JPH08113680A - 樹脂組成物及び該組成物を用いた成形体 - Google Patents

樹脂組成物及び該組成物を用いた成形体

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JPH08113680A
JPH08113680A JP24968794A JP24968794A JPH08113680A JP H08113680 A JPH08113680 A JP H08113680A JP 24968794 A JP24968794 A JP 24968794A JP 24968794 A JP24968794 A JP 24968794A JP H08113680 A JPH08113680 A JP H08113680A
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JP
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ethylene
copolymer
weight
resin composition
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JP24968794A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Mikawa
泰広 三河
Hirotaka Takoshi
宏孝 田越
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)ラジカル重合性酸無水物基の成分濃度
が0.1〜10重量%であるエチレン系共重合体、
(b)不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンに、一般式
2 N−R−OH にて表されるアミノアルコールを
反応させて得られる変性ポリオレフィン及び(c)反応
促進剤を含有し、成分(a)であるエチレン系共重合体
100重量部に対し、成分(b)である変性ポリオレフ
ィンが0.1〜30重量部の範囲であり、かつ成分
(c)の反応促進剤が成分(a)100重量部に対して
0.001〜20重量部の範囲であることを特徴とする
樹脂組成物及び該組成物を溶融成形し、その冷却過程に
おいて架橋構造を形成させた熱可逆架橋性成形体。 【効果】 本発明の樹脂組成物は、製造が容易で、かつ
安価であるとともに、熱安定性に優れ、長時間の連続溶
融成形が可能であり、外観に優れ、機械的強度、耐熱性
などの諸物性が著しく改善された成形体が得られる。ま
た、本発明の樹脂組成物は、成形時の発煙性が極めて少
ないため、作業環境性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフィルム等の成形加工時
において、発煙の極めて少ない架橋性樹脂組成物及び該
樹脂組成物を用いた熱可逆架橋性成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂の実用物性を改良することを目的と
して、樹脂中に架橋構造を導入する事により樹脂の凝集
力を上げ、耐熱性や強度等の物性を向上することが一般
によく行なわれている。しかし、架橋構造が導入された
樹脂はゲル化しやすく成形性の点で問題を有していた。
そのため、これまでは架橋工程は成形が終わった後に行
われていた。具体的な方法としては放射線を照射した
り、または空気中の水分を利用した反応の応用等であ
る。しかし、これらの方法では、成形直後は架橋してい
ない事やコストの面で問題があった。更に、成形品およ
びバリのリサイクルが求められる状況では、一旦架橋構
造が導入された後の樹脂はリサイクルは極めて困難とな
り、問題とされていた。
【0003】これらの問題を解決するために、これまで
様々な方法が提案されている。それらの多くは成形時に
は架橋は解離しており、冷却固化時に架橋が行なわれる
というような樹脂である。例えば、米国特許32642
72号公報、同3267083号公報、同378903
5号公報、及び同3997487号公報に記載のよう
に、樹脂中にカルボン酸を導入しこれを金属塩とするこ
とで、樹脂を疑似架橋させたもの。また、米国特許33
28367号公報、同3471460号公報に記載のよ
うに樹脂中にカルボン酸を導入し、これを有機ジアミン
との塩を形成することで樹脂を疑似架橋させるものが提
案されている。さらにディールスアルダー反応を利用し
たもの(ジェー.ピー.ケネディー,ケー.エフ.キャ
スナー,ジャーナル オブ ポリマーサイエンス ポリ
マー ケミストリー エディション,17巻,P205
5(1979年)および、ジェー.ピー.ケネディー,
ジー.エム.カールソン,同誌,21巻,P2973
(1983年))や、ニトロソ基の反応を利用したもの
(米国特許3872057号公報)が提案されている。
【0004】さらには、酸無水物基とアルコール或はア
ミンとの反応を利用したもの(米国特許3299184
号公報,同3678016号公報,ジェー.シー.デク
ロイら,ジャーナル オブ ポリマー サイエンス ポ
リマー シンポジウム,52巻,P299(1975
年))や、水酸基含有樹脂とジエステルのエステル交換
反応を利用したもの(ディー.エス.キャンベル,ケミ
ストリー アンド インダストリー(ロンドン),7
巻,P279(1974年))等が提案されている。
【0005】しかし、疑似架橋の系は樹脂の温度が上昇
