JPH08114488A - タンク内の液体残量検知装置およびインクジェット記録装置 - Google Patents

タンク内の液体残量検知装置およびインクジェット記録装置

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JPH08114488A
JPH08114488A JP24985294A JP24985294A JPH08114488A JP H08114488 A JPH08114488 A JP H08114488A JP 24985294 A JP24985294 A JP 24985294A JP 24985294 A JP24985294 A JP 24985294A JP H08114488 A JPH08114488 A JP H08114488A
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tank
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雅史 鎌田
Atsuyuki Ninomiya
敬幸 二宮
Kazuhiko Morimura
和彦 森村
Toshiji Inui
利治 乾
Masaya Uetsuki
雅哉 植月
Fumiyuki Mikami
文之 三上
Yasuhiro Unosawa
保弘 宇野沢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インク等の液体の残量を光学的に検知するた
めの手段の自動調整が可能なタンク内の液体残量検知装
置、およびインクジェット記録装置を提供すること。 【構成】 発光部としてのLED6cをオン/オフ制御
するためのトランジスタ89の入力信号をPWM制御
し、発光部としてのフォトタランジスタ6dの応答時間
よりも充分短い間隔でLED6cの発光デューティー比
を変えることにより、LED6cの発光量を調整する。
LED6cからの光をインクタンク7に照射し、その反
射光をフォトトランジスタ89によって検出することに
より、インクタンク内7のインク81の残量の有無を検
知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、インクタンク
内のインクの残量などを検知するタンク内の液体残量検
知装置、および、その検知装置を備えたインクジェット
記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット装置のインク
タンク内のインクの残量の有無を検知するための検知装
置としては、次のような方式ものがある。
【0003】図18は、透明なインクタンクに光を入射
して反射光を検出する方式の検知装置である。7は計4
つの透光性のインクタンク、1は各インクタンク7を搭
載するキャリッジ、1aはキャリッジ1に設けられたキ
ャリブレーション用反射部、81は各インクタンク7内
に収容された4種類のインクである。キャリッジ1に
は、各インクタンク7内のインク81を吐出可能なイン
クジェット記録ヘッドが搭載されており、その記録ヘッ
ドがインク81を吐出しつつ、キャリッジ1が図18中
の左右方向に走査することにより、用紙等の被記録媒体
上に画像を記録する。
【0004】また、6cは発光部としてのLED(発光
ダイオード)、6dは受光部としてのフォトトランジス
タ、87はLED電流制限用可変抵抗、89はLEDオ
ン/オフ用トランジスタ、80はフォトトランジスタ負
荷抵抗、82はA/Dコンバータ、83はCPU、84
はLEDオン/オフ信号、86はフォトトランジスタ生
出力電圧である。
【0005】CPU82からのLEDオン/オフ信号8
4によってトランジスタ6dがオンとなったときに、L
ED6cが点灯する。透明のインクタンク7内にインク
81がある場合は、インク81とインクタンク7の内面
との境界部で光が反射されないため、フォトトランジス
タ6dからの出力電圧86の明電圧と暗電圧との差、つ
まりLED81のオン時の出力電圧86(明電圧)とL
ED81のオフ時の出力電圧86(暗電圧)との差(以
下、単に「フォトトランジスタ6dの出力」という)は
小さい。一方、インクタンク7内にインク81がない場
合は、インク81とインクタンク7の境界部で光が反射
されるようになるため、フォトトランジスタ6dの出力
は大きくなる。したがって、出力電圧86をA/Dコン
バータ82で検出することでインク81の有無が検知で
きる。
【0006】次に、図19のフローチャートを用いてイ
ンク有無検知の方法を説明する。
【0007】ステップS61:インクタンク7にLED
6cからの光が照射されるように、キャリッジ1を不図
示のキャリッジ移動機構により移動する。
【0008】ステップS62:LED6cのオフ状態で
出力電圧86を検出する。
【0009】Voff :LEDオフ状態の出力電圧(暗電
圧) ステップS63:LED6cのオン状態で出力電圧86
を検出する。
【0010】Von:LEDオン状態の出力電圧(明電
圧) ステップS64:出力を計算する。
【0011】V:出力(=Voff −Von) ステップS65:出力Vが所定の比較基準電圧より大き
いかどうかチェックする。小さい場合はインク有り、大
きい場合はインク無しと判断する。
【0012】Vth:インク有無の判断を行なう出力のし
きい値 ステップS66:インク有無検知結果に応じた表示等の
処理をする。
【0013】LED6cとフォトトランジスタ6dとし
ては、通常、投受光部を1つのパッケージに納めたフォ
トインタラプタ6が使用される。一般的にフォトインタ
ラプタ6の寿命はプリンタの寿命に比べ短いため、イン
クの有無を検知するときのみLEDオン/オフ用トラン
ジスタ89でLED6cを点灯することでフォトインタ
ラプタ6の通電時間を削減している。
【0014】また、一般的にフォトインタラプタ6は、
LED6cの発光量とフォトトランジスタ6dの感度双
方にばらつきがあるため、LED6cとフォトトランジ
スタ6dの結合光電流出力特性は、上限と下限では2倍
から4倍程度の違いがある。このため、インク有無検知
装置として使用する際には、フォトインタラプタ6の出
力を一定の範囲内に納めるための調整、いわゆるキャリ
ブレーションが必要となる。
【0015】キャリブレーションの例としては、次のよ
うな方法がある。すなわち、図18に示すように、キャ
リッジ1に、ある基準の反射率を有するキャリブレーシ
