JP3264592B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP3264592B2 JP24985094A JP24985094A JP3264592B2 JP 3264592 B2 JP3264592 B2 JP 3264592B2 JP 24985094 A JP24985094 A JP 24985094A JP 24985094 A JP24985094 A JP 24985094A JP 3264592 B2 JP3264592 B2 JP 3264592B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクを吐出して記録
を行うインクジェット記録装置における、インク貯蔵容
器等のインクが無くなったことを検知するインク終了検
知装置、もしくはインクの残量状態を検知する残量状態
検知装置に関するものである。
【0002】本発明は特に、それぞれ異なる状態でイン
クを連通して収容可能な複数の収容部材から成るインク
貯蔵容器内に収容されたインクの残量状態を検知するイ
ンク残量状態検知装置および方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリなどの
機能を有する記録装置、あるいはコンピュータやワード
プロセッサなどを含む複合電子機器やワークステーショ
ンの出力機器として用いられる記録装置は、画像情報に
基づいて用紙やプラスチック薄板などの記録媒体に画像
を記録していくように構成されている。このような記録
装置は、記録方式によりインクジェット式、ワイヤドッ
ト式、サーマル式、レーザービーム式などに分けること
ができる。
【0004】インクジェット式の記録装置(インクジェ
ット記録装置)は、記録手段(記録ヘッド)から記録媒
体にインクを吐出して記録を行なうものであり、以下の
利点を有する。記録手段のコンパクト化が容易であり、
高精細な画像を高速で記録することができ、普通紙に特
別の処理を必要とせずに記録することが可能であり、ラ
ンニングコストが低く、ノンインパクト方式であるため
に騒音が少なく、しかも多色のインクを使用してカラー
画像を記録するのが容易であるが挙げられる。
【0005】特に熱エネルギーを利用してインクを吐出
するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、エ
ッチング、蒸着、スパッタリングなどの半導体製造プロ
セスを経て基板上に製膜された電気熱変換体、電極、液
路壁、天板などを形成することにより、高密度の液路配
置(吐出口配置)を有するものを容易に製造することが
でき、一層のコンパクト化を図ることができる。
【0006】インクジェット記録装置において、記録ヘ
ッドへ供給するインクを貯留するためのインクタンク等
のインク貯留装置は、インクジェット記録装置の所定の
固定部位に装着される場合と、記録ヘッドとともにキャ
リッジに搭載される場合とがある。前者の場合、記録ヘ
ッドと貯留装置との間にインクチューブ等のインク供給
路を設け、これがキャリッジの移動に追随するようにす
る。また、後者の場合、記録ヘッドと貯留装置との間に
おけるインク供給路は比較的短いものとすることができ
る。このため、キャリッジにインク貯留装置を搭載する
構成は、インクジェット記録装置の小型化や構成の簡潔
化等に適した構成といえる。
【0007】このような記録ヘッドとインク貯留装置
(インクタンク)がともにキャリッジに搭載される構成
の中では、記録ヘッドとインクタンクとを一体に形成す
る構成や、記録ヘッドとインクタンクとが分離可能に搭
載される構成がある。
【0008】前者の記録ヘッドとインクタンクとを一体
に形成する構成においては、インクタンク内のインクが
なくなった時点で、インクタンクと記録ヘッドとが一体
となったそのカートリッジを新たなものと交換するた
め、取扱が容易であることから近年普及しつつあるが、
高価なヘッドをインクがなくなる毎に交換するため、ラ
ンニングコストが上昇してしまう。
【0009】また後者の、記録ヘッドとインクタンクと
が分離可能に搭載される構成においては、インクがなく
なったときにインクを貯留しているインクタンクのみを
交換し、ヘッド自体はその寿命がきた時に交換すればよ
い。
【0010】通常の使用においては、一般的にインクタ
ンク内のインクを使いきる前にヘッドが寿命により使用
できなくなることはあり得ない。そのため、高価なヘッ
ドの交換回数がインクタンクの交換回数よりも少なく、
ランニングコストを抑えることができる。しかしなが
ら、記録ヘッドとインクタンクとを分離可能に搭載され
る構成においては、インクタンクと記録ヘッドとの接続
部分を、インクの漏れがないように精巧に製造する必要
がある。
【0011】また、インクジェット方式を用いた記録装
置においては、記録時に記録ヘッドから吐出されるイン
ク量に見合ったインクを良好に供給することができると
ともに、非記録時は、吐出口からのインク漏れなどがな
いインク供給系が要求される。
【0012】この吐出口からのインク漏れはインクジェ
ット記録の分野に特有の課題であり、これを解決するた
めに吐出口部における圧力を大気圧よりも低い状態とす
るのが一般的である。そして、インクジェット記録装置
には前述の圧力状態を実現するために、負圧発生機構が
インク供給系に設けられる。ここでいう負圧とは、吐出
口部へのインク供給方向に対する背圧で、特に上述のよ
うに吐出口部を大気圧よりも低くする圧力状態を意味す
る。
【0013】そして、インク収容部が交換型である場合
には、上述の課題に加えて、インク収容部の着脱がスム
ーズにでき、その際にインク漏れなどはなく、確実に記
録ヘッドへインクを供給できることが要求される。