した場合はすぐに架橋が解離してしまい耐熱性の点で不
十分であり、またディールスアルダー反応を利用した系
は実際には製造が困難である上に、高温下でも完全に架
橋が解離せず成形性に問題がある。また酸無水物とアル
コールあるいはアミンとの反応やエステル交換反応を利
用した系は、以上述べてきた中でも最も実用の可能性の
ある系ではあるが、冷却固化時に架橋の進行が遅かった
り、該架橋・解離の反応を制御出来なくなったりする他
に、比較的高温での成形が必要なために熱安定性が不足
しゲル、ブツが発生するという致命的な欠点があるため
に実用には向かなかった。また、既に報告されている技
術において架橋剤に用いられている化合物は低分子量の
ものがほとんどで、そのような低分子量の架橋剤を用い
た場合、実際に成形する際、特に広幅のフィルム等の成
形においては著しい発煙を生じ、作業環境等の点から大
きな問題となることがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題点を解消し、フィルム等の成形加工時において
も発煙が極めて少なく、且つ加工温度において架橋構造
を形成せず、熱安定性に優れ、長時間安定的に連続溶融
成形可能で、その上成形後冷却固化過程に於いて急速に
架橋構造を形成することができ、再び成形温度に加熱す
れば架橋が完全に解離しうる、熱可逆架橋性樹脂組成物
及びこれを用いた成形体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、特定のエチレ
ン系共重合体と特定の変性ポリオレフィンからなる組成
物に反応促進剤を配合することによって上記課題を達成
したものである。すなわち、本発明は、(a)エチレン
と少なくともラジカル重合性酸無水物とを構成モノマ−
として含む共重合体であり、その共重合体中のラジカル
重合性酸無水物基の成分濃度が0.1〜10重量%であ
るエチレン系共重合体、(b)不飽和カルボン酸変性ポ
リオレフィンに下記一般式(1) H2 N−R−OH …………… (1) (式中、Rは水素、炭素原子数1〜18個の鎖状あるい
は環状アルキレン基、アリーレン基またはアラルキレン
基を表す。)で示されるアミノアルコールを反応させて
得られる変性ポリオレフィン及び(c)反応促進剤を含
有し、成分(a)であるエチレン系共重合体100重量
部に対し、成分(b)である変性ポリオレフィンが0.
1〜30重量部の範囲であり、且つ成分(c)である反
応促進剤が成分(a)であるエチレン系共重合体100
重量部に対して0.001〜20重量部の範囲であるこ
とを特徴とする樹脂組成物を提供するとともに、該樹脂
組成物を溶融成形し、その冷却過程において架橋構造を
形成させたことを特徴とする熱可逆架橋性成形体を提供
するものである。
【0008】次に、本発明の樹脂組成物の各成分につい
て説明する。まず、成分(a)であるエチレン系共重合
体は、エチレンとラジカル重合性酸無水物からなる二元
共重合体又はエチレン,ラジカル重合性酸無水物及び他
のラジカル重合性コモノマー(以下第3モノマーと言
う)からなる多元共重合体である。これらのエチレン系
共重合体を構成するラジカル重合性酸無水物としては、
例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水エンデ
ィック酸、無水シトラコン酸、1−ブテン−3,4−ジ
カルボン酸無水物、炭素数が多くとも18である末端に
二重結合を有するアルケニル無水コハク酸、炭素数が多
くとも18である末端に二重結合を有するアルカジエニ
ル無水コハク酸等を挙げることができる。これらは単独
で又は2種類以上同時に併用しても差し支えない。これ
らのうち、無水マレイン酸及び無水イタコン酸が好適に
用いられる。
【0009】成分(a)であるエチレン系共重合体中の
ラジカル重合性酸無水物基の成分濃度は0.1〜10重
量%の範囲であることが必要であり、好ましくは0.5
〜6重量%の範囲である。該酸無水物に由来する単位が
0.1重量%よりも少なくなると、本発明の目的である
架橋密度が不十分となるため好ましくない。また、10
重量%を越えると、エチレン系共重合体に期待する、ポ
リエチレン系樹脂が本来有する柔軟性、耐吸湿性等の性
質を損なうため好ましくない。
【0010】前記ラジカル重合性酸無水物と併用するこ
とができる第3コモノマーとしては、エチレン系不飽和
エステル化合物、エチレン系不飽和アミド化合物、エチ
レン系不飽和酸化合物、エチレン系不飽和エーテル化合
物、エチレン系不飽和炭化水素化合物等を挙げることが
できる。これらを具体的に記せば、エチレン系不飽和エ
ステル化合物としては、酢酸ビニル、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)ア
クリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ベンジ
ル、フマル酸メチル、フマル酸エチル、フマル酸プロピ
ル、フマル酸ブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエ
チル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、マレイ
ン酸メチル、マレイン酸エチル、マレイン酸プロピル、
マレイン酸ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジ
エチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル等
を例示する事ができる。
【0011】エチレン系不飽和アミド化合物としては、
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリル
アミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アク
リルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N
−オクチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)ア
クリルアミド等を例示することができる。
【0012】エチレン系不飽和カルボン酸化合物として
は(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等を例示
することができる。エチレン系不飽和エーテル化合物と
してはメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、
プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オク
タデシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等を
例示することができる。エチレン系不飽和炭化水素化合
物及びその他の化合物としてはスチレン、α−メチルス
チレン、ノルボルネン、ブタジエン、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクロレイン、クロトンアル
デヒド、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニ
ルシラン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等を挙げること
ができる。
【0013】上記の第3モノマーは、必要に応じて2種
類以上使用することもできる。第3モノマーを併用する
場合、本発明に用いる成分(a)のエチレン系共重合体
中の該第3モノマーの成分濃度は、40重量%以下であ
ることが好ましい。この濃度が40重量%を越えると、
成形性が大幅に低下し、本発明の目的に合致する組成物
が得られない。
【0014】さらに、本発明に用いるエチレン系共重合
体のMFR(JIS K−7210表1の条件4に従
う)は、0.1〜1000g/10分の範囲が好まし
い。この範囲外では本発明の目的に合致した組成物が得
られない。このようなエチレン系共重合体は、塊状、溶
液、懸濁、またはエマルジョン等の重合プロセスにより
製造されるが、基本的には通常の低密度ポリエチレンの
製造設備および技術を利用することができる。最も一般
的なのは塊状重合であり、700〜3000気圧の圧力
下で100〜300℃の温度範囲でラジカル重合するこ
とにより製造される。好ましい重合圧力、重合温度の範
囲としては1000〜2500気圧、反応器内の平均温
度が150〜270℃である。700気圧未満では、重
合体の分子量が低くなり、成形性、組成物の樹脂物性が
悪化するため好ましくない。3000気圧を超える圧力
は、実質的に無意味であり、製造コストを高めるため好
ましくない。平均重合温度が100℃未満では重合反応
が安定せず、共重合体への転化率が低下し、経済的に好
ましくない。また、300℃を超えると共重合体の分子
量が低下すると同時に暴走反応の危険性が生じるため好
ましくない。
【0015】製造装置としては、ベッセル型の反応器を
使用することが好ましい。特にラジカル重合性酸無水物
は、重合安定性に乏しいため、反応器内は高度に均一化
されている必要がある。また、必要に応じて、複数個の
反応器を直列または並列に接続し、多段重合を行なうこ
ともできる。さらに、反応器の内部を複数のゾーンに仕
切ることにより、より緻密な温度コントロールを行なう
こともできる。
【0016】次に成分(b)である変性ポリオレフィン
について具体的に説明する。本発明の組成物における成
分(b)の変性ポリオレフィンは、いわゆる架橋剤とし
ての作用を有しており、この変性ポリオレフィンは、不
飽和カルボン酸変性ポリオレフィンに、一般式 H2 N−R−OH (式中、Rは水素、炭素原子数1〜18個の鎖状あるい
は環状アルキレン基、アリーレン基またはアラルキレン
基を示す。)で表されるアミノアルコールを反応させた
ものである。
【0017】ここで使用される不飽和カルボン酸変性ポ
リオレフィンの不飽和カルボン酸として、具体的には、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、
ケイヒ酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマール酸等、
および無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコ
ン酸等の不飽和カルボン酸無水物が例示でき、さらにこ
れらの中では無水マレイン酸が好ましい。この不飽和カ
ルボン酸によるポリオレフィンの変性は有機過酸化物を
用いた方法で実施できる。用いられる不飽和カルボン酸
の量は、ポリオレフィンに対して、通常1.5〜30重
量%であり、好ましくは3〜10重量%である。有機過
酸化物としては、一般にラジカル重合において開始剤と
して用いられているものが使用でき、特にその種類は制