ョン用反射部1aを設ける。そして、この反射部1aに
LED6cからの光が照射されるように、キャリッジ1
を不図示のキャリッジ移動機構によりずらし、反射部1
aからの反射光をフォトトランジスタ6dで検出する。
このときのフォトトランジスタ6dの出力が一定の範囲
内に納まるようにLED電流制限用可変抵抗87を調整
する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例に
は以下のような問題があった。
【0017】LED電流制限用可変抵抗87を調整する
ことでフォトインタラプタ6の出力のキャリブレーショ
ンを行なう作業は、自動化が困難で工数が増加する。
【0018】また、上記作業によるフォトインタラプタ
出力の調整誤差が大きいとインク有無の誤検知のおそれ
があるため、正確な調整が必要でさらに工数が増加す
る。
【0019】また、上記作業は工場におけるプリンタの
調整工程で行なわれるため、工場出荷後にLED5の発
光量の経時変化やフォトインタラプタ6の汚れによる出
力変化がある場合には、フォトインタラプタ出力が変化
して正確なインク有無検知ができなくなる。
【0020】本発明の目的は、インク等の液体の残量を
光学的に検知するための手段の自動調整が可能なタンク
内の液体残量検知装置、およびインクジェット記録装置
を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明のタンク内の液体
残量検知装置は、インク吸収体を内蔵したインクタンク
の透光性の壁面を通して発光部からの光を照射し、前記
壁面とインク吸収体との境界部の反射光量を検知する検
知手段により、前記タンク内の液体の残量を検知するタ
ンク内の液体残量検知装置において、前記発光部の駆動
信号をパルス幅変調して、該発光部の発光量を調整可能
な調整手段を備えたことを特徴とする。
【0022】本発明のインクジェット記録装置は、イン
クを吐出するインクジェット記録ヘッドと、前記インク
ジェット記録ヘッドに供給するインクを収容する透光性
のインクタンクと、前記インクジェット記録ヘッドと被
記録媒体とを相対移動させる手段と、を備えたインクジ
ェット記録装置において、前記インクタンクの壁面を通
して発光部からの光を照射し、前記壁面とインク吸収体
との境界部の反射光量を検知する検知手段と、前記発光
部の駆動信号をパルス幅変調して、該発光部の発光量を
調整可能な調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0023】
【作用】本発明は、LED等の発光部の駆動信号をPW
M制御して、発光部の発光デューティー比を変えること
により、発光部の発光量の自動調整を可能とする。
【0024】例えば、発光部としてのLEDをオン/オ
フ制御するLEDオン/オフ用トランジスタへの入力信
号をPWM信号とし、受光部としてのフォトトランジス
タの応答時間よりも十分短い間隔でLEDをオン/オフ
し、LEDの発光デューティー比を変えて見かけのLE
D光量を可変にする。これにより、キャリブレーション
が自動的に行なえるようになるため、例えば電源オン直
後にキャリブレーション動作を行なうなどのシーケンス
をソフトウェアに追加すれば、市場に出荷した後でもキ
ャリブレーションが可能となる。
【0025】また、キャリブレーション時にはキャリブ
レーション用反射部にLEDからの光が照射されるよう
にキャリッジをずらし、反射光をフォトトランジスタで
検出する。このときのフォトトランジスタの出力が一定
の範囲内に納まるようにPWM信号のデューティー比を
調整する。この際、式1を用いてデューティー比を設定
する。
【0026】
【数1】 Duty ← Duty * Vtarget / V (式1) ただし Duty : PWM信号のデューティー比 VTarget: キャリブレーション時の出力目標値 V : 出力 出力がキャリブレーション時の出力目標値に対してある
範囲内に入っていれば、そのときのデューティー比をイ
ンク有無検知時のデューティー比として不揮発性記憶素
子に格納してキャリブレーションを終了する。この際以
下のいずれかの方法で、インク有無検知時の出力の補正
を行なう。
【0027】第1の方法では、キャリブレーション時の
最終の出力を出力比計算用パラメータとして不揮発性記
憶素子に格納しておき、式2で得られる出力比の大小を
用いてインク有無の判定を行なう。
【0028】
【数2】 A = V / Vcal (式2) ただし Vcal : 出力比計算用パラメータ A : 出力比 第2の方法では、式3を用いて補正係数を求め、キャリ
ブレーション時に不揮発性記憶素子に格納しておく。イ
ンク有無検知時には出力にその補正係数を乗じた値でイ
ンク有無の判定を行なう。
【0029】
【数3】 K = V / VTarget (式3) ただし K : 補正係数 第1の方法、第2の方法ともに、キャリブレーション時
の出力が出力目標値からずれていても正確なインク有無
の判定が可能となる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0031】(第1実施例)図4は、特開平6−400
43号に提案されたインクタンクおよびインクジェット
記録装置に、本発明が適用されたインクジェット記録装
置の実施例の概略斜視図である。
【0032】図4において、8は各種構成部品が取付け
られたシャーシである。また、9は当該装置の長手方向
に設けられ、記録紙(不図示)を搬送するための紙送り
ローラであり、10は紙送りローラ9と並列に設けら
れ、上記記録紙を紙送りローラ9に押圧するためのピン
チローラである。2は、紙送りローラ9に対向し、かつ
平行に設けられたガイドシャフト、11はガイドシャフ
ト2に対向し、かつ平行に設けられた磁気式リニアエン
コーダのスケール部である。
【0033】また、1はガイドシャフト2に沿って移動
するキャリッジである。12はインクジェットヘッド
(不図示)をキャリッジ1に固定するためのヘッドカバ
ー、13はフレキシブル基板であり、これにより装置制
御部からキャリッジ1に搭載されるインクジェット記録
ヘッドに記録データ信号を送り、またキャリッジ1に設
けられた磁気式リニアエンコーダのセンサ(不図示)か
らの出力信号を装置制御部へ送ることができる。
【0034】3はガイドシャフト2と平行に設けられ、
ガイドシャフト2を中心に回動可能に設けられているキ
ャリッジ1の姿勢を維持するサポートシャフトであり、
14はキャリッジ1をガイドシャフト2に沿って走査さ