【0014】前述のインクジェット記録装置に使用され
るインク収容部としてのインク容器の一形態が、特開昭
63−87242号公報に開示されている(以下第1従
来例という)。この第1従来例には、インク容器内のほ
ぼ全体に発泡材が配置され、複数のインク射出オリフィ
スを備えたインクジェット記録カートリッジの構成が示
されている。
【0015】このインク容器においては、発泡材である
ポリウレタンフォームのような多孔質媒体にインクを貯
蔵するためのフォームの毛細管力による負圧の発生およ
びインクの保持(インク容器からのインク漏れ防止)が
可能である。
【0016】しかしながら、前記第1従来例において
は、インク収容部内のほぼ全体にフォームを必要とする
ことからインクの充填量が制限されるとともにフォーム
中に使用されずに残るインク量が多くなり、インクの使
用効率が悪いという問題があった。
【0017】このような、インク貯留手段内に負圧発生
部材として発泡材を配置した構成において、インク充填
量を大きくする技術として、特開平6−40043号が
提案されている。本出願によれば、負圧発生部材収容部
とインクを収容するインク収容部を分けたインク貯蔵容
器を使用することにより、インク収容部内の壁面に付着
するインク以外はほぼ全て使用することができ、インク
貯蔵容器の大容量化が達成される。また、収容される負
圧発生部材により記録ヘッドからのインクの漏れを防
ぎ、長期間安定したインクの供給性能を維持することが
できる。
【0018】上述のような種々のインクジェット記録装
置のいずれにおいても、インク貯留手段の交換を適切な
時期に行うことが望ましく、インク貯留手段内に残るイ
ンクの量を正確に検知する構成や、インクがなくなる時
期を適切に検知するための構成を備えることが必要であ
る。
【0019】記録中にインク貯留手段内のインクがなく
なったとき、記録ヘッドからインクを吐出するための吐
出手段はインクがない状態で吐出のためのエネルギーを
発生することになる。特に、吐出手段として電気熱変換
素子等の熱エネルギー発生手段を設け、インクに熱エネ
ルギーを与えて、インクの熱による状態変化により発生
する圧力を利用してインクを吐出させる、いわゆるバブ
ルジェット方式のインクジェット記録装置においては、
インクがない状態で熱エネルギー発生手段を駆動する
と、記録ヘッドの温度を不要に上昇させるばかりでな
く、記録ヘッド自体の損傷を招くことになる。
【0020】また、吐出手段としてピエゾ素子等の機械
的圧力発生手段を用いてインクを吐出する方式のインク
ジェット記録装置においては、インクがない状態で吐出
手段を駆動することにより、インクの吐出にかかる負荷
がない状態で圧力を発生し続けることとなり、結果とし
て吐出手段の劣化、耐久性の低下を招くこととなる。
【0021】従来、インクジェット記録装置のインク貯
蔵容器等のインクがなくなったこと(インク終了)を検
知するための構成としては、特開昭54−133733
号公報に開示されているような光学素子を用いてインク
タンクの透光状態を検出する構成や、特公平1−174
65号公報に開示されているような電極部材の導通で検
知する構成、特開昭59−194853号公報に開示さ
れているような吐出パルス数をカウントして使用したイ
ンク量に基づいて推測する構成(以下ドットカウント方
式という)等が知られている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のインク終了検知装置(インク残量状態検知装置)
は、前述のインク貯留手段内に負圧発生部材として発泡
材を配置した構成や、負圧発生部材収容部とインク収納
部とを分けたインク貯蔵容器構成においては、インク残
量状態を正確に検知することは困難であった。
【0023】例えば、上記従来技術の内、光学素子を用
いてインクタンクの透光状態を検出するもの、および電
極部材の導通で検知するものは、インク貯蔵容器の構造
上、負圧発生部材を収容したインクタンク内のインクが
なくなったことを検知するのは困難である。また、負圧
発生部材収容部とインク収納部とを分けた構成において
インク収容部のみのインクの残量状態を検知したとして
も、負圧発生部材収容部にインクがまだかなり残ってお
り、インクがある程度減ったことの警告にしか適用する
ことはできなかった。
【0024】また、電極部材の導通によって残量を検出
する構成においては、電極の設置により負圧発生部材が
圧迫されると、所望の負圧が得られなくなってインクの
供給に悪影響を与えることになりかねない。
【0025】また、ドットカウント方式においては、装
置毎の1吐出当りの吐出量のバラツキや、インクタンク
の初期注入量のバラツキ、使用環境により使用量が異な
るため大きな誤差が生じてしまう。この誤差は、装置毎
の誤差や環境等の影響など全てを含めて考えると全イン
ク量の半分近くにも達することもあり、その結果、残量
が低下したことの警告または記録装置の停止を確実にイ
ンクが無くなる前に行うには、インクを半分近く残して
行わざるを得ない。この警告あるいは停止を行うタイミ
ングは、このようにあまりインクを多く残して行うと残
量検知という意味が無い、あるいはインクのムダを生じ
てしまうことになる。ドットカウント方式により正確な
残量検知を行おうとすると、コストが非常に高くなって
しまう。さらにインク貯蔵容器の大容量化に伴い、イン
ク残量の正確な検知は一層困難となった。
【0026】また、上記インク残量の検出の他に、キャ
リッジと紙間の距離等、複数の検知機構を備えたプリン
タ装置では、その内部機構が複雑になると共に、コスト
アップとなる。特に、簡便な構成のプリンタ装置では、
上記のような複数の検知機構を備えることが非常に困難
であった。しかし、そのような検知機構としてのセンサ