限されないが、具体的には、ジクミルパーオキサイド、
ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチル
パーオキシ)ヘキシン−3,1,3−ビス(tert−
ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビ
ス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t
ert−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパ
ーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、
2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、tert
−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパ
ーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオ
キサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチ
ルクミルパーオキサイド等を挙げることができる。これ
らの有機過酸化物のうち、半減期が一分となる温度が1
00℃以上のものが好ましい。
【0018】また、原料のポリオレフィンとしては、炭
素数2〜20のα−オレフィンの単独重合体または共重
合体が挙げられ、具体的には、以下のようなポリオレフ
ィン樹脂が用いられる。また、これらのパーオキサイド
処理品も含まれる。 1.ポリエチレン(低圧法、中低圧法、高圧法いずれで
も良い。)。 2.エチレンと15モル%以下の他のα−オレフィンま
たは酢酸ビニル、エチルアクリレートなどのビニルモノ
マーとの共重合体。 3.ポリプロピレン 4.プロピレンと15モル%以下の他のα−オレフィン
とのランダム共重合体。 5.プロピレンと30モル%以下の他のα−オレフィン
とのブロック共重合体。 6.1−ブテン単独重合体。 7.1−ブテンと10モル%以下の他のα−オレフィン
とのランダム共重合体。 8.4−メチル−1−ペンテン単独重合体。 9.4−メチル−1−ペンテンと、20モル%以下の他
のα−オレフィンとのランダム共重合体など。 上記のα−オレフィンを例示すると、エチレン、プロピ
レン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−オクテンなどが挙げられる。これらのうち
例示した1〜5までのポリオレフィン樹脂が好ましい。
また、数平均分子量は1000〜50000が好まし
く、さらに好ましくは2000〜20000のものが用
いられる。
【0019】この不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン
の製造方法としては溶液法、溶融法いずれの公知の方法
も用いることができる。溶液法では、ポリオレフィンと
不飽和カルボン酸を有機溶媒に溶解し、有機過酸化物を
添加して加熱することにより得ることができる。使用す
る有機溶媒としては、炭素数6〜12の炭化水素、また
は、炭素数6〜12のハロゲン化炭化水素などを用いる
ことができる。また、反応温度は使用するポリオレフィ
ンが溶解する温度が好ましい。溶融法ではポリオレフィ
ンと不飽和カルボン酸を有機過酸化物と混練し、溶融混
合して反応させることにより得ることができる。これ
は、押出機、ブラベンダー、ニーダー、インテンシブル
ミキサー、プラストミル等で行うことができ、混練温度
は使用するポリオレフィンの融点以上ないし300℃以
下の温度範囲が好ましい。
【0020】ついで、この不飽和カルボン酸変性ポリオ
レフィンに、一般式 H2 N−R−OH (式中、Rは水素、炭素原子数1〜18個の鎖状あるい
は環状アルキレン基、アリーレン基またはアラルキレン
基を示す。)にて表されるアミノアルコールを反応させ
ることにより、変性ポリオレフィンを得ることができ
る。アミノアルコールの具体例としては、2−アミノエ
タノール、3−アミノ−1−プロパノール、3−アミノ
−2−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、ア
ミノフェノール、アミノクレゾール、アミノベンジルア
ルコール、アミノフェニルエチルアルコール、アミノナ
フトール等が挙げられる。
【0021】成分(b)の変性ポリオレフィンは、成分
(a)のエチレン系共重合体中に含まれる不飽和カルボ
ン酸無水物に由来する単位に対して変性ポリオレフィン
に含まれる水酸基のモル比が0.01〜2となるような
範囲で使用されることが望ましい。従って、成分(b)
の変性ポリオレフィンの使用量を具体的に示せば、成分
(a)であるエチレン系共重合体100重量部に対し、
0.1〜30重量部の範囲であり、好ましくは1〜20
重量部の範囲である。この量が0.1重量部未満である
と、組成物に架橋構造を効果的な量で導入するには不十
分となり、30重量部を超えると、架橋構造を効果的に
導入する点において無意味であるだけでなく、本来エチ
レン系共重合体がもつ優れた物性を損なう恐れがあるた
め好ましくない。
【0022】次に、本発明の樹脂組成物における成分
(c)の反応促進剤とは、エチレン系共重合体中に含ま
れる不飽和カルボン酸無水物に由来する単位に含まれる