せるためのキャリッジモータ、15はキャリッジモータ
14の駆動力をキャリッジ1に伝達するためのタイミン
グベルトである。尚、16はキャリッジ1の走査におけ
る基準位置を設定するためにキャリッジ1の走査領域内
に設けられた透過型フォトインタラプタである。
【0035】17はインクジェット記録ヘッドの吐出不
良を防止またはそれらの回復動作に用いられる吸引キャ
ップであり、18はインクジェット記録ヘッドが待機中
に、インクジェット記録ヘッドの吐出口(以下、ノズル
ともいう)内の乾燥を防ぐための保護キャップである。
5は前記キャリッジ1上に設けられ、前記記録紙の厚さ
に応じて前記記録紙とインクジェットヘッドとのクリア
ランスを切換えるための紙ポジション切換えレバー、6
は前記キャリッジ1のホームポジション近傍に設けられ
たインクセンサとしての反射型フォトインタラプタ、1
9は前記インクジェット記録ヘッドのノズル部の目詰り
を防止するため、印字等の記録に先立って予備吐出を行
う際にインク滴を受けとめるための予備吐出孔である。
【0036】図1は、キャリッジ1の側面図、図2は図
1においてインクタンクを装着した状態を示す図、ま
た、図3は図1に示すキャリッジを図1の矢印Aの方向
から見た状態を示す図である。
【0037】図1、図2および図3を用いて本図を用い
てキャリッジ1とフォトインタラプタ6の位置関係およ
びフォトインタラプタ6による検出の原理を説明する。
【0038】図1、図2および図3において、1bはキ
ャリッジ1の底部に設けられ、前記フォトインタラプタ
6からの光を透過させるための穴である。
【0039】図2において、21はその先端のノズル2
2からインクを吐出して印字を行うための印字ヘッドで
ある。7は前記キャリッジ1上に搭載されたインクタン
ク、7aはインクタンク7内に設けられた負圧発生部材
としての吸収体、7bはインクタンク内の吸収体7aと
インクタンク7の外壁7eとの境界部、7cはインクタ
ンク7内でインクを他の部材と混入せずにそのままの状
態(以下、生インクともいう)で収納するインク収納部
(以下、生インク収納部ともいう)、7dはインクタン
ク7内の生インクとインクタンク外壁7eとの境界部で
ある。インクタンク7の材質は、透明プラスチック等の
フォトインタラプタ6の検出光に対して透過性のもので
ある。また、24は印字ヘッド21へインクを供給する
ための供給口、28はインクの消費に伴う気液交換を行
うための大気連通口である。
【0040】ヘッド21とインクタンク7は一体となっ
てキャリッジ1に搭載され、シャフト2、3をスライド
して図2の紙面の垂直方向に走査される。
【0041】図5はフォトインタラプタ6の装着された
基板の平面図であり、6cは発光部、6dは受光部を示
す。また、図1において、6aは発光部6cにより発せ
られた光、6bは反射して戻ってくる光路(以下、戻り
光路ともいう)を示しており、図5に示す受光部6dに
より受光される。この光路は、図1のように図1の紙面
内を反射面としても良いし、図1の紙面の垂直面を反射
面としても良い。但し、前述の紙ポジション切換えレバ
ー5の操作によってキャリッジ1の姿勢が大きく変わる
場合は、図1の紙面垂直方向を反射面とする方が、姿勢
差の影響を受けにくくなる。また図1では、この光路は
図面を煩雑にしないために単なる直線で描かれている
が、実際はある程度ひろがりをもった光束である。
【0042】フォトインタラプタ6はインクタンク7内
の吸収体7aのやや生インク収納部7c寄りに検出光を
照射するように設置されている。この位置は後述するよ
うに検知する時点での印字可能残枚数に影響する。ま
た、フォトインタラプタ6の高さ方向の位置に関して
は、フォトインタラプタ6の焦点位置近傍にインクタン
ク7の壁面7eと吸収体7aの境界7bがくるように配
置するのが望ましい。フォトインタラプタ6の焦点位置
から外れてくると、検出光のひろがりが大きくなり、キ
ャリッジ1の穴1bの縁部等で反射・散乱される光のた
め検出のS/Nを下げてしまうことになる。
【0043】本実施例では、図4に示すように複数の異
なる色のインクを吐出可能に構成したカラーインクジェ
ット記録装置を例に説明する。
【0044】複数のそれぞれ異なる色のインクは、それ
ぞれ対応するインクタンク7に収容されてキャリッジ1
上に搭載される。従って、吸収体7aに吸収されている
インクはカラープリンターで通常使用される黒、シア
ン、マゼンタ、イエローの4色のいずれかである。イン
クは吸収体7aより供給口24、ヘッド21内の流路3
0を順次流れた後、吐出手段としてノズル22に設けら
れる発熱手段(以下、ヒーターともいう)31により熱
エネルギーを付与され、急激な熱エネルギーの付与によ
りインクが発泡してノズル22の先端の吐出口から吐出
する。このようにして吐出されたインクが紙などの媒体
に付着することによって印字等の記録が行われる。
【0045】フォトインタラプタ6は、前述の如く、光
源の発光素子6cであるLEDと受光素子6dが一体と
なったものである。このLEDは、前記の4色のインク
のいずれにも透過性を有する赤外光を発するもので、受
光素子6dもLEDの波長に対して十分な感度を有する
ものである。
【0046】フォトインタラプタ6はキャリッジ1とは
別体に設置され、キャリッジ1に開けられた穴1bと透
明なインクタンク7の壁7eを通して吸収体7aの底面
に赤外光を照射し、反射してきた光を受光素子6dによ
り検出する。このように検出系であるフォトインタラプ
タ6をキャリッジから離して別体に設置することは、記
録装置本体から可動部分であるキャリッジ1への給電線
や信号線などがその分不要になり、構成の簡潔化を達成
して低廉化を図ることができる。
【0047】図6は、インクタンク7にインクが十分に
あるときの吸収体7aの下面にフォトインタラプタ6が
光照射している近傍部分の拡大図、図7は同じ位置でイ
ンクが無くなったときの拡大図である。また、図8は残
インク量に応じたフォトインタラプタ6の受光部6dの
出力変化を示すグラフである。
【0048】次に本発明によるインク残量検出の原理を
説明する。
【0049】一般に異なる屈折率どうしの媒質1、2の
境界面における光の振幅反射率を示すフレネルの公式
は、
【0050】
【数4】
【0051】本実施例においては、フォトインタラプタ
6の発光部6cからの光は、インクタンク7に垂直に近
い角度で入射しているとするとcosθ=1とみなすこ
とができ、上記の振幅反射率に代えてエネルギー反射率