ーを取り付けなければ、記録不良を起こしたり、プリン
タ装置として深刻な故障を引き起こしかねない。このた
め、安価なセンサ装置を開発する必要があった。
【0027】本発明は、上記のような吸収体、発泡材等
の負圧発生部材を内蔵するインクタンクにおけるインク
残量検知機能の欠点に鑑み、高精度でかつ所望のインク
残量で検知するインク残量検知機能を実現すると共に、
併せてキャリッジと紙間の距離の検出機能をも兼ね備え
た手段を有するインクジェット記録装置の提供を目的と
している。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的のた
めに、インクタンクの壁面の一部を通して該壁面と該イ
ンク吸収体との境界部の光反射率変化を検出する手段を
具備し、その部分にインクが有るときと無いときの反射
率の差から、インクの残量検知を行うものである。
【0029】上記目的を達成するために、請求項1に記
載の発明は、インクを収容するためのインク吸収体を内
蔵したインクタンクとインクを吐出するためのノズルを
備えたインクジェットヘッドとを搭載可能なキャリッジ
と、前記キャリッジを走査する走査手段とを有し、前記
インクタンクによって供給されるインクを前記インクジ
ェットヘッドのノズルから被記録媒体に吐出して記録を
行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘッド
と前記被記録媒体との距離の方向における前記キャリッ
ジのポジションを変更するための、前記キャリッジ上に
設けられるレバーと、装置本体の、前記キャリッジに装
着される複数のインクタンクの前記インク吸収体に対応
した位置に設けられ、インクタンクの前記インク吸収体
の位置に対して光を照射する発光素子と、光を検知する
受光素子とからなるセンサと、 前記センサをインクタン
クの前記インク吸収体の位置に対応させた状態におけ
る、前記発光素子により照射した光の、前記インクタン
ク内部の壁面と前記インク吸収体との境界部における反
射光を含む光を前記受光素子により検知した結果に基づ
いて、インクタンク内のインク残量の低下を検出する検
出手段と、前記センサにより、前記記録ヘッドと前記被
記録媒体との距離の方向における前記キャリッジのポジ
ションを検出するポジション検出手段とを有することを
特徴とする。
【0030】ここで、請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載のインクジェット記録装置において、前記イン
ク残量の低下を検出する検出手段は、インクタンクとイ
ンクの屈折率の差によって生じるインクタンク内部の壁
面の反射率の変化、および前記インク吸収体による光の
散乱により、前記受光素子による受光量が所定の値より
大きくなったとき、インクタンク内のインク残量が低下
したことを検出するようにしてもよい。
【0031】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
のインクジェット記録装置において、前記キャリッジ
は、前記センサの発光素子から照射された光を反射する
反射部を有していてもよい。
【0032】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
のインクジェット記録装置において、前記レバーは、被
記録媒体が薄い紙である場合に対応したポジションと、
被記録媒体が厚紙である場合に対応したポジションと
に、前記キャリッジのポジションを切り換え可能であ
り、前記レバーによる前記キャリッジのポジションの切
り換えに応じて前記反射部と前記センサとの距離が変化
するようにしてもよい。
【0033】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4
のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、
前記インクタンクは、前記キャリッジ上に着脱自在に搭
載され、該キャリッジには、前記センサの発光素子から
照射された光を前記インクタンクの壁面にまで透過させ
る透過手段が設けられていてもよい。
【0034】請求項6記載の発明は、請求項5記載のイ
ンクジェット記録装置において、前記透過手段は前記キ
ャリッジの底面に設けられた穴であってもよい。
【0035】
【基本構成例】以下、図面を参照して本発明の前提とな
る基本構成例を詳細に説明する。
【0036】(第1基本構成例)図4は、前述の特開平
6−40043号に提案されたインクタンクおよびイン
クジェット記録装置に、本発明の前提となる基本構成例
が適用された構成の概略斜視図である。
【0037】図4において、8は各種構成部品が取付け
られたシャーシである。また、9は当該装置の長手方向
に設けられ、記録紙(不図示)を搬送するための紙送り
ローラであり、10は紙送りローラ9と並列に設けら
れ、上記記録紙を紙送りローラ9に押圧するためのピン
チローラである。2は、紙送りローラ9に対向し、かつ
平行に設けられたガイドシャフト、11はガイドシャフ
ト2に対向し、かつ平行に設けられた磁気式リニアエン
コーダのスケール部である。
【0038】また、1はガイドシャフト2に沿って移動
するキャリッジである。12はインクジェットヘッド
(不図示)をキャリッジ1に固定するためのヘッドカバ
ー、13はフレキシブル基板であり、これにより装置制
御部からキャリッジ1に搭載されるインクジェットヘッ
ドに記録データ信号を送り、またキャリッジ1に設けら
れた磁気式リニアエンコーダのセンサ(不図示)からの
出力信号を装置制御部へ送ることができる。
【0039】3はガイドシャフト2と平行に設けられ、
ガイドシャフト2を中心に回動可能に設けられているキ
ャリッジ1の姿勢を維持するサポートシャフトであり、
