻止す
る肩ベルトを備えたシートベルト装置が設置されてい
る。このシートベルト装置は、通常センタピラーの下部
等に設置されたリトラクタからセンタピラーの内壁面に
沿って導出された肩ベルトをセンタピラーの上部もしく
はルーフサイドレールの中間部に設けられたハンガー部
材に係止し、このハンガー部材からシートクッションの
側辺部に設けられたバックルにかけて肩ベルトを設置す
ることにより、乗員の上半身を拘束するように構成され
ている(例えば実開昭61-37055号公報参照)。
[考案が解決しようとする課題] 上記構成のシートベルト装置では、センタピラーの内
壁面に沿って設置された肩ベルトのウェビングにより、
後部席の乗員等の側方視界が妨げられるとともに、ハン
ガー部材の存在により前部席の乗員の居住性が低下する
という問題がある。特に、ウインド部のピラーをなくし
たいわゆるピラーレスハードトップ車において、ルーフ
サイドレールの中間部からその下方に肩ベルトを張設し
た場合には、この肩ベルトのウェビングにより、ハード
トップ車特有の外観および開放感が損なわれるととも
に、車両の衝突時に上記肩ベルトを介してルーフサイド
レールの中間部に過大な衝撃荷重が入力されるという問
題がある。
また、例えば実開昭53-165527号公報に示されるよう
に、2ドアタイプのピラーレスハードトップ車両におい
て、前部席の肩ベルトをシートバックの肩部に設けられ
たガイド部から車体の後方側に延長し、この延長部の後
端をリヤボディのインナパネルに取付けられたベルトリ
トラクタに巻込むようにしたものが提案されている。こ
の構成のシトーベルト装置では、ウインド部の下方に肩
ベルトのウェビングを位置させることにより、側方視界
の低下等を防止できるという利点を有する反面、上記肩
ベルトの延長部の存在によって後部席への乗員の乗降性
が妨げられるとともに、リヤボディのインナパネルにベ
ルトリトラクタが突出した状態で取付けられるため、後
部席の居住性が低下するという欠点がある。
また、リヤドアを有するピラーレスハードトップ車両
において、後部席のシートバックから後方に導出された
肩ベルトの延長部を、リヤドアに設けたベルトガイドを
介して下方に導出し、その端部をリヤドアの下部に設置
されたベルトリトラクタに巻込むように構成することに
より、後部席の居住性を低下させることなく、肩ベルト
を設置することも考えられるが、この場合には、リヤド
アのヒンジセンター(回転中心)とベルトガイドとの位
置的な関係からリヤドアの開操作時に肩ベルトが後方に
引張られるため、前部席の乗員が肩ベルトによって圧迫
されたり、あるいはリヤドアの開操作がスムーズに行わ
れなかったり、肩ベルトが上記ベルトガイドの支持部に
おいて捩じられたりする等の問題が考えられる。すなわ
ち、上記構成において、リヤドアを開操作すると、ベル
トガイドが後部外方側に移動するため、これに応じて前
部座席の肩ベルトが後部外方側に引張られ、前部席の乗
員が圧迫されたり、ベルトリトラクタの抵抗によりリヤ
ドアの開操作に支障が生じたり、あるいはベルトガイド
において支持された肩ベルトがガイド孔の前端部側に圧
縮された状態で片寄り、この部分において肩ベルトが反
転して捩じられるという問題が考えられる。
本考案は、上記問題点を解決するためになされたもの
であり、前部席用の肩ベルト等からなるベルト部材を支
持するベルトガイドがリヤドアに設置された自動車のシ
ートベルト装置において、リヤドアを開操作した場合
に、前部席の乗員が圧迫感を受けたり、リヤドアの開操
作がスムーズに行われなかったり、上記ベルト部材がベ
ルトガイドの支持部において捩じられたりするのを防止
できるシートベルト装置を提供することを目的としてい
る。
[課題を解決するための手段] 本考案は、前部席の乗員を保護するシートベルト装置
であって、前部席のシートバックの肩部に設けられた支
持部材から車体の後方に伸びるベルト部材を支持するベ
ルトガイドをリヤドアに設置し、このベルトガイドに形
成されたガイド孔に、リヤドアの閉止時にベルト部材を
保持するベルト保持部と、このベルト保持部の前端部か
ら前方に伸びる逃がし部とを設け、リヤドアの開放時に
上記ベルトガイドと支持部材との相対位置の変化に伴う