で記述するために2乗すると、
【0052】
【数5】
【0053】となる。
【0054】まず、インクタンク7にインクが十分にあ
るときは、図6のようにインクタンク7の壁面7eと吸
収体7aの隙間はインクで充填されている。インクタン
ク7と吸収体7aはプラスチックで屈折率は約1.5、
インクは屈折率約1.4なので、インクタンク7の内壁
7eや吸収体7aの表面での反射率は上式から約0.1
%しかない。
【0055】次に、インク消費に伴って、図6における
大気連通口8を通じて、図7のようにインクタンク7の
壁面7eと吸収体7aの隙間には空気がはいりこんでく
る。インクが無くなった状態でのタンク内壁7eや吸収
体7a表面での反射率は約4%ある。すなわち、インク
が無くなると反射光量は約40倍に増大する。(但し実
際は、インクタンク7の外側底面からの反射光など境界
部7cの反射光以外の光や電気ノイズの影響でそこまで
の出力差としては検出されない。)ここで、フォトイン
タラプタ6でインクタンク7と生インク収納部7cとの
境界部7dにおいて検出を行っても反射率の差は生ずる
が、その場合と比べてみると反射要素の数として以下の
様な差がある。
【0056】
【表1】
【0057】このように、吸収体7a部で検出を行った
方が反射要素の数が3倍も多く、それだけ反射光量自体
が大きくなり、前述のようなノイズに強い検出ができ
る。
【0058】また図7に示すように、吸収体7aとイン
クタンク7との間に入り込んだ空気は吸収体7aを通過
するうちに微細な多数の気泡となって存在することが多
く、これらの光散乱効果も加わって反射光量はさらに増
加する。
【0059】これらの反射率は上述のようにcosθ=
1の場合の値であるが、それ以外の場合でもインク有る
場合と無い場合では同様にかなりの反射率差がある。い
ずれの場合も反射率差に応じてフォトインタラプタ6の
受光部6dに大きな出力差が生じるので、この出力差に
よってインクタンク7内のインクの有無を検知すること
ができる。
【0060】実際には、フォトインタラプタ6が光を照
射している領域はその焦点位置においても点では無く、
ある所定の大きさをもっており、その領域からインクが
徐々に抜けていくにつれてフォトインタラプタ6の出力
は連続的に変化していくことになる。
【0061】図8において横軸はインクがなくなって不
吐になるまでの印字可能残枚数、縦軸はフォトインタラ
プタ6の出力である。この出力変化カーブに基き、所定
のしきい値レベルを越えたとき(図8においては残り約
15枚印字可能な残量をしきい値としている)に、イン
クタンク7内のインク量が残り少なくなったと判断す
る。そして、インクジェット記録装置本体の表示パネル
上で警告表示用LED等を点灯させることにより、イン
ク残量が少なくなったということをユーザーに知らせる
ことができる。
【0062】インク残量が低下してことを表示させると
きの残枚数は、しきい値レベルを変更することで、増減
できる。ただし、図8からわかるように出力が立ち上が
るときの枚数(図8においては残り約30枚)以前で表
示させることは困難である。これに対しては、フォトイ
ンタラプタ6が検出を行う位置を変えることによって出
力が立ち上がるときの印字可能枚数を変更することがで
きる。このようにして、所望の残枚数で警告を発するこ
とができる。
【0063】あるいは、確実に印字不良を出さないよう
にするためには、警告を行う代わりに、または警告と同
時に印字動作を停止させても良い。この場合は一旦停止
してしまうことで、より強い警告になるという効果があ
る。
【0064】以上詳述したように、本実施例によれば、
負圧発生部材として吸収体7aを配置したインクタンク
7に対して、発光部6cより発せられた光の反射光を受
光部6dにより検出し、その出力レベルにより、インク
タンク7内のインクの残量が所定量より少なくなったこ
とを検出することができる。つまりは、インクの残量状
態に応じた光反射率の変化を検知することにより、イン
ク残量が低下したことを検出することができる。
【0065】このとき、吸収体7aはインクタンク7か
ら供給されるインクの負圧をコントロールする負圧コン
トロール部材としての働きと、発光部6cにより発せら
れた光の反射光量をコントロールする反射コントロール
部材としての働きをし、吸収体7aが配置されたインク
タンク7内のインクの残量の低下を正確に検出すること
ができる。
【0066】また本実施例は、前述のようにカラープリ
ンタに適用していてインクタンク7がカラーの4色に対
応して4個横並びになっている。従って、キャリッジ1
を移動することによって各色のインクタンク7を順次フ
ォトインタラプタ6に対向させ、それぞれのインクタン
ク7におけるインク残量の検知を行う。各色のインクタ
ンク7における出力変化を個別に追跡する必要があるの
で、それに対応するメモリ手段を持つ。この場合、イン
ク残量が少なくなったという表示は4色個別に行うのが
望ましいが、インクジェット記録装置本体の表示パネル
が煩雑になる等の理由で簡易的にどれか1色が少なくな
ったというのみの表示を行う場合もある。
【0067】以上のような構成によれば、カラーインク
ジェット記録装置のインク吸収体を内蔵したインクタン
クに対して、1つの検出系で4色のインクタンクそれぞ
れのインク残量が精度良く検出できる。
【0068】本実施例ではインクタンク7の底面から検
出を行っている。しかしながら、本発明はインクタンク
7の底面から検出を行う構成に限らず、側面や上面から
検出を行ってもかまわない。
【0069】しかし、以下の理由から、インクタンク7
の底面から検出を行う方が望ましい。
【0070】吸収体7aは通常その密度の分布が均一で
は無く、インクが無くなっていくときにスポット的にイ
ンクが抜けていく。したがって、周囲にまだインクが残
っていてもフォトインタラプタ6がたまたま検知してい
るところだけが先にインクが無くなったり、その逆のこ
とがあったりして同一出力レベルでもその時点での残印
字可能枚数にばらつきが生じ、最悪の場合、警告がされ
ないままインクが無くなってしまうということもあり得
る。
【0071】ところが、インクタンク7の底面は重力の
作用でインクがたまりやすくなっているので、吸収体7
aの密度の分布の影響は軽減される。したがって、イン
クタンク7の底面からの検出を行うことによって、精度
の高いインク残量検出が可能になる。
【0072】図9は、カラーインクジェット記録装置に