14はキャリッジ1をガイドシャフト2に沿って走査さ
せるためのキャリッジモータ、15はキャリッジモータ
14の駆動力をキャリッジ1に伝達するためのタイミン
グベルトである。尚、16はキャリッジ1の走査におけ
る基準位置を設定するためにキャリッジ1の走査領域内
に設けられた透過型フォトインタラプタである。
【0040】17はインクジェットヘッドの吐出不良を
防止またはそれらの回復動作に用いられる吸引キャップ
であり、18はインクジェットヘッドが待機中に、イン
クジェットヘッドの吐出口(以下、ノズルともいう)内
の乾燥を防ぐための保護キャップである。5は前記キャ
リッジ1上に設けられ、前記記録紙の厚さに応じて前記
記録紙とインクジェットヘッドとのクリアランスを切換
えるための紙ポジション切換えレバー、6は前記キャリ
ッジ1のホームポジション近傍に設けられたインクセン
サとしての反射型フォトインタラプタ、19は前記イン
クジェットヘッドのノズル部の目詰りを防止するため、
記録に先立って予備吐出を行う際にインク滴を受けとめ
るための予備吐出孔である。
【0041】図1は、キャリッジ1の側面図、図2は図
1においてインクタンクを装着した状態を示す図、ま
た、図3は図1に示すキャリッジを図1の矢印Aの方向
から見た状態を示す図である。
【0042】図1、図2および図3を用いて本図を用い
てキャリッジ1とフォトインタラプタ6の位置関係およ
びフォトインタラプタ6による検出の原理を説明する。
【0043】図1、図2および図3において、1bはキ
ャリッジ1の底部に設けられ、前記フォトインタラプタ
6からの光を透過させるための穴である。
【0044】図2において、21はその先端のノズル2
2からインクを吐出して記録を行うための記録ヘッドで
ある。7は前記キャリッジ1上に搭載されたインクタン
ク、7aはインクタンク内に設けられた負圧発生部材と
しての吸収体、7bはインクタンク内の吸収体とインク
タンクの外壁7eとの境界部、7cはインクタンク内で
インクを他の部材と混入せずにそのままの状態(以下、
生インクともいう)で収納するインク収納部(以下、生
インク収納部ともいう)、7dはインクタンク内の生イ
ンクとインクタンク外壁7eとの境界部である。インク
タンク7の材質は透明プラスチック等のフォトインタラ
プタ6の検出光に対して透過性のものである。また24
は記録ヘッド21へインクを供給するための供給口、2
8はインクの消費に伴う気液交換を行うための大気連通
口である。
【0045】ヘッド21とインクタンク7は一体となっ
てキャリッジ1に搭載され、シャフト2、3をスライド
して本図面垂直方向に走査される。
【0046】図5はフォトインタラプタ6の装着された
基板の平面図であり、6cは発光部、6dは受光部を示
す。また、図1において、6aは発光部6cにより発せ
られた光を示し、6bが反射して戻ってくる光路(以
下、戻り光路ともいう)を示しており、図5に示す受光
部6dにより受光される。この光路は図1の様に図1の
紙面内を反射面としても良いし、図1の紙面の垂直面を
反射面としても良い。但し、前述の紙ポジション切換え
レバー5の操作によってキャリッジ1の姿勢が大きく変
わる場合は、図1の紙面垂直方向を反射面とする方が、
姿勢差の影響を受けにくくなる。また図1ではこの光路
は図面を煩雑にしないために単なる直線で描かれている
が、実際はある程度ひろがりをもった光束である。
【0047】フォトインタラプタ6はインクタンク7内
の吸収体7aのやや生インク収納部7c寄りに検出光を
照射するように設置されている。この位置は後述するよ
うに検知する時点での記録可能残枚数に影響する。ま
た、フォトインタラプタ6の高さ方向の位置に関して
は、フォトインタラプタ6の焦点位置近傍にインクタン
ク7の壁面と吸収体7aの境界7bがくるように配置す
るのが望ましい。フォトインタラプタ6の焦点位置から
外れてくると、検出光のひろがりが大きくなり、キャリ
ッジ1の穴1bの縁部等で反射・散乱される光のため検
出のS/Nを下げてしまうことになる。
【0048】本基本構成例では、図4に示すように複数
の異なる色のインクを吐出可能に構成したカラーインク
ジェット記録装置を例に説明する。複数のそれぞれ異な
る色のインクは、それぞれ対応するインクタンクに収容
されてキャリッジ上に搭載される。従って、吸収体7a
に吸収されているインクはカラープリンターで通常使用
される黒、シアン、マゼンタ、イエローの4色のいずれ
かである。インクは吸収体7aより供給口24、記録ヘ
ッド21内の流路30を順次流れた後、吐出手段として
ノズル22に設けられる発熱手段(以下、ヒーターとも
いう)31により熱エネルギーを付与され、急激な熱エ
ネルギーの付与によりインクが発泡してノズル22の先
端の吐出口から吐出する。このようにして吐出されたイ
ンクが紙などの媒体に付着することによって記録が行わ
れる。
【0049】フォトインタラプタ6は、前述の如く、光
源の発光素子6cであるLEDと受光素子6dが一体と
なったものである。このLEDは前記の4色のインクの
いずれにも透過性を有する赤外光のもので、受光素子6
dもLEDの波長に対して十分な感度を有するものであ
る。
【0050】フォトインタラプタ6はキャリッジ1とは
別体に設置され、キャリッジ1に開けられた穴1bと透
明なインクタンク7の壁7eを通して吸収体7aの底面
に赤外光を照射し、反射してきた光を受光素子6dによ
り検出する。このように検出系であるフォトインタラプ
タ6をキャリッジから離して別体に設置することは、記
録装置本体から可動部分であるキャリッジへの給電線や
信号線などがその分不要になり、構成の簡潔化を達成し
て低廉化を図ることができる。
【0051】図6はインクタンク7にインクが十分にあ
るときの吸収体7aの下面のフォトインタラプタ6が光