ベルト部材の移動に対応してベルト部材の支持点が上記
逃がし部に移動するようにこの逃がし部を配設したもの
である。
[作用] 上記の構成によれば、リヤドアの開操作時にリヤドア
に設置されたベルドガイドが車体の外方側に移動する
と、このベルトガイドに支持されたベルト部材がガイド
孔の逃がし部に案内されてリヤドアの前方側に移動する
ため、ベルト部材に過大な引張り力が作用することが防
止される。
[実施例] 第1図は、4ドアタイプのピラーレスハードトップ車
において運転席1に設けられた本考案に係る自動車のシ
ートベルト装置の実施例を示している。このシートベル
ト装置は、乗員の腰部を拘束するラップベルト2と、乗
員の腹部から肩部にかけて斜めに設置されて上半身を拘
束する肩ベルト3とを備え、この肩ベルト3は、運転席
1のシートバック4の車外側肩部に設けられた支持部材
5のベルト挿通部を経て後方側に導出されている。そし
て上記支持部材5から後方に伸びる肩ベルト3は、第2
図および第3図に示すようにリヤドア6のトリム材7の
前端上部に取付けられたベゼル8に形成されたベルト挿
通孔9およびリヤドアインナパネル10の前端部に取付け
られたベルトガイド11を経て下方に伸び、トリム材7と
リヤドアインナパネル10との間に導入されている。
上記ベルトガイド11は、リヤドアインナパネル10に接
合されたレインフォースメント12に、ボルトを介して取
付けられる取付足を備えた基板13と、この基板13に取付
けられた丸棒製縁金14とを備え、この丸棒製縁金14で縁
取りされることによってガイド孔15が形成されている。
このガイド孔15は、円弧状のベルト保持部15aと、この
前端部から斜め上方に湾曲して伸びる逃がし部15bと、
上記ベルト保持部15aの後端部から後方に伸びる延長部1
5cとを備え、後述するリヤドア6の開放時に肩ベルト3
が上記ベルト保持部15aから逃がし部15bに案内されるこ
とにより、肩ベルト3がリヤドア6の前方側に移動する
ことを許容し、かつシートバック4のリクライニング時
に肩ベルト3がベルト保持部15aから延長部15cに案内さ
れることにより、肩ベルト3がリヤドア6の後方側に移
動することを許容するように構成されている。
上記トリム材7に形成されたベルト挿通孔9は、上記
ベルトガイド11のガイド孔15に対応した形状に形成され
ている。また、上記リヤドアインナパネル10の車外側の
壁面には、ベルトガイド11の取付部を補強するレインフ
ォースメント16が取付けられている。
上記ベルトガイド11のカイド孔15から下方に導出され
た肩ベルト3の端部は、第4図および第5図に示すよう
に、リヤドアインナパネル10の前端部下方に取付けられ
たリトラクタ17に巻付けられている。このリトラクタ17
は、肩ベルト3を巻取る方向に付勢するねじりコイルば
ね等の付勢部材と、肩ベルト3の急激な引出しを阻止す
る制動機構とを有し、通常の状態では前部席1の前後移
動等に応じて肩ベルト3を引出しあるいは巻取り可能に
支持している。
上記リヤドアインナパネル10の前端部には、リヤドア
6の前壁部を構成するフロントパネル18と、下方のドア
ヒンジ部材を支持するドアヒンジ支持パネル19とが接合
され、このドアヒンジ支持パネル19の側壁20には上記リ
トラクタ17の取付孔21が形成されている。上記フロント
パネル18およびドアヒンジ支持パネル19は、リヤドアイ
ンナパネル10よりも厚い板材で形成され、リヤドア6の
前壁部の剛性を充分に確保するとともに、ドアヒンジ部
材およびリトラクタ17の取付部を補強するように構成さ
れている。また、上記ドアヒンジ支持パネル19のコーナ
部には傾斜壁22が形成され、リヤドアインナパネル10の
コーナ部と上記傾斜壁22とによって三角形状の閉断面23
を形成することにより、上記ドアヒンジ部材およびリト
ラクタ17の取付部の剛性をより向上させるように構成さ
れている。
上記リトラクタ17には、第6図に示すように、衝突時
等の緊急時に肩ベルト3の引出しを阻止するロック機構
30と、このロック機構30の作動状態を制御する制御手段
31とが設けられている。上記ロック機構30は、肩ベルト
3の巻取り軸32に固定さりたラチェットホイール33と、