適用した本実施例のインクの有無検知装置の概略構成図
である。
【0073】7は透明のインクタンク、1はインクタン
ク7を搭載するキャリッジ、1aはキャリッジ1に設け
られたキャリブレーション用反射部、81はインク、6
cは発光部としてのLED、6dは受光部としてのフォ
トトランジスタ、87はLED電流制限抵抗、89はL
EDオン/オフ用トランジスタ、80はフォトトランジ
スタ負荷抵抗、91はローパスフィルタ、82はA/D
コンバータ、83はCPU、95はLEDオン/オフ用
PWM信号、86はフォトトランジスタ生出力電圧、9
0はローパスフィルタ後の出力電圧である。
【0074】図10は、PWM信号95、デューティー
比、LEDのオン/オフ、フォトトランジスタ6dから
の生出力電圧86、ローパスフィルタ91の後の出力電
圧90の関係を示すタイミングチャートである。ここで TP :PWM周期 TL :LEDオン時間 TD :LEDオン後、測定までの時間 Voff :LEDオフ状態の出力電圧 Von:LEDオン状態の出力電圧 V:出力 デューティー比 = TL /TP である。
【0075】CPU83からのPWM信号95によっ
て、トランジスタ89を数kHzから数百kHzの周期
でオン/オフしてLED6cを点灯させる。透明インク
タンク7の中にインク4がある場合は、前述したように
インク81と透明インクタンク7の境界部で光が反射さ
れないためフォトトランジスタ6dからの出力は小さ
く、インク81がない場合は、インク81と透明インク
タンク7の境界部で光が反射されるようになるため出力
は大きくなる。したがって出力電圧90をA/Dコンバ
ータ82で検出することでインクの有無が検知できる。
ローパスフィルタ91は生出力電圧86に重疊している
PWM信号95の周期成分を除去するためのものであ
る。
【0076】図11のフローチャートを用いてキャリブ
レーションの方法を説明する。
【0077】ステップS1:キャリブレーション用反射
部1aにLED6cからの光が照射されるようにキャリ
ッジ1を不図示のキャリッジ移動機構により移動する。
【0078】ステップS2:LEDオフ状態で出力電圧
90を検出する。
【0079】Voff :LEDオフ状態の出力電圧 ステップS3:Voff がある電圧より大きいかどうかチ
ェックする。小さい場合はフォトトランジスタの漏れ電
流が規格よりも大きいとみなし、NGとする。
【0080】Vmax0:フォトトランジスタの漏れ電流最
大値から求められる出力電圧(Vccー漏れ電流最大値×
電流制限抵抗値) ステップS4:不揮発性RAMに格納されているデュー
ティー比をPWM信号95の初期のデューティー比とす
る。
【0081】Duty :PWM信号のデューティー比 D0 :不揮発性RAMに格納されているデューティー比
(インク有無検知時に用いるデューティー比) ステップS5:PWM信号95のデューティー比を設定
する。
【0082】ステップS6:LEDオン状態で出力電圧
90を検出する。
【0083】Von:LEDオフ状態の出力電圧 ステップS7:出力を計算する。
【0084】V:出力(Voff −Von) ステップS8:出力Vがある電圧より大きいかどうかチ
ェックする。小さい場合はLED6cまたはフォトトラ
ンジスタ6dの故障または断線とみなし、NGとする。
【0085】Vmin0:故障判断を行なうしきい値 ステップS9:出力Vがある電圧の範囲に入っているか
どうかチェックする。入っている場合はPWM信号95
のデューティー比の調整がなされているがとみなし、ル
ープから抜ける。
【0086】Vmin1:出力調整下限値 Vmax1:出力調整上限値 ステップS10:次回のPWM信号95のデューティー
比を出力Vと出力目標値の比から計算する。
【0087】次回のデューティー比Duty ← 今回のデ
ューティー比Duty×(出力目標値Vtarget/今回の出
力V) Vtarget:キャリブレーション時出力目標値 ステップS11:デューティー比がある範囲に入ってい
るかどうかチェックする。入っていない場合はLED6
cとフォトトランジスタ6dの結合光電流出力特性が規
格を満足していない、またはキャリブレーション用反射
部1aまたはLED6cまたはフォトトランジスタ6d
が汚れて反射率が変化し正確な検知ができなくなってい
るとみなし、NGとする。
【0088】Dmin :デューティー比調整下限値 Dmax :デューティー比調整上限値 ステップS12:デューティー比の調整ループのリトラ
イ回数が多すぎるかどうかチェックする。まだの場合は
ステップS5に戻る。越えた場合はNGとする。 ステップS13:インク有無検知時に用いるデューティ
ー比を今回キャリブレーションしたデューティー比とす
る。また今回のキャリブレーションにおける最終の出力
を、出力比計算用パラメータとする。
【0089】Vcal :出力比計算用パラメータ ステップS14:インク有無検知時に用いるデューティ
ー比と出力比計算用パラメータを不図示の不揮発性記憶
素子に格納する。
【0090】ステップS15:インク有無検知装置の状
態を設定する。
【0091】次に、図12のフローチャートを用いてイ
ンク有無検知の方法を説明する。
【0092】ステップS21:インクタンク7にLED
6cからの光が照射されるように、キャリッジ1を不図
示のキャリッジ移動機構により移動する。
【0093】ステップS22:LEDオフ状態で出力電
圧90を検出する。
【0094】Voff :LEDオフ状態の出力電圧 ステップS23:不揮発性RAMに格納されているデュ
ーティー比をPWM信号95の初期のデューティー比と
する。
【0095】Duty :PWM信号のデューティー比 D0 :不揮発性RAMに格納されているデューティー比
(インク有無検知時に用いるデューティー比) ステップS24:PWM信号95のデューティー比を設
定する。
【0096】ステップS25:LEDオン状態で出力電
圧90を検出する。
【0097】Von:LEDオン状態の出力電圧 ステップS26:出力を計算する。
【0098】V:出力(=Voff −Von) ステップS27:出力比を計算する。
【0099】A:出力比(=V/Vcal ) ステップS28:出力比Aがある値より大きいかどうか
チェックする。小さい場合はインク有り、大きい場合は
インク無しと判断する。
【0100】Ath:インク有無の判断を行なう出力比の
しきい値 ステップS29:インク有無検知結果を設定する。
【0101】キャリブレーション時出力に対するインク