照射している近傍の拡大図、図7は同じ位置でインクが
無くなったときの拡大図である。また図8は残インク量
に応じたフォトインタラプタ6の受光部6dの出力変化
を示すグラフである。
【0052】次に本発明によるインク残量検出の原理を
説明する。
【0053】一般に異なる屈折率どうしの媒質1、2の
境界面における光の振幅反射率を示すフレネルの公式
は、
【0054】
【数1】
【0055】本基本構成例においては、フォトインタラ
プタ6の発光部6cからの光は、インクタンク7に垂直
に近い角度で入射しているとするとcosθ=1とみな
すことができ、上記の振幅反射率に代えてエネルギー反
射率で記述するために二乗すると、
【0056】
【数2】
【0057】となる。
【0058】まず、インクタンク7にインクが十分にあ
るとき図6のようにインクタンク7の壁面7eと吸収体
7aの隙間はインクで充填されている。インクタンク7
と吸収体7aはプラスチックで屈折率は約1.5、イン
クは屈折率約1.4なのでインクタンク7の内壁7eや
吸収体7aの表面での反射率は上式から約0.1%しか
ない。
【0059】次にインク消費に伴って、図2における大
気連通口28を通じて、図7のようにインクタンク7の
壁面7eと吸収体7aの隙間には空気がはいりこんでく
る。インクが無くなった状態でのタンク内壁7eや吸収
体7a表面での反射率は約4%ある。すなわちインクが
無くなると反射光量は約40倍に増大する。(但し実際
はインクタンク7の外側底面からの反射光など境界部7
cの反射光以外の光や電気ノイズの影響でそこまでの出
力差としては検出されない。)ここで、フォトインタラ
プタ6でインクタンク7と生インク収納部7cとの境界
部7dにおいて検出を行っても反射率の差は生ずるが、
その場合と比べてみると反射要素の数として以下の様な
差がある。
【0060】
【表1】
【0061】このように吸収体部で検出を行った方が反
射要素の数が3倍も多く、それだけ反射光量自体が大き
くなり、前述のようなノイズに強い検出ができる。
【0062】また図7に示すように、吸収体7aとイン
クタンク7との間に入り込んだ空気は吸収体7aを通過
するうち微細な多数の気泡となって存在することが多
く、これらの光散乱効果も加わって反射光量はさらに増
加する。
【0063】これらの反射率は上述のようにcosθ=
1の場合の値であるが、それ以外の場合でもインク有る
場合と無い場合では同様にかなりの反射率差がある。い
ずれの場合も反射率差に応じてフォトインタラプタ6の
受光部6dに大きな出力差が生じるので、この出力差に
よってインクタンク7内のインクの有無を検知すること
ができる。
【0064】実際には、フォトインタラプタ6が光を照
射している領域はその焦点位置においても点では無く、
ある所定の大きさをもっており、その領域からインクが
徐々に抜けていくにつれてフォトインタラプタ6の出力
は連続的に変化していくことになる。
【0065】図8において横軸はインクがなくなって不
吐になるまでの記録可能残枚数、縦軸はフォトインタラ
プタ6の出力である。この出力変化カーブに基き、所定
のしきい値レベルを越えたとき(図8においては残り約
15枚記録可能な残量をしきい値としている)に、イン
クタンク7内のインク量が残り少なくなったと判断す
る。そして、インクジェット記録装置本体の表示パネル
上で警告表示用LED等を点灯させることによりインク
残量が少なくなったということをユーザーに知らせるこ
とができる。
【0066】インク残量が低下してことを表示させると
きの残枚数は、しきい値レベルを変更することで、増減
できる。ただし、図8からわかるように出力が立ち上が
るときの枚数(図8においては残り約30枚)以前で表
示させることは困難である。これに対しては、フォトイ
ンタラプタ6が検出を行う位置を変えることによって出
力が立ち上がるときの記録可能枚数を変更することがで
きる。このようにして、所望の残枚数で警告を発するこ
とができる。
【0067】あるいは、確実に記録不良を出さないよう
にするためには、警告を行う代わりに、または警告と同
時に記録動作を停止させても良い。この場合は一旦停止
してしまうことで、より強い警告になるという効果があ
る。
【0068】以上詳述したように、本基本構成例によれ
ば、負圧発生部材として吸収体7aを配置したインクタ
ンク7に対して、発光部6cより発せられた光の反射光
を受光部6dにより検出し、その出力レベルにより、イ
ンクタンク7内のインクの残量が所定量より少なくなっ
たことを検出することができる。
【0069】このとき、吸収体7aはインクタンク7か
ら供給されるインクの負圧をコントロールする負圧コン
トロール部材としての働きと、発光部6cにより発せら
れた光の反射光量をコントロールする反射コントロール
部材としての働きをし、吸収体7aが配置されたインク
タンク7内のインクの残量の低下を正確に検出すること
ができる。
【0070】また、本基本構成例は前述のようにカラー
プリンタに適用していてインクタンク7がカラーの4色
に対応して4個横並びになっている。従って、キャリッ
ジ1を移動することによって各色のインクタンクを順次
フォトインタラプタ6に対向させ、それぞれのインクタ
ンクインク残量の検知を行う。各色における出力変化を
個別に追跡する必要があるので、それに対応するメモリ
手段を持つ。この場合インク残量が少なくなったという
表示は4色個別に行うのが望ましいが、インクジェット
記録装置本体の表示パネルが煩雑になる等の理由で簡易
的にどれか1色が少なくなったというのみの表示を行う
場合もある。
【0071】以上のような構成によれば、カラーインク
ジェット記録装置のインク吸収体を内蔵したインクタン
クに対して、1つの検出系で4色のインクタンクそれぞ