ラチェットレバー34とを備えている。上記ラチェットレ
バー34は、リトラクタベース35に取付けられたウエイト
支持部材36に基端部が枢支されて先端部37が揺動可能と
なっており、このラチェットレバー34が所定角度以上に
回動すると、先端部37がラチェットホイール33の外周面
に当接するようになっている。このようにラチェットホ
イール33に当接した状態でラチェットホイール33がベル
ト引出し方向に回転すると、ラチェットレバー34の先端
部37とラチェットホイール33の追歯38とが係合してベル
ト引出しが阻止されることとなる。ラチェットレバー34
の中央部には、下方に円弧状に突出した突起部39が形成
されていて、この突起部39は、ウエイト40に支持される
ようになっている。
ウエイト40は、略円柱状に形成され、頭部に球面凹部
41が、底部に突起部42がそれぞれ円柱の軸を中心として
形成されている。突起部42の周囲の底部は僅かに傾斜し
て形成されている。ウエイト40は、ウエイト支持部材36
に形成された位置決め孔43に突起部42を合わせた状態で
ウエイト支持部材36に載置されている。位置決め孔43
は、ウエイト40をウエイト支持部材36に載置した時、ラ
チェットレバー34の突起部39がウエイト40の球面凹部41
の中央部分に当接するようにその位置が定められてい
る。
上記ウエイト40は、ウエイト支持部材36の位置決め孔
43の周辺近傍部分で支持されることとなるため、ドアの
水平方向の加速度に応じて揺動することとなる。すなわ
ち、加速度が零またはこれに近いときには、ウエイト40
は直立しているが、加速度が所定値以上になると、第7
図に示すように、ウエイト40は揺動して傾斜することと
なる。このようにウエイト40が傾斜すると、ラチェット
レバー34の突起部39とウエイト40の球面凹部41との当接
部位が変化する。すなわち、ウエイト40が直立状態のと
き突起部39と球面凹部41の中央部分とが当接するように
なっているので、ウエイト40が傾斜すると突起部39の球
面凹部41に対する当接部位はその中央部分からずれ、こ
れにより突起部39は上方に押圧されてラチェットレバー
34は上方に回動し、その先端部37がラチェットホイール
33に当接することとなる。ウエイト40は略円柱状に形成
されているので、上記作用は水平方向のいずれの方向に
作用する加速度に対してもなされることとなる。上記ウ
エイト40は車両が悪路を走行する場合等にシートバック
4の振動を拘束することが要望される加速度の値となっ
た時点で傾斜して、上記ラチェットレバー34をラチェッ
トホイールに当接させるように設定されている。
上記制御手段31は、上記第6図に示すように、リトラ
クタベース35に回動可能に取付けられた一対のロック加
速度コントロール部材45,46と、このロック加速度コン
トロール部材45を駆動するソレノイド51とからなり、ロ
ック加速度コントロール部材45の下部およびロック加速
度コントロール部材46の上部には、互いに対面する傾斜
部47および48がそれぞれ形成されている。また、ロック
加速度コントロール部材46の上部には、所定径の円周上
の4箇所に所定高さの突起部49が分散配置されている。
また、ウエイト支持部材36の位置決め孔43を中心とする
所定径の円周上の4箇所には挿通孔50が形成されてい
て、上記各突起部49は、ロック加速度コントロール部材
45が上方に所定角度回動したとき各挿通孔50に挿入され
てウエイト支持部材36の基板上面から所定量突出するよ
うになっている。
上記ソレノイド51は、ドアスイッチ52によるリヤドア
6が開状態か閉状態かの判別結果に基づいて動作するよ
うになっている。すなわち、リヤドア6が閉状態にある
ときにはソレノイド51は動作せず、ロック加速度コント
ロール部材46に対する駆動はなされないが、リヤドア6
が開状態にあるときには、ソレノイド51が動作してロッ
ク加速度コントロール部材46が駆動される。これによ
り、第8図に示すように、ロック加速度コントロール部
材46の傾斜部48がロック加速度コントロール部材45の傾
斜部47と摺接しながらロック加速度コントロール部材45
を上方に回動させるようになっている。
こうしてロック加速度コントロール部材45が上方に回