カルボニル基を活性化し、水酸基と酸無水物基との反応
を促進させる化合物である。このような反応促進剤とし
ては様々なものがあるが、その一例を挙げれば、有機カ
ルボン酸の金属塩が挙げられる。有機カルボン酸の金属
塩としては、炭素原子数1〜30の脂肪酸の金属塩、例
えば、酢酸、酪酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレ
イン酸、ベヘン酸等と周期律表のIA族、IIA族、IIB
族、 IIIB族の金属(例えばLi、Na、K、Mg、C
a、Zn、Al等)との塩が挙げられる。さらに具体例
を示せば、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸マグネ
シウム、酢酸アルミニウム、酪酸カリウム、酪酸カルシ
ウム、酪酸亜鉛、オクタン酸ナトリウム、オクタン酸カ
ルシウム、デカン酸カリウム、デカン酸マグネシウム、
デカン酸亜鉛、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸ナトリ
ウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸アルミニウ
ム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、
ミリスチン酸アルミニウム、パルミチン酸ナトリウム、
パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウム、ステア
リン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン
酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸ナトリウ
ム、ベヘン酸ナトリウム等を挙げることができる。これ
らのうち、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸ナトリウ
ム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸アルミニウム、
ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリ
スチン酸アルミニウム、パルミチン酸ナトリウム、パル
ミチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウム、ステアリン
酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カ
ルシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸ナトリウム等
が好適である。
【0023】有機カルボン酸の金属塩の他の例として
は、カルボン酸の金属塩構造を有する樹脂がある。この
ような樹脂としては、エチレンとラジカル重合性不飽和
カルボン酸の周期律表のIA族、IIA族、IIB族、 III
B族の金属(例えばLi、Na、K、Mg、Ca、Z
n、Al等)塩とを共重合した構造を有するもの、或い
はエチレンとラジカル重合性カルボン酸の金属塩と他の
ラジカル重合性不飽和カルボン酸及び/またはその誘導
体とを多元共重合した構造を有するものが挙げられる。
【0024】更に、ポリエチレン、ポリプロピレン、遊
離エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系
樹脂にラジカル重合性不飽和カルボン酸の金属塩(遊離
の不飽和カルボン酸を重合し、その後に中和しても良
い。)をグラフト重合させた構造を有するもの、ポリオ
レフィン系樹脂にラジカル重合性カルボン酸の金属塩と
他のラジカル重合性不飽和カルボン酸及び/またはその
誘導体を同時に共グラフト重合した構造を有するものが
挙げられる。ここで用いられるラジカル重合性不飽和カ
ルボン酸及びその誘導体の例としては、(メタ)アクリ
ル酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸モノメチル、
フマル酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、フマル酸
モノエチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノブチ
ル、(メタ)アクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、
フマル酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエ
チル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル等を挙げ
る事ができる。
【0025】本発明の樹脂組成物に用いる反応促進剤の
他の例としては、三級アミン化合物を挙げる事ができ
る。ここで用いられる三級アミン化合物の具体例として
は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプ
ロピルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミ
ン、トリオクタデシルアミン、ジメチルエチルアミン、
メチルジオクチルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジ
エチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチル−4−
メチルシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロドデシル
アミン、N,N−ジエチル−1−アダマンタナミン、1
−メチルピロリジン、1−エチルピロリジン、1−エチ
ルピペリジン、キヌクジリン、トリフェニルアミン、
N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリ
ン、N,N−ジメチル−m−フェネチアジン、4−t−
ブチル−N,N−ジメチルアニリン等が挙げられる。
【0026】反応促進剤のその他の例としては、四級ア
ンモニウム塩を挙げることができる。ここで用いられる
四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルア
ンモニウムテトラフルオロボレート、テトラメチルアン
モニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラメチルア
ンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミ
ド、テトラエチルアンモニウムヨージド、メチルトリ−
n−ブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモ
ニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロミ
ド、テトラヘプチルアンモニウムブロミド、フェニルト
リメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルア
ンモニウムクロリド等が挙げられる。
【0027】更に、周期律表のIIA族、IIB族、 IIIB
族の金属の水酸化物またはIIA族、IIB族の金属のハロ
ゲン化物を反応促進剤として用いることができる。ここ
で、IIA族、IIB族、 IIIB族の金属の水酸化物として
は、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、
水酸化アルミニウム等が挙げられ、IIA族、IIB族の金
属のハロゲン化物としては、例えば、塩化カルシウム、
臭化カルシウム、塩化マグネシウム等を挙げる事ができ
る。
【0028】更に、オキソ酸とIA族、IIA族、IIB
族、 IIIB族の金属の塩を反応促進剤として用いること
ができる。その具体例としては、硝酸ナトリウム、硝酸
カルシウム、硝酸亜鉛、硝酸マグネシウム、硝酸アルミ
ニウム、燐酸ナトリウム、燐酸カルシウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸ナトリ
ウム、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウ
ム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、沃素酸ナトリ
ウム等が挙げられる。その他、LiBF4 、NaBF4 、KBF4
NaPF6 、KPF6、NaPCl6、KPCl6 、NaFeCl4 、NaSnCl4
NaSbF6、KSbF6 、NaAsF6、KAsCl6等のルイス酸のアルカ
リ金属塩も反応促進剤として使用することができる。
【0029】以上に例示した反応促進剤のうち、有機カ
ルボン酸の金属塩が好適に用いられる。また、上記の各
種の反応促進剤を必要に応じて2種類以上併用すること
もできる。これらの反応促進剤の使用量は、成分(a)
のエチレン系共重合体100重量部に対して0.001
〜20重量部の範囲、より好ましくは0.01〜15重
量部の範囲である。この量が0.001重量部未満であ
ると、反応が遅くなり過ぎて組成物中に架橋構造を効果
的に導入することが困難となり、20重量部を超える
と、反応速度を向上させる点で無意味であるだけでな
く、経済的にも好ましくない。
【0030】また本発明の樹脂組成物には、該組成物の
特性を損なわない範囲で各種の添加剤、配合剤、充填剤
を使用することが可能である。これらを具体的に示せ
ば、酸化防止剤(耐熱安定剤)、紫外線吸収剤(光安定
剤)、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、滑剤(スリップ
剤、アンチブロッキング剤)、ガラスフィラー等の無機
充填剤、有機充填剤、補強剤、着色剤(染料、顔料)、
発泡剤、香料等が挙げられる。
【0031】本発明の樹脂組成物を製造するには、成分
(a)〜(c)及び必要に応じて用いられる添加剤など
を種々の手段で混合すればよい。混合方法としては、通
常知られている種々の樹脂の混合方法を用いることがで
き、例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラーのような
混合機を用いてドライブレンドしてもよく、バンバリー
ミキサー、加圧ニーダー、押出機及びロールミルのよう
な混練機を用いて溶融混練する方法が挙げられる。この
際、予めドライブレンドし、得られる混合物を溶融混練
することによってより均一な混合物を得ることができ
る。また、本発明の樹脂組成物の成形時に各成分を溶融
混合することもできる。すなわち、各成分をペレットあ
るいは粉体の状態で混合(ドライブレンド)し、押出
機、射出成形機中でフィルム等の製造段階を利用して溶