有無検知時出力の比を計算することで、LED6cの発
光量の経時変化やフォトインタラプタ6の汚れによる出
力変化をキャンセルできる。また、出力調整下限値及び
上限値をキャリブレーション時出力目標値に対して広く
設定できるため、キャリブレーションのループの回数を
減らすことができる。
【0102】(第2実施例)図13は本発明の第2実施
例におけるキャリブレーション方法を説明するためのフ
ローチャートである。回路構成は第1実施例と同じであ
る。また、ステップS31〜S42は、前述した第1実
施例の図11のステップS1〜S12と同じであるの
で、ステップS43から説明する。
【0103】ステップS43:インク有無検知時に用い
るデューティー比を今回キャリブレーションしたデュー
ティー比とする。また補正係数を計算する。
【0104】K:補正係数(=Vtarget/V) ステップS44:インク有無検知時に用いるデューティ
ー比と補正係数を不図示の不揮発性RAMに格納する。
【0105】ステップS45:インク有無検知装置の状
態を設定する。
【0106】次に、図14のフローチャートを用いてイ
ンク有無検知の方法を説明する。ステップS51〜56
までは第1実施例のインク有無検知方法のステップS2
1〜26と同じであるので、ステップS57から説明す
る。
【0107】ステップS57:出力に補正係数を乗じた
ものを出力とする。
【0108】ステップS58:出力Vがある値より大き
いかどうかチェックする。小さい場合はインク有り、大
きい場合はインク無しと判断する。
【0109】Vth:インク有無の判断を行なう出力比の
しきい値 ステップS59:インク有無検知結果を設定する。
【0110】補正係数をインク有無検知時出力に乗ずる
ことで、キャリブレーション時出力がキャリブレーショ
ン時出力目標値と一致した際のインク有無検知時出力を
計算でき、LED6cの発光量の経時変化やフォトイン
タラプタ6の汚れによる出力変化をキャンセルできる。
また、出力調整下限値及び上限値をキャリブレーション
時出力目標値に対して広く設定できるため、キャリブレ
ーションのループの回数を減らすことができる。本実施
例では、インク有無検知時出力に補正係数を乗ずるだけ
で出力補正ができるので、第1実施例のような割り算が
不要でソフトウェアの負荷が低減される。
【0111】(第3実施例)前述の如く、第1実施例で
示した構成においては、吸収体7aの密度の不均一性に
より正確な検知が行うことが困難となる場合がある。第
1実施例で述べた吸収体7aの密度の不均一性への別な
対処を行った例を本発明の第3実施例として図15に示
す。
【0112】図15において、図2と同様の構成につい
ては同じ符号を付している。6′は第2のインクセンサ
として配置されるフォトインタラプタであり、フォトイ
ンタラプタ6と同じものである。本実施例において、フ
ォトインタラプタ6を説明の便宜上第1のフォトインタ
ラプタともいうこととする。
【0113】第1実施例ではフォトインタラプタ6の出
力のみからインク残量を判断していたが、本実施例では
第1のフォトインタラプタ6と第2のフォトインタラプ
タ6′の出力の平均値を用いてインク残量が低下したこ
とを検知する。この平均値は単純平均でも重み付け平均
でも構わない。本実施例では第2のフォトインタラプタ
6′の方が第1のフォトインタラプタ6よりも供給口2
4に近いので、印字可能残枚数がより少なくなってから
出力変化が起きる。したがって、検知したい残枚数によ
って、どちらをより重み付けするかが決まる。
【0114】このように複数点にインクの残量検出用の
センサを設け、複数の検出点の計測値の平均値を用いる
ことによって、吸収体7aの密度が不均一であってもそ
の影響が軽減でき、高精度の残量検出を行うことができ
る。
【0115】同じく吸収体7aの密度の不均一性の影響
による検出値のばらつきを低減する手段としては、図6
において説明したフォトインタラプタ6を移動可能と
し、インクタンク7の複数点においてインクの残量の検
出を行うという方法も考えられる。
【0116】また、フォトインタラプタ6を移動可能に
構成する例に限らず、フォトインタラプタ6は固定した
状態で、キャリッジ1を移動させながら複数点を計測し
ても構わない。ただしこの場合はインクタンク7がキャ
リッジ1の移動方向にある程度の厚みを持っていないと
検出点を増やすことにより達成される効果が少ない。
【0117】本実施例においては、フォトインタラプタ
6とキャリッジ1とを相対的に移動させながら複数点で
インクの残量検出を行うもので、複数の検出点の計測値
の平均値を用いることによって、前述の如く吸収体7a
の密度が不均一であってもその影響が軽減でき、高精度
の残量検出を行うことができる。
【0118】(第4実施例)前述の第1実施例において
は、フォトインタラプタ6の出力が所定のしきい値を越
えた場合に警告や印字動作の停止を行っている。
【0119】本実施例では、センサの出力がしきい値を
越えた場合に警告や印字動作の停止を行わず、その代わ
りにフォトインタラプタ6の出力に対応した表示、すな
わちフォトインタラプタ6の出力に比例あるいは単調変
化する表示を行うものである。
【0120】図8から明らかなように、インクタンク7
内の残インク量が少なくなるとフォトインタラプタ6の
出力は連続的に変化していく。したがって、この出力変
化に対応した残量表示を行うことにより、印字可能残枚
数にほぼ対応した表示を連続的に行うことができる。こ
うすることによって、より詳細なインク残量情報をユー
ザーに与えることができる。
【0121】図16は、インクタンク7内のインクの残
量を表示パネルに表示する例を示している。表示パネル
内の表示は、図16に示すように印字可能残枚数に対応
して、デジタルメータのレベルが変化するものや、他に
印字可能残枚数を数字で表示するものであっても良い。
また、表示パネルとしては、液晶を用いたものをはじ
め、一般的に使用される表示機器を使用すればよい。
【0122】また視認される表示手段に限らず、音声に
よる印字可能残枚数の案内や、印字可能残枚数に応じて
ブザー音の長さ、回数を異ならせる方法によってもよ
い。
【0123】以上の構成により、フォトインタラプタ6
の出力に応じて詳細なインク残量情報をユーザに知らせ
ることが可能となる。本実施例によれば、ユーザはイン
クタンク7内のインク残量が低下したとき詳細なインク
残量を知ることが可能となり、インクタンク7の交換等
のメンテナンスを適切な時期に行うことができる。