動して、その突起部49がウエイト支持部材36の挿通孔50
から上方に突出すると、ウエイト40は、その底部の突起
部42周辺近傍がウエイト支持部材36によって支持される
のみならず、ロック加速度コントロール部材45の突起部
49によっても支持されることとなる。突起部49によって
支持される部位は、突起部42の外側の円周上に位置して
いるため、ウエイト40は、安定して直立状態を維持する
こととなる。すなわち、ウエイト40は、水平方向の加速
度が非常に大きくなったとき(例えば車両衝突時等)の
み揺動することとなる。
上記のように運転席1もしくは助手席等の前部席に着
座する乗員の上半身を拘束する肩ベルト3を、シートバ
ック4に設けられた支持部材5のベルト挿通部から後方
に導出し、リヤドア6の前端部に設けられたベルトガイ
ド11に支持させるとともに、その下方に取付けられたリ
トラクタ17に巻付けるように構成したため、上記肩ベル
ト3がウインド部を介して外部に露出するのを防止する
ことができる。したがって、肩ベルト3をルーフサイド
レール等に設けられたハンガー部材に係止させた場合の
ように、肩ベルト3のウェビングによって側方視界が妨
げられたり、居住性が損なわれたりするのを防止できる
とともに、ピラーレスハードトップ車が有する特有の外
観および開放感を維持しつつ、肩ベルト3を適正状態に
設置することができる。
そして、上記リヤドア6に設けられたベルトガイド11
のガイド孔15が円弧状のベルト保持部15aと、その前端
部から斜め上方に湾曲して伸びる逃がし部15bと、ベル
ト保持部15aの後端部から後方に伸びる延長部15cとを備
え、リヤドア6の開放時に上記ベルトガイド11と支持部
材5との相対位置の変化に伴い肩ベルト3の移動に対応
してこの肩ベルト3の支持点が上記逃がし部15bに移動
するようにこの逃がし部15bを配設したため、リヤドア
6の開操作等に応じて肩ベルト3に引張り力が作用した
場合においても、この肩ベルト3によって前部席の乗員
が圧迫されたり、リヤドアの開操作がスムーズに行われ
なかったり、上記ガイド孔15内において肩ベルト3が捩
れたりするのを防止できるという利点がある。すなわ
ち、第9図(A)に示す通常の状態では、上記ベルトリ
トラクタ17の引張り力により、第9図(B)に示すよう
に、肩ベルト3が上記ベルトガイド11から下方に引張ら
れる力a1と、シートバック4の支持部材5側に引張られ
る力b1とを受けるため、その合力c1に応じて肩ベルト3
は上記ガイド孔15のベルト保持部15aに位置している。
上記の状態から第10図(A)に示すように、リヤドア
6が開放されると、上記ベルトガイド11が車体の外方に
移動するため、肩ベルト3に強い引張り力が作用する。
そして、この引張り力に応じてベルトガイド11に支持さ
れた肩ベルト3がリヤドア6の前方側に引張られるた
め、第10図(B)に示すように、この肩ベルト3がガイ
ド孔15のベルト保持部15aから逃がし部15bに案内されて
リヤドア6の前部上方側に移動することとなる。このよ
うにリヤドア6の開操作時に肩ベルト3がベルトガイド
11のガイド孔15に沿ってリヤドア6の前方側に移動する
ことにより、上記肩ベルト3に作用する引張り力が緩和
されるため、前部席の乗員が肩ベルト3によって圧迫感
を受けたり、リヤドア6の開操作がスムーズに行われな
かったりするのを防止することができる。また、肩ベル
ト3がガイド孔15の前端部側に圧縮された状態で方寄る
ことがないのでこのガイド孔15内において方ベルト3が
捩れるのを効果的に防止することができる。
特に、上記実施例では、逃がし部15bがベルト保持部1
5aの斜め上方に湾曲して伸びるように形成されているた
め、肩ベルト3が上記強い引張り力に応じて支持部材5
側に引張られる力b2と、リトラクタ7側に引張られる力
a2との合力c2が上記逃がし部15bの縁部に略直交状態で
作用するため、この逃がし部15bにおいて安定して支持
されることとなる。
また、リヤドア6が第9図(A)に示す閉状態から、
第10図(A)に示す開状態に移行する際に、支持部材5
とベルトガイド11との間に位置する肩ベルト3の内縁部
がその外縁部に比べて大きく移動するため、リヤドア6