融混合することもできる。
【0032】本発明の樹脂組成物は、溶融混練されて成
形されるが、この成形加工時においては架橋構造は形成
されない。そして、これがペレット、板、フィルムある
いは射出成形による各種成形品に成形された後、冷却固
化過程において、架橋構造を形成し、凝集力を上げ、耐
熱性や機械的強度を向上する。また、一旦架橋構造を形
成しても、溶融することによりこの構造を解離して成形
性を回復し、新たに成形した後の冷却固化過程で再度架
橋構造を形成して高強度の成形品を生じる。
【0033】具体的に成形条件の例を示せば、押出機及
びダイ温度を、樹脂温度が200℃以上となるように設
定することにより、組成物中の架橋が解離し、溶融成形
が可能となる。そして冷却固化時には反応促進剤の効果
により速やかに架橋反応が進行し、架橋構造が導入され
た樹脂組成物成形体となる。従って、樹脂の強度が向上
し、耐熱性も付与されており、種々の用途に利用可能な
成形体を得ることができる。成形体としては、例えば、
フィルム、ブロー成形品、射出成形品、ラミネート成形
品等として各種包装材、容器、機械部品、日用品等とし
利用することができる。また、耐環境応力亀裂破壊(E
SCR)、機械的強度、耐熱性等を改善する樹脂改質剤
として使用することもできる。
【0034】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明するが、本発明はこれらによって制限されるも
のではない。 (実施例1)槽型反応器を有する高圧法ポリエチレン製
造設備を用いて、MFR(JISK7210の表1条件
4)10g/10分、無水マレイン酸に由来する単位が
2.5重量%であるエチレンと無水マレイン酸との共重
合体を製造した。なお、共重合体の組成は赤外吸収スペ
クトルにより決定した。さらに、その引張強度をJIS
−K6760により測定したところ、132Kg/cm
2 の破断強度を示した。そのときの伸び率は840%で
あった。次に、無水マレイン酸12重量部と数平均分子
量2000、密度0.94g/cm3 のポリエチレン1
00重量部をキシレンに溶解し、ジクミルパーオキサイ
ドの存在下に反応して、無水マレイン酸含量11%の無
水マレイン酸変性ポリエチレンを得た。さらにこの無水
マレイン酸変性ポリエチレンと、モノエタノールアミン
をキシレン中で反応し溶剤を留去して変性ポリオレフィ
ンA(以下、MPO−1と略称する。)を得た。このM
PO−1の水酸基数は、KOH価を測定し、それより算
出したところ、一分子あたり2.0個であった。
【0035】上記のエチレン系共重合体100重量部に
対して、架橋剤であるMPO−15.1重量部(水酸基
/酸無水物基=0.2)、反応促進剤としてMFR(J
ISK7210の表1条件4)3.0g/10分、密度
0.94g/cm3 であるエチレン−メタアクリル酸共
重合体の部分中和物(以下、金属塩(a)と略称す
る。)(メタアクリル酸含有量18重量%、該メタアク
リル酸のうち約10モル%をナトリウムイオンで中和し
た共重合体)1重量部を混合した。混合にあたっては、
3成分をヘンシェルミキサーでドライブレンドした後、
30mmφの異方向2軸押出機を用いて230℃で溶融
混練し、ペレット化した。組成物のMFR(JIS K
7210の表1条件14)は2.1g/10分であっ
た。
【0036】FTIRにおける酸無水物基のカルボニル
吸収強度とエステル基のカルボニル吸収強度の比から算
出した反応率は、21%であった。この組成物について
引張り強度の測定を行った。測定はJIS−K7113
に準じて230℃で成形した試験片を23℃、相対湿度
50%の状態で24時間調製した後、引張強度を測定し
たところ、210Kg/cm2 の破断強度が認められ、
この時の伸び率は630%であった。
【0037】この組成物の成形安定性を次のようにして
判定した。25mmφ押出機、200mm幅のTダイス
を有するフィルム成形機を使用し、樹脂温度255℃、
引き取り速度3m/分で厚み50μmのフィルムを5時
間連続して押出成形したところ、フィルムの外観に全く
異常は観察されず、極めて良好な成形性を有しているこ
とが判った。また、同時に発煙性を判定するのに、同成
形機、同押出条件で樹脂組成物をダイスより垂れ流し、
そのときの発煙量を目視にて観察したところ、発煙は見
られなかった。
【0038】(実施例2〜10)表1に示したエチレン
系共重合体、変性ポリオレフィン及び反応促進剤を用い
て実施例1と同様にして樹脂組成物を製造し、それらの
物性を測定し、結果を表1に示す。なお、成形性の判定
は、実施例1と同様の方法でフィルム成形を行い、成形
開始直後のフィルム外観と連続5時間成形後のフィルム
外観を比較することによって行い、全く異常のみられな
かったものを○、ゲルあるいはフィッシュアイが多数発
生したものおよび5時間の連続成形ができなかったもの
を×とした。また、発煙性の判定も、実施例1と同様の
方法で樹脂組成物を垂れ流し、目視で発煙が見られなか
ったものを○、発煙が見られるものを×とした。
【0039】(比較例1)実施例1において、架橋剤で
ある変性ポリオレフィンの代わりに、トリメチロールプ
ロパン(TMP)を用い、実施例1と同様にして表1に
示す樹脂組成物を製造し、その樹脂組成物の物性を測定
した。得られた樹脂組成物の成形性を評価したところ、
フィルム成形開始後1時間でゲルが多数発生し、それ以
上の成形が困難であった。
【0040】(比較例2)架橋剤としてトリメチロ−ル