れのインク残量が精度良く検出できる。
【0072】本基本構成例ではインクタンク7の底面か
ら検出を行っている。しかしながら、本発明はインクタ
ンク7の底面から検出を行う構成に限らず、側面や上面
から検出を行ってもかまわない。
【0073】しかし、以下の理由から、インクタンク7
の底面から検出を行う方が望ましい。
【0074】吸収体7aは通常その密度の分布が均一で
は無く、インクが無くなっていくときにスポット的にイ
ンクが抜けていく。したがって、周囲にまだインクが残
っていてもフォトインタラプタ6がたまたま検知してい
るところだけが先にインクが無くなったり、その逆のこ
とがあったりして同一出力レベルでもその時点での残記
録可能枚数にばらつきが生じ、最悪の場合、警告がされ
ないままインクが無くなってしまうということもあり得
る。
【0075】ところがインクタンク7の底面は重力の作
用でインクがたまりやすくなっているので、吸収体7a
の密度の分布の影響は軽減される。したがって、インク
タンク7の底面からの検出を行うことによって、精度の
高いインク残量検出が可能になる。
【0076】(第2基本構成例)前述の如く、第1基本
構成例で示した構成においては、吸収体7aの密度の不
均一性により正確な検知が行うことが困難となる場合が
ある。第1の基本構成例で述べた吸収体7aの密度の不
均一性への別な対処を行った例を本発明の第2の基本構
成例として図9に示す。
【0077】図9において、図6と同様の構成について
は同じ符号を付している。6′は第2のインクセンサと
して配置されるフォトインタラプタであり、フォトイン
タラプタ6と同じものである。本基本構成例において、
フォトインタラプタ6を説明の便宜上第1のフォトイン
タラプタともいうこととする。
【0078】第1の基本構成例ではフォトインタラプタ
6の出力のみからインク残量を判断していたが、本基本
構成例では第1のフォトインタラプタ6と第2のフォト
インタラプタ6′の出力の平均値を用いてインク残量が
低下したことを検知する。この平均値は単純平均でも重
み付け平均でも構わない。本基本構成例では第2のフォ
トインタラプタ6′の方が第1のフォトインタラプタ6
よりも供給口24に近いので、記録可能残枚数がより少
なくなってから出力変化が起きる。したがって、検知し
たい残枚数によって、どちらをより重み付けするかが決
まる。
【0079】このように複数点にインクの残量検出用の
センサを設け、複数の検出点の計測値の平均値を用いる
ことによって、吸収体7aの密度が不均一であってもそ
の影響が軽減でき、高精度の残量検出を行うことができ
る。
【0080】同じく吸収体7aの密度の不均一性の影響
による検出値のばらつきを低減する手段としては、図6
において説明したフォトインタラプタ6を移動可能と
し、インクタンク7の複数点においてインクの残量の検
出を行うという方法も考えられる。
【0081】また、フォトインタラプタ6を移動可能に
構成する例に限らず、フォトインタラプタ6は固定した
状態で、キャリッジ1を移動させながら複数点を計測し
ても構わない。ただしこの場合はインクタンク7がキャ
リッジ1の移動方向にある程度の厚みを持っていないと
検出点を増やすことにより達成される効果が少ない。
【0082】本基本構成例においては、フォトインタラ
プタ6とキャリッジ1とを相対的に移動させながら複数
点でインクの残量検出を行うもので、複数の検出点の計
測値の平均値を用いることによって、前述の如く吸収体
7aの密度が不均一であってもその影響が軽減でき、高
精度の残量検出を行うことができる。
【0083】(第3基本構成例)前述の第1基本構成例
においては、フォトインタラプタ6の出力が所定のしき
い値を越えた場合に警告や記録動作の停止を行ってい
る。
【0084】本基本構成例では、センサの出力がしきい
値を越えた場合に警告や記録動作の停止を行わず、その
代わりにフォトインタラプタ6の出力に対応した表示、
すなわちフォトインタラプタ6の出力に比例あるいは単
調変化する表示を行うものである。
【0085】図8から明らかなように、インクタンク7
内の残インク量が少なくなるとフォトインタラプタ6の
出力は連続的に変化していく。したがって、この出力変
化に対応した残量表示を行うことにより、記録可能残枚
数にほぼ対応した表示を連続的に行うことができる。こ
うすることによって、より詳細なインク残量情報をユー
ザーに与えることができる。
【0086】図10は、インクタンク7内のインクの残
量を表示パネルに表示する例を示している。表示パネル
内の表示は、図10に示すように記録可能残枚数に対応
して、デジタルメータのレベルが変化するものや、他に
記録可能残枚数を数字で表示するものであっても良い。
また、表示パネルとしては、液晶を用いたものをはじ
め、一般的に使用される表示機器を使用すればよい。
【0087】また視認される表示手段に限らず、音声に
よる記録可能残枚数の案内や、記録可能残枚数に応じて
ブザー音の長さ、回数を異ならせる方法によってもよ
い。
【0088】以上の構成により、フォトインタラプタ6
の出力に応じて詳細なインク残量情報をユーザに知らせ
ることが可能となる。本基本構成例によれば、ユーザは
インクタンク7内のインク残量が低下したとき詳細なイ
ンク残量を知ることが可能となり、インクタンクの交換
等のメンテナンスを適切な時期に行うことができる。
【0089】(第4の基本構成例)前述の第1基本構成
例において、インクタンク7は吸収体部7aと生インク
収納部7cとを合わせ持つものであったが、本発明はこ
の構成に限らず、図11に示すような構成のインクタン
クにも適用されるものである。
【0090】図11に示すインクタンクは、インクタン
ク7の内部全域にわたって吸収体7aを配置したもので
ある。
【0091】図11において、図2と同様に24は供給