の閉状態における上記内縁部間の距離Lと外縁部間の距
離lとの差に比べ、リヤドア6の開状態における上記距
離Lとlとの差の方が大きくなる。この結果、リヤドア
6の開放時には、第10図(C)に示すように、ベルトガ
イド11において肩ベルト3の外縁部を緩ませようとする
力d,eが作用するとともに、肩ベルト3の内縁部を引張
ろうとする力f,gとが作用する。
したがって、これらの力d〜gの合力h,iを適正に支
持することができないと、上記合力h,iに応じて肩ベル
ト3がベルトガイド11のガイド孔15内において捩じれら
れることとなるが、上記のようにリヤドア6の開放時に
前端部が斜上方に湾曲して伸びる逃がし部15b内におい
て肩ベルト3が保持されるように構成したため、肩ベル
ト3の捩じれを効果的に防止することができる。すなわ
ち、上記肩ベルト3の外縁部に作用する合力hがガイド
孔15の逃がし部15bの上端部において略直交状態で支持
され、かつ肩ベルト3の内縁部に作用する上記合力iが
逃がし部15bとベルト保持部15aとの境界部において略直
交状態で支持されるため、肩ベルト3がガイド孔15内に
おいて捩じられるのを確実に防止することができる。
また、上記実施例では、ベルト保持部15aの後端部に
延長部15cが設けられているため、第11図(A)に示す
ように、運転席1のシートバック4がリクライニング機
構により傾動操作された場合に、肩ベルト3がガイド孔
15内において捩じられるのを防止することができる。す
なわち、シートバック4の傾動操作に応じ、支持部材5
が車体の後部下方に移動するため、これに応じて肩ベル
ト3が後部下方に引張られることになるが、この引張り
力に応じて第11図(B)に示すように、肩ベルト3がガ
イド孔15の延長部15cにに沿ってリヤドア6の後方側に
移動するため、肩ベルト3は捩じれることなくベルトガ
イド11により安定して支持されることになる。
また、リヤドア6のトリム材7に設けられたベゼル8
にに対応する位置にベルトガイド11を設け、このベルト
ガイド11によって上記肩ベルト3を支持するように構成
したため、この肩ベルト3が上記ベゼル8のベルト挿通
孔9に当接することが防止される。したがって、上記肩
ベルト3が出入する際にベルト挿通孔9が押し拡げられ
て変形したり、ベゼル8がトリム材7から外れたりする
のを効果的に防止することができる。
また、上記実施例では第6図に示すように、リヤドア
6の閉状態と開状態とでロック機構30のウエイト40の感
度を異ならせる制御手段31を設け、ウエイト40が傾斜す
ることによりラチェットレバー34をラチェットホイール
33に当接させる際のロック加速度が2段階に設定されて
いるため、リヤドア6の開閉操作時に生じる加速度によ
って上記ロック機構30が誤作動するのを防止し、このロ
ック機構30を適正に作動させることができるという利点
がある。すなわち、リヤドア6が閉状態にある場合に
は、ウエイト40が傾斜し易く、悪路走行時等において作
用する加速度によりロック機構30が作動して肩ベルト3
の引出しが阻止され、この肩ベルト3によってシートバ
ック4を支持することができる。そして後部席の乗員が
乗降りする際にリヤドア6が開状態となった場合には、
ウエイト40が傾斜しにくい状態となるため、リヤドア6
の開閉操作時に作用する加速度によってロック機構30が
作動することが防止され、衝突時等の過大な加速度が作
用した場合にのみ上記ロック機構30を作動させることが
できる。
なお、上記実施例においては、制御手段31が一対のロ
ック加速度コントロール部材45,46およびソレノイド51
から構成されているが、上記ロック加速度コントロール
部材45,46の代わりに、第12図および第13図に示すよう
なロック加速度コントロール部材53を用いるようにして
もよい。すなわちこのロック加速度コントロール部材53
は、リトラクタベース35に回動可能に枢支されるととも
に、テンションスプリング54によって下方に付勢され、
かつドアスイッチ52が入ると(すなわちリヤドア6が開
状態になると)テンションスプリング54に抗して先端部
が上方に回動し、先端上部に形成されたリング状支持部