プロパンのプロピレンオキシド付加体(TM−30P)
を用い、実施例1と同様にして表1に示す樹脂組成物を
製造し、その樹脂組成物の物性を測定した。得られた樹
脂組成物の成形性を評価したところ、5時間連続成形
で、フィルムの外観に全く異常は観察されず、極めて良
好な成形性を有していた。しかしながら、発煙性を評価
したところ、垂れ流し樹脂表面から発煙が見られ、周囲
では異臭も感じられ、作業環境を悪化させた。
【0041】なお、表1に示す略称は、下記のものを意
味する。 MMA=メチルメタクリレ−ト MA=メチルアクリレ−ト BA=ブチルアクリレ−ト VA=ビニルアセテ−ト MPO−1=変性ポリオレフィンA 無水マレイン酸変性ポリエチレンのモノエタノールアミ
ン付加体(分子量2000、1分子あたりの水酸基数
2.0個) MPO−2=変性ポリオレフィンB 無水マレイン酸変性ポリエチレンの3−アミノ−2−プ
ロパノール付加体(分子量3000、1分子あたりの水
酸基数2.3個) MPO−3=変性ポリオレフィンC 無水マレイン酸変性ポリプロピレンのモノエタノールア
ミン付加体(分子量40000、1分子あたりの水酸基
数6.0個) TMP=トリメチロールプロパン TM−30P トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド(3.0
モル)付加体IO(a) エチレン−メタクリル酸(18重量%)共重合体のNa
塩(メタクリル酸10モル%中和)、MFR(JIS−
K7210の表1条件4)3.0g/10分 IO(b) エチレン−メタクリル酸(18重量%)共重合体のZn
塩(メタクリル酸10モル%中和)、MFR(JIS−
K7210の表1条件4)4.0g/10分 StNa=ステアリン酸ナトリウム StCa=ステアリン酸カルシウム
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、製造が容易で、
かつ安価であるとともに、熱安定性に優れ、長時間の連
続溶融成形が可能であり、外観に優れ、機械的強度、耐
熱性などの諸物性が著しく改善された成形体が得られ
る。また、本発明の樹脂組成物は、成形時の発煙性が極
めて少ないため、作業環境性に優れる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)エチレンと少なくともラジカル重
    合性酸無水物とを構成モノマ−として含む共重合体であ
    り、その共重合体中のラジカル重合性酸無水物基の成分
    濃度が0.1〜10重量%であるエチレン系共重合体、
    (b)不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンに下記一般
    式(1) H2 N−R−OH …………… (1) (式中、Rは水素、炭素原子数1〜18個の鎖状あるい
    は環状アルキレン基、アリーレン基またはアラルキレン
    基を表す。)で示されるアミノアルコールを反応させて
    得られる変性ポリオレフィン及び(c)反応促進剤を含
    有し、成分(a)であるエチレン系共重合体100重量
    部に対し、成分(b)である変性ポリオレフィンが0.
    1〜30重量部の範囲であり、且つ成分(c)である反
    応促進剤が成分(a)であるエチレン系共重合体100
    重量部に対して0.001〜20重量部の範囲であるこ
    とを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 成分(a)であるエチレン系共重合体が
    エチレン、ラジカル重合性酸無水物及びその他のラジカ
    ル重合性コモノマーからなる共重合体であり、その共重
    合体中のラジカル重合性酸無水物基の成分濃度が0.1
    〜10重量%であり、その他のラジカル重合性コモノマ
    ー基の成分濃度が3〜40重量%の範囲である請求項1
    記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 成分(a)であるエチレン系共重合体が
    エチレンとラジカル重合性酸無水物からなる共重合体で
    あり、その共重合体中のラジカル重合性酸無水物基の成
    分濃度が0.1〜10重量%の範囲である請求項1記載
    の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 成分(b)である変性ポリオレフィンが
    成分(a)であるエチレン系共重合体100重量部に対
    して1〜20重量部の範囲であり、かつ成分(a)中の
    ラジカル重合性酸無水物に由来する単位に対して、成分
    (b)中の水酸基の単位のモル比が0.01〜2の範囲
    である請求項1、2または3記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 成分(c)の反応促進剤がカルボキシル
    基を含む重合体の金属塩または有機カルボン酸の金属塩
    である請求項1、2、3または4記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4または5記載の樹
    脂組成物を溶融成形し、その冷却過程において架橋構造
    を形成させたことを特徴とする熱可逆架橋性成形体。
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