口、28は大気連通口、6はフォトインタラプタとして
のフォトインタラプタである。フォトインタラプタ6
は、基本構成例1と同様に吸収体7aの底面の反射率変
化を検出する配置になっている。
【0092】(第5の基本構成例)本発明によればイン
クタンク7が無いときはフォトインタラプタ6の反射光
が無くなるので、前述のインクが十分ある時の出力レベ
ルよりもはるかに低いレベルの出力となる。
【0093】本基本構成例では、基本構成例1で示した
インク残量検出の構成を利用し、インクタンク7の有無
をフォトインタラプタ6により行うものである。
【0094】フォトインタラプタ6を用い、インクタン
ク7が搭載されているときと搭載されていないときとの
検出レベル差からインクタンク7の有無をも検出するこ
とができる。
【0095】また、本基本構成例ではカラープリンター
の場合の各色のインクタンクの有無を個別に検出するこ
とができ、インクタンクが搭載されていないときに記録
を行うことが無くなる。
【0096】従って、上述の構成によれば、インクタン
クの有無を検出するための特別な構成を設けることなく
インクタンクの有無が検出でき、コストを高くすること
なく簡単な構成でインクタンクのインク残量検出および
インクタンクの有無の検出を行うことができる。
【0097】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0098】本発明は、先に説明した各基本構成例をベ
ースとしてなされたもので、その特徴は上記フォトイン
タラプタ6をヘッド紙間センサとして用いる点にある。
【0099】すなわち、本実施例では、図1におけるキ
ャリッジ1の底部にフォトインタラプタ6からの光を反
射させる反射部1aを設けている。図1に示す紙ポジシ
ョン切り換えレバー5の状態は薄紙用のポジションを示
している。ここで、厚紙を被記録媒体として使用する場
合について、以下簡単に説明する。
【0100】まず、キャリッジ1に設けられた紙ポジシ
ョン切り換えレバー5を軸5aを中心に図1中の矢印X
方向に回動させると、切り換えレバー5の底面部5bが
キャリッジ支持板4の上面4aを摺動する。軸5aから
の切り換えレバー5の底面部5bの距離の違いによりキ
ャリッジ支持板4は図1中の矢印B方向に押し下げら
れ、これに伴い切り換えレバー5を含むキャリッジ1が
サポートシャフト3に対して相対的に押し上げられる。
この押し上げにより、キャリッジ1上に搭載された図1
には図示しないヘッドと、被記録媒体としての紙との距
離が薄紙ポジションのときよりも長くなる。この厚紙ポ
ジションは、通常の紙よりも厚手のものや厚手の特殊フ
ィルムに画像を形成する場合に選択されるポジションで
ある。
【0101】厚紙ポジションと薄紙ポジションとでは、
フォトインタラプタ6の出力が異なってくる。図12
は、フォトインタラプタの出力電圧とフォトインタラプ
タ−対象物間距離との関係を示す特性図である。図12
から、薄紙ポジションでは出力電圧が大きく、厚紙ポジ
ションでは出力電圧が小さいという出力対距離特性が明
らかである。
【0102】しかし、このような出力対距離特性を示す
フォトインタラプタにはバラツキがある。このバラツキ
について図13を参照して説明する。フォトインタラプ
タAおよびBを用意した場合、まずAの特性(実線で示
す)に合わせて薄紙・厚紙判定の閾値を求めると、出力
はXとなる。しかし、Bの特性(破線で示す)では、薄
紙ポジションでの出力電圧でもXより低いので、厚紙と
見なされる。また、Bの閾値をYにする必要がある。従
って、フォトインタラプタの特性に応じて閾値を設定す
る必要がある。
【0103】そこで、本実施例では、キャッピング位置
で停止している際にキャリッジ1の反射部1aと対向す
る位置にフォトインタラプタ6を配置しておき、このキ
ャッピング位置において反射光を検出し、感度キャリブ
レーションを行う。これによりフォトインタラプタ6の
出力を一定にすることができる。
【0104】次に、本実施例におけるフォトインタラプ
タの距離特性キャリブレーションおよび感度キャリブレ
ーションのシーケンスを図14を参照して説明する。
【0105】まず、キャリッジ1をキャッピング位置に
停止させ、図1に示した紙ポジション切り換えレバー5
を薄紙ポジションにしてから、フォトインタラプタ6の
距離特性キャリブレーションを行う(S1)。
【0106】次に、S1と同様に、キャッピング位置に
おいて、フォトインタラプタ6のの感度キャリブレーシ
ョンを行う(S2)。
【0107】ここで、キャッピングを解除し(S3)、
明電圧Vonを測定し、Voffとの差から、薄紙ポジ
ションでの出力電圧Vdを算出する(S4)。
【0108】次に、薄紙ポジションでの出力電圧Vdが
Vd1<Vd<Vd2を満たせば(S5)、S6におい
て切り換えレバー5を厚紙ポジションにしてから次にス
イッチが押されるまで待機する。上記不等式を満たさな
ければ感度調整範囲外としてS1に戻る。この感度調整
範囲外にはキャリッジ反射率誤差、傾き等が含まれる。
なお、本実施例では、上記Vd1を1.7Vとし、Vd
2を3.2Vとした。
【0109】次に、S6においてスイッチが押されたな
ら、明電圧Vonを測定し、Voffとの差から、厚紙
ポジションでの出力電圧Vuを算出する(S7)。
【0110】次に、厚紙ポジションでの出力電圧Vuが
Vu1<Vu<Vu2を満たせば(S8)、リニアリテ
ィの判定へ進む(S9)。上記不等式を満たさなけれ
ば、感度調整範囲外としてS1に戻る。リニアリティ
(Vu−Vcal)が
【0111】
【数3】(Vd−Vcal)A<(Vu−Vcal)<
(Vd−Vcal)B を満たさなければ、リニアリティエラーとしてS1に戻
る。ここで、本実施例ではAを0.25とし、Bを0.