55がウエイト40の底部に当接するようになっている。こ
れにより、ドア閉状態においてはウエイト支持部56によ
り突起部42の周辺近傍が支持されていたウエイト40は、
ドア開状態になるとウエイト支持部56による支持部位よ
りも一回り外周においてロック加速度コントロール部材
53により安定的に支持され、上記実施例と同等の効果が
得られることとなる。
なお、この場合において、リヤドア6の開閉状態をド
アスイッチ52により電気的に判別してソレノイド51によ
りロック加速度コントロール部材53を駆動する代わり
に、リンク機構等を用いて機械的に上記ロック加速度コ
ントロール部材53を駆動するようにしてもよい。
また、第14図に示すように、ソレノイド51とラチェッ
トレバー34の先端部とをテンションスプリング57で連結
し、ドアスイッチ52が入ったときにはテンションスプリ
ング57にテンションを付与してラチェットレバー34を下
方に付勢し、これによりドア開状態におけるウエイト40
の揺動を起こしにくくするようにしても上記実施例と同
等の効果が得られる。また、第15図に示すように、テン
ションスプリング57をソレノイド51とウエイト40の底部
の突起部42とに連結するようにした場合にも上記実施例
と同等の効果が得られる。
また、肩ベルト3が巻付けられるリトラクタ17を第16
図に示すように、リヤドア6の前端部に対向するセンタ
ピラー24に設置し、あるいは第17図に示すように、サイ
ドシル25からなる車体側部材に取付けてもよい。この場
合には上記リトラクタ17のロック機構がリヤドア6の開
閉操作時に作用する加速度の影響を受けることがなく、
簡単な構成でリトラクタ17を常に適正状態で作動させる
ことができるという利点がある。
また、上記実施例では肩ベルト3をシートバック4の
支持部材5から後方に延長するとともに、ベルトガイド
11を経て下方に導出し、この肩ベルト3の端部を、リヤ
ドア6のリトラクタ17に巻付けるようにしているが、第
18図に示すように、上記肩ベルト3を支持部材5から下
方に導出し、その端部を運転席1のシートバック4もし
くはシートクッションに取付けられたベルトリトラクタ
26に巻付けるとともに、一端部が上記支持部材5に固定
され、他端部が車体の後方側に伸びるサポート用のベル
ト部材27を設け、このサポート用のベルト部材27を上記
ベルトガイド11から下方に導出し、その端部をリヤドア
6に取付けられたリトラクタ17に巻付けるように構成し
てもよい。この場合、リヤドア6の開操作時に上記サポ
ート用のベルト部材27がガイド孔15のベルト保持部15a
から逃がし部15bに移動することにより、ベルト部材27
の引張り力が緩和されるため、このベルト部材27によっ
てシートバック4が車体の後方側に引張られて変形する
ことを防止できるという利点がある。
また、上記実施例では、ベルトガイド11のガイド孔15
の後端部に位置する延長部15cを水平状に形成している
が、第19図に示すように、上記ガイド孔15の延長部15c
を斜め上方に傾斜させるようにしてもよい。この場合に
は、前部席1のシートバック4を後方に傾斜させて肩ベ
ルト3の支持部材5を後部下方に位置させた際に、肩ベ
ルト3がガイド孔15の延長部15cに位置した際に、肩ベ
ルト3に作用する引張り力a3およびb3の合力c3と略直交
した状態で肩ベルト3がベルトガイド11により支持され
るため、より安定した支持状態が得られるという利点が
ある。また、第20図に示すように、ガイド孔15の延長部
15cをベルト保持部15aの後端部から後ろ下がりに傾斜さ
せて形成してもよく、あるいは上記延長部15cを省略し
た構造としてもよい。
[考案の効果] 以上説明したように本考案は、前部席のシートバック
に設けられた支持部材から車体の後方側に導出された肩
ベルト等のベルト部材を支持するベルトガイドをリヤド
アに設置することにより、上記肩ベルトがウインド部か
ら外部に露出することを防止し、ピラーレスハードトッ
プ車等が有する特有の外観および開放感を維持しつつ、
ベルト部材を適正状態で設置するするようにしたシート
ベルト装置において、上記ベルトガイドに形成されたガ
イド孔に、リヤドアの閉止時にベルト部材を保持しする