【0124】(第5実施例)前述の第1実施例におい
て、インクタンク7は吸収体部7aと生インク収納部7
cとを合わせ持つものであったが、本発明はこの構成に
限らず、図17に示すような構成のインクタンクにも適
用されるものである。
【0125】図17に示すインクタンクは、インクタン
ク7の内部全域にわたって吸収体7aを配置したもので
ある。
【0126】図17において、図2と同様に24は供給
口、28は大気連通口、6はフォトインタラプタであ
る。フォトインタラプタ6は、第1実施例と同様に吸収
体7aの底面の反射率変化を検出する配置になってい
る。
【0127】(第6の実施例)本発明によればインクタ
ンク7が無いときはフォトインタラプタ6の反射光が無
くなるので、前述のインクが十分ある時の出力レベルよ
りもはるかに低いレベルの出力となる。
【0128】本実施例では、第1実施例で示したインク
残量検出の構成を利用し、インクタンク7の有無をフォ
トインタラプタ6により行うものである。
【0129】フォトインタラプタ6を用い、インクタン
ク7が搭載されているときと搭載されていないときとの
検出レベル差からインクタンク7の有無をも検出するこ
とができる。
【0130】また、本実施例ではカラープリンターの場
合の各色のインクタンク7の有無を個別に検出すること
ができ、インクタンク7が搭載されていないときに記録
を行うことが無くなる。
【0131】従って、上述の構成によれば、インクタン
ク7の有無を検出するための特別な構成を設けることな
くインクタンク7の有無が検出でき、コストを高くする
ことなく簡単な構成でインクタンク7のインク残量検出
およびインクタンクの有無の検出を行うことができる。
【0132】(その他)本発明は、特にインクジェット
記録方式の中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液的を
形成し、記録を行うインクジェット方式の記録ヘッドを
用いた記録装置において優れた効果をもたらすものであ
る。
【0133】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一体一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成出来るので有効である。この気泡の成
長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書、同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、更に優れた記録を行うことが出
来る。
【0134】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書、米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0135】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0136】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0137】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0138】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、記録色や濃度を異にする複数のインク
に対応して2個以上の個数設けられるものであってもよ
い。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるかい
ずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色に
よるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備え
た装置にも本発明は極めて有効である。
【0139】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0140】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、LED
等の発光部の駆動信号をPWM制御して、発光部の発光
デューティー比を変えることにより、発光部の発光量を
自動的に調整することができ、例えば、装置の電源オン
の直後に調整動作をして、装置を市場に出荷した後でも
調整作業を行うことができ、安定したインク残量の検知
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるキャリッジ側面図
である。
【図2】図1に示すキャリッジのタンク装着状態の側面
図である。
【図3】図1に示すキャリッジを底部側から見た概略図
である。
【図4】本発明の第1実施例の装置全体の概略斜視図で
ある。
【図5】図1に示すインクセンサの構成を示す図であ
る。
【図6】本発明のインク残量検出の原理を説明するため
の図である。
【図7】本発明のインク残量検出の原理を説明するため
の図である。
【図8】本発明の第1実施例におけるフォトインタラプ
タの出力を説明するための図である。
【図9】本発明の第1実施例におけるインク残量検知装
置の概略のブロック構成図である。
【図10】図9に示すインク残量検知装置の動作を説明
するためのタイミングチャートである。
【図11】図9に示すインク残量検知装置におけるキャ
リブレーション方法を説明するためのフローチャートで
ある。
【図12】図9に示すインク残量検知装置におけるイン
クの有無検知方法を説明するためのフローチャートであ
る。
【図13】本発明の第2実施例におけるインク残量検知
装置のキャリブレーション方法を説明するためのフロー
チャートである。
【図14】本発明の第2実施例におけるインク残量検知
装置のインクの有無検知方法を説明するためのフローチ
ャートである。
【図15】本発明の第3実施例におけるインクセンサの
構成を示す図である。
【図16】本発明の第4実施例におけるインク残量検出
結果の表示部を示す図である。
【図17】本発明の第5実施例におけるキャリッジおよ
びインクセンサの構成を示す図である。
【図18】従来のインク残量検知装置の概略のブロック
構成図である。
【図19】図18に示すインク残量検知装置におけるイ
ンクの有無検知方法を説明するためのフローチャートで
ある。
【符号の説明】