55とした。
【0112】リニアリティ(Vu−Vcal)が上記不
等式を満たせば、紙間閾値Vth1を式Vth1=(V
d+Vu)/2で計算し、この計算値を記憶する。な
お、本実施例では、Vth1は2.2Vであった。
【0113】一連のシーケンスを終えてS1に戻る。
【0114】以上説明したように、本実施例では、イン
ク残量を検知するためのフォトインタラプタ6をヘッド
紙間センサとしても用いているので、コストダウンおよ
び省スペースを図ることができる。
【0115】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記
録を行うインクジェット方式の記録ヘッドを用いた記録
装置において優れた効果をもたらすものである。
【0116】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一体一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成出来るので有効である。この気泡の成
長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書、同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、更に優れた記録を行うことが出
来る。
【0117】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書、米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0118】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0119】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0120】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0121】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、記録色や濃度を異にする複数のインク
に対応して2個以上の個数設けられるものであってもよ
い。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるかい
ずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色に
よるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備え
た装置にも本発明は極めて有効である。
【0122】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0123】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インクタンクの壁面の一部を通して該壁面とインク吸収
体との境界部の光反射率変化を検出する手段を具備し、
その部分にインクが有るときと無いときの反射率差から
インクの残量検知を行うことによって、吸収体を内蔵す
るインクタンクにおいても、高精度でかつ所望のインク
残量で表示するインク残量検知機能を実現することがで
きると共に、上記光反射率変化検出手段によりヘッド−
紙間距離を検出することができる。従って、検出手段を
兼ねることにより、コストダウンおよび省スペース化を
図ることができる。また、双方向走査のレジ合わせ(吐
出タイミング)をソフトウエア的に調整することも可能
である。さらに、同様の構成でインクタンクの有無をも
検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前提となる一基本構成例のキャリッジ
側面図である。
【図2】本発明の前提となる一基本構成例のタンク装着
状態を示すキャリッジ側面図である。
【図3】本発明の前提となる一基本構成例のキャリッジ
を底部側から見た概略図である。
【図4】本発明の前提となる一基本構成例の装置全体概
略図である。
【図5】本発明の前提となる一基本構成例で用いるイン
クセンサの構成を示す図である。
【図6】本発明のインク残量検出の原理を説明する図で
ある。
【図7】本発明のインク残量検出の原理を説明する図で
ある。
【図8】本発明の前提となる一基本構成例のフォトイン
タラプタの出力を説明する図である。
【図9】本発明の前提となる一基本構成例のインクセン
サの構成を示す図である。
【図10】本発明の前提となる一基本構成例のインク残
量検出結果の表示を示す図である。
【図11】本発明の前提となる一基本構成例におけるキ
ャリッジおよびインクセンサの構成を示す図である。
【図12】本発明に用いられるフォトインタラプタの出
力対距離特性を示す図である。
【図13】本発明に用いられるフォトインタラプタにつ
いて出力対距離特性キャリブレーションの必要性を説明
するための図である。
【図14】本発明に用いられるフォトインタラプタにつ
いてのキャリブレーションシーケンスを示す図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ 6 フォトインタラプタ 7 インクタンク 7a 吸収体 21 記録ヘッド
フロントページの続き (72)発明者 乾 利治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 植月 雅哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 三上 文之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 宇野沢 保弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 鳥越 真 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−115756(JP,A) 特開 昭64−75248(JP,A) 特開 平2−217278(JP,A) 特開 平5−155009(JP,A) 特開 平4−163176(JP,A) 実開 平4−38435(JP,U) 特表 平1−501779(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41J 2/04 - 2/055 B41J 2/175 B41J 25/304 - 25/316

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを収容するためのインク吸収体を
    内蔵したインクタンクとインクを吐出するためのノズル
    を備えたインクジェットヘッドとを搭載可能なキャリッ
    ジと、前記キャリッジを走査する走査手段とを有し、前
    記インクタンクによって供給されるインクを前記インク
    ジェットヘッドのノズルから被記録媒体に吐出して記録
    を行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドと前記被記録媒体との距離の方向におけ
    る前記キャリッジのポジションを変更するための、前記
    キャリッジ上に設けられるレバーと、 装置本体の、前記キャリッジに装着される複数のインク
    タンクの前記インク吸収体に対応した位置に設けられ、
    インクタンクの前記インク吸収体の位置に対して光を照
    射する発光素子と、光を検知する受光素子とからなるセ
    ンサと、 前記センサをインクタンクの前記インク吸収体の位置に
    対応させた状態における、前記発光素子により照射した
    光の、前記インクタンク内部の 壁面と前記インク吸収体
    との境界部における反射光を含む光を前記受光素子によ
    り検知した結果に基づいて、インクタンク内のインク残
    量の低下を検出する検出手段と、 前記センサにより、前記記録ヘッドと前記被記録媒体と
    の距離の方向における前記キャリッジのポジションを検
    出するポジション検出手段と、 を有する ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記インク残量の低下を検出する検出手
    段は、インクタンクとインクの屈折率の差によって生じ
    るインクタンク内部の壁面の反射率の変化、および前記
    インク吸収体による光の散乱により、前記受光素子によ
    る受光量が所定の値より大きくなったとき、インクタン
    ク内のインク残量が低下したことを検出することを特徴
    とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記キャリッジは、前記センサの発光素
    子から照射された光を反射する反射部を有することを特
    徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記レバーは、被記録媒体が薄い紙であ
    る場合に対応したポジションと、被記録媒体が厚紙であ
    る場合に対応したポジションとに、前記キャリッジのポ
    ジションを切り換え可能であり、前記レバーによる前記
    キャリッジの ポジションの切り換えに応じて前記反射部
    と前記センサとの距離が変化することを特徴とする請求
    項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記インクタンクは、前記キャリッジ上
    に着脱自在に搭載され、該キャリッジには、前記センサ
    の発光素子から照射された光を前記インクタンクの壁面
    にまで透過させる透過手段が設けられていることを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  6. 【請求項6】 前記透過手段は、前記キャリッジの底面
    に設けられた穴であることを特徴とする請求項5に記載
    インクジェット記録装置。
JP24985094A 1994-10-14 1994-10-14 インクジェット記録装置 Expired - Fee Related JP3264592B2 (ja)

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