ベルト保持部と、このベルト保持部の前端部から前方に
伸びる逃がし部とを設け、リヤドアの開放時に上記ベル
トガイドと支持部材との相対位置の変化に伴いベルトの
移動に対応してベルト部材の支持点が上記逃がし部に移
動するようにこの逃がし部を配設したため、リヤドアの
開操作に応じてベルト部材を上記ガイド孔の逃がし部に
沿ってリヤドアの前方側に移動させることができる。し
たがって、リヤドアを開操作した場合にベルト部材がリ
ヤドアに引張られて車体の外方側に移動することが抑制
され、肩ベルトからなるベルト部材によって前部席の乗
員が圧迫感を受けたり、サポート用のベルト部材によっ
てシートバックが車体の後方に引張られて変形したりす
るのを防止することができる。また、ベルトガイドのガ
イド孔内においてベルト部材が捩れるのを効果的に防止
できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る自動車のシートベルト装置の実施
例を示す全体斜視図、第2図は上記実施例の要部を示す
分解斜視図、第3図は第1図のIII-III線断面図、第4
図はリトラクタの取付け部の構成を示す分解斜視図、第
5図は第1図のV−V線におけるセンタピラーを省略し
た断面図、第6図はリトラクタの要部を示す側面図、第
7図および第8図はそれぞれリトラクタの作用を示す側
面図、第9図(A),(B)は通常の状態におけるベル
ト部材の支持状態を示す説明図、第10図(A)〜(C)
はリヤドアの開放時におけるベルト部材の支持状態を示
す説明図、第11図(A),(B)はシートバックの傾動
時におけるベルト部材の支持状態を示す説明図、第12図
はリトラクタの別の実施例を示す側面図、第13図はこの
リトラクタの作用を示す側面図、第14図はリトラクタの
さらに別の実施例を示す側面図、第15図はリトラクタの
さらに別の実施例を示す側面図、第16図および第17図は
それぞれリトラクタの設置位置の別の例を示す斜視図、
第18図は本考案の別の実施例を示す斜視図、第19図およ
び第20図はそれぞれベルトガイドの他の例を示す部分断
面図である。 1……運転席(前部席)、3……肩ベルト(ベルト部
材)、4……シートバック、5……支持部材、6……リ
ヤドア、11……ベルトガイド、15……ガイド孔、15a…
…ベルト保持部、15b……逃がし部、27……ベルト部
材。
フロントページの続き (72)考案者 高野 成史 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−130450(JP,A) 実開 昭55−85950(JP,U)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】前部席の乗員を保護するシートベルト装置
    であって、前部席のシートバックの肩部に設けられた支
    持部材から車体の後方側に伸びるベルト部材を支持する
    ベルトガイドをリヤドアに設置し、このベルトガイドに
    形成されたガイド孔に、リヤドアの閉止時にベルトを保
    持するベルト保持部と、このベルト保持部の前端部から
    前方に伸びる逃がし部とを設け、リヤドアの開放時に上
    記ベルトガイドと支持部材との相対位置の変化に伴うベ
    ルト部材の移動に対応してベルト部材の支持点が上記逃
    がし部に移動するようにこの逃がし部を配設したことを
    特徴とする自動車のシートベルト装置。
JP1989070241U 1988-06-15 1989-06-14 自動車のシートベルト装置 Expired - Lifetime JPH081159Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1989070241U JPH081159Y2 (ja) 1988-06-15 1989-06-14 自動車のシートベルト装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63-79737 1988-06-15
JP7973788 1988-06-15