1 キャリッジ 1a キャリブレーション用反射部 6 フォトインタラプタ 6c LED 6d フォトトランジスタ 7 インクタンク 7a 吸収体 21 記録ヘッド 80 フォトトランジスタ負荷抵抗 82 A/Dコンバータ 83 CPU 86 フォトトランジスタ生出力電圧 88 LED電流制限抵抗 89 LEDオン/オフ用トランジスタ 90 フォトトランジスタ出力電圧 91 ローパスフィルタ 95 PWM信号
フロントページの続き (72)発明者 乾 利治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 植月 雅哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 三上 文之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 宇野沢 保弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク吸収体を内蔵したインクタンクの
    透光性の壁面を通して発光部からの光を照射し、前記壁
    面とインク吸収体との境界部の反射光量を検知する検知
    手段により、前記タンク内の液体の残量を検知するタン
    ク内の液体残量検知装置において、 前記発光部の駆動信号をパルス幅変調して、該発光部の
    発光量を調整可能な調整手段を備えたことを特徴とする
    タンク内の液体残量検知装置。
  2. 【請求項2】 前記調整手段の調整作業時に、前記発光
    部からの光を前記受光部に反射させる調整用反射部を備
    え、 前記調整手段は、パルス幅変調のデューティー比を調整
    することによって、前記受光部が前記調整用反射部から
    の反射光を検出したときの検出信号の値を所定の目標値
    に調整可能であることを特徴とする請求項1に記載のタ
    ンク内の液体残量検知装置。
  3. 【請求項3】 前記調整手段の調整作業時のパルス幅変
    調のデューティー比と前記受光部の検出信号の値を格納
    する格納手段と、 前記タンク内の液体の残量を検知するときに、前記調整
    手段によるパルス幅変調のデューティー比を前記格納手
    段に格納されているデューティー比とし、そのときの前
    記受光部の検出信号の値と前記格納手段に格納されてい
    る検出信号の値とを比較して前記タンク内の液体の残量
    を検知する手段とを備えたことを特徴とする請求項2に
    記載のタンク内の液体残量検知装置。
  4. 【請求項4】 前記調整手段の調整作業時に、パルス幅
    変調のデューティー比と、前記検出信号の目標値と前記
    受光部の検出信号の値との比から求めた補正係数と、を
    格納する格納手段と、 前記タンク内の液体の残量を検知するときに、前記調整
    手段によるパルス幅変調のデューティー比を前記格納手
    段に格納されているデューティー比とし、そのときの前
    記受光部の検出信号の値と前記格納手段に格納されてい
    る補正係数に基づいて前記タンク内の液体の残量を検知
    する手段とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の
    タンク内の液体残量検知装置。
  5. 【請求項5】 前記検知手段は発光素子と受光素子とを
    有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記
    載のタンク内の液体残量検知装置。
  6. 【請求項6】 インクを吐出するインクジェット記録ヘ
    ッドと、前記インクジェット記録ヘッドに供給するイン
    クを収容する透光性のインクタンクと、前記インクジェ
    ット記録ヘッドと被記録媒体とを相対移動させる手段
    と、を備えたインクジェット記録装置において、 前記インクタンクの壁面を通して発光部からの光を照射
    し、前記壁面とインク吸収体との境界部の反射光量を検
    知する検知手段と、 前記発光部の駆動信号をパルス幅変調して、該発光部の
    発光量を調整可能な調整手段とを備えたことを特徴とす
    るインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記調整手段の調整作業時に、前記発光
    部からの光を前記受光部に反射させる調整用反射部を備
    え、 前記調整手段は、パルス幅変調のデューティー比を調整
    することによって、前記受光部が前記調整用反射部から
    の反射光を検出したときの検出信号の値を所定の目標値
    に調整可能であることを特徴とする請求項6に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記調整手段の調整作業時のパルス幅変
    調のデューティー比と前記受光部の検出信号の値を格納
    する格納手段と、 前記インクタンク内のインクの残量を検知するときに、
    前記調整手段によるパルス幅変調のデューティー比を前
    記格納手段に格納されているデューティー比とし、その
    ときの前記受光部の検出信号の値と前記格納手段に格納
    されている検出信号の値とを比較して前記インクタンク
    内のインクの残量を検知する手段とを備えたことを特徴
    とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記調整手段の調整作業時に、パルス幅
    変調のデューティー比と、前記検出信号の目標値と前記
    受光部の検出信号の値との比から求めた補正係数と、を
    格納する格納手段と、 前記インクタンク内のインクの残量を検知するときに、
    前記調整手段によるパルス幅変調のデューティー比を前
    記格納手段に格納されているデューティー比とし、その
    ときの前記受光部の検出信号の値と前記格納手段に格納
    されている補正係数に基づいて前記インクタンク内のイ
    ンクの残量を検知する手段とを備えたことを特徴とする
    請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 前記検知手段は発光素子と受光素子と
    を有することを特徴とする請求項6から9のいずれかに
    記載のインクジェット記録装置。
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