JP1989070241U JPH081159Y2 (ja) 1988-06-15 1989-06-14 自動車のシートベルト装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0260058U JPH0260058U (ja) 1990-05-02
JPH081159Y2 true JPH081159Y2 (ja) 1996-01-17

Family

ID=31718405

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1989070241U Expired - Lifetime JPH081159Y2 (ja) 1988-06-15 1989-06-14 自動車のシートベルト装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH081159Y2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006264576A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Suzuki Motor Corp 内装トリム構造

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5585950U (ja) * 1978-12-11 1980-06-13
JPS63130450A (ja) * 1986-11-17 1988-06-02 Mazda Motor Corp 自動車のシ−トベルト装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006264576A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Suzuki Motor Corp 内装トリム構造
JP4725838B2 (ja) * 2005-03-25 2011-07-13 スズキ株式会社 内装トリム構造

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0260058U (ja) 1990-05-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3924814B2 (ja) 車両のシート装置
US5044459A (en) Automobile seat belt apparatus
US5390977A (en) D-ring for seat belt restraints
US5026093A (en) Seat occupant restraining apparatus
US5149135A (en) Front seat shoulder belt and seat back supporting structure
JP4590801B2 (ja) 車両の前席用シートベルト構造
JPH081159Y2 (ja) 自動車のシートベルト装置
US4555127A (en) Passive seat belt system
JPH0724293Y2 (ja) 自動車のシートベルト装置
JPH11165659A (ja) キャブにおけるシートベルト取付構造
US4191399A (en) Vehicle occupant restraint system
JPH01314647A (ja) 自動車のシートベルト装置
JP2589763B2 (ja) 自動車のシートベルト装置
JP2782602B2 (ja) 自動車のシートベルト装置
JP2004189097A (ja) 車両用シート構造
JPH01136030U (ja)
JP3453077B2 (ja) 自動車用シートの位置、姿勢可変装置
JPH0431872Y2 (ja)
JPS6034515Y2 (ja) ウェビング巻取装置
JP3439375B2 (ja) 車両用シート
JPH02256545A (ja) 自動車のシートベルト装置
JPH086635Y2 (ja) オートマチツクシートベルト装置
JPH0511074Y2 (ja)
JPH0752767Y2 (ja) シートベルト装置のショルダーアンカ支持構造
JPH05278507A (ja) 車両用シート